JP3146185B2 - 光ディスク記録方法 - Google Patents

光ディスク記録方法

Info

Publication number
JP3146185B2
JP3146185B2 JP16974598A JP16974598A JP3146185B2 JP 3146185 B2 JP3146185 B2 JP 3146185B2 JP 16974598 A JP16974598 A JP 16974598A JP 16974598 A JP16974598 A JP 16974598A JP 3146185 B2 JP3146185 B2 JP 3146185B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
information
vob
pgc
video
pack
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP16974598A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH118834A (ja
Inventor
勝彦 三輪
雅之 小塚
一宏 津賀
薫 村瀬
一彦 山内
能久 福島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP16974598A priority Critical patent/JP3146185B2/ja
Publication of JPH118834A publication Critical patent/JPH118834A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3146185B2 publication Critical patent/JP3146185B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Television Signal Processing For Recording (AREA)
  • Signal Processing For Digital Recording And Reproducing (AREA)
  • Management Or Editing Of Information On Record Carriers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディジタル動画デ
ータ、オーディオデータ、副映像データを含むオブジェ
クトを光ディスクに記録する光ディスク記録方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】
<第1の従来技術>音楽ソフト、映像ソフトの流通や販
売には、光ディスク等の記録媒体は欠かせない。ユーザ
はこれらの記録媒体をレンタルショップで賃貸したり、
レコード店で購入することにより、家庭内でこれらを楽
しむことができる。市場において映像ソフトの記録媒体
には、レーザーディスクが幅広く用いられ、音楽ソフト
の記録媒体には、CD(Compact Disc)が幅広く用い
られている。
【0003】映像ソフトの記録媒体に光ディスクを用い
る場合、螺旋トラックにおいて内周から外周に向かう方
向に映像を記録してゆく。このように記録されると、再
生方向の順逆は、螺旋トラックにおいて内周から外周へ
と向かう方向が順方向となり、螺旋トラックにおいて外
周から内周へと向かう方向が逆方向となる。光ディスク
を順方向に回転しながら光ビームを照射してゆくことに
より、記録情報は読み出されてゆく。記録情報の再生は
以上のように行われるが、その他にも早送り再生、巻戻
し再生を始めとする様々な特殊再生が存在する。早送り
再生とは、螺旋トラック上の記録情報をある単位でスキ
ップしながら順方向に再生してゆくことをいい、巻戻し
再生とは、螺旋トラック上の記録情報をある単位で逆方
向にスキップしながら再生してゆくことをいう。
【0004】もし操作者が早送り再生を指示すれば、光
ピックアップは所定単位をスキップしながら、順方向に
螺旋トラック上の記録情報を読み出してゆく。逆に操作
者が巻戻し再生を指示すれば、光ピックアップは所定単
位をスキップしながら、逆方向に螺旋トラック上の記録
情報を読み出してゆく。操作者は出力される情報が気に
いらない場合早送り再生を指示することにより、これを
短時間で視聴することができる。或は巻戻し再生を指示
することにより、見逃した情報を再度確認することがで
きる。
【0005】<第2の従来技術>上記の光ディスクの早
送り再生・巻戻し再生はもはや古典的な再生機能といっ
ても過言では無い。近年の映像ソフトの動向はより対話
性を高める方向にあり、今後はインタラクティブソフト
がその主流になると予想される。インタラクティブソフ
トの第1の基盤技術は、分散記録である。即ち、1時間
長位の映像をシーケンシャルに螺旋トラックに記録して
おくのでは無く、数秒長、数分長というように数本に寸
断し、これらを螺旋トラックの複数個の円弧上にバラバ
ラの順序で記録する。第2の基盤技術は、数本に寸断さ
れた映像情報を複数の制御データによって任意の順序で
再生するというランダム再生である。ランダム再生用の
制御データは、寸断された映像の読み出し順序と、映像
が記録されている螺旋トラックの円弧を指示するアドレ
ス情報とをペアにして構成される。この制御データは、
読み出し順序の組み合わせを変えたものが何本も存在
し、ユーザはこれらのうち一つを選択することができ
る。一本の制御データによる再生が終了すると、ディス
ク再生装置はメニュ−等で映像再生の何通りかの分岐先
を操作者に提示する。操作者が何れか一つの分岐先を選
択すると、複数の制御データのうち、それに相当するも
のを読み出し、それに映像の読み出しを委ねる。このよ
うな動作を幾度となく繰り返すと、メニュ−に対しての
選択に応じて、再生経路を何通りにも切り換えることが
できる。
【0006】このような第1、第2の基盤技術により、
ストーリ展開が複数あるような推理ドラマのインタラク
ティブソフトを実現することができる。また商品カタロ
グ、観光ムック、英会話教材などの映像ソフトに対話性
を与えることも可能となる。例えば観光ムックの例で
は、複数のホテルの映像情報、複数の観光スポットの映
像情報、複数の食事の映像情報、サーフィンやダイビン
グなどの複数の体験スポーツの映像情報を光ディスクに
記録すると共に、予算や、好みのスポーツなどをユーザ
に選択させ、選択結果に従ったホテルやスポーツの映像
情報を再生してゆく。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら第1の従
来技術における早送り再生は、一部のタイトル制作者に
とってあまり好ましい存在では無い。何故なら光ディス
クに収録された映像に広告を挿入しておいても、早送り
再生によりそれが見落とされるおそれがあるからであ
る。
【0008】映像ソフトにおける価格競争はし烈を極め
ている。観光ムックのソフトや販売促進のソフトは映画
のヒット作のように高い売り上げは期待できないので、
これらを作成するタイトル制作者は販売価格を低価格に
するか或は無償で提供せざるを得ない。そのため、タイ
トル制作者は旅先のホテルや航空会社、ツアー会社をス
ポンサーに募り、それらのコマーシャルを映像内に挿入
することが余儀なくされる。ところが、このようにスポ
ンサーを募って広告映像を挿入しても、操作者が安易に
早送り操作を行うことにより、簡単にこれが見過ごされ
てしまう。
【0009】TV放送においてはコマーシャルのオンエ
アーが古くから定着している。これはTV放送の受信に
おいて、放送内容を早送りするという視聴は不可能であ
るからである。映像ソフトの視聴では操作者の気分次第
で映像内容を自在に早送りできるので、スポンサの協力
の元に挿入されたコマーシャルが早送りによって見過さ
られる事態が多発する。理想からいえば、コマーシャル
の期間のみ早送り機能を拒否し、コマーシャル以外は受
け入れを解除するというきめ細かな制御が望まれるが、
従来にはこのような機能を実現する技術は存在しない。
【0010】また広告映像でなくても、タイトル制作者
にとって極めて重要な映像、例えば旅先を外国にした
『旅行ムック』である場合、旅行規約、現地の行動の注
意事項、緊急時の連絡先、犯罪・事故に巻き込まれた場
合の対処の仕方等の映像内容は操作者に確実に視聴さ
せ、理解させねばならない。また出発日時、料金、キャ
ンセル方法等きちんと伝わらないとトラブルの元になる
ような映像内容も操作者に確実に視聴させ、理解させね
ばならない。このような内容は何としてでも操作者に視
聴させる必要があるが、タイトル制作者の思惑とは裏腹
に、操作者が早送りを指示することにより、いとも簡単
にこれらの映像はスキップされてしまう。
【0011】また、第2の従来技術におけるインタラク
ティブソフトには、早送り再生といった旧世代の特殊再
生を操作者がインタラクティブソフトの再生中に実行す
ると、インタラクティブソフトの有為性を損ねるような
現象が生じ得るという第2の問題点がある。例えば『旅
行ムック』のインタラクティブソフトには、分岐を数多
く含むツリー状の再生経路と、分岐が存在しない直線状
の再生経路とが与えられている。前者は、メニュ−によ
って何種類かのコースを操作者に提示し、このメニュ−
に対する確定操作に応じて分岐先を決定する対話性の高
い再生経路である。後者は、派手な部分、興味を引きそ
うな部分を抜粋して作成されたダイジェスト版の再生経
路である。
【0012】操作者がツリー状の再生経路を選択したと
する。ツアーコンダクターの男性が画面に現れ、入国手
続き等何やら難しそうな内容を説明し始める。操作者は
このような説明を毛嫌いし、早送り再生を操作したとす
る。早送りが操作されて男性の説明があっというまに終
わり、画面には、『市街コース』『ビーチコース』とい
うコース選択を提示するメニュ−が現れる。このメニュ
−表示において操作者の入力待ちとなり、再生進行が停
止する。先程操作者はツアーコンダクターの説明をスキ
ップしてしまったので、これらのコースがどうゆう内容
なのかが理解できず、何れを選択すべきかが判断できな
い。操作者は『しまった』と感じ、ツアーコンダクター
の説明まで再生を戻すよう、巻戻し再生を操作し、今度
はしっかりと説明を聞いてメニュ−選択に望む。上記の
市街コースを選択すると、今度は女性ものアクセサリー
や化粧品の格安店を紹介する実写映像が表示されたとす
る。操作者はこのような内容に興味を示さず、早送り再
生を操作したとする。早送り再生が操作されて上記の店
舗の説明があっというまに終わり、画面には、『格安コ
ース』『グルメコース』というコース選択を提示するメ
ニュ−がまた現れる。これらの『格安コース』『グルメ
コース』がどのようなコースであるかは、それまでの映
像を見てさえすれば、何のことかが容易に理解できる筈
である。タイトル制作者はそのように『旅行ムック』を
編集している。ところが操作者は、これらの冒頭部のみ
を見て早送りを実行して、それらのコースを見落として
いる。操作者は前回と同様、上記メニュ−を確実に選択
するため、また格安店の実写映像まで巻戻しを行ってし
っかりと説明を聞いてメニュ−選択に望む。
【0013】早送りを行っては、メニュ−が表れる度に
巻戻しを行うというぎこちない再生でインタラクティブ
ソフトを視聴しているうちに、早送り再生を行うことを
ためらうようになる。操作者は今度は『ダイジェスト映
像』を選択してこれを視聴したとする。このダイジェス
ト映像は、光ディスクの収録内容の派手な部分、興味を
ひきそうな部分を集めたものであり、早送りで視聴して
も何の差し支えもない。しかし、操作者は、前の分岐経
路の視聴において早送りしては巻戻すという手間を何度
も経験しているから、このダイジェスト映像の視聴にお
いて早送りで視聴することをためらっている。このダイ
ジェスト映像には、女性ものアクセサリーや化粧品の格
安店の紹介等、重複する内容が含まれるというのに、こ
れらを我慢して視聴しているという状態となる。
【0014】上記の現象を検証すると、分岐を含まない
ダイジェスト映像経路で操作者は映像をスキップ再生す
べきであり、分岐を多く含む再生経路では、スキップ再
生を行うべきではなかった。実際にスキップ再生してみ
ると、メニュ−に行き当たる度にそのスキップ再生が中
断され、また正確な選択を行うため映像を巻き戻すとい
う効率の悪い再生を操作者は行っている。
【0015】このような状況に陥ったことを考えると、
操作者がスキップ再生を実行した場合は、再生進行の分
岐先を自動選択させてゆくほうが良いかもしれない。こ
の場合コンダクターの説明もメニュ−表示もあっとゆう
間に再生されてしまうので、操作者がコース選択に迷う
ことも無い。しかし早送り再生によって次々とコースを
進んでゆくと、経路全体の構造の中での現在の再生位置
を見失ってしまう。画面上に様々な光景が現れていて
も、これが何の光景であり、どうゆう経緯でここに表示
されているのか、再生経路において自分がどういう位置
にいるかが把握できない。
【0016】タイトル制作者にして見ても、このように
スキップ再生で自動的に分岐されれば、メニュー及び分
岐の配置によってストーリ展開に工夫を凝らしていた
り、テーマを掲げていてもそれらがユーザに伝わらない
ままに終わってしまう。このような自動分岐はタイトル
制作者の折角の構想をないがしろにしてしまう。本発明
の第1の目的は、広告、規約内容、契約内容等、タイト
ル制作者が重要と考える映像内容を確実に操作者に視聴
させることができる光ディスク記録方法を提供すること
である。
【0017】本発明の第2の目的は、インタラクティブ
ソフトの有為性を損なうような特殊再生の実行は排除し
つつも、特殊再生の有効性を巧みにとりいれることがで
きる光ディスク記録方法を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の第1、第2の目
的は、複数のシステムストリームと、所定の前記システ
ムストリームの再生順序を示すテーブル情報とを光ディ
スクに記録する光ディスク記録方法であって、 さらに、
前記テーブル情報が再生順序を示す全ての前記システム
ストリームに対し早送り再生を制限するか否かを示す第
1の制限情報を記録し、 前記システムストリームは動画
データと前記動画データの所定区間に対し早送り再生を
制限するか否かを示す第2の制限情報を含む、光ディス
ク記録方法により達成される。
【0019】
【0020】
【発明の実施の形態】本実施例におけるマルチメディア
光ディスクは、直径120mmの光ディスクに片面約
4.7Gバイトの記録容量を実現したディジタル・ビデ
オ・ディスク(以下DVDと略す)が好適である。尚以
下の説明においては理解を助けるために以下のように項
分け記載する。その際、各項目の左側に分類番号を付
す。分類番号の桁数は、その項目の階層的な深さを意味
している。分類番号の最上位は(1)と(2)があり、(1)は
光ディスクに関するもの、(2)は再生装置(ディスク再
生装置)に関するものである。 (1.)光ディスクの物理構造 (1.1)光ディスクの論理構造 (1.1.1)論理構造−ビデオタイトルセット (1.1.1.1)ビデオタイトルセット−ビデオオブジェク
ト(VOB) (1.1.1.1.1)ビデオオブジェクト(VOB)−動画パック (1.1.1.1.2)ビデオオブジェクト(VOB)−音声パック (1.1.1.1.3)ビデオオブジェクト(VOB)−副映像パッ
ク (1.1.1.1.4)ビデオオブジェクト(VOB)−管理情報パ
ック (1.1.1.2)ビデオタイトルセット−ビデオタイトルセ
ット管理情報 (1.1.1.2.1)ビデオタイトルセット管理情報−PGC情報 (1.1.2)論理構造−ビデオマネージャー (2.1)ディスク再生装置の概要 (2.2)ディスク再生装置の構成要素 (2.2.1)ディスク再生装置の構成要素-信号分離部86
の内部構成 (2.2.2)ディスク再生装置の構成要素-システム制御部
93の内部構成 (1.)光ディスクの物理構造 図1(a)はDVDの外観を示す図であり、図1(b)
はその断面図である。図1(c)は図1(b)の丸部の
拡大図である。DVD107は、図面の下側から第1の
透明基板108、情報層109、接着層110、第2の
透明基板111、及びラベル印刷用の印刷層112が積
層されて構成される。
【0021】第1の透明基板108及び第2の透明基板
111は、同一材質の補強用基板であるが、その厚さは
共に約0.6mmである。即ち両基盤とも大体0.5mm〜0.7mm
の厚さである。接着層110は、情報層109と第2の
透明基板111との間に設けられ両者を接着する。
【0022】情報層109は、第1の透明基板108と
接する面に金属薄膜等の反射膜が付着している。この反
射膜には成形技術により凹凸のピットが高密度に形成さ
れる。ピット形状を図1(d)に示す。図1(d)にお
ける各ピットの長さは0.4μm〜2.13μmであり、半径方
向に0.74μmの間隔を空けて螺旋状に列設され、一本の
螺旋トラックを形成している。
【0023】これらのピット列に光ビーム113が照射
されることにより、図1(c)に示すように光スポット
114の反射率変化として情報が取り出される。DVD
での光スポット114は、対物レンズの開口数NAが大
きく、光ビームの波長λが小さいため、CDでの光スポ
ットに比べ直径で約1/1.6になっている。
【0024】このような物理構造をもつDVDは、片面
に約4.7Gバイトの情報を記録できる。約4.7Gバイ
トの記録容量は、それまでのCDに比べて8倍近い大き
さである。そのため、DVDでは、動画の画質の大幅な向
上が可能であり、再生時間についてもビデオCDの74分
に比べて2時間以上にまで向上させることができる。
【0025】このような大容量化を実現させた基盤技術
は、光ビームのスポット径Dの小型化である。スポット
径Dは、スポット径D=レーザの波長λ/対物レンズの
開口数NAの計算式で与えられるので、よりレーザの波
長λを小さく開口数NAを大きくすることにより、スポ
ット径Dを小さく絞り込むことができる。留意すべき
は、対物レンズの開口数NAを大きくすると、チルトと
呼ばれるディスク面と光ビームの光軸の相対的な傾きに
よりコマ収差が生じる点である。これの縮小を図るべ
く、DVDでは透明基板の厚さを薄くしている。透明基
板を薄くすると、機械的強度が弱くなるという別の問題
点が浮上するが、DVDは別の基板を貼り合わせること
によりこれを補強しており、強度面の問題点を克服して
いる。
【0026】DVDからのデータ読み出しには、波長の
短い650nmの赤色半導体レーザと対物レンズのNA
(開口数)を0.6mm前後まで大きくした光学系とが用
いられる。これと透明基板の厚さを0.6mm前後に薄く
したこととがあいまって、直径120mmの光ディスク
の片面に記録できる情報容量が約4.7Gバイトまでに
至った。このような大容量によって、映画会社が制作す
る一つの映画を一枚の共通ディスクに収録し、多数の異
なる言語圏に対して提供することも可能になる。これら
の基盤技術によって実現された4.7Gバイトという記
録容量は、動画データ、オーディオデータを複数記録し
ても余りある。
【0027】図2(a)に螺旋トラックが情報層の内周
から外周にかけて形成されている様子を模式的に示す。
螺旋トラックに対するデータ読み出しは、セクタと称さ
れる単位毎に行われる。セクタの内部構造は図2(b)
に示すように、セクタヘッダ領域と、ユーザデータ領域
と、誤り訂正コード格納領域からなる。セクタヘッダ領
域のセクタアドレスはそれぞれのセクタを識別するため
に用いられる。ディスク再生装置は多数のセクタのうち
読み出すべきものはどれであるかをこのセクタアドレス
を手掛かりにして探し出す。
【0028】ユーザデータ領域には、2KByte長のデータ
を格納する。誤り訂正コード格納領域は、同セクタのユ
ーザデータ領域に対する誤り訂正コードを格納する。デ
ィスク再生装置は、同セクタのユーザデータ領域の読み
出し時に誤り訂正コードを用いて誤り検出を行い、誤り
訂正までも行うことにより、データ読み出しの信頼性を
保証する。
【0029】(1.1)光ディスクの論理構造 図3はディスクの論理構造を示す図である。図3におい
ては、物理セクタはセクタアドレスにより昇順に配置さ
れており、セクタアドレスに含まれる識別情報により上
部からリードイン領域と、リードイン領域に続いてボリ
ューム領域と、ボリューム領域に続いてリードアウト領
域と大別される。
【0030】『リードイン領域』にはDVDプレイヤーの
読み出し開始時の動作安定用データ等が記録される。こ
れに対して『リードアウト領域』には、再生装置に再生
終了を告知する領域であり、意味のあるデータは記録さ
れていない。『ボリューム領域』は、アプリケーション
を構成するディジタルデータが格納される領域であり、
所属する物理セクタを論理ブロックとして管理する。論
理ブロックはデータ記録領域の先頭の物理セクタを0番
として、連続する物理セクタに連番を付与した単位で識
別される。図3の円b301に、ボリューム領域におけ
る論理ブロック群を示す。円内の多くの論理ブロックに
付された#m,#m+1,#m+2,#m+3・・・・といった数値が論理ブ
ロック番号である。
【0031】図3に示すように、ボリューム領域は、さ
らにボリューム管理領域とファイル領域に分割される。
ボリューム管理領域には、ISO13346に従って、
複数の論理ブロックをファイルとして管理するためのフ
ァイルシステム管理情報が格納される。ファイルシステ
ム管理情報とは、複数のファイルのそれぞれのファイル
名と、各ファイルが占めている論理ブロック群のアドレ
スとの対応づけを明示した情報であり、ディスク再生装
置はこのファイルシステム管理情報を手掛かりしてファ
イル単位のディスクアクセスを実現する。即ち、ファイ
ル名が与えられると、全てのシステム管理情報を参照し
てそのファイルが占めている全ての論理ブロック群を算
出し、これらの論理ブロック群をアクセスして所望のデ
ィジタルデータのみを取り出す。
【0032】図4はファイル領域の説明図である。図4
に示すように、ファイル領域にはビデオマネージャ(Vi
deo Manager)と複数のビデオタイトルセット(Video T
itleSet)が格納される。これらは複数の連続ファイル
からなり上記のファイルシステム管理情報により、記録
箇所が算出される。このように連続ファイルである理由
は、動画データのデータサイズは膨大であり、これを一
本のファイルにすると、そのファイルサイズが1GBを
越えてしまうからである。
【0033】ビデオタイトルセットは、タイトルと称さ
れる1つ以上のDVDアプリケーションをグループ化し
て格納する。映画アプリケーションにおいてグループ化
される複数のタイトルとは、同一映画の劇場公開版やノ
ーカット版がある場合がこれに相当する。何故なら劇場
公開版やノーカット版といったタイトルは共有する映像
データが多いため、グループ化して管理するほうが効率
良く映像を活用できるからである。
【0034】図4のビデオタイトルセットのうち、ビデ
オタイトルセットV1を収録している。ビデオタイトルセ
ットV1はインタラクティブソフト『旅行ムック』であ
る。本インタラクティブソフトは本実施例における光デ
ィスクの特徴的なデータ構造によって実現されたもので
ある。インタラクティブソフト『旅行ムック』は、ムー
ビーブックである。ムービーブックとは、数秒長、数分
長の高画質の実写映像を何本も含み、これらの再生経路
に目録・章立てといった本を模した論理構造を与えた電
子出版物である。
【0035】また『旅行ムック』は、3つのタイトルか
ら成るタイトルセットであり、個々のタイトルは<ハワ
イ諸島コース>、<サイパン島コース>、<グアム島コ
ース>と称する。ビデオマネージャには複数のビデオタ
イトルセットに格納される全てのタイトルから、ユーザ
が再生すべきタイトルを選択するためのメニューに関す
る情報が格納される。以下、ビデオタイトルセット及び
ビデオマネージャについて詳細を説明する。
【0036】(1.1)論理構造−ビデオタイトルセット 図5はビデオタイトルセットのデータ構造の説明図であ
る。ビデオタイトルセットは、ビデオオブジェクト(VO
B:Video Object)と称する複数のオブジェクトと、複数
のビデオオブジェクトの再生順序を管理するビデオタイ
トルセット管理情報とを格納する。
