JP3149967B2 - い草の染着用粒材とその利用法 - Google Patents

い草の染着用粒材とその利用法

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益雄 宮山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、畳表として利用される
い草の泥染用染土の組成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、い草を畳表として利用するに
当たっては、い草独特の感触を失うことなく、表面の青
みを持続するために青粘土を原料とする染土を使用して
泥染している。
【0003】ところが、この染土を使用して泥染するに
当たっては次のような問題点があることが指摘されてい
る。その第1は、原料が天然鉱物であるために泥染した
製品の品質に染めむらがあるほか色調が余り良くないこ
とであり、その第2は乾燥後の運搬、貯蔵、選別製織の
際に多量の粉塵が発生することである。
【0004】この第1の問題については現在天然の青粘
土の微粉に添加剤として酸化チタンの如き、いんぺい材
と水に不溶な着色顔料を混合したもの等が使用されてい
るが十分な効果が得られず、価格も高価であるほか、粉
塵の問題も解決されていない。
【0005】第2のい草の泥染に際しての粉塵の発生に
ついては古くから関心が持たれ、昭和46年から昭和4
8年にかけて、熊本県から「い草染土の代替品の開発に
関する研究」のレポートが発行され、粉塵発生防止の添
加薬剤、合成染土剤についての研究報告が行われている
が、まだ解決されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
を解決するために炭酸カルシウムを基材に水溶性の染料
粉末を混合するものであるが、この炭酸カルシウムの基
材に水溶性の染料粉末を混合しただけでは、これを水に
溶かした場合に染料が炭酸カルシウムに吸着されず、水
のみが着色し染着材として機能しない。
【0007】また、い草に染着した場合に、い草に未溶
解の染料の粒子が付着して斑点状に染斑が出る問題があ
る。
【0008】本発明の目的は上記の問題点を解決すると
共に、従来の染土を用いた場合に問題となる粉塵の発生
と、染斑を防止し高品質の染着い草を得るための染土を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のい草泥染用染土
に配合される染材としては、粒子径が0.044〜3.
0mmの範囲に90%以上を占める粒度構成を有する鉱
物粗粒を、例えば水溶性染料を溶解した水溶液中に浸漬
するか、鉱物粗粒に染料水溶液をスプレーしたのち乾燥
して得た水性染料を付着した染着用粒材を用いる。
【0010】染着用粒材は、いんぺい材と、水に分散可
能な合成樹脂パウダーとを配合した混合物を染土調製の
ためのマスターバッチとすることができる。
【0011】さらに、このマスターバッチは、pH調整
剤を配合して使用する。
【0012】重質炭酸カルシウムおよび軽質炭酸カルシ
ウム等の炭酸カルシウムの微粉末と粘土あるいは塩基置
換容量を持つ鉱物微粉末は、い草への染着に際して、泥
漿物の形成材となる。その中の炭酸カルシウムは、い草
染着の主材として機能し、また、粘土あるいは塩基置換
容量を持つ鉱物は、水に溶解している染料を吸着し炭酸
カルシウムと均一に分散する基材として機能し、共に、
比表面積が3000cm2 /g以上、好ましくは120
00〜25000cm2 /gである。
【0013】粘土としては、カオリナイト,ハロイサイ
ト,ピロフイライトの如き含水珪酸マグネシウムあるい
は雲母質又は緑泥石質鉱物からなるもの、更に石英,長
石等の珪酸塩鉱物、有機物質を含むものが使用できる。
【0014】塩基置換容量を持つ鉱物としては、陽イオ
ン交換の機能を有するゼオライト,モンモリナイト等を
意味する。
【0015】水溶性染料を付着せしめた着色用粒材を形
成する鉱物としては、任意の天然、人工の素材を用いる
ことができるが、天然粒としては泥漿状態で基材粉末と
充分に混合する石灰石、珪石等の0.044〜3.0m
m程度の粗粒を用いる。
【0016】この粗粒上に付着せしめる水溶性着色剤と
しては、青色の場合、メチレンブルー,マラカイトグリ
ーン等の着色剤が使用でき、上記粗粒への付着は着色剤
