JP3146426B2 - 超電導コイル、その製造方法及び超電導コイルに使用されるコイルボビン - Google Patents
超電導コイル、その製造方法及び超電導コイルに使用されるコイルボビンInfo
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Description
方法、特に、端面部の超電導コイルの巻線を単純化する
超電導コイルに関するものである。
発生能力、高均一性等の利点を生かし種々の分野で使用
されている。その中で、高エネルギー物理用マグネット
や測定機器用マグネット等では、要求される磁場分布の
特殊性から複雑形状を有する超電導コイルが多く用いら
れている。
ライン等に用いる超電導マグネットにおいては、ビーム
ライン方向に平行な長尺コイルが多く、そのため線材を
折り返す端面部の巻線状態が極めて複雑になる場合が多
い。また、この部分では超電導状態での通電時に強大な
電磁力が、線材を動かそうとする、そのため線材を拘束
または保持する手段を有さない、つまり線材が何等かの
物質で固定されていない。いわゆるフリーの状態では低
電流から擾乱が発生しやすく、従来は樹脂含浸等により
超電導コイルを固定する方法が用いられていた。
る。従来の超電導コイルは、予め定められた離間距離を
おいて軸方向に形成された複数の離間溝を持つ円筒状支
持体3を備え、これら離間溝に超電導線材2を収納させ
て巻回している。
法においても樹脂の劣化や破損により擾乱が生じやすく
なり、低電流でクエンチが発生するという欠点がある。
樹脂の劣化や破損の原因として挙げられることは、超電
導マグネットは低温で用いられるため、常温と低温の温
度変化に伴い、樹脂の内部での残留応力の発生、樹脂と
金属間での熱膨張率の違いによる外部応力の発生、さら
にビームライン等に用いている場合には放射線による損
傷等がある。それらによって、樹脂が劣化し、超電導線
の固定がゆるくなり、擾乱を生じやすくする原因となっ
ている。
超電導コイルの高磁場化の要求が高まり、それに伴い巻
線数の増加または電流値の増大を行わなければならなく
なって来ている。これによる欠点として、巻線の複雑
化、電流値の増大による擾乱の頻発が挙げられる。
の発生を抑制して極めて安定した超電導コイル及びその
製造方法を得ることである。
持体の外周面上に予め定められた間隔をおいて軸方向に
超電導線材の前半を巻回する工程と、前記超電導線材の
後半を前記予め定められた間隔を埋めるように巻回する
工程とを有することを特徴とする超電導コイルの製造方
法が得られる。
面上に予め定められた離間距離をおいて軸方向に形成さ
れた離間溝を持つ筒状支持体を備え、該筒状支持体は前
記離隔溝の中間の位置に配置された中間溝を持ち、前記
中間溝に対応する位置に配置された対応溝を持つ環状蓋
を前記筒状支持体に取り付けたことを特徴とするコイル
ボビンが得られる。
持体の離間溝及び中間溝、前記環状蓋の対応溝に前記超
電導線材を収納したことを特徴とする超電導コイルが得
られる。
体と前記超電導線材との間隙に樹脂を充填したことを特
徴とする超電導コイルが得られる。
とが介在することにより、各段の巻線を単純化して固定
する。円盤状蓋を設けたことにより、超電導線材の固定
を確実に行うことができ、またそれにより擾乱を防止す
る。
ば隣接する超電導線材を1つおきに1段目に巻回、即
ち、離間溝に超電導線材を収納させ、次に中間溝と対応
溝とに2段目の残りのコイルを巻回することにより、各
段における超電導線材間の距離を広げる。
金属や複合材を使用しているため、樹脂を塗布して上述
した欠点を除去できる。
実施例の超電導コイルを適用した場合を説明する。この
実施例を適用した超電導マグネットの目標特性は、電流
値2500(A)で、磁場強度6.5(T)となるよう
に設計した。
3を取り付けて作製した超電導コイルの外観図である。
使用した超電導線材12は、アルミマトリクス型Nb−
Ti極細多心線を用いた。本実施例では、超電導線材1
2の巻かれる端面を2段にした。隣接する超電導線材1
2を1つおきに1段目と2段目に分けて巻回する際、ラ
インを付けた20(mm)厚のアルミ製のコイル支持体と
して作用する円環状蓋13を円筒状支持体11aに取り
付けて各段における線材の固定と拘束を行った。
尚、図1と図2では便宜上、図面に向かって左側をA
面、右側をB面とした。
予め定められた円離間距離をおいて軸方向および放射状
に形成された離間溝15だけでなく、遠隔距離の中間の
位置に中間溝16を形成している円筒状支持体11a
と、円筒状支持体11aの両端にそれぞれ取り付けら
れ、中間溝16に対応する位置に設けられた対応溝17
を持つ円環状蓋13とを有している。
造方法を述べる。まず、円筒状支持体11aの離間溝1
5に超電導線材12を収納することにより一段目巻線1
2−1を巻回する。その後、対応溝17が中間溝16に
対応するように円環状蓋13を筒状支持体11aの両端
に夫々取り付ける。円筒状支持体11aの中間溝16と
円環状蓋13の対応溝17とに残りの超電導線材12を
収納することにより二段目巻線12−1を巻回する。
ように、本発明の円筒状支持体11aは、端部が2段に
分割され、単純化しており、また、超電導線材12はす
べてこれら溝を通り、円筒状支持体11a及び円環状蓋
13と超電導線材12同士とが強く固定されている。
イル2が非常に複雑化しており、超電導線材2が何かに
接触して保持されている訳ではなく、フリーな状態か又
は超電導線材2同士の接触が主な保持方法になってお
り、各超電導線材2とも何等かの外力により動き安い状
態になっている。
脂(図示せず)で含浸し、その後硬化させて製造した。
比較例として従来通りの巻線で超電導コイル1を先に述
べた方法と同一条件で樹脂含浸して製造した。これらの
サンプルを液体Heで冷却しながら、通電テストを行っ
たところ本発明によるサンプルは、目標値2500
(A)の電流を流しても、全く異常が認められなかっ
た。比較例においては、徐々に電流を上げていった結
果、1800(A)の電流でクエンチを起こした。
ル11は擾乱を大幅に防止し超電導性が極めて安定化す
ることが明かになった。なお、円筒状支持体11a及び
円環状蓋13は角形状であっても良いことはいうまでも
ない。
ネルギー物理学研究所にて、リング加速器の入射部のマ
グネットの試作マグネットに適用し、その有用性が確認
されている。
導線材の各層の間に円筒状支持体及び円環状蓋を介在さ
せることにより、各段の巻線を単純化かつ固定し、更に
円筒状支持体及び円環状蓋と超電導線材との空間を樹脂
で含浸することにより、超電導線材を強く固定すること
ができ、その結果、擾乱を防止するという効果を奏す
る。
提供が可能となった。
発明の一実施例による超電導コイル11の側面図であ
る。図1(a)は、超電導コイル11をA2−A2から
見た側面図で、(b)は超電導コイル11をB2−B2
から見た側面図である。図1(c)はアルミ製の円環状
蓋13と円筒状コイル支持体11aとの境界のA1−A
1断面側面図、(d)はアルミ製の円環状蓋13と円筒
状コイル支持体11aとの境界のB1−B1から見た側
面図である。図1(e)は、超電導コイル11を示す外
観正面図である。
(b)の円筒状コイル支持体11aの側面図である。図
2(c)及び(d)は、図1の(c)及び(d)の円筒
状コイル支持体11aの側面図である。
コイル1の外観図で、(a)は超電導コイル1の正面
図、(b)は従来の超電導コイル1をA−Aから見た側
面図、(c)は従来の超電導コイル1をB−Bから見た
側面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 筒状支持体の外周面上に予め定められた
間隔をおいて軸方向に超電導線材の前半を巻回する工程
と、前記超電導線材の後半を前記予め定められた間隔を
埋めるように巻回する工程とを有することを特徴とする
超電導コイルの製造方法。 - 【請求項2】 両端面と外周面とを持って、該外周面上
に予め定められた離間距離をおいて軸方向に形成された
離間溝を持つ筒状支持体を備え、該筒状支持体は前記離
隔溝の中間の位置に配置された中間溝を持ち、前記中間
溝に対応する位置に配置された対応溝を持つ環状蓋を前
記筒状支持体に取り付けたことを特徴とするコイルボビ
ン。 - 【請求項3】 請求項2に記載のコイルボビンを使用し
て、前記筒状支持体の離間溝及び中間溝、前記環状蓋の
対応溝に前記超電導線材を収納したことを特徴とする超
電導コイル。 - 【請求項4】 請求項3に記載の超電導コイルにおい
て、前記筒状支持体と前記超電導線材との間隙に樹脂を
充填したことを特徴とする超電導コイル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6010392A JP3146426B2 (ja) | 1992-03-17 | 1992-03-17 | 超電導コイル、その製造方法及び超電導コイルに使用されるコイルボビン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP6010392A JP3146426B2 (ja) | 1992-03-17 | 1992-03-17 | 超電導コイル、その製造方法及び超電導コイルに使用されるコイルボビン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH05267055A JPH05267055A (ja) | 1993-10-15 |
JP3146426B2 true JP3146426B2 (ja) | 2001-03-19 |
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ID=13132433
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP6010392A Expired - Fee Related JP3146426B2 (ja) | 1992-03-17 | 1992-03-17 | 超電導コイル、その製造方法及び超電導コイルに使用されるコイルボビン |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3146426B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101091199B1 (ko) * | 2010-01-13 | 2011-12-09 | 한국전기연구원 | 초전도 전력저장 장치용 코일 보빈 |
-
1992
- 1992-03-17 JP JP6010392A patent/JP3146426B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH05267055A (ja) | 1993-10-15 |
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