JP3149987B2 - 半導体光増幅素子およびその使用法 - Google Patents

半導体光増幅素子およびその使用法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の波長の光が増幅
されているか否かを接合の両端電圧の変化で検知可能な
半導体光増幅素子とその使用方法、定電流動作している
状態で入力光信号により生じる印加電圧の変化を用いる
半導体光増幅素子およびその使用法などの、複数の増幅
領域を有しその内の少なくとも1つは増幅時の電圧変化
を検知する領域になっている半導体光増幅素子及びその
使用法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体光増幅素子で光を増幅する
時、その光の波長が如何なる範囲の波長であるかを知る
には、半導体光増幅素子への入力前に入力光を、或は増
幅光の一部を分岐して、これを波長検出手段を有した検
出部に入力して、その光の波長を検知していた。
【0003】また、従来、半導体光増幅素子のAPC増
幅動作(出力光パワーを一定にするように制御して増幅
動作を行うこと)を行なうには、光信号増幅時の光増幅
素子に発生する電圧変化を用いる方式があった。
【0004】図35に、このような方式を説明するため
の図を示す。同図において、601は入力光、602は
半導体光増幅素子、603は出力光、604は制御回
路、605は電源、606はバイアスTである。例え
ば、入力信号601はディジタル信号であって、この信
号に対して、ディジタル信号の伝送レートより十分緩や
かな正弦波信号を重ねておく。この様にすると、半導体
光増幅素子602で光信号601が増幅される時に生じ
る電圧変化が、バイアスT606により、制御回路60
4へ入力され、正弦波の周波数に同期した電圧変化量が
一定になる様に電源605へ制御信号が送られる。こう
して、電源605から半導体光増幅素子602へ流すバ
イアス電流を変化させることにより、APC増幅動作を
達成していた。
【0005】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、上
記第1の増幅波長検知の従来例では、信号光の一部を分
岐するために光の損失が伴い、更に分岐するための光学
部品を必要とする欠点があった。
【0006】また、上記第2のAPC増幅動作の従来例
では次の如き欠点があった。即ち、半導体光増幅素子6
02中を入力光信号が進行するときに、これは、電流注
入により形成された反転分布による誘導放出により増幅
されて出力光となる。この増幅作用は半導体光増幅素子
602の活性層中のキャリアの再結合をともなう現象で
ある。従って、増幅動作中は、非増幅時と比べて活性層
中のキャリア密度が小さくなり、接合両端に生ずる電圧
が減少する。この様な電圧変化の量は、入力光が大きい
程、或は増幅率が大きい程大きくなる。しかしながら、
上記第2の従来例の様に、2枚の対向する電極からだけ
電流注入を行い電圧変化を検知する構成では、次の様に
なる。
【0007】1.入力光601が光増幅素子602中を
進行するに従い、増幅されて大きくなるので、進行方向
に沿って電圧変化が徐々に大きくなり、電圧変化量が平
均化された状態でしか検知でできない。
【0008】2.光が進行する方向に電圧勾配が生じる
ので、進行方向に電流が流れて、素子全体の増幅率を低
下させる。
【0009】3.電圧変化を検出する部分と増幅率を調
整する部分が同じ領域なので、制御が難しい。
【0010】従って、本発明は上記の問題点に鑑みてな
されたもので、その目的は、特定の波長の光が増幅され
ているか否かを接合の両端電圧の変化で検知可能な半導
体光増幅素子とその使用方法、定電流動作している状態
で入力光信号により生じる印加電圧の変化を用いる半導
体光増幅素子およびその使用法などの、複数の増幅領域
を有しその内の少なくとも1つは増幅時の電圧変化を検
知する領域になっている半導体光増幅素子及びその使用
法を提供することにある。本発明では増幅時の電圧変化
が首尾よく検知されるが、その使用目的は種々に設定さ
れうる。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、半導体
レーザ構造を用いた半導体光増幅素子において、増幅領
域が光の進行する方向に少なくとも2つ以上の領域に電
気的にだけ分離されていて、少なくとも1つの分離され
た増幅領域が任意の波長範囲に利得を有し、他の増幅領
域がこの任意の利得波長範囲と重なり部分を有する利得
波長範囲を有する様に調整可能である半導体光増幅素子
が構成される。
【0012】また、本発明によれば、半導体光増幅素子
の活性領域の1部に増幅光の波長に敏感な活性領域(検
出領域、例えば量子井戸や量子細線から構成される)を
設けて、その領域の光増幅時の電圧変化を検知すること
により、該検出領域で決まる波長の光を増幅しているか
どうかを検知できるようにしている。
【0013】更に、本発明によれば、半導体レーザアン
プにおいて、増幅時の電圧変化を検知する部分と、増幅
率を変化させる部分を分離する構造にし、検知部分の電
圧変化量に応じて、増幅率を変化させる部分に流す電流
を調整する制御回路を設けることにより、従来より大き
な電圧変化が得られるようになり、さらに容易にAPC
増幅動作できるようにしたものである。
【0014】より具体的な構成及びこれらの使用法ない
し適用例は以下の実施例の説明から明らかとなるが、以
下に、その代表例を列記する。上記構成において、入出
力端面に反射防止膜が形成されていてもよい。増幅領域
が3つに分離されていて、1つが第1の活性層の増幅領
域で、その他が第2の活性層の増幅領域である構成にお
いて、前記第1の活性層の1つの増幅領域が中央にあ
る。増幅領域が3つに分離されていて、2つが第1の活
性層の増幅領域であり且つこの2つの第1の活性層が異
なるエネルギー準位を持っていて、残りの増幅領域が第
2の活性層からなる構成において、前記第1の活性層の
2つの増幅領域の1つが中央にある。増幅領域が4つに
分離されていて、2つの増幅領域エネルギー準位の異
なる第1活性層から構成されていて、他の増幅領域が第
2の活性層を有している構成において、前記第1の活性
層の2つの増幅領域は中央にある。また、半導体レーザ
構造を用いた半導体光増幅素子において、増幅領域が光
の進行する方向に少なくとも2つ以上の領域に電気的に
分離されていて、該分離された増幅領域の少なくとも1
つ以上で、多くとも分離された領域の数より1つ少ない
増幅領域の光増幅時の電圧変化を検知し、検知した結果
に基づいて、電圧変化を検知した領域以外の残りの領域
への注入電流量を制御する手段を有する構成において、
入出力端面に反射防止膜が形成されている。電圧検知す
る増幅領域に、光が、該電圧検知する増幅領域以外の少
なくとも1つの増幅領域中を進行しそして増幅されてか
ら、入力されるように構成され場合において、増幅領
域が3つに分離されていて、中央の1つが電圧検出領域
である。更に、光送信機が、端末装置からの信号をもと
に、発光デバイスを駆動し光信号を出力させる制御部
