JP3152991B2 - 液状除草剤組成物 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、グルホシネート−アン
モニウム、すなわち、式（Ｉ）

【０００２】

【化２】 で表される４−〔ヒドロキシ（メチル）−ホスフィノイ
ル〕−Ｄ，Ｌ−ホモアラニンのアンモニウム塩の新規の
配合物に関する。

【０００３】

【従来の技術】米国特許第４，１６８，９６３号明細書
およびＺ．Ｐｆｌ．Ｋｒａｎｋｈ．Ｐｆｌ．Ｓｃｈｕｔ
ｚ，Ｓｐｅｃｉａｌ Ｅｄｉｔｉｏｎ ＩＸ，第４３１
〜４４０頁，１９８１年から、式Ｉの化合物が数多くの
植物ファミリーの雑草に対する良好かつ幅広い活性を有
していることが知られている。

【０００４】式Ｉは、全ての立体異性体（Ｄ−およびＬ
−体）、好ましくは生物学的に活性なＬ−鏡像体、およ
びラセミ化合物を含有する立体異性体混合物を包含す
る。ヨーロッパ特許出願公開第０，０４８，４３６号明
細書から、ココナッツ脂肪アルキルベンジルジメチルア
ンモニウムクロライドまたは（Ｃ₁₂〜Ｃ₁₈）−アルキル
ポリグリコールエーテルスルフェートが式Ｉの作用を高
めることが知られている。しかしながら、式Ｉの水性液
状配合物は、極性溶剤、例えばジメチルホルムアミド、
Ｎ−メチルピロリドンまたはエチレングリコールモノメ
チルエーテルを添加した際にしか安定でない。さもなけ
れば、配合物中の相が、活性物質に富みそして界面活性
剤の少ない相と活性物質が少なくそして界面活性剤に富
んだ相とに分離してしまう。上記の溶剤の使用は、（Ｃ
₁₂〜Ｃ₁₈）−脂肪アルキルポリグリコールエーテルスル
フェートが多い配合物において特に必要である。

【０００５】溶剤の使用に対する批判的な意見が、特に
毒性上の観点から増してきているので、実質的濃度のこ
れらの化合物の使用は、問題を生ずるであろう。従っ
て、式Ｉの活性物質の配合物は、溶剤を含まないかある
いはほんの少量の溶剤を含有するべきである。

【０００６】上記ヨーロッパ特許出願公開に開示された
これらの配合物の低温での安定性が、特に界面活性剤含
有量が高い場合にしばしば実用上の要求に対して不充分
であるということが明らかとなっている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】活性物質および湿潤材
料は０℃以下の温度でしか沈澱しないが、霜の降りる条
件下に保存されていた巨大な容器から小さい容器に移す
際に、これらの容器をまず長期間温かい条件下に保存し
なければならず、次いで生成物を均一化しなければなら
ないので一層の操作上の困難性がある。

【０００８】従って、式Ｉの活性物質の配合物は、温度
が０℃以下の場合でも均一でかつ流動性がなければなら
ない。

【０００９】

【課題を解決するための手段】驚くべきことに、特定の
界面活性剤または界面活性剤混合物を使用することによ
って、非常に低い溶剤含有量を有する配合物および低温
で非常に安定でかつ良好な生物学的作用を有する溶剤の
ない式Ｉの活性物質の配合物を調製できることを見出し
た。

【００１０】従って、本発明は、立体異性体混合物の形
態またはＬ−鏡像体の形態の式Ｉで表される化合物およ
び、場合により −（Ｃ₁₀〜Ｃ₁₈）−脂肪アルコールポリグリコールエー
テルスルフェート、 −（Ｃ₁₂〜Ｃ₁₈）アルキルジメチルアミンオキサイド、 −（Ｃ₁₀〜Ｃ₁₈）アルキルジメチルベンジルアンモニウ
ムクロライドおよび／または −ココナッツアルキルジメチルアミノ酢酸（ベタイン） （但し、エーテルスルフェートの場合、アルカリ金属
塩、アンモニウム塩またはアルカリ土類金属塩を使用で
きる）との混合物として、（Ｃ₈ 〜Ｃ₁₄）アルキルポリ
グリコシド類から選択された界面活性剤を含んでなる液
状除草剤組成物に関する。

