JP3148995U - スラット及びスラットコンベヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】スラット間の搬送物の噛み込みを抑制すると共に、反り角度をより大きくすることが可能なスラットを提供する。【解決手段】スラット5は、スラット本体10と補助部材11とを備える。スラット本体10は、湾曲部13を有する。補助部材11は、後端部11aを有する。断面において、湾曲部13の外表面13aは、湾曲が開始する湾曲開始点Xを有する。先端側のスラット5Aの後端12cが描く軌跡を含む仮想円C1は、載置面12aを含む仮想平面Hと接する頂点Oを有する。湾曲開始点Xは、頂点Oより後端側に位置する。湾曲部13の外表面13aは、仮想円C1と交わる第1及び第2の交点Z,Yを有し、第1及び第2の交点Z,Y間は、仮想円C1の内側に位置すると共に、回転軸8aからの距離が一旦小さくなりその後大きくなっていくように形成されている。【選択図】図4
Description
本考案は、スラットコンベヤに用いられるスラット、及び、このスラットを用いたスラットコンベヤに関する。
従来から、左右一対のローラーチェーン間に複数のスラットを掛け渡したスラットコンベヤが知られている。下記特許文献には、その先端側が円弧状に下方へ湾曲したスラットが開示されている。このスラットの湾曲面は、前方に配置されたスラットがその後方に配置されたスラットに対して回転する際に、前方スラットの後端が描く円の軌跡に沿って形成されている。
登録実用新案第3021839号公報
ところで、スラットコンベヤには、水平から斜め上方に向かう搬送路を有しているものがある。この場合、搬送路において、前方スラットは後方スラットに対して上方に反ることとなる。スラットの反り角度は、スラットコンベヤの大きさを小型化するために、より大きくすることが求められている。反り角度を大きくするために、例えば、前方スラットと後方スラットとの隙間を大きくすることが考えられる。しかし、隙間を大きくすると、前後に隣り合うスラット間の隙間から搬送物がこぼれ易くなるので、問題である。
上記実用新案公報に記載のスラットは、後端面が後方スラットの湾曲面に対面するように、下側角部が削られてナイフエッジ状に加工されている。このため、反り角度が最大となる際に、前方スラットの後端面と後方スラットの湾曲面との間に搬送物が噛み込まれ易くなる虞がある。また、前方スラットが後方スラットに対して内側に屈曲したときに、前方スラットの後端面と後方スラットの湾曲面との間に隙間ができる。このため、搬送物が噛み込まれ易くなる虞がある。
本考案は、上記問題点を解消する為になされたものであり、連続するスラット間の搬送物の噛み込みを抑制すると共に、反り角度をより大きくすることが可能なスラット、及び、スラットコンベヤを提供することを目的とする。
本考案のスラットは、搬送物を搬送するスラットコンベヤに用いられるスラットであって、ローラーチェーンを構成する複数のローラーのうち前後に並ぶ一対のローラーそれぞれに当該ローラーの回転軸を軸として回転可能に連結されると共に、先端側に配置される他のスラットと一対のローラーのうち先端側のローラーを共有して連結されるスラットにおいて、搬送物を載置する載置面を有する平板部と、当該平板部の先端側において平板部の裏面側へ湾曲した湾曲部と、を有するスラット本体と、平板部の裏面側に設けられ、スラット本体の後端より先端側に位置する後端部を有する補助部材と、を備え、載置面に垂直かつ後端から先端へ向かう方向に平行な断面において、湾曲部の外表面は、平板部から湾曲部に向かって湾曲が開始する湾曲開始点を有し、先端側に配置されるスラットの平板部の後端が先端側のローラーの回転軸を軸として回転することによって描く軌跡を含む仮想円は、回転軸の平板部側で載置面を含む仮想平面と接する頂点を有し、湾曲開始点は、仮想円の頂点より後端側に位置し、湾曲部の外表面は、頂点より後端側において仮想円と交わる第1の交点と、湾曲部の先端側において仮想円と交わる第2の交点とを有し、第1の交点と第2の交点との間の部分が、仮想円の内側に位置すると共に第1の交点から第2の交点に向かって回転軸からの距離が一旦小さくなりその後大きくなっていくように形成されていることを特徴とする。
