JP3150179U - マルチセンサタッチパッド - Google Patents

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Abstract

【課題】抵抗膜方式および静電容量方式の長所を兼ね備え、構造が簡単なマルチセンサタッチパッドの構造を提供する。【解決手段】上導電層21および下導電層22を備え、上導電層21は、複数の上感応部212および複数の上接合部211を有し、下導電層22は、複数の下感応部222および複数の下接合部221を有する。複数の上感応部212上および複数の下感応部222上には、指または導体の位置と関連する静電容量反応が形成され、静電容量反応は、上接合部211および下接合部221によって測定される。同時に、上感応部212と下感応部222が上下に重なる部分は接触圧力によってお互いに接触して電気的に導通され、上感応部212の上接合部211または下感応部222の下接合部221に形成される電位差を利用して少なくとも一つの接触位置と関連する電気信号が生成される。【選択図】図2

Description

本考案はタッチパッドの構造に関し、特に、抵抗膜方式および静電容量方式の長所を兼ね備え、構造が簡単なマルチセンサタッチパッドの構造に関する。
携帯式およびインタラクティブ式の電子製品が次々に世に現れ、タッチパッドはすでにこの種の電子製品に無くてはならないものとなっている。市場における需要の下、タッチパッドの品質および機能も向上しており、価格の大幅な低下および生産量の増加に伴って、更に多くのタッチパッドが各種の電子製品に広く応用されている。一般的に、タッチパッドの構造はその応用原理によって、抵抗膜方式、静電容量方式、超音波方式および赤外線方式の四種類に分類される。また、これらのタッチパッドは応用原理の違いによって、製造工程、機能、使用方式、長短所および層構造にそれぞれ特徴を有する。
その中で、抵抗膜方式タッチパッドは、押圧感知が行なわれ、指、鉛筆、カードまたは手袋を装着した指などでも使用することができ、更に、価格も安いので主に、携帯電話、PDA、GPSなどの消費性電子製品に応用されている。静電容量方式タッチパッドは、製造工程が比較的複雑であり、制御チップおよび回路が抵抗膜方式と比較して複雑であるので、ノートパソコン、ATMなどの高価格の電子製品に応用される。超音波方式および赤外線方式のタッチパッドは技術および製造工程が未成熟であり、大型で高価格の電子製品に応用される。
抵抗膜方式タッチパッドは、一枚の柔軟性導電膜およびその下方に位置する硬質導電膜から構成され、二枚の平板の中間には若干のスペーサが設置される。二枚の平板は、圧力を受けない状況の下では、お互いに電気的な接触はない。その位置測定方法は、二種類に分類される。一つは、上下二枚の導電膜によって接触点の位置を読み取る4線式で、もう一つは、上方の導電膜によって接触点の位置を読み取る5線式である。
4線式の場合、上下二枚の導電膜によって接触点の位置を読み取る。上下二枚の導電膜の辺縁にはそれぞれ一対の電極が設けられ、一対はX軸対称の電極であり、他対はY軸対称の電極である。X軸対称の両辺縁に設けられた電極に電圧差が印加されたとき、導電膜上の各点には電位が発生する。このとき、他の導電膜上のY軸対称の電極は測定用に使用される。上下二枚の導電膜が押圧されて一部分が接触したとき、押圧点A1上の電位はY軸対称の電極によって測定される。このとき、上下の導電膜が均等に鍍金されている場合、押圧点A1の電位は押圧点A1と辺縁の両電極との間の直線距離と直線関係にあるので、押圧点A1のX軸およびY軸の分量は、上下の導電膜によって交互に測定された電位によって取得される。
5線式の押圧点の位置測定方式は、4線式とは異なり、異なる点は、上方の導電膜15のみが接触点を読み取る点にある。図4に示すように、X、Y軸に電圧差を印加する電極171、172、173、174は全て下方の導電膜17上に設けられ、上方の導電膜15には測定用の電極151のみが存在する。Y軸対称の電極171、172上に電圧差が印加されたとき(実線で示す電路)、電極171と電極172との間には直線的な電位差が形成され、電極151は押圧点A1の電位をフィードバックし、それはV×R1/(R1+R2)に略等しい。その中で、抵抗R1およびR2は、均等に分布された導電膜の面抵抗×押圧点と電極171、172との間の垂直距離に略等しく、それによって、押圧点のX軸の分量を取得することができる。同様の原理で、電路が図4の点線に示す接続に変わったとき、上方の導電膜15は押圧点A1のY軸上の分量を測定することができる。
