JP3146244B2 - 使用済燃料ラック - Google Patents

使用済燃料ラック

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JP3146244B2
JP3146244B2 JP09437797A JP9437797A JP3146244B2 JP 3146244 B2 JP3146244 B2 JP 3146244B2 JP 09437797 A JP09437797 A JP 09437797A JP 9437797 A JP9437797 A JP 9437797A JP 3146244 B2 JP3146244 B2 JP 3146244B2
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Fuel Cell (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子炉用燃料集合
体を使用後に貯蔵するための使用済燃料ラックに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】商業用原子炉に装荷された燃料は、その
後、補助建造物屋内の使用済み燃料ピットで保存され
る。ピット内での燃料貯蔵体数は、一炉心の数倍の容量
を持っているが、長期間に亘って運転している原子炉に
関しては、その貯蔵体数が多くなり貯蔵容量の限界近く
なることが考えられる。
【0003】従って、ピット内において、未臨界を保ち
つつ隣接する燃料同士間の距離、即ち、各燃料体が収納
されるセルとセルの間の距離、所謂セルピッチをできる
だけ小さくして効率的な燃料貯蔵を行なうことが求めら
れる。
【0004】そこで、従来、ボロン含有ステンレス板
(以下、ボロンステンレス板と記す)を用いた使用済燃
料ラックが開発されている。ステンレス板にボロン添加
量を増加させるほど、中性子吸収能力が向上し、セル間
距離を小さくすることが実現できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の使用済燃料
ラックは、通常、構造材としてボロンステンレス板が使
われている。即ち、ラックを構成するセルそのものがボ
ロンステンレス板製であった。
【0006】しかしながら、ボロンステンレス板はステ
ンレスに比べて、曲げ、衝撃に対する強度が低くて損な
われ易く、その劣化の度合いはボロン含有量と相関があ
る。従って、構造強度の低下を回避するためには、ボロ
ンの添加量を抑える必要があるが、これは前述したよう
な未臨界性の追求とは相反するものである。
【0007】本発明は、上記問題点に鑑み、原子炉用燃
料の使用後貯蔵に適した使用済燃料ラックを得ることを
主目的とする。また、本発明の他の目的は、未臨界制御
に必要な中性子吸収材としてボロン含有ステンレスを利
用しながらも、ラック自体の機械的強度を維持しつつ、
効率的な燃料貯蔵が可能となるような使用済燃料ラック
を得ることである。
【0008】また、従来の使用済燃料ラックを用いてピ
ット内に保存されているもので、燃料貯蔵体数が既に限
界に達しつつあるものは、よりセルピッチの小さいラッ
クへの入れ換え、所謂リラッキング工事が行なわれる
が、既存のセルやスペーサ等の構造材は放射性廃棄物と
なっていた。
【0009】これらの放射性廃棄物は、それぞれ放射性
レベルを低減するための洗浄工程を経て、細断されたう
えで廃棄物保管用ドラム缶内に貯蔵される。一連のリラ
ッキング工事で発生する放射性廃棄物量は、ドラム缶数
にすると数千本にも達し、発電所備えつけの貯蔵スペー
スが不足することが予想される。
【0010】上記問題点に鑑み、本発明の他の目的は、
リラッキングの際に生ずる廃棄物を低減し得る使用済燃
料ラックを提供をすることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明に係る使用済燃料ラックは、
使用済燃料集合体を収容するための中空セルとして構造
材で構成された複数の略角管状セルと、これら複数のセ
ルを、隣接するセル間に一定の間隔をあけて正方格子状
