JP3154917B2 - 磁気共鳴診断装置 - Google Patents

磁気共鳴診断装置

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JP3154917B2
JP3154917B2 JP08209995A JP8209995A JP3154917B2 JP 3154917 B2 JP3154917 B2 JP 3154917B2 JP 08209995 A JP08209995 A JP 08209995A JP 8209995 A JP8209995 A JP 8209995A JP 3154917 B2 JP3154917 B2 JP 3154917B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分極移動法であるIN
EPT(Insensitive Nuclei Enhanced by Polarizatio
n Transfer)法やDEPT法(Distortionless Enhance
ment by Polarization Transfer )を実行可能な磁気共
鳴診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴診断装置は、水分子の 1Hを検
出することによって、生体内の水の分布を非侵襲に画像
化することができる装置であり、臨床的に広く使われて
いる診断装置である。しかし、現状の水分布の画像で
は、形態学的な情報しか得ることができない。
【0003】これに対し例えば代謝物の 1H、13Cある
いは31Pを検出することによって、生体内の代謝情報を
得ることができるため、多核種のNMR(Nuclear Magn
eticResonance)の研究が数多くなされている。このう
ちで近年注目を集めているのが、13C−NMRである。
13Cは天然存在比が1.1 パーセントと低いために13C標
識物質投与後の代謝の様子を追跡することが可能で、 1
Hや31Pとは異なる代謝情報を得ることができるためで
ある。
【0004】しかし、この13C−NMRには検出感度が
低いという問題があり、分析用のNMR装置においてデ
カップリングや、分極移動といったS/N向上のための
方法が開発されてきた。後者の分極移動法としては、G.
A.Morris等がJournal of theAmerican Chemical Societ
y vol.101,p.760(1979)で発表したINEPT(Insensi
tive Nuclei Enhanced by Polarozation Transfer)、
D.M.Doddrell等がJournal of Magnetic Resonance vol.
48,p.323(1982)で発表したDEPT(Distortionless E
nhancement by Polarization Transfer )がある。
【0005】まず、INEPTについて説明する。シー
ケンスは図54に示す通りである。図内のJは 1Hと13
Cのスピン結合定数を示す。まず 1Hに対してx軸に関
して90゜パルス(励起パルス)を印加し、 1Hの磁化
スピンを倒す。この90゜パルスの1/4J経過後に、
1Hに対してy軸に関して180゜パルス(再結像パル
ス)と、13Cに対して180゜パルス(反転パルス)と
を同時に印加する。なお、Jは、 1Hと13Cのスピン結
合定数である。また、上記文献にも記述されている通
り、本明細書及び図面において、1/4Jとは、1/
(4・J)を意味し、1/2Jとは、1/(2・J)を
意味し、その他同様に、n/2Jとは、n/(2・J)
を意味する表記である。この 1Hに対する180゜パル
スは、化学シフトと磁場不均一性とのリフォーカスの役
割を持ち、同時に印加される13Cの180゜パルスによ
り、時刻taにおいて13Cに結合した 1Hである 1H{
13C}と、12Cに結合した 1H{12C}はそれぞれ図5
5のような方向を向く。この後、 1Hに対してy軸に関
して90゜パルスと、13Cに対して90゜パルスとを同
時に印加することによって、 1Hの磁化が13Cに移行
(分極移動)する。この後、データを収集することによ
り図56のようなスペクトルデータを得ることができ
る。
【0006】図1の場合には多重線が得られるが、S/
Nをさらに向上させるためにデカップリングを行う方法
が図57、図58、図59に示す方法である。図57の
方法は、13Cに対して90゜パルス印加後、△t経過
後、デカップリングおよびデータ収集を行う方法であ
る。但し、この方法では化学シフト及び磁場不均一性に
より位相が進むため1次の大きな位相補正が必要とな
る。これを改良したの方法が図58、図59の方法であ
る。化合物CHの場合、この様にINEPTシーケンス
後に 1Hに対して180゜パルス、13Cに対して180
゜パルスを印加することにより大きな位相補正の必要の
無いスペクトルを得ることができる(図58)。同様に
化合物CHの場合、図59のシーケンスにおいても大き
な位相補正の必要の無いスペクトルを得ることができ
る。
【0007】このINEPTから、 1Hに対する180
゜パルスを除いた図60のようなシーケンスによっても
分極移動を生起させることができる。しかし、この方法
では1Hの化学シフトをリフォーカスすることができな
いため分極移動を効果的に行うことができず、増強効果
1Hの化学シフトのsin関数になりS/N損が生ず
るという問題があった。
【0008】次にDEPTシーケンスを図61に示す。
この方法でも、分極移動によりS/Nを向上させること
ができる。また、この方法では、 1Hに対しy軸に関し
てフリップ角度θのRFパルスを印加することによりC
Hnの編集を行うことができる。
【0009】これらの分析用NMR装置で開発されてき
た方法を生体(インビボ)に応用するには、限定された
部位からの信号のみを得るために関心領域を局所化する
ことが必要である。これに対し、W.P.Aue 等が、局所化
法であるVSEシーケンス(J.Magn.Reson.56,p.350(19
84) )とDEPTシーケンスの組み合わせにより局所領
域からの信号を観測する方法を発表した(J.Magn.Reso
n.48,323(1982) )。このシーケンスを図62に示す。
この方法では、 1H磁化の分極移動による磁化の増強効
果の他に、13C側で局所化を行わなわずに 1H側で行う
ことにより化学シフトの位置ずれを1/4にすることが
できるという特徴を持つ。しかし、この方法ではVSE
のRFパルスを通常の臨床機では発生できないという問
題があった。また、VSE以降に 1Hの縦磁化の回復の
ため局所領域以外の信号も増強され、局所化特性が劣化
するという問題があった。
【0010】プリパルスに飽和パルスを用いる上記の方
法に対し、局所励起パルスを用いる方法が幾つか発明さ
れている。図63はM.Saner 等が発明した方法(Abstra
ct of 1990 annual meeting of Society of Magnetic R
esonance in Medicine p.1068 )であり、図64はボム
スドルフ等が発明した方法(特開平3-41928 号広報)で
ある。しかし、これらの方法では図60の分極移動シー
ケンスの際に記したように、 1Hの化学シフトがリフォ
ーカスできないため磁化移行の効率が 1Hの化学シフト
のsin関数となり、効率が悪くなるという問題があっ
た。また、Yeung 等はDEPTの 1Hに最初に印加する
第1の90゜パルスを選択励起パルスとする方法(J.Ma
gn.Reson.vol.83,p.183(1989) )を発明した(図6
5)。しかし、この方法では1次元方向のみの局所化で
あり、2次元あるいは3次元の局所化を行うには選択飽
和パルス等が必要であるという問題があった。
【0011】また、D.G.Norris等はR.J.Ordidge 等が発
明したISIS(J.Magn.Reson.vol.66,283(1986) )を
用いて1次元の局所化を行う方法を発表した(J.Magn.R
eson.vol.78,p.362(1988) )。これは、INEPTシー
ケンスの前にISISシーケンスを印加することにより
1次元の局所化を行う方法である。しかし、この方法で
は1次元の局所化に2回のデータ収集が必要のため3次
元に応用すると8回のデータ収集が必要となり、観測時
間が長くなるという問題があった。かつこれに加えて、
ISISパルスがプリパルスであるため縦磁化の回復に
よる局所化特性が劣化するという問題があった。
【0012】ところで、 1H観測法の1つに、G.Bodenh
ausen 等がChemical Physics Letters Vol.69 p.189 (1
980)で発表したHSQC(Hetronuclear Single-Quantu
m-Coherence )法がある。この方法を図66を用いて簡
単に説明する。まず、水の 1H信号を除去するためにC
HESSパルス等の水信号抑圧パルスを印加する。次
に、シーケンス内のブロックAで示したINEPT(In
sensitive Nuclei Enhanced by Polarization Transfe
r)パルス列で 1Hの磁化を13Cに移行し、13Cスピン
の1量子遷移をつくる。この後のt1期間で13Cの化学
シフトが展開する。JC-H による展開はt1期間の中央
で印加する 1Hの180゜パルスでリフォーカスされ、
t1期間では13Cの化学シフトのみが展開する。この後
に印加するブロックBの逆INEPTパルス列により13
C化学シフトの情報が付与された磁化が 1H側に移行
し、t2期間でデータを収集する。t1の長さを何通り
か変化させ、2次元データS(t1,t2)を収集す
る。得られたデータを2次元フーリエ変換することによ
り、 1Hの化学シフト軸ω1H、13Cの化学シフト軸ω13
C の分布ρ(ω1H,ω13C )が得られる(図67)。こ
の方法により、 1H磁化を利用して感度良く観測するこ