本考案のスラットでは、スラット本体の先端側が裏面側へ湾曲している。このため、スラットの先端側に配置される他のスラットの後端及び補助部材の後端部が、スラットの湾曲部の外表面に対向しながらローラーの回転軸を軸として回転する。スラット本体の湾曲部の外表面は、上記断面において、平板部から湾曲部に向かって湾曲が開始する湾曲開始点が、上記仮想円の頂点より後端側に位置する。このため、先端側のスラットが、スラットの載置面の上方へ反っていくと、スラット本体の後端は、仮想円の頂点を超えてより後方まで達することができる。このため、スラットの反り角度をより大きくすることができる。
また、スラット本体の湾曲部の外表面は、仮想円と交わる上記第1の交点と第2の交点との間の部分が、仮想円の内側に位置すると共に、第1の交点から第2の交点に向かってローラーの回転軸からの距離が一旦小さくなりその後大きくなっていく。よって、先端側のスラットが、上方へ反っていく過程では、反り角度が最大となる付近で、先端側のスラット本体の後端と当該スラットの湾曲部の外表面との間の隙間が徐々に小さくなっていく。このため、スラット間の隙間に入り込み易い搬送物を先端側のスラット本体の後端によって払い出すワイパー効果を発揮する。従って、スラットが反った状態において、連続するスラット間の搬送物の噛み込みを抑制できる。
更に、先端側のスラットが、内側に屈曲していく過程でも、屈曲角度が最大となる付近で、先端側のスラット本体の後端と当該スラットの湾曲部の外表面との間の隙間が徐々に小さくなっていく。また、スラットは、スラット本体の後端に加えて、スラット本体の後端より先端側に位置する補助部材の後端部を有する。よって、先端側に配置されるスラットの後端と補助部材の後端部との双方が、当該スラットの湾曲部の外表面に近づく。このため、屈曲状態において、スラット間の隙間をより小さく、密着した状態に近づけることができる。従って、スラットが内側に屈曲した状態において、連続するスラット間の搬送物の噛み込みを抑制できる。
本考案のスラットは、平板部の後端部における載置面側の角が面取加工されていることが好ましい。この場合、先端側のスラットと当該スラットの平板部が反っていく過程において、先端側のスラットの後端と当該スラットの湾曲部との間の搬送物を先端側のスラット本体の載置面側にすくい上げるワイパー効果を更に大きくすることができる。よって、搬送物の噛み込みを更に抑制することができる。
本考案のスラットは、平板部の裏面と補助部材の後端部とによって画成される空間に配置されたシール材を備えることが好ましい。この場合、先端側のスラット本体の後端及び補助部材の後端部に加えて、シール材が配置されることとなる。このため、先端側のスラットと当該スラットとの密着性を更に向上させることができる。
本考案のスラットコンベヤは、複数の上記のスラットと、スプロケットに掛け渡されたローラーチェーンと、を備え、各スラットは、ローラーチェーンを構成する複数のローラーのうち前後に並ぶ一対のローラーそれぞれに当該ローラーの回転軸を軸として回転可能に連結されると共に、先端側に配置されるスラットと一対のローラーのうち先端側のローラーを共有して連結されていることを特徴とする。
本考案のスラットコンベヤでは、上記のスラットを備えているため、連続するスラット間の搬送物の噛み込みを抑制すると共に、反り角度をより大きくすることができる。
本考案によれば、連続するスラット間の搬送物の噛み込みを抑制すると共に、反り角度をより大きくすることを可能とする。
以下、図面を参照して本考案の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図1は、実施形態に係るスラットコンベヤの概略を示す平面図である。実施形態に係るスラットコンベヤ1は、図1における左斜め上方へ向かって設けられた搬送路2に沿って搬送物を搬送する。搬送物は、例えば、古紙、ペットボトル、廃棄プラスチック、又は、これらの破砕物等である。
スラットコンベヤ1は、搬送路2の両端にそれぞれ配置された一対のスプロケット3,3と、一対のスプロケット3,3に掛け渡された2条のローラーチェーン4,4と、この2条のローラーチェーン4,4間に配置された複数のスラット5を備える。モータ6によりスプロケット3が回転し、ローラーチェーン4,4と共にこのローラーチェーン4,4に連結された複数のスラット5が搬送路2に沿ってスライドする。搬送路2は、直線状の部分101、スプロケット3の周囲のように円弧状の部分102、及び、水平から斜め上方へ移行するために上方に反って湾曲している部分103を有している。なお、図1では、ローラーチェーン4及びスラット5を簡略化して示している。
