JP3157837U - 低周波治療器用指サック型電極体 - Google Patents
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Abstract
Description
このような電気刺激による介助法として、例えば特許文献1に記載された電気刺激式筋力増強器などを利用したものが注目されている。この介助法では患者の随意運動命令を筋電図で検知し、その命令にタイミングよく電気刺激を与えることで麻痺改善に効果を上げている。その装置で使用されていた従来の電極は、吸盤電極や導電性を有する粘着パッド電極であった。
一方、リハビリ手技による肢体麻痺の治療方法として、例えば鹿児島大学霧島リハビリテーションセンターの川平和美が開発した川平法と呼ばれるものが知られている。この手技は、治療者が、患者の随意運動を成功させ易いような運動パターンに麻痺肢を操作するものである。その他、患者の随意運動命令に合わせ、患部に筋肉タッピングなどの刺激を与える場合もある。
すなわち、患者の随意運動命令に合わせて、治療者がその手技により、患者の随意運動を成功させ易い運動パターンに麻痺肢を操作しながら、タイミングよく電気刺激を付与することができれば、高い治療効果を期待することができる。
しかしながら、従来の吸盤電極や粘着バッド電極では、患者の麻痺肢に電極が常時付着しているため、その電極やこれに接続されたコードが邪魔になり、麻痺した患部に対して治療者がリハビリ手技を施し難かった。しかも、このリハビリ手技に合わせ、治療者がタイミングよく患部に電気刺激を与えるようなことは極めて困難であった。
また、この指サック型電極体を使用すれば、治療者が顔面、喉などの患部を実際に触診しながら電気刺激を与えることができ、目標とする筋群への電気刺激が容易となる。
さらに、仮に電極が位置ずれしても従来の吸盤電極や粘着パッド電極の場合のように、皮膚から電極を剥がして再び付着させるという煩わしさがない。これにより、低周波治療がスムーズとなり、治療時間も短縮することができる。
神経麻痺を伴う疾患としては、脳出血、蜘蛛膜下出血、脳梗塞といった脳卒中などが挙げられる。
神経が麻痺した患部としては、例えば、肢体(上肢、下肢)、喉、顔面などが挙げられる。
本考案では、神経麻痺の電気刺激による介助を対象とする。例えば、「患者の随意運動命令」を「電気刺激」により援助するとともに、「治療者の操作(リハビリ手技)」も同時に行う。
ここでいう「随意運動」とは、肘を曲げる、指を伸ばすなどの自らの意思で行う運動を指し、「随意運動命令」とは、随意運動を遂行するよう脳内で生成される運動命令を指す。
「治療者の操作(リハビリ手技)」とは、様々な手技が報告されているが、例えば川平法では治療者が麻痺肢を操作することで、患者の随意運動命令が大脳の運動野から骨格筋まで届きやすくするよう働きかける。この操作により運動が成功することで運動野から骨格筋までの神経経路を活性化させ、麻痺肢の回復を図っている。その治療パターンは肩・肘・手指・足等、多岐にわたる。肩の挙上に対する治療パターンを例にあげれば、患者はベッド上臥位となり、治療者は麻痺肢の手関節付近を把持し、もう一方の手で麻痺肢の肩を包み込むように把持する。この時、治療者の母指は麻痺肢の三角筋(肩の前面)に、残りの四指を肩甲骨の後面に添える。そして、治療者の合図と同時に麻痺肢を挙上するように求める。この時、治療者は、母指により三角筋をさすりながら、残りの4指により肩甲骨を引き上げるように刺激を与え、随意運動が成功しやすいように働きかける。この一連の作業を繰り返すことで麻痺筋の回復を図るものである。
電気絶縁性の布帛としては、例えば天然繊維(綿、麻、絹、毛糸)からなる布帛(織布、不織布、編布)、合成繊維(ポリアミド系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリエステル系繊維、アクリル系繊維、ポリオレフィン系繊維)、フェルト、皮革(天然または人工)、ゴム、ラテックスなどを採用することができる。
導電性の布帛としては、例えば銅線などの金属導線が織り込まれた導電繊維織物、導電性繊維不織布、導電性繊維編み物を採用することができる。その他、電気絶縁性の布帛やシートの表面に、導電性材料を塗布(コーティング)したものなどを採用することができる。
皮膚接触電極部は、少なくとも本体の指腹部分の表面(外面)に張り付けられていればよい。例えば、本体の表面の全域に張り付けられてもよい。皮膚接触電極部は、本体の裏面(内面)に存在してはいけない。治療者にも電気刺激が与えられるからである。
