JP3152983B2 - 歯質又は歯牙の欠損修復用結晶化ガラスとその製法 - Google Patents

歯質又は歯牙の欠損修復用結晶化ガラスとその製法

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JP3152983B2
JP3152983B2 JP02996092A JP2996092A JP3152983B2 JP 3152983 B2 JP3152983 B2 JP 3152983B2 JP 02996092 A JP02996092 A JP 02996092A JP 2996092 A JP2996092 A JP 2996092A JP 3152983 B2 JP3152983 B2 JP 3152983B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、う蝕、歯周病、外傷な
どにより、歯質の変色,欠損,破損或いは歯牙が欠如し
たとき、充填や補綴して、咬合や発音などの機能回復又
は、色調や形態などを復元し、同時に審美的回復をも図
ることができる歯科医療用の人工材料に関する。更に詳
しくは本発明は歯質の欠損や変色、又は歯牙の欠損の修
復用材料として、特定の結晶相と特定組成のガラスマト
リックス相から成り、物理的、化学的特性に優れるとと
もに審美性に優れる歯質又は歯牙の欠損修復用結晶化ガ
ラス及びその製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】歯科医療の大きな分野として歯質又は歯
牙の欠損部分の修復医療分野がある。これは、種々の歯
牙修復用材料を用いて、歯質欠損或は歯牙の欠損部分
を、歯牙の形態や構造を可能な限り人体歯牙に近い状態
に復元することによって、歯牙本来の持合わせている形
態や機能の回復、即ち、発音、咬合、顔面の審美構成な
どの改善を図ろうとするものである。
【0003】前記した歯牙修復用材料の具備すべき条件
としては、(1) 咬合による咀しゃく力に耐え得るなど口
腔内環境での物理的条件に耐える材料であること、(2)
口腔内で不活性であるなど化学的条件に耐え得る材料で
あること、(3) 生体に対して為害作用のない材料である
こと、(4) 生体の歯牙に近似した審美性を有する材料で
あること、(5) 使用(適応)技術が容易で、かつ再現性
のある材料であること、(6) 経済的コストが低く、かつ
修復材料の製造や適用が短期間に行なえる経済性に優れ
た材料であること、などがあげられる。
【0004】現在、臨床に用いられている歯牙修復材料
は、金、銀、パラジウム、ニッケル、チタン、ステンレ
スなどの合金、アマルガム合金、陶材(セラミックまた
はファインセラミック)、高分子ポリマー材料、モノマ
ーとプレポリマー及びセラミックスフィラーとの複合材
料などである。合金あるいはその合金の応用において
は、物理的特性において重大欠陥はないが、自然歯牙と
比較して構成材料が著しく異なるので審美性が重要視さ
れる部位には望ましくない。陶材は咀しゃくに対して脆
く、高分子材料は弱い上に完全に不活性とは言い難いも
のである。合金と陶材と組み合せられたメタルボンド陶
材料は、物理的条件には好ましいものであるが、審美性
を向上させるためには十分な肉厚が求められている。こ
のため該材料を使用する場合、歯質の削除量が多くなる
とともに、技術的にも難しく経済性に問題がある。以
上、考察したように十分に満足し得る完全な歯牙修復材
料は、現在まで開発されていないのが現状である。
【0005】近年、上記材料の他に、マイカ系結晶化ガ
ラスを歯牙修復材料として用いることが、C.H.Rameijer
などによって「鋳造性」セラミック系歯科用修復材料の
物理的性質(Physical preperties of a castable cera
mic dental restorative material)」として、I.A.