図2は、実施形態に係るスラット及びローラーチェーンを構成するローラーを示す平面図である。図3は、実施形態に係るスラット及びローラーを示す断面図である。各スラット5は、両側をローラーチェーン4,4にチェーンアタッチメント7,7を介して連結されている。スラット5の両端それぞれは、スラットコンベヤ1の進行方向に沿って前後に並ぶ1対のローラー8,9それぞれに、ローラー8,9の回転軸8a,9aを軸として回転可能に連結されている。
一対のローラー8,9のうち先端側(進行方向前方側)のローラー8は、スラット5の先端側に配置されたスラット5Aが連結された一対のローラーのうち後端側のローラーとして機能する。すなわち、スラット5は、連結された先端側のローラー8を先端側のスラット5Aと共有し、後端側のローラー9を後端側に配置されたスラットと共有している。なお、先端側のスラット5Aは、スラット5と同形状であり、説明のため、異なる符号を用いている。
スラット5は、スラット本体10と補助部材11とを有している。スラット本体10は、矩形状の平板部12と、平板部12の先端側に位置して平板部12の裏面12b側に湾曲した湾曲部13とを有している。スラット本体10は、例えば、鋼材等の板部材の先端側を裏面側に湾曲させることで形成される。スラット本体10は、平板部12の上面が、主に搬送物を載置する載置面12aとして機能する。載置面12a及びその裏面12bは、一対のローラー8,9の回転軸8a,9aを含む平面と平行に配置されている。
また、平板部12の後端側は、載置面12a側の角部が面取加工され、平板部12の後端側はナイフエッジ状に形成されている。平板部12の後端12cは、裏面12bと後端面12dとに挟まれた鋭角部分である。なお、図3は、図2に示すスラット本体12の載置面12aに垂直かつ後端から先端に向かう方向に垂直な断面を示す。この断面は、回転軸8a,9aに垂直な面である。
補助部材11は、断面L字型の部材であり、補助部材11の平面が、スラット本体10における平板部12の裏面12bに接合されている。補助部材11は、その後端部11aが、平板部12の裏面12b側において、後端12cより先端側に位置する。後端部11aの下側角部は、R面取り加工が施され、丸みを帯びている。
図4を参照し、スラット5の形状について詳細に説明する。図4は、実施形態に係るスラットの断面図である。図4は、上記図3の断面と同様な断面を示す。スラット本体10の湾曲部13は、この断面上において次のような形状を有している。
湾曲部13の外表面13aは、平板部12から湾曲部13に向かって湾曲し始める湾曲開始点Xを有する。湾曲開始点Xは、湾曲部13の外表面13aにおいて平板部12との接合線が断面と交わる点である。図4に、先端側のスラット5Aの後端12cが、ローラー8の回転軸8aを軸として回転することによって描く軌跡を含む仮想円C1を破線で示す。仮想円C1は、回転軸8aの平板部12側において、載置面12aを含む仮想平面Hと接する頂点Oを有する。湾曲開始点Xは、仮想円C1の頂点Oより後端側に寸法αだけオフセットしている。
また、湾曲部13の外表面13aは、頂点Oより後端側において仮想円C1と交わる第1の交点Zと、湾曲部13の先端側において仮想円C1と交わる第2の交点Yを有する。湾曲部13の外表面13aにおける第1の交点Zと第2の交点Yとの間の弧13bは、仮想円C1の内側に位置している。また、第1の交点Zと第2の交点Yとの間の弧13bは、第1の交点Zから第2の交点Yに向かってローラー8の回転軸8aからの距離が一旦小さくなりその後大きくなっていく。
スラット5とその先端側のスラット5Aの載置面12a同士が断面において直線状に並ぶ直線状態S1において、先端側のスラット5Aが有する後端12cと回転軸8aとを結ぶ線と、湾曲部13の外表面13aとの交点を第3の交点Mとすると、第3の交点M付近で弧13bと回転軸8aとの距離が最小となる。
本実施形態において、第1の交点Zと第2の交点Yとの間の弧13bは、真円C2の円弧に沿って形成されている。真円C2は、第1の交点Z及び第2の交点Yを通り、仮想平面Hに接する円である。真円C2の中心P1は、ローラー8の回転軸8a、すなわち仮想円C1の中心より下方かつ後端側にずれている。
