JP3157391U - 塗装・錆剥離装置 - Google Patents

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義栄 大野
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有限会社 宇根元工作所
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Abstract

【目的】鉄橋など建築構造物において部材接続のために用いられたボルト・ナットの頭部分の再塗装前の従前塗装面剥離作業につき、たとえ、ボルト・ナットが表面側に突出し、大量に存在していても、塗装面の塗装剥離作業を確実、容易に行え、当該箇所における剥離作業の効率を向上でき、剥離作業後の再塗装の仕上がりを最適のものとしうる建築構造物のボルト・ナット部の塗装・錆剥離装置を提供することを目的とするものである。【構成】鋼材製剥離部本体と凹凸形状を刻設して形成した剥離刃とを有する剥離部と、剥離部軸方向に有する円柱状空間部と、円柱状空間部に嵌合する回転部材と、を備え、剥離部は回転部材により軸方向を回転軸として回転可能に構成されたことを特徴とする。【選択図】 図1

Description

この考案は、例えば鉄橋など建築構造物において、接続部に用いられた接続用六角頭ボルト・ナット等の塗装・錆の剥離に用いられる塗装・錆剥離装置に関するものである。
従来、鉄橋などの建築構造物は鋼材を接合して構成されており、それらを締結するために、六角頭ボルト・ナット、トルシア形ボルト・ナットなどが大量に使用されている。
そして、美観維持、防錆力向上による構造物の耐久性の維持、延命などのために、定期的な再塗装が求められる。
従来の鉄橋など建築構造物においては、従前塗装面の平面部分を剥離する治具、たとえば特開2004−211044号公報に記載されている剥離テープなど塗装面剥離治具は比較的多く存在してあり、一般に知られている。
しかし、建築構造物において、部材接続のために使用されたボルト頭部分は表面側に凸状に突出して、しかも大量に存在しているため、従前の塗装剥離治具を使用した剥離作業は困難で剥離作業の効率も悪く、さらには当該箇所の塗装剥離が確実に行えないため、再塗装の仕上がりも低下してしまうとの課題があった。
また前述のとおり、鉄道橋梁等の鋼構造物は、適切な周期で塗り替え塗装を行い腐食による鋼構造物機能の損壊を防ぎ、健全な状態に維持管理することによって、長年月にわたり社会的資産としての価値を維持することが求められる。
前記の塗り替え塗装の工事では、腐食部位の錆や劣化塗膜を完全に除去してから、新規の塗料・塗装系を塗装するが、塗装前の処理(以下、素地調整と言う)が不十分になると塗装後の防錆性・耐久性が激減してしまう。
しかしながら、橋梁架設工法に適用されるボルト継手工法における継手部のボルト・ナット部は角部の多い複雑凸形状をしており、さらに多量のボルト・ナットが集中しているために素地調整が難しい部位とされている。
また、上記のもの以外には従来の再塗装のためのボルト・ナットの塗膜剥離用に空気圧駆動のジェット・タガネ、エア・タガネ、エア・ハンマ等も用いられているが、これらを用いる作業は構造物全体に共鳴・反射し、近隣に対しては大音量の騒音となり、作業者には工具の強烈な振動をもたらしており、重量も大きく作業性が劣ることから騒音問題を回避できる工具の開発が求められていた。
さらには、前記の作業現場では、ボルト・ナットの塗膜剥離だけでなく、ボルト・ナットの局所、例えば、ボルト・ナットの平面やネジのピッチ等の局所に生じた錆の除去作業も必要とされ、従来では、別作業で砥石等によって研磨して錆の除去を行っていたため作業上手間がかかっていた。
そこで、本件考案者らは前記課題などに対処するため、軽量かつ静音で作業高効率である低振動によるボルト・ナットの塗膜・錆の剥離作業を行える装置を考案するに至った。
特開2004−211044号公報