と、電気信号を光信号に変換する該光デバイスを含む発
光部と、発光部からの光信号を増幅する上記の半導体光
増幅素子から構成され得る。また、光受信機が、光信号
を増幅する上記の半導体光増幅素子と、増幅された光信
号を電気信号へ変換する光検出部と、光検出部からの電
気信号を再生して端末装置へ信号を送る機能を有する制
御回路から構成され得る。前記光検出部にバンドパスフ
ィルターが付加されてもよい。半導体光増幅装置が、上
記の半導体光増幅素子と、該素子との入出力を行うため
の先球光ファイバから構成され得る。また、片方向光通
信システムが、上記の光送信機、光受信機、半導体光増
幅装置のうち少なくとも1つを含んで構成され得る。ま
た、光送受信機が、電気信号にしたがって光信号を発生
する発光デバイスと、光信号を電気信号に変換する光検
出部と、端末装置からの信号をもとに該発光デバイスを
駆動し光信号を出力させる機能と該光検出部からの電気
信号を再生中継して端末装置へ送る機能とを持つ制御部
と、該発光デバイスから出力された光信号を増幅する上
記の半導体光増幅素子と、該光検出部へ入力される光信
号を増幅する上記の半導体光増幅素子と、該2つの半導
体光増幅素子に接続された光分岐合流素子から構成され
得る。更に、双方向光通信システムが、上記の半導体光
増幅装置、光送受信機のうち少なくとも1つを含んで構
成され得る。また、片方向波長多重光通信システムが、
上記の光送信機を2つ以上の複数個と上記の光受信機、
半導体光増幅装置のうち少なくとも1つを含んで構成さ
れ得る。また、光ループ型LANが、上記の半導体光増
幅装置を少なくとも1つ含んで構成され得る。また、光
パッシブバス型LANが、上記の半導体光増幅装置、光
送受信機のうち少なくとも1つを含んで構成され得る。
また、損失補償型光分岐合流素子が、光分岐合流素子を
有し、上記の半導体光増幅素子が、該光分岐合流素子の
入出力部の少なくとも1カ所以上に接続されて構成され
得る。また、上記光パッシブバス型LANは、この損失
補償型光分岐合流素子を少なくとも1つ用いてもよい。
また、半導体光増幅装置が、上記の半導体光増幅素子
と、該半導体光増幅素子と光を結合する手段と、該半導
体光増幅素子からの2つの電圧を入力として、該光を結
合する手段に結合効率を変化させる信号を送出する制御
回路から構成され得る。ここで、光を結合する手段が先
球光ファイバから構成され得る。この場合、半導体光増
幅装置は、結合効率を変化させることが、前記制御回路
からの信号に基づいて先球光ファイバを支持している3
軸微調機構で行われる様に構成し得る。更に、半導体光
増幅素子は、半導体レーザ構造を用いた半導体光増幅素
子において、増幅領域が光の進行する方向に少なくとも
2つ以上の領域に電気的に分離されて光学的には結合し
ていて、少なくとも1つの分離された増幅領域が任意の
波長範囲に利得を有し、他の増幅領域がこの任意の利得
波長範囲と重なり部分を有する利得波長範囲を有する様
に調整可能である様に構成され得る。
【0015】
【実施例1】図1、2は本発明の第1の実施例の特徴を
最もよく表わす図面である。図2は、図1のA−A´切
断面である。同図において、1は例えばn−GaAsか
らなる半導体基板、2は例えばn−Al0.4Ga0.6As
からなる第1クラッド層、3aは例えばノンドープAl
0.01Ga0.99Asからなる第1活性層、3b(図2にの
み示される)は例えば量子井戸構造で、井戸幅6nm、
障壁層がAl0.3Ga0.7Asから構成されている単一量
子井戸の第2活性層、4は例えばp−Al0.4Ga0.6
sからなる第2クラッド層、5は例えばp−GaAsか
らなるキャップ層、6は例えばp−Al0.5Ga0.5As
からなる第1埋め込み層、7は例えばn−Al0.5Ga
0.5Asからなる第2埋め込み層、8は例えば金とゲル
マニウムからなり基板1の裏面に形成された第1電極、
9は例えば金とクロムの合金からなり第1活性層3a上
に形成されている第2電極、10は例えば金とクロムの
合金からなり第2活性層3b上に形成されている第3電
極、11は端末に形成されている反射防止膜(例えば、
ZrO2からなる)、12は第2電極9と第1電極8に
より第1活性層3aへ注入されている注入電流Ia、1
3は第3電極10と第1電極8により第2活性層3bへ
注入されている注入電流ID、14は第3電極10と第
1電極8の間に生じる電圧VD、15は第1活性層3a
と第2活性層3bとを電気的に分離するための分離溝で
ある。
【0016】この第1の実施例では、第1活性層3aが
広帯域な波長範囲で増幅を行ない、第2活性層3bが比
較的特定の波長で増幅を行なう。以下、前者の役割をも
つ活性領域を一般増幅領域、後者のものを波長検知領域
と記述する。
【0017】次に本実施例の動作について説明する。光
が本実施例の光増幅素子内を進行するに従い増幅をうけ
るが、その前に、各領域への注入電流量を、素子が所望
の特性となるように設定しておかなければならない。ま
ず、一般増幅領域では、その増幅波長範囲が波長検知領
域の増幅波長範囲を含むように注入電流量Iaを選ぶ。
波長検知領域に対しては、注入電流密度が多いと、利得
スペクトルの幅が広がってしまうので、例えば、その幅
が10nm程度になるように電流IDを注入する(図3
参照)。この状態で、光を一般増幅領域側の端面から入
力すると、これは、一般増幅領域を進行しながら増幅作
用を受け、続いて、波長検知領域に入って増幅作用をう
けて出力される。
【0018】波長検知領域を定電流動作させておくと、
検出電圧VD14は、増幅している光の波長により、次
の3つの挙動を示す。
【0019】図3に示す波長の領域Iの場合(つまり、
第1活性層3aと第2活性層3bのバンドギャップ波長
の間の領域)では、一般増幅領域で増幅された光は、波
長検出領域では、ほとんど相互作用せずに透過して出力
光となる。従って、電圧VD14は変化しない。
【0020】図3の領域IIの波長範囲の光の場合、光
は波長検出領域でも増幅されて出力されるので、この領
域のキャリアを消費し、定電流動作のために検出電圧V
Dを小さくする方向に作用する。図3の領域IIIの波
長範囲の場合、波長検出領域では、光は吸収されキャリ
アを増加させるので、電圧VD14を大きくする方向に
作用する。この様に、本実施例では波長検出領域の電圧
変化によって、増幅している光の波長がどの波長範囲に
あるかを知ることができる。
【0021】上記説明では、入力光を、一般増幅領域の
側から入力したが、もちろん逆から入力してもこの様な
動作を得ることができる。しかし、キャリア消費による
電圧変化は光が強い程大きいので、一般増幅領域から入
力した方が簡単に電圧変化を検知することができる。
【0022】図4に、双方向動作時に、或る程度の電圧
変化を検出可能な構成の変形例を示す。図4において、
図1、図2の部分と同一の部材には同一番号をつけた。
図4の構成では、波長検出領域を半導体光増幅素子の中
央部に配置することにより、どちら側から入力された光
も注入電流Ia1121、Ia2122の一般増幅領域1、
2によって増幅されてから、波長検出領域に到達するの
で、いずれから来た光に対しても検出電圧の変化量を大