第1の交点Zは、仮想円C1上の点で、先端側のスラット5Aが上方へ最大に反った状態S2おける、先端側のスラット5Aが有する後端12cの位置である。よって、最大の反り角度βを所望する場合、直線状態S1の先端側のスラット5Aが有する後端12cの位置から回転軸8aを中心として、反る方向に角度βだけ回転した点を第1の交点Zとすればよい。
第2の交点Yは、仮想円C1上の点で、先端側のスラット5Aが内側へ最大に屈曲した屈曲状態S3における、先端側のスラット5Aが有する後端12cの位置である。よって、8丁型のスプロケット3の場合、直線状態S1の先端側のスラット5Aが有する後端12cの位置から回転軸8aを中心として、内側の屈曲方向に45°だけ回転した点を第2の交点Yとすればよい。なお、図4において、反る方向の回転は時計回りを意味し、屈曲方向の回転は反時計回りを意味する。
第2の交点Yより先端側は、直線状に形成されている。この湾曲部13のうち先端側において直線状に形成された直線部13cは、使用するアタッチメント7、スプロケット3の歯数等によって、その長さや角度が設定される。また、この直線部13cと補助部材11の後端部11aとの形状は、互いにその形状や配置位置に応じて設定される。
スラット本体10の先端から後端までの寸法は、例えば、170mm程度、真円C2の半径は30mm程度、湾曲開始点Xの頂点Oからのオフセット量(寸法α)は3mm程度である。ただし、図4は、オフセット量や、湾曲部13の外表面13aと仮想円C1との差を見やすくするために、実際の寸法比通りではなく特徴を誇張して記載している。
引き続き、スラットコンベヤ1の動作を説明すると共に、実施形態に係るスラット5の形状による効果を説明する。スラットコンベヤ1では、スラット5に対して、先端側のスラット5Aが、ローラー8の回転軸8aを軸に搬送路2の形状に応じて回転する。先端側のスラット5Aが有するスラット本体10の後端12cと補助部材11の後端部11aとが、スラット5の湾曲部13の外表面13aに対向しながら回転する。
図5は、図1に示すスラットコンベヤにおいて搬送路が円弧状の部分を示す断面図である。スラット5とその先端側のスラット5Aは、スプロケット3に勘合すると、直線状態S1から屈曲状態S3へ移行する。
図4に示したように、湾曲部13の外表面13aは、上記の断面において、第1の交点Zから第2の交点Yの間の弧13bが、仮想円C1の内側に位置すると共に、第1の交点Zから第2の交点Yに向かってローラー8の回転軸8aからの距離が一旦小さくなりその後大きくなっている。このため、屈曲状態S3に近づく過程において、先端側のスラット5Aの後端12cとスラット5の湾曲部13との間の隙間が徐々に小さくなっていく。
そして、屈曲状態S3では、先端側のスラット5Aの先端12cが第2の交点Yに当接する。このため、屈曲状態S3において、スラット5間の隙間をより小さく、密着した状態に近づけることができるので、連続するスラット5間の搬送物の噛み込みを抑制できる。更に、スラット5は、スラット本体10の後端12cに加えて、後端12cより先端側に位置する後端部11aを有している。このため、先端側に配置されるスラット5Aの後端12cと補助部材11の後端部11aとの双方が、当該スラット5の湾曲部13に近づき、更に密着性を高めることができる。
スラット5は、円弧に沿って回転した後、再び、直線状態S1へ戻る。この直線状態S1の付近において、スラット5間の隙間が最大となる。また、この状態では、スラット5の載置面12aが下方を向いている。このため、喩え、スラット5間に搬送物が噛み込まれていたとしても、直線状態S1に戻ったときに、落下させることができる。
図6は、図1に示すスラットコンベヤにおいて搬送路が上方に反って湾曲している部分を示す断面図である。この付近で、スラット5は、直線状態S1から反った状態S2へ移行する。
図4に示したように、湾曲部13の外表面13aは、上記断面において、湾曲開始点Xが仮想円C1の頂点Oより後端側に位置する。このため、先端側のスラット5Aが、直線状態S1から反っていくと、その先端側のスラット5Aの後端12cは、仮想円C1の頂点Oを超えてより後方まで達することができる。このため、スラット5の反り角度をより大きくすることができる。例えば、反った状態S2において、直線状態S1から36.5°程度反ることができる。このため、搬送路2の最少半径を小さくでき、スラットコンベヤ1を小型化することができる。
