JPS59141508A - リン酸カルシウム系結晶化ガラス歯冠修復材料 - Google Patents

リン酸カルシウム系結晶化ガラス歯冠修復材料

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JPS59141508A
JPS59141508A JP58015867A JP1586783A JPS59141508A JP S59141508 A JPS59141508 A JP S59141508A JP 58015867 A JP58015867 A JP 58015867A JP 1586783 A JP1586783 A JP 1586783A JP S59141508 A JPS59141508 A JP S59141508A
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calcium
calcium phosphate
crystallized glass
dental material
materials
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JP58015867A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Abe
良弘 阿部
Akira Watanabe
明 渡辺
Yoshimitsu Takeuchi
武内 祥光
Seiji Kihara
木原 誠治
Keiji Kamegawa
亀川 敬二
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Krosaki Harima Corp
Original Assignee
Kyushu Refractories Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はリン酸カルシウム系結晶化ガラスで構成された
歯冠修復材料に関するものであり、その結晶の成長方向
に特徴を持つものである。
こ\に歯冠修復材料とは歯冠、インレー、ブリッジなど
をいうものである。
歯冠イ6復材料の具備する要件としては、物理的化学的
あるいは機械的性質及び色調、光沢、その他の外観が出
来るだけ天然歯に近いこと、生体に対する親和性に優れ
ていること、食物、唾液などによる溶出や生体に対する
毒性のないこと、口脛組織を刺激しないこと、粘着、吸
水などのないこと、長期にわたる使用によっても変形な
どがないこと、などがあげられる。
このような観点から餉冠修復材料としては現在金属、レ
ジンあるいは陶材などが主として使用されている。
金属としては金合金、白金合金、銀合金のような賞金属
合金やニッケルクロム合金、コバルトクロム合金のよう
な卑金属合金があり、優れた機械的性質と成形加工性と
を有することから、歯冠修復材料として最も広く普及し
ている。しかしながら、そり色沢は天然歯から大きく懸
は離れており審美性に劣るだけでなく、金属材料は根本
的に生体組織と共存できる材料ではない。その上に、長
期にわたる使用の過程において、金属材料は唾液食物、
体液、血液などによって徐々にイオン化し生′体中に吸
収されてゆき、その結果周囲の骨組織や歯肉組織の変色
、炎症を起す可能性がある。更に生体中に吸収された金
属イオンは次第に濃縮されてその濃度を高め、生体に対
して害嵩となる危成性が存在することが指摘されている
レジンは高度な技術が必要でなく成形が容易で安価なこ
とから、大型のブリッジでも短時間に製作でき、義歯と
して広く便用されている。しかしながらレジンの機械的
性質、特に耐摩耗性は天然歯に比べてかなり劣ることか
ら、対回爾との咬合の繰り返しにより容易に摩耗すると
いう大きな欠点を持っている。また歯冠材料の吸水性を
児全に防止することが出来ず、汚物の付着などがあり、
