JP3158162B2 - オレフィン水和触媒の製造方法 - Google Patents

オレフィン水和触媒の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、オレフィン水和触媒の製造方法の改良に関
するものである。さらに詳しくいえば、本発明は、オレ
フィンの水和によってアルコールを製造する際に用いら
れる、触媒活性の寿命が長い触媒を効率よく製造する方
法に関するものである。
従来の技術 近年、オレフィンを水和してアルコールを製造する
際、触媒として耐熱性及び機械的強度に優れる無機固体
酸である結晶性アルミノシリケート(一般にゼオライト
と呼ばれている)を用いる方法が提案されている。例え
ばZSM系のゼオライトを用いるエチレン、プロピレン、
ブテンの水和反応(特開昭57−70828号公報)、シリカ
/アルミナモル比が20以上の結晶性アルミノシリケート
を用いるシクロアルカノールの製造方法(特開昭58−19
4828号公報)、微粒化された結晶性アルミノシリケート
を用いる環状オレフィンの水和方法(特開昭60−104028
号公報)などが開示されている。これらの方法において
は、種々のゼオライトが用いられているが、それらの中
で特にZSM−5は活性及び選択性の点で優れている。
このZSM−5の製造方法としては、従来、シリカ源、
アルミナ源、アルカリ金属源及び水に加えて、さらにテ
トラプロピルアンモニウム塩などのアンモニウム塩(特
公昭46−10064号公報)、アルコール(特開昭52−43800
号公報)、低級アルキル尿素(特開昭61−68319号公
報)、アミノアルコール(特開昭57−7818号公報)など
の有機物を原料として用いる方法が試みられてきた。し
かしながら、有機物を用いる方法は、有機物が高価なこ
とや触媒として用いる場合、有機物を除去する必要があ
るため、近年、有機物の代りに種結晶を使用する方法
(特開昭58−7819号公報)や種スラリーを使用する方法
(特願平1−328371号公報)などが提案されている。
ところで、これらの有機物を用いない方法で得られた
ZSM−5は、一般にカチオンがアルカリ金属であるた
め、オレフィンの水和反応には活性を示さないことか
ら、通常水熱合成によって得られたアルカリ金属型ZSM
−5を無機酸でイオン交換を行いH−ZSM−5とし、オ
レフィンの水和反応触媒として用いられる。このような
無機物のみから得られたH−ZSM−5をオレフィンの水
和反応触媒に用いた例として、シクロヘキセンの液相水
和反応が知られている(特開平1−180835号公報)。
しかしながら、このような従来の方法で無機物のみか
ら得られたH−ZSM−5においては、オレフィンの水和
反応触媒として用いる場合、触媒活性の経時的低下が比
較的大きく、触媒の再生頻度が高くなるのを免れないと
いう工業的に実施する上で大きな問題があった。
発明が解決しようとする課題 本発明は、このような従来の無機物のみから得られた
H−ZSM−5から成るオレフィン水和触媒が有する欠点
を克服し、触媒活性の経時的低下が小さく、寿命の長い
オレフィン水和触媒を提供することを目的としてなされ
たものである。
課題を解決するための手段 本発明者らは、無機物のみから得られ、かつ触媒活性
の経時的低下の小さいH−ZSM−5から成るオレフィン
水和触媒を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、無機物の
みから水熱合成によって得られたシリカ/アルミナモル
比が特定の範囲にあるZSM−5を、アルカリ水溶液と接
触させたのち、無機酸でイオン交換することによってシ
リカ/アルミナモル比の特定の範囲に調整することによ
り、前記目的を達成しうることを見い出し、この知見に
基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、シリカ源、アルミナ源、アルカ
リ金属源及び水の無機物のみから水熱合成によって得ら