かくして、本考案は前述したように従来の課題を解消するために案出されたものであり、鉄橋など建築構造物において部材接続のために用いられたボルト・ナットの頭部分の再塗装前の従前塗装面剥離作業につき、たとえ、ボルト・ナットが表面側に突出して、しかも大量に存在していても、当該塗装面の塗装剥離作業を確実、容易に行え、もって当該箇所における剥離作業の効率を向上でき、さらには、剥離作業後の再塗装の仕上がりを最適のものとしうる建築構造物のボルト・ナット部の塗装・錆剥離装置を提供することを目的とするものである。
本考案による塗装・錆剥離装置は、螺旋状に延出形成されて、略円筒状態に外観形成された剛性、靭性を有する鋼材製剥離部本体と、該剥離部本体の外周面に連続する凹凸形状を刻設して形成した剥離刃と、を有する剥離部と、前記剥離部の軸方向に有する円柱状空間部と、該円柱状空間部内に取り付けられるアタッチメントと、
前記アタッチメントに取り付けられる回転部材と、を備え、前記剥離部は、前記回転部材により軸方向を回転軸として回転可能に構成されたことを特徴とし、
または、前記円柱状空間部内には、飛散防止片を設けた、
ことを特徴とし、
または、前記剥離部は、前記回転部材に対し、脱着可能に形成された、ことを特徴とし、
または、剛性、靭性を有する鋼材製剥離部本体と、該剥離部本体の外周面に形成された剥離刃と、を有する剥離部と、前記剥離部の軸方向に有する接続部と、前記接続部に取り付けられるアタッチメントと、前記アタッチメントに接続される回転部材と、を備え、前記アタッチメントは、前記剥離部に接続される剥離部接続部と、前記回転部材に接続される回転部材接続部と、剥離部接続部及び回転部材接続部とを連結する緩衝性を有する連結部材とよりなり、前記剥離部は、前記回転部材により軸方向を回転軸として回転可能に構成されたことを特徴とするものである。
本考案による塗装・錆剥離装置であれば、鉄橋など建築構造物において部材接続のために用いられたボルト・ナットの例えば再塗装前の従前塗装面剥離作業につき、たとえ、ボルト・ナットが表面側に突出して、しかも大量に存在していても、当該塗装面の塗装剥離作業を確実、容易に行え、もって当該箇所における剥離作業の効率を向上でき、剥離作業後の再塗装の仕上がりを最適のものとし、さらには、作業時の接触音が小さく、かつボルト・ナット等との接触時の反発力を吸収して、その反動を軽減でき、均質な素地調節後の表面を確保でき、小型・軽量の開発工具を駆動源に使用できるため、その電動モータ単体の動作音以下で作業でき、塗替え塗装工事につき住宅近隣場所や夜間作業の騒音対策として有効に寄与でき、錆除去に併用でき、またコスト低減にも寄与するとの優れた効果を奏する。
本考案による塗装・錆剥離装置の剥離作業部材の( a )上面図及び( b )側面図による外観構成説明図である(その1)。 本考案による塗装・錆剥離装置の剥離作業部材16の( a )上面図及び( b )側面図による外観構成説明図である(その2)。 本考案による塗装・錆剥離装置の剥離作業部材16の( a )上面図及び( b )側面図による外観構成説明図である(その3)。 本考案による塗装・錆剥離装置の剥離作業部材16の( a )上面図及び( b )側面図による外観構成説明図である(その4)。 本考案による塗装・錆剥離装置の剥離作業部材16の外観構成説明図である(その5)。 本考案による塗装・錆剥離用の剥離刃3の構成を( a )やすり状、( b )鋸刃状、( c )凹凸状、( d )ギア状の各種タイプ別で説明する説明図である。 本考案による実施例1における塗装・錆剥離装置による塗装剥離作業の実施状態を示す説明図である(その1)。 本考案による実施例1における塗装・錆剥離装置による塗装剥離作業の実施状態を示す説明図である(その2)。 本考案による塗装・錆剥離装置のアタッチメント24の外観構成説明図である(その1)。 本考案による塗装・錆剥離装置のアタッチメント24の外観構成説明図である(その2)。 本考案による塗装・錆剥離装置の剥離部22の( a )上面図及び( b )側面図による外観構成説明図である(その1)。 本考案による塗装・錆剥離装置の剥離部22の( a )上面図及び( b )側面図による外観構成説明図である(その2)。 本考案による塗装・錆剥離装置の剥離部22の( a )上面図及び( b )側面図による外観構成説明図である(その3)。 本考案による実施例2における塗装・錆剥離装置による塗装剥離作業の実施状態を示す説明図である(その1)。 本考案による実施例2における塗装・錆剥離装置による塗装剥離作業の実施状態を示す説明図である(その2)。
