JP3210289B2 - 光ディスク記録方法 - Google Patents

光ディスク記録方法

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JP3210289B2
JP3210289B2 JP16751598A JP16751598A JP3210289B2 JP 3210289 B2 JP3210289 B2 JP 3210289B2 JP 16751598 A JP16751598 A JP 16751598A JP 16751598 A JP16751598 A JP 16751598A JP 3210289 B2 JP3210289 B2 JP 3210289B2
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一彦 山内
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディジタル動画デ
ータ、オーディオデータ、グラフィックスデータを含む
オブジェクトを光ディスクに記録する記録方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の光ディスクの代表格は、CD(Co
mpact Disc)及びこれを動画用に発展させたビデオCD
である。CDは1時間程度の音声ディジタルデータを記
録でき、そのアプリケーションは主として音楽ソフトで
ある。これに対してビデオCDは1時間程度の音声を含
む動画ディジタルデータを記録でき、そのアプリケーシ
ョンは主として映画ソフトである。CD及びビデオCD
は大きさも手頃であり、また音質・画質も良好であるこ
とから、音楽や映画の愛好家に広く親しまれていた。
【0003】近年の映像ソフトの動向を見ると、後者の
ビデオCDにおいてインタラクティブソフトという分類
のアプリケ−ションが台頭しつつある。インタラクティ
ブソフトとは、光ディスクに格納された複数の動画情報
を、ユーザ指示に従い、選択的に再生したり、あるいは
再生順序を再生中に動的に変更するアプリケーションで
ある。インタラクティブソフトの具体例としては、ユー
ザの選択結果によりストーリ進行が変化するマルチスト
ーリドラマなどがある。
【0004】ビデオCDを例に、インタラクティブソフ
トを実現する光ディスク及びその再生装置を図46
(a)を参照し簡単に説明する。図46はビデオCDで
ある光ディスクの説明図である。図46(a)のビデオ
CDにはマルチストーリな推理ドラマ(マルチストーリ
とは、ストーリー展開が幾通りもあるという意味であ
る。)であるインタラクティブソフトが格納される。
【0005】図46(b)はビデオCDに格納されるデ
ィジタルデータを示す。本例のビデオCDには動画1、
動画2、動画3、動画4、動画5の5本の動画ディジタ
ルデータと、複数の動画の再生順序を制限する複数の再
生経路データが格納される。動画を構成するディジタル
データ列は、ディスクの連続領域に格納されるが、全て
の動画のディジタルデータ列が連続領域に格納される必
要はなく、光ディスクの格納領域にそれぞれ離散的に格
納される。
【0006】図46(a)は各動画の内容と、その再生
順序を示している。本例では動画1は探偵が部屋に入っ
てくる動画である。動画2は部屋内の机がクローズアッ
プされ、ペンと眼鏡が表示される動画である。動画3は
メニュー映像であり、“「1」眼鏡”、“「2」ペン”
のラベル情報を持つメニュー項目を2つ含んでいる。動
画4はメニュー項目“「1」眼鏡”が選択された場合に
再生される動画であり、眼鏡がクローズアップされる。
動画5はメニュー項目“「2」ペン”が選択された場合
に再生される動画であり、「ペン」がクローズアップさ
れる。
【0007】図46(c)はビデオCDに格納される複
数の再生経路データを示す。再生経路データには複数個
の動画データに対して一個の再生順序を与えるタイプ
と、再生進行の分岐先を切り換えるタイプがある。前者
のタイプはプレイリストと称され、連続再生する複数の
動画を指定し、その再生順序を指定している。またプレ
イリストは、自身の再生終了後にどの再生経路へと分岐
するかという再生経路間のリンク情報をも含んでいる。
【0008】後者のタイプは選択リストと称され、複数
の再生経路を分岐先の候補として含んでおり、メニュ−
アドレスを含んでいる。メニュ−アドレスとは、分岐先
が複数ある旨を案内するメニュー映像の記録アドレスで
ある。メニュ−映像は、複数のメニュー項目を含み、そ
れらのメニュ−項目の識別番号に分岐先再生経路の識別
子を対応づけている。
【0009】図46(c)の例でゆうと、再生経路デー
タ1、再生経路データ3、再生経路データ4はプレイリ
ストであり、再生経路データ2は選択リストである。
尚、各メニュー項目の識別番号は、ユーザによりリモコ
ンのパネル上の数値キーに対応しており、この数値キー
を押下することにより、対応する分岐先へと再生進行が
切り換わる。
【0010】次に図46(b)で示したビデオCDがそ
の再生装置により再生される際の動作を説明する。再生
開始が指示されると再生装置は、予め定められている算
出法により、再生開始用の再生経路データの光ディスク
上の記録アドレスを算出する。再生経路データの記録ア
ドレスが算出されれば、当該アドレスにピックアップを
移動させて、再生経路データを光ディスクから内部のメ
モリへと読み出す。尚本例では説明の都合上、プレイリ
ストである再生経路データ1がメモリ上に取り出された
とする。再生経路データ1が再生装置のメモリに格納さ
れれば、再生装置は再生経路データ1により示される動
画の再生順序に従い、再生すべき動画を決定する。決定
後、その動画の記録アドレスにピックアップを移動さ
せ、動画のディジタルデータを光ディスクから読み出
す。読み出したディジタルデータに所定の信号処理を施
して映像出力信号と音声出力信号に変換しディスプレィ
・スピーカ側へ出力する。
【0011】以上の処理を経て動画1が再生されると、
図46(a)に示すように、探偵が机のある部屋に入っ
てくるシーンの動画が数秒再生されることになる。動画
1の再生が完了すれば動画2の再生が行われ、画面で
は、机がクローズアップされる。このクローズアップに
より、画面上には、ペンと眼鏡が数秒間表れる。再生経
路データに再生順序が記載された動画が全て再生されれ
ば、格納している再生経路データ1のリンク情報を参照
し、光ピックアップを介して次の再生経路データを記憶
に読み出す。読み出し後、再生経路1を廃棄し、光学的
な読み出しを介して次の再生経路データを内部のメモリ
へと読み出す。本例であれば再生経路データ1に代えて
再生経路データ2がメモリに格納される。本例の場合、
新たに格納した再生経路データ2が選択リストであるた
め、複数の分岐先を提示するメニュー映像が表示される
事になる。本例では動画3がメニューとして表示され、
“「1」眼鏡”、“「2」ペン”のメニュー項目がユー
ザに示される。
【0012】ユーザがメニュー映像を見て、リモコン上
の、メニュー項目に対応する識別番号の数値を押下する
と、再生装置は数値に対応する分岐進行先の再生経路デ
ータを決定する。続いて内部に格納する選択リストであ
る再生経路データ2を破棄し、決定した分岐先の再生経
路データの記録アドレスにピックアップを移動させ、こ
の分岐先の再生経路データを内部のメモリへと読み出
す。本例であれば、ユーザが“「1」眼鏡”を選択すれ
ば、再生経路データ3が記憶に格納されることになる。
“「2」ペン”を選択すれば再生経路データ4がメモリ
に格納されることになる。新たな再生経路データがメモ
リに格納されれば、同様にこれに従った再生進行制御を
継続する。本例であれば、再生経路データ3がメモリに
格納されれば、これに従い、動画4が再生され画面で
は、眼鏡がクローズアップされる。
【0013】再生経路データ4がメモリに格納されれ
ば、動画5が再生され、画面ではペンがクローズアップ
される。上述した光ディスクに対して再生装置が上記の
動作を繰り返せば、メニュー項目の選択により映像の再
生進行を切り換えてゆくことができる。この切り換えに
より、インタラクティブソフトはストーリ展開が様々に
変化するので、ユーザは自分が映像内に登場する探偵に
なった気分でマルチストーリを楽しむことができる。
【0014】再生経路データ等、再生装置がディスクの