抵抗R1、R2、R3およびR4は、押圧点A1と電極171、172、173、174との間の垂直距離と直線関係にあるので、算出されたX、Y軸分量の解析度は押圧点A1の電気的な接触範囲と関連し、即ち、押圧に使用される物体の形状と関連する。従って、抵抗膜方式タッチパッドは、手書き、作図などの高解析度の操作に適用され、例えば、GPSなどの小型電子製品、作図ボードまたは手書き入力パッドなどに適用する。しかし、タッチパッドを点で押圧する方式は、上下の導電膜15、17が容易に摩損したり、上板14が疲労したりするので、使用寿命が短く、使用頻度の高い環境または公共の場所での使用には適用されない。また、抵抗膜方式タッチパッドの解析度は、押圧に使用される物体の形状と関連し、使用される物体の先端が太い(太い指または柔軟物質)場合、押圧点の位置を読み取ることができない状況が発生する。また、導電膜の面抵抗は温度変化によって変化するので、抵抗膜方式タッチパッドが算出する位置は温度変化に伴って誤差が発生し、高温環境または温度変化の激しい場所での使用には適用されない。
以上のことから分かるように、抵抗膜方式タッチパッドは、解析度の高い動作の操作を行なうことができるが、測定位置の正確性は、導電膜の品質と大きな関係があり、分布が均等な導電膜であればあるほど、受信電圧と面抵抗の直線関係は優れ、押圧点A1の位置も正確なものとなる。しかし、導電膜の均等性が低く、長期間の操作によって摩損したり、温度が高い場合、後続の信号処理モジュールによって算出される位置には誤差が生じる。同時に、従来技術による抵抗膜方式タッチパッドは複数の物体の接触を検知できないので、応用上、様々な制限がある。
従って、抵抗膜方式タッチパッドの不足を補うことができる静電容量方式タッチパッドも大きなシェアを有する。抵抗膜方式タッチパッドと同様に、静電容量方式タッチパッドもX、Y軸の分量を測定することができるが、感知原理および実施物体が異なる。図5は、静電容量方式タッチパッドの略構造を示し、その操作方法は、指または導体をパネル10表面に接触させるというものである。パネル10下方は複数の第1の軸トレース11a、11bが存在する第1の軸感応層11である。指または導体をパネル10上に置いたとき、指または導体が有する電気的条件によって複数本の第1の軸トレース上に静電容量反応が発生し、同時に、複数本の第1の軸トレースがX軸またはY軸対称に配列されている場合、各本の静電容量反応の強弱から接触点A1のYまたはX軸上の分量を算出することができる。同様に、第1の軸感応層11下方には絶縁層12および若干の第2の軸トレース13aが分布された第2の軸感応層13が設置され、第2の軸トレース13aはYまたはX軸対称に配列され、接触点A1のXまたはY軸上の分量を算出することができる。
静電容量方式タッチパッドは、指または導体の電性によって生成される静電容量の変化を感知するので、タッチパッドを押圧する必要はない。従って、タッチパッドの薄膜電極または押圧パネルが摩損したり、疲労したりすることがないので、使用寿命が長く、抵抗膜方式タッチパッドよりも頻繁に使用される環境または公共の場所にある電子製品に適用される。
また、従来技術による抵抗膜方式タッチパッドの位置測定に使用される導電膜は、単一点の接触信号しか受信できないので、単一点の接触による操作にしか適用されない。反対に、静電容量方式タッチパッドは、複数本の独立した配線を有する第1の軸トレースおよび第2の軸トレースを有するので、複数点の接触を識別でき、タッチパッドの機能を更に多元化することができる。例えば、現在流行しているiPhoneにおいては、複数の指によるタッチ操作によって様々な操作を行なうことができ、操作をより簡単にし、使用機能を増加させている。
抵抗膜方式タッチパッドが周囲の温度および使用回数の影響を受けやすいのに対して、静電容量方式タッチパッドは温度および使用回数にあまり影響を受けないが、周囲の電磁波干渉、人体(指)の身体状況、環境湿度の影響を受けやすい。従って、静電容量方式タッチパッドは、湿度の高い環境、手袋を装着した手または濡れた手での使用や、電磁波が発生する製品での使用、特に、周波数がタッチパネルの静電容量反応の範囲内である電磁波を輻射する製品での使用には適さない。