また、先端側のスラット5Aが、反った状態S2に近づく過程では、先端側のスラット5Aの後端12cと、スラット5の湾曲部13との間の隙間が徐々に小さくなっていく。先端側のスラット5Aの先端12cは、仮想平面Hの下側から第1の交点Zへ近づいていく。そして、反った状態S2では、先端側のスラット5Aの先端12cが第1の交点Zに当接する。このため、スラット5間の隙間に入り込み易い搬送物を先端側のスラット5Aの後端12cによって払い出すワイパー効果を発揮する。従って、連続するスラット5間の搬送物の噛み込みを抑制できる。
特に、第3の交点M付近で、弧13bと回転軸8aとの距離が最大となるように湾曲部13が形成されているので、直線状態S1から屈曲状態S3へ移行する過程において、スラット5間の隙間が確実に小さくなっていく。このため、より確実に搬送物の噛み込みを抑制できる。
更に、スラット5の後端部は、載置面12a側の角が面取加工されている。このため、直線状態S1から反った状態S2となる過程において、先端側のスラット5Aの後端12cとスラット5の湾曲部13との間の搬送物を先端側のスラット5Aの載置面12a側にすくい上げ、ワイパー効果を更に大きくすることができる。よって、搬送物の噛み込みを更に抑制することができる。特に、本実施形態では、スラット5の後端部をナイフエッジ状に加工しているので、よりワイパー効果を大きくすることができる。
以上説明したように、湾曲部13の外表面13aと回転軸8aとの間の距離を変化させることにより、スラット5間の隙間が、動的かつ徐々に変化する。すなわち、湾曲部13は、スラット5間の隙間が、反った状態S2で最小となり、直線状態S1の付近で最大となり、屈曲状態S3で再び最小となるように形成されている。これにより、連続するスラット5間の搬送物の噛み込みを抑制することができる。また、スラット5間の隙間を大きくすることなく、反り角度をより大きくすることができる。
更に、上記の湾曲部13は、回転軸8aより後方かつ下方にオフセットした中心を有する真円C2の円弧に沿っているので、上記の湾曲部13の条件を満たすと共に、容易に製造することができる。
以上、本考案の実施の形態について説明したが、本考案は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。以下、変形例について説明する。
(第1の変形例)
図7に示すように、上記のスラット5は、更に、後端側に配置されるシール材14を備えていてもよい。図7は、実施形態の第1の変形例に係るスラットの断面図である。シール材14は、平板部12の裏面12bと、補助部材11の後端部11aと、後端12cを通り後端部11aと接する面とによって画成される空間に配置されている。
図7に示すように、上記のスラット5は、更に、後端側に配置されるシール材14を備えていてもよい。図7は、実施形態の第1の変形例に係るスラットの断面図である。シール材14は、平板部12の裏面12bと、補助部材11の後端部11aと、後端12cを通り後端部11aと接する面とによって画成される空間に配置されている。
シール材14は、心材等を用いることができるが、断面形状は、円形に限られない。材質は、例えば、ポリアセタール(POM)等のプラスチック、又は鉄、アルミニウム等である。このシール材14は、ウレタン樹脂等の接着材15によって平板部12の裏面12bと補助部材11の後端部11aとに接着されている。
シール材14を備えることで、先端側のスラット本体10の後端12c及び補助部材11の後端部11aに加えて、シール材14が、スラット5の湾曲部13との間に配置されることとなる。このため、スラット5間の密着性を更に向上させることができる。
また、ウレタン樹脂等の接着剤15を介してシール材14を接着するので、隣り合うスラット5間の衝撃を吸収することができる。すなわち、スラットコンベヤ1では、起動及び停止する時にローラーチェーン4を介してスラット5も衝撃を受けるので、この衝撃を吸収することができる。
(第2の変形例)
上記実施形態では、湾曲部13の外表面13aの断面形状を真円C2の円弧に沿って形成したが、これに限られない。湾曲部13の外表面13aの断面形状は、曲率の変化する曲線形状であってもよい。図8に示すように、楕円の弧に沿って形成してもよい。図8は、実施形態の第2の変形例に係るスラットの断面図である。