再生進行を制御するためのデータはナビゲーション用制
御データと総称される。そして、このナビゲーション用
制御データを如何なるフォーマットで光ディスクに格納
するか、或いは、再生装置がどのようにこれを利用する
かが、昨今、非常に重要な技術課題となってきている。
これは、フォーマットにより再生装置に要求される搭載
メモリ量が増減するためである。そして大きな搭載メモ
リ量が必要なフォーマットであれば、メモリコストが増
加するため、再生装置の価格が高価になるという問題が
発生する。民生用AV機器であるCDやビデオCDは、
民生用の価格に抑えるために、搭載メモリ量は数10K
Byte以下が一般的である。上述したビデオCDによるイ
ンタラクティブソフトの場合、一回当たりの動画再生に
メモリに常駐させた再生経路データは1本のみである。
メモリ上で再生経路データが占めたサイズは数100By
teなので、数10KByteの搭載メモリしか持たない再生
装置でも余裕を持ってインタラクティブソフトを実現す
ることができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、アプリケー
ション制作者及びユーザのインタラクティブソフトに対
する機能要求は年々高まっており、上述したビデオCD
における限界が囁かれている。ビデオCDにおいて実現
困難な機能とはどのようなものであるか、これを無理に
実現しようとすると、どのような問題点に行き当たるか
を以下に説明する。
【0016】第一の問題点は、特定の物体が画面上に現
れた僅か2.0秒〜3.0秒の期間において再生進行の分岐を
操作者に仰ぐような、映像内容と緻密に同期した分岐先
の提示が不可能である点である。例えば、電車の車窓
に、次々と移り変わる風景が表示され、風景内に特定の
建築物、例えば、「城」や「橋」が再生されている期間
のみ、これら建築物の紹介映像へ再生進行を分岐させる
再生制御を考える。ビデオCDの選択リストは動画全体
に対する指定なので、上述した例のように動画の部分映
像区間に対する指定は行えない。無理にでもこれを実現
しようとするならば、動画を更に小単位に分割し、個別
に選択リストを設定するという苦肉の策を採用すること
となる。但しこの苦肉の策で代償となるのは、レスポン
ス低下である。即ち、動画及び再生経路データ切り替え
のためのディスクシークにより、動画の再生を一時中断
するという現象が発生してしまう。レスポンス低下とい
う多大な代償を伴うため、ビデオCDでは動画の映像内
容に同期させて次々とメニュー項目を切り替えるという
再生制御は事実上不可能となる。例えば探偵に扮したユ
ーザが不審な人物と出くわした場合に、その人物の表情
変化に合わせてメニュ−でユーザの選択を問う等、映像
内容と再生制御とを密接に対応づけることは不可能であ
る。
【0017】第二の問題点は、以前のユーザ選択結果と
現在の選択結果の組み合わせにより、再生進行を制御で
きない点である。例えば、教材アプリケーションで、質
問を次々と表示し、個々の質問でのユーザの解答結果の
正誤を得点していき、全ての問題の再生が済めば、ユー
ザの得点に従い、ある点以上であれば合格、または、あ
る点以下ならば不合格の動画を再生するようなインタラ
クティブソフトを考える。ビデオCDの場合、以前のメ
ニューのユーザの選択結果を反映して分岐先を変更する
ことができないため、複数の解答結果の合計得点により
分岐先を変更させるようなインタラクティブソフトは実
現することができない。
【0018】さらに補足すると、前述したマルチストー
リな推理ドラマの例の場合も、ユーザを魅了するために
は意外性のあるストーリ展開を行うこと、異なるストー
リで繰り返し楽しめることが必要になるが、ユーザが選
択するメニュー項目とその分岐進行先の関係が1対1の
場合、インタラクティブソフトで遊んでいるうちに知ら
ず知らずに分岐先を覚えてしまう。即ち、最初のうちは
ストーリ展開に意外性を感じるが、これを何度か繰り返
すと、どうゆう選択を行えばどうゆうようにストーリが
展開するかを覚えてしまい、直に興醒めしてしまう。推
理ドラマの例では、メニュー項目“眼鏡”を選択した場
合、常に再生経路データ3に分岐する。理想からいえ
ば、以前の探偵の行動内容の選択結果も反映して、時に
は異なる分岐を行うことが望ましいが、メニュー項目
“眼鏡”を選択すると、必ず再生経路3へと分岐するの
であれば、数回インタラクティブソフトで遊んだだけ
で、そのストーリ展開に慣れてしまう。
【0019】本発明の第一の目的は、車窓からの風景の
移り変わりに応じて表示するメニュー項目を次々と切り
替える等、動画の映像内容と再生装置に対しての指示と
を緻密に同期させたインタラクティブソフトを、メモリ
の搭載量を抑制して実現することができる光ディスク記
録方法を提供することである。本発明の第二の目的は、
ユーザの何回かの解答結果に従って分岐先を決める等、
以前に行われたユーザの指示と現在のユーザの指示とを
組み合わせた指示を再生装置に対して行うインタラクテ
ィブソフトをメモリの搭載量を抑制して実現することが
できる光ディスク記録方法を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記第一、第二問題点を
解決するため本発明に係る光ディスク記録方法は、制御
パケットと、ビデオストリームの部分区間を格納したビ
デオパケット列とを含むビデオオブジェクトユニットが
複数配されて構成されるビデオオブジェクトを光ディス
クに複数記録する記録方法であって、前記部分区間が再
生されている期間において操作者により分岐操作が行わ
れた場合に有効な分岐制御を示す分岐制御情報を、ビデ
オオブジェクトユニットに含まれる制御パケットに格納
した後、そのビデオオブジェクトユニットを含むビデオ
オブジェクトを光ディスクにおける第1領域に記録し、
複数ビデオオブジェクトの再生順序を示す再生順序情報
を、前記第1領域とは別の第2領域に記録することを特
徴としている。
【0021】
【発明の実施の形態】本実施例におけるマルチメディア
光ディスクは、直径120mmの光ディスクに片面約
4.7Gバイトの記録容量を実現したディジタル・ビデ
オ・ディスク(以下DVDと略す)が好適である。尚以
下の説明においては理解を助けるために以下のように項
分け記載する。その際、各項目の左側に分類番号を付
す。分類番号の桁数は、その項目の階層的な深さを意味
している。分類番号の最上位は(1)と(2)があり、(1)は
光ディスクに関するもの、(2)は再生装置(ディスク再
生装置)に関するものである。 (1.)光ディスクの物理構造 (1.1)光ディスクの論理構造 (1.1.1)論理構造−ビデオタイトルセット (1.1.1.1)ビデオタイトルセット−ビデオオブジェク
ト(VOB) (1.1.1.1.1)ビデオオブジェクト(VOB)−動画パック (1.1.1.1.2)ビデオオブジェクト(VOB)−音声パック (1.1.1.1.3)ビデオオブジェクト(VOB)−副映像パッ
ク (1.1.1.1.4)ビデオオブジェクト(VOB)−管理情報パ
ック (1.1.1.1.4.1)管理情報パック−DSIパケット (1.1.1.1.4.2)管理情報パック−PCIパケット (1.1.1.1.4.2.1)PCIパケット-ハイライト情報 (1.1.1.1.4.2.1.1)ハイライト情報−ハイライト一般
情報 (1.1.1.1.4.2.1.2)ハイライト情報−アイテム色情報 (1.1.1.1.4.2.1.3)ハイライト情報−アイテム情報 (1.1.1.2)ビデオタイトルセット−ビデオタイトルセ
ット管理情報 (1.1.1.2.1)ビデオタイトルセット管理情報−PGC情報 (1.1.2)論理構造−ビデオマネージャー (2.1)ディスク再生装置の概要 (2.2)ディスク再生装置の構成要素 (2.2.1)ディスク再生装置の構成要素-信号分離部86
の内部構成 (2.2.2)ディスク再生装置の構成要素-システム制御部
93の内部構成 (2.3.1)システム制御部93の通常動作 (1.)光ディスクの物理構造 図1(a)はDVDの外観を示す図であり、図1(b)
はその断面図である。図1(c)は図1(b)の丸部の
拡大図である。DVD107は、図面の下側から第1の
透明基板108、情報層109、接着層110、第2の
透明基板111、及びラベル印刷用の印刷層112が積