【0037】(1.1.1)ビデオタイトルセット−ビデオ
オブジェクト(VOB) 『ビデオオブジェクト(VOB)』はディジタル動画、
ディジタル音声を含むオブジェクトである。尚、本例は
インタラクティブソフト『旅行ムック』であるから、図
5に示される個々のVOB#1、2、3、4・・・・は、ハワイ
諸島の蒼く澄みきった海を撮影したシーン、活況溢れる
市街地の光景を撮影したシーン、ビーチ沿岸で若者がサ
ーフィンを楽しむシーン等のワンシーンに相当する。
【0038】『ビデオオブジェクト(VOB)』のデー
タ構造は、複数のVOBユニット(VOBU)が先頭か
ら時系列順に配列された構成を持つ。VOBユニット
(VOBU)は、約0.5秒〜約1.0秒程度の再生データで
あり、図5の矢印先に詳細構成を示すように、管理情報
パック、動画パック、オーディオパックA〜C、副映像パ
ックA〜Bといった、複数種別のパックデータより構成さ
れる。パックデータはそれぞれ2KByteのデータサイズ
であり、種類別のパックデータを集めて再統合すること
により、それぞれ、動画データ、音声データ、副映像デ
ータ、制御データを構成するディジタルデータ列にな
る。また、これら種類別に再統合されたディジタルデー
タ列をエレメンタリストリームと称し、VOBを複数の
エレメンタリストリームから構成されるプログラムスト
リーム、あるいはシステムストリームと称することもあ
る。
【0039】尚、説明を簡易に分かりやすくする必要
上、図5及び図6では全てのVOBユニットの各パック
データは規則性をもって配置したが、管理情報パックが
先頭に配置される事を除けば、再生装置によりバファリ
ングされて取り出されるため種別毎に隣接されて配置さ
れる必要はなく、実際は混在して配置される。また、V
OBユニットに属するパック総数及び種類毎のパック数
も、動画や音声、副映像は可変長の圧縮データを含むた
め、同じである必要はなく、実際にはVOBユニット毎
にパック数が異なる。また、VOBユニット内の動画パ
ックは2個になっているが、動画に割り当てられてい
る、再生装置への転送レートは約4.5Mbitであり、実
際には静止画でない通常の動画であれば数百個の動画パ
ックが含まれることになる。
【0040】ビデオオブジェクト(VOB)に格納され
る動画パックは、1VOBユニットに属する動画パック
のディジタルデータにより、少なくとも1つのGOP
(GropOf Pictre)と称するディジタル動画データを形
成する。ここでいうGOP(Grop Of Pictre)とは、圧
縮ディジタル動画データの伸長時の1単位であり、約1
2〜15フレーム分の画像データである。尚、GOPに
ついてはMPEG2(Moving Pictre Expert Grop、I
SO11172、ISO13818)において詳細が規
定されている。
【0041】ビデオオブジェクト(VOB)内の各パッ
クと動画のワンシーンとの関係は、図6に示されてい
る。同図においてワンシーンの動画素材を横長の四角形
で示し、VOBの上側に配している。また3チャネルの
音声素材を3本の横長の四角形で示しVOBの下側に配
している。更に2チャネルの副映像素材を2本の横長の
四角形で示し音声素材の下側に配している。動画素材か
ら伸びた下向きの矢印は、動画の映像素材がどのように
各パックのデータフィールドに記録されるかを示してい
る。
【0042】これらの下向きの矢印を追うと、ワンシー
ンの先頭から0.5秒までの動画は、MPEGに準拠したIピク
チャ(Intra-Pictre)、Pピクチャ(Predictive-Pictre
)、Bピクチャ(Bidirectionally predictive Pictr
e)に符号化された後にVOBユニット1内のvideoパッ
ク1,2のデータフィールドに記録されることがわかる。
(尚、前述したが、実際には数百個のパックに格納され
るが、説明の都合上、2つのパックに格納されているも
のとして以下説明を続ける。)。0.5秒から1.0秒までの
動画もIピクチュア,Pピクチュア,Bピクチュアに符号化
された後に次のVOBユニット内のvideoパック3,4のデ
ータフィールドに記録される。図示はしないが1.0秒か
ら1.5秒分までの動画も符号化された後に次のVOBユ
ニット内のvideoパックのデータフィールドに記録され
る。
【0043】外国人観光客で賑わうビーチの光景を撮影
した実写映像や、彩り艶やかな熱帯魚が群泳する珊瑚礁
を撮影した実写映像は、何千枚、何万枚のIピクチャ、B
ピクチャ、Pピクチャに符号化されて、各VOBユニッ
ト内の複数の動画パックのデータフィールドに分散して
記録される。このような分散記録により『旅行ムック』
では、上記のビーチの光景や珊瑚礁の光景をワンシーン
に取り入れている。このようにVOB内の動画パックのデ
ータフィールドに分散記録されたデータを動画データと
いう。
【0044】VOBユニットを構成するパックについて図
7〜図10を参照しながら個別に説明する。 (1.1.1.1)ビデオオブジェクト(VOB)−動画パッ
ク 図7は動画パックのデータ構造を示している。本図にお
ける動画パック(図にはビデオパックと記している。)
のデータ構造は、MPEGに規定された「パックヘッダ」
「パケットヘッダ」「データフィールド」からなり、1
パック当たり2Kbyte長のデータサイズを有する。「パッ
クヘッダ」には、パックスタートコード、SCR(System
Clock Reference)といったMPEG準拠のデータが記述さ
れており、「パケットヘッダ」には、ストリームID、パ
ケット長、STD(System Target Decoder)バッファスケ
ールサイズ、PTS(Presentation Time Stamp)、DTS(D
ecoding Time Stamp)というMPEG準拠のデータが記述さ
れている。
【0045】「パケットヘッダ」内のストリームIDは図
中、パケットヘッダの下方に引き出して示すように『11
10 0000』と設定されている。これは、このパックが形
成するエレメンタリストリームが動画ストリームである
ことを示す。動画パックのSCR及びPTSは、音声パックの
復号処理、副映像パックの復号処理との同期調整に用い
られる。具体的にはディスク再生装置側のビデオデコー
ダはSCRに基づいて基準クロックの時刻合わせを行い、
データフィールド内の動画データを復号して基準クロッ
クがPTSに記載してある時刻を計時するのを待つ。当該
時刻を計時すると当該復号結果をディスプレィ側に出力
する。このようなPTSの記載内容に基づく出力待ちによ
りビデオデコーダは副映像出力、音声出力との同期誤差
を解消する。
【0046】(1.1.1.2)ビデオオブジェクト(VO
B)−音声パック 図8は、音声パックA〜Cのデータ構造を示している。図
7と図8とを比較すれば判るように、音声パックのデー
タ構造は基本的には動画パックのデータ構造と同様であ
り「パックヘッダ」、「パケットヘッダ」「データフィ
ールド」からなる。異なる点は、「パケットヘッダ」の
ストリームIDが『1011 1101』に設定されている点と、
データフィールドの先頭8ビット長にサブストリームID
が設けられている点の2点である(図中斜線部参照)。
ストリームIDは『1011 1101』、このパックが形成する
エレメンタリストリームがプライベートストリーム1で
あることを示す。プライベートストリームとはMPEG
では、動画ストリーム、MPEG音声ストリーム以外に
利用されるストリームである。本例では、MPEG音声
以外の音声が使用されるために、プライベートストリー
ムが利用されている。
【0047】音声パックの「パックヘッダ」は動画パッ
クと同様、パックスタートコード、SCRといったMPEG準
拠のデータが記述されており、「パケットヘッダ」に
は、ストリームID、パケット長、STDバッファスケール
サイズ、PTS、DTSというMPEG準拠のデータが記述されて
いる。音声パックのSCR及びPTSは、動画パックの復号、
副映像パックの復号との同期調整に用いられる。具体的
にはディスク再生装置側のオーディオデコーダはSCRに
基づいて基準クロックの時刻合わせを行い、データフィ
ールド内のオーディオデータを復号して基準クロックが
PTSに記載してある時刻を計時するのを待つ。オーディ
オデータの復号処理は、動画データ、副映像データのそ
れと比べて軽負荷であるから、オーディオデータの出力
待ち時間は動画データ、副映像データのそれと比べて多
分に長くなる。当該時刻を計時すると当該復号結果をス
ピーカ側に出力する。このようなPTSの記載内容に基づ
く出力待ちによりオーディオデコーダは動画出力、副映
像出力との同期誤差を解消する。
【0048】音声パックA〜Cのそれぞれはデータフィー
ルド内のサブストリームIDの設定が異なる。図中の『サ
ブストリームID』の解説箇所に示すように、音声パック
A,BはサブストリームIDの上位5ビット長が『1010 0』
に設定されており、音声パックCはサブストリームIDの
上位5ビット長が『1000 0』が設定されている。これは
オーディオパックA,BがリニアPCM方式であり、音声
パックCはDolbyAC-3方式であることを識別するためであ
る。リニアPCM方式とDolbyAC-3方式との大きな違い
は、リニアPCM方式がLR成分を有するのに対して、Do
lbyAC-3方式がLR成分、サラウンド成分を有する点であ
る。
【0049】サブストリームIDの下位3bitはリニアPC
M方式、DolbyAC-3方式のそれぞれにチャネル番号を与
えるために設けられている。本例であれば、リニアPC
M方式で2チャネルを使用し、DolbyAC-3方式において
1チャネル使用されているため、3本の音声エレメンタ
リストリームが識別されることになる。尚、動画用エレ
メンタリストリーム以外の音声や副映像のエレメンタリ
ストリームは、サブストリームと総称される。ビデオオ
ブジェクト(VOB)には最大、8本の音声サブストリ
ームを持たせることが可能であり、サブストリームID
には各音声サブストリームの識別コードとして0〜7の
識別コードが付与されることになる。図5の一例では、
リニアPCM方式で2チャネルを使用し、DolbyAC-3方
式において1チャネルを使用している。
【0050】「データフィールド」には、リニアPCM
方式或はDolbyAC-3方式のデジタル音声が記録される。
映画のワンシーンの3チャネルの吹き替え音声と、オー
ディオパックのデータフィールドとの関係を図6を参照
しながら説明する。動画パックと同様、図6の音声素材
からVOBのオーディオパックへと伸びる矢印は、3チャ
ネルのオーディオデータが上記2方式で符号化され、0.
5秒単位に各オーディオパックのデータフィールドに記
録されることを示している。即ち上記ワンシーンの先頭
から0.5秒までのAチャネルの吹き替え音声は、VOB
ユニット1内のオーディオパックA-1のデータフィール
ドに記録され、0.5秒から1.0秒までの吹き替え音声はV
OBユニット2内のオーディオパックA-2のデータフィ
ールドに記録される。図示はしないが、先頭より1.0秒
から1.5秒までの音声は次のVOBユニット内のオーデ
ィオパックA-3のデータフィールドに記録される。尚、
前述したように、音声の動画に対する同期タイミングは
PTSにより取られているため、VOBユニットに含ま
れる動画データに完全に一致した音声データが同じVO
Bユニットに含まれる必要はなく、実際には前のVOB
ユニットに格納されたりもする。
【0051】同様にワンシーンの先頭から0.5秒までの
Bチャネルの吹き替え音声は、オーディオパックB-1の
データフィールドに記録され、0.5秒から1.0秒までの吹
き替え音声はオーディオパックB-2のデータフィールド
に記録される。そして図示はしないが、先頭より1.0秒
から1.5秒分までの音声はオーディオパックB-3のデータ
フィールドに記録される。
【0052】ワンシーンの先頭から0.5秒までのCチャ
ネルの吹き替え音声は、オーディオパックC-1のデータ
フィールドに記録され、0.5秒から1.0秒までの吹き替え
音声はオーディオパックC-2のデータフィールドに記録
される。図示はしないが、1.0秒から1.5秒分までの音声
はオーディオパックC-3のデータフィールドに記録され
る。オーディオパックA〜Cのそれぞれのデータフィール
ドに分散記録される3チャネルのデータを以降オーディ
オデータA、オーディオデータB、オーディオデータCと
呼ぶ。例えばオーディオデータAに英語の吹き替え音声
を設定し、オーディオデータBにフランス語の吹き替え
音声を設定し、オーディオデータCで日本語の吹き替え
音声を設定することにより、操作者にこれらを切り替え
させることもできる。
【0053】(1.1.1.3)ビデオオブジェクト(VO
B)−副映像パック 図9は、副映像パックのデータ構造を示している。図9
と図8とを比較すれば判るように、副映像パックのデー
タ構造は基本的にはオーディオパックのデータ構造と同
様である。即ち、「パックヘッダ」、「パケットヘッ
ダ」「データフィールド」からなり、データフィールド
の先頭8ビット長にサブストリームIDが設けられてい
る。
【0054】「パックヘッダ」はオーディオパックと同
様、パックスタートコード、SCRといったMPEG準拠のデ
ータが記述されており、「パケットヘッダ」には、スト
リームID、パケット長、STDバッファスケールサイズ、P
TS、DTSというMPEG準拠のデータが記述されている。副
映像パックのSCR及びPTSは、動画パックの復号、オーデ
ィオパックの復号との同期調整に用いられる。具体的に
はディスク再生装置側の副映像デコーダはSCRに基づい
て基準クロックの時刻合わせを行い、データフィールド
内の副映像データを復号して基準クロックがPTSに記載
してある時刻を計時するのを待つ。このような時間待ち
を行うのは、ランレングス復号と、フレーム内復号・フ
ィールド内復号の他に動き補償予測も伴う動画データの
復号処理と、音声データの復号とではその処理負荷が大
きく異なるからである。尚且つ動画データの復号が各GO
Pにおいて必須であるのに対して、その字幕の復号は数
秒置きでも良いからである。SCRの時刻を計時すると副
映像デコーダは当該復号結果をディスプレィ側に出力す
る。このようなPTSの記載内容に基づく出力待ちにより
副映像データデコーダは動画出力、オーディオデータ出
力との同期誤差を解消する。
【0055】副映像パックの「パケットヘッダ」のスト
リームIDはオーディオパックと同様にプライベートスト
リームを示す『1011 1101』に設定されているが、デー
タフィールド内のサブストリームIDの設定が異なる。即
ち、副映像パックA,BはサブストリームIDの上位3ビッ
トが『001』に設定されている(図中のハッチング箇所
参照)。
【0056】サブストリームIDの下位5bitは、副映像パ
ックにチャネル番号を与えるために設けられている。本
例であれば、2本の副映像エレメンタリストリームが識
別されることになる。尚、動画用エレメンタリストリー
ム以外の音声や副映像のエレメンタリストリームは、サ
ブストリームと総称される。ビデオオブジェクト(VO
B)には最大、32本の副映像サブストリームを持たせ
ることが可能であり、サブストリームIDには各副映像
サブストリームの識別コードとして0〜31の識別コー
ドが付与されることになる。
【0057】「データフィールド」には、ランレングス
符号により圧縮されたイメージデータとこれを描画する
ための表示制御情報が記録される。ここに記録されたイ
メージデータにより副映像が画面上に描画される。ま
た、表示制御情報により、描画された副映像はスクロー
ルアップ/スクロールダウンやカラーパレット変換、コ
ントラスト変換が可能であり、同一VOBユニット及び
それ以降のVOBユニットの動画パックで描画された動
画にスーパーインポーズされる。
【0058】図6の例ではVOBユニットに副映像パッ
クA,Bが存在するので、2チャネルの字幕スーパーを、
各VOBユニットにおける副映像パックA,Bのデータフ
ィールドに分散して記録することができる。例えば副映
像データAで英語の字幕を表示し、副映像データBでフ
ランス語の字幕を表示することにより、操作者にこれら
を切り替えさせることもできる。
【0059】更に副映像データは、メニューを描画する
ことにも利用される。『旅行ムック』におけるメニュー
の例を図11に示す。図11における『お勧めコース』
『ツアー内容診断コース』はユーザにより選択可能なメ
ニュー項目でありアイテムと称される。メニューのアイ
テムとして副映像が利用される場合の詳細については後
述する。
【0060】(1.1.1.4)ビデオオブジェクト(VO
B)−管理情報パック 管理情報パックはVOBユニットの先頭に必ず1つ配置
され、VOBユニットの再生が行われる間、有効な管理
情報が格納される。図10は、管理情報パックのデータ
構造を示している。動画パック、オーディオパック、副
映像パックが1パケットで構成されるのに対して、管理
パックは2パケットで構成される。2パケットのうち、
1つをPCIパケット(Presentation Control Informati
on Packet)、1つをDSIパケット(Data Search Inform
ation)と称する。データ構造は動画パック、オーディ
オパックのデータ構造とは若干異なり、「パックヘッ
ダ」、「システムヘッダ」「PCIパケットのパケット
ヘッダ」「PCIパケットのデータフィールド」「DS
Iパケットのパケットヘッダ」、「DSIパケットのデ
ータフィールド」からなる。「システムヘッダ」は、こ
の管理情報パックを先頭に持つVOBユニット全体の管
理情報が、MPEGに準拠して格納される。全体に必要
とされる転送レートや動画ストリーム、音声ストリー
ム、副映像ストリーム毎に必要とされる転送レートやバ
ッファサイズの指定が格納される。
【0061】管理情報パックの2個の「パケットヘッ
ダ」のストリームIDは図中の斜線部に示すように、プラ
イベートストリーム2を示す識別コード『1011 1111』
が設定されている。 (1.1.1.4.1)管理情報パック−DSIパケット DSIの内部構造を図12に示す。同図に示すようにDSI
は、DSI一般情報、倍速サーチ情報、及びアングル情報
から構成される。
【0062】DSI一般情報は、管理情報パックの論理ブ
ロック番号を示し、当該管理情報パックと同一GOP単位
のビデオパックのIピクチュアのアドレスを含んでい
る。図12の一例ではDSI一般情報は、当該GOP単位に含
まれている三枚のIピクチュアのアドレスを指示してい
る。倍速サーチ情報は、スキップ再生を行う際のスキッ
プ先アドレスをスキップ量毎に格納するテーブルであ
る。スキップ再生には順方向と逆方向があり、光ディス
クにおける順逆は、螺旋トラックにおいて内周から外周
へと向かう方向が順方向となり、螺旋トラックにおいて
外周から内周へと向かう方向が逆方向となる。テーブル
には現在の管理情報パックのアドレスを基準として、順
方向、逆方向に、0.5秒毎の最寄りVOBユニットの管理情
報パックのアドレスが格納される。例えば、FWD60
であれば、通常の再生により30(0.5×60)秒後に再
生されるべきVOBユニットの管理情報パックのアドレ
スが格納される。同様に、図12に示すFWDI1,2・・・・13,
14,15,20,60,120,240、BWDI1,2・・・・13,14,15,20,60,12
0,240には、0.5秒精度で、再生すべきVOBユニットの管
理情報パックのアドレスが格納される。尚、実際のスキ
ップ再生の速度は、ディスク再生装置のスキップ再生の
指示キーが、上述したテーブルのどの値を利用するかに
より決定される。また、ディスク再生装置のリモコン
が、スキップ再生の速度を回転角度により可変設定する
ジョグダイアル等を有している場合、テーブルの全ての
値を利用して、可変速度のスキップ再生を行うことが可
能になる。
【0063】アングル情報は、マルチアングル期間内に
おけるアングルセルの記録箇所を複数羅列したテーブル
である。マルチアングル期間とは、正面からのカメラア
ングル、側面からのカメラアングル、上空からのカメラ
アングル、斜め上からのカメラアングルというように、
被写体の動きや光景の移り変わりを複数のカメラアング
ルから捉えた複数の映像がインターリーブ記録されてい
る期間をいう。ここでアングルセルとは、正面からのカ
メラアングルで撮影された映像、側面からのカメラアン
グルで撮影された映像、上空からのカメラアングルで撮
影された映像、斜め上からのカメラアングルで撮影され
た映像を含むVOBの一部区間をいう。アングルセルに
は、1,2,3・・・・といった番号が付されている。操作者が
これらの番号をリモコン等の数値キーで指示すると、デ
ィスク再生装置はこれらの番号に該当するアングルセル
の管理情報パックアドレスを当該アングル情報から読み
出し、光ピックアップを当該アドレスに移動させる。操
作者は、上記アングルセル番号のカウントアップを指示
するキー(アングル切り換えキー)の押下により、ディ
スク再生装置に読み出し先のアングルセルをサイクリッ
クに変更させる。これにより、正面、右側面、斜め上か
らの光景を適宜切り換えて再生させることができる。
【0064】(1.1.1.4.2)管理情報パック−PCIパケッ
ト PCIパケットは、主として光ディスク側から対話入力
を操作者に求めるためのハイライト情報と(図14参
照)、操作者からの一方的な特殊再生実行要求の可否を
規定したPCIユーザオペレーション制限情報とを含む
(このPCIユーザオペレーション制限情報は図13に示
す『PCI一般情報』の情報要素である。『PCI一般情報』
は所属するVOBユニットの再生開始時間や終了時間を
指定するための情報あるが本発明との関連は希薄である
ので説明は省略する。)。
【0065】管理情報パックはVOBユニットの先頭に位
置するから、同VOBユニットの動画パック、オーディオ
パック、副映像パックが読み出され、次の管理情報パッ
クがバッファ上に読み出されるまでの僅か0.5秒単位の
期間において、管理情報パックに含まれるハイライト情
報及びPCIユーザオペレーション制限情報は図13〜図
15のデータ構造通りにディスク再生装置におけるバッ
ファに展開される。この期間を過ぎれば、ハイライト情
報及びPCIユーザオペレーション制限情報は次のVOBユニ
ットに含まれるハイライト情報及びPCIユーザオペレー
ション制限情報により上書きされる。同VOBユニットの
動画パック、オーディオパック、副映像パックが順次光
ディスクから読み出されている間のみ、同VOBユニット
におけるPCIユーザオペレーション制限情報は、バッフ
ァ上で展開されているので、この期間において特殊再生
実行を要求する旨のキー割込が発生すると、ディスク再
生装置における割込処理の起動の可否は当該PCIユーザ
オペレーション制限情報の内容により決定される。
【0066】例えばあるPCIユーザオペレーション制限
情報と同じVOBユニットに、広告や規約内容に相当する
動画パック、オーディオパック、副映像パックが含まれ
ており、PCIユーザオペレーション制限情報が早送りの
割込処理の起動を禁止しているものとする。この場合、
広告や規約内容を早送りしようとする割込処理の起動
は、当該PCIユーザオペレーション制限情報によって拒
否されることになる。このようにPCIユーザオペレーシ
ョン制限情報は、同じVOBユニットに属する動画パック
が、どうゆう映像内容であるかに応じて、割込処理の起
動の可否を規定することができる。
【0067】(1.1.1.4.2.1)PCI一般情報 PGCユーザオペレーション制限情報のデータ構造は、図
13において破線で引き出して示すように表される。デ
ィスク再生装置における特殊再生は、早送りの他にも様
々な種別が存在し、PCIユーザオペレーション制限情報
はこれらの種別の特殊再生割込処理の起動の可否を個々
に規定している。図13の縦の並びは、PCI一般情報.Ba
ckward_Scan()〜PCI一般情報.PrevPG_Search(),TopPG_S
earch()というような複数種別の特殊再生の割込処理の
起動の可否が個別に規定されていることを示す。
【0068】PCI一般情報.Backward_Scan()は、そのPCI
一般情報を含む管理情報パックが読み出された時点以降
において巻き戻し再生の操作を行った場合、その操作に
対応する割込処理を実行するか、或は拒否するかの許否
規定を1bitの情報によって表現している。PCI一般情報.