以下この考案について、実施例1及び実施例2に基づいて説明する。
(実施例1)
本考案の実施例1における建築構造物のボルト・ナット部の塗装・錆剥離装置1は、螺旋状に延出形成されて、略円筒状態に外観形成された剛性、靭性を有する鋼材製剥離部本体2と、該剥離部本体2の外周面に連続する凹凸形状を刻設して形成した剥離刃3と、を有する剥離部4と、前記剥離部4の軸方向に有する円柱状空間部5と、該円柱状空間部5内に取り付けられるアタッチメント18と、前記アタッチメント18に取り付けられる回転部材6とを有して構成されている。
そして、前記剥離部4は、前記回転部材6により軸方向を回転軸として回転可能に構成されている。
まず、本実施例1における前記剥離部4を構成する前記鋼材製剥離部本体2は、螺旋状に延出して形成され、略円筒状態に外観形成される。また前記鋼材製剥離部本体2軸方向には、円柱状空間部5が形成される。
ここで、前記鋼材製剥離部本体2の線径、断面形状、外形、全長は何ら限定されるものではないが、本考案では、前記鋼材製剥離部本体2は任意の線径、断面形状、外形、全長により、予め複数タイプのものが作成され、後記する塗装・錆剥離作業においては適宜なタイプのものが作業者14により選出されて使用される。
なお、前記鋼材製剥離部本体2を既製ボルト材17を利用して加工し形成しても構わない(図5参照)。
すなわち、前記既製ボルト材17の軸心方向に向かい、該既製ボルト材17外周の羅刻部10の複数箇所に軸方向に向かって切り込み加工を施すことにより、もって前記剥離刃3を形成できるのである。
また、前記剥離刃3の形状は何ら限定されるものではないが、本考案の実施例では前記剥離刃3は前記鋼材製剥離部本体2の外周面に連続する凹凸形状を刻設して形成され、図6(a)〜(d)に示される各種の形状タイプのものが予め作成され、後記する剥離作業においては、作業に適宜な形状タイプのものが選出されて使用される。
例えば、図6(a)、(b)から理解されるように、前記剥離刃3の形状をやすり状や鋸刃状に形成しても構わないし、あるいは(c)、(d)から理解されるように、前記剥離刃3の形状を凸凹状、ギア状に形成してもかまわない。
いわゆる凸凹状、ギア状、やすり状あるいは鋸刃状に形成したタイプでは、塗装剥離を比較的大胆、迅速に行うことができることから作業現場での状況を考慮し、いずれのタイプの刃形状を使用するか選択すればよく、前述したような刃形状の異なるタイプを予め複数個用意しておき、これらを使い分けてもかまわない。
ここで、前記鋼材製剥離部本体2は十分な剛性、靭性をもつように調質された鋼材が用いられる。
係る形状及び材質の特性をもってして、剥離作業の際、剥離対象物たるボルト8・ナット9との接触時の反発力を吸収して反動が軽減でき、作業者14の負担を軽減することができる。
さらに、前記鋼材製剥離部本体2には円柱状空間部5を有しているため、冷却性が良く、剥離作業時の前記鋼材製剥離部本体2の発熱を防止し、同時に剥離された塗料等を円柱状空間部5から排出可能とし、もって剥離作業の効率を向上させることが可能である。
また、ボルト8・ナット9の側面のみならず、登頂面などの平面の剥離にも使用でき、汎用性の高いものとなっている。
次に、前記回転部材6は、前記鋼材製剥離部本体2の円柱状空間部5内に取り付けられる前記アタッチメント18に取り付け可能な形状の回転軸部7を有しているものであれば良く、該回転部材6や回転軸部7の形状は何ら限定されるものではない。
本考案の実施例では、モータなどで構成された回転部材6の回転軸部7は円柱状をなして形成される。
なお、前記回転部材6はモータ回転数が変更可能なタイプのものを用いても構わない。