層されて構成される。
【0022】第1の透明基板108及び第2の透明基板
111は、同一材質の補強用基板であるが、その厚さは
共に約0.6mmである。即ち両基板とも大体0.5mm〜0.7mm
の厚さである。接着層110は、情報層109と第2の
透明基板111との間に設けられ両者を接着する。
【0023】情報層109は、第1の透明基板108と
接する面に金属薄膜等の反射膜が付着している。この反
射膜には成形技術により凹凸のピットが高密度に形成さ
れる。ピット形状を図1(d)に示す。図1(d)にお
ける各ピットの長さは0.4μm〜2.13μmであり、半径方
向に0.74μmの間隔を空けて螺旋状に列設され、一本の
螺旋トラックを形成している。
【0024】これらのピット列に光ビーム113が照射
されることにより、図1(c)に示すように光スポット
114の反射率変化として情報が取り出される。DVD
での光スポット114は、対物レンズの開口数NAが大
きく、光ビームの波長λが小さいため、CDでの光スポ
ットに比べ直径で約1/1.6になっている。
【0025】このような物理構造をもつDVDは、片面
に約4.7Gバイトの情報を記録できる。約4.7Gバイ
トの記録容量は、それまでのCDに比べて8倍近い大き
さである。そのため、DVDでは、動画の画質の大幅な向
上が可能であり、再生時間についてもビデオCDの74分
に比べて2時間以上にまで向上させることができる。
【0026】このような大容量化を実現させた基盤技術
は、光ビームのスポット径Dの小型化である。スポット
径Dは、スポット径D=レーザの波長λ/対物レンズの
開口数NAの計算式で与えられるので、よりレーザの波
長λを小さく開口数NAを大きくすることにより、スポ
ット径Dを小さく絞り込むことができる。留意すべき
は、対物レンズの開口数NAを大きくすると、チルトと
呼ばれるディスク面と光ビームの光軸の相対的な傾きに
よりコマ収差が生じる点である。これの縮小を図るべ
く、DVDでは透明基板の厚さを薄くしている。透明基
板を薄くすると、機械的強度が弱くなるという別の問題
点が浮上するが、DVDは別の基板を貼り合わせること
によりこれを補強しており、強度面の問題点を克服して
いる。
【0027】DVDからのデータ読み出しには、波長の
短い650nmの赤色半導体レーザと対物レンズのNA
(開口数)を0.6mm前後まで大きくした光学系とが用
いられる。これと透明基板の厚さを0.6mm前後に薄く
したこととがあいまって、直径120mmの光ディスク
の片面に記録できる情報容量が約4.7Gバイトまでに
至った。このような大容量によって、映画会社が制作す
る一つの映画を一枚の共通ディスクに収録し、多数の異
なる言語圏に対して提供することも可能になる。これら
の基盤技術によって実現された4.7Gバイトという記
録容量は、動画データ、オーディオデータを複数記録し
ても余りある。
【0028】図2(a)に螺旋トラックが情報層の内周
から外周にかけて形成されている様子を模式的に示す。
螺旋トラックに対するデータ読み出しは、セクタと称さ
れる単位毎に行われる。セクタの内部構造は図2(b)
に示すように、セクタヘッダ領域と、ユーザデータ領域
と、誤り訂正コード格納領域からなる。セクタヘッダ領
域のセクタアドレスはそれぞれのセクタを識別するため
に用いられる。ディスク再生装置は多数のセクタのうち
読み出すべきものはどれであるかをこのセクタアドレス
を手掛かりにして探し出す。
【0029】ユーザデータ領域には、2KByte長のデータ
が格納する。誤り訂正コード格納領域は、同セクタのユ
ーザデータ領域に対する誤り訂正コードを格納する。デ
ィスク再生装置は、同セクタのユーザデータ領域の読み
出し時に誤り訂正コードを用いて誤り検出を行い、誤り
訂正までも行うことにより、データ読み出しの信頼性を
保証する。
【0030】(1.1)光ディスクの論理構造 図3はディスクの論理構造を示す図である。図3におい
ては、物理セクタはセクタアドレスにより昇順に配置さ
れており、セクタアドレスに含まれる識別情報により上
部からリードイン領域と、リードイン領域に続いてボリ
ューム領域と、ボリューム領域に続いてリードアウト領
域と大別される。
【0031】『リードイン領域』にはディスク再生装置
の読み出し開始時の動作安定用データ等が記録される。
これに対して『リードアウト領域』には、再生装置に再
生終了を告知する領域であり、意味のあるデータは記録
されていない。『ボリューム領域』は、アプリケーショ
ンを構成するディジタルデータが格納される領域であ
り、所属する物理セクタを論理ブロックとして管理す
る。論理ブロックはデータ記録領域の先頭の物理セクタ
を0番として、連続する物理セクタに連番を付与した単
位で識別される。図3の円b301に、ボリューム領域
における論理ブロック群を示す。円内の多くの論理ブロ
ックに付された#m,#m+1,#m+2,#m+3・・・・といった数値が
論理ブロック番号である。
【0032】図3に示すように、ボリューム領域は、さ
らにボリューム管理領域とファイル領域に分割される。
ボリューム管理領域には、ISO13346に従って、
複数の論理ブロックをファイルとして管理するためのフ
ァイルシステム管理情報が格納される。ファイルシステ
ム管理情報とは、複数のファイルのそれぞれのファイル
名と、各ファイルが占めている論理ブロック群のアドレ
スとの対応づけを明示した情報であり、ディスク再生装
置はこのファイルシステム管理情報を手掛かりしてファ
イル単位のディスクアクセスを実現する。即ち、ファイ
ル名が与えられると、全てのシステム管理情報を参照し
てそのファイルが占めている全ての論理ブロック群を算
出し、これらの論理ブロック群をアクセスして所望のデ
ィジタルデータのみを取り出す。
【0033】図4はファイル領域の説明図である。図4
に示すように、ファイル領域にはビデオマネージャ(Vi
deo Manager)と複数のビデオタイトルセット(Video T
itleSet)が格納される。これらは複数の連続ファイル
からなり上記のファイルシステム管理情報により、記録
箇所が算出される。このように連続ファイルである理由
は、動画データのデータサイズは膨大であり、これを一
本のファイルにすると、そのファイルサイズが1GBを
越えてしまうからである。
【0034】ビデオタイトルセットは、タイトルと称さ
れる1つ以上のDVDアプリケーションをグループ化し
て格納する。映画アプリケーションにおいてグループ化
される複数のタイトルとは、同一映画の劇場公開版やノ
ーカット版がある場合がこれに相当する。何故なら劇場
公開版やノーカット版といったタイトルは共有する映像
データが多いため、グループ化して管理するほうが効率
良く映像を活用できるからである。
【0035】図4のビデオタイトルセットのうち、ビデ
オタイトルセットV1、ビデオタイトルセットV2はインタ
ラクティブソフトを収録している。ビデオタイトルセッ
トV1はインタラクティブソフト『推理ゲーム』である。
ビデオタイトルセットV2はインタラクティブソフト『世
界一周クイズ』である。これらのインタラクティブソフ
トは本実施例における光ディスクの特徴的なデータ構造
によって実現されたものである。『推理ゲーム』では、
ゲームでありながらも映画並みのキャストと大規模なロ
ケとによって撮影された実写映像をふんだんに取り入れ
ている。この実写映像は、何人もの登場人物が不可解な
事件に巻き込まれるという内容であり、この実写映像に
おいて主人公となる探偵は様々な窮地に瀕する。操作者
は本編に登場する探偵の行動内容を選択する事ができ、
自身の推理や機転によりストーリ展開を適宜切り換えて
ゆくことができる。
【0036】また『推理ゲーム』は、3つのタイトルか
ら成るタイトルセットであり、個々のタイトルは、“上
級コース”、“中級コース”、“初級コース”と称す
る。これらの違いは謎解きの難易度が異なる点である。
これら難易度別のタイトルは、ほとんどの映像を共有す
るが、コース毎に一部再生されない映像シーンが存在す
る。例えば上級コースは難解な謎解きを何度も行わなけ
れば、次の映像シーンに進行できないように構成されて
いる。これに対して初級コースには、この謎解きの映像
シーンは、事件のトリックのヒントを提示するような映
像に差し替えられている。
【0037】またクイズ『世界一周』は、世界各地の地