Forward_Scan()は、そのPCI一般情報を含む管理情報パ
ックが読み出された時点以降において早送り再生操作を
行った場合、その操作に対応する割込処理を実行する
か、或は拒否するかの許否規定を1bitの情報によって表
現している。
【0069】PCI一般情報.Pause_On()は、そのPCI一般
情報を含む管理情報パックが読み出された時点以降にお
いて再生の一時停止の操作を行った場合、その操作に対
応する割込処理を実行するか、或は拒否するかの許否規
定を1bitの情報によって表現している。PCI一般情報.An
gle_Change()は、そのPCI一般情報を含む管理情報パッ
クが読み出された時点以降においてアングルセル切り換
え操作を行った場合、その操作に対応する割込処理を実
行するか、或は拒否するかの許否規定を1bitの情報によ
って表現している。
【0070】PCI一般情報.SubPicture_Stream_Change()
は、そのPCI一般情報を含む管理情報パックが読み出さ
れた時点以降において副映像データ切り換え操作を行っ
た場合、その操作に対応する割込処理を実行するか、或
は拒否するかの許否規定を1bitの情報によって表現して
いる。PCI一般情報.Audio_Stream_Change()には、そのP
CI一般情報を含む管理情報パックが読み出された時点以
降において音声切り換え操作を行った場合、その操作に
対応する割込処理を実行するか、或は拒否するかの許否
規定を1bitの情報によって表現している。
【0071】PCI一般情報.Menu_Call(Volume)〜PCI一般
情報.PrevPG_Search(),TopPG_Search()については説明
を先送りする。何故ならこれらは、未説明の機能の許
可、拒否を設定しているからである。 (1.1.1.4.2.2)PCIパケット-ハイライト情報 『ハイライト情報』は、副映像パックによって描画され
たメニュ−に対しての操作を受け付けるための制御情報
であり、図14に示すデータ構造を有する。参照符号h
2に示すように、ハイライト情報は更にハイライト一般
情報、アイテム色情報、アイテム情報#1,#2,#3,#4,#5・・
・#36からなる。アイテム情報#1,#2,#3,#4,#5・・・#36は、
その管理情報パックが読み出されたタイミングで表示さ
れたそれぞれのアイテムについて与えられる。例えば図
11の例であれば、『お勧めコース』『ツアー内容診断
コース』の2つのメニュー項目がそれぞれアイテムであ
り、この場合、アイテム情報#1からアイテム情報#3
6までがエントリーされることになる。尚この領域は固
定長であり、使用されないアイテムのためのアイテム情
報には有効な情報は格納されない。アイテム情報は最大
36個まで設定でき、すなわち、最大36個のメニュー
項目を1画面内に表示することができる。
【0072】以下、ハイライト情報の構成情報の詳細を
説明するが、その前に、説明の都合上、この再生装置で
採用されているメニューの概要について説明する。ま
ず、メニュー項目であるアイテムには標準状態と選択状
態と確定状態があり、これはユーザのメニュー項目の選
択や確定動作により切り替わる。図11を例に補足する
と、このメニューが表示された際、デフォルトの動作と
して、ディスク再生装置はアイテム#1を選択状態で表
示し、残りは通常状態で表示する。すべてのアイテムの
標準状態が白色、選択状態が青色、確定状態が赤色であ
れば、アイテム#1に相当するメニュー項目のみが青色
で表示されることになる。これにより、ユーザは現在、
どのメニュー項目が選択状態にあり(このメニュ−項目
を、カーソルで指示されているメニュ−項目ともい
う。)、実行待ちにあるのかを確認することができる。
ユーザは選択状態にあるメニュー項目を変更したけれ
ば、ディスク再生装置のリモコンの上下左右キーの何れ
かを押下し、選択項目の変更を指示することができる。
後述するが、ディスク再生装置は上下左右キーが押され
た時に変更すべきアイテム番号を各アイテム毎に管理し
ており、これに従い、アイテム#1を通常状態の色、す
なわち、白色に戻し、変更先のアイテムを選択状態の青
色に変更する。ユーザは所望のメニュー項目が選択状態
にある時は、リモコンの確定キーを押下することによ
り、選択状態にあるアイテムを確定することができる。
選択状態から確定状態に移行したアイテムは、青色から
赤色に変化し確定され、確定状態に定められたコマンド
を実行することになる。図11の例であれば、メニュー
項目に従い再生制御を行うことになる。
【0073】これでメニューの概要の説明を終わり、ハ
イライト情報の説明を継続する。 (1.1.1.4.2.2.1)ハイライト情報−アイテム色情報 『アイテム色情報』は、図14の参照符号b6に示すよう
にアイテムのためのセレクト色−確定色を示す情報であ
る。セレクト色とは、ユーザにより選択されたアイテム
に与えられる色であり、確定色とは、ユーザによって確
定操作がなされたアイテムに与えられる色をいう。セレ
クト色−確定色の個々の組み合わせは、3パターン有
り、各色の指定は、色指定及び、背景色に対する混合比
からなる。
【0074】(1.1.1.4.2.2.2)ハイライト情報−アイ
テム情報 『アイテム情報#1,#2,#3,#4,#5・・・・・・#36』は、参照符
号b3に示すように、『色パターン番号』、『開始座標
X1』,『開始座標Y1』,『終了座標X2』,『終了座標Y
2』、『周辺位置情報』、『ハイライトコマンドフィー
ルド』から構成される。
【0075】『色パターン番号』は、『アイテム色情
報』に含まれる選択色−確定色の色パターンの何れか一
つを指定する。『開始座標X1』,『開始座標Y1』,『終了
座標X2』,『終了座標Y2』は、ユーザがアイテムを選択
または確定した場合、どの範囲を『色パターン番号』で
指示された色及び混合比に変換するかを示す。『周辺位
置情報』は、『上キー押下時の移動先アイテム番号』
『下キー押下時の移動先アイテム番号』『右キー押下時
の移動先アイテム番号』『左キー押下時の移動先アイテ
ム番号』からなり、再生装置への指示装置、例えばリモ
コンの上下左右キー押下時の移動先アイテムを示す。
【0076】参照符号y303で指示する『ハイライトコマ
ンドフィールド』は各アイテム情報に対応づけられたコ
マンドフィールドであり、本フィールドに記述されたコ
マンドは、そのアイテムの確定操作がなされて初めてデ
ィスク再生装置によって実行される。ディスク再生装置
における確定操作は、アイテムをカーソルで指定しての
『Enter』キー押下、アイテムに対応する数値キー押下
等である。ハイライトコマンドフィールドに記述される
コマンドには、アイテムの確定操作に応じて別の再生経
路に分岐する分岐コマンド、アイテムの確定操作に応じ
て得点を加減算する加減算コマンドがある。
【0077】アイテム情報におけるハイライトコマンド
フィールドに対する分岐コマンドの記述例を以下に示
す。 {ケース3} お勧めツアー 分岐コマンド『Link PGC2』 ツアー内容選択 分岐コマンド『Link PGC3』 アイテム情報のハイライトコマンドフィールドに記述さ
れた分岐コマンドにおいて、PGC2,3といった数値は、
ビデオタイトルセット管理情報内のPGC情報に付されたP
GC番号を示す。PGC情報とは主として再生経路を規定す
る情報であり、ビデオタイトルセット管理情報内に複数
存在する。例えばVOB#9が再生されて、図11に示すメ
ニュ−が表示されたタイミングで操作者がアイテムに
対する確定操作を行うと、アイテム情報#1のハイライト
コマンドフィールドに記述されている分岐コマンド『Li
nk PGC2』を読み出し、これを実行する。これにより光
ディスクの再生経路はPGC情報#2へと分岐する。
【0078】(1.1.1.4.2.2.3)ハイライト情報−ハイ
ライト一般情報 ハイライト一般情報は図15の参照符号h4で指示する
縦の並びのように『前VOBユニットからの変更有フラ
グ』、『ハイライト情報有効区間開始位置』、及び『ハ
イライト情報有効区間終了位置』から構成される。『前
VOBユニットからの変更有フラグ』は、2ビット長の
フィールドを有する。本フィールドに『00』が記述され
ていると、この『前VOBユニットからの変更有フラ
グ』を含んでいるハイライト情報には、有効なアイテム
色情報、アイテム情報が含まれていない旨を表す。本フ
ィールドに『01』が記述されていると、この『前VOB
ユニットからの変更有フラグ』を含んでいるハイライト
情報はこのパックから有効になることを表す。有効とな
ったハイライト情報はディスク再生装置内のハイライト
情報バッファ(ハイライト情報を格納するバッファのこ
とであり後述する。)に書き込まれることになる。『1
0』が記述されていると、前VOBユニットのハイライ
ト情報が、このVOBユニットでも継続して有効である
旨を表す。この場合、ハイライト情報バッファの上書き
は行われない。『11』が記述されていると、前のVOB
ユニットからハイライト情報内のハイライトコマンドの
みが変更された事を示す。この場合、ディスク再生装置
にハイライトコマンドのみをバッファに書き込む旨を指
示する。
【0079】すなわち、この『前VOBユニットからの
変更有フラグ』によりディスク再生装置は、メニュー項
目の設定情報が変更されたか否かをチェックすることが
でき、VOBユニット単位でハイライト情報を更新でき
ることに加えて、変更が不要な場合を検出でき、煩雑な
更新処理がVOBユニット毎に発生することを回避する
ことができる。
【0080】また、『ハイライト情報有効区間開始位
置』『ハイライト情報有効区間終了位置』はハイライト
情報の有効区間を示す。図5に示した各VOB及び各パッ
クのデータ構造は以上の通りである。続いて図5に示し
たビデオタイトルセットのVOBに記述されているデータ
内容がそれぞれどう異なるかについて図16〜図18を
参照しながら対比説明する。
【0081】図16におけるVOB#1のうち、GOP00〜GOP
200を含む数分長の期間は、矢印で引き出して示すよう
に、ツアー会社、航空会社の広告を紹介する実写映像で
ある。GOP250〜GOP450を含む数分長の期間は、矢印で引
き出して示すように有名ビーチを紹介する実写映像であ
る。
【0082】VOB#2のうち、GOP00〜GOP200を含む数分
長の期間は、矢印で引き出して示すように、現地の高級
ホテルAの設備案内を紹介する実写映像である。GOP250
〜GOP450を含む数分長の期間は、矢印で引き出して示す
ように、宿泊料金やチェックイン/チェックアウト法を
紹介する実写映像である。VOB#3のうち、GOP100〜GOP2
00を含む数分長の期間は、矢印で引き出して示すよう
に、エコノミーホテルを紹介する実写映像である。
【0083】図17においてVOB#4のうち、GOP100〜GO
P200を含む数分長の期間は、一枚目のメニューを描画す
るための、ビデオパック、副映像パック、管理情報パッ
クが含まれている。ビデオパックはメニューの背景映像
を格納し、副映像パックはメニュー項目を選択色、確定
色に変化させるためのグラフィックスを格納し、管理情
報パックにはメニュー項目が確定された際に実行される
コマンド情報を格納している。このメニュー項目に割り
当てられるユーザインタラクション用の情報はアイテム
と称される。本メニュ−はホテルのグレードがデラック
スコース及びエコノミーコースといった2つのコースを
提示するアイテムを含んでおり、これらのアイテムはそ
れぞれ、PCI内のアイテム情報#1、アイテム情報#2と対
応づけられている。アイテム情報はLinkPGC5という再
生経路を切り換えるためのコマンドを含んでおり、アイ
テム情報はLinkPGC6という再生経路を切り換えるため
のコマンドを含んでいる。
【0084】VOB#5のうち、GOP100〜GOP200を含む数分
長の期間は、二枚目のメニューを描画する副映像パック
が含まれている。メニュ−は『ダイビングコース』、
『市街観光コース』といったコースを選択させるための
アイテムを含んでおり、それら2つのアイテムはPCIの
アイテム情報#1、アイテム情報#2が対応づけられてい
る。アイテム情報#1はPGC7に再生経路を切り換えるた
めのコマンドを含んでおり、アイテム情報#2はPGC8に
再生経路を切り換えるためのコマンドを含んでいる。
【0085】VOB#6のGOP100〜GOP200を含む数分長の期
間は、矢印で引き出して示すように珊瑚礁、熱帯魚を紹
介する数分長の実写映像である。図18において、VOB#
7のGOP100〜GOP200を含む数分長の期間は、矢印で引き
出して示すように、ダイビングスポットを紹介する数分
長の実写映像である。GOP300〜GOP400を含む数分長の期
間は、矢印で引き出して示すようにダイビングの諸注
意、緊急時の対処法を紹介する数分長の実写映像であ
る。
【0086】VOB#8のGOP100〜GOP200は、市街観光を紹
介する実写映像である。GOP300〜GOP400は引き出し線で
引き出して示すように、市街行動における諸注意、事故
に巻き込まれた場合の連絡先を紹介する実写映像であ
る。VOB#9のGOP100〜GOP200を含む数分長の期間は、三
枚目のメニュ−を描画する副映像パックを含む。当該メ
ニュ−は『お勧めツアー』、『ツアー内容選択』という
文字列を描画した2つのアイテムを含んでおり、当該区
間に配された管理情報パックのPCIには、アイテム情報#
1及びアイテム情報#2が含まれている。アイテム情報#1
には再生経路をPGC情報2に分岐する『LinkPGC#2』アイ
テム情報#2には再生経路をPGC情報3に分岐する『LinkPG
C#3』が含まれている。
【0087】広告部に相当するVOB#1のGOP00〜GOP2
00においては、PCIユーザオペレーション制限情報のP
CI一般情報.Forward_Scan()が非許可と設定されている
ものとする。これは操作者が早送り操作を行うことによ
り、折角挿入した広告が見過ごさされることを未然に防
止するためである。以上で図5におけるビデオタイトル
セットのビデオオブジェクト(VOB)の説明を終わり、
次に同ビデオタイトルセットのビデオタイトルセット管
理情報の構成について説明する。
【0088】(1.2)ビデオタイトルセット管理情報 ビデオタイトルセット管理情報は、上述したビデオオブ
ジェクト群の複数の再生順序を管理する情報が格納され
る。すなわち、本例の『旅行ムック』を格納するビデオ
タイトルセットであれば、ビデオタイトルセット管理情
報は、ハワイ諸島、サイパン島、グアム島の各コースが
選択された場合にどういうようにシーン展開すべきかを
規定するプログラムチェーン(PGC)が複数格納される
ことになる。
【0089】図19はビデオタイトルセット管理情報の
内部構造を示す図である。図19の参照符号a5に示す
ように、ビデオタイトルセット管理情報は、ビデオタイ
トルセット管理テーブル、ビデオタイトルセット部タイ
トルサーチポインタテーブル、PGC管理情報テーブルか
ら構成される。『ビデオタイトルセット管理テーブル』
は、ビデオタイトルセット管理情報のヘッダ情報であ
り、ビデオタイトルセット部タイトルサーチポインタテ
ーブル、PGC管理情報テーブルの格納位置へのポインタ
が格納されている。
【0090】『ビデオタイトルセット部タイトルサーチ
ポインタテーブル』は、PGC管理情報テーブルに格納さ
れる複数のプログラムチェーン群のインデックスであ
り、タイトルの選択時に第一に実行すべきPGC情報はど
れであるかを、プログラムチェーンの格納位置へのポイ
ンタにより指定する。本例であれば、『旅行ムック』に
おけるハワイ諸島、サイパン島、グアム島の各コース
と、エントリとなるPGC情報とを対応づけて格納してい
る。
【0091】『PGC管理情報テーブル』は、参照符号a
6に示すように、ビデオタイトルセットに格納される全
てのビデオオブジェクトに対する複数のPGC情報#1,#2,#
3,#4・・・・・#nを格納している。これらのPGC情報は何れか
1つがディスク再生装置のバッファに読み出され、ディ
スク再生装置はこのバッファに読み出されたPGC情報が
示す再生経路に基づいてVOBを順次デコーダへと読み
出してゆく。
【0092】1つの再生経路の読み出しが済むと、また
別のPGC情報が光ディスクから読み出されて、それまで
バッファ上に展開されていたPGC情報は、新たに読み出
されたPGC情報によって上書きされる。ディスクプレー
ヤは新たにバッファに読み出されたPGC情報が示す再生
経路に基づいてVOBを順次デコーダへと読み出してゆ
く。このようにこれらのPGC情報は、かわるがわるバッ
ファ上に読み出され、ディスク再生装置は、絶えず新し
い再生経路を光ディスクから取得し、これに基づきVO
Bを読み出してゆく。
【0093】各PGC情報は何れも1つ以上のビデオオブ
ジェクトの再生順序を記述している。2つ以上のPGC情
報が同一のビデオオブジェクトを再生するよう指定して
いる場合もある。例えば図5のビデオタイトルセットを
例に説明すれば、PGC情報にビデオオブジェクトの再生
順序がVOB#1、VOB#2、VOB#3、VOB#4の順序で記述さ
れていれば、ビデオオブジェクトはVOB#1、VOB#2、VO
B#3、VOB#4の順序で再生される。また別のPGC情報に
ビデオオブジェクトの再生順序がVOB#3、VOB#2、VOB#
1、VOB#4の順序で記述されていれば、ビデオオブジェ
クトはVOB#3、VOB#2、VOB#1、VOB#4の順序で再生さ
れる。
【0094】次に、PGC情報のデータ構造について説明
する。 (1.1.2.1)ビデオタイトルセット管理情報−PGC情報 先に述べたようにPGC情報は再生経路を規定するための
情報であり、主として同ビデオタイトルセット内のVO
Bのうち、どれをどのような順序で読み出すかを規定し
ているが、『自身に続きどの再生経路を連結するか』、
『自身によって再生されるVOBをどうグル−プ化する
か』『自身の再生順序でVOBが再生されている際に操
作者側から特殊再生の実行が求められると、その通りに
割込処理を実行するか否か』といった情報を、自分の再
生経路に付随させている。このように一個の再生経路に
多様な制御情報を付随させているため、PGC情報は図2
0の参照符号a7に示すように、『PGC連結情報』と、
『PGC一般情報』と、『PGマップ』と、『VOB位置情報
テーブル』と、『PGCコマンドテーブル』とから構成さ
れる。
【0095】『VOB位置情報テーブル』は、当該PGC情報
においてどのVOBをどの順序で読みだせば良いかをディ
スク再生装置に指示する。尚且つ、順序における各VOB
が光ディスク上の何処から何処までに記録されているか
をディスク再生装置に指示し、ディスク再生装置にこの
範囲を光ピックアップで走査させる。VOBの読み出し順
序及び各VOBを読み出す際の光ピックアップの走査範囲
は、VOB位置情報の羅列で表現される。VOB位置情報の表
記を参照符号a9に示す。参照符号a9で指示するよう
に、本実施形態では、VOB位置情報をVOBの再生時間、VO
Bへのオフセット、VOBのブロック数で表現している。VO
Bの読出時にディスク再生装置は、これらのVOB位置情報
に含まれるオフセット数等を手掛かりにして、VOBが記
録されている論理ブロックの論理ブロック番号を計算
し、『ブロック数』で指示されている数だけ、トラック
上の論理ブロックを順方向或は逆方向に走査してゆく。
【0096】『PGC連結情報』は『自身に続きどの再生
経路を連結するか』を示す情報であり、自身のPGC情報
の次に、どのPGC情報をバッファに読み出すかを示す連
結先情報を格納している。ディスク再生装置は1つのPG
C情報による再生が完了すれば『PGC連結情報』に従っ
て、次のPGC情報を決定し、決定したPGC情報を光ディス
クからバッファへと読み出すことによりPGC情報を上書
きする。これによりバッファ上のPGC情報を更新し、更
新されたPGC情報に示される再生経路に基づき再生制御
を継続する。
【0097】『PGマップ』とは、『自身によって再生
されるVOBをどうグル−プ化するか』を示す情報であ
り、参照符号a10で指示する複数のPG番号と、エント
リーVOBとを対応づけたテーブル状のデータ構造を有す
る。PG(ProGram)とは、当該PGC情報によって再生順
序が与えられた複数VOBをグル−プ化したものであり、
エントリーVOBとは、各PGにおいて先頭に位置するVOB
のことをいう。
【0098】例えばPGC情報#10がVOB#1、2、3、
4、5・・・・9といった9本のVOBに再生順序を与えてお
り、ここでVOB#1をPG1のエントリーVOBと設定し、V
OB#3をPG2のエントリーVOBと設定し、VOB#6をPG
3のエントリーVOBに設定する。そうすると、VOB#1〜V
OB#2がPG1にグル−プ化され、VOB#3〜VOB#5がP
G2にグル−プ化され、VOB#6〜VOB#9がPG3にグル
−プ化される。
【0099】PGマップは、読み出し位置を変更する旨
の指示が操作者によってなされた際にディスク再生装置