れたシリカ/アルミナモル比が20以上30未満のZSM−5
を、アルカリ水溶液と接触させたのち、無機酸でイオン
交換することにより、シリカ/アルミナモル比を30〜50
の範囲に調整することを特徴とするオレフィン水和触媒
の製造方法を提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明方法において用いられるZSM−5はシリカ源、
アルミナ源、アルカリ金属源及び水の無機物のみから水
熱合成により得られたものであって、その製造方法につ
いては特に制限はなく、従来公知の方法を用いることが
できるが、ZSM−5を選択性良く製造する方法が好まし
く、例えば種結晶や種スラリーを用いる方法、特に種ス
ラリーを用いる方法が好適である。
本発明に用いられるシリカ源については、通常ゼオラ
イトの製造に用いられる無機物であればよく特に制限さ
れず、例えばケイ酸ナトリウム水溶液、シリカゾル、シ
リカゲルなどが挙げられるが、これらの中で特にケイ酸
ナトリウム水溶液が好適である。
また、アルミナ源については、通常ゼオライトの製造
に用いられる無機物であればよく特に制限されず、例え
ば硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウムなどの塩、アル
ミン酸ナトリウム、アルミナ粉末などが挙げられるが、
これらの中で硫酸アルミニウム及びアルミン酸ナトリウ
ムが好ましく、特に硫酸アルミニウムが好適である。
さらに、アルカリ金属源については、通常ゼオライト
の製造に用いられる無機物であればよく特に制限され
ず、例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのア
ルカリ金属酸化物、塩化ナトリウムや硫酸ナトリウムな
どのアルカリ金属塩などが挙げられるが、これらの中で
水酸化ナトリウムが好適である。
本発明において用いられる水の量については、ZSM−
5が生成する範囲の量であればよく特に制限はないが、
あまり少ないと原料混合物がゲル化した際に、粘度が高
くなりすぎて好ましくないし、あまり多いと生産性が低
下するので好ましくない。この水の量は、通常結晶化終
了後のスラリー濃度が2〜15重量%、好ましくは3〜10
重量%、さらに好ましくは3〜8重量%になるように選
ばれる。
本発明において、種結晶を用いる場合の種結晶の量に
ついては、ZSM−5の生成する範囲であればよく特に制
限はないが、通常生成するZSM−5に対して0.1〜50重量
%、好ましくは0.5〜20重量%、さらに好ましくは1〜1
0重量%になるような割合で用いられる。
一方、本発明において、種スラリーを用いる場合の種
スラリーの量については、ZSM−5が生成する範囲であ
ればよく特に制限はないが、通常原料混合物全体の5〜
60重量%、好ましくは10〜40重量%の範囲で選ばれる。
なお、ここでいう原料混合物とは種スラリーも含むすべ
ての原料混合物をさす。
本発明においては、前記の原料混合物はZSM−5が生
成するように通常pHが10〜12、好ましくは10.5〜12の範
囲になるようにpH調整される。このpH調整を行う場合に
は、必要に応じて硫酸、硝酸、塩酸などの酸が添加され
る。これらの酸の量は、前記範囲のpHになるように、原
料混合物中のアルカリの量に応じて決められる。
本発明における水熱合成の温度については、一般にZS
M−5を生成する温度であればよく特に制限はないが、
通常100〜200℃、好ましくは120〜180℃、より好ましく
は130〜170℃の範囲で選ばれる。
この水熱合成によって得られるZSM−5のシリカ/ア
ルミナモル比は20以上30未満であることが必要である。
このようなシリカ/アルミナモル比のZSM−5を得るに
は種々の方法を用いることができるが、一般的には原料
のシリカ源及びアルミナ源を、シリカ/アルミナモル比
が15〜50、好ましくは20〜40の範囲になるように用いて
処理することにより、得ることができる。