に結束するスペーサーグリッドと、該スペーサーグリッ
ドによって束ねられた全セルの下端に固着され、各セル
内に冷却水を導くための流水孔および各セル内の底部と
なる台座を有するベースプレートと、各セルの四側面の
内側あるいは外側を覆うボロン含有ステンレス部材と、
該ボロン含有ステンレス部材を、セルからの荷重を伝え
ることなく支持する支持手段と、を備えた使用済燃料ラ
ックにおいて、前記略角管状セルは、既存ピットから取
り出された既存セルであり、洗浄後に再利用されるもの
であり、前記複数のスペーサーグリッドとして、予め組
み立てられたセル挿入構造材を用い、このセル挿入用構
造材は、既存セルが挿入されるための開口が正方格子状
に配列されたサポート板を、その四隅でサポート脚に複
数枚縦軸方向に固定してなり、前記開口は、既存セルと
セル四側面を覆うボロン含有ステンレス平板とを合わせ
た断面外形状にほぼ一致する面積を持つものである。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】本発明の使用済燃料ラックによれば、ボロ
ン含有ステンレスを、燃料体が収容されるセルやスペー
サーグリッド等のラックを構成する構造部に用いない
で、燃料体や構造部からの荷重を支持するのではなく未
臨界制御に必要な中性子吸収材としてのみ配置されるた
め、その機械的強度の問題はラック強度に影響を及ぼす
ことはない。
【0018】即ち、セルやスペーサーグリッド、ベース
プレート等、ラックの構造部に強度的に問題のあるボロ
ン含有ステンレスを使用する必要はなく、ステンレスな
どの機械的強度の優れた金属鋼を構造材に選択できるの
で、未臨界制御に必要な中性子吸収材としてボロン含有
ステンレスを利用しながらも、ラック自体の機械的強度
を維持しつつ、良好に複数の使用済燃料集合体をラック
内で保管できる。
【0019】また、本発明は、複数の略角管状セルを、
スペーサーグリッドによって隣接するセル間に一定の間
隔をあけて正方格子状に結束しているため、スペーサー
グリッド分だけが間隔となるのでセルピッチを無駄な間
隔なく最小限に抑えられ、限られた容積に最大限の使用
済燃料が保管できる。
【0020】本発明に用いられる未臨界制御に必要な中
性子吸収材としてのボロン含有ステンレス部材は、セル
からの荷重を支持することなく各セルの四側面の内側あ
るいは外側を覆うものであれば良い。
【0021】具体的なボロン含有ステンレス部材の構成
としてセルの内側寸法に応じた4枚のボロン含有ステ
ンレス平板を組継ぎしてなる箱状部材が挙げられる。こ
のような構成によれば、箱状部材をセル内に挿入するこ
とによって、ボロン含有ステンレス板がセルの4側面を
内側から覆うことになる。
【0022】なお、ここでボロン含有ステンレス平板を
組継ぎによって箱状に成形したのは、例えばネジ止めに
よって成形した場合に応力集中によるクラックが生じる
危険性や、溶接によって成形した場合、溶け込み部のボ
ロン含有量が担保できなくなる問題を回避することがで
きるためである。各ボロン含有ステンレス平板の両端面
の組継ぎに必要な欠き込み部は、レーザー切断により正
確に形成することができる。
【0023】また、ボロン含有ステンレスを用いた他の
使用済燃料ラックの構成として支持手段としてバンド
部材で該4枚のボロン含有ステンレス平板をセルの外面
上で抱える構成が挙げられる。これによって、4枚のボ
ロン含有ステンレス平板で各セルの四側面の外側を各々
覆う状態となる。このとき、バンド部材は、セルの各外
面に、各々対応するボロン含有ステンレス平板をそれぞ
れ独立した状態で押し付けて固定できるように、各セル
の外周面に取付られているものである。
【0024】このようなバンド部材によるボロン含有ス
テンレス平板の押さえ付け状態においては、場合によっ
ては自重でボロン含有ステンレス平板がセル外周面を滑
り落ちることが考えられる。そこで、請求項4に記載し
たように、セルの下部またはセルが載っているベースプ
レートに、ボロン含有ステンレス平板の下端を支える突
起を設けておけば、平板のズリ落ちが防止できる。
【0025】もちろん、全ボロン含有ステンレス平板の
ズリ落ちを防止するように、各セルの外四面下部や或は