による閲覧に供せられる。ここでの『読出位置変更指
示』とは、『次PGへの移動』、『前PGへの移動』、
『先頭PGへの移動』という指示が操作者から与えられ
ることである。ディスク再生装置がVOB#4を読み出して
いる間に操作者が『前PGへの移動』をディスク再生装
置に指示すると、上記一例におけるPGマップにおい
て、VOB#4が属するPG名と、当該PGの前に位置する
PG名とそのエントリーVOBとがディスク再生装置によ
って読み出される。VOB#4はPG2に属しており、前P
GはPG1となるから、ディスク再生装置はPG1のエ
ントリーVOBであるVOB#1の読み出しを開始する。ディ
スク再生装置がVOB#4を読み出している間に操作者が
『次PGへの移動』を指示すると、VOB#4が属するPG
名と、当該PGの次に位置するPG名とそのエントリー
VOBがディスク再生装置によって読み出される。VOB#4
はPG2に属しており、次PGはPG3となるから、デ
ィスク再生装置はPG3のエントリーVOBであるVOB#6
の読み出しを開始する。
【0100】ディスク再生装置がVOB#4を読み出してい
る間に操作者が『次PGへの移動』をディスク再生装置
に指示すると、上記一例におけるPGマップにおいて、
VOB#4が属するPG名と、当該PGマップにおいて先頭
に位置するPG名のエントリーVOBとがディスク再生装
置によって読み出される。先頭PGはPG1となるか
ら、ディスク再生装置はPG1のエントリーVOBであるV
OB#1の読み出しを開始する。
【0101】『PGCコマンドテーブル』には、『VOB位置
情報テーブル』に付随した加減算コマンド及び分岐コマ
ンドが格納されている。ディスク再生装置は、『VOB位
置情報テーブル』に基づくVOBの読み出し前及び読み出
し後にここに記述されたコマンドを実行する。参照符号
a11で指示する『PGCユーザオペレーション制限情報』
は、特殊再生のキー割込信号が発生した場合、これらの
操作通りに機能を実行するか(許可)、操作を拒否する
か(非許可)の許可−非許可の条件を列挙したテーブル
であり、その用途は管理情報パックに含まれるPCIユー
ザオペレーション制限情報に近い。唯PCIユーザオペレ
ーション制限情報がVOBユニットに含まれているのに対
して、PGCユーザオペレーション制限情報がPGC情報に含
まれているため、先ず第1の差違点としては、PGCユー
ザオペレーション制限情報は、PCIユーザオペレーショ
ン制限情報と比較してバッファに展開されている期間が
すこぶる長いことが挙げられる。
【0102】具体的にゆうとPCIユーザオペレーション
制限情報がVOBユニットの数だけ存在しているため、0.5
秒の時間頻度で絶えず更新されるのに対して、PGCユー
ザオペレーション制限情報はバッファ上の『VOB位置情
報テーブル』に記載されたVOBが全て読み出されてい
る間バッファに展開されている。無論『VOB位置情報テ
ーブル』に記載されたVOBが全て読み出されると、バ
ッファ上のPGCユーザオペレーション制限情報は次のPGC
情報によって上書きされるが、『旅行ムック』の一例で
あれば、『VOB位置情報テーブル』に記載された全ての
VOBを再生させるには、何十分という期間が必要であ
り、一つのPGCユーザオペレーション制限情報は、大体
何十分という期間においてバッファ上に展開されている
ことになる。
【0103】その何十分という期間に特殊再生実行を要
求する旨のキー割込が発生すると、ディスク再生装置
は、同PGC情報におけるPGCユーザオペレーション制限情
報の内容によりその割込処理を実行するか拒否するかを
決定する。第2の差違点としては、PCIユーザオペレー
ション制限情報がVOBが再生されている期間のうち特
定の映像内容(先に述べた広告、規約等のことであ
る。)が現れている期間のみ特殊再生用の割込処理の起
動の拒否し、それ以外は受け入れるという用途に用いら
れるのに対して、PGCユーザオペレーション制限情報
は、同じPGC情報における『VOB位置情報テーブル』によ
って数本のVOBの映像内容が画面に現れている期間
は、映像内容がどのようなものであっても特殊再生用の
割込処理の起動を無効にするという用途に用いられる点
である。
【0104】更に追求すると、PCIユーザオペレーショ
ン制限情報は特定の映像内容が現れている期間のみ特殊
再生用の割込処理の起動の拒否し、それ以外は受け入れ
るという各VOBユニットの映像内容との同期を前提にし
ているのに対して、PGCユーザオペレーション制限情報
は、そのPGC情報の『VOB位置情報テーブル』によってど
のようなVOBが画面上に順々に表れるか(『VOB位置
情報テーブル』がVOBを指定することによるシーン展
開がどのように行われるか)を前提にして、特殊再生の
起動が相応しいか否かの許否規定を設定している。
【0105】ここでPGC情報#31の『VOB位置情報テーブ
ル』が、ハワイ諸島コースに係る選りすぐりのVOBの
みを読み出すよう規定しているものとする。PGC情報#3
1のPGCユーザオペレーション制限情報は早送りの割込
処理の起動を禁止しているものとする。これにより、PG
C情報#31は選りすぐりの光景を視聴させるための『早
送り無効の再生経路』として光ディスクに収録されるこ
とになる。
【0106】PGC情報#32の『VOB位置情報テーブル』
が、ハワイ諸島コースに係る実写映像の全てのVOBの
先頭部分のみ読み出すことにより、ダイジェスト映像と
して視聴されることを目的としているものとする。また
PGC情報#32のPGCユーザオペレーション制限情報は早送
りの割込処理の起動を許可しているものとする。これに
より、PGC情報#32は『早送り再生可能な再生経路』と
して光ディスクに収録されることになる。 コースの短
時間で視聴しようとする早送りの割込処理の起動は、PG
C情報#31では拒否されるが、PGC情報#32では可能とな
る。PGC情報#31及びPGC情報#32は、同一の映像内容を
再生しつつも、『早送り再生無効再生経路』『早送り再
生可能な再生経路』というように差別化される。
【0107】第3の差違点としては、PCIユーザオペレ
ーション制限情報が副映像によって描画されたメニュ−
に対するカーソル操作、確定操作については可否を設定
できないのに対して、PGCユーザオペレーション制限情
報が副映像によって描画されたメニュ−に対するカーソ
ル操作、確定操作をも拒否できる点である。第1〜第3
の差違点の他にPGC情報においてPGCユーザオペレーショ
ン制限情報を用いることにより『二つの側面を持った制
御機構』を設けることができる。ここでの『二つの側
面』とは、早送り,巻戻し,アングル切り換え、対話操作
に係る制御情報を管理情報パック側に温存しつつも、PG
C情報側でそれらを用いた機能の起動を無効化すること
をいう。このような二つの側面を有する制御機構では、
PGC情報側のユーザオペレーション制限情報の設定によ
り、管理情報パック内のDSIパケット、PCIパケットによ
る制御内容をどのレベルまで操作者に開放するかをタイ
トル制作者が自在に調整することができる。このような
調整を応用すると、対話性をいかんなく発揮する再生経
路と、対話的な制御内容を全部或は一部割愛の上で実行
するデモンストレーション用の再生経路とを一枚の光デ
ィスク内に設けておき、光ディスクが再生される状況に
応じてこれらの再生経路を適宜切り換えて用いることが
できる。
【0108】例えばハイライト情報による制御に上下左
右のカーソル移動、確定操作時におけるハイライトコマ
ンドの実行があり、このうち確定操作時におけるハイラ
イトコマンドの実行のみをPGC情報のPGCユーザオペレー
ション制限情報により無効化すると、そのPGC情報によ
り再生が行われている際は、ユーザ操作による上下左右
のカーソル移動は可能となるが、何度Enterキーを押下
して確定操作を行ってもハイライトコマンドは実行され
ない。図12の一例でゆうと、『お勧めコース』、『ツ
アー内容選択コース』のアイテム間にカーソルは遷移し
ても、それぞれのアイテムに対応づけられた分岐コマン
ドは実行されないという現象が生じる。
【0109】このように、対話性操作を一部無効化した
PGCユーザオペレーション制限情報と、分岐先を自動的
に決定する分岐コマンドとをあわせ持つPGC情報は、
『旅行ムック』のオートデモ版として店頭の販売促進に
利用することができる。即ち、美しい実写映像を店頭で
流し、これに合わせてアイテムを表示することで通りす
がりの通行人の興味をひき、また実際に通行人にカーソ
ル移動を行わせて、一方では対話性があることをアピー
ルしながら、他方ではその対話性のかなめであるハイラ
イトコマンドによる分岐を店頭では禁じておく。対話性
の高いPGC情報とは別に、対話操作を一部無効化したデ
モンストレーション用のPGC情報を設けることにより、
『商品用』『デモ用』の2つの再生経路を切り換えて使
用することができる。以上でPCIユーザオペレーショ
ン制限情報との差違についての説明を終え、PGCユーザ
オペレーション制限情報の詳細について個別に説明す
る。
【0110】図20の参照符号a11の下の縦の並びは、P
GC一般情報.Backward_Scan()〜PGC一般情報.PrevPG_Sea
rch(),TopPG_Search()というような複数種別の特殊再生
の割込処理の起動の可否が個別に規定されていることを
示す。PGC一般情報.Backward_Scan()は、そのPGC一般情
報を含むPGC情報によってVOBが読み出されている期間内
において操作者が巻き戻し再生の操作を行った場合、そ
の操作に対応する割込処理を実行するか、或は拒否する
かの許否規定を1bitの情報によって表現している。
【0111】PGC一般情報.Forward_Scan()は、そのPGC
一般情報を含むPGC情報によってVOBが読み出されている
期間内において操作者が早送り再生の操作を行った場
合、その操作に対応する割込処理を実行するか、或は拒
否するかの許否規定を1bitの情報によって表現してい
る。PGC一般情報.Pause_On()は、そのPGC一般情報を含
むPGC情報によってVOBが読み出されている期間内におい
て操作者が一時停止の操作を行った場合、その操作に対
応する割込処理を実行するか、或は拒否するかの許否規
定を1bitの情報によって表現している。
【0112】PGC一般情報.Angle_Change()は、そのPGC
一般情報を含むPGC情報によってVOBが読み出されている
期間内において操作者がアングル切り換えの操作を行っ
た場合、その操作に対応する割込処理を実行するか、或
は拒否するかの許否規定を1bitの情報によって表現して
いる。PGC一般情報.SubPicture_Stream_Change()は、そ
のPGC一般情報を含むPGC情報によってVOBが読み出され
ている期間内において操作者が副映像データ切り換えの
操作を行った場合、その操作に対応する割込処理を実行
するか、或は拒否するかの許否規定を1bitの情報によっ
て表現している。
【0113】PGC一般情報.Audio_Stream_Change()は、
そのPGC一般情報を含むPGC情報によってVOBが読み出さ
れている期間内において操作者がオーディオデータ切り
換えの操作を行った場合、その操作に対応する割込処理
を実行するか、或は拒否するかの許否規定を1bitの情報
によって表現している。Upper_Item_Select()、Lower_I
tem_Select()、Right_Item_Select()、Left_Item_Selec
t()、Item_Activate()は、第3の差違点に係る可否規定
である。
【0114】Upper_Item_Select()は、そのPGC一般情報
を含むPGC情報によってVOBが読み出されている期間内に
おいて操作者が上カーソルキーを押下した場合、ハイラ
イト情報内の周辺位置情報の移動先アイテムの指定通り
に上のアイテムへとカーソルを移動するか、或は拒否す
るかの許否規定を1bitの情報によって表現している。Lo
wer_Item_Select()は、そのPGC一般情報を含むPGC情報
によってVOBが読み出されている期間内において操作者
が下カーソルキーを押下した場合、ハイライト情報内の
周辺位置情報の移動先アイテムの指定通りに下のアイテ
ムへとカーソルを移動するか、或は拒否するかの許否規
定を1bitの情報によって表現している。
【0115】Right_Item_Select()は、そのPGC一般情報
を含むPGC情報によってVOBが読み出されている期間内に
おいて操作者が右カーソルキーを押下した場合、ハイラ
イト情報内の周辺位置情報の移動先アイテムの指定通り
に右のアイテムへとカーソルを移動するか、或は拒否す
るかの許否規定を1bitの情報によって表現している。Le
ft_Item_Select()は、そのPGC一般情報を含むPGC情報に
よってVOBが読み出されている期間内において操作者が
左カーソルキーを押下した場合、ハイライト情報内の周
辺位置情報の移動先アイテムの指定通りに左のアイテム
へとカーソルを移動するか、或は拒否するかの許否規定
を1bitの情報によって表現している。
【0116】Item_Activate()は、そのPGC一般情報を含
むPGC情報によってVOBが読み出されている期間内におい
て操作者が確定操作を行った場合、そのアイテム情報に
対応するハイライトコマンドフィールドのコマンドを実
行するか、或は拒否するかの許否規定を1bitの情報によ
って表現している。PGC一般情報.Menu_Call(Volume)
は、そのPGC一般情報を含むPGC情報によってVOBが読み
出されている期間内において操作者がボリュームメニュ
−読み出しの操作を行った場合、その操作に対応する割
込処理を実行するか、或は拒否するかの許否規定を1bit
の情報によって表現している。
【0117】PGC一般情報.NextPG_Search()は、そのPGC
一般情報を含むPGC情報によってVOBが読み出されている
期間内において操作者が次PGの読み出しを指示する操
作を行った場合、その操作に対応する割込処理を実行す
るか、或は拒否するかの許否規定を1bitの情報によって
表現している。PGC一般情報.PrevPG_Search(),TopPG_Se
arch()は、そのPGC一般情報を含むPGC情報によってVOB
が読み出されている期間内において操作者が前PGの読
み出し、先頭PGの読み出しを指示する操作を行った場
合、その操作に対応する割込処理を実行するか、或は拒
否するかの許否規定を1bitの情報によって表現してい
る。
【0118】PCIユーザオペレーション制限情報の説明
において、PCI一般情報.Menu_Call(Volume)〜PCI一般情
報.PrevPG_Search(),TopPG_Search()の説明は先送りし
たが、PCI一般情報.Menu_Call(Volume)〜PCI一般情報.P
revPG_Search(),TopPG_Search()の機能は、基本的にPGC
一般情報.Menu_Call(Volume)〜PGC一般情報.PrevPG_Sea
rch(),TopPG_Search()の機能と同一であり、ボリューム
メニュー、PGジャンプ等の機能を受け入れるか否かの
許否設定をGOP単位に設定している。
【0119】図19に示した各PGC情報のデータ構造は
以上の通りである。続いて図19に示したビデオタイト
ルセットの各PGC情報の記述内容がそれぞれどう異なる
かについて第13A図〜第13C図を参照しながら対比
説明する。第13A図においてPGC#1のPGC一般情報はFo
rward_Scanが非許可に設定されておりVOB位置情報はVOB
#9の記録位置が記載されている。PGC#2のPGC一般情報
はForward_Scanが許可に設定されておりVOB位置情報はV
OB#1、VOB#2、VOB#3,VOB#7、VOB#8の記録位置が記
載されている。PGC#3のPGC一般情報はForward_Scanが非
許可に設定されておりVOB位置情報はVOB#1、VOB#4の
記録位置が記載されている。PGC#5のPGC一般情報はForw
ard_Scanが非許可に設定されておりVOB位置情報はVOB#
2、VOB#5の記録位置が記載されている。PGC#6のPGC一
般情報のForward_Scanは非許可に設定されておりVOB位
置情報はVOB#3、VOB#5の記録位置が記載されている。
PGC#7のPGC一般情報のForward_Scanは非許可に設定され
ておりVOB位置情報はVOB#7の記録位置が記載されてい
る。PGC#8のPGC一般情報のForward_Scanは非許可に設定
されておりVOB位置情報はVOB#8の記録位置が記載され
ている以上の説明において、PGC情報#2の『VOB位置情報
テーブル』にVOB#1、VOB#2、VOB#7、VOB#8が記述さ
れているのは、PGC情報#2が観光地のシーンを収集した
ダイジェスト版の再生経路であることを意味する。これ
に対して他のPGC情報#1、5〜8は、『VOB位置情報テー
ブル』に1本或は2本のVOBの記録箇所を記載してい
る。これは他のPGC情報は、各VOBの内容を個別に紹介す
るために編集されていることを意図している。
【0120】ユーザオペレーションに注目すれば、PGC
情報#2のPGC一般情報.Forward_Scan()が許可に設定され
ており、その他のPGC情報のPGC一般情報.Forward_Sca
n()が非許可と設定されている。これはPGC情報#2はダイ
ジェスト版であるため、操作者が早送り再生により収録
内容を短時間で一望できるよう、タイトル制作者が設定
しているからである。
【0121】その他のPGC情報は、レジャー内容の詳細
内容を紹介するために設けられており、操作者にじっく
りと見て貰うこと、及び、メニュ−に対して確実にアイ
テムを確定させることにより分岐先を確実に選択して貰
うことを意図している。 (1.1.1)論理構造−ビデオマネージャ ビデオマネージャの構成はビデオオブジェクトと、PGC
管理情報テーブルとからなり、ビデオタイトルセットの
データ構造に準拠しているといって良い。ビデオマネー
ジャのVOBとビデオタイトルセットのVOBとの差違
点は、ビデオマネージャーがボリュームメニュー用に特
化されている点である。ここでボリュームメニューと
は、光ディスクに収録された全てのタイトルを一覧表示
させ、何れか一つのタイトルを選択させるためのメニュ
ーであり、光ディスクがディスク再生装置に装填され
て、光ピックアップがボリューム管理領域からファイル
領域へと移動した直後に画面上に表示される。
【0122】このボリュームメニュー用に特化されてい
るため、ビデオマネージャーとビデオタイトルセットと
の間には、以下の第1、第2の差違点がある。先ず第1
に、ビデオタイトルセットのVOBが図6に示したよう
に実写映像の動画データ、副映像パック、オーディオパ
ックを含むのに対して、ビデオマネージャのVOBは、
メニュ−用の背景映像の動画パック及び副映像パック及
び管理情報パックを含んでいるのに過ぎない。第2に、
ビデオタイトルセットのPGC情報及びハイライト情報に
記述された分岐系コマンドの分岐先は、ビデオタイトル
セットの域を越えないのに対して、ビデオマネージャー
に記述された分岐系コマンドは、光ディスクにおける幾
つものビデオタイトルセットのタイトルを分岐先にして
おり、ビデオタイトルセット間を跨ぐ点である。図43
にビデオマネージャのデータ構成を示す。図43に示す
ように、『ビデオマネージャ』は、『メニュー用ビデオ
オブジェクト』、『メニュ−用PGC管理情報テーブ
ル』、『タイトルサーチポインタテーブル』から構成さ
れる。
【0123】『メニュー用ビデオオブジェクト』はその
名称通り、ボリュームメニュー用に特化されたVOBで
ある。即ち、ボリュームメニューを表示するための副映
像パックと、当該メニューに対するカーソル操作、確定
操作に応じた再生制御を行うための管理情報パックとを
含んでいる。図44はボリュームメニュー用の表示映像
の説明図である。ボリュームメニュー用ビデオオブジェ
クトは、複数のアイテムy611,y612,y613,y616を有す
る。これらのアイテムは、『旅行ムック』<ハワイ諸島
コース>『旅行ムック』<グアムコース>といったタイ
トルのうち、何れか一つを特定させるための内容であ
る。このようなアイテムに対してユーザが確定操作を行
うことにより、これから再生されるタイトルが指定され
る。同VOBに存在する管理情報パックは、図44にお
ける光ディスクにおけるタイトルの数のハイライト情報
がエントリーされている。これらのハイライト情報のハ
イライトコマンドフィールドには、各ビデオタイトルセ
ット及び各タイトルを分岐先にした“TitlePlay”コマ
ンドが格納されている。
【0124】『メニュー用PGC管理情報テーブル』は、
ボリュームメニュー用に特化されたPGC情報であり、デ
ィスク再生装置への装填時にメニュ−用VOBが読み出
されるよう、当該メニュ−用VOBの記録箇所が記述さ
れている。このPGC情報は、光ディスクがディスク再生