D.R,Abstracts(59) March 1980,P.474に示されてい
る。また、前記したマイカ系結晶化ガラスの歯牙修復材
料に関する特許としては、米国特許第4431420
号、同第4652312号が知られている。
【0006】因みに、前記米国特許を要約すれば、以下
の技術を開示しているものである。 (1) 米国特許第4421420号 この特許の歯科用材料は、酸化物基準の重量百分率にお
いて、SiO2 55〜65%,MgO 14〜19
%,F 4〜9%,K2 O 10〜18%、及びその他
の重要成分としてAl2 3 0〜2%,ZrO2
〜7%から構成されるものである。なお、この米国特許
は特公平3−56731号に対応するものであり、後者
の日本特許においてはその他の重要成分としてSb2
3 成分を0〜2%使用することを位置付けている。 (2) 米国特許第4652312号 この特許の歯科用材料は、酸化物基準の重量百分率にお
いて、SiO2 45〜70%,MgO 13〜30
%,F 4〜9%,K2 O 5〜20%、BaO1〜4
%,及びその他の重要成分としてAl2 3 0〜2
%,ZrO2 0〜7%から構成されるものである。特
にこの米国特許は歯牙修復物の表面に形成される微孔を
防止ないし制御するものであり、そのためにBaO成分
を必須成分としている。
【0007】
【本発明が解決しようとする問題点】前記米国特許に基
づき作成された歯牙修復物は、審美性や物理的特性にか
なりの向上がみられるものの、口腔内で破壊を起すなど
まだ完全な材料とは言い難いものである。口腔内で咬合
により破壊を起す原因としては、前記米国特許に基づい
て歯牙修復物(インレー、クラウンなど)を作製し口腔
内に装着する迄に、必ず切削加工という操作を受けなけ
ればならないという点に起因しているものと認められ
る。即ち、この切削加工によって強度の劣化を引き起
し、修復物が破損するという結果を招くものと考えられ
る。
【0008】本発明の目的は、前記した歯牙修復材料に
要求される特性を全て満たし、特にこれまでのマイカ系
ガラスセラミックスの歯牙修復材料に備っていなかった
切削性(加工性)と、切削加工による強度劣化が少ない
主結晶として四珪化フルオロマイカ結晶相を制御析出さ
せたことを特徴とする従来技術にはみられない特定組成
のマイカガラスセラミックスの結晶化ガラスとその製法
を提供しようとするものである。
【0009】
【問題点を解決するための手段】本発明を概説すれば、
本発明は第1に、重量百分率が、 SiO2 …………50 〜 65%、 MgO ………… 3 〜 11%、 MgF2 ………… 8 〜 17%、 K2 O …………10 〜 18%、 ZrO2 …………2.5〜 15%、 の組成の酸化物及び弗化物を出発原料とし、主として
珪化フルオロマイカ結晶相を析出させて成ることを特徴
とする歯質又は歯牙の欠損修復用結晶化ガラスに関する
ものである。
【0010】また、本発明は第2に、重量百分率が、 SiO2 …………50 〜 65%、 MgO ………… 3 〜 11%、 MgF2 ………… 8 〜 17%、 K2 O …………10 〜 18%、 ZrO2 …………2.5〜 15%、 の組成の酸化物及び弗化物を出発原料とし、溶融
結晶質のガラスとすると共に、該溶融物を所定の歯質又
は歯牙の欠損部と同じ形状に成形し、次いで熱処理を行
い、平均粒径が1〜2.0±0.5μmの四珪化フルオ
ロマイカ結晶相をガラスマトリックス相中に重量百分率
で60〜80%析出させることを特徴とする前記第1の
特徴点に係る歯質又は歯牙の欠損修復用結晶化ガラスの
製法に関するものである。
【0011】更に、本発明は第3に、前記第2の特徴点
で述べた出発原料を用いて平均粒径が1〜2.0±0.
5μmの四珪化フルオロマイカ結晶相をガラスマトリッ
クス相中に重量百分率で60〜80%析出させたとき、
残余の20〜40%のガラスマトリックス相の組成が、 SiO2 …………30〜70%、 MgO ………… 0〜 6%、 F ………… 0〜12%、 K2 O …………13〜30%、 ZrO2 …………10〜35%、 ことを特徴とする前記第1の特徴点に係る歯質又は歯牙
の欠損修復用結晶化ガラスの製法に関するものである。
【0012】マイカ系結晶化ガラス材料が、機械加工性
に優れていることは、例えば米国特許第3689293
号、同第3732087号及び特開昭62−7649
号、特開平1−115848号などに開示されて居る。
しかしながら、これら材料を使用して製作されたマコー
ル(コーニング グラス ワークス社製)、マセライト
(三井鉱山株式会社製)、マセライトSP(三井鉱山株
式会社製)の工学材料や人工大理石等の曲げ強度をみる