とができるとともに、13C化学シフトを利用して良好に
スペクトルを分離することができる。
【0013】また、水信号の抑圧法に関して、上記の方
法とは別に信号が1/2となるという欠点を有するもの
の、勾配磁場により遷移を選択し、水信号を除去すると
いう方法がある。HSQC法に関しては、J.Ruiz-Cabel
lo等が勾配磁場により水信号を消去する方法をJournal
of Magnetic Resonance vol.100,p.282 (1992)に述べて
いる。このシーケンスを図68に示す。Gsel は遷移選
択のための勾配磁場であり、これにより13Cに結合した
1Hのみが選択され、水信号は選択されない。つまり、
13Cに結合した 1Hのみの信号となる。
【0014】以上のように、HSQC法に関しては2つ
の方法が提案されている。しかしながら、検査のために
は部位からの信号を取得する、すなわち局所化が必要で
あるが、上記の方法では局所領域からの信号を取得でき
ないという問題があった。
【0015】また、後者の勾配磁場を利用したHSQC
法では上記のように全ての遷移を選択することができな
いため、信号強度が1/2となるという問題があった。
【0016】ところで、この 1H観測法の最大の問題は
水信号の除去であるが、この方法には水信号を疑似飽和
する水信号抑圧法や水以外の 1Hを選択励起する方法が
あった。しかし、これらの方法では水 1H近傍の化学シ
フトを持つ 1H、例えば1位のグルコース等の信号を飽
和するあるいはこれらの信号を励起できないという問題
があった。
【0017】これらの方法に対して、L.Mulller は、 1
Hと13Cのスピン結合のJ結合を利用して水信号等の13
Cとスピン結合していない 1Hを除去する方法を考案し
た(Journal of American Chemical Socioety,vol.101,
p.4481 (1979) )。また、D.Bruhwiler 等はJ結合と勾
配磁場によるディフェーズを利用して水信号等を除去す
る方法を考案した(Journal of Magnetic Resonance,vo
l.69,p.546 (1986) )。図69にL.Mulller の方法を、
図70にD.Bruhwiler 等の方法を示す。
【0018】これら両方法共にHMQC(Heteronuclea
r Multiple Quantum Coherence)法と言われる方法であ
る。t1期間を経て13Cの化学シフトの情報を付与する
方法でt1の長さを変化させて信号S(t1,t2)を
収集する。この得られたS(t1,t2)を2次元フー
リエ変換することにより、 1Hの化学シフト軸と13Cの
化学シフト軸とを持つ2次元スペクトルが得られる。水
信号除去に対応するのが図69ではブロックAであり、
図70ではブロックBとなる。両方法とも時刻taにお
いて1 H{13C}と水 1Hや 1H{12C}等のそれ以外
1Hは図71のような方向を向く。図69の方法で
は、この後に90゜x( 1H)パルスを印加して水 1
1H{12C}とをZ軸に戻し、 1H{13C}のみを観
測する。これに対し、図70では90゜y( 1H)パル
スを印加して 1H{13C}を縦2スピンオーダーの状態
にした後、勾配磁場を印加して水 1Hと 1H{12C}を
ディフェーズする。この後、90゜−y( 1H)パルス
を印加して 1H{13C}のみを観測する。図69、図7
0のJは上記の 1Hと13Cのスピン結合定数である。ま
た、図70のτは任意の長さに設定して良い。
【0019】化学分析用に開発されてきたこれらの方法
を検査に応用するには特定部位からの信号を取得する、
すなわち局所化が必要である。しかし、上記の方法では
局所領域からの信号を取得できないという問題があっ
た。
【0020】ところで、13Cを用いた診断方法として、
13C標識物質を投与後の13Cスペクトルの変化をとらえ
るという方法が考えられる。図72に1位の炭素を13
に標識したグルコースをサルに静注投与後のサル脳のス
ペクトルの時間変化を示す。このスペクトルの面積が各
代謝物質の量に比例した値となり、この値を算出して各
代謝物の量の時間変化をとらえることができる(図7
3)。これによって代謝速度等がわかり、代謝診断が可
能となる。
【0021】上記のようなスペクトルの面積はカーブフ
ィッティング等の手法を用いて求めることができる。こ
の方法は各時間におけるスペクトルを取り出し、各時間
のスペクトル毎にカーブフィッティング等のスペクトル
処理を行い、代謝物の時間変化を求めるという方法であ
る。
【0022】しかし、13C−MRSのS/Nの低さ、代
謝物量の少なさ等によりスペクトル処理精度が低いとい
う問題があった。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、IN
EPT、DEPT、HSQC、J結合を利用した水信号
の除去等の手法において、多次元の局所化を高精度で簡
易に実現できる磁気共鳴診断装置を提供することであ
る。
【0024】
【0025】
【0026】本発明のの目的は、時系列データがある
場合に従来の方法と比較してさらに処理精度を向上させ
得る磁気共鳴診断装置を提供することである。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明は、分極移動を利
用したHSQC等で、従来同時に印加されていた第1の
核種に対するRFパルスと第2の核種に対するRFパル
スとを、別時間に印加するものである。
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】また、本発明は、スペクトラムの収集を時
間的に繰り返すことにより代謝物の時間変化を検査する
磁気共鳴診断装置において、異なる時間に収集した複数
のスペクトラムを時間軸に沿って連続して得られる波形
を、中心周波数と半値幅と位相とをスペクトラム間で共
通のパラメータとし、且つスペクトラム面積をスペクト
ラム間での変動パラメータとしたモデル式を用いてカー
ブフィッティングを行うことを特徴とする。
【0035】
【作用】本発明によれば、従来同時に印加されていた第
1の核種に対するRFパルスと第2の核種に対するRF
パルスとを、別時間に印加するので、第1の核種に対す
るRFパルスをスライス選択用パルスとして用いること
ができ、これにより多次元の局所化を高精度にしかも簡
易に実現できるようになる。
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】また、本発明によれば、スペクトラムデー
タ量の増加に対してパラメータ数の増加はスペクトラム
面積のみであるから、従来と比較して処理精度を向上さ
せることができる。
【0042】
【実施例】以下、本発明に係る磁気共鳴診断装置の好ま
しい実施例を図面を参照して説明する。なお、ここで
は、濃縮スピンと希釈スピンの例として、 1Hと、 1
とスピン結合している希釈スピンである他の核種とし
て、13Cを例に説明する。他の核種としては、13Cの代
わりに、例えば15Nであってもよい。
【0043】図1は、第1実施例の磁気共鳴診断装置の
構成図である。同図において、静磁場磁石1とその内側
に設けられた勾配コイル2及びシムコイル4により、図
示しない被検体に一様な静磁場と、静磁場と同一方向で
互いに直交するx、y,z3軸の各方向に線形傾斜磁場
分布を持つ勾配磁場が印加される。勾配コイル2は、勾
配コイル電源5により駆動され、シムコイル3はシムコ
イル電源6により駆動される。勾配コイル2の内側に設
けられた送受信コイルとしてのプローブ4は、1Hに対
するRFパルスの送受信および13Cに対するRFパルス
の送信が可能であれば良く、 1H専用プローブと13C専
用プローブとを別々に設けても良いし、二重同調として
同一のコイルとしても兼用させても良い。プローブ4で
受信された磁気共鳴信号は13C受信部9で検波された
後、データ収集部11に転送され、ここでA/D変換さ
れてから計算機システム10に送られ、データ処理がな
される。送信部7,8、受信部9およびプローブ4は、
1Hとスピン結合した他の核種(13C)の共鳴周波数で
RFパルスを送信可能であり、かつ 1Hの共鳴周波数で
磁気共鳴信号を受信可能であるように構成される。
【0044】以上の勾配コイル電源5、シムコイル電源
6、13C受信部9およびデータ収集部11は、全てシー
ケンス制御部10によって制御され、またシーケンス制
御部10は計算機システム12によって制御される。計
算機システム12はコンソール13からの指令により制
御される。データ収集部11から計算機システム12に
入力された磁気共鳴信号は、フーリエ変換等が行われ、
それに基づいて被検体内の所望原子核の密度分布の画像
データが再構成される。この画像データは画像ディスプ
レイ14に送られ、画像として表示される。
【0045】本実施例では、13Cに対して選択的に印加
されるRFパルスを、 1Hのスライス選択パルス及びス
ライス勾配磁場とは同時には印加しないことを特徴とし
ている。これは、13Cに対して選択的に印加されるRF
パルスと勾配磁場とを同時に印加すると、13Cの180
゜反転特性あるいは90゜励起特性がスライス勾配磁場
により劣化し、編集損あるいは磁化移行損が生ずるた
め、S/N損を引き起こすという理由による。
【0046】図2にスライス選択励起パルスを2軸に用
いて、他の軸に関しては選択飽和パルスをプリパルスと
して用いる場合のパルスシーケンスを示す。図2の例で
は、まずz軸方向に関して特定のスライス領域以外の領
域が、プリパルスとしての選択飽和パルスにより疑似飽
和される。これによりz軸方向に関して特定のスライス
領域が局所化される。
【0047】このプリパルスの後に、INEPTのパル
ス列が実行される。まず、 1Hに対する90゜パルス
(励起パルス)が、周波数調整され、スライス選択励起
パルスとしてスライス勾配磁場Gx の存在下で印加され
る。これによりx軸方向に関する局所化がなされる。次
1Hの90゜パルスの中心から、1/4J経過後に、