上記実施形態では、湾曲部13の外表面13aの断面形状を真円C2の円弧に沿って形成したが、これに限られない。湾曲部13の外表面13aの断面形状は、曲率の変化する曲線形状であってもよい。図8に示すように、楕円の弧に沿って形成してもよい。図8は、実施形態の第2の変形例に係るスラットの断面図である。
仮想円C1の頂点Oから仮想平面Hに沿って寸法αだけ後方の点を湾曲開始点X1とする。回転軸8aから仮想平面Hに沿って寸法αだけ後方の点を中心P2とすると、中心P2と湾曲開始点X1をつなぐ線分が、楕円C3の半短軸である。中心P2を通り半長軸に垂直な直線と仮想円C1との交点を第2の交点Y2とすると、中心P2と第2の交点Y1とをつなぐ線分が、楕円C3の半長軸である。
第2の変形例に係るスラット15は、スラット本体20の湾曲部23の形状が、楕円C3の弧に沿って形成されている。従って、スラット本体20の湾曲部23の外表面23aは、上記断面において、平板部12から湾曲部23に向かって湾曲が開始する湾曲開始点X1が、仮想円C1の頂点Oより後端側に位置する。また、頂点O側において、楕円C3が、仮想円C1と交わる第1の交点Z1と上記の第2の交点Y1との間の弧が、仮想円C1の内側に位置すると共に、第1の交点Z1から第2の交点Y1に向かって回転軸8aからの距離が一旦小さくなりその後大きくなっていく。このため、上記の実施形態の場合と同様に、先端側に位置するスラット15Aとスラット15との間において、搬送物の噛み込みを抑制すると共に、反り角度をより大きくすることができる。
また、補助部材21の後端部21aは、屈曲状態S3となったときに、湾曲部23と当接するように形成されている。従って、スラット15間の密着性を向上させることができる。
(第3の変形例)
上記第2の変形例に係るスラット15では、長軸がスラット15の載置面と平行な楕円C3の弧に沿って湾曲部23を形成したが、これに限られない。図9に示すように、長軸が、スラット25の載置面と交わる楕円C4に沿って湾曲部33を形成してもよい。図9は、実施形態の第3の変形例に係るスラットの断面図である。なお、図9に示す点P3は、楕円C4の中心点である。
上記第2の変形例に係るスラット15では、長軸がスラット15の載置面と平行な楕円C3の弧に沿って湾曲部23を形成したが、これに限られない。図9に示すように、長軸が、スラット25の載置面と交わる楕円C4に沿って湾曲部33を形成してもよい。図9は、実施形態の第3の変形例に係るスラットの断面図である。なお、図9に示す点P3は、楕円C4の中心点である。
楕円C4は、湾曲開始点X1と第2の交点Y1とを通る楕円であり、仮想円C1との第1の交点Z2を有する。また、楕円C4は、第1の交点Z2と上記の第2の交点Y1との間の弧が、仮想円C1の内側に位置すると共に、第1の交点Z2から第2の交点Y1に向かって回転軸8aからの距離が一旦小さくなりその後大きくなっていく。
第3の変形例に係るスラット25は、スラット本体30の湾曲部33の形状が、楕円C4の湾曲開始点X1と第2の交点Y1との間の弧に沿って形成されている。従って、上記の実施形態の場合と同様に、先端側に位置するスラット25Aとスラット25との間において、搬送物の噛み込みを抑制すると共に、反り角度をより大きくすることができる。
以上説明した本考案の実施形態及び第1〜第3の変形例は、更なる種々の変形が可能である。例えば、補助部材11の形状は、断面L字型に限られず、後方のスラットの湾曲部との密着性を向上させるための端点を与える後端部11aを形成できればよい。また、後端部11a及び直線部13cの形状は、屈曲状態S3において、先端側のスラット5Aの後端部11aとスラット5の直線部13cとの密着性が向上するように、設定すればよい。
なお、上記説明では、スラット5の後端から先端に向かう方向をスラットコンベヤ1の進行方向としたが、スラットコンベヤは、スラット5の先端から後端に向かう方向を進行方向とするものであってもよい。
1…スラットコンベヤ、3…スプロケット、4…ローラーチェーン、5(5A)、15、25、35…スラット、8…ローラー、8a…回転軸、10、20、30…スラット本体、11…補助部材、12…平板部、12a…載置面、12b…裏面、12c…後端、13、23、33…湾曲部、13a…外表面、14…シール材、O…頂点、X、X1…湾曲開始点、Z、Z1、Z2…第1の交点、Y、Y1…第2の交点、C1…仮想円、H…仮想平面。