と、約1500Kgf/cm2 以下と低いものである。
【0013】本発明者らにおいて、マイカ系結晶化ガラ
スの強度劣化がなく、かつ高強度を図る方策について鋭
意研究を重ねた結果、結晶化ガラスのガラスマトリック
ス相中に析出させるマイカ結晶の粒径の大きさが重要な
鍵を握っていることをつきとめた。なお、後述するが、
その他の重要な因子としては結晶化度、ガラスマトリッ
クス相、(非結晶質相)の組成がある。即ち、高強度の
マイカ系結晶化ガラスを製造するためには、図1に示さ
れるようにマイカ結晶の最適粒径域があり、その値が約
1〜2μmの極大点を持っていることをつきとめた。
【0014】マイカ系結晶化ガラスにおいて、前記した
最適粒径の近傍で強度が高くなる理由としては、強度試
験時の亀裂伝幡の経路がマイカ結晶のヘキ開面に沿って
ジグザグに屈曲させられるためと考えられている。しか
しながら、析出結晶の粒径が極端に大きくなっても、あ
るいは小さくなっても亀裂伝幡の経過中に起る屈曲(ジ
グザグ)の割合に影響を及ぼしてしまい、これが強度劣
化に関連するものと考えられる。本発明は、前記した考
え方、即ち、高強度を達成するために最適な粒径を設定
すべきであることを提言するものであり、この点は従来
技術において看過されて来たものである。
【0015】本発明において、前記した最適(平均)粒
径が1〜2±0.5μmという幅域において強度が高い
ことを特徴としているものである。いうまでもないが、
この1〜2±0.5μmという最適結晶粒径の幅域につ
いては、マイカ結晶の種類、結晶化度、あるいは結晶粒
径のアスペクト比(縦横化)などにより影響されること
はいうまでもないことである。
【0016】次に、マイカ系結晶化ガラスの切削性(加
工性)の改善については、前記した米国特許に開示され
ているように、硬度が低いといわれるマイカ結晶を大き
く成長させることにより解決すると言うアプローチが一
般に採用されている。なお、このアプローチは前記した
最適粒径の観点から好ましくないことはいうまでもない
ことである。これに対し、本発明者により所定粒径の微
細な結晶を多く析出させること、即ち結晶化度を高める
ことにより、切削加工性が高い歯牙修復用材料に適応す
ることができるマイカ系結晶化ガラスを製造することが
できることが判明した。本発明において、結晶化度と切
削性(加工性)の相関関係は図2に示されるものであ
る。
【0017】また、本発明者により、結晶化度を高める
ことにより、強度試験において亀裂伝幡経路の屈曲割合
が増大すること、従って、高強度の材料を製造するため
に結晶化度の調整は重要な因子であることが判明した。
なお、結晶化度(wt%)と切削加工後の強度(Kgf/cm
2 )との相関関係は図3に示されるものである。
【0018】以上のことから、マイカ系結晶化ガラスの
製造において、結晶粒径を制御し、結晶化度を高めるこ
とによって、切削性(加工性)が良く、切削による強度
劣化の小さい材料が得られることが判明した。
【0019】前記米国特許第3732087号に開示さ
れているプロセスと同様に、本発明の結晶化工程は以下
のように進行するものである。即ち、マイカ系結晶化ガ
ラスの母体となる融解されたガラスを高温で加熱処理す
ることにより、該ガラス中の原子が移動可能となり、原
子配列を生じる。まず、ガラス転移点以上において、該
ガラス内に、自由エネルギーを下げる様に、Mg2+原子
とF- 原子の原子配列が始まり、最初に析出する結晶相
は粉末X線回折法によると、セライト(sellaite Mg
F2 )である。更に加熱を続けると、セライト結晶の周
囲に多数存在しているSi,Mg,K,Oの原子がセラ
イトを核として配列し、マイカ結晶に成長して行くとい
う原子配列の状況は、セライト結晶のX線回折ピークの
消失という観察結果と良く合致するものである。
【0020】さらに、前記した結晶化工程をふまえて、
本発明において、前記したマイカ系結晶化ガラスの析出
結晶の粒径を1〜2±0.5μmといった比較的小さい
ものにどのようにして制御するかという方法についてを
説明する。このような結晶の粒径の制御方法としては、
例えば次の方法を採用すればよい。 1:マイカ結晶化ガラスの母体となるガラス中の全Mg
Oに対するFの量を多くすること、特にMgF2 を多く
含有させ、マイカ結晶析出の核となるセライト結晶を多
く析出させる組成を採用する。 2:マイカ結晶成長の制御として、マイカ結晶化ガラス
の母体となるガラス中の原子移動を制御する為に、Zr
2 成分を添加する。これはマイカ結晶の析出中に刻々
と変化する結晶周囲のガラスマトリックスの粘性をZr
2 によって制御するためである。またZrO2 の添加