抵抗膜方式および静電容量方式のタッチパッドにはそれぞれ長所および短所があるので、それぞれに適用範囲および需要がある。しかし、携帯式の製品が益々小さくなり、機能が益々多くなるにつれて、抵抗膜方式タッチパッドまたは静電容量方式タッチパッドの何れかを使用するだけでは、新たな製品の要求を満たすことはできない。例えば、抵抗膜方式のタッチパッドでは、単一点での操作しか行なうことができず、複数の指を使用した機能を実行できない。また、抵抗膜方式タッチパッドは、使用頻度が少なく、使用寿命が短い製品においてのみ適用され、温度の影響を受けて測定位置に誤差が生じやすい。静電容量方式タッチパッドは、複数の指による操作を行なうことができるが、抵抗膜方式タッチパッドのように、ペンなどの尖った形状の物体による操作の解析度は有さず、人体の状況、環境湿度および周辺の電磁波による影響を受けやすい。
特許文献1において、静電容量方式タッチパッドAおよび抵抗膜方式タッチパッドBを統合したタッチパッドが開示されている。
図1に示すように、特許文献1に示す静電容量方式タッチパッドAは、パネル10、第1の軸感応層11、絶縁層12、第2の軸感応層13および上板14が順番に積層されて構成され、従来技術による静電容量方式タッチパッドの機能を有する。特許文献1に示す抵抗膜方式タッチパッドBは、上板14、上方導電膜15、スペーサドット設置エリア16、下方導電膜17および基板18が順番に積層されて構成され、従来技術による抵抗膜方式タッチパッドの機能を有する。特許文献1によるタッチパッドによって従来技術による抵抗膜方式タッチパッドと静電容量方式タッチパッドを一つのタッチパッドに統合することができるが、基本的に、特許文献1のタッチパッドは、従来技術による抵抗膜方式タッチパッドと従来技術による静電容量方式タッチパッドを直接積層しただけのものであり、静電容量方式タッチパッドおよび抵抗膜方式タッチパッドで共通して使用される上板の絶縁体材質が節約されただけである。使用する上で、静電容量方式および抵抗膜方式の機能を同時にまたは交代させて使用することができるが、タッチパッドの厚さおよび重量が大きくなり、特許文献1によるマルチセンサタッチパッドの使用によって、携帯式電子製品の厚さおよび重量が増加してしまう。
また、静電容量方式タッチパッドと抵抗膜方式タッチパッドを積層した構造によって、重要であるタッチパッドの光透過率が著しく低下する。例えば、本来95%の光透過率を有する静電容量方式タッチパッドについて述べると、85%の光透過率を有する抵抗膜方式タッチパッドを積層することによって、その光透過率は80%に低下し、この光透過率は、現在市場におけるタッチパネルの光透過率よりも遥かに低く、製品の競争力が著しく低下する。
静電容量方式タッチパッドが上で、抵抗膜方式タッチパッドが下に積層されたタッチパッドは、抵抗膜方式のタッチパッドの感知能力が大幅に低下する。抵抗膜方式タッチパッドは上部導電膜と下部導電膜が接触したときの電圧によって押圧点A1の位置が決定されるので、上部導電膜上に被覆される層数が多くなればなるほど、感知能力が低下する。例えば、絶縁層12にパネル10を加えた厚さは1mm以上となり、更に上板14の厚さが加わるので、電気的な接触のための押圧動作を強く行なう必要があり、これによって抵抗膜方式タッチパッドの感度および反応速度が影響を受け、抵抗膜方式タッチパッドを操作して行なわれる手書きおよび作図機能の使用が困難になったり、断線および不連続などの状況が発生したりする。
静電容量方式タッチパッドと抵抗膜方式タッチパッドを直接積層したタッチパッドは、製造工程およびコストの面でも問題がある。第1に、積層する方式の場合、製品の製造工程およびコストは積層することによって減少することがなく、同様に、静電容量方式タッチパッドおよび抵抗膜方式タッチパッドの二種類のタッチパッドの製造工程およびコストが必要であり、同時に、二枚のタッチパッドを組み合わせる工程が必要となる。第2に、静電容量方式タッチパッドおよび抵抗膜方式タッチパッドの接続配線はそれぞれ本来の配線と同一であり、積層することによって簡略化されることがなく、完成後の配線数量および厚さは2倍に増加する。第3に、一本の伝送配線が増加し、それと接続される後続の信号処理モジュールの伝送線路も新たに設計する必要があるので、配線の組立および伝送線路の設置によって製品の製造工程およびコストが増加する。
従って、如何にして抵抗膜方式タッチパッドと静電容量方式タッチパッドの優れた点を兼ね備え、タッチパッドの層数、厚さおよび配線数量を増加させず、タッチパッドの感度および光透過性を大幅に低下させることのないマルチセンサタッチパッドを案出するかは本考案の考案者の目標であった。
台湾専利M321553 特開2002−312116号公報