理や芸術に関するクイズが出題され、ユーザの解答結果
が得点されていき、得点結果に応じて合格または不合格
の映像が再生されるものとする。クイズ『世界一周』
は、3つのタイトルからなるタイトルセットであり、個
々のタイトルは“ヨーロッパ編”、“アメリカ編”、
“世界編”であるとする。尚、タイトル“世界編”と他
のタイトルは映像を共有することになる。また、“ヨー
ロッパ編”、“アメリカ編”については、毎回同じクイ
ズ群が同じ再生順序で再生されるが、“世界編”は再生
するごとに異なる組み合わせのクイズ群が再生される事
になる。
【0038】ビデオマネージャには複数のビデオタイト
ルセットに格納される全てのタイトルから、ユーザが再
生すべきタイトルを選択するためのメニューに関する情
報が格納される。以下、ビデオタイトルセット及びビデ
オマネージャについて詳細を説明する。 (1.1.1)論理構造−ビデオタイトルセット 図5はビデオタイトルセットのデータ構造の説明図であ
る。
【0039】ビデオタイトルセットは、複数のビデオオ
ブジェクト(VOB:Video Object)と、複数のビデオオブ
ジェクトの再生順序を管理するビデオタイトルセット管
理情報とを格納する。 (1.1.1.1)ビデオタイトルセット−ビデオオブジェク
ト(VOB) 『ビデオオブジェクト(VOB)』はディジタル動画、
ディジタル音声、イメージデータ、これらの管理情報を
含むことによりマルチメディア化されたデータである。
尚、本例はインタラクティブソフト『推理ゲーム』であ
るから、図5に示される個々のVOB#1、2、3、4・・・・
は、操作者の操作指示によって関係者に質問するシー
ン、事件現場を捜索するシーン、容疑者を尾行するシー
ン等、各々が映像のワンシーン等に相当する。
【0040】『ビデオオブジェクト(VOB)』のデー
タ構造は、複数のVOBユニット(VOBU)が先頭か
ら時系列順に配列された構成を持つ。VOBユニット
(VOBU)は、約0.5秒〜約1.0秒程度の再生デ
ータであり、図5の矢印先に詳細構成を示すように、管
理情報パック、動画パック、オーディオパックA〜C、副
映像パックA〜Bといった、複数種別のパックデータより
構成される。パックデータはそれぞれ2KByteのデータ
サイズであり、種類別のパックデータを集めて再統合す
ることにより、それぞれ、動画データ、音声データ、副
映像データ、制御データを構成するディジタルデータ列
になる。また、これら種類別に再統合されたディジタル
データ列をエレメンタリストリームと称し、VOBを複
数のエレメンタリストリームから構成されるプログラム
ストリーム、あるいはシステムストリームと称すること
もある。
【0041】尚、説明を簡易に分かりやすくする必要
上、図5及び図6では全てのVOBユニットの各パック
データは規則性をもって配置したが、管理情報パックが
先頭に配置される事を除けば、再生装置によりバファリ
ングされて取り出されるため種別毎に隣接されて配置さ
れる必要はなく、実際は混在して配置される。また、V
OBユニットに属するパック総数及び種類毎のパック数
も、動画や音声、副映像は可変長の圧縮データを含むた
め、同じである必要はなく、実際にはVOBユニット毎
にパック数が異なる。また、VOBユニット内の動画パ
ックは2個になっているが、動画に割り当てられてい
る、再生装置への転送レートは約4.5Mbitであり、実
際には静止画でない通常の動画であれば数百個の動画パ
ックが含まれることになる。
【0042】ビデオオブジェクト(VOB)に格納され
る動画パックは、1VOBユニットに属する動画パック
のディジタルデータにより、少なくとも1つのGOP
(Group Of Picture)と称するディジタル動画データ
を形成する。ここでいうGOP(Group Of Picture)
とは、圧縮ディジタル動画データの伸長時の1単位であ
り、約12〜15フレーム分の画像データである。尚、
GOPについてはMPEG2(Moving Picture Expert
Group、ISO11172、ISO13818)におい
て詳細が規定されている。
【0043】ビデオオブジェクト(VOB)内の各パッ
クと動画のワンシーンとの関係は、図6に示されてい
る。同図において動画ワンシーンの映像素材を横長の四
角形で示し、VOBの上側に配している。また3チャネ
ルの音声素材を3本の横長の四角形で示しVOBの下側
に配している。更に2チャネルの副映像素材を2本の横
長の四角形で示し音声素材の下側に配している。動画素
材から伸びた下向きの矢印は、動画の映像素材がどのよ
うに各パックのデータフィールドに記録されるかを示し
ている。
【0044】これらの下向きの矢印を追うと、ワンシー
ンの先頭から0.5秒までの動画は、MPEGに準拠したIピク
チャ(Intra-Picture)、Pピクチャ(Predictive-Pictu
re)、Bピクチャ(Bidirectionally predictive Pictur
e)に符号化された後にVOBユニット1内のvideoパッ
ク1,2のデータフィールドに記録されることがわかる
(尚、前述したが、実際には数百個のパックに格納され
るが、説明の都合上、2つのパックに格納されているも
のとして以下説明を続ける。)。0.5秒から1.0秒までの
動画もIピクチュア,Pピクチュア,Bピクチュアに符号化
された後にVOBユニット2内ののvideoパック3,4のデー
タフィールドに記録される。図示はしないが1.0秒から
1.5秒分までの動画も符号化された後に次のVOBユニット
内のvideoパックのデータフィールドに記録される。ス
タントマンの迫真の演技や有名俳優の華麗な演技を撮影
した実写映像は、何千枚、何万枚のIピクチャ、Bピクチ
ャ、Pピクチャに符号化されて、各VOBユニット内の複数
の動画パックのデータフィールドに分散して記録され
る。このような分散記録により『推理ゲーム』では、上
記のスタントマンの迫真の演技や有名俳優の華麗な演技
をワンシーンに取り入れている。このようにVOB内の動
画パックのデータフィールドに分散記録されたデータを
動画データという。
【0045】VOBユニットを構成するパックについて図
7〜図10を参照しながら個別に説明する。 (1.1.1.1.1)ビデオオブジェクト(VOB)−動画パ
ック 図7は動画パックのデータ構造を示している。本図にお
ける動画パック(図にはビデオパックと記している。)
のデータ構造は、MPEGに規定された「パックヘッダ」
「パケットヘッダ」「データフィールド」からなり、1
パック当たり2Kbyte長のデータサイズを有する。「パッ
クヘッダ」には、パックスタートコード、SCR(System
Clock Reference)、MUX(Multiplex)レートといった
MPEG準拠のデータが記述されており、「パケットヘッ
ダ」には、ストリームID、パケット長、STD(System Ta
rget Decoder)バッファスケールサイズ、PTS(Present
ationTime Stamp)、DTS(Decoding Time Stamp)とい
うMPEG準拠のデータが記述されている。
【0046】「パケットヘッダ」内のストリームIDは図
中、パケットヘッダの下方に引き出して示すように『11
10 0000』と設定されている。これは、このパックが形
成するエレメンタリストリームが動画ストリームである
ことを示す。動画パックのSCR及びPTSは、音声パックの
復号処理、副映像パックの復号処理との同期調整に用い
られる。具体的にはディスク再生装置側のビデオデコー
ダはSCRに基づいて基準クロックの時刻合わせを行い、
データフィールド内の動画データを復号して基準クロッ
クがPTSに記載してある時刻を計時するのを待つ。当該
時刻を計時すると当該復号結果をディスプレィ側に出力
する。このようなPTSの記載内容に基づく出力待ちによ
りビデオデコーダは副映像出力、音声出力との同期誤差
を解消する。
【0047】(1.1.1.1.2)ビデオオブジェクト(VO
B)−音声パック 図8は、音声パックA〜Cのデータ構造を示している。図
7と図8とを比較すれば判るように、音声パックのデー
タ構造は基本的には動画パックのデータ構造と同様であ
り「パックヘッダ」、「パケットヘッダ」「データフィ
ールド」からなる。異なる点は、「パケットヘッダ」の
ストリームIDが『1011 1101』に設定されている点と、