はガラスマトリックスの化学耐久性の向上、及びエンス
タタイト(MgSiO3 )による表面及び内部の異種結
晶化の防止になり、さらにガラスマトリックスと析出結
晶の屈折率を制御し、材質の半透光性を確保したり、副
産物的に微細なZrO2 結晶の析出による強度向上にも
なり得るからである。
【0021】本発明において、前記したようにマイカ系
結晶化ガラスの析出結晶の粒径を1〜2±0.5μmと
いった比較的小さい粒径に制御することが重要であり、
この結晶粒径の制御方法としては、マイカ結晶成長の制
御と同様に、マイカ結晶析出の核となるセライト結晶を
多く析出させるようにすればよく、このためには前記し
たようにマイカ結晶化ガラスの母体となるガラス中の全
MgOに対するFの量を多くすること、及び、ZrO2
を添加すること、という手段を採用すればよい。この他
に、マイカ結晶の構成成分であるSiO2 ,MgO,K
2 Oの含有量を四珪化フルオロマイカ結晶KMg2.5
4 102 の比に合せること、そして結晶部分以外の
少量のガラスマトリックスが、四珪化フルオロマイカ結
晶とよくなじむ様な組成にすることが重要である。この
ためには、熱処理をして結晶相の析出を完了した後、即
ち、四珪化フルオロマイカ結晶を重量百分率で60〜8
0%析出させたときガラスマトリックスのガラス組成
範囲が、SiO2 30〜70%,MgO 0〜6.0
%,K2 O13〜30%,F 0〜12%,ZrO2
10〜35%の範囲にすることが好ましい。このように
して本発明により従来より強度、化学耐久性、透光性に
優れ、かつ、切削加工性が良く、切削後の強度劣化の少
ない優れたマイカ系結晶化ガラスが得られる。
【0022】本発明の歯質又は歯牙の欠損修復用結晶化
ガラスは、重量百分率で、 SiO2 …………50 〜 65%、 MgO ………… 3 〜 11%、 MgF2 ………… 8 〜 17%、 K2 O …………10 〜 18%、 ZrO2 …………2.5〜 15%、 の組成の酸化物及び弗化物を出発原料とし、主として四
珪化フルオロロマイカ結晶相を析出させて成ることを特
徴とするものである。
【0023】本発明の前記した歯質又は歯牙の欠損修復
結晶化ガラスのガラス組成(出発原料の組成)におい
て、SiO2 が50%より少ない場合、マトリックスガ
ラス相の化学的耐久性が極度に悪化し、65%より多い
場合、クリストバライトなどの異種結晶の析出が増大
し、審美性が悪くなると共に、溶融時のガラス粘性も増
大し、成形性が悪くなる。
【0024】MgOが3%より少ない場合、結晶化度が
低下し、強度が低下すると共に、硬度が上昇して加工性
が悪く、強度劣化も多くなる。一方、11%より多い場
合は、結晶化時にエンスタタイト結晶が表面に析出する
ことにより、亀裂が発生して強度が低下し、かつ審美性
や耐熱性が悪くなる。
【0025】MgF2 が8%を下まわると、結晶化度の
低下と共に、結晶粒径の制御も困難となり、ガラス溶融
時の粘性も上昇するため成形性が悪くなる。またエンス
タタイト結晶などの異種結晶の多量の析出にもつなが
る。MgF2 が17%を越えるとガラスの失透性が増
し、結晶析出の制御が出来にくくなる。
【0026】K2 Oが3%より少ない場合は、ガラス溶
融時の粘性が増大して成形性が悪くなると共に、マトリ
ックスガラス相の屈折率も変化し、審美性が悪くなり、
時には結晶化度も低下する。18%より多い場合は、マ
トリックスガラス相の化学的耐久性が悪化するばかりで
なく、耐熱性も悪くなり加熱によって材質表面にK2
が吹出し、審美性、透光性が悪化する。
【0027】ZrO2 が2.5%より少なくなると、析
出結晶の制御が不能になり、化学的耐久性の悪化、透光
性の確保が困難となる。一方、15%より多くなると、
マイカ結晶の結晶化度の低下を招来する。
【0028】本発明の歯質又は歯牙欠損修復用結晶化ガ
ラスは、半透光性の乳白色の色調を呈しており、人体歯
牙の外観色調と非常に近似している。なお人体歯牙の色
調は、個々の人体によって微妙に異なっているために本
発明の前記した材質を着色することによって、人体歯牙
により近似させることが出来ることはいうまでもないこ
とである。着色方法としては、結晶化ガラスのガラス
組成に着色材として、CeO2 ,F2 3 ,NiO2
MnO2 など、少なくとも1種の遷移金属酸化物や貴金
属酸化物、ハロゲン化物及び塩類を添加する方法と、
本発明の素材の表面にガラス・ポーセレンなどの色調材
を塗布して焼付けする方法などがある。なお、ガラス組
成に着色材を添加する場合は、ガラスの100重量に大
して、5重量以下であることが好ましい。5%より多い
場合には、着色が濃くなり過ぎることと結晶化特性に影
響を及ぼして結晶化度を低下させ、ひいては物性の低下