生体組織とのなじみも良くなく、加えて温度に対する膨
張収縮が異なることから使用中に接合部にわずかな間隙
を生じ、そこから細菌などの侵入を許す恐れもある。更
に高分子材料には溶剤、重合開始剤、触媒、可塑剤など
が加えてあり、またモノマーへの解重合もあり、周囲の
生体組織に悪影響を及ぼすのみでなく、極端な場合には
発電因子ともなり得る。
一方、長石を主体とし、これにシリカ、アルミナなどを
添加した陶材は天然歯と同じ無機材料であり、金属ある
いはレジンの場合に指摘されるような生体組織に対する
悪影響はほとんど問題とならない。しかし、陶材は審美
性もあり、耐圧力は強い反面、引張りや勇断力には弱く
、脆さがあり使用中に欠けたり、割れたりしやすく、加
えて加工技術は繁雑である。また組織的には天然歯がリ
ン酸カルシウムを主成分とするのに対し、陶材はシリカ
、アルミナ、アルカリ金属酸化物を主成分としだ長石系
であり、天然歯とは^質で、生体に対する害毒作用がほ
とんどないというだけで、生体とのなじみはなく、生体
内においては死んだ素材としての存在でしかない。
最近前述の金属材料の欠点を補い、かつ審美性を付与す
るため前装法が採用されている。これにはアクリル樹脂
系の硬質レジンをかぶせた硬質レジン前装法、陶材を焼
き付けるメタルボンドボーセライン法がある。このうち
レジン前装法は全部がルージン材料のものと同じく耐摩
耗性に劣るなどの欠点を有し、審美性においてもメタル
ボンドボーセラインに数段の差がある。
メタルボンドボーセライン法は金属材料の上にオペーク
層と呼ばれる不透明な層を塗布焼付して金属光沢を消し
、その上に半透明のデンチン層、更に透明なエナメル層
を順次塗布焼付して、金属の持つ強さと陶材の持つ天然
歯に似た審美感と耐摩耗性を兼ね備えたものである。こ
の方法は天然歯の色に近づける目的で塗布焼付工程を繰
り返すため時間とコストがか\る。また金属冠が陶材焼
付温度である1000℃付近の温度で寸法精度を維持す
る必要があり、そのため合金の融点が高くなければなら
ず、その材質と鋳造法が限られる欠点がある。更に貴金
属合金では陶材との濡れをよくするための前処理が必要
であり、卑金属合金では熱膨張係数が貴金属より大きく
、陶材との熱膨張係数と一致しないため陶材に亀裂が生
じやすい。
上述の欠点を除くためコアに金属でなくアルミナあるい
はアルミナと陶材との混合焼結体妃用いそれに陶材を前
装するアルミナス方式が開発され強度と審美性に冨み、
材料的には貴金属合金をコアに用いるものより割安であ
り、しかも金属光沢がないのでオペーク層が不要である
などの利点が多いが、しかしこの方法も塗布焼付の工程
を何回か繰り返す必要はある。
このアルミナス方式も含めて、近年歯冠修復材料として
だけでなく、インブラント材としてアルミナなどのセラ
ミックス材料が開発され使用され始めている。これらの
材料も陶材と同じく生体に対する有害性はほとんどない
ものの、生体との親和性に乏しい。このセラミックス材
料は極めて高い硬度を有するため、優れた耐摩耗性を有
する反面、咬合に際して対向する天然歯の方を摩耗して
しまう欠点を有する。更にセラミックス材料では最大の
欠点である脆性が現われ、使用中の欠け、割れの発生が
しばしば報告されている。そのためある程度の厚さを必
要とし、余分に歯質を削除する必要がある。
セラミックス材料は一般に著しく高い融点を持ち′、溶
融させ難いだけでなく、溶融状態においても融液の粘性
は金属に比較して高い。このため現在金属材料に対して
広〈実施され、歯冠修復材の成形法として歯科技工の基
本的な手法となっているロストワックス法を使用した鋳
造による成形法はセラミックス材料においては一般的に
適用困難である。従ってセラミックス材料による歯冠修
復材の成彩手段としてはセラミックス粉末を所定の形状
に圧縮成形し焼枯させるか、あるいは予め圧縮成形や鋳