本発明においては、このようにして水熱合成によって
得られたZSM−5を、さらにアルカリ水溶液と接触させ
るが、この際、該ZSM−5は水熱合成で得られたスラリ
ーの状態であってもよいし、ろ過したケークの状態であ
ってもよく、あるいは乾燥した粉末の状態であってもよ
い。
前記ZSM−5と接触させるアルカリ水溶液中のアルカ
リ量は、通常該ZSM−5 1g当り1〜10ミリモル、好まし
くは1.5〜8ミリモル、より好ましくは2〜5ミリモル
の範囲で選ばれる。このアルカリ水溶液中のアルカリと
しては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど
のアルカリ金属水酸化物やアルミン酸ナトリウムなどが
挙げられるが、これらの中で水酸化ナトリウムが好適で
ある。
本発明においてZSM−5とアルカリ水溶液を接触させ
る際の温度については、特に制限はないが、通常0〜15
0℃、好ましくは10〜100℃、さらに好ましくは30〜80℃
の範囲で選ばれる。また、接触させる時間についても特
に制限はないが、通常10分ないし10時間、好ましくは20
分ないし5時間、さらに好ましくは30分ないし2間時間
の範囲で選ばれる。
本発明におけるZSM−5とアルカリ水溶液とを接触さ
せる方法については、スラリー状態でかきまぜる方法や
固定床としてアルカリ水溶液を循環させる方法など、い
ずれも用いることができるが、これらの中でスラリー状
態でかきまぜる方法が好適である。
このようにしてアルカリ水溶液と接触させたZSM−5
は、さらに無機酸によってイオン交換することによって
H−ZSM−5にする。このイオン交換に用いられる無機
酸としては、通常のゼオライトのイオンの交換に用いら
れる酸であればよく特に制限されず、例えば硝酸、硫
酸、塩酸などが挙げられるが、これらの中で特に硝酸が
好適である。
本発明におけるイオン交換に使用する無機酸の量につ
いては特に制限はないが、通常ZSM−5 1g当り1〜20ミ
リモル、好ましくは2〜15ミリモル、さらに好ましくは
3〜10ミリモルの範囲で選ばれる。
このような操作により本発明における触媒が製造され
るが、本発明の目的とする触媒活性の経時的低下の小さ
い触媒は、シリカ/アルミナモル比が30〜50の範囲にあ
ることが必要である。このモル比が30未満では余分のア
ルミニウムが除去されていないので、触媒活性の経時的
低下の抑制効果が十分に発揮されないし、50を超えると
活性点の数が減少して触媒活性自体が低下する。
このシリカ/アルミナモル比は、例えば前記の水熱合
成で得られたZSM−5のシリカ/アルミナモル比、アル
カリ水溶液と接触させる際の条件、無機酸によるイオン
交換の条件を適当に組み合わせることによって、30〜50
の範囲に調整することができる。
このようにして得られたシリカ/アルミナモル比が30
〜50のH−ZSM−5は、触媒活性の経時的低下が小さ
く、オレフィンの水和触媒として好適に用いられる。触
媒活性の経時的低下が小さい理由については必ずしも明
確ではないが、次のことが考えられる。
すなわち、通常のゼオライトの結晶格子は、ケイ素と
アルミニウムが酸素で結合した構造から成っているが、
アルミニウムは必ずしも全部が格子中に存在するわけで
はなく、一部分は格子外に存在しており、この格子外ア
ルミニウムはゼオライト細孔内に存在するので反応中の
分子に拡散を阻害する可能性がある。これに対し、本発
明方法で得られたH−ZSM−5はアルカリ水溶液で処理
されているため、余分な格子外アルミニウムが選択的に
除去されており、その結果触媒活性の経時的低下が小さ
くなっているものと考えられる。
本発明方法で得られたオレフィン水和触媒が適用でき
るオレフィンとしては、炭素数2〜12のものが挙げられ
るが、これらの中で炭素数3〜8のものが好ましく、さ
らに炭素数4〜8の環状オレフィンが好適である。特に
本発明方法で得られる触媒の特徴である触媒活性の経時
的低下が小さい性質は、シクロヘキセンの水和反応にお