をもたらすので好ましくない。
【0029】さらに、本発明の歯質又は歯牙の欠損修復
結晶化ガラスは、前記した成分以外にも、四珪化フル
オロマイカ結晶に適合するアルカリ金属、アルカリ土類
金属の酸化物、及びマトリックスガラス相の性質を制御
するのに有効と考えられる。例えば遷移金属などを合計
10重量まで添加することが許容出来る。しかし、Na
2 O、LiO2 0を含有させると膨潤性マイカ結晶とな
り、化学的耐久性、透光性が悪化するので好ましくな
い。
【0030】本発明の歯質又は歯牙の欠損修復用結晶化
ガラスは、次のようにして製造される。なお、以下の製
法は例示と解すべきであり、これらにより本発明は何
等、限定されるものではない。即ち、前記した組成によ
り構成されるSiO2 50〜65%,MgO 3〜1
1%,MgF2 8〜17%,K2 O 10〜18%,
ZrO2 2.5〜15%の酸化物及び弗化物を、13
00℃〜1550℃で2〜6時間蓋付の白金ルツボで融
解して非結晶質ガラスを得る(以下、これを酸化物融解
法という)。次いで、この融解物から、ロストワックス
法の鋳造などにより成形した成形物を、結晶化温度60
0℃〜1200℃で1〜6時間加熱処理することによっ
て本発明の結晶化ガラスが製造される。特に、本発明の
結晶化方法として好ましい態様は、本発明の結晶化ガラ
ス中に平均粒径1〜2±0.5μmの四珪化フルオロマ
イカ結晶を析出させるのに適当な熱処理条件を600〜
1200℃の温度範囲、1〜6時間の加熱処理時間から
選択するものである。
【0031】本発明において、ガラスマトリックス相中
に均一に平均粒径1〜2±0.5μmの四珪化フルオロ
マイカ結晶を析出させるためには、微細な結晶核を十分
に析出させ、それを充分成長析出させて、粒径が1〜2
±0.5μmの結晶に成長させなければならない。その
ような方法としては、例えば、前記した特定組成の酸化
物及び弗化物を出発材料として融解し、非結晶質のガラ
スとすると共に成形し、ガラス転移点以上の冷却過程
において結晶核を析出させ、次いで結晶成長させるため
に加熱処理する方法と、ガラス転移点以下に一度冷却
した後、再度加熱して結晶核を析出させて結晶成長させ
る方法、の2つがある。
【0032】本発明において、結晶核の形成範囲は、5
50℃〜750℃(ガラス転移点から少し高い温度まで
の範囲)が好ましく、その温度での保持時間は0〜5時
間である。これは結晶核の形成速度が温度、即ちガラス
粘性によく依存しており、温度が高いと短い時間で結晶
核形成が完了し、一方低い温度であると長時間を要す
る。また、形成された結晶核の粒径は温度、即ちガラス
の過冷却度によく依存するので、前記したように微細な
結晶核の方が好ましいことからみて、比較的低い550
〜750℃のガラス転移点から少し高い範囲までの温度
範囲で0〜5時間保持すれば良い。その後、結晶核を平
均粒径1〜2±0.5μmのマイカ結晶へ制御成長させ
るが、この結晶の成長速度も結晶核の形成速度と同様
に、温度即ち粘性に依存しており、温度が高いと短時間
の熱保持で結晶成長が完了し、低いと長時間を要する。
以上のことから結晶粒径を平均1〜2±0.5μmに成
長させるには、結晶核の形成条件として550〜750
℃、保持時間0〜5時間が好適範囲である。なお、本発
明において前記した条件の範囲のなかにおいて、結晶化
方法として無数の方式が可能であり、とくにガラス転移
点から加熱する速度を5℃/min といったゆるやかな上
昇速度で加熱する場合、結晶核の形成する熱処理過程は
必要でない。
【0033】本発明の前記した組成の出発原料から調製
された結晶化ガラスは、生体医療に使用することを目的
としていること、及び審美性を強く求めていることか
ら、不純物を出来る限り少なくするようにしなければな
らない。そのためには出発原料を厳選しなければならな
いが、その一つの方法として、下記に説明するゾルゲル
法(以下、これをゾルゲル法という。)を用いることが
好ましい。例えば、出発原料として、その酸化物成分に
対応する成分として、Si(OC2 5 4 ,Mg(O
CH3 2 ,KOCH3 ,Zr(O−i−C
4 9 4 ,などの金属アルコキシド、弗物としてN
2 6 4 CF3 などの含弗素化合物を用いて、これ
らを極性溶媒中に、酸化物としたときの重量百分率でS
iO2 50〜65%,MgO 3〜11%,K2
10〜18%,ZrO2 25〜15%,MgF2
〜17%となる割合で混合溶解し、これに水を加えてP
Hをアルカリ側に傾け、加水分解反応を行った後、脱水
乾燥することによって所望の出発原料を調製することが
できる。なお、このようにして調製された出発原料を融