【００１１】水性希釈液の形態で、本発明による組成物
は、０．５〜４０重量％、好ましくは１〜３０重量％の
式Ｉの活性物質、および活性物質１部当たり０．５〜８
部の本発明の界面活性剤並びに水と混和性でかつ農作物
保護の使用に適用できる０〜１０重量％の溶剤、例えば
メチルグリコール、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテル、ＰＥＧ２００、イソプロパノール、ＤＭＦまた
はＮＭＦを含んでなる。

【００１２】アルキルポリグリコシドと、（Ｃ₁₀〜
Ｃ₁₈）−脂肪アルコールポリグリコールエーテルスルフ
ェート、（Ｃ₁₂〜Ｃ₁₈）アルキルジメチルアミンオキサ
イド、（Ｃ₁₀〜Ｃ₁₈）アルキルジメチルベンジルアンモ
ニウムクロライドおよびココナッツアルキルジメチルア
ミノ酢酸からなる群から選択された少なくとも１種類の
界面活性剤との混合物である場合、アルキルポリグリコ
シドの量は、全界面活性剤含有量の５０重量％以下であ
ることが好ましい。

【００１３】２５重量％まで、好ましくは１５重量％ま
での更に別の市販の補助剤、例えば界面活性剤、湿潤
剤、分散剤、接着促進剤、消泡剤、保存剤および凍結防
止剤を本発明による組成物に添加できる。

【００１４】好適な付加的湿潤剤および分散剤は、例え
ばトリブチルフェノールポリグリコールエーテル類、例
えばＳａｐｏｇｅｎａｔ Ｔブランド（ヘキスト社，商
標名）、ノニルフェノールポリグリコールエーテル類、
例えばＡｒｋａｐａｌ Ｎブランド（ヘキスト社，商標
名）またはイソトリデカノールポリグリコールエーテル
類、例えばＧｅｎａｐｏｌ Ｘブランド（ヘキスト社，
商標名）である。

【００１５】好適な消泡剤の例は、パーフルオロ−（Ｃ
₆ 〜Ｃ₁₈）アルキルホスフィン酸またはホスホン酸から
なる群から選択されたものである（ドイツ特許出願公開
第４，０２１，３３６号明細書を参照のこと）。

【００１６】必要により、保存剤、例えばホルムアルデ
ヒド、安息香酸またはトリフェニル錫に基づくもの、例
えばＫｏｂａｔｅ Ｃ（商標名）を使用できる。また、
凍結防止剤、例えば尿素、塩類（例えば硫酸アンモニウ
ム）、ポリオール類（例えばグリコール、プロピレング
リコールまたはグリセロール）または砂糖を添加するこ
とも可能である。

【００１７】上記界面活性剤は、式Ｉの化合物とその他
の除草剤活性物質、例えばアトラジン、リニュロン、モ
ノリニュロン、イソプロチュロン、チジアジュロン(thi
diazuron) 、シマジン、ジウロン(diuron)、メトラクタ
ー、オキシフルオルフェン(oxyfluorfen) 、ビフェノッ
クス、イマゼタピア、イメゼタベンズ、イマザクリン、
キザロホップ−Ｐ−テフリル（ＵＢＩ−Ｃ４８７４）、
スルホニル尿素、例えばＤＰＸ−Ｌ−５３００、チアメ
トウロン−メチル、メスルフロン−メチルまたはニコス
ルフロン（Ｉｓｈｉｈａｒａ）（これらは式Ｉの作用を
高める）とを一緒にした配合物に有利に使用することも
できる。

【００１８】適用前に、式Ｉの活性物質または上記除草
剤との混合配合物の噴霧液に界面活性剤を直接添加する
ことも可能である。本発明はまた、５００倍までの希釈
の形態で本発明による濃縮調合物の成分を含有する希釈
調合物（噴霧液）にも関する。