造によりブロック体を作製した後所定の形状に機械加工
を施す方法を取らざるを得なu%それ故義歯などの形状
への対応は可能であっても歯冠の如き患者の個々の歯の
形状に合せて作成する必要のある形状に対しては対応が
ほとんど不可能である。
このためセラミックス材料の中でも比較的融点が低く、
鋳造成形が容易なガラス質セラミックスを用いた歯冠の
功遣が試みられた。この場合においても融液の粘性の高
さと鋳造体の収縮率の高さに起因する形状再現性の悪さ
、鋳造物中への気泡の混在など鋳造物の品質の悪さ、機
械的強度不足著しい脆性の存在など様々な面で問題点を
抱え、実用化にはけ一ルど遠い段階である。
本発明者らの一人は既に生体置換材料に適したリン酸カ
ルシウム系結晶化ガラスの製造方法に関する発明を完成
しているが(特許第1o2+qol@、本発明者らは更
に鋭意研究を加え、リン酸カルシウム系結晶化ガラスの
歯冠修復材料への適用を可能にし、従来の各種材料の持
つ欠点を克服することに成功し、本発明を完成したもの
である。
本発明のリン酸カルシウム系結晶化ガラスは主成分がリ
ン酸カルシウムの組成を持つものである。   ゛これ
は天然歯と極めて近似したものであり、しかも本発明の
リン酸カルシウム系結晶化ガラスの物理的、化学的及び
機械的性質も天然歯のそれに非常に近い。加えて鋳造に
よる本発明の製品の色調、光沢も天然歯に近似している
という優れた特性を有している。組成が天然歯に非常に
近いので、本発明のリン酸カルシウム系結晶化ガラスを
歯冠修復材料として使用した場合、生体との親和性が極
めて優れているのである。
本発明の歯冠修復材はカルシウムのリンに対する原子比
Oa/Pが0.35〜1.7の範囲であるリン酸カルシ
ウム系結晶化ガラスで構成され、しかもその結晶が横断
面において層状に成長配列することを特徴としている。
以下本発明の歯冠修復材について詳述する。
本発明の出発原料は焼成によってOaOを生成するカル
シウム含有化合物と、同じく焼成によってP2O5など
のリンの酸化吻を生成するリン含有化合物である。カル
シウム含有化合物としては酸化カルシウム、水ぼ化カル
シウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、塩基性
炭酸カルシウムなど及びシュウ酸カルシウム、酢酸カル
シウムなどの有機酸のカルシウム塩などが利用できる。
リン含有化合物としては正リン酸、メタリン酸およびピ
ロ リ ン酸、ト  リ リ ン$、)  リ メ タ
 リ ン酸、 テ ト ラメタリン酸などのポリリン醜
などあるいはこれらリン酸類のアンモニウム塩などが用
いられる。またリン酸水素カルシウム、リン酸二水素カ
ルシウム、リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、
酸性リン酸カルシウム、ポリリン酸カルシウム類ヒドロ
キシアパタイトなどのリン酸類のカルシウム塩も単独で
、あるいは他のカルシウム含有化合物やリン含有化合物
と混合して使用できることはもちろんである。カルシウ
ムとリン以外に混入する不可避的な不純物の存在は構わ
ない。
これらのカルシウム含有化合物及びリン含有化合物の出
発原料のそれぞれ1種あるいは2種以上を選び、固体の
場合には微粉砕し、カルシウム含有化合物とリン含有化
合物が、そのカルシウムのリンに対する原子比OVPで
0.35〜1.7、好ましくは0.45〜0.7となる
ように秤量しよく混合する。
この原子比Oa/Pが1.7を越えると溶融温度が極め
て高くンより、かつ後述する鋳造の際に鋳造物はガラス
化せず、冷却中に失透現象を起こす。失透した鋳造物は
リン酸カルシウムの粗大な結晶粒を内包する結果、脆性
が著しく靭性に劣るため好ましくない。一方、原子比O
a/Pがo、35を下回ると溶融温度が低下すると同時
にガラス化も容易になるがζ逆に後述する結晶化処理に