データフィールドの先頭8ビットにサブストリームIDが
設けられている点の2点である(図中斜線部参照)。ス
トリームIDは『1011 1101』、このパックが形成するエ
レメンタリストリームがプライベートストリーム1であ
ることを示す。プライベートストリームとはMPEGで
は、動画ストリーム、MPEG音声ストリーム以外に利
用されるストリームである。本例では、MPEG音声以
外の音声が使用されるために、プライベートストリーム
が利用されている。
【0048】音声パックの「パックヘッダ」は動画パッ
クと同様、パックスタートコード、SCRといったMPEG準
拠のデータが記述されており、「パケットヘッダ」に
は、ストリームID、パケット長、STDバッファスケール
サイズ、PTS、DTSというMPEG準拠のデータが記述されて
いる。音声パックのSCR及びPTSは、動画パックの復号、
副映像パックの復号との同期調整に用いられる。具体的
にはディスク再生装置側のオーディオデコーダはSCRに
基づいて基準クロックの時刻合わせを行い、データフィ
ールド内のオーディオデータを復号して基準クロックが
PTSに記載してある時刻を計時するのを待つ。オーディ
オデータの復号処理は、動画データ、副映像データのそ
れと比べて軽負荷であるから、オーディオデータの出力
待ち時間は動画データ、副映像データのそれと比べて多
分に長くなる。当該時刻を計時すると当該復号結果をス
ピーカ側に出力する。このようなPTSの記載内容に基づ
く出力待ちによりオーディオデコーダは動画出力、副映
像出力との同期誤差を解消する。
【0049】音声パックA〜Cのそれぞれはデータフィー
ルド内のサブストリームIDの設定が異なる。図中の『サ
ブストリームID』の解説箇所に示すように、音声パック
A,BはサブストリームIDの上位5ビット長が『1010 0』
に設定されており、音声パックCはサブストリームIDの
上位5ビット長が『1000 0』が設定されている。これは
オーディオパックA,BがリニアPCM方式であり、音声
パックCはDolbyAC-3方式であることを識別するためであ
る。リニアPCM方式とDolbyAC-3方式との大きな違い
は、リニアPCM方式がLR成分を有するのに対して、Do
lbyAC-3方式がLR成分、サラウンド成分を有する点であ
る。
【0050】サブストリームIDの下位3bitはリニアPC
M方式、DolbyAC-3方式のそれぞれにチャネル番号を与
えるために設けられている。音声(エレメンタリ)スト
リームのチャネル別の音声データ成分を、特に音声サブ
ストリームと称する。すなわち、本例であれば、3本の
音声サブストリームを持つ音声(エレメンタリ)ストリ
ームということになる。ビデオオブジェクト(VOB)
には最大、8本の音声サブストリームを持たせることが
可能であり、サブストリームIDには各音声サブストリ
ームの識別コードとして0〜7の識別コードが付与され
ることになる。図5の一例では、リニアPCM方式で2
チャネルを使用し、DolbyAC-3方式において1チャネル
を使用している。
【0051】「データフィールド」には、リニアPCM
方式或はDolbyAC-3方式のデジタル音声が記録される。
映画のワンシーンの3チャネルの吹き替え音声と、オー
ディオパックのデータフィールドとの関係を図6を参照
しながら説明する。動画パックと同様、図6の音声素材
からVOBのオーディオパックへと伸びる矢印は、3チャ
ネルのオーディオデータが上記2方式で符号化され、0.
5秒単位に各オーディオパックのデータフィールドに記
録されることを示している。即ち上記ワンシーンの先頭
から0.5秒までのAチャネルの吹き替え音声は、VOBユニ
ット1内ののオーディオパックA-1のデータフィールド
に記録され、0.5秒から1.0秒までの吹き替え音声はVOB
ユニット2内ののオーディオパックA-2のデータフィー
ルドに記録される。図示はしないが、先頭より1.0秒か
ら1.5秒までの音声は次のVOBユニット内のオーディオパ
ックA-3のデータフィールドに記録される。尚、前述し
たように、音声の動画に対する同期タイミングはPTS
により取られているため、VOBユニットに含まれる動
画データに完全に一致した音声データが同じVOBユニ
ットに含まれる必要はなく、実際には前のVOBユニッ
トに格納されたりもする。)同様にワンシーンの先頭か
ら0.5秒までのBチャネルの吹き替え音声は、オーディ
オパックB-1のデータフィールドに記録され、0.5秒から
1.0秒までの吹き替え音声はオーディオパックB-2のデー
タフィールドに記録される。そして図示はしないが、先
頭より1.5秒から2.0秒分までの音声はオーディオパック
B-3のデータフィールドに記録される。
【0052】ワンシーンの先頭から0.5秒までのCチャ
ネルの吹き替え音声は、オーディオパックC-1のデータ
フィールドに記録され、0.5秒から1.0秒までの吹き替え
音声はオーディオパックC-2のデータフィールドに記録
される。図示はしないが、1.5秒から2.0秒分までの音声
はオーディオパックC-3のデータフィールドに記録され
る。
【0053】オーディオパックA〜Cのそれぞれのデータ
フィールドに分散記録される3チャネルのデータを以降
オーディオデータA、オーディオデータB、オーディオデ
ータCと呼ぶ。例えばオーディオデータAに英語の吹き
替え音声を設定し、オーディオデータBにフランス語の
吹き替え音声を設定し、オーディオデータCで日本語の
吹き替え音声を設定することにより、操作者にこれらを
切り替えさせることもできる。
【0054】(1.1.1.1.3)ビデオオブジェクト(VO
B)−副映像パック 図9は、副映像パックのデータ構造を示している。図9
と図8とを比較すれば判るように、副映像パックのデー
タ構造は基本的にはオーディオパックのデータ構造と同
様である。即ち、「パックヘッダ」、「パケットヘッ
ダ」「データフィールド」からなり、データフィールド
の先頭8ビット長にサブストリームIDが設けられてい
る。
【0055】「パックヘッダ」はオーディオパックと同
様、パックスタートコード、SCRといったMPEG準拠のデ
ータが記述されており、「パケットヘッダ」には、スト
リームID、パケット長、STDバッファスケールサイズ、P
TS、DTSというMPEG準拠のデータが記述されている。副
映像パックのSCR及びPTSは、動画パックの復号、オーデ
ィオパックの復号との同期調整に用いられる。具体的に
はディスク再生装置側の副映像デコーダはSCRに基づい
て基準クロックの時刻合わせを行い、データフィールド
内の副映像データを復号して基準クロックがPTSに記載
してある時刻を計時するのを待つ。このような時間待ち
を行うのは、ランレングス復号と、フレーム内復号・フ
ィールド内復号の他に動き補償予測も伴う動画データの
復号処理と、音声データの復号とではその処理負荷が大
きく異なるからである。尚且つ動画データの復号が各GO
Pにおいて必須であるのに対して、その字幕の復号は数
秒置きでも良いからである。SCRの時刻を計時すると副
映像デコーダは当該復号結果をディスプレィ側に出力す
る。このようなPTSの記載内容に基づく出力待ちにより
副映像データデコーダは動画出力、オーディオデータ出
力との同期誤差を解消する。
【0056】副映像パックの「パケットヘッダ」のスト
リームIDはオーディオパックと同様にプライベートスト
リームを示す『1011 1101』に設定されているが、デー
タフィールド内のサブストリームIDの設定が異なる。即
ち、副映像パックA,BはサブストリームIDの上位3ビッ
トが『001』に設定されている(図中のハッチング箇所
参照)。
【0057】サブストリームIDの下位5bitは、副映像パ
ックにチャネル番号を与えるために設けられている。本
例であれば、2本の副映像エレメンタリストリームが識
別されることになる。尚、動画用エレメンタリストリー
ム以外の音声や副映像のエレメンタリストリームは、サ
ブストリームと総称される。ビデオオブジェクト(VO
B)には最大、32本の副映像サブストリームを持たせ
ることが可能であり、サブストリームIDには各副映像
サブストリームの識別コードとして0〜31の識別コー
ドが付与されることになる。
【0058】「データフィールド」には、ランレングス
符号により圧縮されたイメージデータとこれを描画する
