JP3157842U - 水力発電装置の水路設置構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】水流エネルギーの取り出しにロスがなく、かつ、装置の故障リスクを軽減することができ、しかも、水路内への設置およびメンテナンス作業も容易な水力発電装置の水路設置構造を提供する。【解決手段】プロペラにより回転軸を回転せしめることによりケーシング内に収容されたコイルを回転させて発電可能であって、かつ、誘導電流を電線を通じて前記ケーシング外部に送電可能なモータ発電機を、筒体2の内部に収容する一方、この筒体2には、取水口21と排水口22とを形成して、かつ、前記モータ発電機の電線を前記ケーシングの外部へ連ね出して、前記筒体2を支持フレーム3に固定し、この支持フレーム3により当該筒体2を懸架して水中に設置可能にする一方、この支持フレーム3に配設された昇降機構31により筒体2を昇降させることによって、前記モータ発電機を水上に退避して、かつ着脱可能に構成する。【選択図】図4
Description
本発明は、水力発電装置の改良、更に詳しくは、水流エネルギーの取り出しにロスがなく、かつ、装置の故障リスクを軽減することができ、しかも、水路内への設置およびメンテナンス作業も容易な水力発電装置の水路設置構造に関するものである。
周知のとおり、発電の手段として、火力発電や原子力発電、水力発電などがあり、中でも、水力発電は燃料を使用しないため、地球温暖化防止などの環境問題解決の上でもクリーンエネルギーとして非常に重要である。
ところで、水力発電は、通常、ダムの放水路や河川などの比較的流量の大きい場所で行われることが多いため、導水管やゲートなどの大規模な施設が必要である。
そこで、最近では、用水路などの小規模な水量の構造物において発電をすることによって、身近な流水エネルギーを有効に利用することができる、所謂「小水力発電・マイクロ水力発電」についての発電設備が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、かかる水力発電設備にあっては、水路に回転羽根を支承したケーシング部材を設置しているため、不可避的に装置コストがかかってしまうという問題があった。また、受水した羽根の回転をタービンに伝えるためには、装置外部に回転軸を延成してこの回転トルクを取り出す必要があるけれども、この機構部分が故障することによってうまく伝達できないおそれがある。
本考案は、従来の水力発電装置に上記のような問題があったことに鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、水流エネルギーの取り出しにロスがなく、かつ、装置の故障リスクを軽減することができ、しかも、水路内への設置およびメンテナンス作業も容易な水力発電装置の水路設置構造を提供することにある。
本考案者が上記課題を解決するために採用した手段を添付図面を参照して説明すれば次のとおりである。
即ち、本考案は、所定幅員の水路W内において発電装置を設置するための構造であって、プロペラ11により回転軸12を回転せしめることによりケーシング10内に収容されたコイルを回転させて発電可能であって、かつ、誘導電流を電線13を通じて前記ケーシング10外部に送電可能なモータ発電機1を、筒体2の内部に収容する一方、
この筒体2には、取水口21と排水口22とを形成して、かつ、前記モータ発電機1の電線13を前記ケーシング10の外部へ連ね出して、
前記筒体2を支持フレーム3に固定し、この支持フレーム3により当該筒体2を懸架して水中に設置可能にする一方、この支持フレーム3に配設された昇降機構31により筒体2を昇降させることによって、前記モータ発電機1を水上に退避して、かつ着脱可能に構成するという技術的手段を採用したことにより、水力発電装置の水路設置構造を完成させた。
この筒体2には、取水口21と排水口22とを形成して、かつ、前記モータ発電機1の電線13を前記ケーシング10の外部へ連ね出して、
前記筒体2を支持フレーム3に固定し、この支持フレーム3により当該筒体2を懸架して水中に設置可能にする一方、この支持フレーム3に配設された昇降機構31により筒体2を昇降させることによって、前記モータ発電機1を水上に退避して、かつ着脱可能に構成するという技術的手段を採用したことにより、水力発電装置の水路設置構造を完成させた。
また、本考案は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、水路Wの片方の岸または擁壁において支持フレーム3のガイドレール32を設置する一方、筒体2にはローラー部材23を配設して、このローラー部材23を前記ガイドレール32内をスライドさせることによって昇降自在に構成するという技術的手段を採用した。
更にまた、本考案は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、支持フレーム3の昇降機構31に、筒体2を昇降するための巻取りウインチ31aを設けるという技術的手段を採用した。
更にまた、本考案は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、支持フレーム3を水路の両方の岸または擁壁に亙り掛架することによって、前記筒体2を水中に懸架可能にするという技術的手段を採用した。
更にまた、本考案は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、モータ発電機1のケーシング10の外周部にフィン14を配設するという技術的手段を採用した。
更にまた、本考案は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、筒体2の取水口21を漏斗状に開口させるという技術的手段を採用した。