【００１９】本発明による組成物は、溶液の形態および
水不溶性活性化合物、例えば上記の除草活性トリアジン
および尿素化合物との混合物、固体相中に不溶性活性物
質をそして水性液相中に化合物Ｉと界面活性剤を含有す
る懸濁濃縮物の形態で存在する。低い融点を有する活性
物質または液状活性物質、例えばメトラクロール、アラ
クロール、トリフルラリン、フェノキシ除草剤のエステ
ルまたはアイオキシニルまたはブロモキシニルのエステ
ルは、水性相中に化合物Ｉおよび本発明による界面活性
剤を含有する安定なエマルジョンの形態の化合物Ｉおよ
び界面活性剤および水不溶性液体活性物質、あるいは有
機溶剤、すなわち「オイル状」液相に溶解された活性物
質（有機溶剤自身は水溶性であってはならない）で調合
される。

【００２０】かゝる混合配合物は、種々の方法で調合で
きる。一方、個々の成分を別々に単一分散液および溶液
の形態で調製し、次いでこれらをコロイドミルを使用し
て混合する方法を行うことができる。一方、微分散相の
活性物質を一緒に粉砕し、そして活性物質溶液をこの混
合分散液に添加することも可能である。原理的には、全
ての活性物質をワンパスで加工し、所望の混合配合物と
することも可能である。

【００２１】この方法で調合された組み合わせ配合物
は、保存安定性であり、実質的な化学変化を受けずそし
て使用の際の操作が簡単である。一般に、本発明の組成
物は、水で希釈した後に適用されるが、かゝる組成物
は、非希釈形態で適用することもできる。

【００２２】本発明の組成物を調合するために、活性物
質を水に溶解し、計算量の本発明の界面活性剤および場
合により更に常套の補助剤、例えば可溶化剤（プロピレ
ングリコールモノメチルエーテル、グリコール類、ポリ
グリコール類、ブロックコポリマー、ＤＭＦ、Ｎ−メチ
ルピロリドン等）およびその他の湿潤剤、着色剤または
消泡剤（例えばシリコーン類、ポリエチレンポリプロピ
レングリコール類、石鹸等）を添加し、そしてこのバッ
チを緊密に混合する。少量の固体を濾別する。

【００２３】界面活性剤の例を記載する。−脂肪アルコ
ールＣ₈ 〜Ｃ₁₀−グリコシド：Ｐｌａｎｔａｒｅｎ Ａ
ＰＧ２２５（Ｈｅｎｋｅｌ ＫＧ社，商標名）−脂肪ア
ルコールポリグリコールエーテルスルフェート：Ｇｅｎ
ａｐｏｌ ＬＲＯ、Ｇｅｎａｐｏｌ ＡＲＯ、Ｇｅｎａ
ｐｏｌ ＺＲＯ（Ｈｏｅｃｈｓｔ社，商標名）、Ｔｅｘ
ａｐｏｎ ＡＳＶ、Ｔｅｘａｐｏｎ Ｎａ、Ｔｅｘａｐ
ｏｎ Ｍ（Ｈｅｎｋｅｌ ＫＧ社，商標名）−（Ｃ₁₂〜
Ｃ₁₈）アルキルジメチルアミンオキサイド：Ａｌｋａｍ
ｏｘ ＬＯ（Ａｌｋａｒｉｌ Ｃｈｅｍｉｃａｌ社，商
標名）、Ｇｅｎａｍｉｎｏｘ（Ｈｏｅｃｈｓｔ社，商標
名）−（Ｃ₁₀〜Ｃ₁₈）アルキルジメチルベンジルアンモ
ニウムクロライド：Ｄｏｄｉｇｅｎ ブランド（Ｈｏｅ
ｃｈｓｔ社，商標名）−ココナッツアルキルジメチルア
ミノ酢酸：Ａｌｋａｚｅｒｉｃ ＣＢ（Ａｌｋａｒｉｌ
Ｃｈｅｍｉｃａｌ社，商標名）。