装置に装填されて光ピックアップがボリューム管理領域
からファイル領域へと移動した直後にディスク再生装置
によって読み出される。これにより、ボリュームメニュ
ーが画面上に表れることになる。
【0125】『タイトルサーチポインタテーブル』は、
各タイトルが所属するタイトルセット及びタイトルセッ
ト内において各タイトルに付されたタイトル番号を特定
するためのインデックスである。 (2.1)ディスク再生装置の概要 光ディスクの再生装置(DVDプレイヤー)について説明
する。図22はDVDプレーヤー1、テレビモニタ2、及
びリモコン91の外観を示す図である。
【0126】DVDプレーヤー1は、筐体正面に開口を有
し、開口の奥行き方向には光ディスクをセットするドラ
イブ機構が設けられている。DVDプレイヤーの正面に
は、リモコンが発する赤外線を受光する受光素子を有し
たリモコン受信部92が設けられており、操作者が把持
したリモコンに対して操作があると、リモコン受信部9
2は、キー信号を受信した旨の割込み信号を発する。
【0127】DVDプレイヤーの背面にはビデオ出力端
子、オーディオ出力端子が備えられており、ここにAVコ
ードを接続することでDVDから再生された映像信号を家
庭用の大型テレビモニタ2に出力することができる。こ
れによって操作者は、33インチ、35インチ等家庭用
の大型テレビによって、DVDの再生映像を楽しむことが
できる。以上の説明からも判るように、本実施形態のDV
Dプレーヤー1はパソコン等と接続して用いるものでは
なく、家庭用電化機器として、テレビモニタ2と共に用
いるものである。
【0128】リモコン91は、その筐体表面にバネ付勢
されたキーパッドが設けられており、押下されたキーに
対応するコードを赤外線で出力する。また直径約4〜5
センチメートル程度の円筒形のジョグダイアル810が
リモコンのパネル上に配置されてあり、操作者がこれを
ねじるとそのねじり角度がロータリーエンコーダで電気
信号に変換される。これをA/D変換した値を赤外線で出
力する (2.2)ディスク再生装置の構成要素 図23は、本実施形態におけるDVDプレイヤーの内部構
成を示すブロック図である。このDVDプレイヤーは、ド
ライブ機構16、機構制御部83、信号処理部84、A
Vデコーダ部85、リモコン受信部92、システム制御
部93から構成される。さらにAVデコーダ部85は、
信号分離部86、ビデオデコーダ87、副映像デコーダ
88、オーディオデコーダ89、及び映像合成部90か
ら構成される。
【0129】ドライブ機構16は、光ディスクをセット
する基台と、セットされた光ディスクをクランプして回
転駆動するスピンドルモータ81とを備える。また光デ
ィスクをセットする基台は、図示しないイジェクト機構
によって筐体の内外に前後移動する。基台が筐体の外側
に移動した状態で、操作者は光ディスクを搭載する。光
ディスクが基台に搭載されて、基台がDVDプレイヤーの
内側に移動すると、光ディスクはDVDプレイヤーに装填
される。
【0130】機構制御部83は、ディスクを駆動するモ
ータ81及びディスクに記録された信号を読み出す光ピ
ックアップを含む機構系を制御する。具体的には機構制
御部83は、システム制御部93から指示されたトラッ
ク位置に応じてモータ速度の調整を行う。それと共に光
ピックアップのアクチュエータを制御することによりピ
ックアップ位置の移動を行い、サーボ制御により正確な
トラックを検出すると、所望の物理セクタが記録されて
いるところまで回転待ちを行い所望の位置から連続して
信号を読み出す。
【0131】信号処理部84は、光ピックアップから読
み出された信号に増幅、波形整形、二値化 、復調、エ
ラー訂正などの処理を施し、ディジタルデータ列に変換
し、システム制御部93内のバッファメモリ(後述す
る。)に論理ブロック単位で格納する。AVデコーダ部
85は、入力されるVOBであるディジタルデータに対し
て所定の処理を施し、ビデオ信号やオーディオ信号に変
換する。
【0132】信号分離部86は、バッファメモリから論
理ブロック(パケット)単位に転送されてくるデジタル
データ列を受けとり、各パケットのヘッダ内のストリー
ムID、データフィールド内のサブストリームIDを判
別することにより、動画データ、副映像データ、オーデ
ィオデータ、管理情報の振り分けを行う。この振り分け
において、動画データはビデオデコーダ87に出力され
る。オーディオデータはオーディオデコーダ89に、副
映像データは副映像デコーダ88にそれぞれに出力され
る。管理情報パックはシステム制御部93に出力され
る。その際信号分離部86は、システム制御部93から
番号が指示される。この番号は、図6の説明図に示した
オーディオデータA,B,C、副映像データA,Bのうち何れか
を指示するものであり、当該番号が与えられると信号分
離部86は、当該番号をオーディオデコーダ89、副映
像デコーダ88にそれぞれ出力する。そして番号以外の
データを破棄する。
【0133】(2.2.1)ディスク再生装置の構成要素-信
号分離部86の内部構成 図24は、図23における信号分離部86の構成を示す
ブロック図である。同図のように信号分離部86は、M
PEGデコーダ120、副映像/オーディオ分離部12
1、副映像選択部122、オーディオ選択部123から
構成される。MPEGデコーダ120は、バッファメモ
リから転送された各データパックについて、パックヘッ
ダ中のストリームIDを参照してパックの種類を判別
し、「1110 0000」であればビデオデコーダ87に出力
する。「1011 1101」であれば副映像/オーディオ分離
部121に出力し、「1011 1111」であればシステム制
御部93にパケットデータを出力する。
【0134】副映像/オーディオ分離部121は、MP
EGデコーダ120から入力されるパケットについて、
パケットヘッダ中のサブストリームIDが「001* ***
*」であれば副映像選択部122に出力する。サブスト
リームIDが「1010 0***」「1000 0***」であればオー
ディオ選択部123へ、そのデータを出力する。その結
果、全ての番号の副映像データ、全てのオーディオデー
タが副映像選択部122に、オーディオ選択部123に
出力される。
【0135】副映像選択部122は、副映像/オーディ
オ分離部121からの副映像データのうち、システム制
御部93に指示されたチャネル番号の副映像データのみ
を副映像デコーダ88に出力する。指示されたチャネル
番号以外の副映像データは破棄される。図6の説明図に
示した副映像データA,Bがそれぞれ英語、フランス語の
字幕であり、システム制御部93によって副映像チャネ
ルAが指示されると、副映像選択部122は副映像パケ
ットAのみを副映像デコーダ88に出力し、副映像パケ
ットB,Cを廃棄する。これにより英語字幕のみが副映像
デコーダ88によって復号される。オーディオ選択部1
23は、副映像/オーディオ分離部121からのオーデ
ィオデータのうち、システム制御部93に指示された番
号のオーディオデータのみをオーディオデコーダ89に
出力する。指示された番号以外のオーディオデータは破
棄される。例えば図6の説明図に示したオーディオデー
タA,B,Cがそれぞれ英語、フランス語、日本語であり、
システム制御部93によってオーディオデータAが指示
されると、オーディオ選択部123はオーディオパケッ
トAのみをオーディオデコーダ89に出力し、オーディ
オパケットB,Cを廃棄する。これにより英語音声のみが
オーディオデコーダ89によって復号される。
【0136】ビデオデコーダ87は、信号分離部86か
ら入力される動画データを解読、伸長してデジタルビデ
オ信号として映像合成部90に出力する。副映像デコー
ダ88は、信号分離部86から入力される副映像データ
がランレングス圧縮されたイメージデータである場合に
は、それを解読・伸長してビデオ信号と同一形式で映像
合成部90に出力する。この際システム制御部93が指
示することにより、イメージデータのカラーパレットを
変換することも可能である。イメージデータが複数個の
アイテムでありこれらのアイテムに対して操作者がカー
ソル移動を行えば、システム制御部93は、イメージデ
ータのパレット変換指示(色変えの指示ともいう)を副
映像デコーダ88に与える。この色変換指示はハイライ
ト情報内のアイテム色番号に基づいて行われるので、こ
の色変換指示によりアイテムがセレクト色、或は、確定
色に切り替わる。この選択色−確定色の切り替えによ
り、カーソルがアイテム間を遷移する。
【0137】図23を再度参照してDVDプレーヤー1の
内部構成の説明を続ける。オーディオデコーダ89は、
信号分離部86から入力されたオーディオデータを解
読、伸長してディジタルオーディオ信号として出力す
る。映像合成部90は、ビデオデコーダ87の出力と副
映像デコーダ88の出力をシステム制御部93に指示さ
れた比率で混合した映像信号を出力する。この混合比は
ハイライト情報の『アイテム色情報』に記述されたコン
トラストに基づくものであり、GOP毎にこれを変化させ
ることができる。本信号はNTSC(National Televis
ion System Committee)方式のビデオ信号に変換された
のち、テレビモニタ2に入力される。
【0138】(2.2.2)ディスク再生装置の構成要素-シ
ステム制御部93の内部構成 システム制御部93は、DVDプレイヤー全体の制御を行
い図25の内部構成を有する。図25によればシステム
制御部93は、バッファメモリ94と、管理情報パック
バッファ95と、組み込みプロセッサ96と、PGC情報
バッファ31と、ハイライト情報バッファ32と、PCI
ユーザオペレーション制限情報バッファ33とを内蔵し
ている。
【0139】組み込みプロセッサ96は、DVDプレーヤ
ー1全般の制御プログラムを記憶したROMと、作業用
メモリと、CPUとを一体化して構成される。CPUは、加減
算コマンド、分岐コマンドをハイライト情報バッファ3
3から順次取り出す取り出し部と、取り出された加減算
コマンド、分岐コマンドを蓄積するコマンドバッファ
と、コマンドバッファ内のオペコード及びオペランドを
解読する解読部と、レジスタの保持内容と、コマンドバ
ッファに格納されている即値とでオペコードで指示され
た演算内容の演算を行う演算器と、演算器の演算結果及
びオペランドに記述されている即値をレジスタに転送す
るためのバスとを備える。
【0140】バッファメモリ94には増幅、波形整形、
2値化、復調、エラー訂正などの処理を経たデータが書
き込まれる。書き込まれたデータがビデオタイトルセッ
ト管理情報ならば図示しないバッファにこれを取り込
む。一方VOBならばシステム制御部93は、1パックず
つ信号分離部86に転送する。このように転送するとAV
デコーダ部85から管理情報パックが送り返されて来
る。
【0141】管理情報パックバッファ95は信号分離部
86から送り返されて来る管理情報パックを格納するバ
ッファである。組み込みプロセッサ96は格納された管
理情報パック内のハイライト一般情報が含んでいる『前
VOBユニットからの変更有フラク』を参照することによ
り、ハイライト情報バッファ32に記憶されているハイ
ライト情報の上書き指示、或は、ハイライトコマンドの
みの上書き指示を管理情報パックバッファ95に与え
る。この指示により管理情報パックバッファ95は自身
が保持している管理情報パックのハイライト情報でハイ
ライト情報バッファ32の保持内容を上書きする。
【0142】PGC情報バッファ31は、現在選択されて
いるPGC情報を格納する。PGC情報バッファ31内には、
PGCユーザオペレーション制限情報を蓄積しておくため
のPGCユーザオペレーション制限情報バッファが存在
し、ここに図20に示したフォーマット通りにPGCユー
ザオペレーション制限情報が蓄積される。組み込みプロ
セッサ96は、PGCユーザオペレーション制限情報バッ
ファに蓄積されたPGCユーザオペレーション制限情報内
のPGC一般情報.Backward_Scan()〜PGC一般情報.PrevPG_
Search(),TopPG_Search()を参照することにより、リモ
コン操作が行われた場合に、その操作通りに早送り、巻
戻し等の機能を実行するか否かの許否判定を行う。
【0143】ハイライト情報バッファ32は、内部領域
が複数の小領域に分割されているバッファである。個々
の小領域には図14に示したフォーマット通りにハイラ
イト情報が格納される。組み込みプロセッサ96は、こ
のハイライト情報バッファ32からカーソルの移動先、
セレクト色・確定色、ハイライトコマンドを適宜取り出
す。ハイライト情報バッファ32に格納されているハイ
ライト情報は、組み込みプロセッサ96の指示に応じて
管理情報パックバッファ95に記憶されている新たなも
のに上書きされる。即ちVOBにインターリーブされてい
る膨大な量の管理情報パックのうちVOBが現在再生して
いる箇所に必要なハイライト情報のみがハイライト情報
バッファ32に格納されることになる。
【0144】PCIユーザオペレーション制限情報バッフ
ァ33は、管理情報パック内のうち、PCIユーザオペレ
ーション制限情報を蓄積しておくためのバッファであ
る。組み込みプロセッサ96は、管理情報パックバッフ
ァ95に新たなPCIユーザオペレーション制限情報が蓄
積される度に、そのPCIユーザオペレーション制限情報
をアイテム情報バッファ33に蓄積する。これにより図
15に示したフォーマット通りにPCIユーザオペレーシ
ョン制限情報バッファ33にPCIユーザオペレーション
制限情報が蓄積される。組み込みプロセッサ96は、PC
Iユーザオペレーション制限情報バッファ33に蓄積さ
れたPCIユーザオペレーション制限情報内のPCI一般情
報.Backward_Scan()〜PCI一般情報.PrevPG_Search(),To
pPG_Search()を参照することにより、リモコン操作が行
われた場合に、その操作通りに早送り、巻戻し等の機能
を実行するか否かの許否判定を行う。
【0145】チャネルレジスタ99は、音声チャネル番
号、副映像チャネル番号、アングル位置番号を個別に記
憶し、これらの番号をアングル切換キー、副映像切換キ
ー、音声切換キーの押下回数に応じてインクリメントす
る。オーディオデータの場合チャネルレジスタ99は、
音声切換キーの押下に応じてチャネル番号をA,B,Cの順
に切り換えてゆく。押下回数が3回目になると、チャネ
ル番号CからチャネルAに切り換える。
【0146】副映像データの場合チャネルレジスタ99
は、副映像切換キーの押下に応じてチャネル番号をA,B
の順に切り換えてゆく。押下回数が2回目になると、チ
ャネル番号BからチャネルAに切り換える。アングル位置
番号の場合チャネルレジスタ99は、アングル切換キー
の押下に応じてアングル位置番号をA,B,Cの順に切り換
えてゆく。押下回数が3回目になると、アングル位置番
号Cからアングル位置番号Aに切り換える。
【0147】このようにチャネルレジスタ99は、アン
グル切換キー、副映像切換キー、音声切換キーの押下回
数に応じてサイクリックにインクリメントしてゆく。こ
のうちチャネルレジスタに記憶されたオーディオデー
タ、副映像データの番号は、チャネル制御信号としてシ
ステムデコーダ86に出力される。組み込みプロセッサ
96が内蔵するROMには、リモコン91のキー押下に対
する割込処理用の制御プログラムが記述されている。リ
モコン押下によるキー割込が発生した場合、システム制
御部93がそのキー割込の種別を判定するための手順を
図31、図32のフロ−チャ−トに示す。
【0148】図31、図32のフロ−チャ−トは、リモ
コン91上のパネルにおいて、どのような操作がなされ
たかにより、割込処理を切り換えるよう構成してある。
リモコン91のパネル構成を図26に示す。図26に示
すようにリモコン91のパネルには、アングル切換キー
801、副映像切換キー802、VolmeMenキー803、
音声切換キー804、PGジャンプキー805、一時停
止キー807、及びジョグダイアル810が設けられて
いる。これらのキーのうち何れかが押下されると、図3
1、図32のステップ152〜ステップ160の判定ス
テップの羅列に移行する。この判定ステップの羅列で
は、ステップ152でNoならばステップ153に移行
し、ステップ153でNoならばステップ154に移行す
る。以上のようにステップ152〜ステップ160は、
何れかのステップが『Yes』になるまで順次実行されて
ゆく。もしアングル切換キー801が押下されると、ス
テップ153においてYesとなり図35の割り込み処理
のフロ−チャ−トが実行される。もし副映像切換キー8
02が押下されると、ステップ154においてYesとな
り図34の割り込み処理のフロ−チャ−トが実行され
る。
【0149】もしVolmeMenキー803が押下されると、
ステップ157においてYesとなり図37の割り込み処
理のフロ−チャ−トが実行される。一時停止キー807
が押下されると、ステップ155においてYesとなり図
36の割り込み処理のフロ−チャ−トが実行される。も
しPGジャンプキー805が押下されると、図38の割
り込み処理のフロ−チャ−トが実行される。ジョグダイ
アル810が回転されると、ステップ152においてYe
sとなり図33が実行される。
【0150】もしカーソルキーが押下されると、ステッ
プ159においてYesとなり、ステップ202においてP
GCユーザオペレーション制限情報を参照し、カーソル移
動操作が許可されているかを判定する。許可されている
ならばステップ200においてアイテム情報を用いてア
イテム間にカーソルを遷移させる。Enterキーが押下さ
れると、ステップ160においてYesとなりステップ2
03においてPGCユーザオペレーション制限情報を参照
し、確定操作が許可されているかを判定する。許可され
ている場合、ステップ201においてアイテム番号のア
イテム情報のハイライトコマンドフィールドから分岐コ
マンド或は加減算コマンドを読み出し、これを実行す
る。
【0151】割込処理には、図33〜図38に示す7つ
のものがエントリーされている。図33は早送りキー、
巻戻しキーの押下、ジョグダイアル810の回転におけ
る割込処理の手順を示す。ステップ170においてPCI
一般情報.Forward_Scan()及びPGC一般情報.Forward_Sca
n()を参照する。もし何れが一方が非許可なら何も実行
せずにリターンするが、両方とも許可ならステップ17
1で管理情報パックアドレス内の先頭Iピクチュアアド
レスを読み出し、ステップ172でこのアドレスのIピ
クチュアをビデオデコーダ87に読み出させる。Iピク
チュアの読み出し後ステップ176で押下されたキーの
種別及びジョグダイアルの回転方向により、光ピックア
ップの進行方向を決定する。その後ステップ173に移
行して、押下されたキーの種別及びジョグダイアル81
0の回転量に基づいて、スキップ量を1〜15,20,60,120,
240の範囲で決定する。ステップ174において 管理情
報パックバッファ95上で展開されている管理情報パッ
ク内のDSIを参照し、倍速サーチ情報テーブルから決定
された進行方向及びスキップ量に基づいた飛び先の管理
情報パックアドレスを取得する。続いてシステム制御部
93はステップ175に移行して算出された管理情報パ
ックアドレスへと光ピックアップを進めるよう、機構制
御部83に指示する。
【0152】図34は、音声チャネル切換キー及び副映
像チャネル切換キー押下時の割込処理の手順を示す。図
34のフロ−チャ−トにおいてステップ161に移行す
ると、押下されたのが音声チャネル切換キーであるか、
副映像チャネル切換キーであるかを判定し、音声チャネ
ル切換キーならばPGC一般情報のAudio_Stream_Chang
e()、PCI一般情報のAudio_Steram_Change()の何れか一
方が非許可であるか否かを判定する。
【0153】副映像切換キーならばPGC一般情報のSubPi
cture_Stream_Change()、PCI一般情報のSubPicture_Str
eam_Change()の何れか一方が非許可であるか否かを判定
する。これらが共に許可になっているとステップ162
に移行し、何れか一方が非許可ならば何もせずにリター
ンする。ステップ162では、チャネルレジスタに副映
像データ或はオーディオデータのチャネル番号をインク
リメントさせて、インクリメント後のチャネル番号(チ
ャネル番号iとする)を取り出す。ステップ163で
は、取り出されたチャネル番号のみのパックを復号する
よう信号分離部86に指示する。この指示により、図6
におけるオーディオパックA〜C、副映像パックA〜Bのう
ち、復号対象となるものが切り換わる。
【0154】図35は、アングル切換キー押下時の割込
処理の手順を示す。ステップ140においてPGC一般情
報のAngle_Change()、PCI一般情報のAngle_Change()の
何れか一方が非許可であるか否かを判定する。PGC一般
情報.Angle_Change()、PCI一般情報.Angle_Change()が