1Hに対して180゜パルス(再結像パルス)と、13
に対して180゜パルス(反転パルス)とが同時に印加
される。
【0048】これら180゜パルスから1/4J経過後
に、 1Hに対して2番目の90゜パルス(励起パルス)
が周波数調整され、スライス選択励起パルスとしてスラ
イス勾配磁場Gy の存在下で印加される。これによりy
軸方向に関する局所化がなされ、上記z、x軸と併せ
て、3次元の領域限定が実現される。
【0049】そして、この後に、13Cに対して90゜パ
ルスが印加され、これにより局所領域内の 1Hの磁化ス
ピンが13Cに移行した状態で磁気共鳴信号が得られる。
この際、13Cに対する最後の90゜パルスは、被検体の
全領域の13Cを倒すため、全領域からの13Cそのものの
信号がプローブ4に誘起される。しかし、局所化領域か
ら磁化移行される分に関する縦緩和時間T1 は、 1Hの
T1 であるのに対し、全領域からの13C信号は13CのT
1 となることと、T1 ( 1H)よりもT1 (13C)が長
いことより、局所領域外の信号は局所領域内の信号と比
較して小さくなる。このため、特性の良い局所化信号を
得ることができる。
【0050】INEPTの 1Hに対する1番目の90゜
パルス(励起パルス)の位相を反転させ、すなわち 1
に対して−x軸方向に関して1番目の90゜パルスを印
加し、これに同様のシーケンスを続けて、分極移動より
生ずる信号は、 1Hの90゜パルスの位相を反転しない
で得た信号に対して、180゜反転する。これに対し13
Cそのものの信号の位相は、 1Hの90゜パルスの位相
反転/非反転に関わらず、同位相として保存されるた
め、 1Hの90゜パルスの位相反転/非反転で得た両信
号の差分をとることにより、局所化領域からのみの信号
を得ることができる。これは、図3に示すようにINE
PTの 1Hにかける最後の90゜パルス(励起パルス)
の位相の反転によっても、同様に、分極移動による移行
した磁化の位相を反転することが可能であり、差分によ
って局所化特性を向上させることができる。
【0051】従来の方法では3軸方向全て選択飽和パル
スにより局所化を行うため、選択飽和パルスとINEP
Tの第1番目の 1Hの90゜パルスとの時間間隔が開い
てしまい、縦磁化が回復してしまうという問題があっ
た。これに対し、この図2、図3に示したシーケンスで
は、1軸方向のみ選択飽和を行うために従来の方法と比
較して縦磁化の回復が少なく、従来の方法と比べて局所
化特性が向上する。また、 1Hに対する180゜パルス
の印加により化学シフトのリフォーカスが行えるため磁
化効率が劣化しない。また、 1Hにかける90゜パルス
(励起パルス)の位相に伴う2回のシーケンスの走行に
より、局所化が可能なため観測時間が長くならない。
【0052】なお、図には遷移経路(コヒーレンス経
路)の選択のため、スライス領域選択のための勾配磁場
以外に、 1Hに対する180゜パルス(再結像パルス)
の前後で強度の時間積分が同一の遷移経路選択用の勾配
磁場Gadd を印加している。これにより、 1Hに対する
最初の90°パルスを受けずに、再結像パルス及び2番
目の90パルスのみの影響を受けた所望のスライス領域
以外からの信号の発生を排除することができる。このG
add は、方向依存性を持たず、Gx,Gy,Gzのいず
れでも良く、またGx,Gy,Gzのうち任意の2方向
を組み合わせても、Gx,Gy,Gzの3方向を組み合
わせてもよい。また、この実施例のように所望の領域外
の信号を除去するための遷移経路選択の勾配磁場Gadd
の印加は以下に説明する実施例においても必要である。
【0053】第1実施例の変形例を図4に示す。この方
法では、選択飽和を用いないで、残りの1軸(この場合
はz軸)をエンコードを行うことにより各部位の信号を
得ることができる。また、従来の技術で説明した図5
7、図58、図59のようにデカップリングを行う方法
も応用することが可能である。これを図57を応用した
例を図5に、図58を応用した例を図6に示す。また、
これらのデカップリングパルスを印加する方法では90
゜(13C)パルス印加にともなう13Cそのものの信号は
時間間隔Δの設定により、局所化外の信号を消去するこ
とが可能である。
【0054】この第1実施例では、パルス間隔を1/4
J(Jは 1Hと13Cのスピン結合定数)としているが、
測定対象内のCとHの結合がCHの結合のみあるいはC
2の結合のみあるいはCH3 の結合のみの場合にはこ
の間隔は(1+2n)/4J(nは整数)としてもよ
い。
【0055】しかし、例えばCH3 の結合ではJが125
Hz、CH2 の結合では160 Hzというように、測定対象の
Jは数種類のことがしばしばであり、上記パルス間隔を
例えば3/4Jあるいは5/4Jというように長く設定
すると、CH2 に最適なパルス間隔とCH3 に最適なパ
ルス間隔の差が大きくなり磁化移行の効率が悪くなる。
この理由により、パルス間隔はできるだけ短く設定する
方が効率的であり、すなわち1/4Jとするのが良い。
この場合、例えばJ=160Hz の場合、1/4J=1.6
ms となり、第1実施例では最初の90゜パルス(1
H)の選択励起パルス幅が制約され、システムによって
は第1実施例を実現できないこともある。
【0056】このような選択励起パルス幅の制約を受け
ない方法を図7(a),(b)に示す。図7(a)のよ
うに180゜(13C)パルスをエコー生成時刻よりも1
/4J前、あるいは図7(b)のように第1の90゜(
1H)パルスのピーク時刻よりも1/4J後に印加する
ことにより、時刻taにおける13Cに結合した 1H(こ
れを 1H{13C}と記す)と、12Cに結合した 1H(こ
れを 1H{12C}と記す)の磁化を図55のようにする
ことが可能となり、このため分極移動を生起することが
できる。従来のINEPTシーケンスでは 1Hのパルス
間隔は1/4Jと制約されていたが、本方法では180
゜(13C)パルスの印加時刻を 1Hのエコー生成時刻あ
るいは第1の90゜( 1H)パルスを基準として設定す
ることが可能なため、 1Hのエコー時間すなわち 1Hの
パルス間隔を任意の長さに設定することができる。この
ため、 1Hの選択励起パルスの幅を自由に設定すること
が可能となる。
【0057】次に、これらの方法を局所化に応用した一
つの例を図8に示す。この方法では、上に説明したよう
1Hのパルスの間隔τを任意に設定できるため、選択
励起パルスの幅は問題にならず、実現に当たってハード
の制約を受けることはない。1/4J=1.6 ms の場
合でも、第1の選択励起パルスの幅は3 ms とすること
ができ、臨床機において十分に実現可能である。また、
第1実施例で述べたように 1Hの第1番目のパルスの9
0゜x ( 1H)パルスの位相あるいは 1Hの第3番目の
パルスの90゜y ( 1H)パルスの位相を反転させて得
られる信号の差分により局所化特性をさらに向上させる
ことも第1実施例と同様に可能である。
【0058】図9には、図4に示した方法と同様に遷移
経路選択のための勾配磁場パルスGadd を印加して局所
化特性を向上させるシーケンスを示す。ここで注意すべ
きは、勾配磁場パルスGadd をRFパルスと重ならない
ように位置設定することが必要な点にある。
【0059】第1実施例においてもデカップリングを行
うための図57、図58、図59で説明した従来の方法
と組み合わせて用いることが可能である。これらのデカ
ップリングを行うためのシーケンスを図10、図11、
図12に示す。
【0060】臨床機の制約がさらに厳しく、つまり選択
励起パルスの幅を3 ms よりも長くしなければならない
という制約がある場合、図13のシーケンスが好まし
い。このシーケンスでは最後の90゜y ( 1H)パルス
をハードパルスとしてそれよりも1/4J前に180゜
13C)パルスを印加する方法を用いているため、選択
励起パルスの幅を任意に設定でき、パルス幅の制約を受
けることは無い。また、この方法においてもかっこ内に
示した遷移経路選択のための勾配磁場Gadd を印加して
局所化特性を向上させることができる。
【0061】上述したように、INEPTによる分極移
動を起こすには、INEPTの最後のRFパルス、すな
わち90゜y ( 1H)を印加する時点で 1H{12C}と
1H{13C}とが図55のような方向を向いていれば良
く、つまり、90゜y ( 1H)パルスの印加時点で化学
シフトがリフォーカスされておれば良い。これを用いた
1例を図14に示す。図14に対する図64に示した従
来例との違いは図64ではエコーを最後の90゜
1H)パルスの1/2J前の時刻teで集めているの
に対し、図14ではエコーを時刻taで集めている点で
あり、このため、本実施例では 1Hの化学シフトのリフ
ォーカスの役割をする180゜(13C)パルスの印加が
可能となり、 1Hの全ての化学シフトに対して分極移動
の効率を最大にすることができる。また、図14に示す
実施例を用いることにより、臨床機の制約がさらに厳し
くつまり選択励起パルスの幅を3 ms よりも長くしなけ
ればならないという制約がある場合にも3次元の局所化
が可能となる。
【0062】次にDEPTパルスシーケンスの改良につ
いて説明する。従来、DEPTを局所化に利用した場
合、前述の通り図65のように第1番目のパルスである
90゜x ( 1H)のみを選択励起パルスにできるため、
1次元の選択のみが可能で2次元以上の領域限定を行う
には選択飽和パルスやISISパルスをDEPTパルス
の前に印加しなければならないという問題があった。こ
こでは、2次元以上の領域限定(局所化)を実現する。
このシーケンスは、図15、図16に示されている。図
15の方法は90゜(13C)パルスを 1Hのエコー生成
の1/2J前に印加する方法であり、 1Hの2つのパル
スの印加時刻と13Cの印加時刻をずらすことが可能とな
る。図16の方法では、90゜(13C)パルスの印加時
刻は図15の方法と同様であるが、180゜(13C)パ
ルスの印加時刻をθ±yの印加時刻とずらすことによ
