JP3154273U - 歯面清掃具 - Google Patents
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Abstract
【課題】歯面に付着した歯垢、タバコのヤニ、茶渋等の黄ばみを効率良く除去することができ、歯面清掃部のみ取り替え自由な構造の歯面清掃具を提供する。【解決手段】歯面清掃具は、中板中央付近に中板ヒンジ1bを設け二つ折りされた中板先端部分に歯面清掃具メラミン樹脂発泡体2を固定し、本体握り手3一方端面に位置する中板挿入小孔3aに挿入固定し取り替え自由に歯面に付着した歯垢やタバコのヤニ等を除去する物品とした。又、メラミン樹脂発泡体の引張り強度向上の目的からセル数(気泡数)を800〜1200個/25mmと増加させ、加熱処理によりメラミン樹脂発泡体内の残留物の除去も実現した。【選択図】図3
Description
本考案は、メラミン樹脂発泡体を利用した歯面清掃具に関する。
歯に付着した歯垢やたばこのヤニ、茶渋、黄ばみ等を効率良く除去することが確認されメラミン樹脂発泡体を用いた歯面清掃具が注目されている。
第一に、平成13年12月29日に出願された実用新案文献1に、歯ブラシハンドル先端部にメラミン樹脂発泡材のスポンジを付着したヤニ取りメラミン歯ブラシが提案されている。しかしメラミン樹脂発泡材内容についての記載はされていない。
平成14年4月24日に出願された特許文献1には、天然歯の構造に適合して歯垢やタバコのヤニ、茶渋、黄ばみ等を効率良く除去する天然歯用ブラシが提案されている。その内容は、公知形状の手動、電動歯ブラシブラシ台座部にメラミン樹脂発泡体を固定する構造の歯磨き具と、歯科清掃器の一つであるハンドピース先端に取り付け歯面清掃をする円筒型カップ形状が示され、メラミン樹脂発泡体についてはメラニンフォームの気泡と気胞を隔離する構造壁の厚さを0.2〜0.5マイクロメートルとし、歯表面エナメル質エナメル小柱表面の穴内(穴の直径約1マイクロメートル)に付着した生体外由来のタバコのヤニやコーヒー、紅茶、緑茶による後天的な着色に対し有効と記載されている。
又、平成15年9月9日に出願された特許文献2には、歯面の着色を除去するための歯面清掃用であって、口腔内に入る形状に加工したメラミン系樹脂発泡体を備える歯面清掃用具として公知歯ブラシ形状の商品を照会している。ブラシ部のメラミン系樹脂発泡体は公知のものであり、その特性は、JIS K6401による密度が5〜50kg/m3、JIS K6301による引張り強度が0.6〜1.6kg/m2、JIS K6301による破断時の伸び率が8〜20%、JIS K6402の測定によるセル数が80〜300個/25mmの物性を備える連続気泡構造の多孔体であることが記載されている。
本考案者は、平成19年8月9日に実用新案文献2において、上板と下板とからなる柄と、該柄に固定されてその端部から突出する中板と、該中板を芯にして折り曲げられ前記柄端部に設けられた挟特部に両端部が挟持される板状の歯磨き部材とを有してなる歯磨き具であって、歯磨き部材はメラミン樹脂発泡体であり、メラミン樹脂発泡体に対し加熱加工することにより、セル数を800〜1200個/25mmと引張り強度を向上した商品を提案した。
登録実用新案第3087093号公報
登録実用新案第3136247号公報
前記した従来のメラミン樹脂発泡体を利用した歯磨き具の多くは、通常の歯ブラシ形状のためブラシ部(メラミン樹脂発泡体部)と手でもって操作する部分に距離的な空間が生じ、歯面を清掃しタバコのヤニ等を除去する際ブラッシング圧が分散し短時間において確実に歯面に付着したタバコのヤニ等を除去することが難しかった。
又、メラミン樹脂発泡体においても数々の問題点があった。
第一に、公知のメラミン樹脂発泡体は口腔内清掃用ではなく、生活用品として使用されており、安全性を重要視しておらずこれを完璧にクリアーする必要があった。
特性においても、公知されるメラミン樹脂発泡体のJIS K6301による引っ張り強度は0.6〜1.6kg/m2と低く、歯面を清掃する値としては十分とは言えなかった。
又、メラミン樹脂発泡体内部組織構造においても、天然エナメル質表面穴内に入り込む構成壁の厚さを有するメラミン樹脂発泡体が理想と言えるが製造コスト面と量産面において大きな問題があった。よって安定した品質と量産面から研究し、安全で安価であり、タバコのヤニ等を効率良く除去できるメラミン樹脂発泡体の開発を課題とした。
さらに取り替え方式にすることでメラミン樹脂発泡体の両面を使用することができるため、エンドユーザーの負担軽減と不必要な廃材の量を抑えることも重要な課題と考えた。
本考案に係る歯面清掃具は中板中央付近にヒンジを設け二つ折りされた中板先端部分に歯面清掃用メラミン樹脂発泡体を固定し、本体握り手一方端面に位置する中板挿入小孔に挿入固定し取り替え自由に歯面清掃ができる構造とした。
次に、メラミン樹脂発泡体に対しても研究開発により下記に示す特性を有する安全な商品とした。
まず、従来のメラミン樹脂発泡体を加圧することにより歯面清掃時に発生する摩擦力に対応できる引張り強度の向上(従来品約10MPaから本考案加圧品30MPa以上)に成功したことで口腔内における破損事故が軽減できる。