本考案の目的は、抵抗膜方式タッチパッドと静電容量方式タッチパッドの優れた点を兼ね備え、タッチパッドの層数、厚さおよび配線数量を増加させず、タッチパッドの感度および光透過性を大幅に低下させることのないマルチセンサタッチパッド(touch pad for variety of sensing)を提供することにある。
上述の課題を解決するために、本考案は、静電容量方式タッチパッドおよび抵抗膜方式タッチパッドの優れた点を兼ね備え、更に、上導電層および下導電層の二層のみの構造となっているマルチセンサタッチパッド(touch pad for variety of sensing)を提供するものである。上導電層は、複数の上感応部および上感応部と電気的に接続された上接合部を有する。上感応部は、上導電層の表面に埋設される。上接合部は、上導電層の表面辺縁に位置する。また、下導電層は、複数の下感応部および下感応部と電気的に接続された下接合部を有する。下感応部は、下導電層の表面に埋設される。下接合部は、下導電層の表面辺縁に位置する。また、下導電層の下感応部は、上導電層の上感応部から所定の間隔を空けて設置される。
指または導体が上導電層に接近したとき、複数の上感応部および下感応部には、指または導体の位置と関連する静電容量反応が形成され、その静電容量反応は、上接合部および下接合部を通じて測定される。上感応部と下感応部が上下に重なり合った部分は、物体が上導電層を押圧することによって電気的に導通し、上感応部の上接合部または下感応部の下接合部に形成される電位差を利用することによって、少なくとも一つの導電点の位置と関連する電気信号が生成される。
本考案は、更に、静電容量方式タッチパッドおよび抵抗膜方式タッチパッドの優れた点を兼ね備え、上導電層、導電路層および下導電層から構成されるマルチセンサタッチパッドを提供するものである。上導電層は、複数の上感応部および上感応部と電気的に接続された上接合部を有する。上感応部は、上導電層の表面に埋設される。上接合部は、上導電層の表面辺縁に位置する。導電路層は、複数の導電ブリッジを有し、導電ブリッジは、任意の二つの上感応部間の表面上に設置され、任意の二つの上感応部間を電気的に導通させる。また、下導電層は、表面に埋設された導電膜および導電膜と電気的に接続され、表面辺縁に位置する複数の下接合部を有する。また、下導電層の導電膜は、上導電層の上感応部および導電ブリッジから所定の間隔を空けて設置される。
指または導体が上導電層に接近したとき、複数の上感応部は、指または導体の位置と関連する静電容量反応を形成し、その静電容量反応は、上接合部を通じて測定される。上感応部および導電ブリッジと導電膜が上下に重なり合った部分は、物体が上導電層を押圧することによって電気的に導通し、上感応部の上接合部または導電膜の下接合部上に形成される電位差を利用することによって、少なくとも一つの導電点の位置と関連する電気信号が生成される。
本考案のマルチセンサタッチパッドは、上導電層および下導電層の二層構造または上導電層、導電路層および下導電層の三層構造であり、抵抗膜方式タッチパッドと静電容量方式タッチパッドの優れた点を兼ね備え、タッチパッドの層数、厚さおよび配線数量を増加させず、タッチパッドの感度および光透過性を大幅に低下させることがない。
従来技術による多層構造を示す断面図である。 本考案の第1の実施例による二層構造を示す断面図である。 本考案の第2の実施例による三層構造を示す断面図である。 従来技術による抵抗膜方式のタッチパッドの運転原理を示す模式図である。 従来技術による静電容量方式のタッチパッドの運転原理を示す模式図である。 本考案の第1の実施例において、抵抗信号を利用してX軸分量を取得する運転原理を示す模式図である。 本考案の第1の実施例において、抵抗信号を利用してY軸分量を取得する運転原理を示す模式図である。 本考案の第1の実施例において、静電容量信号を利用してX軸およびY軸分量を取得する運転原理を示す模式図である。 本考案の第2の実施例において、抵抗信号を利用してX軸分量を取得する運転原理を示す模式図である。 本考案の第2の実施例において、抵抗信号を利用してY軸分量を取得する運転原理を示す模式図である。 本考案の第2の実施例において、静電容量信号を利用してX軸およびY軸分量を取得する運転原理を示す模式図である。
本考案の目的、特徴および効果を示す実施例を図に沿って詳細に説明する。
図2は、本考案の第1の実施例を示し、上導電層21および下導電層22を備える。上導電層21表面には、埋設された複数の上感応部212および表面辺縁に位置する複数の上接合部211を有する。下導電層22表面には、埋設された複数の下感応部222および表面辺縁に位置する複数の下接合部221を有する。上導電層21は下導電層22と所定の間隔を空けて対向設置され、上感応部212表面と下感応部222表面は対向設置される。所定の間隔は、上感応部212および下感応部222の面積、厚さおよび材質構造、および上導電層21と下導電層22との間に介在する誘電体と関連する。