ための表示制御情報が記録される。ここに記録されたイ
メージデータにより副映像が画面上に描画される。ま
た、表示制御情報により、描画された副映像はスクロー
ルアップ/スクロールダウンやカラーパレット変換、コ
ントラスト変換が可能であり、同一VOBユニット及び
それ以降のVOBユニットの動画パックで描画された動
画にスーパーインポーズされる。
【0059】図6の例ではVOBユニットにおける副映
像パックA,Bが存在するので、2チャネルの字幕スーパ
ーを、各VOBユニットにおける副映像パックA,Bのデ
ータフィールドに分散して記録することができる。例え
ば副映像データAで英語の字幕を表示し、副映像データ
Bでフランス語の字幕を表示することにより、操作者に
これらを切り替えさせることもできる。
【0060】更に副映像データは、メニューを描画する
ことにも利用される。『推理ゲーム』におけるメニュー
の例を図11に示す。『階段』『キッチン』『廊
下』〜『何処も調べない』はユーザにより選択可能な
メニュー項目でありアイテムと称される。メニューのア
イテムとして副映像が利用される場合の詳細については
後述する。
【0061】(1.1.1.1.4)ビデオオブジェクト(VO
B)−管理情報パック 管理情報パックはVOBユニットの先頭に必ず1つ配置
され、VOBユニットの再生が行われる間、有効な管理
情報が格納される。図10は、管理情報パックのデータ
構造を示している。動画パック、オーディオパック、副
映像パックが1パケットで構成されるのに対して、管理
パックは2パケットで構成される。2パケットのうち、
1つをPCIパケット(Presentation Control Informati
on Packet)、1つをDSIパケット(Data Search Inform
ation)と称する。データ構造は動画パック、オーディ
オパックのデータ構造とは若干異なり、「パックヘッ
ダ」、「システムヘッダ」「PCIパケットのパケット
ヘッダ」「PCIパケットのデータフィールド」「DS
Iパケットのパケットヘッダ」、「DSIパケットのデ
ータフィールド」からなる。「システムヘッダ」は、こ
の管理情報パックを先頭に持つVOBユニット全体の管
理情報が、MPEGに準拠して格納される。全体に必要
とされる転送レートや動画ストリーム、音声ストリー
ム、副映像ストリーム毎に必要とされる転送レートやバ
ッファサイズの指定が格納される。
【0062】管理情報パックの2個の「パケットヘッ
ダ」のストリームIDは図中の斜線部に示すように『1011
1111』に、プライベートストリーム2を示す識別コー
ドが設定されている。 (1.1.1.1.4.1)管理情報パック−DSIパケット DSIパケットの構造を図12に示す。同図に示すようにD
SIは『トリックプレイ情報』で構成される。
【0063】『トリックプレイ情報』は、早送り再生や
巻き戻し再生などの飛び先情報などを含んでいる。 (1.1.1.1.4.2)管理情報パック−PCIパケット PCIの内部構造を図13に示す。同図に示すようにPCIパ
ケットは、『PCI一般情報』、『ハイライト情報』で構
成される。『PCI一般情報』は、所属するVOBユニッ
トの再生開始時間や終了時間が指定される。
【0064】(1.1.1.1.4.2.1)PCIパケット-ハイライ
ト情報 『ハイライト情報』は、ユーザからの指示を受け付ける
ためのメニューにおけるメニュー項目のための制御情報
である。参照符号h2に示すように、ハイライト情報
は、さらに、ハイライト一般情報、アイテム色情報、ア
イテム情報#1,#2,#3,#4,#5・・・#36からなる。アイテム情
報#1,#2,#3,#4,#5・・・#36は、その管理情報パックが読み
出されたタイミングで表示されたそれぞれのアイテムに
ついて与えられる。例えば図11の例であれば、
“(1)階段”、“(2)キッチン”、〜、“(8)何
処も調べない”の8つのメニュー項目がそれぞれアイテ
ムであり、この場合、アイテム情報#1からアイテム情
報#8までにエントリーされることになる。尚、この領
域は固定長であり、使用されないアイテムのためのアイ
テム情報には有効な情報は格納されない。アイテム情報
は最大36個まで設定でき、すなわち、最大36個のメ
ニュー項目を1画面内に表示することができる。
【0065】以下、ハイライト情報の構成情報の詳細を
説明するが、その前に、説明の都合上、この再生装置で
採用されているメニューの概要について説明する。ま
ず、メニュー項目であるアイテムには標準状態と選択状
態と確定状態があり、これはユーザのメニュー項目の選
択や確定動作により切り替わる。図11を例に補足する
と、このメニューが表示された際、デフォルトの動作と
して、ディスク再生装置はアイテム#1を選択状態で表
示し、残りは通常状態で表示する。すべてのアイテムの
標準状態が白色、選択状態が青色、確定状態が赤色であ
れば、アイテム#1に相当するメニュー項目のみが青色
で表示されることになる。これにより、ユーザは現在、
どのメニュー項目が選択状態にあり(このメニュ−項目
を、カーソルで指示されているメニュ−項目ともい
う。)、実行待ちにあるのかを確認することができる。
ユーザは選択状態にあるメニュー項目を変更したけれ
ば、ディスク再生装置のリモコンの上下左右キーの何れ
かを押下し、選択項目の変更を指示することができる。
後述するが、ディスク再生装置は上下左右キーが押され
た時に変更すべきアイテム番号を各アイテム毎に管理し
ており、これに従い、アイテム#1を通常状態の色、す
なわち、白色に戻し、変更先のアイテムを選択状態の青
色に変更する。ユーザは所望のメニュー項目が選択状態
にある時は、リモコンの確定キーを押下しうることによ
り、選択状態にあるアイテムを確定することができる。
選択状態から確定状態に移行したアイテムは、青色から
赤色に変化し確定され、確定状態に定められたコマンド
を実行することになる。図11の例であれば、メニュー
項目に従い再生制御を行うことになる。
【0066】これでメニューの概要の説明を終わり、ハ
イライト情報の説明を継続する。 (1.1.1.1.4.2.1.1)ハイライト情報−ハイライト一般
情報 ハイライト一般情報は図13の参照符号h4で指示する
縦の並びのように『前VOBユニットからの変更有フラ
グ』、『ハイライト情報有効区間開始位置』、及び『ハ
イライト情報有効区間終了位置』から構成される。
【0067】『前VOBユニットからの変更有フラグ』
は、2ビット長のフィールドを有する。本フィールドに
『00』が記述されていると、この『前VOBユニットか
らの変更有フラグ』を含んでいるハイライト情報には、
有効なアイテム色情報、アイテム情報が含まれていない
旨を表す。本フィールドに『01』が記述されていると、
この『前VOBユニットからの変更有フラグ』を含んで
いるハイライト情報はこのパックから有効になることを
表す。有効となったハイライト情報はディスク再生装置
内のハイライト情報バッファ(ハイライト情報を格納す
るバッファのことであり後述する。)に書き込まれるこ
とになる。『10』が記述されていると、前VOBユニッ
トのハイライト情報が、このVOBユニットでも継続し
て有効である旨を表す。この場合、ハイライト情報バッ
ファの上書きは行われない。『11』が記述されている
と、前のVOBユニットからハイライト情報内のハイラ
イトコマンドのみが変更された事を示す。この場合、デ
ィスク再生装置にハイライトコマンドのみをバッファに
書き込む旨を指示する。
【0068】すなわち、この『前VOBユニットからの
変更有フラグ』によりディスク再生装置は、メニュー項
目の設定情報が変更されたか否かをチェックすることが
でき、VOBユニット単位でハイライト情報を更新でき
ることに加えて、変更が不要な場合を検出でき、煩雑な
更新処理がVOBユニット毎に発生することを回避する
ことができる。
【0069】また、『ハイライト情報有効区間開始位
置』『ハイライト情報有効区間終了位置』はハイライト
情報の有効区間を示す。 (1.1.1.1.4.2.1.2)ハイライト情報−アイテム色情報 『アイテム色情報』は、図14の参照符号b6に示すよう
にアイテムのためのセレクト色−確定色を示す情報であ
る。セレクト色とは、ユーザにより選択されたアイテム
に与えられる色であり、確定色とは、ユーザによって確