長時間を要し、かつ過剰のリン酸が遊離して鋳造物は化
学的に不安定となり、これも好ましくない。
天然の歯牙、骨材はリン酸カルシウム系の結晶質および
非晶質を主体とし、その原子比Ca/P  は1.75
〜2.0である。本発明のリン酸カルシウム系結晶化ガ
ラスの組成はこの原子比に非常に近く、この点からも本
発明品が人体組織となじみの点で好ましいことを示して
いる。
この原料混合物を適当な容器に入れて900℃以上、好
ましくは1000−1600℃に加熱溶融する。溶融用
容器は溶融した原料混合物に侵されないものであれば材
質は問わない。白金が最も好ましいが高価であるので、
アルミナやジルコニアのルツボでもや\内Wjが侵され
るが使用できる。溶融温度はカルシウムとリンの原子比
Oa/P  により変化するが、上述の温度範囲であれ
ば融液の粘性を十分低く保つことができ、優れた鋳造物
を比較的簡単に得ることができる。溶融温度が高くなり
、特に1700℃以上となるとリン成分の蒸発が始まる
ので組成がカルシウム過多にかたより融点が次第に上昇
するので注意が必要である。この融液を冷却しガラス状
とする。冷却法は特に問わない。また多量の原料を溶融
し、以下の鋳造に必要な量だけ小分けしながら冷却して
もよい。
次いでガラス状物はロストワックス法に基づいた遠心鋳
造法、圧迫鋳造法、真空圧迫鋳造法などにより歯冠修復
材に鋳造成形する。この際の溶融温度も900℃以上、
好ましくは1000−1600℃  である。こくでロ
ストワックス法においては、通常の金、属材料に用いる
場合と同様の方法で鋳型が゛りくられ、最終的なa速用
鋳型の材料は溶−物の温度が低い場合は石畳系埋没材t
1高温で鋳込む場合はリン酸塩系埋没材を用いるが、本
発明のリン酸カルシウム系結晶化ガラスによる歯冠イキ
復材料においてはリン酸塩型埋没材の方が、鋳造物の表
面が白濁することがないので好ましい。
これに加えて本発明の結晶化ガラスにおいて後述する結
晶配列を得るため、金属材料において行なわれる鋳型の
7oo−9oo’c  の高温予熱は行なわない。ワッ
クスの焼却のための加熱が終了次第温度を下げ、鋳造物
が肉厚の場合は鋳型の温度はなるべく低くして鋳造する
。常温でも可能である。鋳造物が肉薄の場合は急冷によ
る割れ防止のため、鋳型の予熱温度を10ry−6o 
o’C=  とする。更に鋳造時には加圧することが好
ましく、その圧力は高い方が良いので空気圧による圧迫
鋳造法が望ましい。
遠心鋳造法は装置の関係からあまり高い加圧は得にくい
。なお前述の原料を一度溶融冷却しガラス状物とする操
作を省略し、直接原料混合物をロストワックス法に基づ
く鋳造装置中で900℃ 以−ヒに加熱してもよい。
本発明のリン酸カルシウム系結晶化ガラスに用いられる
カルシウムとリンの原子比の範囲内であると、一般の金
属材料とは!開城の溶融温度を有し、しかも溶融時にお
ける温度と粘性との関係も金属材料のそれに類似した特
性を持ち、他のアルミナなどのセラミックスやガラス材
料のような高い粘性を示さず、かつ凝固に併なう体積収
縮が他のセラミックス材料と比較して小さいという鋳造
成形に適した特徴を有する。従ってカルシウムとリンの
原子比OV/Pが0.35〜1.7の範囲であれば、材
料混合物は適度な溶融温度と融液粘性を持つことから、
鋳造操作が非常に簡便で、しかも形状再現性の最も良好
な鋳造を実施することが可能である。
本発明によってロストワックス法に基づいて鋳造された
鋳造物はガラス質である。このガラス質のま\でも比較
的高い機械的強度、耐摩耗性を有し、歯冠修復材として
実用に供することが可能である。しかし、このガラス質
の材料に適切な熱処理を加えて結晶化ガラス質とするこ
とにより一段と特性を向上させることができる。
本発明によるリン酸カルシウム系結晶化ガラスの結晶化
方法は次の通りである。ロストワックス法により鋳造さ