いて最も顕著に現われる。
前記触媒を用いたオレフィンの水和反応は気相、液
相、気液混相いずれにおいても実施しうるが、特に液相
水和反応が好適である。
発明の効果 本発明方法で得られたH−ZSM−5を触媒として用
い、オレフィンの水和反応を行うと、従来の触媒に比べ
て、触媒活性の経時的低下が極めて小さく、その結果触
媒再生の頻度が少なくなり、工業的に非常に有利であ
る。
実施例 次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらの例によってなんら限定されるもの
ではない。
実施例1 (1) 種スラリーの調製 SiO2 26重量%及びNa2O 7.0重量%を含有するケイ酸
ナトリウム水溶液5.35kgに水2.5kgを加えて均一な溶液
を調製したのち、この溶液にかきまぜながら水15kgにAl
2(SO4・16H2O 0.4kgと硫酸0.26kgを溶かした溶液
を室温で30分間要してポンプで供給し、均質なゲルを形
成させ、次いでこのゲルを170℃で30時間、250rpmの速
度でかきまぜながら結晶化させ、種スラリーを得た。
(2) ZSM−5の調製 (1)で用いたのと同じケイ酸ナトリウム水溶液5.65
kgとNaOH 28gと水2.2kgとを混合した均一溶液に、
(1)で得られた種スラリー11.6kgを加えて均質なスラ
リーを得たのち、このスラリーをオートクレーブに仕込
み、アンカー型かくはん翼で200rpmでかきまぜながら、
水10kgにAl2(SO4・16H2O 0.42kgを溶かした溶液を
約30分間要してポンプで供給し、さらに、水5kgに硫酸
0.3kgを溶かした溶液を約20分間要して供給した。その
後、温度を150℃まで上げて26時間その温度を維持し、
結晶化を行い、ZSM−5スラリーを調製した。
得られたスラリーの一部をろ過、水洗後、120℃で8
時間乾燥したのち、X線回折分析を行ったところ、ZSM
−5であることが確認された。さらに、このものをケイ
光X線分析にかけて求めたシリカ/アルミナモル比は27
であった。
(3) H−ZSM−5の製造 (2)で得られたZSM−5スラリーをろ過して20重量
%スラリーまで濃縮したのち、この濃縮スラリー1.0kg
にNaOH 16gを水100gに溶かした水溶液を加えて、80℃で
1時間かきまぜた。この条件でのアルカリ水溶液中のア
ルカリの量は、加えたNaOHとZSM−5スラリー中に残存
していた量と合わせて、ZSM−5 1g当り2.5ミリモルであ
った。次に、このスラリーをろ過、水洗したのち、これ
に濃硝酸100gを水500gに加えた水溶液を加えて50℃で4
時間かきまぜてイオン交換を行い、次いでろ過、水洗し
てH−ZSM−5を得た。また、この一部を120℃で8時間
乾燥したケイ光X線分析を行ったところ、シリカ/アル
ミナモル比は34であった。
実施例2 実施例1において、(3)で加えるNaOHの量を24gに
変えた以外は、実施例1と全く同様にしてH−ZSM−5
を得た。
また、その一部を120℃で8時間乾燥してケイ光X線
分析を行ったところ、シリカ/アルミナモル比は38であ
った。
実施例3 実施例1において、(3)で加えるNaOHの量を32gに
変えた以外は、実施例1と全く同様にしてH−ZSM−5
を得た。
また、その一部を120℃で8時間乾燥してケイ光X線
分析を行ったところ、シリカ/アルミナモル比は45であ
った。
実施例4 (1)種スラリーの調製 実施例1の(1)で用いたのと同じケイ酸ナトリウム
水溶液5.65kgとNaOH 28gとNaAlO2 45gを水2.21kgに加え
て均一な溶液を得たのち、この溶液に、実施例1の
(1)で得た種スラリー10.5kgを加えて均質なスラリー
とし、次いでこのスラリーを、オートクレーブに仕込
み、200rpmでかきまぜながら、水10kgにAl2(SO4
16H2O 0.424kgとNaAlO2 0.05kgを溶かした溶液を約30分
間要してポンプで供給した。さらに、水5.84kgに硫酸0.