解することによって非結晶質のガラスが得られる。これ
を所定の形状に成形した後、前述と同様に600〜12
00℃の温度範囲で1〜6時間熱処理することによっ
て、平均1〜2±0.5μmの粒径の四珪化フルオロマ
イカ結晶を制御析出させることが出来る。
【0034】前記した方法、即ち出発原料金属アルコ
キシド及び含弗素化合物を用いるゾルゲル法により、不
純物が極めて少ない生体材料を製造することができ、か
つ融解温度が低いガラスが得られるため、消費エルネギ
ーが少ないという利点がある。前記したゾルゲル法を用
いた製造法をより具体的に説明する。例えば、シリコン
テトラエキシド(Si(OC2 5 4 )102部、マ
グネシウムメトキシド(Mg(OCH3 2 )16部、
カリウムメトキシド(KOCH3 )9部、ジルコニウム
テトラブトキシド(Zr(O−i−C4 9 4 16部
をエタノール1500部に溶解し、3−アミノベンゾト
リフルオリド(NH26 4 CF3 )14部をベンゼ
ン500部に溶解した液を加えて混合した。次いで、ア
ンモニアでPH11に調整した水を滴下し(約200
部)、溶液が完全に白色ゲル化した時120℃で乾燥
し、更に加熱処理(約700〜950℃、または100
0〜1300℃)してガラス原料(出発原料)を製造す
る。前記ガラス原料は融解された後、非晶質にすると共
に所望の形状に成形され、次いで結晶化のための加熱処
理がなされて四珪化フルオロマイカ系結晶化ガラスへと
変換される。
【0035】前記したゾルゲル法の場合、金属アルコキ
シド化合物としては、C1 〜C4 のアルキル基を有する
アルコキシドを使用することが好ましく、弗素化合物
としては極性溶媒に可溶なものであればよいが、3−ア
ミノベンゾトリフルオリド(NH2 6 4 CF3 )は
アルコール類又はケトン類に難溶性であるので非極性溶
媒であるベンゼンで溶解した。製造する母ガラス1Kgに
対して5〜13lの極性溶媒を使用することが好まし
い。
【0036】前記ゾルゲル法における加水分解の方法に
おいて、各アルコキシドの加水分解に必要な水量は理論
値の2〜12倍を使用することが好ましい。この使用量
のもとで、各アルコキシド成分によって加水分解の速度
が異なるものの比較的均一なゲル体が得られ、該使用量
をはずれるとゲルが不均一になり好ましくない。
【0037】加水分解のPHは一般に6.0以上が好適
であり、それ以下であると加水分解の速度がおそくなり
不均一なゲルが生じ、また組成中にMg2 SiO4 など
が生成したりして好ましくない。また加水分解の温度
は、一般に20〜100℃の範囲であり、特に60〜6
5℃前後が好ましい。溶液が完全に白色ゲル化した時点
以後は、100〜150℃で乾燥し、該乾燥体を引き続
き700〜950℃又は1000〜1300℃に熱処理
して非結晶質ガラスとする。この非結晶質ガラスを再び
融解して所望の形状に成形し、600〜1100℃の範
囲で1〜6時間加熱処理することによって、平均1〜2
±0.5μmの粒径の四珪化フルオロマイカ結晶相をガ
ラスマトリックス相中に重量百分率で60〜80%析出
した透光性に優れた結晶化ガラスが得られる。なお、前
記したゾルゲル法により調製された結晶化ガラスは、酸
化物融解法によって製造されたものと比較して結晶性や
特性の変化はなかった。
【0038】本発明の成形法としては鋳造方法などが採
用され、また該鋳造法としては遠心鋳造法または真空加
圧鋳造法が用いられる。なお、遠心鋳造法はスプリング
式又はモーター式遠心鋳造器にロストワックス法で作成
した耐火鋳造型をセットし、本発明のガラス原料を融解
して適当量を鋳造型ルツボに注ぎ、直ちに遠心回転をス
タートして鋳造型内にガラスを鋳造し成形物を得るもの
である。また、真空加圧鋳造法は、白金又は耐熱磁性容
器に本発明のガラス原料を入れ、その周囲にセットされ
た加熱器によってガラス原料を融解した後、鋳造器内を
減圧ポンプで−60〜70mm/水銀中に減圧し、直ちに
2〜3気圧にて融解ガラスを加圧して鋳造を行うもので
ある。本発明の成形法において、本発明の結晶化ガラス
のガラス組成を融解し、一度ガラスペレットとして成形
冷却し、その後再び溶融して上記方法によって鋳造する
ことができることはいうまでもないことである。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳しく説明
する。なお、本発明は実施例のものに限定されないこと
はいうまでもないことである。下記の表1は歯質欠損又
は歯牙欠損修復用結晶化ガラスの調製に使用された実施
例(1〜8)と比較例(1〜2)のガラス組成を示すも
のである。なお、比較例1〜2のものは特開昭47−2
1420号に記載の組成を採用したものである。また、