【００２４】

【実施例】以下の表１の例は、本発明をこれらに限定す
ることなしに本発明を説明する。（％は重量％であ
る。） 略号： ｐｒｏｐ．ｍ プロピレングリコールモノメチルエー
テル ｄｅｔ． 洗浄剤 ｏｒｇ．ｓ 有機溶剤 ｍ．ｇｌｙｃ． メチルグリコール

フロントページの続き (72)発明者 ペーテル・ランゲリュデッケ ドイツ連邦共和国、ホーフハイム・ア ム・タウヌス、ネルケンウエーク、５ (72)発明者 マルティン・ヘス ドイツ連邦共和国、マインツ、ブッヒエ ンウエーク、83 (56)参考文献 特開 昭57−82301（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−169504（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−99313（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A01N 57/20 A01N 25/30 ＣＡ（ＳＴＮ)

Claims (13)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 立体異性体混合物の形態またはＬ−鏡像
   体の形態の式Ｉ 【化１】 で表される化合物および（Ｃ₈ 〜Ｃ₁₄）アルキルポリグ
   リコシド類から選択された界面活性剤を含んでなる液状
   除草剤組成物。
2. 【請求項２】 −（Ｃ₁₀〜Ｃ₁₈）−脂肪アルコールポリ
   グリコールエーテルスルフェート、 −（Ｃ₁₂〜Ｃ₁₈）アルキルジメチルアミンオキサイド、 −（Ｃ₁₀〜Ｃ₁₈）アルキルジメチルベンジルアンモニウ
   ムクロライドおよび、 −ココナッツアルキルジメチルアミノ酢酸（ベタイン） （但し、エーテルスルフェートの場合、アルカリ金属
   塩、アンモニウム塩またはアルカリ土類金属塩を使用で
   きる）の群から選択された少なくとも１種類の界面活性
   剤を付加的に含んでなる請求項１の組成物。
3. 【請求項３】 ０．５〜４０重量％の式Ｉの活性物質を
   含んでなる請求項１または２の組成物。
4. 【請求項４】 １〜３０重量％の式Ｉの活性物質を含ん
   でなる請求項１ないし３のいずれか一つの組成物。
5. 【請求項５】 請求項１または２で定義した界面活性剤
   または界面活性剤混合物の量が活性物質１部当たり０．
   ５ないし８重量％である請求項１ないし４のいずれか一
   つの組成物。
6. 【請求項６】 ０〜１０重量％の水混和性溶剤を含んで
   なる請求項１ないし５のいずれか一つの組成物。
7. 【請求項７】 請求項２に定義された界面活性剤混合物
   中のアルキルポリグリコシドの量が５０重量％以下であ
   る請求項１ないし６のいずれか一つの組成物。
8. 【請求項８】 界面活性剤、湿潤剤、分散剤、接着促進
   剤、消泡剤、保存剤および／または凍結防止剤を含んで
   なる請求項１ないし７のいずれか一つの組成物。
9. 【請求項９】 更に少なくとも１種類の除草活性物質を
   付加的に含んでなる請求項１ないし８のいずれかの組成
   物。
10. 【請求項１０】 式Ｉの活性物質を水に溶解し、計算量
    の界面活性剤および場合により別の添加物を添加し、そ
    してそのバッチを緊密に混合することからなる請求項１
    ないし９のいずれか一つに定義された組成物の製造方
    法。
11. 【請求項１１】 式Ｉの活性物質および場合により更に
    除草活性物質を含む組成物への添加剤として請求項１に
    定義された界面活性剤またはそれと請求項２に定義され
    た少なくとも１種類の界面活性剤との混合物を使用する
    方法。
12. 【請求項１２】 望ましくない植物を防除するのに請求
    項１ないし９のいずれか一つの組成物を使用する方法。
13. 【請求項１３】請求項１ないし９のいずれか一つの組成
    物を植物、植物の種子または栽培下の領域に適用するこ
    とからなる望ましくない植物を防除する方法。