JP3153772U - 組立家具 - Google Patents
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Abstract
【課題】よりガタツキが少なく、信頼性の高い組立家具を提供する。【解決手段】側面及び一方の平面に貫通した孔が形成されてなる複数の接続パネルと、周方向に複数のネジ孔が形成された複数の接続ユニットと、頭部、軸部及びネジ溝部を有する複数の接続ネジと、を有する。接続ユニットのネジ孔に接続ネジを回し入れ、接続ネジの軸部及び頭部を接続パネルの孔に側面から挿入し、接続パネルの一方の平面に形成されてなる孔から固定ネジを挿入して接続ネジにおける頭部とかみ合わせて、組み立てられる。接続ネジには、軸部の一部を覆うポリマー部材が配置される。【選択図】図1
Description
本考案は、組立家具に関する。
組立てに必要な部材が全て含まれており、購入した後自分で組立てを行う組立家具は、組み立てるための人件費が不要となるため低価格なものが多く、近年その人気は極めて高くなっている。特に、組立家具の中には、購入するパーツの数、大きさに応じて家具の寸法、形状などを自由に設計することができるものも存在し、その需要はますます増える傾向にある。
組立家具に関する公知の技術の一例として、例えば下記特許文献1に、複数のパネルをねじなどで組み合わせる組立家具が開示されている。
しかしながら、上記技術で示される技術においては、複数のパネルには木材を用いる一方で、ねじには金属を用いるものが殆どであり、木材と金属との組み合わせにおいては、組み立てた際にガタツキが生じてしまう等の課題が残ってしまう。
そこで、本考案は、よりガタツキが少なく、信頼性の高い組立家具を提供することを目的とする。
本考案者は、組立家具の作製において、主成分が木材からなるパネルと、金属からなるネジとを組み合わせた場合、材質が異なるなること特に金属表面の平滑性により、組み立てた家具に外圧が加わった場合、ガタツキが生じてしまうことを発見した。このガタツキは組立家具の信頼性を低くしてしまう虞があり、ひどい場合には不良品となり、結果として歩留まりが低くなってしまう場合があった。
本考案者は、この課題について鋭意検討を行なったところ、複数の接続パネルと、複数の接続ユニットと、複数の接続ネジと、を組み合わせて構成する組立家具において、接続ネジの軸部の周囲に、この一部を覆うポリマー部材を配置することで、ガタツキを押さえることができる点を発見し、本考案を完成させるに至った。
すなわち、本考案の一観点に係る組立家具は、側面及び一方の平面に貫通した孔が形成されてなる複数の接続パネルと、周方向に複数のネジ孔が形成された複数の接続ユニットと、頭部、軸部及びネジ溝部を有する複数の接続ネジと、を有し、接続ユニットのネジ孔に接続ネジを回し入れ、接続ネジの軸部及び頭部を接続パネルの前記孔に側面から挿入し、接続パネルの一方の平面に形成されてなる孔から固定ネジを用いて接続ネジにおける頭部とかみ合わせて、組み立てられ、かつ、接続ネジには、前記軸部の一部を覆うポリマー部材が配置されてなる。
なお、この観点において、限定されるわけではないが、接続ネジの前記ポリマー部材の厚みは、ネジ溝部側から頭部側にかけて薄くなっていることが好ましい。
以上、本考案により、よりガタツキが少なく、信頼性の高い組立家具を提供することができる。
以下、本考案の実施形態について図面を参照しつつ説明する。ただし、本考案は多くの異なる態様で実施することが可能であり、下記に示す具体例にのみ限定されるものではない。
図1は、実施形態に係る組立家具(以下「本組立家具」という。)1の概略斜視図であり、図2は、本組立家具の組立について説明するための分解図である。本図で示されるように、本組立家具は、側面21及び一方の平面22に貫通した孔211が形成されてなる複数の接続パネル2と、周方向に複数のネジ孔31が形成された複数の接続ユニット3と、頭部41、軸部42及びネジ溝部43を有する複数の接続ネジ4と、を有し、接続ユニット3のネジ孔31に接続ネジ4の溝部43を回し入れ、接続ネジ4の軸部42及び頭部41を接続パネル2の孔211に側面21側から挿入し、平面22側から予め内蔵されている固定ネジ5を回して接続ネジ4における頭部41とかみ合わせて、組み立てられてなる組立家具である。なお、図1、2の例では、4枚の接続パネル2で一つの収納スペースを形成したものとなっているが、構成は限定されず、例えば図3で示すように、多数の接続ユニット3と多数の接続パネル2を用いて複数の収納スペースを形成するよう多数組み合わせることも可能である。