きくすることができる。動作原理は図1の実施例と同じ
である。
【0023】また、一般増幅領域と波長検出領域を構成
する活性層を同一構造のものにしても、各領域への注入
電流密度に差をつけることにより同様の動作を実現する
ことができる。この場合の各領域での利得スペクトルの
例を図5に示す。この場合、図3で説明した波長領域I
はなく、領域II(波長検出領域の検出電圧が小さくな
る)と領域III(波長検出領域の電圧が大きくなる)
だけになる。
【0024】
【実施例2】 図6に本発明の第2の実施例を示した。
図6は第1の実施例の図2に対応する図である。図6に
おいて、図1、図2と同一部材は同一番号をつけてあ
る。新たに本図で示したものについて説明を行う。図6
において、3cは第3活性層で、例えば、井戸幅5nm
のGaAsから構成される。10b、10cはそれぞれ
第3電極、第4電極で例えば金とクロムの合金から形成
される。131、132はそれぞれ第2活性層10bお
よび第3活性層10cへ注入している注入電流ID1
D2であり、151、152はそれぞれ第3電極10
bと第1電極8間の電圧VD1と第4電極10cと第1
電極8間の電圧VD2である。以下、第2活性層3bか
ら構成される増幅部分を波長検出領域1、第3活性層3
cから構成される増幅部分を波長検出領域2と記述す
る。
【0025】本実施例の基本的な動作は第1の実施例と
ほぼ同様である。この実施例では、波長検出領域を2つ
の異なる波長に反応するように設けてある。すなわち、
これが波長検出領域1と2である。それぞれの領域への
電流注入量ID1,ID2を調整して、各領域の利得スペク
トルを図7の様になるようにしておく。波長検出領域1
と2のそれぞれ利得スペクトルの中心波長が840nm
と855nmで、利得が0となる幅を10nmとしてお
く。更に、活性層3aの一般増幅領域は、これら波長検
出領域1と2の波長域を含んで利得係数スペクトルが広
がる様に設定しておく。この様な利得係数スペクトルに
なるごとく各領域に電流を流しておき、光増幅動作を行
うと、増幅光の波長範囲によって各波長検出領域1と2
の電圧変化の状況が異なる。
【0026】図8に、これら電圧VD1,VD2の電圧
変化を増幅光の波長ごとにまとめた表を示した。図中
で、+は電圧が増加する方向に変化するもの、−は電圧
が減少する方向に変化するもの、0はほとんど変化しな
い領域である。この様に、2つの波長検出領域1と2の
電圧VD1 151およびVD2 152の電圧変化量を検
知することにより、どの波長範囲の光を増幅しているか
を容易に知ることが可能となる。
【0027】また、本実施例を図4の様に構成(すなわ
ち、波長検出領域1と2が半導体光増幅素子の中央部に
設けられている)することにより、どちらの方向から光
が入力されても大きな電圧変化を得ることが可能とな
る。
【0028】本実施例では、波長検出領域が2つある例
を示したが、それぞれ利得係数スペクトルが異なる3つ
以上の波長検出領域があれば、より細かく増幅している
光の波長範囲を知ることが可能となる。
【0029】以上説明した2つの実施例では、1つの波
長の光を増幅する時には、特に効果的に増幅される光の
波長範囲を知ることが可能となる。
【0030】しかし、波長多重信号の増幅の場合のごと
き複数の波長の光が同時に増幅される場合は、波長検出
領域の利得スペクトルの波長幅(利得が0となる幅)と
波長多重信号の波長間隔の関係によっては、1つの波長
検出領域で複数の信号光による電圧変化が互いに打ち消
す方向に発生する可能性がある。
【0031】この場合、波長検出領域の利得スペクトル
波長幅を狭くすることにより、この様な問題をなくすこ
とができる。しかし、波長検出領域の利得スペクトル波
長幅を狭くするには、そこへの電流注入量を減らさなけ
ればならず、それでは利得係数を全体的に小さくしてし
まい、検出電圧の変化量を大きくとることができない。
この様な場合は、量子細線など、より狭い波長範囲に状
態密度関数が集中している活性領域を用いることによ
り、検出電圧変化量が大きいまま波長選択性(利得スペ
クトル波長幅の狭さ)を向上させることが可能となる。
【0032】また、第1、第2の実施例の中では、Ga
As系の材料を基調としたデバイスの構成例を示した
が、もちろんInP系の材料を用いても同様の効果が得
られるデバイスを実現することができる。
【0033】第1、第2の実施例では、埋め込み構成に
よる導波路を用いたが、リッジ構造、ストライプ構造、
SCH構造、GRIN−SCH構造など、従来の半導体
レーザで用いられている導波構造であればどのような構
造でも用いることができる。
【0034】また、第1、第2の実施例ではバルク活性
層と量子井戸活性層で構成した例を示したが(図5の例
を除いて)、例えば、量子井戸活性層のかわりに、量子
細線の活性層を用いれば検出電圧の小さくなる(変化す
る)波長範囲をより狭くすることが可能となる。
【0035】以上の実施例では入力される光についての
波長の記述であったので、ここで若干補足しておく。仮
に、光がディジタル信号である場合、そのディジタル信
号の伝送レートより十分に周波数の低い正弦波信号での
変調を加え、波長検出領域の電圧変化を検知する場合
に、この変調周波数に同期した電圧変化を測定すること
により、より微弱な電圧変化も検出が可能となる(この
ような方式は、従来、半導体光増幅素子のAPC制御で
用いられていた)。これについては後述の実施例に説明
がある。
【0036】
【実施例3】第1、第2の実施例で示したような本発明
の半導体光増幅素子の構成を用いた応用例を図9に示し
た。
【0037】図9において、20は例えば図4に示され
る半導体光増幅素子、21は入力光、22は入力光が増
幅された出力光、23は制御回路、24、25、26は
電源1、2、3である。また、図4と同様、14は波長
検出領域の電圧VD、13は波長検出領域への注入電流
D、121、122は一般増幅領域1と2への注入電
流Ia1、Ia2である。
【0038】制御回路23は、波長検出領域の電圧変化
を検知して、注入電流Ia1121とIa2122の量を、
電源1(24)と電源2(25)へ制御信号を送ること
により制御する機能を持っている。
【0039】このような構成にすることにより、入力波
長によりオン・オフする光ゲートを構成することが可能
となる。そのために、先ず、注入電流Ia1、Ia2とID
を調整して、図3に示されるような利得分散特性を持た
せておく。
【0040】そこで、例えば、図3の領域IIの光が入
力された時に、注入電流Ia2122を0にして、領域I
IIの光が入力された時に、注入電流Ia2を流すように
しておく。更に、実際に増幅したい光の波長は領域II
Iの波長としておく。この様にしておくことで、光の波
長でスイッチ動作する光スイッチ(領域IIの光はオフ
とし、領域IIIの光をオンとする)を構成できる。
【0041】光の波長の意味は一例として示したもの
で、注入電流を適当に制御することで、領域Iをオフに
領域IIをオンに領域IIIを信号光にと割り当てるこ
ともできる。組み合わせなので、この場合は6(3!)