共に許可になっているとステップ141に移行し、何れ
か一方が非許可ならば何もせずにリターンする。ステッ
プ141では、チャネルレジスタにアングル位置番号を
インクリメントさせて、インクリメント後のアングル位
置番号を取り出す。ステップ142においてインクリメ
ント後のアングル位置番号のアングルセルの管理情報パ
ックアドレスをDSIのアングル情報から読み出す。管理
情報パックアドレスの読み出し後ステップ143に移行
して、当該アドレスに光ピックアップを移動するよう機
構制御部83に指示する。
【0155】図36は、一時停止キー押下時の割込処理
の手順を示す。ステップ181においてPGC一般情報のP
ause_()、PCI一般情報のPause_()の何れか一方が非許可
であるか否かを判定する。もし何れが一方が非許可なら
何も実行せずにリターンするが、両方とも許可ならステ
ップ185において機構制御部の制御を一旦停止させ、
ビデオデコーダ内のバッファにアンダーフローを起こさ
せる。続いてステップ186においてビデオデコーダに
フリーズ状態を維持させる。これにより画面では、静止
画が表示された状態となる。
【0156】図37は、VolmeMenキー押下時の割込処理
の手順を示す。ステップ210においてPGC一般情報のM
enu_Call()、PCI一般情報のMenu_Call()の何れか一方が
非許可であるか否かを判定する。もし何れが一方が非許
可なら何も実行せずにリターンするが、両方とも許可な
らステップ211においてファイルシステム管理情報か
らビデオマネージャの記録箇所を取得し、ステップ21
2においてビデオマネージャをファイルオープンし、メ
ニュー用PGC情報をPGC情報バッファへと読み出す。ステ
ップ213では、メニュー用PGC情報により、メニュー
用ビデオオブジェクトを順次読み出してゆき、メニュー
映像を画面に表示させメニュー用ビデオオブジェクトの
ハイライト情報をハイライト情報バッファ上で展開させ
る。ステップ214では、リモコン受信部がリモコンか
らの割り込み信号を受信したかの受信待ちを行う。この
受信待ちにおいて、リモコンからは、カーソルキー、En
terキー、数値キーの信号コードが送信されてくる。こ
れらの受け付けると、ステップ215においてメニュー
用ビデオオブジェクトの内容に基づく処理を行う。尚、
この詳細は図32のフロ−チャ−トにに示した手順と同
様である。
【0157】図38は、次PG、前PG、先頭PGサー
チキーの押下時の割込処理の手順を示す。図38のステ
ップ191においてPGC一般情報のPG_Search()、PCI一
般情報のPG_Search()の何れか一方が非許可であるかを
判定する。共に許可ならステップ192において押下さ
れたPGジャンプキーが『次PGへの移動』のキーであ
るか、『前PGへの移動』のキーであるか、『先頭PG
への移動』のキーであるかを判定する。判定後、現在光
ピックアップが位置しているPGのPG番号をPGマッ
プを参照することにより参照し、『次』『前』『先頭』
のPG番号を判定する。更に、そのPGのエントリーVO
BのVOB番号をPGC情報のPGマップから取得する。ステ
ップにおいてエントリーVOBのVOB番号のVOB位置情報を
機構制御部83に指示する。
【0158】(2.2.2.1)システム制御部93のエント
リープログラムチェーンの特定動作 図27は、システム制御部93の処理内容を示す全体フ
ローである。本図を参照しながらDVDプレーヤー1の動
作説明を行う。DVDプレーヤー1のイジェクトボタンを
押下すると、基台が筐体の外側に移動する。基台が外側
に移動した状態で、操作者は光ディスクを搭載する。基
台に搭載されて、基台がDVDプレイヤーの内側に移動す
ると、光ディスクはDVDプレイヤーに装填される。シス
テム制御部93は、ステップ121において、光ディス
クの挿入待ち状態になっている。光学センサー等から光
ディスクの装填が通知されると、機構制御部83および
信号処理部84を制御することにより、光ピックアップ
82をリードイン領域に置いたままディスクの回転制御
を行う。リードイン領域に置いたままのディスク回転
を、回転動作が安定するまで継続する。回転動作が安定
すると、光ピックアップをリードイン領域から外周へと
移動させてボリューム管理領域を読み出す。ボリューム
管理領域の情報に基づきビデオマネージャを読み出す
(ステップ122)。さらにシステム制御部93は、ビ
デオマネージャのメニュー用PGC管理情報テーブルを参
照し、ボリュームメニュー用のプログラムチェーンの記
録アドレスを算出し、これを再生し、 PGC情報バッファ
31に保持する。ボリュームメニュー用のプログラムチ
ェーンが内部に保持されれば、システム制御部93は、
保持されたPGC情報を参照し、再生を行うビデオオブジ
ェクト(VOB)及びその光ディスク上の記録アドレス
を算出する。再生すべきビデオオブジェクトが決定され
れば、システム制御部93は、機構制御部83及び信号
処理部84に制御信号を出力し、決定したビデオオブジ
ェクトを光ディスクから取り出し再生する。これによ
り、図44に示すボリュームメニューがテレビモニタ2
に映像表示されることになる(ステップ123)。
【0159】これにより『旅行ムック<ハワイ諸島>』
『旅行ムック<グアム島>』といったタイトル名がテレ
ビモニタの画面上に表れる。このタイトルの一覧表を見
て操作者が、興味を持ったメニュー項目を選択確定した
とする(メニューにおけるメニュー項目の選択確定の際
のシステム制御部93の動作の詳細は次項で述べ
る。)。メニュー項目のハイライトコマンドとして“Pl
ayTitle”コマンド及びそのパラメータとしてタイトル
番号が格納されており、このハイライトコマンドがシス
テム制御部93により実行される(ステップ125)。
“PlayTitle”コマンドによる実行動作として、システ
ム制御部93はビデオマネージャの一部であるタイトル
サーチポインタテーブルを参照し、所属するビデオタイ
トルセット(VTS)及びVTS内タイトル番号を決定
する。ビデオタイトルセットが確定されれば、システム
制御部93は機構制御部83及び信号処理部84に制御
信号を出力し、確定したタイトルセットのビデオタイト
ルセット管理情報を再生しビデオタイトルセット管理情
報の一部であるビデオタイトルセット部タイトルサーチ
ポインタテーブルを内部に取り出す(ステップ12
6)。
【0160】ビデオタイトルセット部タイトルサーチポ
インタテーブルが取り出せれば、システム制御部93
は、これを参照し、再生すべきタイトルの再生開始用の
プログラムチェーンのPGC情報を決定する。PGC情報が決
定されれば、システム制御部93は、機構制御部83及
び信号処理部84に制御信号を出力し、決定したPGC情
報を再生し、これを内部のPGC情報バッファ31に保持
する。尚、この際、保持されているボリュームメニュー
用のPGC情報は上書きされる事になる。タイトルの再生
開始用のPGC情報が保持されれば、システム制御部93
は、保持したPGC情報を参照して、再生すべきビデオオ
ブジェクト及びその記録アドレスを決定し、決定したビ
デオオブジェクトの再生を、機構制御部83及び信号処
理部84に制御信号を出力し行う。
【0161】以降、システム制御部93は、保持したPG
C情報に従い、順次、再生すべきビデオオブジェクトを
決定し再生制御を行う。システム制御部93はPGC情報
により示される最終のビデオオブジェクトの再生を完了
すれば、PGC情報の一部であるPGC連結情報を参照し、次
のPGC情報を決定する。次のPGC情報を決定したシステム
制御部93は、現在のPGC情報を廃棄して、次のPGC情報
を保持し、これに従い、再生進行を継続する(ステップ
128)。
【0162】(2.2.2.2)第1動作例・・ビデオタイトル
セットV1に対する再生制御 図16〜図18、図21に示した再生制御の具体例に対
して、図30に示したフロ−チャ−トのソフトウェア制
御がどう行われるかを図42に模式的に示す。本図にお
ける矢印R100,R101,R102,R103・・・・は図27のステップ
127等によってPGC情報バッファ31にPGC情報が読み
出される様子を示している。個別に説明すると、矢印R1
00はPGC情報バッファ31に第13A図に示したPGC情報
#1が読み出される様子を示している。
【0163】矢印R101は、VOB#9に含まれているハイラ
イトコマンドが図32のステップ201において実行さ
れた場合、PGC情報バッファ31に第13A図に示したP
GC情報#2が読み出される様子を示している。矢印R102
は、VOB#9に含まれているハイライトコマンドが図32
のステップ201において実行された場合、PGC情報バ
ッファ31に第13A図に示したPGC情報#3が読み出さ
れる様子を示している。
【0164】本図における破線の矢印K100,K101,K102,K
103,K104,K105,K106・・・・・・は図30のステップ134に
よって光ピックアップがVOBの記録開始位置に移動す
る様子を示している。個別に説明すると、矢印K101は第
13A図に示したPGC情報#2のVOB#1のVOB位置情報を対
象にして図30のステップ134が実行された場合に、
VOB#1の記録箇所の先頭位置へと光ピックアップが移動
する様子を示している。矢印K102は、第13A図に示し
たPGC情報#2のVOB#2のVOB位置情報を対象にして図30
のステップ134が実行された場合に、VOB#2の記録箇
所の先頭位置へと光ピックアップが移動する様子を示し
ている。
【0165】矢印K106は第13A図に示したPGC情報#3
のVOB#1のVOB位置情報を対象にして図30のステップ
134が実行された場合に、VOB#1の記録箇所の先頭位
置へと光ピックアップが移動する様子を示している。本
図における白抜きの矢印F101,F102,F103・・・・は図30の
ステップ135、ステップ136によってVOBが占め
ている記録箇所が光ピックアップによって走査される様
子を示している。個別に説明すると矢印F101は、第13
A図の『VOB位置情報テーブル』を対象にして図30の
ステップ135、ステップ136が繰り返し実行された
場合に、VOB9が光ピックアップによって走査される
様子を示している。矢印F102は、第13A図の『VOB位
置情報テーブル』を対象にして図30のステップ13
5、ステップ136が繰り返し実行された場合に、VOB#
1が光ピックアップによって走査される様子を示してい
る。矢印F103は、第13A図の『VOB位置情報テーブ
ル』を対象にして図30のステップ135、ステップ1
36が繰り返し実行された場合に、VOB#2が光ピックア
ップによって走査される様子を示している。
【0166】図30〜図36のフロ−チャ−トを参照し
ながら図2(b)に示したビデオタイトルセットV1に対
するシステム制御部93のソフトウェア制御について説
明する。 今、『旅行ムック』<ハワイ島>』が選択さ
れたのでPGC情報バッファ31にはPGC情報#1が格納され
ている。PGC情報#1のVOB位置情報は第13A図に示した
ようにVOB#9の記録位置が記載されている。ステップ1
33、ステップ134においてシステム制御部93は、
PGC情報#1のVOB位置情報テーブルからVOB#9のVOB位置
情報を読み出し、このVOB位置情報に基づいて、記録箇
所の先頭位置をアクセスするよう機構制御部83に指示
する。機構制御部83の制御により、光ピックアップが
記録箇所の先頭まで移動すると、ステップ136におい
てシステム制御部93は、その先頭位置からデータを読
み出させるよう、機構制御部83に指示する。この指示
を受けて機構制御部83は光ディスクの回転駆動を行
う。この指示の繰り返しをステップ135において継続
させることにより、記録箇所の先頭位置から順々にVOB
がパック単位に読み出されてゆく。
【0167】この繰り返しにより、図18に示したGOP1
00〜GOP200の副映像データによって『お勧めツアー』、
『ツアー内容選択』という2つのアイテムを含むメニュ
−が画面上に描画される。またこれらのGOPの管理情報
パックには、アイテム情報#1及びアイテム情報#2という
アイテム情報が存在し、それぞれのアイテムとペアにな
っている。具体的にはアイテム情報#1にはPGC情報に分
岐する『Link PGC#2』が、アイテム情報#2にはPGC情報
に分岐する『Link PGC#3』がそれぞれのハイライトコ
マンドフィールドに記述されている。操作者は今度の長
期休暇の旅先を何処にするかを決めかねており、何処か
いい旅先がないものかと模索していた。上記メニュ−を
見て右手でリモコンを把持し、親指で『お勧めツアー』
に対応する数値キーを押下する。ステップ135〜ステ
ップ137において論理ブロックの読み出しを繰り返し
ている間、システム制御部93はリモコン受信部92か
らの割り込み信号の受信監視を行っている。ここで上記
の押下が検出されるとステップ137がYesとなり、第
21図のフロ−チャ−トに移行する。
【0168】ここでは操作者によって数値キーが押下さ
れたので、ステップ152〜ステップ157において全
てNoとなり、ステップ158においてYesとなる。ステ
ップ158においてYesとなると、ステップ203にお
いてPGC一般情報.Item_Activate()が許可であることを
確認してステップ201に移行し、アイテム情報#1−ア
イテム情報#2のうち、アイテム情報#1側のハイライトコ
マンドフィールドからコマンドを読み出しこれを実行す
る。ここでハイライトコマンドフィールドに記載されて
いるコマンドは分岐コマンドであり、図29のフロ−チ
ャ−トに基づいて他のプログラムチェーンへの分岐を行
う。図29を参照しながらプログラムチェーンへの分岐
処理について説明を行う。図29のフロ−チャ−トは実
行すべきコマンドが分岐コマンドであった場合のみ実行
される分岐コマンド特有の処理内容を示している。ステ
ップ71ではコマンドの分岐先フィールドに記載された
プログラムチェーン番号を読み出す。ここでは、PGC情
報#2の番号が読み出されることになる。ステップ72で
はビデオタイトルセット管理情報に記載されているPGC
管理情報テーブルの先頭アドレスを参照して、PGC管理
情報テーブルにおけるPGC情報#2の記録箇所の先頭位置
の論理ブロックを計算する。ステップ73では、機構制
御部83を制御して算出した論理ブロックに光ピックア
ップを移動する。ステップ74では光ピックアップ、機
構制御部83を介して読み出されてくる論理ブロックデ
ータ内のPGC情報#2をPGC情報バッファ31に格納する。
ステップ75では、格納されたPGC情報に対して図30
のフロ−チャ−トの再帰的呼出を行い、新たに格納され
たプログラムチェーンに対してプログラムチェーン再生
処理を行う。これによりVOBの再生途中からのPGC情報#2
への分岐が行われる。
【0169】PGC情報#2へと分岐すると、ステップ13
3において第13A図に示したPGC情報#2のVOB位置情報
テーブルからVOB位置情報を読み出し、ステップ134
においてVOB#1の記録箇所の先頭位置をアクセスするよ
う、システム制御部93は機構制御部83に指示する。
機構制御部83の制御により、光ピックアップが記録箇
所の先頭まで移動すると、ステップ135〜ステップ1
36においてシステム制御部93は光ディスクの論理ブ
ロックを順次読み出してゆくよう機構制御部83を制御
する。これにより、記録箇所の先頭位置から順々にVOB#
1がパック単位に読み出されてゆく。これに伴い、第1
3A図に示したGOP00〜GOP200のパックがシステムデコ
ーダ86で分離され、ビデオデコーダ87によって映像
信号に復号されて、映像合成部90において副映像と合
成されることにより、ツアー会社、航空会社の広告を紹
介する数分長の実写映像がテレビモニタ上に表れる。こ
の様子を図39に模式的に示す。
【0170】操作者は、これらの映像に興味を示さずジ
ョグダイアル810を操作したとする。この操作によっ
て図30のステップ137がYesとなり、第21図のフ
ロ−チャ−トへと移行する。操作されたのがジョグダイ
アル810であるからステップ152においてYesとな
り、図33のステップ170へと移行する。図33のフ
ロ−チャ−トは、早送り・巻戻しの指示がリモコンにつ
いてなされた場合のシステム制御部93の割り込み処理
の手順を示すフロ−チャ−トである。システム制御部9
3はステップ170においてPCI一般情報、PGC一般情報
のユーザオペレーション制限情報を参照する。ここでPG
C一般情報.Forward_Scan()が許可と設定されているも
の、第13A図に示したPCI一般情報.Forward_Scan()が
非許可と設定されているので、ステップ170がYesと
なり、ステップ171〜ステップ175の処理がスキッ
プされて、図30のステップ135へと戻る。何度ジョ
グダイアル810を操作しても、映像再生は引き続き行
われるので、ツアー会社、航空会社の広告映像を始めか
ら終わりまで視聴して貰うことができる。
【0171】広告が表示された後、VOB#1内のGOP250〜
GOP450のパックがシステムデコーダ86で分離され、ビ
デオデコーダ87によって映像信号に復号されて、映像
合成部90において副映像と合成されることにより、日
に焼けた若者が日光浴を楽しむ光景、波と戯れる光景、
ビーチバレーで遊ぶ光景、サーフボードを片手にして会
話を楽しむ光景等、ビーチの魅力を紹介する数分長の実
写映像がテレビモニタ上に表れる。この様子を図40に
模式的に示す。
【0172】操作者はこれらの映像を短時間で見ようと
して、ジョグダイアル810を僅かに回転する。リモコ
ン受信部92から、この回転のための割り込み信号が通
知されると図30のステップ137がYesとなり図33
のフロ−チャ−トに移行する。ジョグダイアル810が
回転されたので、ステップ152がYesとなり、ステッ
プ170に移行する。ステップ170においてPCI一般
情報.Forward_Scan()及びPGC一般情報.Forward_Scan()
を参照する。これらが共に許可と設定されているので、
ステップ170がNoとなりステップ171、ステップ1
72に移行して、管理情報パックアドレス内の先頭Iピ
クチュアアドレスを読み出し、このアドレスのIピクチ
ュアをビデオデコーダ87に読み出させる。Iピクチュ
アの読み出し後ステップ176及びステップ173に移
行して、ジョグダイアル810の回転方向及び回転量か
ら進行方向及びスキップ量を決定し、ステップ174に
おいて倍速サーチ情報テーブルを参照して、決定された
進行方向及びスキップ量に相当する管理情報パックアド
レスを取得する。続いてシステム制御部93はステップ
175に移行して算出されたスキップ量だけ光ピックア
ップの読み出し位置を順方向に進めるよう機構制御部8
3に指示する。ジョグダイアル810が回転されている
限り、上記のステップ171〜ステップ175の処理は
繰り返される。この繰り返しにより光ピックアップの読
み出し位置がGOPの整数倍単位にスキップされて、管理
情報パックが数個飛びに読み出されてゆき、各GOP内の
15枚程度のIピクチュアのうち一枚のみが画面に表示
されてゆく。
【0173】早送り再生によりVOB#1の再生は短時間で
終わった。VOB#1の読み出し終了により、ステップ13
5による繰り返し制御が終了し、ステップ132へと移
行する。ステップ132、ステップ133においてシス
テム制御部93は『VOB位置情報テーブル』内のVOB#1
の次に記述してあるVOB#2のVOB位置情報を読み出し、
ステップ134〜ステップ136においてVOB位置情報
に記述されている論理ブロック間のデータ読み出しを行
うよう機構制御部83に指示する。この読み出し指示を
ステップ135においてVOB位置情報内の『ブロック
数』分繰り返させることにより記録箇所の先頭位置から
順々にVOBがパック単位に読み出されてゆく。これに伴
い、図16に示したVOB#2は、GOP00〜GOP200のパック
が映像信号に復号されて、映像合成部90において副映
像と合成される。これにより、VIPルーム、ロビー、客
室、屋外プール等の高級ホテルAの豪華な設備を紹介す
る実写映像がテレビモニタ上に表れる。
【0174】以上のVOB#2に対しての処理を、VOB#7、
VOB#8のVOB位置情報について行うと、『VOB位置情報テ
ーブル』の並び通りに順にVOB位置情報が読み出され、
機構制御部83が制御されて矢印K103、K104、
K105に示すように各VOBの記録箇所の先頭位置へ
と光ピックアップが移動する。そして矢印F104、矢
印F105、矢印F106に示すようにVOBが順次読
み出されてゆく。
【0175】VOB#2の読み出しによりGOP250〜GOP200の
パックが映像信号に復号されて、宿泊料金やチェックイ
ン/チェックアウト法を紹介する約25秒長の実写映像が
テレビモニタ上に表れ、VOB#7によりダイビングの諸注
意、緊急時の対処法を紹介する数分長の実写映像がテレ