また、本考案の実施例において、符号18はアタッチメントを示す。該アタッチメント18を介して回転部材6の回転軸部7に剥離部4が脱着可能にして取り付けられる。
すなわち、図1に示すようにアタッチメント18の一方側端部に、六角頭ナット状の基部11が形成されており、該基部11に前記鋼材製剥離部本体2の一方側端面が固着して取り付けられている。
ここで、図2及び図3に示す前記アタッチメント18では前記基部11の一方側端面から前記剥離部本体2の延出方向と反対側に向かって突出形成された接続部12を有して構成される。
しかして、前記剥離部4とアタッチメント18を備えて剥離作業部材16が構成される(図1乃至図4参照)。該剥離作業部材16は回転部材6に対して、前記アタッチメント18を介して、いわゆるスムーズに脱着出来るようアタッチメント式に取り付け可能としたものである。
なお、前記図1及び図4に示すタイプの前記剥離作業部材16は前記基部11の内周に回転部材6と接続可能な雌ネジ部13が形成され、あるいは、図2及び図3に示すタイプの前記剥離作業部材16は前記接続部12の内周に回転部材6と接続可能な雌ネジ部13が形成され、回転部材6に対してアタッチメント式に取り付け可能とされている例である。
さらに、前記剥離部4とアタッチメント18との取り付けに関しては何ら限定されものではないが、本考案の実施例では、前記剥離部4の円柱状空間部5に、円柱状に形成されたアタッチメント18が嵌合して固定され、もって前記剥離部4が、前記回転部材6により軸方向を回転軸として回転可能なものとされている。
また、前記剥離部4と、前記アタッチメント18とは、脱着可能に構成しても構わない。
すなわち、前記剥離部4を例えば長尺、短尺タイプの複数のタイプを予め作成して、剥離作業の作業箇所に応じて、適宜なタイプのものに交換可能なものとすることが必要だからである。
そして、前記剥離部4とアタッチメント18を有した前記剥離作業部材16を回転部材6に取り付け、もって塗装・錆剥離装置1として使用する。
ここで、前記回転部材6は回転モータを有するものであれば良く、何ら限定されるものではない。例えば、小型・軽量の電動工具が使用され、本考案においてはディスクサンダを使用し、もって塗装・錆剥離装置1としている。
なお、剥離作業現場では、上述したとおり、多量に設けられた複雑形状をなすボルト8・ナット9の剥離作業が行われる事から、小型で軽量タイプの回転部材6が好ましい。
また、前記回転部材6はモータ回転数が変更可能なタイプのものを用いても構わない。
ここで、図4に示す前記剥離作業部材16は、前記円柱状空間部5内に前記回転軸部7の登頂面から上方に向かって突出してなる略円柱状の飛散防止片19が設けられたタイプである。
すなわち、前記飛散防止片19は、剥離作業時において、回転を伴った前記剥離作業部材16が破損した場合、前記剥離部4の飛散を防止することを目的として設けられるものである。すなわち、たとえ、剥離部4が途中で切断などの破損があった場合でも、前記飛散防止片19に引っかかり、その破片が飛び散ることがないものとなる。
なお、前記飛散防止片19は、前記回転軸部7と一体に形成しても構わないし、前記のように、別体で形成したものを連結したものでも構わないものである。
次に、実施例1における本考案の現場実施例について説明する。
図7及び図8には作業者14による現場での本実施例1における塗装・錆剥離装置1を用いた塗装・錆剥離作業について示す。
前述とおり、作業者14は剥離作業の現場に適したタイプの前記剥離刃3を有する剥離作業部材16を選び、前記回転部材6に前記アタッチメント18を介して取り付け、使用する。
ここで、前述のように、前記鋼材製剥離部本体2が十分な剛性、靭性を有しているため、当該形状及び材質の特性により剥離作業の対象物たるボルト8・ナット9との接触時の反発力を吸収し、かつ反動を軽減でき、作業者14の負担を軽減することができる。
さらには、上記の特徴をもって、接触音を小さく保て、素地調節後の表面を均質にできる。
また、前記回転部材6には小型・軽量の開発工具を使用するため、該回転部材6の電動モーター単体の動作音以下で作業でき、塗替え塗装工事につき住宅近隣場所や夜間作業の騒音対策として有効である。さらにコストも低減できるのである。