上導電層21は、絶縁シート214(図6を参照)を備えることができ、絶縁シート214は複数の上感応部212の上方に位置し、指または導体の接触に使用される。絶縁シート214は可撓性を有し、物体の押圧を受けたとき、上導電層21を凹陥変形させ、上感応部212と下感応部222を接触させて電気的に導通させる。
下導電層22は、更に、複数の下感応部222の下方に基板224を備えることができ、基板224は、下導電層22が押圧されたときの支持に使用される。
上導電層21と下導電層22との間の空間には若干のスペーサ3を設置することができ、スペーサ3は立体構造であり、接触圧力を受けないとき、複数の上感応部212と複数の下感応部222の電気的な接触を防止する。スペーサ3は、微小粒子とすることができ、球状、柱状、ローラ状、蜂の巣状、ばね状または表面に微小な立体構造を有する構造など、各種の立体構造とすることができる。微小粒子の大きさは、その構造、弾性、タッチコントロールの条件設定および下感応部222の静電容量反応に対する強弱と関連する。
微小粒子は、空間内を移動することができ、押圧圧力を受けたとき移動し、上感応部212と下感応部222が上下に重なった部分が電気的に導通される。また、微小粒子は、空間中に分散させて固定することができ、上感応部212と下感応部222の固定部分が押圧圧力を受けて電気的に導通される。また、微小粒子は、空間中において、一部が固定され、一部が固定されない構造にすることができ、それによって異なる押圧機能を提供する。
本考案の第1の実施例における、上感応部212と上接合部211および下感応部222と下接合部221の配列方式の例を図6に示す。上感応部212は二つのY軸対称の上感応部212a、212bが交互に配列され、その末端は下側辺縁に位置する上接合部211aに電気的に接続され、他端は上側辺縁の上接合部211bに電気的に接続される。下感応部222は二つのX軸対称の下感応部222a、222bが交互に配列され、その末端は左側辺縁に位置する下接合部221aに電気的に接続され、他端は右側辺縁の下接合部221bに電気的に接続される。
抵抗信号を測定する必要があるとき、左側の下接合部221aおよび右側の下接合部221b上に電圧差Vを印加し(図6を参照)、上導電層21が押圧圧力を受けて凹陥したとき、押圧点A1付近の上感応部212a、212bと下感応部222a、222bが電気的に導通し、上接合部211a、211bと右側の下接合部221bとの間の電位測定端2122aの電圧が測定され、上感応部212および下感応部222の抵抗と距離の関係から、押圧点A1のX軸上の分量を算出することができる。押圧点A1のY軸上の分量を取得する必要があるとき、下側の上接合部211aおよび上側の上接合部211b上に電圧差Vを印加し(図7を参照)、上導電層21が押圧圧力を受けて凹陥したとき、押圧点A1付近の上感応部212a、212bと下感応部222a、222bが電気的に導通し、下接合部221a、221bと上側の上接合部211bとの間の電位測定端2122bの電圧が測定される。
上感応部212を抵抗膜式の位置測定装置とする場合、上側の上接合部211bおよび下側の上接合部211aを両方接続して電圧測定に使用することができ、また、何れか一つを接続して電圧測定に使用することもできる。同様の原理で、下感応部222を抵抗膜式の位置測定装置とする場合、左側の下接合部221aおよび右側の下接合部221bを両方接続して電圧測定に使用することができ、また、何れか一つを接続して電圧測定に使用することもできる。
静電容量信号を測定する必要があるとき、上感応部212の間隔を空けて配列された上感応部212aを接続してその静電容量信号を測定し、その他の上感応部212bには如何なる電気的な接続も行なわず、X軸分量を測定する。同様の原理で、下感応部222の間隔を空けて配列された下感応部222aを接続してその静電容量信号を測定し、その他の部分の下感応部222bには如何なる電気的な接続も行なわず、Y軸分量を測定する。上感応部212および下感応部222が配列される軸方向はY軸対称およびX軸対称に限定されず、入れ替えることや、任意の二つの平行でない軸方向とすることもできる。