更にまた、本考案は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、筒体2の取水口21の前方に、異物の侵入を防止するためのガード部材21aを配設するという技術的手段を採用した。
更にまた、本考案は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、モータ発電機1のプロペラ11を、筒体2の取水口21側になるように取り付けるという技術的手段を採用した。
更にまた、本考案は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、筒体2の一部に透明な窓部24を設け、モータ発電機1のプロペラ11の配設該当位置が外側から視認できるようにするという技術的手段を採用した。
本考案にあっては、プロペラにより回転軸を回転せしめることによりケーシング内に収容されたコイルを回転させて発電可能であって、かつ、誘導電流を電線を通じて前記ケーシング外部に送電可能なモータ発電機を筒体の内部に収容する一方、この筒体には、取水口と排水口とを形成して、かつ、前記モータ発電機の電線を前記ケーシング外部へ連ね出して、前記筒体を支持フレームに固定し、この支持フレームにより当該筒体を懸架して水中に設置可能にする一方、この支持フレームに配設した昇降機構により筒体を昇降させることによって、前記モータ発電機を水上に退避して、かつ着脱可能にすることができる。
したがって、本考案の水路設置構造によれば、河川や小川、下水道、排水溝、農業用水路などの様々な水路に簡単に導入することができて、水流エネルギーの取り出しにロスがなく、かつ、装置の故障リスクを軽減することができ、しかも、水路内への設置およびメンテナンス作業も容易なことから、実用的利用価値は頗る高いものがあると云える。
本考案を実施するための形態を、具体的に図示した図面に基づいて更に詳細に説明すると、次のとおりである。
本考案の実施形態を図1から図5に基づいて説明する。図中、符号1で指示するものはモータ発電機であり、このモータ発電機1は、プロペラ11により回転軸12を回転せしめることによりケーシング10内に収容されたコイルを回転させて発電することができる。本実施形態では、3枚羽根のプロペラ11を2機配置する(図1参照)。また、コイルにより発生した誘導電流を電線13を通じて前記ケーシング10の外部に送電することができる。この際、防水用のパイプ内にケーブルを挿通させることができる。
なお、本実施形態におけるモータ発電機1の具体的仕様は、定格出力:3kW、定格電圧:AC200V、定格電流:8.7A、相数:3相、極数:8極、回転数:1500rpm、動作温度:−10℃〜40℃である。
また、符号2で指示するものは筒体であり、この筒体2には、取水口21と排水口22とが形成されており、本実施形態では、不錆材料としてアルミニウムを円筒状に作製するとともに、筒体2の取水口21を漏斗状に開口せしめて、筒体内の水流を増速させることができる。なお、漏斗部は着脱自在に構成しても良いし、一体に成形することもできる(図2参照)。
しかして、本考案は、所定幅員の水路W内において発電装置を設置するための構造であって、構成するにあっては、まず、モータ発電機1を、筒体2の内部に収容する(図3参照)。本実施形態では、モータ発電機1のケーシング10の外周部にフィン14を配設することができ、筒体2内に支持しやすくすることができる。この際、フィン14を等角放射状に3枚設ける。
また、本実施形態では、モータ発電機1のプロペラ11を、筒体2の取水口21側になるように取り付けることによって、上流側で大きな流水エネルギーを受けることができる。
更にまた、筒体2の胴部に貫通孔を形成し、この貫通孔から前記モータ発電機1の電線13を前記ケーシング10の外部へ連ねることができる。
そして、前記筒体2を支持フレーム3に固定して、この支持フレーム3により当該筒体2を懸架して水中に設置可能にする(図4参照)。
本実施形態では、水路Wの片方の岸または擁壁(本実施形態では擁壁)に支持フレーム3のガイドレール32を設置する。このガイドレール32として、コの字型の断面形状のチャンネル部材を使用する。
一方、前記筒体2にはローラー部材23を配設する。本実施形態では、アーム状に持ち出した先端に回転式のゴムローラーを配設して、このローラー部材23を前記ガイドレール32内にスライドさせることができる。
また、この支持フレーム3には昇降機構31を配設して、前記筒体2を昇降させることによって、前記モータ発電機1を水上に退避させ、かつメンテナンス時には筒体2ごと着脱することができる。本実施形態では、支持フレーム3の昇降機構31として、門型フレームからワイヤーを垂下して筒体2を吊支するとともに、滑車等でワイヤーを連通して、巻取りウインチ31aを設けて、筒体2を昇降することができる。この巻取りウインチ31aは手動・自動を問わない。なお、水面近くの方が流速が大きいため、筒体2を水面近くに設置するのが好ましい。
本実施形態では、支持フレーム3のガイドレール32の端部を弯曲させることができ、メンテナンス時などに、この弯曲端部から筒体2を着脱することができる。
また、支持フレーム3を水路の両方の岸または擁壁に亙り掛架することによって、前記筒体2を水中に懸架することもできる。
本実施形態では、図5に示すように、筒体2の取水口21の前方に、異物の侵入を防止するためのガード部材21aを配設することができ、プロペラ11や発電機本体の破損を防止することができる。なお、このガード部材21aは、例えば、錐状の支柱に網を張るなどできるが、流速を必要以上に減衰させないようにする。
更に、本実施形態では、筒体2の一部に透明な窓部24を設け、モータ発電機1のプロペラ11の配設該当位置が外側から視認できるようにすることができ、回転状況の確認をすることができる。