定操作がなされたアイテムに与えられる色をいう。セレ
クト色−確定色の個々の組み合わせは、3パターン有
り、各色の指定は色指定、及び、背景色に対する混合比
からなる。
【0070】(1.1.1.1.4.2.1.3)ハイライト情報−ア
イテム情報 『アイテム情報#1,#2,#3,#4,#5・・・・・・#36』は、参照符
号b3に示すように『色パターン番号』、『開始座標X
1』,『開始座標Y1』,『終了座標X2』,『終了座標Y2』、
『周辺位置情報』、『ハイライトコマンドフィールド』
から構成される。
【0071】『色パターン番号』は、『アイテム色情
報』に含まれる選択色−確定色の色パターンの何れか一
つを指定する。『開始座標X1』,『開始座標Y1』,『終了
座標X2』,『終了座標Y2』は、ユーザがアイテムを選択
または確定した場合、どの範囲を『色パターン番号』で
指示された色及び混合比に変換するかを示す。『周辺位
置情報』は、『上キー押下時の移動先アイテム番号』
『下キー押下時の移動先アイテム番号』『右キー押下時
の移動先アイテム番号』『左キー押下時の移動先アイテ
ム番号』からなり、再生装置への指示装置、例えばリモ
コンの上下左右キー押下時の移動先アイテムを示す。例
えば図11に示したように、のアイテ
ムが画面上に上下二段に渡って表示される場合({例
1}参照)、のアイテムの『周辺位置情報』及びの
アイテムの『周辺位置情報』は以下の{ケース1}{ケ
ース2}のように記述する。
【0072】{例1} 階段 キッチン 廊下 応接間 洗面所 書斎 寝室 何処も調べ
ない {ケース1}のアイテムの『周辺位置情報』 上キー押下時の移動先アイテム 下キー押下時の移動先アイテム 右キー押下時の移動先アイテム 左キー押下時の移動先アイテム {ケース2}のアイテムの『周辺位置情報』 上キー押下時の移動先アイテム 下キー押下時の移動先アイテム 右キー押下時の移動先アイテム 左キー押下時の移動先アイテム {ケース1}について解説する。アイテムが選択状態
にある場合に操作者によって右キーが押下されると、選
択状態をアイテムに移動させる必要がある。そのため
『右キー押下時の移動先アイテム』に『』のアイテム
情報の識別番号を記述している。
【0073】逆に左キー押下時には、カーソルをに移
動させる必要がある。そのため『左キー押下時のカーソ
ル移動先』に『』のアイテム情報の識別番号を記述し
ている。上下キー押下時には、カーソルをに移動させ
ればよい。そのため『下キー押下時の移動先アイテム』
に『』のアイテム情報の識別番号を記述する。
【0074】『ハイライトコマンドフィールド』は各ア
イテム情報に対応づけられたコマンドフィールドであ
り、本フィールドに記述されたコマンドは、そのアイテ
ムの確定操作がなされて初めてディスク再生装置によっ
て実行される。本ハイライトコマンドに記述されるコマ
ンドは、機能的に設定系コマンド(1)と、分岐系コマン
ド(2)とに大別される。ここでは設定系コマンド(1)につ
いて説明し、分岐系コマンド(2)については後述する。
設定系コマンドとは、ディスク再生装置内の汎用レジス
タに値を代入し、尚且つ汎用レジスタに代入された値と
即値とを用いての演算を命じるコマンドである。
【0075】汎用レジスタとは、シーンに対して操作者
の行動及び操作者の解答を一時的に格納しておくレジス
タをいい、『推理ゲーム』の場合、関係者の質問のシー
ン、家宅捜索のシーン等において操作者が行った行動を
一時的に記憶するのに汎用レジスタが使用される。『世
界一周ゲーム』の場合は、あるシーンにおける操作者の
解答を一時的に記憶するのに汎用レジスタが使用され
る。
【0076】設定系コマンドの種別を図15に示す。設
定系コマンドには『SetReg 』、『Random』といった種
別が存在する。1行目のレジスタ操作コマンド『SetRe
g』は、レジスタ番号フィールド、操作内容フィール
ド、増分(即値)フィールドが与えられている。レジス
タ番号フィールドには、本実施例における汎用レジスタ
R1〜R3の何れかを指定することが可能である。操作内容
フィールドには、代入/加算/乗算/減算/剰余算/AN
D演算/OR演算/XOR演算の何れかを指定することが可能
である。操作内容フィールドに『代入』を指定して、増
分フィールドに数値を設定すると、汎用レジスタの格納
内容がその数値で上書きされる。操作内容フィールドに
『加算』を指定して、増分フィールドに数値を設定する
と、汎用レジスタの格納内容がその数値だけ加算され
る。操作内容フィールドに『減算』を指定して、増分フ
ィールドに数値を設定すると、汎用レジスタの格納内容
がその数値だけ減算される。
【0077】2行目の乱数発生コマンド『Random』は、
レジスタ番号フィールド、即値フィールドが与えられて
おり、整数値1から即値フィールドで指定された数値ま
での整数乱数を発生し、これをレジスタ番号フィールド
に指定された汎用レジスタに代入する。図11のメニュ
−における『階段』『キッチン』『廊下』『応
接間』〜『何処も調べない』といった8つのアイテム
のアイテム情報のハイライトコマンドフィールドに以下
の{ケース3}のようにレジスタ操作コマンド『SetRe
g』を記述したとする。 {ケース3} 階段 レジスタ操作コマンド『SetReg R1,1』 キッチン レジスタ操作コマンド『SetReg R1,2』 廊下 レジスタ操作コマンド『SetReg R1,3』 応接間 レジスタ操作コマンド『SetReg R1,4』 洗面所 レジスタ操作コマンド『SetReg R1,5』 書斎 レジスタ操作コマンド『SetReg R1,6』 寝室 レジスタ操作コマンド『SetReg R1,7』 何処も調べない レジスタ操作コマンド『SetReg R1,8』 このように8つのアイテム情報のそれぞれにハイライト
コマンドに汎用レジスタに相異なる数値を代入するレジ
スタ操作コマンド『SetReg』を記述しておくと、図11
のメニュ−に対して操作者がどのような行動をとったか
をディスク再生装置が一時的に記憶しておくことができ
る。動画データ、副映像データ、音声データに加えて、
管理情報データを含むビデオオブジェクト(VOB)は、
管理情報データのハイライト情報により、操作者の確定
操作に応じて汎用レジスタの格納値を加減算することが
できる。
【0078】また、VOBユニット毎に管理情報データを
設けることにより、ディスク再生装置は、約0.5秒単位
の時間精度で、操作者の指示を受け付けて実行すべき内
容を切り替えることができる。この理由を補足して述べ
ると、ビデオオブジェクト(VOB)を構成する各パック
は、いずれも2KBであり、ディスクのセクタサイズに
合致するため、ビデオオブジェクトはディスクの連続セ
クタ領域にすきまなく格納されることになる。連続セク
タ領域に格納されたデータは、ディスク再生装置によ
り、シーク等の待時間なしに連続的に取り出されること
が可能である。このため、ディスク再生装置は約0.5秒
単位毎に、映像情報再生を途切れさす事なく、管理情報
を取り出し、これに基づく制御が可能になるからであ
る。
【0079】以上、管理情報パックに格納されるナビゲ
ーション用制御データによる、約0.5秒単位の時間精度
で行われる、ディスクの再生進行に対する制御をGOP
レベルの再生制御という。以上で図5におけるビデオタ
イトルセットのビデオオブジェクト(VOB)の説明を終
わり、次に同ビデオタイトルセットのビデオタイトルセ
ット管理情報の構成について説明する。
【0080】(1.1.1.2)ビデオタイトルセット−ビデ
オタイトルセット管理情報 ビデオタイトルセット管理情報は、上述したビデオオブ
ジェクト群の複数の再生順序を管理する情報が格納され
る。DVDではビデオオブジェクト群の再生順序を指定
するデータをプログラムチェーン(PGC)と称する。す
なわち、本例の『推理ゲーム』を格納するビデオタイト
ルセットであれば、ビデオタイトルセット管理情報は、
初級、中級、上級の各コースが選択された場合にどうい
うようにシーン展開すべきかを規定するプログラムチェ
ーン(PGC)が複数格納されることになる。
【0081】図16はビデオタイトルセット管理情報の
内部構造を示す図である。図16の参照符号a5が示す
ように、ビデオタイトルセット管理情報は、ビデオタイ
トルセット管理テーブル、ビデオタイトルセット部タイ
トルサーチポインタテーブル、PGC管理情報テーブルか