図3は、本考案の第2の実施例を示し、上導電層21、導電路層23および下導電層22を備える。上導電層21表面には、埋設された複数の上感応部212および表面辺縁に位置する複数の上接合部211を有する。導電路層23は、表面に埋設された複数の導電ブリッジ231を有し、導電ブリッジ231は任意の二つの上感応部212間の表面上に設置され、任意の二つの上感応部212間を電気的に導通させる。下導電層22表面には、導電膜223および表面辺縁に位置する複数の下接合部221を有する。上導電層21は下導電層22と所定の間隔を空けて対向設置され、上感応部212表面と導電膜223および導電ブリッジ231の表面は対向設置される。所定の間隔は、上感応部212および導電膜223の面積、厚さ、材質構造および上導電層と下導電層との間に介在する誘電体と関連する。
上導電層21は、絶縁シート214(図6を参照)を備えることができ、絶縁シート214は複数の上感応部212の上方に位置し、指または導体の接触に使用される。絶縁シート214は可撓性を有し、物体の押圧を受けたとき、上導電層21を凹陥変形させ、上感応部212と導電膜223を接触させて電気的に導通させる。
下導電層22は、更に、複数の導電膜223の下方に基板224を備えることができ、基板224は、下導電層22が押圧されたときの支持に使用される。
上導電層21と下導電層22との間の空間には若干のスペーサ3を設置することができ、スペーサ3は立体構造であり、押圧されないとき、複数の上感応部212と導電膜223の電気的な接触を防止する。スペーサ3は、微小粒子とすることができ、球状、柱状、ローラ状、蜂の巣状、ばね状または表面に微小な立体構造を有する構造など、各種の立体構造とすることができる。微小粒子の大きさは、その構造、弾性およびタッチコントロールの条件設定と関連する。
微小粒子は、空間内を移動することができ、押圧圧力を受けたとき移動し、上感応部212と導電膜223が上下に重なった部分が電気的に導通される。また、微小粒子は、空間中に分散させて固定することができ、上感応部212と導電膜223の固定部分が押圧圧力を受けて電気的に導通される。また、微小粒子は、空間中において、一部が固定され、一部が固定されない構造にすることができ、それによって異なる押圧機能を提供する。
本考案の第2の実施例(図3、図9を参照)における、上感応部212、上接合部211、導電ブリッジ231、導電膜223および下接合部221の配列方式の例を図9に示す。上感応部212は、Y軸対称の上感応部212aおよび複数のY軸対称の上感応部212a間の空間に設置される上感応部212bから構成される。Y軸対称の上感応部212a末端は下側辺縁に位置する上接合部211aと電気的に接続される。導電ブリッジ231は二つのX軸方向の隣り合う上感応部212b間に位置し、導電ブリッジ231は絶縁パッド231bおよび絶縁パッド231b両側を跨るC形導電路231aを有する。絶縁パッド231bの範囲はY軸対称の上感応部212aとC形導電路231aが交錯する区域を含むことができ、それによって、Y軸対称の上感応部212aとC形導電路231aとの間の電気的な接続を防止する。C形導電路231aの長さは二つのX軸方向に隣り合う上感応部212b間を跨ることができ、二つの上感応部212bはC形導電路231aを通じて電気的に導通することができる。導電ブリッジ231はX軸方向に沿って分布し、上感応部212bに若干のX軸対称のアレイを形成し、同時に、X軸対称のアレイの末端は延長部を有し、右側辺縁に位置する上接合部211bと電気的に接続される。
導電膜223と表面の四周辺縁の下接合部221は電気的に接続される。抵抗信号を測定する必要があるとき、左側の下接合部221aおよび右側の下接合部221b上に電圧差Vを印加し(図9を参照)、上導電層21が押圧圧力を受けて凹陥したとき、押圧点A1付近の上感応部212a、212bおよび導電ブリッジ231と導電膜223が電気的に導通し、上接合部211a、211bと右側の下接合部221bとの間の電位測定端2122cの電圧が測定され、上感応部212および導電膜223の抵抗と距離の関係から、押圧点A1のX軸上の分量を算出することができる。押圧点A1のY軸上の分量を取得する必要があるとき、上側の下接合部221cおよび下側の下接合部221d上に電圧差Vを印加し(図10を参照)、上導電層21が押圧圧力を受けて凹陥したとき、押圧点A1付近の上感応部212a、212bおよび導電ブリッジ231と導電膜223が電気的に導通し、下接合部221a、221bと下側の下接合部221dとの間の電位測定端2122dの電圧が測定される。