り、 1Hの3つのパルスの印加時刻と13Cの印加時刻と
をずらすことが可能となる。また、いずれの方法におい
てもτは任意の長さに設定可能で、図16のτc の長さ
も任意に設定することができる。
【0063】図15や図16の方法を用いて局所化する
具体的なシーケンスを図17、図18に示す。いずれ
も、 1HにかけるRFパルスのうち、適当な3つをスラ
イス選択パルスとして、勾配磁場の存在下で印加する。
このとき、図15や図16のように、スライス選択パル
スとした 1HのRFパルスに対して、異なるタイミング
13CへのRFパルスが印加されるように、13CのRF
パルスのタイミングをずらす。図17、図18には、遷
移選択のための勾配磁場Gadd を印加して局所化特性を
向上させることも併記している。Gadd 1、Gadd 2、
Gadd 3はいずれか1つを採用してもよいし、あるいは
全てを用いてもよい。
【0064】図18の方法はINEPTの局所化におい
て説明した方法(図14)と同様に、θy (1 H)パル
スにおいて 1Hのエコーを集める方法であり、この方法
により3次元の局所励起化が可能となる。また、両方法
共に 1Hの最後のθyパルスの位相を反転させる、すな
わちθyとθ−yとすることにより分極移動による信号
の位相を反転することができ、これらの信号の差分をと
ることにより、90゜(13C)により生ずる13Cそのも
のの信号を除去することが可能である。つまり、この方
法を用いて局所化特性を向上させることができる。
【0065】次に、図16の方法を用いて局所化する方
法を、図20に示す。この方法では、13C側のリフォー
カスのためにθ±y ( 1H)パルスにおいて印加するG
zスライス勾配磁場と同等のリフェーズ効果を持つGz
勾配磁場を180゜(13C)パルスの後に印加する必要
がある。図19に示すレールト ビーテルヴァン スタ
ベレ等の特開平2−46826号公報の発明では、デー
タ収集期にデカップリングパルスを印加していない。彼
らの方法で得られるデータではJ結合によりスペクトル
がスプリットするため、複数のピークが混在する生体か
らのスペクトルでは非常に煩雑になるという欠点があ
る。これに対し、図20の方法ではデカップリングパル
スを印加するため、J結合によりスプリットしたピーク
が集まり、編集が用意になるという長所を持つ。また、
従来の図19の方法では、遷移選択の勾配磁場パルスを
印加していないため、領域外からの信号の混入がある。
例えば、x方向の領域選択は受けず、Gyスライスの 1
Hの第2番目のパルスとGzスライス 1Hの第3番目の
パルスによる信号、すなわちy平面に平行な平面ととz
平面に平行な平面との交差領域からの信号が全て観測信
号となる。これに対し、今回発明の図20の方法では、
遷移選択のための勾配磁場パルスGadd 1、Gadd 2の
印加のにより、所望の領域からの信号を得ることが可能
であり、局所化特性を向上させることが可能となる。G
add 1、Gadd 2はどちらか一方を印加しても良いし、
両方を印加することも可能である。また、それぞれのG
add にはGx,Gy,Gzのいずれを用いても良く、ま
た複数の勾配磁場パルスを用いても良い。
【0066】また、1次元の場合であるが、90゜( 1
H)選択励起パルスと180゜( 1H)パルスとの時間
間隔が1/2Jであり、臨床機の制約から90゜選択励
起パルスと180゜の期間にスライス勾配磁場のリフォ
ーカスを印加できない場合の発明を図21に示す。リフ
ォーカス勾配磁場は180゜x ( 1H)パルスとθy(
1H)パルスの間に印加すれば良く、かつ13C側のリフ
ォーカスのため180゜(13C)パルスの後にも印加す
る必要がある。
【0067】図22(a),(b)、図23(a),
(b)には、J.M.Bulsing 等がJournal of Magnetic Re
sonance,vol.56,p.167,(1984) において発表したPOM
MIE法を3次元局所化に応用した実施例を示す。第3
番目の90゜x( 1H)パルスの時点で 1Hのエコー信
号を生成することで、 1Hの高周波磁場と13Cの高周波
磁場との印加時間を分離することができるため、図18
で示したような3つの 1Hの高周波磁場でエコーを生成
する方法を本方法に応用する実施例も可能である。
【0068】図24には局所励起DEPT法の第2実施
例のシーケンスを示す。
【0069】第2実施例は、HSQC(Hetronuclear S
ingle-Quantum-Coherence )法における局所励起化に関
する。図25は、第2実施例による磁気共鳴診断装置の
構成図である。図1と同じ部分には同符号を付して説明
は省略する。勾配コイル電源5、シムコイル電源6、受
信部9,16、およびデータ収集部11は、全てシーケ
ンス制御部15によって制御され、後述するような改良
されたパルスシーケンスを実行する。
【0070】次に局所励起方法について説明する。局所
励起化は全て、 1HのRFパルスで実行することを特徴
の1つとする。これは、13Cでは化学シフトによる位置
ずれが問題となるのに対し、 1Hでは位置ずれの影響が
小さいためである。
【0071】また、13Cの高周波磁場パルス(RFパル
ス)は 1Hのスライス選択パルスおよびスライス勾配磁
場とは同時には印加しないことを特徴の1つとしてい
る。これは、同時に印加すると、13Cの180゜反転特
性あるいは90゜励起特性が勾配磁場により劣化し、編
集損あるいは磁化移行損が生ずるため、S/N損を引き
起こすという理由による。
【0072】図26に、従来例で説明したパルスシーケ
ンスにスライス選択パルスを用いる場合のシーケンスを
示す。このシーケンスでは、まずy,z方向の選択を行
うために関心領域外の選択飽和を行う。次に、水信号抑
圧パルスを印加する。この後に、 1Hに90゜選択励起
パルス(この例ではx方向の選択)を印加する。これに
より局所領域からの信号を得ることができる。データ収
集の期間のデカップリングパルスは印加してもしなくて
もよい。図26の下段かっこ内には、 1Hスピンが展開
している期間中の遷移経路選択のための勾配磁場Gadd
を併記している。
【0073】次にこの方式でt1期間の中央の180゜
パルス(反転パルス)を選択励起パルスとした方法を図
27に示す。この場合は、勾配磁場による遷移の選択が
必要となり、図27に示すように選択励起する方向と同
じ方向の勾配磁場を印加する。また、このy勾配磁場の
大きさは、13Cの1量子のみを選択できるように設定す
る。すなわち、180゜選択励起パルスの中心を境とし
てこれ以前のGyの勾配磁場強度の時間積分をG1 、以
後のGyのそれをG2 、90゜y ( 1H)パルスと18
0゜( 1H)パルスの間のGyをそれをG3 とした時、
この実施例の場合ではG1 :G2 :G3 を約1:1:−
1としている。この比率は、Jesus Ruiz-Cabello等がJo
urnal of Magnetic Resonance,vol.100,p.282-p.302,19
92に示した方法を用いて設定すれば良い。
【0074】13Cの最初の90°パルスから 1Hの反転
パルス(反転スライス選択パルス)までの区間1、 1
の反転パルスから13Cの2回目の90°パルスまでの区
間2、13Cの2回目の90°パルスから13Cの2回目の
180°パルス(反転パルス)までの区間3、13Cの2
回目の180°パルスからデータ収集までの区間4の各
々の期間に印加する、スライス勾配磁場と同軸の勾配磁
場に関する強度の時間積分G1、G2、G3、G4を、 G1 +G2 +4G3 −4・G4=0 …(1) G1 +G2 −4G3 +4・G4=0 …(2) のいずれか一方の式を満たすように設定すれば、13Cの
1量子遷移経路を選択できる。
【0075】図26、図27において、パルス間隔を1
/4J(Jは 1Hと13Cのスピン結合定数)としている
が、測定対象内のCとHの結合がCHの結合のみあるい
はCH2 の結合のみあるいはCH3 の結合のみの場合に
はこの間隔は(1+2n)/4J(nは整数)としても
よい。
【0076】しかし、例えばCH3 の結合ではJが125
Hz、CH2 の結合では160 Hzというように、測定対象の
Jは数種類のことがしばしばであり、上記パルス間隔を
例えば3/4Jあるいは5/4Jというように長く設定
すると、CH2 でのパルス間隔とCH3 でのパルス間隔
の差が大きくなり磁化移行の効率が悪くなる。この理由
により、パルス間隔はできるだけ短く設定する方が効率
的であり、すなわち1/4Jとするのが良い。この場
合、第1の方法では最初の90゜パルス( 1H)の選択
励起パルスの幅が制約され、システムによっては第一の
方法を実現できないことも有り得る。
【0077】選択励起パルス幅の制約の無い方法が、以
下から述べる方法である。
【0078】この方法の中心となる技術が、図29
(a),(b)に示す1/2Jよりも長い 1Hのエコー
時間の設定が可能なINEPT法の改良である。図28
にはINEPTシーケンスを示し、INEPTシーケン
スのの時刻aにおける 1H{12C}(12Cに結合した 1
H)と 1H{13C}(13Cに結合した 1H)の様子を図
30に示す。この図30のスピンの状態で90゜-y( 1
H)パルス,90゜x (13C)パルスを印加して分極移
動を起こすことができる。図29のシーケンスにおいて
も、これは成り立つ。つまり、図29の時刻aの時点に
おいても 1H{12C}と 1H{13C}とは、図30に示
す様になり、続く90゜-y( 1H)パルス,90゜x (
13C)パルスの印加により分極移動を起こすことができ
る。
【0079】この方法を用いた具体的シーケンスを図3
1に示す。図31のシーケンスでブロックAの範囲が変
形されたINEPTによる分極移動である。分極移動ま
でのエコー時間が従来の1/2Jではなく、任意のτと
設定することが可能であり、ブロックAのように選択励
起パルスを印加することが可能となる。
【0080】図31に示す方法ではブロックA内で2軸