また、前述のように、前記鋼材製剥離部本体2は円柱状空間部5を有して形成されるため、冷却性が良く剥離作業時の前記鋼材製剥離部本体2の発熱を防止し、同時に剥離された塗料等を前記円柱状空間部5から排出可能とし、もって剥離作業の効率を向上させることが可能でなのである。
さらに、前述した図4に示す前記剥離作業部材16を用いた場合では、前記円柱状空間部5内に飛散防止片19が設けられているため、作業時において、回転を伴った前記剥離作業部材16が破損した場合に前記剥離部4の飛散を防止でき、もって作業者14の安全性向上をも図ることができる。
次に、前記鋼材製剥離部本体2の上記構成からボルト8・ナット9の側面部だけではなく、登頂面などの平面部の剥離にも使用できる。
ここで、図7はボルト8・ナット9の側面部に対する剥離作業の際の塗装・錆剥離装置1の使用態様について説明するものである。
この場合、図7に示すように、剥離作業の対象物たる前記ボルト8の軸方向及びナット9の側面に対し、前記剥離部4軸方向を略平行に当接して、剥離作業を行うのである。
そして、図8はボルト8の登頂面、ナット9の平面あるいは鉄橋15の平面など平面箇所に対する剥離作業の際の塗装・錆剥離装置1の使用態様について説明するものである。
この場合は、図8に示すように、剥離作業の対象物たる前記ボルト8の登頂面、ナット9の平面あるいは鉄橋15の平面に対し、前記剥離部4軸方向を略垂直方向に保った状態で、該剥離部4の底面を当接して、剥離作業を行う。
さらに、前述のように、前記鋼材製剥離部本体2が十分な剛性、靭性を有しており当該形状及び材質の特性をもって、ボルト8・ナット9の塗料のみならず、前記ボルト8・ナット9やネジのピッチ等の局所に生じた錆も剥離でき、錆除去作業への併用も可能なものとできる。
しかして、本考案による塗装・錆剥離装置1であれば、鉄橋など建築構造物において部材接続のために用いられたボルト8・ナット9の再塗装前の従前塗装面剥離作業につき、たとえ、ボルト8・ナット9が表面側に突出して、しかも大量に存在していても、当該塗装面の塗装剥離作業を確実、容易に行え、もって当該箇所における剥離作業の効率を向上でき、剥離作業後の再塗装の仕上がりを最適のものとし、
さらには、作業時の接触音が小さく、均質な素地調節後の表面を確保でき、小型・軽量の開発工具を駆動源たる回転部材6に使用できるため、その電動モーター単体の動作音以下で作業でき、塗替え塗装工事につき住宅近隣場所や夜間作業の騒音対策として有効に寄与でき、錆除去に併用でき、またコスト低減にも寄与するとの優れた効果を奏する。
(実施例2)
次に、本考案の実施例2における建築構造物のボルト・ナット部の塗装・錆剥離装置1は、剛性、靭性を有する鋼材製剥離部本体20と、該剥離部本体20の外周面に連続する凹凸形状を刻設して形成した剥離刃21と、を有する剥離部22と、前記剥離部22の軸方向に有する接続部23と、該接続部23に取り付けられるアタッチメント24と、前記アタッチメント24に接続される回転部材6とを有して構成されている。
そして、前記剥離部22は、前記回転部材6により軸方向を回転軸として回転可能に構成されている。
まず、本実施例2における前記剥離部22を構成する前記鋼材製剥離部本体20については、柱状に外観形成される。
ここで、前記鋼材製剥離部本体20の線径、断面形状、外形、全長は何ら限定されるものではないが、本考案では、前記鋼材製剥離部本体20は任意の線径、断面形状、外形、全長により、予め複数タイプのものが作成され、後記する塗装・錆剥離作業においては適宜なタイプのものが作業者14により選出されて使用される。
また、前記剥離刃21の形状は何ら限定されるものではないが、本実施例2では前記剥離刃21は前記鋼材製剥離部本体20の外周面に連続する凹凸形状を刻設して形成される。
すなわち、図11乃至図13に示されるとおり各種の形状タイプのものが予め作成され、後記する剥離作業においては、作業に適宜な形状タイプのものが選出されて使用される。