通りになる。
【0042】また、第2の実施例の様に複数の波長に対
応した構成の場合、より高度な制御も可能となる。例え
ば、第2の実施例の様なデバイスを図4のような構成に
した場合について考える。第2の実施例の説明で述べた
様に、この構成では5通りの状態を区別できる。
【0043】動作例を図10を用いて説明する。本デバ
イスをスイッチさせるための波長を、840nmと85
5nmと848nmの3つの波長に選ぶ。入力側の一般
増幅領域1は、図10の状態1の利得分散特性を持つよ
うに注入電流を設定しておく。この状態で、例えば、8
55nmの光が入力されたら、出力側の一般増幅領域2
に、状態1の利得分散特性をもつように電流注入を行な
う。そして、848nmの光が入力されたら一般増幅領
域2を状態2にし、840nmの光が入力されたら一般
増幅領域2への電流注入を停止するように、制御回路2
3を設定しておく。仮に、通信等に用いている波長が図
10の領域IとIIに分布しているとすると、外からの
光信号を用いて、所望の波長域の光を通過させることが
可能である。
【0044】
【実施例4】図11は、本実施例の特徴を最もよく表わ
す図面である。図12は、図11のA−A´面での断面
図である。基本的構造は第1の実施例と同じであるが、
以下にその構造を説明する。同図において、31は例え
ばn型GaAsから構成される半導体基板、32は例え
ばn型Al0.3Ga0.7Asから構成される第1クラッド
層、33は例えばノンドープGaAsからなる活性層、
34は例えばP型Al0.3Ga0.7Asからなる第2クラ
ッド層、35は例えばp−GaAsからなるキャップ
層、36は例えばp−Al0.4Ga0.6Asからなる第1
埋め込み層、37は例えばn−Al0.4Ga0.6Asから
なる第2埋め込み層、38は例えば金とゲルマニウムの
合金からなる第1電極、39,40は例えば金とクロム
の合金からなる第2電極および第3電極、41は半導体
光増幅素子の入出力端面に形成された例えばZrO2
らなる反射防止膜、42,43は注入電流、44は第1
電極38と第3電極40間の電圧、45は第1電極38
と第2電極39により電流を流す部分(以後、領域Iと
する)と第1電極38と第3電極40により電流を流す
部分(以後、領域II)とを電気的に分離するために設
けた溝である。
【0045】本実例の典型的な寸法を記述しておく。第
1クラッド層32は厚さ1.5μm、活性層33は厚さ
0.1μm、第2クラッド層34は厚さ1.5μm、キ
ャップ層35は厚さ0.5μm、活性層33の幅は約
1.5μm、領域Iの長さが約200μm、領域IIの
長さが約50μm、分離溝45が約50μmである。
【0046】このような構造の半導体増幅素子は、既存
の結晶成長法であるMBE(分子線エピタキシー)成長
法、MOCVD(有機金属気相成長)法、LPE(液相
エピタキシャル)成長法を用いて作った元ウェハ(半導
体基板上に薄膜が積層されたもの)に、フォトリソグラ
フィー、ドライエッチング、蒸着などの既存の加工法に
よって、容易に作製することができる。
【0047】次に本実施例の動作について説明する。最
初に図11、図12で示される半導体光増幅素子の動作
について述べる。例えば図12において、左側より活性
層33、第1クラッド層32、第2クラッド層34、埋
め込み層36,37により構成される導波路へレンズ等
の結合手段を用いて、光信号が入力されると、注入電流
a42により形成された領域Iの増幅部分により増幅
されながら進行し、領域IIの活性領域(注入電流ID
により反転分布が形成されている)へと進みさら更に増
幅作用をうけて、領域II側の端面から出力される。
【0048】基本的な動作は、上述の様になっている。
ここで、領域Iへ流す電流Ia42と、領域IIへ流す
電流ID43を調整することにより、図13に示される
様な、利得分散特性を持つ様にすることができる。つま
り、領域IIの利得特性が、そのピーク値でも半値幅で
も領域Iよりも小さく、しかも狭く設定できる。本実施
例の場合、活性層がバルク結晶から構成されている例を
用いているので注入電流密度を領域Iより領域IIで小
さくすればこの状況が達成できる。この様な状況で、本
実施例の半導体光増幅素子に光信号を入力すると、領域
Iで増幅作用を受け、光量が大きくなった光信号が領域
IIへ入力し、領域IIの活性層中のキャリアを再結合
させる。このとき、領域IIの注入電流密度が小さいの
で、増幅された光信号によりキャリアの再結合が起き、
検出電圧VD44が変化する。この時に、領域IとII
への注入電流密度は同じ量であってもよいが、差をつけ
ることにより、電圧の変化を大きくすることができる。
【0049】次に、本実施例を従来例に示したAPC動
作させる場合の構成を図14に示した。図14で、46
は入力光、47は出力光、48は制御回路、49は本発
明の半導体光増幅素子、50は領域Iへの注入電流Ia
42を流す電源、51は領域IIへの注入電流ID43
を流す電源、52は制御回路48からの、電源50が流
す電流Ia42の量を調整するための制御信号、53は
同様に電流ID43の量を調整するための制御信号であ
る。
【0050】入力光46は、通信したいディジタル信号
に加えて、ディジタル信号の周波数より大幅にゆっくり
した正弦波変調で、0のレベルを変調しておく。この様
にすることにより、制御回路48は、検出電圧VD44
から、この正弦波成分だけを分離することにより、領域
IIの電圧変化を知ることができる。この電圧変化は領
域IIへどの程度の強度の光がきているかを判断できる
量となる。つまり、強い光が入力されれば、電圧変化は
大きいのである。従って、この電圧変化を或る一定の値
にする様に領域Iへ流す電流Ia42の量を調整すべ
く、制御回路48は、制御信号53を電源50へ送るこ
とにより、APC動作が可能となる。本実施例では、基
調となる半導体レーザ構造として、埋め込み構造で活性
層がバルク活性から構成されたものを用いて説明した。
しかし、導波構造は、この構造に限定されたものではな
く、リッジ構造、ストライプ構造、SCH構造、GRI
N−SCH構造など、従来の半導体レーザに用いられて
いるどの様な構成でも実施することが可能である。ま
た、活性領域も、多重量子井戸(MQW)構造、単一量
子井戸構造、量子細線、量子箱なども用いることができ
る。
【0051】また、本実施例では、両端面に反射防止膜
が形成された構造、いわゆる進行波型光増幅器として説
明したが、両端面に、反射防止膜が形成されていないも
のでも構わない。
【0052】
【実施例5】図15に、本発明の第5の実施例を示し
た。図15は第4の実施例の図12に対応する図であ
る。図15において第4の実施例と同一部材は同じ番号
をつけてある。
【0053】本実施例の典型的な寸法を記述しておく。
第1クラッド層32は厚さ1.5μm、活性層33は厚
さ0.1μm、第2クラッド層34は厚さ1.5μm、
キャップ層35は厚さ0.5μm、活性層33の幅は約
1.5μm、領域I−1とI−2の長さがそれぞれ約1
00μm、領域IIの長さが約50μm、分離溝45が
約50μmである。
【0054】第4の実施例との違いは、第4の実施例の
領域IIを半導体光増幅素子の中央部に配置した部分で
ある。この様にしたことにより、第4の実施例の領域I
が2つに分離されたので、それぞれを領域I−1と領域
I−2とした。更に、各領域I−1,I−2へ注入する
電流は、Ia1141とIa2142の2つに分けて示し
た。
【0055】図15の構成によって、双方向光増幅動作
への対応が容易となる。注入電流Ia1141、Ia214
2、ID43は、領域I−1、領域I−2が図3の一般
増幅領域の利得分散特性になる様に、領域IIが、図3
の波長検出領域の利得分散特性になる様に電流を注入し
ておく。この状態で、図15の左側から光信号を入力す
ると、これは領域I−1で増幅され、領域IIで両端電
圧VD44に変化を与え、更に進行して領域I−2で増
幅作用を受けて出力される。また、逆に右側から入力さ
れた光は、領域I−2で増幅され、領域IIで増幅され
つつ両端電圧VD44に変化を与え、領域I−1で再び
増幅されて出力される。この様に構成することによっ
て、双方向で進行する光が増幅されたあとに、領域II