Claims (4)
- 搬送物を搬送するスラットコンベヤに用いられるスラットであって、
ローラーチェーンを構成する複数のローラーのうち前後に並ぶ一対のローラーそれぞれに当該ローラーの回転軸を軸として回転可能に連結されると共に、先端側に配置される他のスラットと前記一対のローラーのうち先端側のローラーを共有して連結されるスラットにおいて、
前記搬送物を載置する載置面を有する平板部と、当該平板部の先端側において前記平板部の裏面側へ湾曲した湾曲部と、を有するスラット本体と、
前記平板部の裏面側に設けられ、前記スラット本体の後端より先端側に位置する後端部を有する補助部材と、
を備え、
前記載置面に垂直かつ後端から先端へ向かう方向に平行な断面において、
前記湾曲部の外表面は、前記平板部から前記湾曲部に向かって湾曲が開始する湾曲開始点を有し、
前記先端側に配置されるスラットの前記平板部の後端が前記先端側のローラーの回転軸を軸として回転することによって描く軌跡を含む仮想円は、前記回転軸の前記平板部側で前記載置面を含む仮想平面と接する頂点を有し、
前記湾曲開始点は、前記仮想円の頂点より後端側に位置し、
前記湾曲部の外表面は、前記頂点より後端側において前記仮想円と交わる第1の交点と、前記湾曲部の先端側において前記仮想円と交わる第2の交点とを有し、前記第1の交点と前記第2の交点との間の部分が、前記仮想円の内側に位置すると共に前記第1の交点から前記第2の交点に向かって前記回転軸からの距離が一旦小さくなりその後大きくなっていくように形成されていることを特徴とするスラット。 - 前記平板部の後端部は、前記載置面側の角が面取加工されていることを特徴とする請求項1に記載のスラット。
- 前記平板部の前記裏面と、前記補助部材の前記後端部とによって画成される空間に配置されたシール材を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のスラット。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の複数のスラットと、
スプロケットに掛け渡されたローラーチェーンと、を備え、
前記複数のスラットそれぞれは、前記ローラーチェーンを構成する複数のローラーのうち前後に並ぶ一対のローラーそれぞれに当該ローラーの回転軸を軸として回転可能に連結されると共に、先端側に配置されるスラットと前記一対のローラーのうち先端側のローラーを共有して連結されていることを特徴とするスラットコンベヤ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008009034U JP3148995U (ja) | 2008-12-24 | 2008-12-24 | スラット及びスラットコンベヤ |
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JP2008009034U JP3148995U (ja) | 2008-12-24 | 2008-12-24 | スラット及びスラットコンベヤ |
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JP3148995U true JP3148995U (ja) | 2009-03-05 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013015384A (ja) * | 2011-07-04 | 2013-01-24 | Sinfonia Technology Co Ltd | シャシダイナモメータの可動式ピットカバー |
JP2013151350A (ja) * | 2012-01-25 | 2013-08-08 | Toyota Motor Corp | 搬送装置 |
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2008
- 2008-12-24 JP JP2008009034U patent/JP3148995U/ja not_active Expired - Fee Related
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