ビモニタ上に表れる。VOB#8によち活況溢れる市街地の
光景を撮影したシーンが画面に現れ、市街行動における
諸注意、事故に巻き込まれた場合の連絡先を紹介する実
写映像がテレビモニタ上に表れる。
【0176】VOB#8の再生を全て終了すると、図30の
フロ−チャ−トから図27のフロ−チャ−トに戻り、図
28のフロ−チャ−トのステップ81に移行する。図2
8のフロ−チャ−トは連結情報による分岐処理の内容を
示している。ステップ81において連結情報に記述され
ているプログラムチェーン番号を読み出す。ここでは、
PGC情報#1が分岐先に指定されているものとする。ステ
ップ82ではビデオマネージャ内のビデオタイトルセッ
ト管理情報に記載されているPGC管理情報テーブルの先
頭アドレスを参照して、PGC管理情報テーブルにおけるP
GC情報#1の記録箇所の先頭位置の論理ブロックを計算す
る。ステップ83では、機構制御部83を制御して算出
した論理ブロックに光ピックアップを移動する。ステッ
プ84では光ピックアップ、機構制御部83を介して読
み出されてくる論理ブロックデータ内のPGC情報#1をPGC
情報バッファ31に格納する。格納されたPGC情報に対
して図30のフロ−チャ−トの呼出を行い、新たに格納
されたPGC情報#1に対してプログラムチェーン再生処理
を行う。
【0177】システム制御部93は、PGC情報#1のVOB位
置情報テーブルから、VOB#9の記録箇所の先頭位置を再
度アクセスするよう、機構制御部83に指示し、ステッ
プ135及びステップ136において、ここから論理ブ
ロックに記録されているデータを順次読み出させるよう
機構制御部83に指示する。これにより、記録箇所の先
頭位置から順々にVOB#9がパック単位に読み出されてゆ
く。
【0178】この読み出しにより再度お勧めツアー、ツ
アー内容選択という2つのアイテムを含むメニュ−が表
示される。これらのGOPには、アイテム情報#1及びアイ
テム情報#2といったそれぞれのコースとペアになってい
るアイテム情報が、管理情報パック内に存在している。
アイテム情報#1には再生経路をPGC情報#2に分岐する『L
inkPGC#2』、アイテム情報#2には再生経路をPGC情報#3
に分岐する『LinkPGC#3』がそれぞれのハイライトコマ
ンドフィールドに記述されている。操作者はツアー先を
ハワイ諸島に選ぶことを決意し、親指で『ツアー内容選
択コース』に対応する数値を押下する。ステップ135
〜ステップ137において論理ブロックの読み出しを繰
り返している間、システム制御部93はリモコン受信部
92からの割り込み信号の受信監視を行っている。ここ
で上記の押下が検出されるとステップ137がYesとな
り、第21図のフロ−チャ−トに移行する。移行後、ス
テップ152〜ステップ157において全てNoとなり、
ステップ158においてYesとなる。ステップ158に
おいてYesとなると、ステップ201に移行し、アイテ
ム情報#1−アイテム情報#2のうち、アイテム情報#2側
のハイライトコマンドフィールドからコマンドを読み出
しこれを実行する。ここでハイライトコマンドフィール
ドに記載されているコマンドは分岐コマンドであるか
ら、これの分岐先に指定されているPGC情報#3をバッフ
ァに格納し、これに準じた制御を行う。これによりVOB
の再生途中からPGC情報#3への分岐が行われる。
【0179】PGC情報#3のVOB位置情報テーブルからVOB#
1のVOB位置情報を読み出し、ステップ134、ステッ
プ135及びステップ136において、VOB位置情報の
記録箇所の論理ブロックに記録されているデータを順次
読み出させるよう機構制御部83に指示する。これによ
り、記録箇所の先頭位置から順々にVOBがパック単位に
読み出されてゆく。これに伴い、図16に示したVOBGOP
00〜GOP200のパックが映像信号に復号されて、映像合成
部90において副映像と合成されることにより、ツアー
会社、航空会社の広告を紹介する数分長の実写映像がテ
レビモニタ上に表れる。
【0180】操作者は、これらの映像に興味を示さず早
送りキーを押下するが、ここでPCI一般情報.Forward_Sc
an()、PGC一般情報.Forward_Scan()が共に非許可と設定
されているので、ステップ170がYesとなり、ステッ
プ171〜ステップ175の処理がスキップされて、図
30のステップ135へと戻る。何度早送りを押下して
も、映像再生は引き続き行われるので、これらの映像を
スキップする事なく視聴することになる。
【0181】図42において矢印F102に示すように
VOB#1が読み出されてゆくことにより、GOP250〜GOP450
のパックがシステムデコーダ86で分離され、ビデオデ
コーダ87によって映像信号に復号されて、映像合成部
90において副映像と合成されることにより、絶好の海
水浴やサーフィンスポット等有名ビーチを紹介する数分
長の実写映像がテレビモニタ上に表れる。
【0182】VOB#1のパックを全て読み出すと、PGC情
報#4のVOB位置情報テーブルから次順位のVOBとしてVOB#
4のVOB位置情報を読み出し、ステップ134、ステッ
プ135及びステップ136において、VOB#4のVOB位
置情報の論理ブロックに記録されているデータを順次読
み出してゆく。操作者は、これらの映像に興味を示さず
早送りキーを押下する。
【0183】ここでPGC情報#4においてはPGC一般情報.F
orward_Scan()が非許可と設定されているので、ステッ
プ170がYesとなり、ステップ171〜ステップ17
5の処理がスキップされて、図30のステップ135へ
と戻る。何度早送りを押下しても、映像再生は引き続き
行われるので、これらの映像を始めから終わりまで視聴
して貰うことができる。
【0184】VOB#4の再生が継続して行われることによ
り、GOP100〜GOP200は、ホテルのグレードがデラックス
コース及びエコノミーコースといった2つのアイテムを
含むメニュ−が表示される。2つのアイテムには、アイ
テム情報#1、アイテム情報#2が対応づけられている。ア
イテム情報はLinkPGC#6という再生経路を切り換えるた
めのコマンドを含んでおり、アイテム情報はLinkPGC#5
という再生経路を切り換えるためのコマンドを含んでい
る。操作者は現地の高級ホテルに興味があり、今度の休
日の宿泊先に、是非ともここを選ぼうと考えていた。右
手でリモコンを把持し親指でデラックスコースに対応す
る数値を押下する。
【0185】この押下によりハイライトコマンドフィー
ルドに記載されている分岐コマンドを実行して、これの
分岐先に指定されているPGC情報#5をバッファに格納
し、これに準じた制御を行う。メニューの表示以前に早
送り再生を行っていれば、危うくこのメニュ−を見落と
すところであったが、メニュ−が存在するPGC情報にお
いて、早送り再生が禁じられたのでメニュ−の見落とし
を未然に防止できた。
【0186】これによりVOB#4の再生途中からPGC情報#
5への分岐が行われる。分岐後、矢印K108に示すよ
うにPGC情報#5のVOB位置情報テーブルからVOB#2の記録
箇所の先頭位置から順次パックを読み出させてゆくよ
う、機構制御部83に光ディスクの回転駆動を行わせ
る。これにより記録箇所の先頭位置から順々にVOBがパ
ック単位に読み出されてゆく。これに伴い、第13A図
に示したVOB#2は、GOP00〜GOP200のパックが映像信号
に復号されて、屋外プール等の高級ホテルAの豪華な設
備を紹介する実写映像がテレビモニタ上に表れる。
【0187】操作者は、これらの映像に興味を示さず早
送りキーを押下するが、PGC情報#6においてもPGC一般情
報.Forward_Scan()が非許可と設定されているので、ス
テップ170がYesとなり、ステップ171〜ステップ
175の処理がスキップされて、図30のステップ13
5へと戻る。何度早送りを押下しても、映像再生は引き
続き行われるので、これらの映像を始めから終わりまで
視聴して貰うことができる。
【0188】設備案内の紹介映像の後に、GOP250〜GOP4
50において、高級ホテルAのチェックイン/チェックア
ウト法、サービス料金、宿泊料金、チップ、マナー等の
宿泊に関する詳細事項が表示される。高級ホテルAは伝
統ある格式高いホテルであるため、上記事項は特に詳細
なものが規定されている。これはツアーを主催するツア
ー会社が是非とも旅行者に留意してもらう必要がある必
須事項である。PGC情報#5において早送りが非許可と設
定されているため、これらの事項が見落とされることが
未然に防止された。
【0189】続いて、ステップ135においてVOB位置
情報に記載されているブロック数だけデータ読み出しが
継続される。このブロック数分のデータ読み出しを終了
すると、システム制御部93のステップ132に移行す
る。ステップ133においてステップ135においてVO
B位置情報に記載されているブロック数だけデータ読み
出しが継続される。このブロック数分のデータ読み出し
を終了すると、システム制御部93のステップ132に
移行する。ステップ133においてPGC情報のVOB位置情
報テーブルから次順位のVOB#5のVOB位置情報を読み出
し、ステップ134、ステップ135及びステップ13
6において、ここから論理ブロックに記録されているパ
ックを順次読み出させる。
【0190】続いて機構制御部83が制御されて矢印K
110に示すようにVOB#9の記録箇所の先頭位置へと光
ピックアップが移動し、矢印F108に示すようにVOB#
9が順次読み出されてゆく。GOP100〜GOP200が表示され
て、ダイビング、市街観光といったレジャーコースの種
別を提示するアイテムを含むメニュ−が表示される。2
つのアイテムにはアイテム情報#1、アイテム情報#2が対
応づけられている。アイテム情報#1はPGC7に再生経路
を切り換えるためのコマンドを含んでおり、アイテム情
報#2はPGC8に再生経路を切り換えるためのコマンドを
含んでいる。
【0191】操作者はダイビングのライセンスを保持し
ており、今度の休日には、是非ともこれを楽しもうと考
えていた。右手でリモコンを把持し親指でダイビングコ
ースに対応する数値を押下する。これの押下によりハイ
ライトコマンドフィールドに記載されている分岐コマン
ドを実行して、これの分岐先に指定されているPGC情報#
7をバッファに格納し、これに準じた制御を行う。
【0192】これによりVOB#9の再生途中にPGC情報#7
が光ディスクからPGC情報バッファ31に読み出され
て、分岐後、PGC情報#7のVOB位置情報テーブルに記録箇
所が記述されたVOB#7がパック単位に読み出されてゆ
く。これに伴い、図に示したVOB#6のGOP100〜GOP200の
パックが映像信号に復号されて、珊瑚礁、熱帯魚を紹介
する数分長の実写映像がテレビモニタ上に表れる。
【0193】図18に示したVOB#7のGOP300〜GOP400の
パックが読み出され、システムデコーダ86で分離さ
れ、ビデオデコーダ87によって映像信号に復号され
て、映像合成部90において副映像と合成されることに
より、ダイビングの諸注意、緊急時の対処法を紹介する
数分長の実写映像がテレビモニタ上に表れる。これらの
事項は、ツアーを主催するツアー会社が是非とも旅行者
に留意してもらう必要がある必須事項である。PGC情報#
7において早送りが非許可と設定されているため、もし
早送りキーが押下されてもこれらの事項が見落とされる
ことはない。
【0194】<自動デモの動作例>図45を参照しなが
ら『二つの側面を持った制御構造』を利用した自動デモ
の実現例について説明する。図45において、ボリュー
ムメニューにおける自動デモ用アイテムy616から矢
印R201が伸び、その先にPGC情報#53が存在する
が、これは自動デモのエントリープログラムチェーンが
PGC情報#53であることを示している。PGC情報#53に注
目すると、PGC情報#53からは、図42に示したPGC情報
#3と同様、矢印K106、K107によってVOB#1、VO
B#4が指示されている。これはPGC情報#53が、PGC情報
#3と同様VOB#1、VOB#4を順々に再生するよう、『VOB
位置情報テーブル』が規定されていることを意味する。
【0195】PGC情報#55に注目すると、PGC情報#55か
らは、図42に示したPGC情報#5と同様、矢印K10
8、K110によってVOB#2、VOB#5が指示されてい
る。これはPGC情報#55が、PGC情報#5と同様VOB#2、VO
B#5を順々再生するよう、『VOB位置情報テーブル』が
規定されていることを意味する。このようにPGC情報#5
3、PGC情報#55によって再生が行われると、図42に
示したものと同一のVOBが読み出されるため、テレビ
モニタの画面上には『ツアー内容選択コース』『デラッ
クスコース』を順次再生したのと同様の映像が表れる。
【0196】PGC情報#53とPGC情報#3との違いはPGCユ
ーザオペレーション制限情報及びPGCコマンドテーブル
である。オートデモ用のPGCユーザオペレーション制限
情報の設定例は図46の通りであり、本図においてPGC
一般情報.Forward_Scan()が非許可と設定されているの
は、通行人が勝手に操作して映像が早送りされることを
防ぐためである。また、通行人が勝手な操作により、デ
モ用のナレーションが聞き逃されることを防止するため
である。
【0197】PGC一般情報.Backward_Scan()は許可と設
定されている。これはPGC一般情報.Forward_Scan()が非
許可と設定されているのと好対象であるが、その理由は
もしデモの内容に通行人が興味を示した場合に、巻戻し
を操作させて何度でも映像をと視聴させるためである。
PGC一般情報.Pause_On()も許可と設定されている。これ
はPGC一般情報.Backward_Scan()が許可と設定されてい
るのと同じ理由である。もしデモの内容に通行人が興味
を示した場合に、その内容の一部をじっくりと視聴して
貰うためである。
【0198】特に注目すべきは、PGC一般情報.Upper_It
em_Select()〜PGC一般情報.Item_Activateである。本図
を参照すると、PGC一般情報.Upper_Item_Select()〜PGC
一般情報.Lower_Item_Select()が全て許可と設定され、
PGC一般情報.Item_Activate()のみが非許可と設定され
ている。これはPGC一般情報.Upper_Item_Select()〜PGC
一般情報.Lower_Item_Select()を許可と設定することに
より自動デモを見た通行人にカーソル移動を行わせて対
話性があることをアピールするためである。
【0199】PGC一般情報.Item_Activate()が非許可で
あるのは、その対話性のかなめであるハイライトコマン
ドによる分岐を店頭では禁じるためである。このように
ハイライトコマンドの実行が禁じられているのに対し
て、PGCコマンドテーブルには、『VOB位置情報テーブ
ル』にVOB位置情報が記述されたVOBを全て読み出し
た後、PGC情報#55へと分岐を行う旨のコマンド(この
ように全VOB読み出し後にディスク再生装置に実行さ
せるコマンドは図中に示すような後処理コマンドと呼ば
れる。)『Link PGC#55』が記述されており、ハイライ
トコマンドによる分岐を禁じた代わりにPGC情報#55へ
と自動的に分岐を行うようディスク再生装置に指示す
る。これにより、PGC情報バッファ31におけるPGC情報
#53はPGC情報#55によって上書きされ、ディスク再生
装置はPGC情報#55に基づいて矢印K108、K110
に示すように順次VOB#2、VOB#5を読み出してゆく。
【0200】自動デモでは『ハワイ諸島コース』と同様
の実写映像、副映像を画面に表示させながらも、対話操
作の要である分岐は一部無効化されるので、デモンスト
レーション用のPGC情報を設けることにより、『商品
用』『デモ用』の2つの再生経路を切り換えて使用する
ことができる。旅行代理店の社員が店頭にDVDプレーヤ
ー1を設置し、本光ディスクの自動デモを実行したとす
る。この自動デモにより表示されるVOB#1、VOB#4は通
行人をひきつけるのに充分な魅力を有する。通行人がDV
Dプレーヤー1に近づき、VOB#4により表示されたメニ
ュ−を見て、リモコン91を把持して上下左右キーを操
作したとする。
【0201】ステップ135〜ステップ137において
論理ブロックの読み出しを繰り返している間、システム
制御部93はリモコン受信部92からの割り込み信号の
受信監視を行っている。ここで上記の押下が検出される
とステップ137がYesとなり、図31、Bのフロ−チ
ャ−トに移行する。ここでは操作者によってカーソルキ
ーが押下されたので、ステップ152〜ステップ157
において全てNoとなり、ステップ159においてYesと
なる。ステップ159においてYesとなると、ステップ
202に移行し、PGC一般情報.Upper_Item_Select()〜P
GC一般情報.Left_Item_Select()を参照する。これらは
オール許可となっているので、ステップ200へと移行
する。ステップ200では、副映像デコーダ88に色変
えを指示することにより、カーソル遷移を行う。
【0202】このようにカーソルが自在に動くのを見
て、通行人は楽しさを覚え、カーソルが『エコノミーコ
ース』にある状態でリモコン91の『Enter』キーを押
下したとする。図30のステップ135〜ステップ13
7において論理ブロックの読み出しを繰り返している
間、システム制御部93はリモコン受信部92からの割
り込み信号の受信監視を行っている。ここで上記の押下
が検出されるとステップ137がYesとなり、第21図
のフロ−チャ−トに移行する。
【0203】ここでは操作者によって『Enter』キーが
押下されたので、ステップ152〜ステップ157にお
いて全てNoとなり、ステップ160においてYesとな
る。ステップ160においてYesとなると、ステップ2
03へと移行する。ステップ203においてリモコン受
信部92は、PGC一般情報.Item_Activate()が許可であ
るか、非許可であるかを判定する。非許可となっている
ので、何もせずにリターンする。このようにリターンし
た後、後処理コマンド『Link PGC#55』を実行して、PGC
情報バッファ31にPGC情報#55を読み出し、前処理コ
マンドに基づいてVOB#2、VOB#5を読み出してゆく。通
行人は自分の意に反した分岐が行われたことに多少戸惑
うが、社員に問い合わせることによりこれが自動デモで
あることを知る。このような自動デモにより、通行人に
『旅行ムック』の魅力を充分アピールすることができ
る。
【0204】以上のように本実施形態によれば、管理情
報パック内にPCIユーザオペレーション制限情報が存在
し、これに早送り、巻戻し等の特殊再生の実行指示を行
うユーザオペレーションの受け付けの許否が規定されて
いるので、約1.0秒の精度で特殊再生用のキー割込処理
の受け付けの可否を映像内容毎に設定することができ
る。これにより、広告、旅行規約等の映像が現れている
間は、早送りの実行を禁止する等が可能になる。
【0205】再生経路にも相当するPGC情報にPGCユーザ
オペレーション制限情報が存在し、これに早送り、巻戻
しを始めとする特殊再生の許否が規定されているので、
分岐が存在する再生経路における早送りの実行を禁止
し、分岐が存在しない再生経路での早送りの実行を許可
することができる。即ち特殊再生の実行の可否を、再生
する映像とは無関係に、再生経路毎に差別化することが
できる。
【0206】例えばPGC情報によって一連のVOBが再生さ
れている10分、20分といったオーダーの期間におい
て、ユーザがリモコン操作を行うことにより特殊再生を
実行する旨のキー割込が発生すると、そのキー割込に対
応する特殊再生の割込処理の実行の可否はPGCユーザオ
ペレーション制限情報に基づいて決定される。ここで分
岐先を対話的に決める等対話性の高い再生経路の経路情
報に、特殊再生の割込処理の実行の拒否に設定しておけ
ば、対話性の高い再生経路とも知らずに、操作者がむや
みにキーを押下しても、ユーザオペレーション制限情報
により早送り或は巻戻し等の特殊再生のキー割込処理の
起動を禁止することができる。このように対話性性の高
い再生経路における特殊再生のキー割込処理の起動を禁
止することにより、対話性を損なうような特殊再生の実
行は排除することができる。
【0207】ダイジェスト映像版のように映像内容を順
次視聴させるための再生経路の経路情報は、特殊再生の
割込処理の実行の許可に設定しておけば、操作者のキー
押下通りに、早送りキー押下時の割込処理の起動を許可
することができる。このように映像の視聴目的の再生経
路における特殊再生のキー割込処理の起動を許可するこ
とにより、ダイジェスト映像版の再生経路を特殊再生を
用いて視聴させることができる。故に、ダイジェスト映
像の再生経路では、特殊再生の有効性を巧みにとりいれ
ることができる。