ベースプレート上の各セルの台座付近に各ボロン含有ス
テンレス平板の下端を支える相当位置に突起を形成す
る。
【0026】なお、リラッキングの際には、ピットから
取り出され、使用済燃料入れ換え後の既存セルやスペー
サー等は、通常、放射性廃棄物となるが、本発明におい
ては、既存セルを洗浄して、ボロンステンレス平板を組
み込み、本発明の使用済燃料ラックを構成する使用済燃
料集合体収容用セルとして再利用することにより、その
分、放射性廃棄物が大幅に低減される。
【0027】また本発明においては、予め、既存セル挿
入用構造材をモジュール枠組として組立てておいたもの
を用いることにより、回収・洗浄後の既存セルを挿入す
るだけで使用済燃料ラックを簡便に構成することができ
る。このとき、前記構造材の各サポート板のそれぞれセ
ルが挿入される開口は、既存セルの断面外形状にほぼ一
致させる必要があるが、既存セルの四側面が外側からボ
ロン含有ステンレス部材で覆われる場合は、開口面積は
ボロン含有ステンレス部材のスペースも考慮したものと
する。
【0028】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)次に、本発明の第1の実施の形態による
使用済燃料ラックを図1および図2をもって説明する。
本使用済燃料ラック1では、図1の概略構成図に示すと
おり、使用済みの燃料集合体をそれぞれ収容するための
中空セルとしての複数の角管状セル2が隣接するセル2
間で各セル2を固定するスペーサグリッド3によって正
方格子状に結束されている。
【0029】この、スペーサグリッド3によって結束さ
れたセル2群は、ベースプレート6上に各セル2の下端
が溶接されることによって載置されている。本使用済燃
料ラック1は、主に、上記のごとくセル2、スペーサー
グリット3とベースプレート6によって構成されてい
る。これらは、構造材として、ステンレス鋼等の機械的
強度の高い金属材で成形されている。
【0030】なお、ここでは、各セル2間の結束をより
強固にし、ラック全体のねじれ曲がりに対する抵抗を持
たせるために、隣接するセル2どうしを全てスペーサー
ストラップ5で溶接止めした。
【0031】ベースプレート6の上面には、図1中の部
分破断領域でも見られるように、各セル2の底部となる
台座7が取付けられている。台座7の外形状はセル2の
内形状に嵌合するものであり、ラック組み立ての際に
は、この各台座7に夫々セル2の下端を嵌め込むように
してベースプレート6上にセル2を固定する。また、ベ
ースプレート6内には、セル2内へ冷却水が導入される
ための流水孔が各台座面上に亙って形成されている。
【0032】また、本実施形態においては、使用済の燃
料集合体が各セル2内に収納され貯蔵される際に、未臨
界性を維持するための中性子吸収材として、ボロン含有
ステンレス(以下、ボロンステンレスと記す)部材を各
セルについてそれぞれその四側面を覆うように配置する
が、各セルの内側からその側面を覆う構成とした。
【0033】即ち、セル2の内形状に応じた4枚のボロ
ンステンレス平板からなるボロンステンレス箱状部材1
0を、それぞれセル2内に挿入することにより、各セル
2の四側面を内側から覆う状態とした。このとき、ボロ
ンステンレス箱状部材10は、台座7の面上に載置され
ている。従って、このような台座面によるボロンステン
レス箱状部材10の支持状態においては、セル2の荷重
はほとんどボロンステンレス箱状部材10に伝わること
がない。
【0034】上記ボロンステンレス箱状部材10は、そ
れぞれ4枚のボロンステンレス平板の両端面に、隣り合
う平板の端面と嵌合する欠き込み11を形成し、組継ぎ
により箱状に成形したものである。このような組継ぎに
よる成形は、ネジ止めによって成形した場合に現れる応
力集中によるクラックが生じる危険性や、溶接によって
成形した場合に溶け込み部のボロン含有量が担保できな
くなるという問題がない。各欠き込み11は、レーザー
による切断で形成することができる。
【0035】このように、本使用済燃料ラック1では、
ボロンステンレス箱状部材10にセルからの荷重(セル
2内収容時の燃料集合体の荷重も含む)がほとんど作用