で光の強度を電圧変化として検知することができる。こ
の電圧変化をもとに、図14に示した様な制御回路48
で領域I−1、領域I−2へ流す電流Ia1、Ia2を調整
することでAPC動作が達成できる。
【0056】
【実施例6】図16に本発明の第6の実施例を示した。
図16は図11の実施例の図12に相当する図面であ
る。図12と同一部材には同一番号をつけてある。この
実施例では、入出力部分に光強度による電圧変化を検知
する部分(領域II−1とII−2)を設けてある。第
4の実施例では1つであった領域IIが2つに分割され
ているので、第4の実施例では電流ID43で示されて
いた電流と検出電圧VD44は、領域II−1とII−
2に対応して、注入電流ID1143、ID2144と検出
電圧VD1145、VD2146として図中に示した。
【0057】本実施例の典型的な寸法を記述しておく。
第1クラッド層32は厚さ1.5μm、活性層33は厚
さ0.1μm、第2クラッド層34は厚さ1.5μm、
キャップ層35は厚さ0.5μm、活性層33の幅は約
1.5μm、領域Iの長さが約200μm、領域II−
1,II−2の長さが約50μm、分離溝45が約50
μmである。
【0058】図17には、双方向光増幅時の構成例を示
した。この図は、第4の実施例の図14に対応する図面
である。図17において、54は、図16に示される半
導体光増幅素子、161は図17において左側より光増
幅素子54に入力される入力光、162は右側より入力
される入力光、171は入力光161が増幅されて出力
される出力光、172は入力光162に対応する出力
光、65,66,67はそれぞれ領域II−1、領域
I、領域II−2へ注入電流ID1143、Ia42、I
D2144を流すための電源、58は検出電圧VD114
5、VD2146を入力として、領域Iへ流す電流Ia
2を調整するように電源66へ制御信号を送る制御回路
である。
【0059】次に動作について説明する。最初に、片方
向動作について述べる。信号の変調形態は第4の実施例
と同様とした。例として、入力光161が増幅されて出
力光171が出力される場合について説明する。
【0060】入力光161は半導体光増幅素子54へ入
力されると、領域II−1で増幅を受け、続いて領域I
で増幅され、さらに領域II−2で増幅されつつ、検出
電圧VD2146に変化を与えて、出力光171となる。
このとき、検出電圧VD2146の変化を制御回路58で
監視し、所望の電圧変化量になるように制御信号を電源
66へ与えて注入電流Ia42を調整する。逆方向に増
幅する時は、領域II−1に発生する電圧変化をもと
に、注入電流Ia42を制御回路58で制御する。
【0061】次に、双方向増幅時について説明する。双
方向増幅時には前述の片方向動作が同時に起こる。した
がって、領域II−1と領域II−2で検出電圧VD1
45、VD2146に電圧変化が生じる。仮に、半導体光
増幅素子54に入力光161と入力光162が同じ効率
で入力したとすると検出電圧VD1145とVD2146は
同じだけ変化することになる。
【0062】一般的な使用状況では、入力光161と入
力光162が同一の強度であることは稀であると考えら
れるうえに、それぞれの入力光が半導体光増幅素子54
へ入力される時の結合効率を同じにすることも困難であ
る。したがって、双方向増幅時には、検出電圧VD114
5とVD2146が異なった大きさの電圧変化をすること
になる。この時の双方向に対するAPC動作は、従来の
光アンプと同様に難しいことなので、特に本発明だけの
欠点ではない。
【0063】本実施例の場合、入力部と出力部に電圧を
検出する領域があるのでAPC動作に加えて、AGC
(増幅率を一定にしておく様に制御する)動作も可能と
なる。例えば、図16の左側から光が入力して、右へと
出力される場合、入力光による電圧変化VD1145と増
幅された光による電圧変化VD2146を得ることが可能
となり、VD1/VD2の値を一定になるように注入電流I
a42を制御することでAGC動作が実行できる。
【0064】このようなAGC動作は、片方向の時に有
効なことはもちろんのこと、双方向動作時にも、それぞ
れの方向によって変調周波数(前にも述べたように、デ
ィジタル信号に重ねられている正弦波信号の周波数)を
異ならせておき、一方の変調信号のみを検出することに
より、同じ方法によってAGC動作を行うことができ
る。
【0065】前にも述べた様に、図16,17の構成だ
けでは、双方向の動作に対するAPC動作は難しいが図
18のように構成調整することにより、APC動作が可
能となる。
【0066】図18で、図17と同一部材は同一番号を
つけてあるので説明は省く。同図において、101は制
御回路、102は先球光ファイバ、103は先球光ファ
イバ102を上下左右前後に微調する機械で例えばピエ
ゾ素子で動作するXYZ調整機構である。調整にあたっ
ては、入力光1(104)と入力光2(105)が同じ
光量である様にして行なうと容易に行なえる。
【0067】このような状態で、双方向から光を入力し
て、この光による電圧変化VD1145とVD2146を制
御回路101は検出する。検出した結果VD1≠VD2の場
合、両端面での入力結合効率が異なることを示している
ので、どちらか一方の先球光ファイバ102を調整する
ためのXYZ微調機構103への制御信号を送出して、
D1=VD2となるように調整する。また、入力光1(1
04)と入力光2(105)の強度が異なる場合は、増
幅率を考慮して、XYZ調整機構103を制御する。
【0068】この様に、本実施例(図16)から得られ
る情報を用いることにより、より高度な制御が可能とな
り、安定した光増幅動作を実現することができる。
【0069】
【実施例7】図19〜21は、本発明の第7の実施例を
示す図面である。図20は、図19のB−B´で切断し
た時の断面構成を示した図、図21は図19のA−A´
での切断面の構成を示している。図19〜21におい
て、71は例えばn型GaAsからなる半導体基板、7
2は例えばn型Al0.5Ga0.5Asからなる第1クラッ
ド層、73は例えばノンドープのGaAsからなる第1
活性層、74は例えばノンドープのAl0.02Ga0.98
sからなる第2活性層、75は例えばp型Al0.5Ga
0.5Asからなる第2クラッド層、76は例えばp型G
aAsからなるキャップ層、77は例えば金とゲルマニ
ウムの合金からなる第1電極、78は例えば金とクロム
の合金からなる第2電極、79は例えば金とクロムから
なる第3電極、80は端面に形成されている例えばZr
2から形成される反射防止膜、81は例えばSi34
からなる絶縁膜、82は第1電極77と第2電極78に
挟まれた第1活性層73へ注入している注入電流Ia
83は第1電極77と第3電極79とに挟まれた第2活
性層74へ注入している注入電流ID、84は第1電極
77と第3電極79の間に生じている検出電圧VD、8
5は第1電極77と第2電極78に挟まれた領域(以
下、領域Iとよぶ)と第1電極77と第3電極79に挟
まれた領域(以下、領域IIとよぶ)の間での電気的干
渉を低減させるために、キャップ層76から第2クラッ
ド層75の途中に到る分離溝である。
【0070】上記説明では、各部を構成する部材の例を
示してあるが、その寸法を示していないので、次に寸法
の例を示しておく。
【0071】第1クラッド層72は厚さ1.5μm、第
1活性層73は厚さ0.1μm、第2活性層74は厚さ
0.1μm、第2クラッド層75は厚さ1.5μm、キ
ャップ層76は厚さ0.5μm、領域Iの長さが約20
0μm、領域IIの長さが約50μm、分離溝85の長
さが約50μmである。また、図19、20からわかる
ように、本実施例ではリッジ導波路構造を用いている。
このリッジ構造の部分の寸法は、例えば、リッジ幅2μ
m、リッジの高さが約1.8μmとして、導波路の横モ
ードが単一モードになるように構成した。
【0072】次に、本実施例の動作について説明する。
光の挙動を説明する前に、注入電流の設定について述べ
る。領域IとIIでは活性層を構成する結晶のバンドギ
ャップエネルギーが異なるので、適当な注入電流量で図
22に示すような利得の波長分散特性を示す様にするこ
とができる。つまり、領域Iの利得ピーク波長が領域I