例えば、図11から理解されるように、略円柱状をなす前記鋼材製剥離部本体20の外周面に螺旋状に凹状溝を刻設して前記剥離刃21を形成しても構わないし、あるいは図12から理解されるように、略六角柱状をなす前記鋼材製剥離部本体20の先端部所定箇所に略凹状の切り欠き部33を複数刻設して前記剥離刃21を形成しても構わないし、あるいは図13から理解されるように、略円柱状をなす前記鋼材製剥離部本体20の外周面軸方向及び幅方向に各々凹状溝を複数刻設して前記剥離刃21を形成してもかまわない。
上記のように形成したタイプでは、塗装剥離を比較的大胆、迅速に行うことができることから作業現場での状況を考慮し、いずれのタイプの刃形状を使用するか選択すればよく、前述したような刃形状の異なるタイプを予め複数個用意しておき、これらを使い分けてもかまわない。
また、前記鋼材製剥離部本体20は十分な剛性、靭性をもつように調質された鋼材が用いられる。
そして、前記鋼材製剥離部本体20の形状及び材質の特性をもって、剥離作業の際には、剥離対象物たるボルト8・ナット9の側面のみならず、登頂面などの平面の剥離にも使用でき、汎用性の高いものとできる。
また、前記剥離部22の軸方向には接続部23が設けられ、該接続部23に前記アタッチメント24が取り付け可能なように形成される。
もって、前記前記剥離部22と前記アタッチメント24はアタッチメント式に取り付け可能な構成をなす。
ここで、前記接続部23については、図11及び図12に示すタイプの前記剥離部22では該本体軸方向に中空軸状に雌ネジ穴を形成して前記接続部23を構成し、図13に示すタイプの前記剥離部22では該剥離部22軸方向の一方端部側から外部に突出形成する雄ネジを形成して前記接続部23を構成する。
なお、前記アタッチメント24には前記回転部材6が接続されるように構成されている。
次に本考案の実施例2において、図9及び図10に示す符号24はアタッチメントを示す。
該アタッチメント24を介して、前記回転部材6の回転軸部7に前記剥離部22が脱着可能にして取り付けられる。
前記アタッチメント24は前記剥離部22に接続される剥離部接続部25と、前記回転部材6に接続される回転部材接続部26と、前記剥離部接続部25と前記回転部材接続部26とを連結する連結部材27とで構成される。
ここで、前記連結部材27には緩衝性を有する材質が用いられ、係る材質の特性をもってして、剥離作業の際、前記剥離部22と剥離対象物たるボルト8・ナット9との接触時の反発力を吸収して、その反動を軽減でき、作業者14の負担を軽減することができる。また、前記剥離部22の耐久性も向上できる効果をなす。
ここで、前記アタッチメント24の形状及び構成は何ら限定されるものではないが、図9に示されるタイプの前記アタッチメント24では、前記剥離部接続部25及び前記回転部材接続部26は略円柱状の形状をなし、かつ各々の内部には前記連結部材27を取り付け可能な連結空間部28、28が各々設けられ、さらに各々の外周面には前記連結部材27を前記連結空間部28、28内で固定すべく、固定用雌ネジ穴29、29・・・が設けられる。
そして、前記連結部材27は略円柱状の形状をなし、緩衝性を有する材質、例えばゴム材により形成され、係る材質をもって緩衝効果を生じさせるものとする。
しかして、前記連結部材27は前記剥離部接続部25と前記回転部材接続部26とを連結する。
具体的には、前記連結空間部28、28内に前記連結部材27を嵌合し、前記固定用雌ネジ穴29、29・・・に固定用ボルト30、30・・・を各々螺挿して固定することで、前記連結部材27を介して前記剥離部接続部25と前記回転部材接続部26とを連結固定できる。
次に、図10に示されるタイプの前記アタッチメント24では、前記剥離部接続部25及び前記回転部材接続部26は、各々同一形状をなして形成される。
すなわち、図に示すとおり、前記剥離部接続部25及び前記回転部材接続部26の一方側端部には六角頭ナット状の基部31が形成されるとともに、該基部31端面の一方側から前記連結部材27を固定する円柱状固定部32が設けられて形成される。