しないため、前述のようなボロンステンレスの強度的な
問題がラック本体の強度に影響することなく、セル2内
での未臨界性を持ちながら使用済燃料集合体の収納、貯
蔵が行なえる。
【0036】各セル2内に燃料集合体15が収容される
際には、図2の側面図に示されるように、下部ノズル1
3を下にして台座7上に載置するようにセル2内に挿入
する。また、セル2の上端付近には、燃料集合体15が
セル2の上部開口から抜け出ないように、上部ノズル1
4の外面を押圧する抜け止め突起12を設けておくのが
良い。
【0037】本使用済燃料ラック1には、ベースプレー
ト6の下面側に、ラック1を支えるサポートパッド9を
複数個ネジ止めで取付けた。このネジ16の調整でサポ
ートパッド9高を変化させられるので、ピット床面の微
妙な凹凸に対してもラック1の水平度を確保することが
できる。
【0038】(実施形態2)上記第1実施形態において
は、各セルの四側面を内側からボロンステンレスで覆う
場合を示したが、次に、本発明の第2の実施の形態によ
る使用済燃料ラックとして、各セルの四側面を外側から
覆う構成を説明する。
【0039】図3は、本実施形態による使用済燃料ラッ
クの概略構成図であるが、図3(a)の斜視図に示すよ
うに、本使用済燃料ラックは、主な構造材による構成、
即ち、セル22とスペーサーグリット23とベースプレ
ート26の構成は第1実施形態と同様である。
【0040】複数の角管状セル22が隣接するセル22
間で各セル22を固定するスペーサグリッド23によっ
て正方格子状に結束され、これら結束されたセル22群
は、ベースプレート26上に各セル22の下端が溶接さ
れることによって載置されている。
【0041】また、ベースプレート23の上面には、第
1実施形態と同様に、セル22の内形状に嵌合する外形
状の台座(不図示)が各セル22の底部となるように取
付けられており、ラック組み立ての際に、各台座に夫々
セル22の下端を嵌め込むようにしてベースプレート2
3上にセル22が固定される。また、ベースプレート2
3内には、セル22内へ冷却水が導入されるための流水
孔が形成されている。
【0042】さらに、本実施形態においては、使用済の
燃料集合体が各セル22内に収納され貯蔵される際に、
未臨界性を維持するための中性子吸収材としてのボロン
ステンレス平板24を、各セル22についてそれぞれそ
の四側面を外側から覆うように配置するため、各セル2
2の外周で夫々ボロンステンレス平板24を抱えるバン
ド部材25を設けた。
【0043】このバンド部材25は、各セル22の外周
四面に夫々、鉛直方向に複数並列し、各セル22につ
き、外周四面に当接させる4枚のボロンステンレス平板
24それぞれを独立してセル面側へ付勢するものであ
る。具体的には、図3(b)に示すように、ボロンステ
ンレス平板24を抱えるのに必要な付勢力となる弾性を
持つ帯状部材をセル22の一外周側面の幅方向に亙るよ
うにその両端をセル22に固定したものである。
【0044】各ボロンステンレス平板24は、セル22
外周面とバンド部材25の間に挟まれた状態となる。な
お、長期に亘るバンド部材25によるボロンステンレス
平板24の抱え状態では、ボロンステンレス平板24は
セル22に固着されているわけではないので、ボロンス
テンレス平板24がその自重により下方にズリ落ちてく
る可能性がある。
【0045】本実施形態においては、ラック最外周に位
置するセル22のラック外周側面の下方には、ボロンス
テンレス平板24の下端を支持する支持突起27を形成
した。
【0046】このようなバンド部材25によるボロンス
テンレス平板24の支持状態においては、セル22およ
びセル22内に収容される燃料集合体の荷重がボロンス
テンレス平板24に伝わることがないので、ボロンステ
ンレスの強度的な問題がラック本体の強度に影響するこ
となく、セル22内での未臨界性を持ちながら使用済燃
料集合体の収納、貯蔵が行なえる。
【0047】(実施形態3)次に、本発明の第3の実施
の形態として、リラッキングの際に取り出された既存セ
ルを再利用して使用済燃料ラックを構成する場合を以下
に示す。ここでは、予め組立てられた既存セル挿入用構