2kgを溶かした溶液を約15分間要してポンプで供給して
均質なゲルを形成させ、その後、温度を190℃まで上げ
て6時間結晶化させ、種スラリーを得た。
(2)ZSM−5の調製 (1)で得られた種スラリーを用いて、(1)と同じ
仕込原料組成で均質なゲルを得たのち、165℃に温度を
上げて30時間その温度を維持し、結晶化させた。得られ
たスラリーをろ過したのち、水洗を行い、一部を120℃
で乾燥してX線回折分析を行ったところ、生成物はZSM
−5であった。
また、ケイ光X線分析によるシリカ/アルミナモル比
は24であった。
(3)H−ZSM−5の製造 (2)で得られた水洗後のケークに水を加えて25重量
%のスラリー2kgを調製したのち、このスラリーにNaOH
60gを水500gに溶かした水溶液を加えて70℃で2時間か
きまぜた。この条件におけるアルカリ水溶液中のアルカ
リの量は、ZSM−5 1g当り3ミリモルであった。
次に、得られたスラリーをろ過、水洗したのち、これ
に濃硝酸350gを水1kgに溶かした水溶液を加えて、70℃
で4時間イオン交換を行い、次いでろ過、水洗を行い、
H−ZSM−5を得た。
また、その一部を120℃で6時間乾燥してケイ光X線
分析を行ったところ、シリカ/アルミナモル比は37であ
った。
実施例5 実施例4の(2)で得られたスラリーろ過、水洗した
のち、120℃で8時間乾燥し、次いでこの粉末200gをNaO
H 40gを水800gに溶かした溶液に加えて50℃で3時間か
きまぜた。この条件下でのアルカリ水溶液中のアルカリ
の量は、ZSM−5 1g当り5ミリモルであった。
次に、得られたスラリーをろ過、水洗したのち、これ
に濃硝酸180gを水500gに溶かした水溶液を加えて60℃で
4時間イオン交換を行い、次いでろ過、水洗を行い、H
−ZSM−5を得た。
また、この一部を120℃で6時間乾燥してケイ光X線
分析を行ったところ、シリカ/アルミナモル比は46であ
った。
比較例1 実施例1の(2)で得られたスラリーをろ過、水洗し
てさらに水を加えて20重量%のスラリーとした。このス
ラリー1kgに濃硝酸180gを水720gに溶かした溶液を加え
て60℃で4時間イオン交換を行ったのち、ろ過、水洗し
て、H−ZSM−5を得た。
また、その一部を120℃で8時間乾燥したのち、ケイ
光X線分析を行ったところ、シリカ/アルミナモル比は
28であった。
比較例2 実施例1の(2)で得られたスラリーをろ過、水洗し
てさらに水を加えて25重量%のスラリーとしたのち、こ
のスラリー1kgにNaOH 5gを水500gに溶かした溶液を加え
て80℃で3時間かきまぜた。この条件でのアルカリ水溶
液中のアルカリの量は、ZSM−5 1g当り0.5ミリモルであ
った。
次に、得られたスラリーをろ過、水洗したのち、これ
に濃硝酸200gを水1kgに溶かした水溶液を加えて、60℃
で4時間イオン交換を行い、次いでろ過、水洗してH−
ZSM−5を得た。
また、その一部を120℃で8時間乾燥したのち、ケイ
光X線分析を行ったところ、シリカ/アルミナモル比は
29であった。
比較例3 実施例1の(2)で得られたスラリーをろ過、水洗し
てさらに水を加えて25重量%のスラリーとしたのち、こ
のスラリー1kgに、NaOH 110gを水1kgに溶かした溶液を
加えて、30℃で4時間かきまぜた。この条件におけるア
ルカリ水溶液中のアルカリの量は、ZSM−5 1g当り11ミ
リモルであった。
次に、得られたスラリーをろ過、水洗してZSM−5ケ
ークを得た。またその一部乾燥して固形物の量を求めた
ところ、アルカリ処理前の固形物の量の40重量%であっ
た。
この水洗後ZSM−5ケークに、濃硝酸200gを水1kgに溶
かした水溶液を加えて、60℃で4時間イオン交換を行っ
たのち、得られたスラリーをろ過、水洗してH−ZSM−
5を得た。
また、その一部を120℃で8時間乾燥したのち、ケイ
光X線分析を行ったところ、シリカ/アルミナモル比は