【0208】尚本実施形態において、PGC一般情報.Uppe
r_Item_Select()、PGC一般情報.Lower_Item_Select()、
PGC一般情報.Right_Item_Select()、PGC一般情報.Left_
Item_Select()、PGC一般情報.Item_Activate()によっ
て、カーソル移動、確定操作の許可、非許可を個別に設
定するようにしたが、PGC一般情報.Upper_Item_Selec
t()〜PGC一般情報.Item_Activate()の代わりに、PGC一
般情報.Item_Select_and_Activate()という情報を設け
ても良い。このPGC一般情報.Item_Select_and_Activate
()は、カーソル移動、確定操作を全く受け付いれない
か、受け付けいれるかを『0』『1』で表現する。このよ
うに、カーソル移動、確定操作の受け入れのを許可、非
許可を総合して1ビットで設定させてもよい。
【0209】本実施形態においては、1つのVOBユニッ
トを1つのGOPで構成したが、格納する動画映像の再生
時間が1秒前後になるのであれば1つのGOPに限るもの
ではなく、2個や3個の非常に再生時間の短いGOPから
構成されても良いことはいうまでもない。また、この場
合、管理情報パックは、連続した複数個のGOPの先頭に
配置され、これら複数のGOPに対して有効な再生制御情
報を格納することになる。
【0210】本実施形態では、動画情報にはMPEG2
方式のディジタル動画データの場合で説明したが、音声
や副映像等と共にオブジェクトを形成可能な動画データ
であればこれに限るものではなく、例えばMPEG1方
式のディジタル動画や、MPEG方式で利用されるDC
T(Discrete Cosine Transform )以外の変換アルゴリ
ズムによるディジタル動画であってももちろんよい。
【0211】また、本実施例では管理情報パックは動画
の復元単位であるGOP毎に配置されたが、ディジタル
動画の圧縮方式が異なれば、その圧縮方式の復元単位毎
になるのは自明である。最後に、本実施形態における光
ディスクの製造方法を簡単に説明する。ビデオカメラに
よって撮影した何巻ものビデオテープや、ライブ録音し
たミュージックテープをマスターとして用意し、これら
に収録されている動画、音声をデジタル化して、ノンリ
ニア編集装置にアップロードする。編集者は、このノン
リニア編集装置上において、フレーム単位に映像、音声
を再生させながら、グラフィックエディタ等のアプリケ
−ションプログラムによってメニュ−、アイテムを作成
する。これと共に、GUIジェネレータ等を用いてハイラ
イトコマンドを組み込んだ管理情報パックをも作成す
る。作成後、これらをMPEG規格に準じて符号化して、動
画データ、オーディオデータ、副映像データ、管理情報
パックを生成する。生成すると、ノンリニア編集装置上
でこれらからVOBユニットを作成してゆきVOBを作成して
ゆく。VOBを作成すると、VOBにVOB番号を付与して、更
にPGC情報#1,#2,#3,#4・・・・・#n、ビデオタイトルセット
部タイトルサーチポインタテーブル、ビデオタイトルセ
ット管理情報を作成し、ワークステーションのメモリ上
において、上述したデータ構造を構成する。
【0212】データ構造を構成した後、ファイル領域に
これらを記録できるように、これらのデータを論理デー
タ列に変換する。変換された論理データ列は、磁気テー
プ等の伝達媒体に記録され、さらに物理データ列に変換
される。この物理データ列は、ボリュームデータに対し
てECC(Error Check Code)や、E-F変調、リードイン
領域のデータ、リードアウト領域のデータなどが付加さ
れたものである。この物理データ列を用いて原盤カッテ
ィングは、光ディスクの原盤を作成する。さらにプレス
装置によって作成された原盤から光ディスクが製造され
る。
【0213】上記の製造フローでは、本発明のデータ構
造に関る論理データ列作成装置の一部を除いて、既存の
CD用の製造設備がそのまま使用可能である。この点に
関しては、オーム社「コンパクトディスク読本」中島平
太郎、小川博司共著や、朝倉書店「光ディスクシステ
ム」応用物理学会光学談話会に記載されている。
【0214】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、複数のシ
ステムストリームと、所定の前記システムストリームの
再生順序を示すテーブル情報とを光ディスクに記録する
光ディスク記録方法であって、さらに、前記テーブル情
報が再生順序を示す全ての前記システムストリームに対
し早送り再生を制限するか否かを示す第1の制限情報を
記録し、前記システムストリームは動画データと前記動
画データの所定区間に対し早送り再生を制限するか否か
を示す第2の制限情報を含んでいる。システムストリー
ムには、動画データの所定区間のみ有効な第2の制限情
報が含まれており、これに早送り再生の許否が規定され
ているので、広告、旅行規約等の映像が現れている間
は、早送りの実行を禁止し、それらが存在しない間は早
送りの実行を許可する等、早送り再生の起動の可否を映
像内容の時間的な変化に同期させて切り換えることがで
きる。
【0215】一連のシステムストリームが再生されてい
る10分、20分といったオーダーの期間において、
送り再生の実行の可否は、そのテーブル情報に対応した
第1の制限情報に基づいて決定される。分岐先を対話的
に決める等対話性の高い再生順序のテーブル情報に、
送り再生を制限した第1の制限情報を対応させておく
と、対話性の高い再生順序とも知らずに、操作者がむや
みにキーを押下しても、第1の制限情報により早送り再
生の起動を禁止することができる。このように分岐を含
む等対話性の高い再生順序における早送り再生の起動を
禁止することにより、対話性を損なうような早送り再生
の実行は排除することができる。
【0216】ダイジェスト映像のように映像内容を順次
視聴させるための再生順序のテーブル情報は、早送り再
の実行を許可に設定した第1の制限情報を対応させ
る。これにより操作者がキーを押下した場合に、早送り
再生を起動させることができる。このように映像の視聴
目的の再生順序における早送り再生の起動を許可するこ
とにより、ダイジェスト映像版の再生順序を早送り再生
を用いて視聴させることができる。故に、ダイジェスト
映像の再生順序では、早送り再生の有効性を巧みにとり
いれることができる。
【0217】
【0218】
【0219】
【0220】
【0221】
【0222】
【0223】
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本実施形態における光ディスクの外観図
である。 (b)光ディスクの断面図である。 (c)光スポットが照射される部分の拡大図である。 (d)情報層109上のピット列を示す図である。
【図2】(a)光ディスクの情報層のトラック配置の説
明図である。 (b)光ディスクの情報層の物理セクタの説明図であ
る。
【図3】光ディスクの論理構造を示す図である。
【図4】光ディスクのファイル領域の説明図である。
【図5】ビデオタイトルセットのデータ構造の説明図で
ある。
【図6】動画素材、音声素材、字幕素材とビデオオブジ
ェクト(VOB)内の各パックとの対応関係を示す図であ
る。
【図7】動画パックの内部構造を示す図である。
【図8】オーディオパックの内部構造を示す図である。
【図9】副映像パックの内部構造を示す図である。
【図10】管理情報パックの内部構造を示す図である。
【図11】メニューの一例を示す図である。
【図12】DSIの内部構造を示す図である。
【図13】PCIユーザオペレーション制限情報の内部構
造を示す図である。
【図14】ハイライト情報の内部構造を示す図である。
【図15】PCI一般情報の内部構造を示す図である。
【図16】ビデオタイトルセットV1に収録されているV
OBの内容を示す図である。
【図17】ビデオタイトルセットV1に収録されているV
OBの内容を示す図である。
【図18】ビデオタイトルセットV1に収録されているV
OBの内容を示す図である。
【図19】ビデオタイトルセット管理情報の内部構造を
示す図である。
【図20】PGC情報のデータ構造を示す図である。
【図21】ビデオタイトルセットV1における各ビデオタ
イトルセット管理情報の記述内容を示す図である。
【図22】本実施形態における再生装置の外観を示す斜
視図である。
【図23】本実施形態におけるDVDプレーヤ1の内部構
成を示すブロック図である。
【図24】システムデコーダ86の構成を示すブロック
図である。
【図25】システム制御部93の内部構成を示す構成図
である。
【図26】リモコン91のパネル構成を示す図である。
【図27】システム制御部93の処理内容を示すメイン
フローチャートである。
【図28】システム制御部93の分岐時の処理内容を示
すフローチャートである。
【図29】システム制御部93の分岐時の処理内容を示
すフローチャートである。
【図30】PGC情報に基づいたシステム制御部93の処
理内容を示すフローチャートである。
【図31】キー割込種別判定処理の手順を示すフローチ
ャートである。
【図32】キー割込種別判定処理の手順を示すフローチ
ャートである。
【図33】早送り/巻戻しキーが押下された場合の割り
込み処理の手順を示すフロ−チャ−トである。
【図34】音声/副映像キーが押下された場合の割り込
み処理の手順を示すフロ−チャ−トである。
【図35】アングルキーが押下された場合の割り込み処
理の手順を示すフロ−チャ−トである。
【図36】一時停止キーが押下された場合の割り込み処
理の手順を示すフロ−チャ−トである。
【図37】ボリュームメニューキーが押下された場合の
割り込み処理の手順を示すフロ−チャ−トである。
【図38】次PG、前PG、先頭PGキーが押下された
場合の割り込み処理の手順を示すフロ−チャ−トであ
る。
【図39】テレビモニタの画面に広告が表示されている
様子を示す図である。
【図40】テレビモニタの画面にビーチの光景が表示さ
れている様子を示す図である。
【図41】テレビモニタの画面にダイビングの光景が表
示されている様子を示す図である。
【図42】ビデオタイトルセットV1によって構築される
再生経路の全体構造を示す図である。
【図43】ビデオマネージャーの内部構成を示す図であ
る。
【図44】ボリュームメニューの一例を示す図である。
【図45】ビデオタイトルセットV1によって構築される
自動デモの再生経路の全体構造を示す図である。
【図46】自動デモ用のPGCユーザオペレーション制限
情報の設定内容を示す図である。
【符号の説明】
1 DVDプレーヤ 2 テレビモニタ 16 ドライブ機構 31 PGC情報バッファ 81 スピンドルモータ 82 光ピックアップ 83 機構制御部 84 信号処理部 85 AVデコーダ部 86 信号分離部 87 ビデオデコーダ 88 副映像デコーダ 89 オーディオデコーダ 90 映像合成部 91 リモコン 92 リモコン受信部 93 システム制御部 94 バッファメモリ 95 管理情報パックバッファ 96 組み込みプロセッサ 99 チャネルレジスタ 107 DVD 108 透明基板 109 情報層 110 接着層 111 透明基板 112 印刷層 113 光ビーム 114 光スポット
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H04N 5/85 H04N 5/85 Z G11B 27/00 D (72)発明者 山内 一彦 大阪府寝屋川市石津南町19番1−407号 (72)発明者 福島 能久 大阪府大阪市城東区関目六丁目14番C− 508 (56)参考文献 特開 平4−348687(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 5/85 H04N 5/91 - 5/956 G11B 20/10,20/12,27/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のシステムストリームと、所定の前
    記システムストリームの再生順序を示すテーブル情報と
    を光ディスクに記録する光ディスク記録方法であって、 さらに、前記テーブル情報が再生順序を示す全ての前記
    システムストリームに対し早送り再生を制限するか否か
    を示す第1の制限情報を記録し、 前記システムストリームは動画データと前記動画データ
    の所定区間に対し早送り再生を制限するか否かを示す第
    2の制限情報を含む、光ディスク記録方法。
JP16974598A 1995-08-21 1998-06-17 光ディスク記録方法 Expired - Fee Related JP3146185B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16974598A JP3146185B2 (ja) 1995-08-21 1998-06-17 光ディスク記録方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7-211947 1995-08-21
JP21194795 1995-08-21
JP16974598A JP3146185B2 (ja) 1995-08-21 1998-06-17 光ディスク記録方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP50501797A Division JP2856363B2 (ja) 1995-08-21 1996-08-19 光ディスクの再生装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH118834A JPH118834A (ja) 1999-01-12
JP3146185B2 true JP3146185B2 (ja) 2001-03-12

Family

ID=26492991

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16974598A Expired - Fee Related JP3146185B2 (ja) 1995-08-21 1998-06-17 光ディスク記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3146185B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100406630B1 (ko) * 2001-03-13 2003-11-20 엘지전자 주식회사 데모용 데이터의 기록 및 재생방법과, 그에 따른 기록매체
JP4582112B2 (ja) * 2002-11-15 2010-11-17 ソニー株式会社 データ処理装置とデータ処理方法とプログラムおよび記録媒体
JP5008822B2 (ja) * 2003-10-27 2012-08-22 パナソニック株式会社 コンテンツ再生制御方法およびコンテンツ再生制御端末
US8244099B2 (en) 2004-08-19 2012-08-14 Sony Computer Entertainment Inc. Picture reproducing apparatus and method, recording medium, and picture reproducing program
EP2380356A1 (en) * 2008-12-19 2011-10-26 Koninklijke Philips Electronics N.V. Controlling of display parameter settings
JP5387220B2 (ja) * 2009-08-11 2014-01-15 ソニー株式会社 記録媒体製作方法、記録媒体及び記録媒体の再生装置
JP2010141916A (ja) * 2010-02-15 2010-06-24 Hitachi Ltd 記録装置及び記録方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH118834A (ja) 1999-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0788106B1 (en) Multimedia optical disk for which producer coordinates viewing/listening mode including special reproduction at will and reproducing device and reproducing method for the disk
JP3379961B2 (ja) 動画データとともに複数チャネルの音声データ、副映像データが記録された記録媒体、その再生装置、再生方法
JP3345019B2 (ja) インタラクティブな再生進行の性能を向上させた記録媒体の記録方法、再生装置および再生方法
KR100344903B1 (ko) 페어렌탈록구간으로의분기재생을적은제어정보량으로용이하게실현하는멀티미디어광디스크와그재생장치
JP3362856B2 (ja) 主映像が画面上にどのように配置されようとも、副映像をバランス良く主映像上に重ね合わせることができる記録媒体、再生装置、及び再生方法
US5907658A (en) Multimedia optical disk, reproduction apparatus and method for achieving variable scene development based on interactive control
US20080253738A1 (en) Multimedia optical disc storing both video titles provided with av function and video titles with no such functions which can instantly distinguish between such kinds of titles, and a reproduction apparatus and reproduction method for such disc
JP3334799B2 (ja) 光ディスク、再生装置、再生方法および記録媒体
JP3345413B2 (ja) インタラクティブな再生進行の性能を向上させた記録媒体の記録方法、再生装置および再生方法
JP3345412B2 (ja) インタラクティブな再生進行の性能を向上させた記録媒体の記録方法、再生装置および再生方法
JP3435282B2 (ja) 光ディスク再生装置、光ディスク再生方法及び光ディスクの記録方法
JP3146185B2 (ja) 光ディスク記録方法
JP3798532B2 (ja) マルチアングルブロック再生システム
JP2813245B2 (ja) 光ディスクの再生装置及び再生方法
JP3356768B2 (ja) 記録方法、再生装置
JP2835319B2 (ja) 光ディスク
JP2856363B2 (ja) 光ディスクの再生装置
JP3210289B2 (ja) 光ディスク記録方法
JPH08336103A (ja) 再生データの属性情報を再生データとともに記録した記録媒体及びその属性情報を利用して再生データを適切に再生するシステム
JP2835317B2 (ja) 光ディスク再生装置、その再生方法、光ディスクへのデータ記録方法及びその記録装置
JP3356759B2 (ja) 記録方法、再生装置
JP3356767B2 (ja) 記録方法、再生装置
JPH1074377A (ja) 記録媒体へのデータの記録装置とその記録方法、その記録媒体からのデータの再生装置とその再生方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20001219

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080105

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090105

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100105

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110105

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120105

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130105

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130105

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees