JP3147408U - ヘッドホンおよびイヤーマフ - Google Patents

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慎也 漆崎
雅徳 木村
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Abstract

【課題】ハウジング内空間の確実な拡大により、ヘッドホンやイヤーマフにおける受動的な遮音特性の向上を図る。
【解決手段】ユーザーの耳Aに対応する側の端部が開放したハウジング1と、このハウジング1の開放端部の全周に渡って固定されたリング状の補強部材6と、この補強部材6の外端面に固着された表面部材7とを有している。補強部材6は、外周側よりも内周側がハウジング1から遠ざかるように成形されていて、ハウジング1の内部空間Xに続き、補強部材6の背面側に、新たな空間Yが形成される。補強部材6の背面側に形成された新たな空間Yは、たとえユーザーがヘッドホンを頭部に装着して表面部材7が押し潰されたとしても、確実に確保され、ハウジング1による空間Xに加算されるので、受動的な遮音特性の向上が図れる。イヤーマフにおいても同様である。
【選択図】図2

Description

本考案は、ヘッドホンまたはイヤーマフの改良に関する。
一般に、ヘッドホンやイヤーマフ(earmuff)は、ユーザー(使用者)の耳に対応する側の端部が開放したドーム(dome)状のハウジングと、そのハウジングの開口の周囲端面に設けられて、耳当てとなるドーナツ状のパッド(イヤーパッド)とから構成される。
ヘッドホンの場合は、単に受動的な遮音のみを目的としたイヤーマフとは異なるから、ハウジングは内側にバッフル(baffle)板を備えて、そのバッフル板には、開口方向に向けて電気音響変換用のドライバユニットやプロテクタ(保護板)が搭載される。プロテクタはバッフル板と一体成型されているものもある。
ところで、ヘッドホンやイヤーマフでは、ユーザーに対し、受動的な騒音、すなわちパッシブで不要な外部からの音を効果的に遮断することが要求される。
その受動的で不要な外部からの音を効果的に遮断するためには、ユーザーがヘッドホンやイヤーマフを装着することによって形成されるハウジング内の空間容積、すなわちキャビティの内容積をできるだけ大きくするのが望ましいとされている。(例えば、特許文献1参照)。
図3は従来のヘッドホンの例を示した断面図である。ヘッドホンはヘッドバンドに繋がれた2個を一対とし、左右のヘッドホンがユーザーの左右の各耳を覆うようにして使用されるものであるから、左右のヘッドホンは同型に構成されるものである。図3は、左右一対のうちの一方のみを示している。
図3に示したように、従来のヘッドホンは、ユーザーの耳に対応する側の端部が開放したドーム状のハウジング1と、このハウジング1の開口の周囲端面に設けられ、内部にクッション材を収納したドーナツ状のパッド2と、電気音響変換用のドライバユニット3とバッフル板5を有してなる。ドライバユニット3はバッフル板5に嵌め込まれてハウジング1内に取り付けられている。ドライバユニット3の前方直近にはパンチングメタルなどからなる網状のプロテクタ4が嵌め込まれている。
ドライバユニット3は、外周面がバッフル板5の内周面に連結固定されたドーナツ状のフレーム31と、フレーム31の内周面に連結固定され、永久磁石32および磁極板33を収納した有底円筒状のヨーク34と、ヨーク34と磁極板33との間の磁気ギャップ内に介挿配置された環状のボイスコイル35と、このボイスコイル35の一端が結合され、外側周縁がフレーム31の外側縁部に接続されたドーム状の振動板36とを有してなる。
振動板36は、中央部のメインドームとそれを取り囲む領域部分に対応するサブドームとから構成されていて、プロテクタ4も、振動板36の形状に対応するように、中央部のメインドームとその周囲のサブドームで構成されている。
上記構成の従来のヘッドホンにおいて、パッド2には、背面側すなわちハウジング1側に開口部2bが設けられていて、クッション材が収納された内部空間2aと、バッフル板5で区切られたハウジング1の前部キャビティXとが連通するように構成されている。ハウジング1の前面側のキャビティXが、パッド2の開口部2bを介して、パッド2の内部空間2aと連通することにより、ユーザーがヘッドホンを装着したとき、キャビティXの容積が実質上増大することから、受動的な遮音特性が良好に得られるように工夫されている。
図3では、ハウジング1内にバッフル板5を取り付けたヘッドホンを示したが、バッフル板5を設けないイヤーマフの場合も同様で、キャビティXはハウジング1の全容積となる。イヤーマフの場合も、ハウジング1内部のキャビティXが、パッド2の開口部2bを通じてパッド2の内部空間に連通し、キャビティXが実質上拡大されることにより、前記ヘッドホンの場合と同様に受動的な遮音特性の向上が図られることが期待されている。
特開平3―165694号公報
上記のように、従来のヘッドホンおよびイヤーマフでは、パッド2に、ハウジング1のキャビティXに連なる開口部2bを設け、キャビティXの実質上の容積拡大を図り、受動的な遮音特性の向上を図っている。
しかしながら、上記構成による従来のヘッドホンでは、パッド2は、クッション材を内蔵させてはいるものの、ユーザーがヘッドホンを装着したとき、ヘッドホンはヘッドバンドの弾性力により頭部に強く押し付けられて、パッド2は圧縮される。その結果、図4に示したように、パッド2は押し潰され、パッド2の内部空間2aが狭められる。従って、開口部2bをパッド2に設けることによって、ハウジング1によって形成されるキャビティXの実質上の容積拡大を目指しているものの、パッド2が押し潰されることにより、期待したほどの容積拡大は得られず、受動的な遮音特性の向上が十分得られないという問題があった。これは、イヤーマフの場合も同様である。なお、図4において、符号Aはユーザーの耳を示している。
そこで本考案は、ユーザーがヘッドホンやイヤーマフを頭部に装着しても、受動的な遮音特性の向上が十分可能なヘッドホンおよびイヤーマフを提供することを目的とする。
本考案のヘッドホンは、ユーザーの耳に対応する側の端部が開放したハウジングと、このハウジングの開放端部の全周に渡って固定されたリング状の補強部材と、この補強部材の外側面に固着された表面部材と、上記ハウジング内に取付けられたドライバユニットと、を備え、上記補強部材は、外周側よりも内周側がハウジングから遠ざかるように成形されることにより、ハウジングの内部空間に続く補強部材の背面側の空間が形成され、上記表面部材は、上記補強部材の外側面の外周側と内周側にまたがって固着され、上記補強部材との間に空間が形成されていることを特徴とする。
また、本考案のイヤーマフは、ユーザーの耳に対応する側の端部が開放したハウジングと、このハウジングの開放端部の全周に渡って固定されたリング状の補強部材と、この補強部材の外側面に固着された表面部材と、を備え、上記補強部材は、外周側よりも内周側がハウジングから遠ざかるように成形されることにより、ハウジングの内部空間に続く補強部材の背面側の空間が形成され、上記表面部材は、上記補強部材の外側面の外周側と内周側にまたがって固着され、上記補強部材との間に空間が形成されていることを特徴とする。
上記のように、本考案に係るヘッドホンおよびイヤーマフは、ハウジングの開放端部の全周に渡って固定されたリング状の補強部材を備え、その補強部材は、外周側よりも内周側がハウジングから遠ざかるように成形されるとともに、その補強部材の外端面に、従来のパッドに対応した表面部材が固着されている。
上記補強部材の存在により、補強部材の背面側には、たとえユーザーが、表面部材が押し潰すようにヘッドホンおよびイヤーマフを頭部に装着したとしても狭まることのない、新たな空間Yが形成されて確保される。
従って、ユーザーによるヘッドホンおよびイヤーマフの装着時において、ハウジングの内部空間に新たな空間Yが加算されることにより、受動的な遮音特性の大幅な向上を図ることができる。
以下、本考案に係るヘッドホンおよびイヤーマフの一実施例を図1および図2を参照して詳細に説明する。なお、図3および図4に示した従来のヘッドホンの構成と同一の構成部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図1は本考案に係るヘッドホンの一実施例を示した断面図である。
図1に示したように、この実施例のヘッドホンは、ユーザーの耳Aに対応する側の端部が開放したハウジング1と、このハウジング1の開放端部の全周に渡って固定されたリング状の補強部材6と、このリング状の補強部材6の外側面に固着された表面部材7とを有している。
表面部材7は、従来のパッド2に対応したもので、人工皮革等の皮製からなり、補強部材6の外側面の外周側と内周側にまたがって溶着等によって固着されるとともに、補強部材6との間に空間が形成され、そこにクッション材が収容されている。
リング状の補強部材6は、金属あるいは比較的固いプラスチック製からなり、図示のように、その外周側よりも内周側がハウジング1から遠ざかるように、傾斜角度θを有して成形されている。その補強部材6により、その背面側(内側)には、傾斜角度θとその長さLに対応した空間Yが形成される。
その結果、ヘッドホン内キャビティの実質上の容積は、補強部材6による新たな空間Yの容積がハウジング1内のキャビティXの容積に加算される。
図2は、従来の図4に対応した図で、ユーザーが図1に示したヘッドホンを装着した状態を示した断面図である。図2に示したように、ユーザーのヘッドホン装着により、クッション材を収納した表面部材7は押し潰されても、ヘッドホン内キャビティにおける実質上の容積は、補強部材6による新たな空間Yが、既存のハウジング1の内部キャビティXに加算されて得られ、それによるキャビティ内の確実な容積拡大により、受動的な遮音特性の大幅向上が可能である。
なお、図1に一点鎖線で示したように、補強部材6を新たな傾斜角度φとなるように変えることにより、わずかではあるが新たな空間Yの容積を変えることができる。
図1に示したように、補強部材6の高さHを変えることによって、空間Yの容積もまた変化する。
図1および図2は、いずれもヘッドホンの場合を示したものであるが、バッフル板5等を有しないイヤーマフの場合も同様で、同様な効果を得ることができる。
以上要するに、この実施例に係る本考案のヘッドホンおよびイヤーマフは、ハウジング1の開放端部の全周に渡って固定されたリング状の補強部材6を備え、その補強部材6の外端面に表面部材7が固着されるとともに、補強部材6は、外周側よりも内周側がハウジングから遠ざかるように構成されている。
従って、たとえヘッドホンおよびイヤーマフをユーザーが頭部に装着して表面部材7が押し潰されたとしても、ハウジング内空間の拡大は確保され、受動的な遮音特性の向上を確実に実現できる。
本考案に係るヘッドホンの一実施例を示した断面図である。 図1に示したヘッドホンをユーザーが装着した状態を示した断面図である。 従来のヘッドホンを示した断面図である。 図3に示したヘッドホンをユーザーが装着した状態を示した断面図である。
符号の説明
1 ハウジング
2 パッド(イヤーパッド)
3 ドライバ
4 プロテクタ
5 バッフル板
6 補強部材
7 表面部材

Claims (4)

  1. ユーザーの耳に対応する側の端部が開放したハウジングと、このハウジングの開放端部の全周に渡って固定されたリング状の補強部材と、この補強部材の外側面に固着された表面部材と、上記ハウジング内に取付けられたドライバユニットを備え、
    上記補強部材は、外周側よりも内周側がハウジングから遠ざかるように成形されることにより、ハウジングの内部空間に続く補強部材の背面側の空間が形成され、
    上記表面部材は、上記補強部材の外側面の外周側と内周側にまたがって固着され、上記補強部材との間に空間が形成されていることを特徴とするヘッドホン。
  2. 上記表面部材と上記補強部材との間に形成されている空間にはクッション材が充填されていることを特徴とする請求項1に記載のヘッドホン。
  3. ユーザーの耳に対応する側の端部が開放したハウジングと、このハウジングの開放端部の全周に渡って固定されたリング状の補強部材と、この補強部材の外側面に固着された表面部材と、を備え、
    上記補強部材は、外周側よりも内周側がハウジングから遠ざかるように成形されることにより、ハウジングの内部空間に続く補強部材の背面側の空間が形成され、
    上記表面部材は、上記補強部材の外側面の外周側と内周側にまたがって固着され、上記補強部材との間に空間が形成されていることを特徴とするイヤーマフ。
  4. 上記表面部材と上記補強部材との間に形成されている空間にはクッション材が充填されていることを特徴とする請求項3に記載のイヤーマフ。
JP2008007243U 2008-10-15 ヘッドホンおよびイヤーマフ Expired - Lifetime JP3147408U (ja)

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JP2017535802A (ja) * 2014-09-19 2017-11-30 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 音響検査によるオーバーイヤー聴覚評価装置、及び方法

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JP2017535802A (ja) * 2014-09-19 2017-11-30 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 音響検査によるオーバーイヤー聴覚評価装置、及び方法
US11707210B2 (en) 2014-09-19 2023-07-25 3M Innovative Properties Company Acoustically probed over-the-ear hearing assessment devices and methods

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