そして、図に示されるとおり、前記剥離部接続部25及び前記回転部材接続部26間には、スプリング状に形成された前記連結部材27の両端部が各々、前記円柱状固定部32、32に固着して取り付けられている。
しかして、図10に示す前記アタッチメント24は、前記連結部材27を介して前記剥離部接続部25と、前記回転部材接続部26を連結して構成する。
ここで、前記前記連結部材27の形状はスプリング状に形成されることから、もって緩衝効果を生じさせるものとなる。
また、本実施例2における図9及び図10に示される前記アタッチメント24は、一方側が前記剥離部22を接続できるように構成され、他方には前記回転部材6が接続されるように構成されている。
すなわち、前記アタッチメント24の剥離部接続部25は前記剥離部22が前記接続部23により接続可能に形成され、また前記アタッチメント24の回転部材接続部26には前記回転部材6が前記回転軸部7により接続可能に形成される。
しかして、前記アタッチメント24に前記剥離部22及び前記回転部材6が取り付け可能に構成され、もって、前記剥離部22が、前記回転部材6により軸方向を回転軸として回転可能なものとされている。
そして前記剥離部22と、前記アタッチメント24とは、脱着可能であるため、前記剥離部22を例えば長尺、短尺タイプの複数のタイプを予め作成して、剥離作業の作業箇所に応じて、適宜なタイプのものに交換可能なものとすることもできる。
しかして、前記剥離部22とアタッチメント24とを回転部材6に取り付け、もって塗装・錆剥離装置1として使用する。
なお、前記接続部23の構成については何ら限定されるものではないが、図11及び図12に示す前記接続部23については、前述のとおり、前記剥離部22の軸方向に雌ネジ穴を形成し、あるいは図13に示す前記接続部23については、前記剥離部22の一方端部側から外部に突出形成する雄ネジを形成して前記接続部23を構成する。
しかして、前記剥離部22と前記アタッチメント24を連結し(図9及び図10参照)、回転部材6に対して、前記アタッチメント24を介して、前記剥離部22をいわゆるスムーズに脱着出来るようアタッチメント式に取り付け可能としたものである。
ここで、上記の前記剥離部22と前記アタッチメント24の連結及び、前記アタッチメント24と前記回転部材6との連結ついては、前記接続部23と前記剥離部接続部25の螺合方向、及び前記回転部接続部26と前記回転軸部7の螺合方向が前記回転部材6の回転方向に対して、逆方向に構成されるため、後記する剥離作業の際、はずれないように構成される。
次に、前記回転部材6は、上記した実施例1で述べたものと同一の構成を有するものが用いられ、本実施例2においては前記アタッチメント24に取り付け可能な形状の回転軸部7を有しているものであれば良く、該回転部材6や回転軸部7の形状は何ら限定されるものではない。
次に、実施例2における本考案の現場実施例について説明する。
本実施例2については前述した実施例1の現場実施例と基本的構成は同一であるが、以下図面に基づき説明する。
まず図14及び図15には作業者14による現場での本実施例2における塗装・錆剥離装置1を用いた塗装・錆剥離作業について示す。
前述のとおり、作業者14は剥離作業の現場に適したタイプの前記剥離刃21を有する前記剥離部22及び前記アタッチメント24を選び、前記回転部材6に前記アタッチメント24を介して前記剥離部22を取り付け、使用する。
ここで、前述のように、前記アタッチメント24における前記連結部材27が十分な緩衝性を有しているため、剥離作業の際、前記剥離部22と剥離対象物たるボルト8・ナット9との接触時の反発力を吸収して、その反動を軽減でき、作業者14の負担を軽減することができる。また、前記剥離部22の耐久性も向上させる効果をなす。
さらには、上記の特徴をもって、接触音を小さく保て、素地調節後の表面を均質にできる。
また、前述のように、前記回転部材6には小型・軽量の開発工具を使用するため、該回転部材6の電動モーター単体の動作音以下で作業でき、塗替え塗装工事につき住宅近隣場所や夜間作業の騒音対策として有効である。さらにコストも低減できるのである。