本組立家具において、接続パネル2は、家具の壁部を構成する板状の部材であって、組立家具の主要な構成要素の一つである。接続パネル2の形状は特に限定されるわけではないが、複数の接続パネルを組み合わせ易くなるよう、直線により形成される多角形状であることが好ましく、長方形、正方形といった四角形であることはより好ましい一例である。
また接続パネル2のそれぞれは、その側面21において孔211が、平面22においても孔211が形成されており、更に、これら孔は接続パネル内部で結合しており、側面21及び一方の平面22に貫通した孔となっている。これは、側面21側から接続ネジ4を挿入する一方、平面22の孔211に予め内蔵されている固定ネジ5を用いて接続ネジ4の頭部41を絞めることで接続パネルと接続ネジ(更には接続ネジに固定された接続ユニット)を固定することを目的として形成されている。この孔は、本組立家具を組み立てることができる限りにおいて限定されるわけではないが、接続パネルの1つの辺の側面各々において両端近傍に1つずつ(1辺あたり2つ)形成されていることが好ましい。
なお、接続パネルは壁部をなすものであるが、例えば、図4で示すように、背面板を有する組立家具とするため、接続パネルの面を対向して配置させた場合に背面板6を挿入することのできるような背面板用の溝23を平面22に形成しておくことは好ましい一形態である。即ち、平面に背面板用の溝が形成された接続パネルを、これら溝が対向するよう組み合わせ、この溝に背面板を配置した組立家具とすることができる。なお、この場合において、背面板6は、表と裏の面において色等を異ならせ、好みに合わせて表と裏の面いずれかを選択させるようにしておくことは好ましい一例である。
本組立家具において、接続ユニット3は、接続パネル2を組み合わせる基軸となるものであって、周方向に複数のネジ孔31が形成されている。図5に、本実施形態に係る接続ユニット3の概略斜視図を示す。
本実施形態において、接続ユニット3は、限定されるわけではないが、接続パネル2の一辺と略同じ長さを有する棒状部材であることは好ましい一形態である。本接続ユニット3の断面形状としては多角形状であることが好ましく、四角形であることがより好ましい。なお本接続ユニット3における「周方向」とは、接続ユニットが延びる方向(例えば棒状であれば、棒の遠心軸方向)を中心とする回転方向をいう。なお、ねじ孔31は、周方向同一平面上にある必要は必ずしも無いが、同一の構成からなる複数の接続パネル2を組み合わせる観点からは周方向同一平面上に形成されていることが好ましい。接続ユニットが四角の断面形状を有する棒状部材である場合、各面の両端近傍にそれぞれネジ孔31が形成されていることは好ましい一例である。なお、この場合における接続ユニット3のねじ孔を含む面(軸方向に垂直な面)における断面図を図6に示しておく。
本組立家具において、接続ネジ4は、上記接続パネル2と接続ユニット3を固定するために用いられる部材であり、頭部41、軸部42及びネジ溝部43を有し、更に、軸部の一部がポリマー部材44により覆われている。図7に、接続ネジの六面図を示しておく。
接続ネジ4の頭部41は、固定ネジ5と組み合わされる部分であって、更に、接続ネジ4の溝部43を接続ユニット3のネジ孔31に回しいれる際、ドライバーの先端を引っ掛けるために有用な部である。例えばいわゆるプラスドライバーの先端と組み合わされるため、ネジの頭部41にプラスの溝が形成されていることは好ましい一例である。なお接続ネジの頭部41、軸部42、溝ネジ部43の材質は、特に限定されるわけではないが、硬度の関係から、金属であることが好ましい。
接続ネジ4のネジ溝部43は、接続ユニット3のネジ孔31に回しいれることができるよう彫られた溝である。接続ネジ4のネジ溝部43の長さは、接続ユニット3のネジ孔31にあわせてあれば特に限定はされないが、3mm以上8mm以下であることが好ましく、より好ましくは3mm以上5mm以下である。この範囲とすることで、接続ユニットと接続ネジとの結合強度を維持することができるとともに接続ユニットを必要以上に太くする必要がなくなるといった効果がある。