締結ベルト(帯状の部材)の形状は任意である。例えば、短冊形状、舌片形状、三角形状を含む多角形状などを採用することができる。
両掛止部材としては、例えば、面状ファスナ、ホック、フックなどを採用することができる。
「スリットの両側の形成部を重ね合わせて本体の元部を絞り込む」とは、本体の開口部にスリットを入れることで互いに突き合わせ状態で切り分けられたスリット形成部において、一方側のスリット形成部分を他方側のスリット形成部分に重ね合わせ、この状態を保持して本体の元部を絞り込む(開口面積を小さくする)ことをいう。
また、指サック型電極体を使用することで、治療者が顔面、喉などの患部の筋群を実際に触診しながら電気刺激を与えることが可能となり、目標とする筋群への電気刺激が容易となる。
さらに、仮に電極が位置ずれしても、従来のように患部から電極を剥がして再び付着させる煩わしさがない。これにより、低周波治療がスムーズとなり、治療時間も短縮することができる。
指サック型電極体10Aは、治療者の左親指(左拇指)に装着されるもので、正極用のリード線Lを介して低周波治療器の正極端子に接続されている。また、指サック型電極体10Bは、治療者の右人差し指(右示指)に装着されるもので、負極用のリード線Lを介して低周波治療器の負極端子に接続されている。
指サック型電極体10Aは、電気絶縁性のポリアミド系繊維の織布からなり、治療者の手指(左手の親指)に装着可能な指サック形状の本体11を有している。本体11の指腹部分の表面(外面)の略全域には、銅線が織り込まれた導電繊維織物からなる皮膚接触電極部12が、接着剤により張り付けられている(図2(b))。また、本体11の開口した元部の甲側部分には、雄ホック形状の電極端子13が固定されている(図2(a))。電極端子13には、前記リード線Lに設けられた雌ホック形状の電極端子14が接続される。皮膚接触電極部12と電極端子13とは、皮膚接触電極部12の元部の左右両縁から、皮膚接触電極部12を細長くカットした一対の導体テープ15により接続されている。この導体テープ15も本体11の元部に接着されている。
ここでは、麻痺した患部を患者が動かす「随意運動命令」のタイミングに合わせ、治療者が「リハビリ手技」と「電気刺激」とを同時に施す。具体的には、治療者は右示指に指サック型電極体10Aを装着し、その電極端子14を低周波治療器の負極側出力端子に接続する。同様に左拇指に指サック型電極体10Bを装着し、その電極端子14を低周波治療器の正極側出力端子に接続する。次に、治療者は、右示指を麻痺肢の前脛骨筋近位部に接触する。そして治療者の合図と同時に右足首を背屈する(持ち上げる)よう求め、合図と同時に左拇指を前脛骨筋遠位部に接触する。この操作により、治療者は患者の随意運動命令に合わせてタイミングよく電気刺激を加えることを可能とするものである。
さらに、指サック型電極体10A,10Bを採用することで、仮に電極が位置ずれしても、従来のように患部から電極を剥がして再び付着させる煩わしさがない。これにより、低周波治療がスムーズとなり、治療時間も短縮することができる。
図3に示すように、実施例2の低周波治療器用指サック型指サック型電極体20の特徴は、本体11の素材を電気絶縁性の合成皮革とし、雄ホック形状の電極端子13および幅広の導体テープ15の形成位置を本体11の長さ方向の略中間部の甲側部分とし、本体11の開口する元部の一側部分に、元部の開口縁から指先方向へ延びるスリット11aが1本形成され、本体11の元部の表面全域に雄側の面状ファスナ(一方の掛止部材)21を周設し、本体11の元部の周方向の略半分の長さを有する締結ベルト22の一端部を、その裏面全域に設けられた雌側の面状ファスナ(他方の掛止部材)23を介して、前記雄側の面状ファスナ21のうち、スリット11aの一方側の形成部に掛止した点である。これらの面状ファスナ21,23、締結ベルト22によって、スリット11aの両側の形成部を重ね合わせて本体11の元部を絞り込んだ状態を保持可能な絞り込み保持構造体24が構成されている。
その他の構成、作用および効果は、実施例1と略同じであるので、説明を省略する。
図4に示すように、実施例3の低周波治療器用指サック型電極体30の特徴は、患部に対して広範囲に電気刺激が与えられるように、短冊形状の電極端子板31を介して、2本の指サック型電極体30を連結可能にした点である。なお、電極端子板31を長くすることで、電極端子板31によって連結可能な指サック型電極体30の本数を、3本またはそれ以上としてもよい。