上感応部212a、212bは、末端の一つを上接合部211a、211bと接続する以外に、両末端を上接合部211a、211bと接続することもできる。同時に、上接合部211の位置は下側辺縁または右側辺縁だけに制限されない。また、上感応部212の配列方式をX軸対称のアレイ配列およびその間に分布するアレイに変更し、導電ブリッジ231をY軸方向に沿って接続し、Y軸対称のアレイに変更することもできる。
静電容量信号を測定する必要があるとき、上感応部212のY軸対称の上感応部212aに対してその静電容量信号を測定し、上感応部212のX軸対称の上感応部212bには如何なる電気的な接続も行なわず、X軸分量を測定する。同様の原理で、上感応部212のX軸対称の上感応部212bに対してその静電容量信号を測定し、上感応部212のY軸対称の上感応部212aには如何なる電気的な接続も行なわず、Y軸分量を測定する。
静電容量信号は、アレイ方式によって生成されるので、連続した抵抗信号によって位置を判定するときの参考データとすることができ、抵抗信号から押圧点A1の位置を判読する工程を短縮することができ、本考案の押圧接触に対する反応能力を高めることができ、本考案のタッチパッドの手書き機能および作図機能の表現力を更に高めることができる。
上述の実施方式および構造によって、確実に本考案の目的および作用を達成でき、本考案は未公開である。
上述の実施例および図面は本考案の構想の例を挙げたものであり、本考案の実用新案登録請求の範囲を制限するものではなく、本考案の主旨に基づく修飾および変更はすべて本考案の実用新案登録請求の範囲に含まれる。
21 上導電層
22 下導電層
211、211a、211b、211c、211d 上接合部
212、212a、212b 上感応部
221、221a、221b、221c、221d 下接合部
222、222a、222b、 下感応部
223 導電膜
23 導電路層
231 導電ブリッジ
231a C形導電路
231b 絶縁パッド
A1 押圧点
V (印加)電圧差
214 絶縁シート
224 基板
2122a、2122b、2122c、2122d 電位測定端

Claims (23)

  1. 少なくとも一つの指または導体による接触および物体による押圧が行なわれるマルチセンサタッチパッドであり、
    前記マルチセンサタッチパッドは、上導電層および下導電層を備え、
    前記上導電層は、表面に埋設された複数の上感応部および表面辺縁に位置する複数の上接合部を有し、
    前記下導電層は、表面に埋設された複数の下感応部および表面辺縁に位置する複数の下接合部を有し、前記下導電層の下感応部は、前記上導電層の上感応部と所定の間隔を空けて相対して設置され、
    前記複数の上感応部上および前記複数の下感応部上には、指または導体の位置と関連する静電容量反応が形成され、前記静電容量反応は、前記複数の上感応部および前記複数の下感応部と電気的に接続された前記上接合部および下接合部によって測定され、同時に、前記上感応部と下感応部が上下に重なる部分は接触圧力によってお互いに接触して電気的に導通され、前記上感応部の前記上接合部または前記下感応部の下接合部に形成される電位差を利用して少なくとも一つの前記接触位置と関連する電気信号が生成されることを特徴とするマルチセンサタッチパッド。
  2. 前記上導電層は、前記複数の上感応部の前記下感応部に面する面と反対側の面に絶縁シートを備え、前記絶縁シートは指または導体の接触に使用され、前記絶縁シートは可撓性を有し、接触圧力を受けたとき、前記上導電層を部分的に凹陥させることを特徴とする請求項1記載のマルチセンサタッチパッド。
  3. 前記下導電層は、前記複数の下感応部の前記複数の上感応部に面する面と反対側の面に基板を備え、前記基板は前記下導電層の支持に使用されることを特徴とする請求項1記載のマルチセンサタッチパッド。
  4. 前記上導電層と前記下導電層との間には、複数のスペーサが分布され、前記スペーサは立体構造であり、接触圧力を受けないとき、前記複数の上感応部と前記複数の下感応部の電気的な接触を防止することを特徴とする請求項1記載のマルチセンサタッチパッド。
  5. 前記複数のスペーサは、前記上導電層と前記下導電層との間に位置し、前記上導電層と前記下導電層との間を移動することを特徴とする請求項4記載のマルチセンサタッチパッド。
  6. 前記複数のスペーサの少なくとも三つは、前記上導電層と前記下導電層との間に固定されることを特徴とする請求項4記載のマルチセンサタッチパッド。
  7. 前記各層に使用される材質は、光透過性材質であり、タッチパネルに使用可能であることを特徴とする請求項1記載のマルチセンサタッチパッド。
  8. 前記上感応部の少なくとも一つは、両端が表面辺縁まで延長され、前記両端は前記上接合部と電気的に接続されることを特徴とする請求項1記載のマルチセンサタッチパッド。
  9. 前記下感応部の少なくとも一つは、両端が表面辺縁まで延長され、前記両端は前記下接合部と電気的に接続されることを特徴とする請求項1記載のマルチセンサタッチパッド。
  10. 前記上感応部および前記下感応部は、少なくとも一つのエリアにおいて完全に上下に重なり合うことを特徴とする請求項1記載のマルチセンサタッチパッド。
  11. 前記複数の上感応部は、第1の軸方向に沿って対称に分布され、前記複数の下感応部は、第2の軸方向に沿って対称に分布され、前記第1の軸方向と前記第2の軸方向は平行でないことを特徴とする請求項1記載のマルチセンサタッチパッド。
  12. 前記第1の軸方向と前記第2の軸方向は、垂直であることを特徴とする請求項11記載のマルチセンサタッチパッド。
  13. 前記所定の間隔は、前記上感応部および下感応部の面積、厚さおよび材質構造、および前記上導電層と前記下導電層との間に介在する誘電体と関連することを特徴とする請求項1記載のマルチセンサタッチパッド。
  14. 少なくとも一つの指または導体による接触および物体による押圧が行なわれるマルチセンサタッチパッドであり、
    前記マルチセンサタッチパッドは、上導電層、導電路層および下導電層を備え、
    前記上導電層は、表面に埋設された複数の上感応部および表面辺縁に位置する複数の上接合部を有し、
    前記導電路層は、表面に埋設された複数の導電ブリッジを有し、前記導電ブリッジは任意の二つの前記上感応部間の表面上に設置され、前記任意の二つの上感応部間を電気的に導通させ、
    前記下導電層は、表面に埋設された導電膜および少なくとも一つの表面辺縁に位置する下接合部を有し、前記下導電層の前記導電膜は、前記上感応部および前記導電ブリッジと所定の間隔を空けて相対して設置され、
    前記複数の上感応部上には、指または導体の位置と関連する静電容量反応が形成され、前記静電容量反応は、前記複数の上感応部上と電気的に接続された前記上接合部によって測定され、同時に、前記上感応部および導電ブリッジと導電膜が上下に重なる部分は接触圧力によってお互いに接触して電気的に導通され、前記上感応部の前記上接合部または前記導電膜の下接合部に形成される電位差を利用して少なくとも一つの前記接触位置と関連する電気信号が生成されることを特徴とするマルチセンサタッチパッド。
  15. 前記上導電層は、前記複数の上感応部の前記導電膜に面する面と反対側の面に絶縁シートを備え、前記絶縁シートは指または導体の接触に使用され、前記絶縁シートは可撓性を有し、接触圧力を受けたとき、前記上導電層を部分的に凹陥させることを特徴とする請求項14記載のマルチセンサタッチパッド。
  16. 前記下導電層は、前記導電膜の前記複数の上感応部に面する面と反対側の面に基板を備え、前記基板は前記下導電層の支持に使用されることを特徴とする請求項14記載のマルチセンサタッチパッド。
  17. 前記上導電層と前記下導電層との間には、複数のスペーサが分布され、前記スペーサは立体構造であり、接触圧力を受けないとき、前記複数の上感応部と前記導電膜の電気的な接触を防止することを特徴とする請求項14記載のマルチセンサタッチパッド。
  18. 前記複数のスペーサは、前記上導電層と前記下導電層との間に位置し、前記上導電層と前記下導電層との間を移動することを特徴とする請求項17記載のマルチセンサタッチパッド。
  19. 前記複数のスペーサの少なくとも三つは、前記上導電層と前記下導電層との間に固定されることを特徴とする請求項17記載のマルチセンサタッチパッド。
  20. 前記各層に使用される材質は、光透過性材質であり、タッチパネルに使用可能であることを特徴とする請求項14記載のマルチセンサタッチパッド。
  21. 前記所定の間隔は、前記上導電層の可撓性と関連することを特徴とする請求項14記載のマルチセンサタッチパッド。
  22. 前記下導電層は、表面の両側辺縁に分布する少なくとも二つの下接合部を有し、前記下接合部は前記導電膜と電気的に接続されることを特徴とする請求項14記載のマルチセンサタッチパッド。
  23. 前記下導電層は、表面の四周辺縁に分布する少なくとも四つの下接合部を有し、前記下接合部は前記導電膜と電気的に接続されることを特徴とする請求項14記載のマルチセンサタッチパッド。
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