れた材料は鋳型より取り出され、電気炉などの適当な加
熱装置中で加熱される。
昇温速度は50”20’OC/hr、加熱温度500−
800べ保持時間0.5〜100 hrである。本発明
の特徴を発揮させるためには、昇温を開始して結晶化の
ための加熱温度より3トEu 低い温度で一担昇温を止
め、その温度で全保持時間の約3だけ保持し、その後設
定温度に上げ、残りの昔の時間その温度に保持する。最
初のや一低温での保持によりリン酸カルシウム系ガラス
の表面の軟化を防ぎつつ表面を結晶化させて軟化温度を
上げるために、次いで温度を上げても軟化変形せず歯冠
の形の歪が防げ、しかも後述する配向した結晶成長の要
因ともなるのである。この結晶化操作によって材料中に
はj〜5戸≠のリン酸カルシウムの微細結晶が多数生成
する。
結晶化度は高いほど強度、耐摩耗性の点で好ましく、な
るべく50%以上の結晶化度を持つことが好ましい。
本発明のリン酸カルシウム系結晶化ガラスでは原料混合
物の溶融物を鋳造する際の冷却速度をコントロールし、
次いで結晶化操作を行なうことにより、出来上った歯冠
を横方向に切断した切口を観察すると、リン酸カルシウ
ムの結晶がi状を呈する。この結晶の配列の状況は天然
歯に類似している。
通常ロストワックス法で金属材料を鋳込んだ場合は結晶
の成長方向は冷却面に垂直となることが知られており、
歯冠修復材の鴨合に横方向の切断面では半径方向に成長
したものとなるのに対し、本発明のリン酸カルシウム系
結晶化ガラスでは上述のように円周方向に結晶が成長す
るのである。
本発明のリン酸カルシウム系結晶化ガラスの層状のxぺ
な結晶の成長による構造的特質が応力のだものとなる。
従って結晶が半径方向に成長した材料の場合に発生する
割れ、欠けが著しく少なくなる。
一方、本発明にょろす゛/醋酸カルシウム結晶化ガラス
を用いた歯冠修復材料の台詞は、ガラス質の場合におけ
る透明ないし半透明の状部から、結晶化操作を加えるこ
とにより乳白色へと変化し、天然歯に近似した色沢とな
るため審美性も大幅に改善される。従って本発明の歯冠
修復材料のま\で天然歯とほとんど変らない色調、光沢
であり、そのま\使用して天然歯と見分けがつきにくい
ものとなる。天然歯とのわずかな色調の差を気にする場
合には、その上に通常のメタルボンドボーセラインの場
合のように陶材質のデンチン層とエナメル層を形成して
もよい。この際の陶材質との接着もよく、シかも金属材
料の場合のようにオペーク層は必要としない。ただし材
料の審美性以外の機械的性質などはかえって本発明のリ
ン酸カルシウム系結晶化ガラスのみで陶材質の前装を施
さない歯冠修復材の方が優れている。
本発明のリン酸カルシウム系結晶化ガラスを用いた歯冠
修復材料は従来の権々の材料によるものに比較して次の
#徴を有する。
(1)  組成が主としてリンとカルシウムとより成る
ことにより、天然歯と同じであり、歯肉組織との親和性
が非常によい。またカルシウムのリンに対する原子比O
a/P  も天然歯と酷似している。
(2)  結晶の成長が層状であり天然歯と類似してい
て、強度や耐摩耗性などの機械的性質が天然歯とは寸同
じであり、咬合時の相互の摩耗が抑えられる。
(3)  使用中に唾液、体液、血液、食物などによる
歯冠修復材料成分の溶出がなく、例え溶出したとしても
成分が天然歯と同じため、人体への影響が全くない。
(4)審美性に優れ、そのま\使用しても天然歯とほと
んど差がみられない。また陶材質の前装を施す場合でも
接着性がよく、シかもオペーク層を必要としないので工
程が短縮される。
以下実施例により本発明を更に説明する。
実施例 1 カルシウムのリンに対する原子比Oa/Pが0.6とな
るように秤量した炭酸カルシウム粉末とリン酸とをよく
混練し、ロストワックス法に基づく真空圧迫鋳造装置に
設置した白金ルツボ中で1050〜1100′Cに加熱