造材を用いる。
【0048】セル挿入用構造材41は、図4(a)に示
すように、スペーサーグリッドとしての役割を持つサポ
ート板41を、その四隅でサポート脚44に複数枚縦軸
方向に固定したものである。サポート板41には、挿入
される既存セル42の断面外形状にほぼ一致する面積を
持つ開口が正方格子状に配列されており、隣り合う開口
間の距離がセルピッチとなる。
【0049】最下段のサポート板41は、ベースプレー
トとして下面側にサポートパッド45が取付けられてい
る。また、各開口端縁には、挿入された既存セル42が
下方へズリ落ちないように既存セル42をサポート板4
1に固定するための押し付け金具46が取付けられる。
【0050】このようなセル挿入用構造材41では、各
開口に既存セル42を挿入するだけで使用済燃料ラック
が構成される。そこで、リラッキングの際には、既存ピ
ットから取り出され、回収された既存セル42を洗浄
後、速やかに構造材41に挿入できるように、予めセル
挿入用構造材41を組立てておく。
【0051】既存セル42を回収する際には、先に既存
セル42を束ねていたサポート部材や金具を切断し、セ
ルを破損することなく抜取った後、洗浄によって放射能
レベルを低減させる。洗浄後の既存セル42をセル挿入
用構造材41の開口に挿入し、複数の押し付け金具46
を取り付け、再利用ラックとする。
【0052】使用済燃料集合体を収容する際には、前記
第1の実施形態で示したように、既存セル42の内形状
に応じた4枚のボロンステンレス平板を組継ぎにより成
形してなるボロンステンレス箱状部材50を、未臨界性
を維持するための中性子吸収材としてそれぞれセル42
内に挿入することにより、各既存セル42の四側面を内
側から覆う状態とする。
【0053】また、既存セル42を外側からボロンステ
ンレス平板51で覆う場合は、図4(b)に示すよう
に、前記第2の実施形態と同様に、各既存セル42の外
周四面に夫々鉛直方向に複数並列させたバンド部材52
で、各4枚のボロンステンレス平板51それぞれを独立
してセル四面へ保持させたうえで既存セル挿入用構造材
41に挿入し、押し付け金具46で構造材に既存セル4
2を固定する。
【0054】この場合、予め組立てられる既存セル挿入
用構造材の各開口は、既存セル42の断面外形状だけで
なく、外周四面に各々取る付けられるボロンステンレス
平板51のスペース分も考慮した開口面積とする。
【0055】以上のように、本第3実施形態による使用
済燃料ラックでは、リラッキングの際に既存ピットから
取り出され回収された既存セルが再利用されるので、放
射性廃棄物量が大幅に低減される。
【0056】なお、本発明による使用済燃料ラックは、
上記第1〜第3実施形態による使用済燃料ラックからも
明らかなように、ラック外形状が略直方体のモジュール
となるので、燃料ピット内で、使用済燃料集合体を収容
したラックを複数貯蔵する場合、所要数のモジュールに
よりその配列が効率よく行なえる。
【0057】例えば、図5に示すように、ラック31の
XYZ軸に対応するフレーム構造32をピット内に複数
配列し、各単位フレーム構造32内ごとにラック31を
保持することによって複数のラック31を効率的に安定
した固定状態で貯蔵することができる。
【0058】図5(b)に示すように、ピット壁側に面
するフレーム構造32に壁にむかって形成されたフック
が、壁面のアンカ−プレートから出ている止め具の孔に
引掛けられており、ラック31の荷重は、フレーム構造
32を介してピットの壁面へ伝達される。止め具の孔
は、熱膨張を考慮して自由度が取られている。フレーム
構造32には、ラック31を安定させて保持するため
に、フレーム構造32からラック31の外面を押さえ付
ける押付金具が設けられている。
【0059】また、ラック31の他の固定方法として
は、図6に示すように、各ラック31の下部を囲むベー
スフレーム33を用い、複数のラック31をベースフレ
ーム33を介して連結し、ピット壁面側のベースプレー
ム33と壁との間に両側に付勢するサポート部材34を
所定数設置する方法がある。例えば地震などでラック3
1に水平方向への力が作用しても、このサポート部材3