68であった。しかしながら、このもののX線回折分析を
行ったところ、結晶化度が60%と極めて低いことが分か
った。
実施例6 実施例1と4で得られたH−ZSM−5触媒と比較例1
で得られたH−ZSM−5触媒を用いてシクロヘキセンの
液相水和反応を行った。反応条件は、以下のとおりであ
る。
反応装置:内部にセトラーを有する1の耐圧式かく
はん槽 反応部のオイル/スラリーvol比:20/80 スラリー相中の触媒濃度:27重量% オイル供給速度:1.7gシクロヘキセン/g−cat・hr 反応温度:120℃ 反応圧力:5kg/cm2(N2加圧) 反応槽内部のセトラーで油水分離を行い、上層のオイ
ルのみを反応系外に抜き出しオイル中のシクロヘキサノ
ール濃度をガスクロマトグラフィーで分析した。
各触媒を用いた流通反応の1000時間までの出口オイル
中のシクロヘキサノール濃度の経時変化を第1図に示
す。
第1図から明らかなように、本発明の触媒は極めて活
性低下が小さいことが分かる。
実施例7 実施例3と比較例2で得られたH−ZSM−5触媒を用
いてシクロヘキセンの液相水和反応を以下の条件で行っ
た。
反応装置:実施例6と同じ スラリー相中の触媒濃度:30重量% オイル供給速度:2.5gシクロヘキセン/g−cat・hr 反応温度:110℃ 反応圧力:5kg/cm2(N2加圧) 流通反応の2000時間までの出口オイル中のシクロヘキ
サノール濃度の経時変化を第2図に示す。
第2図に示すように、本発明の触媒は極めて活性低下
が小さいことが分かる。
実施例8 実施例5と比較例1で得られたH−ZSM−5触媒を用
いて、以下の条件でプロピレンの水和反応を行った。
プロピレン/水/触媒仕込み重量比:10/70/5 反応温度:150℃ 反応圧力:90kg/cm2 反応時間:2時間 バッチ反応後の生成液から未反応のプロピレンを除去
したのち、スラリー相をろ過して、ろ液中のイソプロパ
ノール濃度をガスクロマトグラフィーで分析してプロピ
レン基準の収率を求めた。その後、回収した触媒を用い
て、同条件で5回反応を行った。各触媒のバッチごとの
イソプロパノール収率の変化を次表に示す。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は、本発明方法で得られたH−ZSM−
5触媒と従来法で得られたH−ZSM−5触媒を用いて、
シクロヘキセンの水和反応を実施した場合の触媒活性の
経時的低下を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 37/36 C07C 29/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリカ源、アルミナ源、アルカリ金属源及
    び水の無機物のみから水熱合成によって得られたシリカ
    /アルミナモル比が20以上30未満のZSM−5を、アルカ
    リ水溶液と接触させたのち、無機酸でイオン交換するこ
    とにより、シリカ/アルミナモル比を30〜50の範囲に調
    整することを特徴とするオレフィン水和触媒の製造方
    法。
  2. 【請求項2】アルカリ水溶液が、ZSM−5 1g当り1〜10
    ミリモルのアルカリを含有するものである請求項1記載
    のオレフィン水和触媒の製造方法。
JP31158890A 1990-11-19 1990-11-19 オレフィン水和触媒の製造方法 Expired - Lifetime JP3158162B2 (ja)

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CN101637430B (zh) * 2008-07-31 2011-08-31 三洋电机株式会社 按摩设备及具有该按摩设备的座椅式按摩机

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