を溶かした水溶液をこの粗粒に付着したのち乾燥して得
られる。
【0017】いんぺい材は、い草の泥染に際して、い草
の表面に緻密に付着して染着効果を助長するもので、酸
化チタン又は亜鉛華を使用でき、基材混合粉に対して3
〜10重量%添加する。
【0018】また、更に水分散可能な合成樹脂粉末の添
加配合は、水に溶解している染料を吸着する特性を有す
るほか、含有する界面活性剤によって泥漿物の分散性を
良くする効果を有する点から極めて重要であって、かか
る機能を有する合成樹脂粉末としては、酢酸ビニル系共
重合体樹脂パウダーを全配合物中に0.1〜1.0重量
%配合する。
【0019】また、pH調整剤は、本発明においては、
pHが9〜10程度でアルカリ性であるため、い草を染
める際に手が荒れるのを防止するための中和剤としての
使用であって、ミョウバンがい草への付着性の点で有効
であった。
【0020】ミョウバンを使用した場合、配合物のpH
を7.0±0.2程度にするためには炭酸カルシウムに
対し約1.0重量%程度使用され、衛生上の点からミョ
ウバンの使用が都合がよい。
【0021】
【作用】本発明に係るい草染着材は攪拌して水に分散し
た際に、鉱物粗粒に染料を付着させた染料用粒材は、見
掛け比重が重いため容器の底部に沈降し染料が溶解す
る。そして溶解した染料のみが基材の泥漿物中に均一に
吸着されて行くため不溶解染料による斑点状の染斑は全
く生じない。
【0022】炭酸カルシウムの微粉末は従来の青粘土に
比べ染着に有効な粒子径(約5μm以下)の含有量が非
常に多いことと、更に染料を含むために一定濃度で染着
した場合に、従来の青粘土の染土より多量のい草を染着
できる。また、染着に寄与しない粒径の粗い成分の含有
量が少ないため、染着後のい草からの染土の脱落が少な
く、粉塵の発生量が少ない。
【0023】
【実施例】
実施例1 重質炭酸カルシウム微粉末と粘土鉱物微粉末の9:1か
らなる基材粉末100重量部に対して、粒度分布が0.
59mm以上の粒子が0.1重量%、0.59〜0.3
0mmの範囲にある粒子が46.1重量%、0.30〜
0.15mmの範囲にある粒子が40.1重量%、0.
15mm以下の粒子が13.7重量%からなる石灰石粗
粒100重量部にメチレンブルー:水が1:1の水溶液
4.8重量部を加えて混合したのち乾燥した着色材粗粒
0.7重量部と、さらに、亜鉛華6.0重量部と酢酸ビ
ニル−ペオバ共重合樹脂パウダーの0.1重量部の比率
に混合したマスターバッチを調製した。このマスターバ
ッチ7.0重量部とpH調整剤としてミョウバン1.0
重量部を加えて本発明の染土を得た。
【0024】この染土を水900重量部に分散し、撹拌
機を用いて2分間撹拌した。この結果、3時間放置後の
上澄液は透明でメチレンブルーの青色は全て沈降した重
質炭酸カルシウムの方に移行して付着していた。
【0025】また、この分散液を再度撹拌した後、この
液でい草を染着し、天日で3日間乾燥した。
【0026】その結果、染土の付着性が著しく良好なう
え、青粘土単独の染土では得られない銀青色の鮮やかな
色調にい草を染着することができたほか粉塵の発生量が
少なかった。
【0027】また、サンシャインウェザーメーターを用
いて耐光性を測定した結果、60度,65%RH,8時
間照射で若干退色する程度で良好であった。
【0028】比較例1 従来の青粘土(飯田工業製 くみあい染土)の微粉(比
表面積7300cm2 /g)100重量部に対し水30
0重量部を加えて撹拌モーターで2分間撹拌した(実施
例1の約3倍の固定分濃度)染泥を得た。この分散液で
い草を染着し天日で3日間乾燥した。
【0029】この結果、実施例1で染着したものと比べ
て染土の付着性が悪く、色調も劣った他、耐光性も悪い
ことを確認した。また、粉塵が多量に発生した。
【0030】比較例2 実施例1に記載の重質炭酸カルシウム100重量部に対
し、実施例1に記載のマスターバッチ7.0重量部及び
ミョウバン1.0重量部を水900重量部に分散し撹拌
モーターで2分間撹拌した。
【0031】その結果、3時間放置後も上澄液がインキ
状に青く色がついていたほか、沈降している重質炭酸カ
ルシウムは白色のままで染料が移行せず、い草の染着に
は不適当であった。
【0032】これによって、炭酸カルシウム単独では染
料が炭酸カルシウム側に移行せず、粘土鉱物微粉末及び