溶融した後、1.8〜2.0にシーに加圧して鋳込み、
臼歯形状の全部鋳造歯冠を作製した。ワックスパターン
の埋没はリン酸系埋没材を混水比30wt% で混練し
たものを用いて減圧下で行なった。ワックスの焼却は埋
没の終了したものを常温に3時間放置した後650℃ 
 まで昇温し1時間放置後約300℃まで冷却した状態
で鋳込んだ。鋳造が終了した後鋳造物を埋没材から取り
出し、サンドブラスト処理によって表面に付着した埋没
材粉を取り除くと透明なリン酸カルシウムガラス質の全
部鋳造歯冠が得られた。該歯冠は内外面とも7ジユール
、パリなどは全く存在せず、周辺部への材料の回り込み
も良く、また鋳造体の内部の気泡は認められず、極めて
良好な鋳造状態であった。
適合状態を調べるために該歯冠を作業用模型に合わせた
ところ、マージン部全域にわたって良好な適合を示した
引続いて該ガラス質歯冠を電気炉において2001Th
/hrの加熱速度で600℃ まで昇温し1.1.5h
r保持した後65o’c  に昇温して3.5hr保持
することにより結晶化処理を施し、終了後炉内で放冷し
たこうして得られたリン酸カルシウム系結晶化ガラス歯
冠は、85%の結晶化度を有し、表面光沢のある乳白色
を呈し優れた審美性を備えていた。再び適合状態を調べ
たところ結晶化処理前とほとんど変らず良好な適合性を
示した。横断面を顕微鏡観察したところ、層状の結晶の
発達がみられた。
比較例 1 長石系の陶材を溶融温度1200℃で鋳込んだブロック
体から加工によって実施例1と同様の歯冠を調製した。
その化学組成は5iO1126二%XAljO163,
0%、 OaOq3%、 K’aO−)−NagO4ρ
%f320!J 5,3%(%はすべて重量%、以下同
じ)であった。
実施例1および比較Mlの歯冠と天然歯につpzで緒特
性を比較した結果を第1表に示す。これによると本発明
のリン酸カルシウム系結晶化ガラス歯冠を陶材と比較す
ると強度は大きく、硬度は小さく、その他の性質も含め
て天然歯の緒特性に非常に近く、体積収縮も少なく、実
際に歯冠修復材として使用した場合に優秀な一成績が期
待できる。
茶1表 ※ 耐衝撃性は直径10M1先端の曲率1.5 mの同
姓状とした重さ5oogc、@導を10鋸の高さから試
料上に落下させ、破壊に至るまでの回数で示す。
また比較例1の陶材はロストワックス法に基づく鋳造法
によっては鋳造成形が不可能であり、他の素材も珪酸塩
ガラス、バイオガラスなど試みたが、金属以外ではほと
んど鋳造成形ができず、一応鋳造成形できたものについ
ても、融液の細部への回り込みが悪くマージン部の形状
再現性に劣ると同時に鋳造体が気泡を含んで白濁し、加
えて凝固時の収縮めため形状に歪を生じ適合性が門かっ
た。
代表出願人 九州耐火煉瓦株式会社

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. カルシウムのリンに対する原子比が0.35〜1.7の
    範囲であるリン酸カルシウム系結晶化ガラスにより構成
    され、その結晶が横断面において層状に成長、配列して
    いることを特徴とする歯冠修復材料
JP58015867A 1983-02-01 1983-02-01 リン酸カルシウム系結晶化ガラス歯冠修復材料 Pending JPS59141508A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0388739A (ja) * 1989-06-01 1991-04-15 Kyushu Refract Co Ltd リン酸カルシウム系ガラスおよびその調湿溶融方法
JP2007231464A (ja) * 2006-03-02 2007-09-13 Minoru Yamamoto 着物風ドレス

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