方向の選択励起を行う。90゜パルスのリフォーカス勾
配磁場は、180゜y ( 1H)パルスと180゜
13C)パルスとの間に印加する。分極移動後のt1期
間内での180゜パルスで3軸目の選択励起を行う。ま
た、t1期間内で遷移の選択を行う。t1期間後に逆I
NEPTを行い、 1H側に磁化を戻す。
【0081】図32には局所励起化の別の実施例を示し
た。本方法では180゜(13C)パルスを90゜x ( 1
H)パルスと180゜y ( 1H)パルスの間に印加し、
90゜選択励起パルスのリフォーカス勾配磁場を180
゜y ( 1H)パルスと90゜-y( 1H)パルスの間に印
加している。この方法でも分極移動局所励起化を行うこ
とができる。
【0082】図31、図32に示した実施例では、逆I
NEPTの際に180゜( 1H)パルス、180゜(13
C)パルスを印加している。これらのパルスの役割は、
化学シフトおよび磁場不均一性のリフォーカスであり、
印加は必ずしも必要ではない。ただし、データ収集期に
デカップリングを行う際には90゜y ( 1H)パルス印
加から1/2J後からデカップリングを行わねばならな
い。このシーケンスを図33に示す。これは図32の変
形例であるが、図31の場合でも同様に変更することが
できる。
【0083】図33において、13Cの1量子遷移経路を
選択するために、13Cの最初の90°パルスから 1Hの
再結像パルス(再結像スライス選択パルス)までの区間
1、1 Hの再結像パルスから13Cの2回目の90°パル
スまでの区間2、13Cの2回目の90°パルスからデー
タ収集までの区間3の各々の期間に印加する、スライス
勾配磁場と同方向の勾配磁場に関する強度の時間積分G
1、G2、G3を、 G1 +G2 +4G3 =0 …(3) G1 +G2 −4G3 =0 …(4) のいずれか一方の式を満たすように設定すれば、13Cの
1量子遷移経路を選択できる。
【0084】HSQC法では図示の通り複数の 1HのR
Fパルスを有している。この性質を利用して選択励起パ
ルスを様々組み合わせて局所励起化を行うことが可能で
ある。
【0085】これに関し、図34には局所励起化の別の
実施例を示した。この方法では、13Cに結合した 1Hス
ピンをz軸に戻して13Cに分極を起こさせる役割をする
90゜-y( 1H)パルスと分極を起こした13Cを観測す
るための90゜x (13C)を同時刻に印加する必要の無
い性質を利用している。つまり、上記説明した90゜-y
1H)パルスで選択励起を行い、90゜x (13C)は
同時刻には印加しない。この後のt1期間で、2軸目の
選択励起を行い、 1H磁化に戻す際の90゜y( 1H)
パルスで3軸目の選択励起を行う。
【0086】図35には選択励起特性の良い90゜( 1
H)パルスのみで選択励起を行うシーケンスを示した。
【0087】次に勾配磁場により遷移を選択した場合、
全ての遷移を選択することができないため信号強度が1
/2となるという問題を解決するシーケンスを説明す
る。このシーケンスを図36に示す。HSQCの基本シ
ーケンスは従来の方法と同様であるが、遷移選択のため
の勾配磁場の印加方法が異なる。図36に示すようにt
1期間内の180゜( 1H)パルスの前後で、同じ大き
さの勾配磁場を反転させて印加する、すなわち前後で勾
配磁場強度と印加時間の積を1:−1とすることにより
全ての遷移を選択することが可能となる。この原理を図
36のシーケンスの遷移の様子を示した図37を用いて
説明する。ただし、IS系とし、NMRの慣例に従い、
1H,13CをそれぞれI,Sとおいている。
【0088】まず、分極移動後にS+ とS- の遷移が展
開する。この際に、図36に示す反転させた勾配磁場を
印加することによりS+ ,S- の両方、つまり全ての遷
移がリフォーカスされる。これに対し、H2 Oの 1Hの
ようにSスピンと結合していないスピンはこの遷移選択
勾配磁場ではディフェーズされる。この結果、ISスピ
ンのみ選択することができる。
【0089】図36の方法において逆INEPTで13
から 1Hに磁化を戻す際の90゜y( 1H)パルスより
生ずる水 1H等を消去するためのシーケンスを図38に
示した。これは、 1H{13C}を縦2スピンオーダーに
その他の信号を横磁化にした状態でディフェーズ勾配磁
場を印加し、その後に90゜( 1H)パルスを印加して
1H{13C}のみを観測することを含む。
【0090】また、上記の方法において、A.G.Palmer等
の方法(Journal of Magnetic Resonance vol.93,p.151
〜p.170(1991) )を用いてさらに感度を上げることが可
能である。図36のシーケンスでA.G.Palmer等の方法を
追加したシーケンスを図39に示す。この方法では、逆
INEPTの後にブロックBのシーケンスを印加するこ
とにより感度をさらに21/2 倍向上させることができ
る。なお、図36、図38、図39に示した方法は磁気
共鳴診断装置のみならず分析用の磁気共鳴分光装置にお
いても同様に用いることができ、同様に感度を向上させ
ることができる。
【0091】次に上記方法を局所励起化に応用したシー
ケンスを図40、図41に示す。特に図41の場合、遷
移を選択するt1期間内の180゜( 1H)パルスで選
択励起を行い、遷移のための勾配磁場Gxは、この18
0゜( 1H)パルスの前後で、時間積分G1 :G2 =
1:−1のようになる。
【0092】以上の方法は全て勾配磁場を用いて水信号
の除去を行う方法であるが、水信号抑圧や水信号以外の
選択励起等において局所励起するという方法もある。計
測前に印加するプリパルスとして水信号抑圧を用いた場
合のシーケンスの1例を図42に示す。
【0093】また、t1期間ではSの1量子遷移が展開
するのでこれを検出することが可能である。図43に
は、S/N向上のためにt1期間においてもデータを収
集するシーケンスを示した。このt1期間のデータ収集
は以上までに説明した全てのシーケンスで可能である。
これら各所で収集したデータを、加算平均等適当な信号
処理を処して取り扱えばS/N向上に寄与する可能性が
ある。この加算処理には2次元データρ(ω 1H,ω13
C )のω13C 方向に投影を行ない、ρ1(ω13C)と
し、t1期間にデータ収集して構成したρ2(ω13C )
と加算するという方法を用いればよい。t1期間のデー
タポイント数は各エンコード毎に変化することと、この
データポイント数と全エンコード数とは一般的に一致し
ないことより、ρ1(ω13C )とρ2(ω13C )とは単
純には加算できない。このため、0フィリング等の処理
によりポイント数を合わせることが必要となる。
【0094】第3実施例は局所領域からの信号取得が可
能な異核種間のJ結合を利用する水信号除去法の改良に
関する。
【0095】図44は、第3実施例による磁気共鳴診断
装置の構成図である。なお、図25と同じ部分には同符
号を付して説明は省略する。勾配コイル電源5、シムコ
イル電源6、 1H送信部7、13C送信部8、 1H受信部
16及びデータ収集部11は、全てシーケンス制御部1
7によって制御され後述するパルスシーケンスが実行さ
れる。
【0096】次に局所励起を行う方法について説明す
る。本実施例では、局所励起化は全て 1HのRFパルス
で行なうことを特徴の1つとする。この特徴により、13
Cでは化学シフトによる位置ずれが問題となるのに対
し、 1Hでは位置ずれの影響が小さくなるという効果が
生じる。
【0097】また、13Cの高周波磁場パルス(RFパル
ス)は 1Hのスライス選択励起パルスおよびスライス勾
配磁場とは同時には印加しないことを特徴の1つとして
いる。同時に印加すると、13Cの180゜反転特性ある
いは90゜励起特性が勾配磁場により劣化し、編集損が
生ずるため、S/N損を引き起こすという問題を生じす
るが、この問題をこの特徴は解決する。
【0098】図45は局所領域からの 1H{13C}信号
のみを取得するためのシーケンスを示す。このシーケン
スでは、選択飽和パルスをプリパルスとして用いること
で、関心領域外の信号を疑似飽和し、局所化を可能とす
る。また、90゜パルス(励起パルス)の不完全性から
若干残る水信号に関しては、図45の通り第1の90゜
x( 1H)パルスの位相を反転させて、同じシーケンス
を再度実行し、得られた両信号の差分をとることにより
除去することが可能である。また、図69のように図4
5のパルス列の後ろにデータ収集パルス列を追加して2
次元データを収集することも可能である。
【0099】図45の下段かっこ内には遷移経路の選択
のための勾配磁場Gadd を併記している。
【0100】図46、図47にスライス選択励起による
局所化を実現するシーケンスを示す。図46は2次元の
局所化であり、3次元の局所化を行うにはプリパルスと
して選択飽和を用いる、あるいは1次元はエンコードに
よって分離するという方法を用いれば良い。また、図4
6のかっこ内には遷移経路選択の勾配磁場Gadd を併記
した。Gadd の印加により、遷移経路が選択されるた
め、局所化特性が向上する。Gadd にはGx,Gy,G
zのいずれかの勾配磁場を用いれば良く、このうちの1
つの勾配磁場を用いても良いし、複数の勾配磁場を用い
ても良い。
【0101】また、図46、図47では13Cデカップリ
ングパルスは印加していないが、最後の90゜( 1H)
パルスの1/2Jの後に13Cデカップリングパルスを印
加しながらデータ収集する方法や、1/4J後に180
゜( 1H)パルスと180゜(13C)パルスとを印加し
てそれから1/4J後に印加する方法等を用いても良
い。
【0102】図46、図47において、パルス間隔を1
/4J(Jは 1Hと13Cのスピン結合定数)としてい
る。これは 1Hから13Cへの磁化移行の効率が最大とな
るためである。ただし、この間隔は(1+2n)/4J
(nは整数)としてもよい。
【0103】しかし、例えばCH3 の結合ではJが125
Hz、CH2 の結合では160 Hzというように、測定対象の
Jは数種類のことがしばしばであり、上記パルス間隔を