メラミン樹脂発泡体加圧工程時に適温加熱することでメラミン樹脂発泡体残留物であるフェノール、ホルムアルデヒドが蒸発し分析試験においても検出されることがなく口腔内で使用しても安全であることが確認できた。又、セル数の増加に伴いセル間の構成壁の厚さが従来品に比べ細くなることで、歯面の清掃効率の向上につながった。
以下、本考案を実施するための最良の形態を図をもって説明する。図1は、本考案に係る歯面清掃具中板展開斜視図であり、その詳細は、中板上面1と中板下面1aを中央付近に位置する中板ヒンジ1bによりメラミン樹脂発泡体挿入小孔1c下方向より挿入されたメラミン樹脂発泡体2を先端部に位置する円筒軸1eに巻き付け二つ折りした後上下より挟み込み、本体握り手3一方端面の中板挿入小孔3aに挿入中板ストッパー1dと本体ストッパー3bにより固定し使用後取り替え自由とする構造を有する、歯面清掃具である。
メラミン樹脂発泡体2をメラミン樹脂発泡体挿入小孔1cに下方向より挿入する構造を図2で示し、メラミン樹脂発泡体を円筒軸1eに巻き付けた後、中板上面1と中板下面1aで挟み込み、本体握り手3一方端面の中板挿入小孔3aに挿入する構造を示したものが図3である。図4は中板挿入完了した本考案商品を示したものである。
次に、メラミン樹脂発泡体を圧縮加工した場合の、セル数(気泡数)の変動と、引張り強度の関係を示すグラフが図5である。
図6は本考案に使用されるメラミン樹脂発泡体の電子顕微鏡写真であり、メラミン樹脂発泡体間の壁の寸法を4で示している。これで理解できるように壁の厚さは1〜2マイクロメートルと従来品より薄く、歯面清掃に適合した物性を有することが分る。
又、この方法にすることで従来の歯ブラシに比べ極小空間にも入り込み清掃ができる歯面清掃具を安価にエンドユーザーに提供できる。
それに加え、前記したように加熱加圧製造方法によりメラミン樹脂発泡体も安心して使用できる物性となった。その物性の詳細データーは、高分子試験・評価センター大阪事業所、試験結果データーにより、材質試験においては、鉛、カドミウム、溶出試験においては、重金属、フェノール、ホルムアルデヒド、蒸発残留物においては、水、ヘプタン各項目に対し食品衛生法、食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告知第370号)フェノール樹脂、メラミン樹脂又はユリア樹脂を主成分とする合成樹脂性の器具又は容器包装(平成18年厚生省告知第201号)全項目適合するとの結果となった。
本考案に係る歯面清掃具はメラミン樹脂発泡体取り付け位置より握り手部が近いため、歯面に付着したタバコのヤニ、茶渋、黄ばみ等が効率良く確実に除去することが可能となった。又、メラミン樹脂発泡体のみを簡易に交換できる構造としたことで、メラミン樹脂発泡体両面が使用できると同時に、他のパーツが再利用できエンドユーザーに対してのコスト負担低下と資源の有効利用にも寄与できた。
1. 中板上面
1a. 中板下面
1b. 中板ヒンジ
1c. メラミン樹脂発泡体挿入小孔
1d. 中板ストッパー
1e. 円筒軸
2. メラミン樹脂発泡体
3. 本体握り手
3a. 中板挿入小孔
3b. 本体ストッパー
4. メラミン樹脂発泡体間の壁
1a. 中板下面
1b. 中板ヒンジ
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4. メラミン樹脂発泡体間の壁
Claims (5)
- 長方形状の薄板中央付近に二つ折りするためのヒンジを設け、一方端部長手垂直方向に円筒形状の軸部と隣接する長方形状の貫通小孔を有する中板の前記貫通小孔にメラミン樹脂発泡体を下方向より挿入、円筒形状の軸部に巻き付け二つ折りにし両端部分を合わせ中板他方端面をヒンジにより折り重ねた歯面清掃部を、一方端面長手方向に中板挿入用長穴を設け握り手部分が円形に太く加工された短形状の本体部に中板をヒンジ部より挿入、メラミン樹脂発泡体を取り替え自由としたことを特徴とする歯面清掃具。
- 請求項1の歯面清掃具であって、使用される清掃部材であるメラミン樹脂発泡体の物性が、セル数800〜1200個/25mmであることを特徴とする歯面清掃具。
- 請求項1の歯面清掃具であって、使用される清掃部材であるメラミン樹脂発泡体を加熱と同時に加圧し、圧縮比2/1〜8/1において、引っ張り強度20〜55MPaであることを特徴とする歯面清掃具。
- 請求項1の歯面清掃具であって、使用される清掃部材であるメラミン樹脂発泡体を加熱と同時に加圧し、溶出残留物であるフェノール、ホルムアルデヒドを蒸発処理することを特徴とする歯面清掃具。
- 請求項1の歯面清掃具であって、中板側面部と本体中板挿入長穴側面部に設けた凹凸構造により、中板を本体に固定及び、取り替えを自由にしたことを特徴とする請求項1の歯面清掃具。
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JP2015217283A (ja) * | 2014-05-19 | 2015-12-07 | 株式会社広栄社 | メラミンフォーム歯面清掃具とその製造方法 |
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