次に、前記剥離部22の上記構成から実施例1と同様、ボルト8・ナット9の側面部だけではなく、登頂面などの平面部の剥離にも使用できる。
ここで、図14はボルト8・ナット9の側面部に対する剥離作業の際の塗装・錆剥離装置1の使用態様について説明するものである。
この場合、実施例1と同様、図14に示すように、剥離作業の対象物たる前記ボルト8の軸方向及びナット9の側面に対し、前記剥離部22軸方向を略平行に当接して、剥離作業を行うのである。
そして、図15はボルト8の登頂面、ナット9の平面あるいは鉄橋15の平面など平面箇所に対する剥離作業の際の塗装・錆剥離装置1の使用態様について説明するものである。
この場合も、実施例1と同様、図15に示すように、剥離作業の対象物たる前記ボルト8の登頂面、ナット9の平面あるいは鉄橋15の平面に対し、前記剥離部22軸方向を略垂直方向に保った状態で、該剥離部22の底面を当接して、剥離作業を行う。
なお、図12に示すタイプの前記剥離部22においては、前記鋼材製剥離部本体20の先端部所定箇所に略凹状の切り欠き部33が複数刻設されるため、特にボルト8・ナット9の側面、登頂面あるいは平面などの剥離作業において効率的に剥離でき、もって剥離作業の効率化を向上させることができる。
しかして、本考案による本実施例2の塗装・錆剥離装置1であれば、上記した実施例1と同様の優れた効果を奏するとともに、特に本実施例2においては、前記アタッチメント24の構成に係る前記連結部材27に緩衝性を有する材質が用いられて、係る材質の特性をもってして、剥離作業の際、前記剥離部22と剥離対象物たるボルト8・ナット9との接触時の反発力を吸収して、その反動を軽減でき、作業者14の負担を軽減することができ、前記剥離部22の耐久性をも向上できる優れた効果を奏する。
1 塗装・錆剥離装置
2 鋼材製剥離部本体
3 剥離刃
4 剥離部
5 円柱状空間部
6 回転部材
7 回転軸部
8 ボルト
9 ナット
10 螺刻部
11 基部
12 接続部
13 雌ネジ部
14 作業者
15 鉄橋
16 剥離作業部材
17 既製ボルト材
18 アタッチメント
19 飛散防止片
20 鋼材製剥離部本体
21 剥離刃
22 剥離部
23 接続部
24 アタッチメント
25 剥離部接続部
26 回転部接続部
27 連結部材
28 連結空間部
29 固定用雌ネジ穴
30 固定用ボルト
31 基部
32 円柱状固定部
33 切り欠き部

Claims (4)

  1. 螺旋状に延出形成されて、略円筒状態に外観形成された剛性、靭性を有する鋼材製剥離部本体と、該剥離部本体の外周面に連続する凹凸形状を刻設して形成した剥離刃と、を有する剥離部と、
    前記剥離部の軸方向に有する円柱状空間部と、
    該円柱状空間部内に取り付けられるアタッチメントと、
    前記アタッチメントに取り付けられる回転部材と、
    を備え、
    前記剥離部は、前記回転部材により軸方向を回転軸として回転可能に構成された、
    ことを特徴とする塗装・錆剥離装置。
  2. 前記円柱状空間部内には、飛散防止片を設けた、
    ことを特徴とする請求項1記載の塗装・錆剥離装置。
  3. 前記剥離部は、前記回転部材に対し、脱着可能に形成された、
    ことを特徴とする請求項1及び請求項2記載の塗装・錆剥離装置。
  4. 剛性、靭性を有する鋼材製剥離部本体と、該剥離部本体の外周面に形成された剥離刃と、を有する剥離部と、
    前記剥離部の軸方向に有する接続部と、
    前記接続部に取り付けられるアタッチメントと、
    前記アタッチメントに接続される回転部材と、
    を備え、
    前記アタッチメントは、前記剥離部に接続される剥離部接続部と、前記回転部材に接続される回転部材接続部と、剥離部接続部及び回転部材接続部とを連結する緩衝性を有する連結部材とよりなり、
    前記剥離部は、前記回転部材により軸方向を回転軸として回転可能に構成された、
    ことを特徴とする塗装・錆剥離装置。
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