Iの利得ピーク波長より長波長側の波長域にすることが
できる。これは、電圧検出領域である領域IIのバンド
ギャップエネルギーを領域Iのそれより大きくしておく
ことで達成される。
【0073】光が本実施例の半導体光増幅素子へ入力さ
れた場合の基本的な動作は、第4の実施例と同じであ
る。つまり、領域I側の端面から入力された光信号が、
第1活性層73で増幅されながら進行し、領域IIへ入
る。領域IIでは増幅されながら、検出電圧VD84に
変化を生じさせ、領域II側の端面から出力される。従
って、第4の実施例の図14に示すように、制御回路に
この検出電圧VD84の変化にしたがって、注入電流Ia
82の量を調整する機能をもたせておけば、APC動作
を達成することができる。この時、第4の実施例と同様
に、光信号(例えばディジタル信号)を、伝送している
信号のビットレートより十分ゆるやかな正弦波信号で変
調しておくことにより簡単にしかも安定して、検出電圧
D84の電圧変化を検出することができる。
【0074】次に、本実施例のように領域IとIIの活
性層のバンドギャップエネルギーを異ならしておくこと
の効果について述べる。活性領域中を光が進行して、増
幅作用を受けるとき、キャリアが再結合して電圧変化が
生じる。この時、バンド端に近い光の方が、消費したキ
ャリアを高エネルギー側のキャリアで素早く補なえる。
したがって、バンド端に近いエネルギーを持つ光に対す
るものの方が飽和出力が大きくなる。このことは、バン
ド端に近いエネルギーを持つ光(長波長側の光)の方
が、光に対してより強い電圧変化を与えることができる
ことを意味する。別の言い方をすれば、同じ注入キャリ
ア密度により同じ構成からなる活性層に生じる電圧変化
の最大値には、波長依存性があり、長波長側の光がより
大きい電圧変化を与える。
【0075】したがって、本実施例は、第4の実施例と
比べると、より高増幅動作時に、線形性のよい電圧変化
を与えることができAPC動作をできる特徴がある。
【0076】なお、本実施例は、リッジ導波路を用いた
構成で説明したが、導波構造は、この型に限定されるも
のではなく、前記実施例と同様に、埋め込み導波路、ス
トライプ構造、SCH構造、GRIN−SCH構造など
従来の半導体レーザに用いられているどのような構成で
も実施することができる。また、活性領域も、この実施
例で用いたバルク結晶によるものだけでなく、MQW、
SQW、量子箱、量子細線を用いることができる。
【0077】また、第5、第6の実施例が第4の実施例
の変形であるから、本実施例も、第5、第6の実施例の
構成で用いることで、第5、第6の実施例の特徴に加え
て、本実施例の特徴を持つ半導体光増幅素子にすること
ができる。
【0078】以上の第4から第7の実施例でも、GaA
s系材料を用いて構成したものを用いて説明したが、材
料はGaAsに限られるものではなく、InP系の材料
など半導体レーザを構成できるものであれば、どのよう
な材料でも実施することが可能である。また、実施例中
では複数の電極を分離する方法として、スリット形態の
ものを用いているが、この方法だけに限られたものでは
なく、イオン注入などの方法により高抵抗領域を形成す
ることによっても実施可能である。
【0079】
【実施例8】図23に、実施例に示した半導体光増幅素
子を光伝送システムに適用した場合を示す。図23にお
いて、501は光送信機、502は本発明の半導体光増
幅素子が内蔵されている半導体光増幅装置、503は光
受信機、504は光ファイバである。
【0080】光送信機501は図30に示されるように
構成される。図30において、522は送信用の半導体
レーザ、523は本発明の半導体光増幅素子、524は
制御回路である。半導体レーザ522と半導体光増幅素
子523には注入電流を流す電源が必要であるが、ここ
では制御回路524中に含めた。
【0081】ここで、制御回路524は、端末装置から
の信号を半導体レーザ522へ送り、ここで光信号を発
生し、そして半導体光増幅素子523をAPC動作させ
るための制御を行う。半導体レーザ522から入力され
た光信号は、半導体光増幅素子523により増幅され、
光ファイバ504へ入力される。この場合、半導体光増
幅素子523は、いわゆるブースターアンプとして用い
られている。このアンプは光伝送システム全体との整合
をとって用いればよく、図30に示したように、1つ用
いてもよいし、2つ以上を用いてもよく、また、使用し
なくても光送信機501として機能することは言うまで
もない。
【0082】光受信機503は図31に示されるような
構成である。図31において、523は本発明の半導体
光増幅素子、525は制御回路、526は光検出器であ
る。光ファイバ504から入力された光信号は、半導体
光増幅素子523でAPC増幅され、光検出器526で
電気信号に変換される。制御回路525は、半導体光増
幅素子523のAPC動作の制御を行うとともに、光検
出器526から得られた電気信号を整形し、所望の端末
装置へと送信する。図31に示される光受信機503に
は、1つの半導体増幅素子523がいわゆる前置増幅器
として用いられている。この前置増幅器は、2つ以上の
複数個用いられていても、また、1つも用いられていな
くても、光受信機503として機能する。
【0083】半導体光増幅装置502は、本発明の半導
体光増幅素子を用いて、例えば図29のように構成する
ことができる。図29において、518は先球ファイ
バ、520は制御回路、521は本発明の半導体光増幅
素子である。制御回路520は、前記実施例の制御回路
と電源を含めた形で示してあり、APC増幅の制御を行
う。
【0084】光ファイバ504からの光信号は、先球フ
ァイバ518を通って、半導体光増幅素子521の導波
路へ結合される。導波路へ入力された光信号は、APC
増幅され、出力光が再び先球ファイバ518へ出力さ
れ、伝送路の光ファイバ504へつながる。ここで、先
球ファイバ518を用いたのは、高効率に、光ファイバ
504からの光を半導体光増幅素子521の導波路へ、
また、導波路からの出力光を光ファイバ504へと結合
するためである。もちろん、この様に結合を高める方法
は他にもあり、レンズを用いてもよい。また、結合効率
は低下するが、ファイバ端が先球化されていなくても、
半導体光増幅装置502としては十分機能する。
【0085】次に、図23で示される光伝送システムの
動作について説明する。光送信機501に1つの端末装
置が接続されている場合、つまり、1対1あるいは1対
N(Nは任意の整数)間での端末装置の片方向通信の場
合、通信方式としては、どの様なものでもよく、垂れ流
し的に信号を送ればよい(無手順、非周期)。また、N
対Nの片方向通信の場合、例えば時分割方式(TDM
A)のように、1つの伝送路を時間で区切って複数の伝
送路を提供できる通信方式を用いればよい。この時、光
受信機503の中の制御回路525は、受信した信号か
ら宛て先情報を判断して、所望の端末装置へ信号を送り
出す機能が必要である。また、光送信機501中の制御
回路524には、複数の端末装置から受けとった信号に
相手先を示す宛て先用の信号をつけて、通信方式にした
がって半導体レーザ522を駆動する。
【0086】
【実施例9】図24に、実施例に示した半導体光増幅素
子を、双方向光伝送システムに用いた場合を示した。図
24において、505は光送受信機、502は図23と
同じ構成の半導体光増幅装置、504は光ファイバであ
る。
【0087】光送受信機505は、例えば第8の実施例
の光送信機501および光受信機503が1つになった
構成をもっている。つまり、光送信機501の出力と、
光受信機503の入力が光分岐合流素子で1つにされて
いる。この光送受信機505中の光送信機の部分と光受
信機の部分は第8の実施例で説明したので、ここでは説
明を省く。また、半導体光増幅装置502も第8の実施
例と同一のものなので、ここでは説明を省く。通信方式
も、第8の実施例のものがそれぞれの方向に適用でき
る。
【0088】
【実施例10】図25に、実施例に示した半導体光増幅
素子を片方向N対N波長多重伝送システムに用いた場合
を示す。図25において、506は光送信機(#1〜#
N)、508は光合流素子、509は光分岐素子、50
7は光受信機(#1〜#N)である。また、他の実施例
と同一部材は、同一番号をつけてある(光ファイバ50
4、半導体光増幅装置502)。光送信機#1〜#N,
506−(1)〜(N)は、図30に示される構成を持
っていて、各々で半導体レーザ522の発振波長が異な
っている(図30そのものの説明は第8の実施例でした
のでここでは省略する)。
【0089】光受信機#1〜#N,507−(1)〜
(N)は、例えば図32に示される構成となっている。
図32において、526は光検出器、527は制御回
路、528は光バンドパスフィルタ、523は本発明の
半導体光増幅素子(ここでは前置増幅器として用いてい
る)である。
【0090】光バンドパスフィルタ528は、それが含
まれている光受信機#Kに対応する光送信機#Kの波長
だけを通すように調整されている。この様にすることに
より、光送信機#i,506−(i)から、光受信機#
i,507−(i)への伝送路(1つの伝送路光ファイ
バ504と半導体光増幅装置502で形成されている)
中を複数の波長の光が通り、等価的に複数の伝送路が形
成されることになる。光送信機#i,506−(i)か
ら光受信機#i,506−(i)へと構成される1つの
波長の伝送路の伝送方式は、第8の実施例と同じなので
ここでは省略する。
【0091】また、図25において、光分岐素子509
を光分波素子にすることによって、光受信機507中の
光バンドパスフィルタ528は不要となる。
【0092】
【実施例11】図26に、実施例に示した半導体光増幅
素子をループ型光LANに用いた場合を示している。
【0093】図26において、511は再生中継機、5
12は制御局、513は端末装置、504は光ファイ
バ、502は半導体光増幅装置(第8の実施例で説明)
である。ループ型LANの動作としては、従来用いられ
ている方式、例えばトークンリング方式を用いることが
できる。
【0094】この例では、再生中継機511間に、ブー
スターアンプとして本発明の半導体光増幅素子を用いた
半導体光増幅装置502を用いることにより、再生中継
機511−(i)から送られる光信号を、常に一定のパ
ワーで受信することが可能となる。
【0095】また、再生中継機511は、一般に光検出
器(O/E変換器)、半導体レーザ(E/O変換器)、
電気の再生中継機から構成されるが、この再生中継機に
も、本発明の半導体光増幅素子を、光検出器前に設置す
る前置増幅器として、また、半導体レーザのブースター
アンプとして用いることも可能である。中継機511内
で本発明の半導体光増幅素子をAPC動作で用いること
により、光検出器への入力パワーや中継機からの出力パ
ワーを、使用しないときより安定にすることが可能とな
る。また、再生中継機511間の半導体光増幅装置50
2は、1つの場合を示したが必要に応じて2つ以上の複
数個にすることができる。
【0096】
【実施例12】図27に、実施例に示した半導体光増幅
素子をバス型光LANに用いた場合を示した。
【0097】図27において、514は光分岐合流素
子、515は光トランシーバー、516は端末装置、5
02は半導体光増幅装置(第8の実施例で説明済み)、
504は光ファイバである。光トランシーバー515
は、例えば図33のような構成になっている。図33に
おいて、529は制御回路、530は半導体レーザ、5
32は光検出器、533は光分岐合流素子、523は本
発明の半導体光増幅素子である。
【0098】バス型光LANの部分は、例えば、CSM
A/CD方式の通信方式を用いる。もちろん、他のトー
クンバス、TDMAなどの通信方式でもかまわない。
【0099】端末装置516からの通信要求は光トラン
シーバー515へ送られ、光トランシーバー515中の
制御回路529は、光LANの通信方式にしたがって、
半導体レーザ530を駆動し、光パルス(光ディジタル
信号)を送信する。送信された光信号は、半導体光増幅
素子523でAPC増幅され、光分岐合流素子533を
介して、光分岐合流素子514へ送られ、バスライン上
へ信号を送り出す。バスライン上には適当なところに半
導体光増幅装置502があり、光信号をAPC増幅す
る。一方、受信の過程は、バスライン上を伝送される光
信号が、光分岐合流素子514で分岐され、光トランシ
ーバー515へ入力される。光トランシーバー515へ
入力された光信号は、光分岐合流素子533で分岐さ
れ、半導体光増幅素子523を通してAPC増幅され、
光検出器532で受信され電気信号に変換される。この
電気信号は制御回路529で整形再生などを受け、端末
装置516へ送られる。
【0100】本実施例では、光トランシーバー515中
で、本発明の半導体光増幅素子523を、ブースターア
ンプおよび前置増幅器として用いているが、これらは、
複数個から構成されていてもよく、また、なくてもよ
い。更に、バスライン上の半導体光増幅装置502は、
光分岐合流素子514の間に必ず少なくとも1つ設置さ
れていてもよいし、また、飛び飛びに設置されていても
よい。
【0101】
【実施例13】図28に第12の実施例のバスライン上
の光分岐合流素子514のかわりに、増幅機能を有する
光増幅素子内蔵光分岐素子517を設置した場合を示し
た。
【0102】光増幅素子内蔵光分岐素子517は、例え
ば図34に示す構成で実現できる。図34に示すよう
に、光分岐合流素子534の入力出力部分(3ケ所)
に、本発明の半導体光増幅素子523を設けてある。伝
送方法は、第12の実施例と同じであるので、ここでは
省略する。
【0103】また、本実施例では、バスライン上の光増
幅素子内蔵光分岐素子517の間に、半導体光増幅装置
502を必要に応じて設置してもよい。
【0104】以上、実施例8〜13で実施例4〜7に示
した半導体光増幅素子を光通信システムに適用した例を
示したが、適用できる光通信システムは、この実施例だ
けに限られるものではなく、光を情報の伝達媒体として
いる光通信システムで前記実施例に示したような使用法
で使用することが可能である。
【0105】
【発明の効果】以上説明したように、半導体光増幅素子
において、増幅時に生ずる電圧変化が大きい部分を他の
部分と分離することにより、従来より、大きな電圧変化
として電圧変化を検知できる効果がある。従って、より
容易にAPC動作の制御ができるようになった。
【0106】また、狭い波長範囲で利得を持つ活性領域
と、広い波長範囲で利得を持つ活性領域から活性層を構
成し、前者の活性領域の光増幅時の電圧変化を検知する
ことにより、増幅している光の波長の中に、特定の波長
の光が存在するかどうかを知ることができる。従って、
光信号に損失を与えなく、光学部品の数を増やさなくて
よく、従来と同様の光学系で、増幅光の波長域を知るこ
とができる効果がある。
【0107】その他、増幅光の様子を電圧変化で検知し
て、これを種々の制御に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の特徴をあらわす斜視
図。
【図2】図1のA−A´断面図。
【図3】図1の半導体光増幅素子の動作を説明する図。
【図4】図1に示す半導体光増幅素子の変形例を示す断
面図。
【図5】図1に示す半導体光増幅素子の他の変形例の動
作を説明する図。
【図6】本発明の第2の実施例を示す断面図。
【図7】図6の半導体光増幅素子の動作を説明するため
の図。
【図8】第2の実施例の検出電圧の波長依存性をまとめ
た表。
【図9】本発明の第3の実施例を示す図。
【図10】第3の実施例の使用例の状態を説明するため
の図。
【図11】本発明の第4の実施例の特徴をあらわす斜視
図。
【図12】図11のA−A´断面図。
【図13】図11の半導体光増幅素子の動作を説明する
図。
【図14】図11に示す半導体光増幅素子の使用例の状
態を説明するための図。
【図15】本発明の第5の実施例を示す断面図。
【図16】本発明の第6の実施例を示す断面図。
【図17】図16の半導体光増幅素子の使用例の状態を
説明するための図。
【図18】図16の半導体光増幅素子の他の使用例の状
態を説明するための図。
【図19】本発明の第7の実施例の特徴をあらわす斜視
図。
【図20】図19のB−B´断面図。
【図21】図19のA−A´断面図。
【図22】図19の半導体光増幅素子の動作を説明する
図。