表1中、酸化物融解法とは出発物質が酸化物及び弗化物
で調製されたことを、そして、ゾルゲル法とは出発物質
が金属アルコキシドと弗化物により調製されることを意
味する。
【0040】
【表1】
【0041】実施例1〜6及び比較例1〜2の表1に示
される組成に調整された酸化物及び弗化物を出発原料と
し、それらを蓋付白金ルツボに入れ、電気炉中で約14
50℃で約4時間融解した。一方、実施例7〜8のもの
はゾルゲル法を用いてガラスを調製したものであり(な
お、酸化物の組成は、表1に示されるようにそれぞれ実
施例5と6と全く同じものである。)、そのガラスを約
700〜950℃または約1000〜1300℃で約4
時間融解した。そしてこれら融解ガラスをブロック状に
成形し、表2に示されるように950〜1050℃で約
2〜6時間加熱処理して結晶化ガラスを製造した。次
に、粉末X線回折法により各結晶化ガラスの結晶相を観
察すると、全ての結晶化ガラスに四珪化フルオロマイカ
系結晶が析出していた。そして、X線回折のピーク高さ
より検量線を用いて結晶化度を測定するとともに、電子
顕微鏡(S.E.M)でも確認し、四珪化フルオロマイ
カ結晶の平均粒径を求めた。また、前記のようにして調
製した各種の結晶化ガラスを3×4×36mmの角柱、1
0×10×20mmの角柱、20×20×5mmの角柱プレ
ート、及びφ8×1mmのプレートに成形加工し、表2に
示される各種の物性を評価した。
【0042】(1) 曲げ強度は、3×4×36mmの角柱に
成形加工した結晶化ガラスを#320の砥磨紙によって
無水下でキズを付けた後、JIS R 1601に準じ
た試験法によってスパン30mm、クロスヘッドスピード
0.5mm/minで測定したものである。 (2) 加工性は歯科用エアータービン及び電気エンジンを
用いて、10×10×20mmの角柱を切削した時の切削
量を優、良の二段階で評価し、表示した。 (3) 化学的耐久性は、20×20×5mmのプレートを鏡
面加工した結晶化ガラスを用い、0.5%HCl水溶液
37℃で24時間、浸漬した後の表面積に対する減量を
測定したものである。 (4) 生体親和性は、φ8×1mmの鏡面及び粗造面の結晶
化ガラスを加工したプレート上に、人皮膚線維芽細胞を
48時間、37℃で組織培養し、その細胞発育の程度を
良否の二段階で評価したものである。 (5) 生体為害性は、φ8×1mmの消毒した加工プレート
を、70〜80gのラット背部に約φ10mmを剃毛し、
8mmの皮膚切開を行ない、皮下を剥離してカプセルを作
り、該カプセルの中に移入して、皮膚縫合した。1ケ月
後にラットを屠殺して、移入部分を切除して通法により
病理組織切片を作成し、顕微鏡観察を行ない、炎症性の
所見がなく組織に滞留しているもの(優)、少し炎症性
の所見が認められるもの(良)、炎症性の所見が認めら
れたもの(否)として判定したが、すべての症例に於い
て優で、薄い結合組織膜で移入プレート(加工プレー
ト)は被覆され、為害性なく組織内に滞留していた。 以上の評価結果を、表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】本発明の結晶化ガラス(実施例1〜8)と
従来品(比較例1〜2)の曲げ強度、加工性を比較する
と、本発明の結晶化ガラスの曲げ強度が高く,加工性に
優れていることが明らかである。また化学的耐久性及び
生体親和性も大変よく生体無害性もないことがわかる。
【0045】<応用例>次に、歯質欠損のある歯牙を修
復する形態を印象して石膏模型を作り、その欠損部分が
歯冠全体を被覆するジャケット冠を必要とする応用例に
ついて、本発明の結晶化ガラスが有効なものであるかど
うかを試験した。即ち、前記模型にパラフィンワックス
(インレーワックス)を溶解盛り付けし、歯冠ワックス
パターンを作り、溶融ガラスを導入するためのスプール
ワックス線を溶着した後、エチールシリケート系シリカ
埋没材またはリン酸塩埋没材に埋設した。埋没材が硬化
した後、900℃まで昇温させてワックスパターンを焼
却して歯冠鋳型を作った。一方、本発明のガラスペレッ
トを1300〜1550℃で溶融したガラスを該歯冠鋳
型の上面のルツボに注ぎ、遠心鋳造器を用いて鋳造し
た。鋳造物が冷却した後、鋳型から取り出し、950〜
1050℃で2〜6時間加熱処理して、結晶化させた。
本発明のガラス組成のものは人体歯牙と同等の物理的特
性を示すとともに良好な半透光性、即ちオパール効果を
示しており、特に着色材を含有させた実施例1〜2のも
のは人体歯牙に等しい色調を呈し、審美性が極めて優れ
ていた。ゾルゲル法を用いた本発明のガラス組成のもの
は、更に美麗な透光性ないしはオパール効果を示した。