例えば3/4Jあるいは5/4Jというように長く設定
すると、CH2 でのパルス間隔とCH3 でのパルス間隔
の差が大きくなり磁化移行の効率が悪くなる。この理由
により、パルス間隔はできるだけ短く設定する方が効率
的であり、1/4Jとするのが良い。この場合、第1の
方法では最初の90゜パルス( 1H)の選択励起パルス
幅が制約され、システムによっては第1の方法を実現で
きないことも有り得る。
【0104】選択励起パルス幅の制約から解放され得る
シーケンスを図48、図49、図50に示す。これらの
シーケンスでは最後の90゜( 1H)パルスを印加しな
い場合、時刻taにおいて 1H{13C}と水1 H等が図
71のような方向を向いていれば良いという性質を利用
している。つまり、180゜(13C)パルスを第1の9
0゜x( 1H)パルスの1/4J後に印加することによ
り、図71のような方向を向き、τの長さには依存しな
い。このためτは任意の長さに設定して良く、スライス
選択励起パルスの幅を自由に設定できる。デカップリン
グに関しても図46、図47の場合と同様にすることが
可能である。また、図48、図49、図50では180
゜(13C)パルスを90゜x( 1H)パルスから1/4
J後に印加しているが、この代わりに時刻taから1/
4J前の時刻に180゜(13C)パルスを印加しても良
い。
【0105】本実施例によれば、 1Hの第1の90°パ
ルスから1/4J経過後と、 1Hの第2の90°パルス
の1/4J前との一方のタイミングで13Cに対して反転
パルスを印加し、第1の90°パルスと第2の90°パ
ルスとの少なくとも一方をスライス選択励起パルスとし
てスライス勾配磁場の存在下で印加することで、急峻な
磁場スイッチングの要求による装置に対する過度の負荷
を解消しながら、異核種間のJ結合を利用した水信号の
除去法において局所化できる。
【0106】第4実施例は時系列データ解析の際にデー
タ処理精度を向上させるための方法に関する。
【0107】図51は、本実施例に関わる磁気共鳴診断
装置の構成図である。同図において、図25と同じ部分
には同符号を付して説明は省略する。勾配コイル電源
5、シムコイル電源6、送信部7,8、受信部9,16
及びデータ収集部12は、全てシーケンス制御部19に
よって制御され、スペクトルデータを収集するためのパ
ルスシーケンスが時間的に繰り返し実行される。これに
より異なる時間に収集した複数のスペクトルデータが獲
得される。計算機システム18はプローブ4から受信部
9,16及びデータ収集部11を介して送られる磁気共
鳴信号をフーリエ変換し、スペクトルを求める。このス
ペクトルは画像ディスプレイ14に送られ表示される。
【0108】次に、スペクトル処理精度を向上させる方
法に関して説明する。なお、以下に述べる方法は時系列
で複数のスペクトルがある場合に適用可能であり、13
−MRSに限定される方法では無く、かつ磁気共鳴診断
装置に限定される方法ではない。
【0109】まず、スペクトルの成分が1つの場合を考
える。図52(a)乃至(e)に異なる時間に収集した
スペクトルを示す。これらのスペクトルの時系列データ
に対し、従来では例えばt=t1のスペクトルを取り出
してきて、カーブフィッティング行っていた。これに対
し、本実施例では、異なる時間に収集した複数のスペク
トルを時間軸に沿って連結して得られる波形に対して、
カーブフィッティングする点に特徴を有する。
【0110】カーブフィッティングにおいて各時間のス
ペクトルρ(ω,ti)は次のモデル式(1)で表せ
る。
【0111】 ρ(ω,ti)=[Re+iIm]exp (iφ) …(1) 但し、 Re=A/T2* /[(ω−ω0 )2+(1/T2* )2] Im=A( ω−ω0 ) /[(ω−ω0 )2+(1/T2* )2] である。
【0112】このモデル式において未知数は、スペクト
ル面積A,半値幅の逆数T2* ,化学シフトω0 ,位相
φである。ここで重要なことは、半値幅の逆数T2*
化学シフトω0 ,位相φは全てのスペクトル間で共通の
パラメータであり、スペクトル間で変動するパラメー
タ、つまり時間tの関数とみなせるのは、代謝物の量を
示すスペクトル面積Aのみであるということである。す
なわち、パラメータは、A(ti),T2* ,ω0 ,φ
となる。これにより、n個のスペクトルデータを集めて
きて、カーブフィッティングを行うことにより、パラメ
ータの数は4×nとはならずに3+nとなる。こうする
ことにより処理データのポイント数は増えるが、パラメ
ータはデータポイント数に対して(3+n)/(4×
n)倍としかならないため、スペクトル処理精度が増大
する。
【0113】上記のように処理を行うには、まず図53
にしめすように、各時刻のスペクトルを時間軸に沿って
連結する。すなわち、各時刻の実部と虚部を1列に並べ
る。この全体波形に、上記の各時刻の式に基づきモデル
式を設定すれば良い。このもとで、修正Marquardt 法の
ような非線形最小二乗法の手法を用いてカーブフィッテ
ィングを行えば各パラメータを求めることができる。こ
のようにして求めたスペクトル面積は時間の関数として
表示される。
【0114】図52に示した場合では、t=0ではスペ
クトルのピーク高さはノイズ以下である。このため、t
=0をデータ処理のために配列すると処理精度が悪くな
る。これを解決するために、ピーク高さがノイズ以下あ
るいはしきい値以下の場合、このスペクトルデータは配
列に加えないという条件を設ける方法も考えられる。
【0115】この他に、各時刻のスペクトルを全て足し
合わせる方法も提供する。この方法で上記のモデル式に
よりカーブフィッティングを行う。この結果、T2*
ω0,φが求められ、これを固定して各時刻のパラメー
タ数1のカーブフィッティングを行い、A(t)を求め
れば良い。
【0116】さらに、A(t)に制限を設ける方法も提
供する。A(t)は図73のような曲線を描き、A
(t)=f(t)というような関数に設定できる。上記
モデル式のAの部分をf(t)とおくことによりA
(t)に制限を加え、処理精度を向上させる。
【0117】上述の実施例では、1成分系の場合を述べ
たがこれは多成分系の場合でも同様にしてモデル式をた
て、カーブフィッティングを行うことができる。この場
合でも、パラメーターはAi(t),ω0 i,T2
* i,φi(iはスペクトルの各成分を示す。)となり
時刻tの関数となるのはAiのみである。また、位相は
φi=a( ω−ω0 ) +b(a,bは定数)と表せるの
でこれをモデル式に加えても良い。
【0118】
【発明の効果】本発明によれば、従来同時に印加されて
いた第1の核種に対するRFパルスと第2の核種に対す
るRFパルスとを、別時間に印加するので、第1の核種
に対するRFパルスをスライス選択用パルスとして用い
ることができ、これにより多次元の局所化を高精度にし
かも簡易に実現できるようになる。
【0119】
【0120】
【0121】
【0122】また、本発明によれば、スペクトラムデー
タ量の増加に対してパラメータ数の増加はスペクトラム
面積のみであるから、従来と比較して処理精度を向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る磁気共鳴診断装置の概略的な
構成図。
【図2】3次元局所INEPT法のシーケンスを示す
図。
【図3】3次元局所INEPT法の他のシーケンスを示
す図。
【図4】2次元局所INEPTと1次元エンコードによ
り3次元の局所領域からの信号を得るためのシーケンス
を示す図。
【図5】図2の方法においてデカップリングパルスを印
加する場合のシーケンスを示す図。
【図6】図2の方法においてデカップリングパルスを印
加する場合の別のシーケンスを示す図。
【図7】1/2Jよりも長い1 Hのエコー時間の設定が
可能なINEPTを変形したシーケンスを示す図。
【図8】図7のシーケンスを3次元の局所励起化に応用
したシーケンスを示す図。
【図9】図8のシーケンスに遷移経路選択のための勾配
磁場パルスを印加したシーケンスを示す図。
【図10】図9のシーケンスにデカップリングパルスを
印加する場合のシーケンスを示す図。
【図11】図9のシーケンスにデカップリングパルスを
印加する場合のシーケンスを示す図。
【図12】図9のシーケンスにデカップリングパルスを
印加する場合のシーケンスを示す図。
【図13】選択励起パルスの幅を約1/2J以上にしな
ければならない場合の2次元局所励起INEPTのシー
ケンスを示す図。
【図14】選択励起パルスの幅を約1/2J以上にしな
ければならない場合の2次元局所励起INEPTの他の
シーケンスを示す図。
【図15】1/Jよりも長い1 Hのエコー時間の設定が
可能なDEPTのシーケンスを示す図。
【図16】1/Jよりも長い1 Hのエコー時間の設定が
可能なPOMMIEのシーケンスを示す図。
【図17】図15の方法を2次元の局所励起化に応用し
たシーケンスを示す図。
【図18】図15の方法を3次元の局所励起化に応用し
た他のシーケンスを示す図。
【図19】DEPTシーケンスを3次元局所励起化に応
用した従来のシーケンスを示す図。
【図20】図15の方法を3次元の局所励起化に応用し
たシーケンスを示す図。
【図21】臨床機の制約により従来の図65の方法を実
現できない場合に対処できるシーケンスを示す図。
【図22】POMMIE法を3次元の局所化に応用した
シーケンスを示す図。
【図23】POMMIE法を3次元の局所化に応用した
他のシーケンスを示す図。
【図24】DEPTシーケンスの局所励起化において、
選択励起パルスの幅の制約を受けない他のシーケンスを
示す図。
【図25】第2実施例による磁気共鳴診断装置の概略的
な構成図。
【図26】3次元の局所領域からの信号を得るための改
良されたHSQC法のシーケンスの第1例を示す図。
【図27】3次元の局所領域からの信号を得るための改
良されたHSQC法のシーケンスの第2例を示す図。
【図28】従来のINEPTシーケンスを示す図。
【図29】改良されたINEPTシーケンスを示す図。