【図23】光半導体素子を光伝送システムに適用した第
8の実施例を説明するための図。
【図24】光半導体素子を双方向光伝送システムに適用
した第9の実施例を説明するための図。
【図25】光半導体素子を双方向N対N波長多重伝送シ
ステムに適用した第10の実施例を説明するための図。
【図26】光半導体素子をループ型光LANに適用した
第11の実施例を説明するための図。
【図27】光半導体素子をバス型光LANに適用した第
12の実施例を説明するための図。
【図28】光半導体素子を他のバス型光LANに適用し
た第13の実施例を説明するための図。
【図29】光伝送システムで用いられる半導体光増幅装
置の構成を示す図。
【図30】光伝送システムで用いられる光送信機の構成
を示す図。
【図31】双方向光伝送システムで用いられる光受信機
の構成を示す図。
【図32】双方向N対N波長多重伝送システムで用いら
れる光受信機の構成を示す図。
【図33】バス型光LANで用いられる光トランシーバ
ーの構成を示す図。
【図34】バス型光LANで用いられる半導体増幅素子
内蔵光分岐合流素子の構成を示す図。
【図35】半導体光増幅素子のAPC増幅動作の従来例
を説明する図。 1,31,71 基板 2,4,32,34,72,75 クラ
ッド層 3a,3b,3c,33,73,74
活性層 5,35 キャップ層 6,7,36,37 埋め込み層 8,9,10,10b,10c,38,39,40,7
7,78,79電極 11,41,80 反射防止膜 12,13,42,43,82,83,121,12
2,131,132,141,142,143,144
注入電流 14,44,84,145,146,151,152,
検出電圧 15,45,85 分離溝 20,49,54,521,523 半
導体光増幅素子 21,46,104,105,161,162
入力光 22,47171,172 出力光 23,48,58,101,520,524,525,
527,529制御回路 24,25,26,50,51,65,66,67
電源 52,53,54 制御信号 81 絶縁膜 102,518 先球光ファイバ 103 XYZ調整機構 501,506 光送信機 502 半導体光増幅装置 503,507 光受信機 504 光ファイバ 505 光送受信機 508 光合流素子 509 光分岐素子 511 再生中継機 512 制御局 513,516 端末装置 514,533,534 光分岐合流素
子 515 光トランシーバー 517 光増幅素子内蔵光分岐素子 522,530 半導体レーザ 526,532 光検出器 528 光バンドパスフィルター

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体レーザ構造を用いた半導体光増幅
    素子において、増幅領域が光の進行する方向に少なくと
    も2つ以上の領域に電気的に分離されて光学的には結合
    して分離されていて、少なくとも1つの分離された増幅
    領域が、任意の波長範囲に利得を有する第1の活性層で
    構成されていて、他の増幅領域が、上記第1の活性層の
    利得を有する波長範囲を、任意の注入電流で利得波長範
    囲に含むことができる第2の活性層から構成されている
    ことを特徴とする半導体光増幅素子。
  2. 【請求項2】 前記第1の活性層が、任意の波長範囲に
    利得を有する量子井戸を基調とする活性層で構成されて
    いることを特徴とする請求項1記載の半導体光増幅素
    子。
  3. 【請求項3】 前記第2の活性層が、前記第1の活性層
    の利得を有する波長範囲を、任意の注入電流で利得波長
    範囲に含むことができるバルク結晶から構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体光増幅素子。
  4. 【請求項4】 増幅領域が2つに分離されていて、光を
    入力する側に第2の活性層の増幅領域、出力側に第1の
    活性層の増幅領域があることを特徴とする請求項1記載
    の半導体光増幅素子。
  5. 【請求項5】 増幅領域が3つに分離されていて、1つ
    が第1の活性層の増幅領域で、その他が第2の活性層の
    増幅領域であることを特徴とする請求項1記載の半導体
    光増幅素子。
  6. 【請求項6】 増幅領域が3つに分離されていて、2つ
    が第1の活性層の増幅領域であり且つこの2つの第1の
    活性層が異なるエネルギー準位を持っていて、残りの増
    幅領域が第2の活性層からなることを特徴とする請求項
    1記載の半導体光増幅素子。
  7. 【請求項7】 増幅領域が4つに分離されていて、2つ
    の増幅領域がエネルギー準位の異なる第1活性層から構
    成されていて、他の増幅領域が第2の活性層を有してい
    ることを特徴とする請求項1記載の半導体光増幅素子。
  8. 【請求項8】 請求項5記載の半導体光増幅素子と、該
    半導体光増幅素子の第1の活性層の増幅領域の入力光波
    長で変化する電圧変化に応じて、出力側の活性層の増幅
    領域へ流す電流を調整する機能を有する制御回路からな
    ることを特徴とする光スイッチ。
  9. 【請求項9】 請求項7記載の半導体光増幅素子と、該
    半導体光増幅素子の第1の活性層を用いた2つの増幅領
    域の入力光波長に応じた電圧変化に応じて、出力側の増
    幅領域へ流す電流を調整する機能を有する制御回路から
    なることを特徴とする光スイッチ。
  10. 【請求項10】半導体レーザ構造を用いた半導体光増幅
    素子において、増幅領域が光の進行する方向に少なくと
    も2つ以上の領域に電気的に分離されていて、該分離さ
    れた増幅領域の少なくとも1つ以上で、多くとも分離さ
    れた領域の数より1つ少ない増幅領域の光増幅時の電圧
    変化を検知し、検知した結果に基づいて、電圧変化を検
    知した領域以外の残りの領域への注入電流量を制御する
    手段を有することを特徴とする半導体光増幅素子。
  11. 【請求項11】半導体レーザ構造を用いた半導体光増幅
    素子において、増幅領域が光の進行する方向に少なくと
    も2つ以上の領域に電気的に分離されていて、該分離さ
    れた増幅領域の少なくとも1つ以上で、多くとも分離さ
    れた領域の数より1つ少ない増幅領域の光増幅時の電圧
    変化を検知し、検知した結果に基づいて、電圧変化を検
    知した領域以外の残りの領域の利得を制御する手段を有
    することを特徴とする半導体光増幅素子。
  12. 【請求項12】電圧検知する増幅領域の利得係数がその
    他の増幅領域の利得係数よりも小さいことを特徴とする
    請求項10または11記載の半導体光増幅素子。
  13. 【請求項13】電圧検知する増幅領域へ注入する電流密
    度を、他の増幅領域へ注入する電流密度より少なくする
    ことにより、利得係数が小さくされていることを特徴と
    する請求項12記載の半導体光増幅素子。
  14. 【請求項14】電圧検知する増幅領域に、光が、該電圧
    検知する増幅領域以外の少なくとも1つの増幅領域中を
    進行しそして増幅されてから、入力されるように構成さ
    れたことを特徴とする請求項10または11記載の半導
    体光増幅素子。
  15. 【請求項15】増幅領域が2つに分離されていて、光を
    入力する側に増幅領域、出力側に電圧検出領域があるこ
    とを特徴とする請求項14記載の半導体光増幅素子。
  16. 【請求項16】増幅領域が3つに分離されていて、両端
    の2つが電圧検出領域であることを特徴とする請求項1
    0または11記載の半導体光増幅素子。
  17. 【請求項17】電圧検出領域とそれ以外の増幅領域の活
    性領域とのバンドギャップエネルギーが異なり、電圧検
    出領域のバンドギャップエネルギーを大きくすることに
    よりその利得係数を小さくすることを特徴とする請求項
    12記載の半導体光増幅素子。
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