4のつっぱりによって、ラック31のピット内での動き
は押えられ、常に安定した状態で貯蔵される。
【0060】
【発明の効果】本発明は以上説明したとおり、必要な中
性子吸収材としてボロン含有ステンレスを利用しながら
も、セルやスペーサーグリッド等のラック構造部は他の
構造材で構成でき、これら構造部の荷重およびセルに収
容される燃料集合体の荷重がボロンステンレス部材に伝
達されることがなく、ボロンステンレスの強度の問題が
他の構造部へ影響することがないため、ラック自体の機
械的強度を維持しつつ、未臨界制御の下で複数の使用済
燃料集合体をラック内で良好に保管できるという効果が
ある。
【0061】また、本発明では、使用済燃料集合体を収
容するためのセルに、既存セルを再利用することによっ
て、その分、放射性破棄物量が大幅に低減することがで
き、廃棄物貯蔵スペース不足の問題が解消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による使用済燃料ラ
ックの概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態による使用済燃料ラ
ックの部分断面を含む側面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態による使用済燃料ラッ
クの概略構成図であり、(a)は概略斜視図、(b)は
バンド部材を示す説明図である。
【図4】本発明の第3の実施形態による使用済燃料ラッ
クの概略構成図である。
【図5】本発明による使用済燃料ラックのピット内安定
貯蔵方法の一例を示す説明図であり、(a)(c)はフ
レーム構造を利用したラック保持状態の説明図、(b)
はピット壁面側フレーム構造の部分拡大図である。
【図6】本発明による使用済み燃料ラックのピット内安
定貯蔵方法の他の例を示す説明図である。
【符号の説明】
1,21,31:使用済燃料ラック 2,22:セル 3,23:スペーサーグリッド 4:保護ベルト 5:スペーサーストラップ 6,26:ベースプレート 7:台座 8:流水孔 9,45:サポートパッド 16:(サポートパッド止め用)ネジ 10,50:ボロンステンレス箱状部材 11:(組継ぎ用)欠き込み 12:抜け止め突起 13:下部ノズル 14:上部ノズル 15:使用済燃料集合体 24,51:ボロンステンレス平板 25,52:バンド部材 27:支持突起 32:フレーム構造 33:ベースフレーム 34:サポート部材 41:既存セル挿入用構造材 42:既存セル 43:サポート板 44:サポート脚 46:押し付け金具

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 使用済燃料集合体を収容するための中空
    セルとして構造材で構成された複数の略角管状セルと、
    これら複数のセルを、隣接するセル間に一定の間隔をあ
    けて正方格子状に結束するスペーサーグリッドと、該ス
    ペーサーグリッドによって束ねられた全セルの下端に固
    着され、各セル内に冷却水を導くための流水孔および各
    セル内の底部となる台座を有するベースプレートと、各
    セルの四側面の内側あるいは外側を覆うボロン含有ステ
    ンレス部材と、該ボロン含有ステンレス部材を、セルか
    らの荷重を伝えることなく支持する支持手段と、を備え
    使用済燃料ラックにおいて、 前記略角管状セルは、既存ピットから取り出された既存
    セルであり、洗浄後に再利用されるものであり、 前記複数のスペーサーグリッドとして、予め組み立てら
    れたセル挿入構造材を用い、 このセル挿入用構造材は、既存セルが挿入されるための
    開口が正方格子状に配列されたサポート板を、その四隅
    でサポート脚に複数枚縦軸方向に固定してなり、 前記開口は、既存セルとセル四側面を覆うボロン含有ス
    テンレス平板とを合わせた断面外形状にほぼ一致する面
    積を持つ ことを特徴とする使用済燃料ラック。
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