【図30】図28、図29のシーケンスの時刻aにおけ
る12C結合1 Hおよび13C結合1Hの様子を示した図。
【図31】3次元の局所領域からの信号を得るための改
良されたHSQC法のシーケンスの第3例を示す図。
【図32】3次元の局所領域からの信号を得るための改
良されたHSQC法のシーケンスの第4例を示す図。
【図33】3次元の局所領域からの信号を得るための改
良されたHSQC法のシーケンスの第5例を示す図。
【図34】3次元の局所領域からの信号を得るための改
良されたHSQC法のシーケンスの第6例を示す図。
【図35】3次元の局所領域からの信号を得るための改
良されたHSQC法のシーケンスの第7例を示す図。
【図36】信号損の無い勾配磁場を利用して遷移を選択
するHSQC法のシーケンスを示す図。
【図37】図36のシーケンスにおける遷移の様子を示
した図。
【図38】勾配磁場を利用して遷移を選択する信号損の
無い改良されたHSQC法のシーケンスの第1例を示す
図。
【図39】勾配磁場を利用して遷移を選択する信号損の
無い改良されたHSQC法のシーケンスの第2例を示す
図。
【図40】3次元の局所領域からの信号を得ることがで
き、かつ勾配磁場を利用して遷移を選択する信号損の無
い改良されたHSQC法のシーケンスの第1例を示す
図。
【図41】3次元の局所領域からの信号を得ることがで
き、かつ勾配磁場を利用して遷移を選択する信号損の無
い改良されたHSQC法のシーケンスの第2例を示す
図。
【図42】3次元の局所領域からの信号を得ることがで
き、かつ勾配磁場を利用して遷移を選択する信号損の無
い改良されたHSQC法のシーケンスの第3例を示す
図。
【図43】3次元の局所領域からの信号を得ることがで
き、かつS/Nを向上させることの可能なHSQC法の
シーケンスを示す図。
【図44】第3実施例による磁気共鳴診断装置の概略的
な構成図。
【図45】局所化にプリパルスとして選択飽和を採用し
た場合のシーケンスを示す図。
【図46】2次元局所化に1 Hの励起パルスをスライス
選択励起パルスとして用いた場合のシーケンスを示す
図。
【図47】3次元局所化に1 Hの励起パルスをスライス
選択励起パルスとして用いた場合のシーケンスを示す
図。
【図48】1 Hのスライス選択パルスの幅の制約から解
放し、3次元局所化に1 HのRFパルスをスライス選択
パルスとして用いた場合のシーケンスの一例を示す図。
【図49】1 Hのスライス選択励起パルスの幅の制約か
ら解放し、3次元局所化に1 Hの励起パルスをスライス
選択励起パルスとして用いた場合のシーケンスの一例を
示す図。
【図50】1 Hのスライス選択パルスの幅の制約から解
放し、3次元局所化に1 HのRFパルスをスライス選択
パルスとして用いた場合のシーケンスの他の例を示す
図。
【図51】第4実施例による磁気共鳴診断装置の概略的
な構成図。
【図52】1成分のスペクトルの時系列データを示す
図。
【図53】異なる時刻に収集したスペクトルを連結した
全体波形を示す図。
【図54】分極移動法の1例であるINEPT法のシー
ケンスを示す図。
【図55】図54のINEPTシーケンスの時刻taに
おける13C結合1 Hとそれ以外の1 Hの様子を示す図。
【図56】INEPTシーケンスによって得られるスペ
クトルの1例を示す図。
【図57】INEPTシーケンスにデカップリングパル
スを加えたシーケンスの1例を示す図。
【図58】INEPTシーケンスにデカップリングパル
スを加えたシーケンスの1例を示す図。
【図59】INEPTシーケンスにデカップリングパル
スを加えたシーケンスの1例を示す図。
【図60】1 Hの化学シフトのリフォーカスを行わない
分極移動のシーケンスの1例を示す図。
【図61】分極移動法の1例であるDEPT法のシーケ
ンスを示す図。
【図62】局所化法の1つであるVSE法を用いたDE
PTシーケンスを示す図。
【図63】図60の方法を2次元の局所励起化に応用し
た従来例を示す図。
【図64】図60の方法を3次元の局所励起化に応用し
た従来例を示す図。
【図65】図61のDEPT法で1次元の局所励起化に
応用した従来例を示す図。
【図66】従来のHSQC法のシーケンスを示す図。
【図67】1 Hと13Cの2次元相関スペクトルの1例を
示す図。
【図68】従来の勾配磁場を利用して遷移選択するHS
QC法のシーケンスを示す図。
【図69】従来の水1 H、あるいは12Cに結合した1 H
を除去するためのパルス列を有するHMQC法のシーケ
ンスを示す図。
【図70】従来の水1 H、あるいは12Cに結合した1 H
を除去するためのパルス列を有するHMQC法のシーケ
ンスを示す図。
【図71】図69、図70のシーケンスの時刻taにお
ける13Cに結合した1 Hと12Cに結合した1 Hの磁化の
様子を示した図。
【図72】スペクトルの時系列データを示す図。
【図73】図72の時系列スペクトルデータから、ある
1つの成分に関して時間とスペクトルの面積あるいはピ
ーク高さとの関係をプロットした図。
【符号の説明】
1…静磁場磁石、 2…勾配コイル、3…シム
コイル、 4…プローブ( 1H,13C)、5…
勾配コイル電源、 6…シムコイル電源、7… 1
送信部、 8…13C送信部、9…13C受信部、
10…シーケンス制御部、11…データ収集
部、 12…計算器システム、13…コンソール、
14…画像ディスプレイ。

Claims (25)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の核種にそれぞれの共鳴周波数に相
    当する高周波磁場を印加することが可能な磁気共鳴診断
    装置において、第1の核種に対して第1のRFパルス、
    第2のRFパルスおよび第3のRFパルスをこの順に印
    加し、第2の核種に対して第4のRFパルス、第5のR
    Fパルスをこの順に印加することにより、前記第1の核
    種のスピンから前記第2の核種のスピンへの分極移動を
    起こさせる手段と、前記分極移動による第2の核種の磁
    気共鳴信号を生成し収集する手段とを具備し、 前記第4のRFパルスは、前記第1のRFパルスと前記
    第3のRFパルスとの間に前記第2のRFパルスと異な
    るタイミングで印加される反転パルスであり、かつ前記
    第5のRFパルスは前記第3のRFパルスと同時又は前
    記第3のRFパルス以降に印加されることを特徴とする
    磁気共鳴診断装置。
  2. 【請求項2】 前記第1のRFパルス、前記第2のRF
    パルス、および前記第3のRFパルスのうち少なくとも
    一つは、スライス勾配磁場と共に印加されるスライス選
    択パルスであることを特徴とする請求項1記載の磁気共
    鳴診断装置。
  3. 【請求項3】 複数の核種にそれぞれの共鳴周波数に相
    当する高周波磁場を印加することが可能な磁気共鳴診断
    装置において、第1の核種に対して第1のRFパルス、
    第2のRFパルス、および第3のRFパルスをこの順に
    印加し、第2の核種に対して第4のRFパルス、第5の
    RFパルスをこの順に印加することにより、第1の核種
    のスピンから第2の核種のスピンへの分極移動を起こさ
    せる手段と、前記分極移動の後に前記第2の核種に対し
    て第6のRFパルスを、前記第1の核種に対して少なく
    とも第7のRFパルスを印加することにより、前記分極
    移動を起こした第2の核種のスピンから前記第1の核種
    のスピンに分極移動を戻す手段と、前記分極移動による
    前記第1の核種から磁気共鳴信号を生成し収集する手段
    とを具備し、 前記第4のRFパルスは前記第1のRFパルスと前記第
    3のRFパルスとの間に前記第2のRFパルスと異なる
    タイミングで印加される反転パルスであり、前記第5の
    RFパルスは前記第3のRFパルスと同時又は前記第3
    のRFパルス以降に印加され、前記第7のRFパルスは
    前記第6のRFパルスと同時又は前記第6のRFパルス
    以降に印加されることを特徴とする磁気共鳴診断装置。
  4. 【請求項4】 前記第1のRFパルス、前記第2のRF
    パルス、前記第3のRFパルス、および前記第7のRF
    パルスのうち、少なくとも一つは、スライス勾配磁場と
    共に印加されるスライス選択パルスであることを特徴と
    する請求項3記載の磁気共鳴診断装置。
  5. 【請求項5】 前記第5のRFパルスと前記第6のRF
    パルスとの間に、前記第1の核種に対するRFパルスを
    印加することを特徴とする請求項3記載の磁気共鳴診断
    装置。
  6. 【請求項6】 複数の核種にそれぞれの共鳴周波数に相
    当する高周波磁場を印加することが可能な磁気共鳴診断
    装置において、第1の核種に対して第1のRFパルス、
    第2のRFパルス、および第3のRFパルスをこの順に
    印加し、第2の核種に対して第4のRFパルスを印加す
    る手段と、前記第2の核種のスピンとスピン結合してい
    る前記第1の核種のスピンから磁気共鳴信号を生成し、
    収集する手段とを具備し、 前記第4のRFパルスは、前記第1のRFパルスと前記
    第3のRFパルスとの間に前記第2のRFパルスと異な
    るタイミングで印加される反転パルスであり、前記第3
    のRFパルスは、前記第2の核種のスピンとスピン結合
    している第1の核種のスピン以外の第1の核種のスピン
    を縦磁化に戻すための位相で印加されることを特徴とす
    る磁気共鳴診断装置。
  7. 【請求項7】 前記第1のRFパルス、前記第2のRF
    パルス、および前記第3のRFパルスのうち、少なくと
    も一つは、スライス勾配磁場と共に印加されるスライス
    選択パルスであることを特徴とする請求項6記載の磁気
    共鳴診断装置。
  8. 【請求項8】 前記第2のRFパルスは、再結像パルス
    であることを特徴とする請求項1、3または6記載の磁