酢酸ビニル−ペオバ共重合体の如き染料吸着物質が必要
であることを確認した。
【0033】比較例3 実施例1に記載の重質炭酸カルシウムと粘土鉱物の微粉
末の9:1からなる基材100重量部に対して、メチレ
ンブルー単独の粉末0.03重量部と亜鉛華6.0重量
部及び水分散性の酢酸ビニル−ペオバ共重合樹脂パウダ
ー0.1重量部、ミョウバン6.1重量部を混合した粉
末を水900重量部に分散し、撹拌モーターで2分間撹
拌した。該分散液を用いてい草を染着し、天日で3日間
乾燥した。その結果、い草染着面に点々とメチレンブル
ーの微細な斑点が生じ、製品化に大きな問題があった。
【0034】これによって、メチレンブルーを一度水に
溶解して石灰石粗粒に付着させた着色材粗粒が必要であ
ることを確認した。
【0035】実施例2 比表面積20000cm2 /gの軽質炭酸カルシウムと
比表面積1060cm2 /gのゼオライト6:4からな
る基材100重量部に対して、実施例1に記載の石灰石
粗粉100重量部にマラカイトグリーン/水(1:1)
の水溶液4.8重量部を加えて乾燥した着色剤0.7重
量部、酸化チタン6.0重量部、水分散性のエチレン−
酢酸ビニル共重合樹脂パウダー0.1重量部の比率に混
合したマスターバッチ7.0重量部とミョウバン1.0
重量部を加えて水900重量部に分散し、撹拌モーター
で2分間撹拌した。
【0036】その結果3時間放置後の上澄液は透明でマ
ラカイトグリーンの青色は全て軽質炭酸カルシウムの方
に移行して付着していた。また、該分散液を用いてい草
を染着し天日で3日間乾燥した結果、実施例1より更に
良好な付着性を示し、色調も極めて良好であった。
【0037】実施例3 実施例2の条件の中でマスターバッチの量を14.0重
量部、水の量を2000重量部とした以外は実施例2と
同一条件でい草の染着試験を行った。
【0038】この結果、従来の青粘土単独の場合(水3
00重量部)より約6.7倍に希釈した。この配合の方
がい草に対する付着状態がよく、色調も良好であった。
【0039】
【発明の効果】本発明によって以下の効果を奏すること
ができる。
【0040】(1)資源が豊富な石灰石を主原料にする
ため、品質及び供給が安定化する。
【0041】(2)従来の青粘土を用いた染土と比べ、
い草の染着に有効な着色剤微粒子の含有量が著しく高い
ために染着効果が良く、従来の1/6程度の使用量で充
分な染着が可能である。
【0042】(3)い草を染料によって色彩調整を行う
ために、色調が鮮明であるほか、その変更も自在であ
る。
【0043】(4)染着したい草の耐光性が良く、変色
が少ない。
【0044】(5)染着効率が良いため、不用廃液が少
なくなるほか、粉塵の発生量も少なく、公害防止及び衛
生上の面で有利である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B27K 9/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子径が0.044〜3.0mmの範囲
    に90%以上を占める粒度構成を有する鉱物粗粒表面に
    水溶性染料を付着したい草の染着用粒材。
  2. 【請求項2】 粒子径が0.044〜3.0mmの範囲
    に90%以上を占める粒度構成を有する鉱物粗粒表面
    に、水溶性染料を溶解した水溶液を付着せしめたのち乾
    燥するい草の染着用粒材の製造法。
  3. 【請求項3】 粒子径が0.044〜3.0mmの範囲
    に90%以上を占める粒度構成を有する鉱物粗粒表面に
    水溶性染料を付着した染着用粒材と、いんぺい材と、水
    に分散可能な合成樹脂パウダーとの配合物からなるい草
    の染着材調製用マスターバッチ。
  4. 【請求項4】 炭酸カルシウム微粉末と粘土鉱物或いは
    塩基置換容量を持つ鉱物の微粉末からなる比表面積が3
    000cm2 /g以上の基材微粉末に粒子径が0.04
    4〜3.0mmの範囲に90%を占める粒度構成を有す
    る鉱物粗粒表面に水溶性染料を付着した染着用粒材と、
    いんぺい材と水に分散可能な合成樹脂パウダーとを配合
    したマスターバッチにpH調整剤を配合してなる、い草
    の染着材。
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