また、本発明の結晶化ガラスの生体親和性及び為害性は
非常に良い結果を示しており、生体材料として優れてい
ることがわかる。
【0046】
【発明の効果】本発明方法によって、製造される歯質欠
損又は歯牙欠損修復用結晶化ガラスは、高い機械的強度
と切削制(加工性)の他に、優れた化学的耐久性、生体
親和性及び審美性を兼備し、鋳造法によって、成形する
ことができるために、寸法精度の高い修復物(インレ
ー、クラウン、ブリッジ、人工歯など)を得るのに最適
のものである。また、本発明の結晶化ガラスは、CA
D,CAM法による歯質修復物(インレー,クラウン)
の切削材料として、更に、歯学教育過程における切削実
習用及び供覧用模型歯としても利用できることは言うま
でもないことである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 マイカ系結晶化ガラスのマイカ粒径(μm)
と切削後強度の関係を示すグラフである。
【図2】 マイカ系結晶化ガラスの結晶化度と切削性の
関係を示すグラフである。
【図3】 マイカ系結晶化ガラスの結晶化度と切削後強
度の関係を示すグラフである。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 6/02 - 6/06 C03C 10/16 A61C 13/00 - 13/097

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量百分率が、 SiO2 …………50 〜 65%、 MgO ………… 3 〜 11%、 MgF2 ………… 8 〜 17%、 K2 O …………10 〜 18%、 ZrO2 …………2.5〜 15%、 の組成の酸化物及び弗化物を出発原料とし、主として
    均粒径が1〜2.0±0.5μmの四珪化フルオロマイ
    カ結晶相を析出させて成ることを特徴とする歯質又は歯
    牙の欠損修復用結晶化ガラス。
  2. 【請求項2】 重量百分率が、 SiO2 …………50 〜 65%、 MgO ………… 3 〜 11%、 MgF2 ………… 8 〜 17%、 K2 O …………10 〜 18%、 ZrO2 …………2.5〜 15%、 の組成の酸化物及び弗化物を出発原料とし、溶融
    結晶質のガラスとすると共に、該溶融物を所定の歯質又
    は歯牙の欠損部と同じ形状に成形し、次いで熱処理を行
    い、平均粒径が1〜2.0±0.5μmの四珪化フルオ
    ロマイカ結晶相をガラスマトリックス相中に重量百分率
    で60〜80%析出させることを特徴とする請求項1に
    記載の歯質又は歯牙の欠損修復用結晶化ガラスの製法。
  3. 【請求項3】 平均粒径が1〜2.0±0.5μmの四
    珪化フルオロマイカ結晶相をガラスマトリックス相中に
    重量百分率で60〜80%析出させたとき、残余の20
    〜40%のガラスマトックス相の組成が、 SiO2 …………30〜70%、 MgO ………… 0〜 6%、 F ………… 0〜12%、 K2 O …………13〜30%、 ZrO2 …………10〜35%、 であることを特徴とする請求項2に記載の製法。
  4. 【請求項4】 融解物を所定の歯質又は歯牙の欠損部と
    同じ形状に成形する方法が、ロストワックス法である請
    求項2又は3に記載の製法。
  5. 【請求項5】 熱処理が、600〜1200℃の温度範
    囲で1〜6時間加熱処理し、平均粒径が1〜2.0±
    0.5μmの四珪化フルオロマイカ結晶相をガラスマト
    リックス相中に重量百分率で60〜80%析出させるこ
    とを特徴とする請求項2又は3に記載の製法。
  6. 【請求項6】 請求項2に記載の組成の酸化物及び弗化
    物が、金属アルコキシド及び含弗素化合物を用いて、酸
    化物及び弗化物としたときに重量百分率で、 SiO2 …………50 〜 65%、 MgO ………… 3 〜 11%、 K2 O …………10 〜 18%、 ZrO2 …………2.5〜 15%、 MgF2 ………… 8 〜 17% となる割合で溶媒中に混合溶解し、次いで加水分解反応
    させて調製したものである請求項2、3、4又は5に記
    載の製法。
  7. 【請求項7】 請求項に記載の組成の酸化物が金属ア
    ルコキシドSi(OC2 5 4 ,Mg(OC
    3 2 ,KOCH3 ,Zr(OC4 9 4 であり、
    また含弗素化合物がNH2 6 4 CF3 である請求項
    2、3、4又は5に記載の製法。
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