接続ネジ4の軸部42は、ネジ溝部43と頭部41を接続する部分であって、この周囲の少なくとも一部には、ポリマー部材44が配置されている。ポリマー部材は高分子であって、一般にはある程度の表面粗さ(摩擦)と弾性を示す部材であり、接続パネル2の孔211に接続ネジを挿入した場合、孔211内部の表面と高い摩擦力をもって接触すること、更に、外力が加わった場合の外力を吸収することができるようになり、いわゆるガタツキやすべりを抑えることができるようになる。ところで、本実施形態に係る組立家具において接続ユニットの周方向には複数のネジ溝が形成されることとなるため、ネジ孔を浅く形成する即ちネジ溝部を短く形成しなければならないが、このことは接続ネジの作製精度を高くしなければならないといった課題を生ずる虞がある。しかしながら、本実施形態のように、ポリマー部材を周囲に配置させる構造とすることで、接続ネジのネジ溝を多少長く設計しても、また誤差が生じたとしても、所望のネジ溝の長さが残るようポリマーを形成することで、ネジ溝近傍における製造誤差等を吸収させることができ、歩留まりを向上させることができるといった優れた利点を有する。またこの場合、軸部近傍のネジ溝部43の周囲にもポリマー部材を配置しておくこととなり、ポリマー部材の一部がネジ溝周辺に配置されることとなるため、ポリマー部材とネジの軸部とを強固に固定することができるといった利点がある。なお、ポリマー部材は、ポリマーである限りにおいて限定されないが、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリビニルクロライド、ポリカーボネート等を好ましく用いることができる。 また、接続ネジのポリマー部材44の厚みは、限定されるわけではないが、ネジ溝部43側から頭部41側にかけて薄くなっていることが好ましい。このようにすることで、接続パネルの孔に入れる際は入れやすく、入れた後は十分な径を確保し、孔とネジとを密着させることが可能となり、いわゆるガタツキを抑えることができる。
そして、本組立家具は、接続ユニット3のネジ孔31に接続ネジ4の頭部41を回し入れ、接続ネジ4の軸部42及び頭部41を接続パネル2の孔211に側面21側から挿入し、平面22側から固定ネジ5を用いて接続ネジ4における頭部41とかみ合わせて、組み立てることができる。
なお、本実施形態に係る固定ネジ5は、上記の通り接続パネルの平面に形成された孔211において、接続ネジ4の頭部41を固定するために内蔵されているネジであって、頭部51と、この頭部51に接続され溝521が形成される軸部52とを有して構成されている。この概略を図8に示しておく。この軸部52の溝521には接続ネジ4の頭部41及び軸部42が嵌めあわされ、頭部51に彫られた溝にドライバーを引っ掛け、回すことで、接続パネル2と接続ネジ(更に接続ネジが固定された接続ユニット)を固定することができる。なお、本実施形態では孔211に予め内蔵されていることとしているが、別々に用意し、接続ネジと接続パネルを固定しようとする際、改めて孔211に挿入するようにしてもよい。
以上、本考案により、よりガタツキが少なく、信頼性の高い組立家具を提供することができる。
本考案は、組立て家具として量産が可能であり、産業上の利用可能性がある。
1…組立家具、2…接続パネル、3…接続ユニット、4…接続ネジ、5…固定ネジ
Claims (2)
- 側面及び一方の平面に貫通した孔が形成されてなる複数の接続パネルと、
周方向に複数のネジ孔が形成された複数の接続ユニットと、
頭部、軸部及びネジ溝部を有する複数の接続ネジと、を有し、
前記接続ユニットのネジ孔に接続ネジを回し入れ、
前記接続ネジの軸部及び頭部を前記接続パネルの前記孔に側面から挿入し、
前記接続パネルの一方の平面に形成されてなる前記孔から固定ネジを用いて前記接続ネジにおける頭部とかみ合わせて、組み立てられてなる組立家具であって、
前記接続ネジには、前記軸部の一部を覆うポリマー部材が配置されてなる組立家具。 - 前記接続ネジの前記ポリマー部材の厚みは、前記ネジ溝部側から前記頭部側にかけて薄くなっている請求項1記載の組立家具。
Priority Applications (1)
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