    気共鳴診断装置。
  9. 【請求項9】 前記第1の核種のスピンと前記第2の核
    種のスピンとの間のスピン結合のスピン結合定数をJと
    すると、前記第4のRFパルスは、前記第1のRFパル
    スの印加から、1/(4・J)の時間後に印加されるこ
    とを特徴とする請求項1、3または6記載の磁気共鳴診
    断装置。
  10. 【請求項10】 前記第1の核種のスピンと前記第2の
    核種のスピンとの間のスピン結合のスピン結合定数をJ
    とすると、前記第4のRFパルスは、前記第3のRFパ
    ルスの印加よりも、1/(4・J)の時間前に印加され
    ることを特徴とする請求項1、3または5記載の磁気共
    鳴診断装置。
  11. 【請求項11】 複数の核種にそれぞれの共鳴周波数に
    相当する高周波磁場を印加することが可能な磁気共鳴診
    断装置において、第1の核種に対して第1のRFパル
    ス、第2のRFパルス、第3のRFパルス、および第4
    のRFパルスをこの順に印加し、第2の核種に対して第
    5のRFパルスを印加する手段と、前記第3のRFパル
    スと前記第4のRFパルスとの間にデフェーズのための
    勾配磁場パルスを印加する手段と、前記第2の核種のス
    ピンとスピン結合している第1の核種から磁気共鳴信号
    を生成し収集する手段とを具備し、 前記第5のRFパルスは、前記第1のRFパルスと前記
    第3のRFパルスとの間に前記第2のRFパルスと異な
    るタイミングで印加される反転パルスであり、前記第3
    のRFパルスは、前記第2の核種のスピンとスピン結合
    している第1の核種のスピンを縦磁化に戻すための位相
    で印加されることを特徴とする磁気共鳴診断装置。
  12. 【請求項12】 前記第1のRFパルス、前記第2のR
    Fパルス、前記第3のRFパルス、および前記第4のR
    Fパルスのうち、少なくとも一つは、スライス勾配磁場
    とともに印加されるスライス選択パルスであることを特
    徴とする請求項11記載の磁気共鳴診断装置。
  13. 【請求項13】 前記第2のRFパルスは、再結像パル
    スであることを特徴とする請求項11記載の磁気共鳴診
    断装置。
  14. 【請求項14】 前記第1の核種のスピンと前記第2の
    核種のスピンの間のスピン結合のスピン結合定数をJと
    すると、前記第5のRFパルスは、前記第1のRFパル
    スの印加から、1/(4・J)の時間後に印加されるこ
    とを特徴とする請求項11項記載の磁気共鳴診断装置。
  15. 【請求項15】 前記第1の核種のスピンと前記第2の
    核種のスピンとの間のスピン結合のスピン結合定数をJ
    とすると、前記第5のRFパルスは、前記第3のRFパ
    ルスの印加よりも、1/(4・J)の時間前に印加され
    ることを特徴とする請求項11記載の磁気共鳴診断装
    置。
  16. 【請求項16】 複数の核種にそれぞれの共鳴周波数に
    相当する高周波磁場を印加することが可能な磁気共鳴診
    断装置において、第1の核種に対して第1のRFパル
    ス、第2のRFパルス、および第3のRFパルスをこの
    順に印加し、第2の核種に対して第4のRFパルス、第
    5のRFパルスをこの順に印加することにより、前記第
    1の核種のスピンから前記第2の核種のスピンへの分極
    移動を起こさせる手段と、前記第1のRFパルス、第2のRFパルス、および第3
    のRFパルスとともにスライス選択用第1の勾配磁場パ
    ルス、スライス選択用第2の勾配磁場パルス、およびス
    ライス選択用第3の勾配磁場パルスをそれぞれ印加する
    手段と、 前記分極移動を起こされた前記第2の核種から磁気共鳴
    信号を生成し、収集する手段とを具備し、 前記第4のRFパルスは、前記第2のRFパルスと前記
    第3のRFパルスとの間に印加される励起パルスであ
    り、前記第5のRFパルスは、前記第3のRFパルスと
    同時又は前記第3のRFパルス以降に印加される再結像
    パルスであり、前記スライス選択用第1の勾配磁場パルスと前記スライ
    ス選択用第2の勾配磁場パルスとの間に遷移経路選択用
    第1の勾配磁場パルスを印加し、この遷移経路選択用第
    1の勾配磁場パルスと同軸であって、しかも時間積分の
    等価な遷移経路選択用第2の勾配磁場パルスを、前記ス
    ライス選択用第2の勾配磁場パルスと前記スライス選択
    用第3の勾配磁場パルスとの間に 印加することを特徴と
    する磁気共鳴診断装置。
  17. 【請求項17】 複数の核種にそれぞれの共鳴周波数に
    相当する高周波磁場を印加することが可能な磁気共鳴診
    断装置において、第1の核種に対して少なくとも第1の
    RFパルス、第2のRFパルス、および第3のRFパル
    スをこの順に印加し、第2の核種に対して少なくとも第
    4のRFパルス、第5のRFパルスをこの順に印加する
    ことにより、前記第1の核種のスピンから前記第2の核
    種のスピンへの分極移動を起こさせる手段と、前記分極
    移動を起こされた第2の核種から磁気共鳴信号を生成
    し、収集する手段とを具備し、 前記第4のRFパルスは、前記第2のRFパルスと前記
    第3のRFパルスとの間に印加される励起パルスであ
    り、前記第5のRFパルスは、前記第3のRFパルスと
    同時又は前記第3のRFパルス以降に印加される再結像
    パルスであり、前記第1のRFパルスと前記第2のRF
    パルスの間と前記第4のRFパルスと前記第3のRFパ
    ルスの間と前記第5のRFパルス以降とにそれぞれ時間
    積分の等しい勾配磁場パルスを印加する特徴とする磁気
    共鳴診断装置。
  18. 【請求項18】 前記第1のRFパルス、第2のRFパ
    ルス、および第3のRFパルスのうち、少なくとも一つ
    はスライス勾配磁場と共に印加されるスライス選択パル
    スであることを特徴とする請求項16又は17記載の磁
    気共鳴診断装置。
  19. 【請求項19】 前記第1の核種のスピンと前記第2の
    核種のスピンとの間のスピン結合のスピン結合定数をJ
    とすると、前記第4のRFパルスは、前記第3のRFパ
    ルスの印加よりも、1/(2・J)の時間前に印加され
    ることを特徴とする請求項16又は17記載の磁気共鳴
    診断装置。
  20. 【請求項20】 複数の核種にそれぞれの共鳴周波数に
    相当する高周波磁場を印加することが可能な磁気共鳴診
    断装置において、第1の核種に対して少なくとも第1の
    RFパルス、および第2のRFパルスをこの順に印加
    し、第2の核種に対して少なくとも第3のRFパルスを
    前記第2のRFパルスと同時又は前記第2のRFパルス
    以降に印加することにより、第1の核種のスピンから第
    2の核種のスピンへの分極移動を起こさせる手段と、 前記分極移動の後に、前記第1の核種に対して少なくと
    も第1軸に関するスライス選択パルスとして印加される
    再結像パルスと、前記第2の核種に対して少なくとも第
    4のRFパルスをこの順に印加し、前記第1の核種に対
    して第5のRFパルスを前記第4のRFパルスと同時又
    は前記第4のRFパルス以降に印加することによって、
    前記分極移動を起こした前記第2の核種のスピンから、
    前記第1の核種のスピンに分極移動を戻す手段と、前記
    分極移動の戻った第1の核種から磁気共鳴信号を生成し
    収集する手段と、 前記再結像パルスと共にスライスを選択し且つ前記第2
    の核種とスピン結合している第1の核種のスピン以外の
    第1の核種からの磁気共鳴信号を抑圧するための前記第
    1軸に関する勾配磁場パルスを印加する手段とを具備す
    ることを特徴とする磁気共鳴診断装置。
  21. 【請求項21】 前記第3のRFパルスと前記再結像R
    Fパルスの中心までの期間に印加される前記勾配磁場パ
    ルスの時間積分値をG1、前記再結像パルスの中心から
    前記第4のRFパルスまでの期間に印加される前記勾配
    磁場パルスの時間積分値をG2、前記第5のRFパルス
    以降に印加される前記勾配磁場パルスの時間積分値をG
    3とすると、 G1+G2+4・G3=0 G1+G2−4・G3=0 のいずれか一方の式を満たすように前記勾配磁場パルス
    を印加することを特徴とする請求項20に記載の磁気共
    鳴診断装置。
  22. 【請求項22】スペクトルの収集を時間的に繰り返すこ
    とにより代謝物の時間変化を検査する磁気共鳴診断装置
    において、 異なる時間に収集した複数のスペクトルを時間軸に沿っ
    て連結して得られる波形を、中心周波数と半値幅と位相
    とをスペクトル間で共通のパラメータとし、且つスペク
    トル面積をスペクトル間での変動パラメータとしたモデ
    ル式を用いてカーブフィッティングを行うこととを特徴
    とする磁気共鳴診断装置。
  23. 【請求項23】前記モデル式はスペクトル各成分間の位
    相を周波数に対して0次と1次の関数として含むことを
    特徴とする請求項22記載の磁気共鳴診断装置。
  24. 【請求項24】前記モデル式は前記スペクトル面積を時
    間関数として規定することを特徴とする請求項22又は
    請求項23記載の磁気共鳴診断装置。
  25. 【請求項25】前記スペクトル面積の時間的変化を表示
    することを特徴とした請求項22、請求項23、請求項
    24のいずれか1項に記載の磁気共鳴診断装置。
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