本考案は、概ね上記のように構成されるが、図示の実施形態に限定されるものでは決してなく、「実用新案登録請求の範囲」の記載内において種々の変更が可能であって、例えば、モータ発電機1のプロペラ11の形状や個数は、必要に応じて、適宜、変更することができる。
また、筒体2の形状も角筒状(四角形など)のものを採用しても良いし、更にまた、支持フレーム3の構造も限定されるものではなく、筒体2を水中に配置できるものであれば良く、これら何れのものも本考案の技術的範囲に属する。
1 モータ発電機
10 ケーシング
11 プロペラ
12 回転軸
13 電線
14 フィン
2 筒体
21 取水口
21a ガード部材
22 排水口
23 ローラー部材
24 窓部
3 支持フレーム
31 昇降機構
31a ウインチ
32 ガイドレール
W 水路
10 ケーシング
11 プロペラ
12 回転軸
13 電線
14 フィン
2 筒体
21 取水口
21a ガード部材
22 排水口
23 ローラー部材
24 窓部
3 支持フレーム
31 昇降機構
31a ウインチ
32 ガイドレール
W 水路
Claims (9)
- 所定幅員の水路W内において発電装置を設置するための構造であって、
プロペラ11により回転軸12を回転せしめることによりケーシング10内に収容されたコイルを回転させて発電可能であって、かつ、誘導電流を電線13を通じて前記ケーシング10外部に送電可能なモータ発電機1が、筒体2の内部に収容されている一方、
この筒体2には、取水口21と排水口22とが形成されており、かつ、前記モータ発電機1の電線13は前記ケーシング10の外部へ連なっており、
前記筒体2は支持フレーム3に固定されており、この支持フレーム3により当該筒体2を懸架して水中に設置可能である一方、この支持フレーム3に配設された昇降機構31により筒体2を昇降させることによって、前記モータ発電機1が水上に退避して、かつ着脱可能に構成したことを特徴とする水力発電装置の水路設置構造。 - 水路Wの片方の岸または擁壁において支持フレーム3のガイドレール32が設置されている一方、筒体2にはローラー部材23が配設されており、このローラー部材23が前記ガイドレール32内をスライドすることによって昇降自在に構成されていることを特徴とする請求項1記載の水力発電装置の水路設置構造。
- 支持フレーム3の昇降機構31に、筒体2を昇降するための巻取りウインチ31aが設けられていることを特徴とする請求項2記載の水力発電装置の水路設置構造。
- 支持フレーム3を水路の両方の岸または擁壁に亙り掛架することによって、前記筒体2を水中に懸架可能にしたことを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の水力発電装置の水路設置構造。
- モータ発電機1のケーシング10の外周部にフィン14が配設されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の水力発電装置の水路設置構造。
- 筒体2の取水口21が漏斗状に開口していることを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載の水力発電装置の水路設置構造。
- 筒体2の取水口21の前方に、異物の侵入を防止するためのガード部材21aが配設されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか一つに記載の水力発電装置の水路設置構造。
- モータ発電機1のプロペラ11が、筒体2の取水口21側になるように取り付けられていることを特徴とする請求項1〜7の何れか一つに記載の水力発電装置の水路設置構造。
- 筒体2の一部に透明な窓部24を設け、モータ発電機1のプロペラ11の配設該当位置が外側から視認できるようにしたことを特徴とする請求項1〜8の何れか一つに記載の水力発電装置の水路設置構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009008948U JP3157842U (ja) | 2009-12-17 | 2009-12-17 | 水力発電装置の水路設置構造 |
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JP2009008948U JP3157842U (ja) | 2009-12-17 | 2009-12-17 | 水力発電装置の水路設置構造 |
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JP3157842U true JP3157842U (ja) | 2010-03-04 |
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ID=54861464
Family Applications (1)
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JP2009008948U Expired - Lifetime JP3157842U (ja) | 2009-12-17 | 2009-12-17 | 水力発電装置の水路設置構造 |
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JP (1) | JP3157842U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013253577A (ja) * | 2012-06-08 | 2013-12-19 | Bellsion:Kk | 水力発電装置 |
-
2009
- 2009-12-17 JP JP2009008948U patent/JP3157842U/ja not_active Expired - Lifetime
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