電極端子板31は、銅線が織り込まれたテープ形状の導電性繊維織物からなる導電基材32を有し、その導電基材32の両端部の裏面に、前記両指サック型電極体30の電極端子13に掛止される雌ホック形状の電極端子33が配設され、導電基材32の長さ方向の中間部の表面に雄ホック形状の電極端子34が設けられ、かつ各電極端子33,34を露出させて、導電基材32を電気絶縁性の人工皮革袋35に収納したものである。
その他の構成、作用および効果は、実施例1と略同じであるので、説明を省略する。
図5に示すように、実施例4の低周波治療器用指サック型電極体40の特徴は、治療者がリハビリ手技を施す際、誤って患者に両電極が接触して生じる不慮の電気刺激を無くすため、指サック型電極体40の腹部分(指の腹部と対峙したサック内面)に、薄肉な板状スイッチ体41を設けた点である。
その他の構成、作用および効果は、実施例2と略同じであるので、説明を省略する。
11 本体、
11a スリット、
12 皮膚接触電極部、
21 雄側の面状ファスナ(一方の掛止部材)、
22 締結ベルト、
23 雌側の面状ファスナ(他方の掛止部材)、
24 絞り込み保持構造体。
Claims (2)
- 神経麻痺した患者のリハビリテーション用の低周波治療器に接続され、前記患者の皮膚と直接接触する低周波治療器用指サック型電極体であって、
電気絶縁性の布帛からなり、手指に装着可能な指サック形状の本体と、
導電性の布帛からなり、前記本体の指腹部分の表面に張り付けられた皮膚接触電極部とを備えた低周波治療器用指サック型電極体。 - 前記本体の開口を有する元部には、該元部の開口縁から前記本体の指先方向へ延びるスリットが形成され、
前記本体の元部には、前記スリットの両側の形成部を重ね合わせて前記本体の元部を絞り込んだ状態を保持する絞り込み保持構造体が設けられ、
該絞り込み保持構造体は、前記本体の元部に固定された一方の掛止部材と、該一方の掛止部材に掛止可能な他方の掛止部材と、該他方の掛止部材が固定される締結ベルトとを有した請求項1に記載の低周波治療器用指サック型電極体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009008934U JP3157837U (ja) | 2009-12-16 | 2009-12-16 | 低周波治療器用指サック型電極体 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009008934U JP3157837U (ja) | 2009-12-16 | 2009-12-16 | 低周波治療器用指サック型電極体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP3157837U true JP3157837U (ja) | 2010-03-04 |
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Family Applications (1)
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JP2009008934U Expired - Lifetime JP3157837U (ja) | 2009-12-16 | 2009-12-16 | 低周波治療器用指サック型電極体 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013031644A (ja) * | 2011-06-30 | 2013-02-14 | Og Giken Co Ltd | 手指装着型電極及びこれを備えた電気刺激装置 |
JP2021145693A (ja) * | 2020-03-16 | 2021-09-27 | メトラス株式会社 | 美容機器および施術方法 |
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2009
- 2009-12-16 JP JP2009008934U patent/JP3157837U/ja not_active Expired - Lifetime
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