ら構成される。『ビデオタイトルセット管理テーブル』
は、ビデオタイトルセット管理情報のヘッダ情報であ
り、ビデオタイトルセット部タイトルサーチポインタテ
ーブル、PGC管理情報テーブルの格納位置へのポインタ
が格納されている。
【0082】『ビデオタイトルセット部タイトルサーチ
ポインタテーブル』は、PGC管理情報テーブルに格納さ
れる複数のプログラムチェーン群のインデックスであ
り、タイトル毎に第一に実行されるプログラムチェーン
の格納位置へのポインタを指定する。本例であれば、
『推理ゲーム』における初級、中級、上級の各コース
と、エントリとなるPGC情報とを対応づけて格納してい
る。
【0083】『PGC管理情報テーブル』は、参照符号a
6に示すように、ビデオタイトルセットに格納される全
てのビデオオブジェクトに対する複数のPGC情報#1,#2,#
3,#4・・・・・#nを格納している。各PGC情報は1つ以上のビ
デオオブジェクトの再生順序を記述しており、異なるPG
C情報により同一のビデオオブジェクトの再生を記述す
ることも可能である。このため、同一のビデオオブジェ
クトに対して複数の再生順序を指定することが可能にな
る。例えば、図5のビデオタイトルセットを例に説明す
れば、PGC情報にビデオオブジェクトの再生順序がVOB#
1、VOB#2、VOB#3、VOB#4の順序で記述されていれ
ば、ビデオオブジェクトはVOB#1、VOB#2、VOB#3、VO
B#4の順序で再生される。また別のPGC情報にビデオオ
ブジェクトの再生順序がVOB#3、VOB#2、VOB#1、VOB#
4の順序で記述されていれば、ビデオオブジェクトはVO
B#3、VOB#2、VOB#1、VOB#4の順序で再生される。本
例の『推理ゲーム』では、異なるPGCを用意することに
よりビデオオブジェクトに複数の再生順序を指定できる
特徴を利用し、異なるストーリ展開を、ストーリ毎に異
なるPGCを用意することにより実現している。
【0084】次に、PGC情報のデータ構造について以下
説明する。 (1.1.1.2.1)ビデオタイトルセット管理情報−PGC情報 参照符号a6に示すようにPGC情報は、参照符号a9に示す
『PGC連結情報』と、参照符号a7に示す『VOB位置情報テ
ーブル』と、参照符号a8に示す『PGCコマンドテーブ
ル』とを含んでいる。
【0085】『PGC連結情報』には、自身のPGC情報と連
結する前後のPGC情報の指定情報を格納している。ディ
スク再生装置は1つのPGC情報による再生が完了すれ
ば、『PGC連結情報』に従って、次のPGC情報を決定し、
決定したPGC情報に切り替え、再生制御を継続すること
になる。『VOB位置情報テーブル』には、シーン展開に
おいて読み出すべきビデオオブジェクト(VOB)が光デ
ィスク上の何処に記録しているかが記述してある。
【0086】『PGCコマンドテーブル』には、『VOB位置
情報テーブル』に付随したナビゲーション制御用のコマ
ンドが格納されている。ディスク再生装置は、『VOB位
置情報テーブル』に基づくVOBの読み出し前及び読み出
し後にここに記述されたコマンドを実行する。以下『格
納ビデオオブジェクト位置情報テーブル』と『PGCコマ
ンドテーブル』のデータ構造についてさらに詳細を説明
する。
【0087】(1.1.1.2.1.1)PGC情報−VOB位置情報テ
ーブル 図17は『VOB位置情報テーブル』及びPGCコマンドテー
ブルの詳細な内部構成を示している。参照符号a7で示す
ように、『VOB位置情報テーブル』には、再生すべき複
数のビデオオブジェクトの位置情報が格納されている。
各VOBの位置情報は、参照符号a9が示すように対象とす
るVOBの再生時間、ビデオタイトルセット内の格納位置
へのオフセット、VOBを構成する論理ブロック数を示し
ている。これにより、ディスク再生装置はビデオオブジ
ェクト(VOB)の読出時に、ビデオオブジェクト(VOB)
が格納されている全ての論理ブロックの論理ブロック番
号を算出することができる。
【0088】また、VOB位置情報のテーブル内のエン
トリー順位は再生順序をしめしている。図17の場合、
VOB#2位置情報、VOB#4位置情報、VOB#6位置情報、VOB#8
位置情報が順に格納されており、これは、この格納順序
で連続再生されることを示している。図17を例とした
『VOB位置情報テーブル』とビデオオブジェクトの記録
箇所との関係を、図18、図20を用いてさらに補足し
て説明する。
【0089】図18は『VOB位置情報テーブル』とビデ
オオブジェクトの光ディスク上の記録箇所との関係を模
式的に示す図である。また、図20は『VOB位置情報テ
ーブル』によるビデオオブジェクト(VOB)の再生順序
を示す説明図である。図18においてVOB#2、VOB#4、
VOB#6、VOB#8はハッチングに示されている記録区間y
101、y102、y103、y104に格納されてい
る。これらの記録区間の開始位置『START』、終了位置
『END』を指示する情報が『VOB位置情報』である。ディ
スク再生装置の光ピックアップは『VOB位置情報』に記
載された範囲内のデータのみを読み出し、範囲外のデー
タ読み出しをスキップする。このようなデータ読み出し
により、記録区間y101、記録区間y102、記録区間y10
3、記録区間y104の順にビデオオブジェクト(VOB)は
順次再生されてゆく。尚、図20には、図16に示した
再生装置の挙動により、ビデオタイトルセットに収録さ
れたビデオオブジェクト(VOB)のうち、『VOB#2、VOB
#4、VOB#6、VOB#8』が順序再生されてゆく説明図を
示す。
【0090】(1.1.1.2.1.2)PGC情報−PGCコマンドテ
ーブル 図17により示されるように『PGCコマンドテーブル』
は、複数のコマンド群と、これらのコマンド群を『前処
理コマンド』、『後処理コマンド』の2種類に分類する
ためのインデックス情報から構成される。コマンドは種
類別に連続して格納されており、インデックス情報は、
それぞれ前処理コマンド群a11の先頭へのポインタ、後
処理コマンド群a12への先頭へのポインタである。
【0091】コマンドの分類は、再生装置によるその実
行タイミングにより行われる。『前処理コマンド』はPG
Cに属する全てのビデオオブジェクト群の再生が行われ
る前に連続実行されるコマンド群であり、『後処理コマ
ンド』はPGCに属する全てのビデオオブジェクト群の再
生が完了した時に連続実行されるコマンド群である。
尚、具体的な例を図21に示す。図21は図20が示す
PCG情報によるビデオオブジェクトの連続再生が行われ
る際の、前処理コマンド群a11と後処理コマンド群a12の
実行タイミングを示している。
【0092】前処理コマンドと後処理コマンドにはハイ
ライトコマンドの説明の際に図15を参照して説明した
設定系コマンドを設定できる。例えば、前処理コマンド
群a11として、即値『1』『2』『3』と、レジスタR1,R2,
R3とをオペランドに記載したレジスタ操作コマンド『Se
tReg R1,1』、レジスタ操作コマンド『SetReg R2,2』、
レジスタ操作コマンド『SetReg R3,3』を前処理コマン
ドフィールドに記述しておくと、PGCによるビデオオブ
ジェクトの再生が行われる前のタイミングで、汎用レジ
スタR1,R2,R3にそれぞれ相異なる初期値『1』『2』
『3』を設定することをディスク再生装置に指示するこ
とができる。
【0093】また、前処理コマンドとして、即値4及び
汎用レジスタR1をオペランドに記載した乱数発生コマン
ド『Random R1,4』を記述しておくと、同様に PGCによ
るビデオオブジェクトの再生が行われる前のタイミング
で、1から4までの範囲の整数乱数を発生させて汎用レ
ジスタR1に代入させることをディスク再生装置に指示す
ることができる。
【0094】以上、設定系コマンドが前処理コマンドと
して利用される例を説明したが、後処理コマンドとして
の設定も可能である。但しこの場合、PGC情報による全
てのビデオオブジェクトの再生が完了した時点で実行さ
れる点が異なる。尚、設定系コマンドの本例の『推理ゲ
ーム』での具体的な利用例としては、ユーザがどの映像
シーンをすでに見たかを管理するためのフラグとして利
用される。例えば、ストーリの展開上、必ず訪れる必要
があるシーンがあったとして、このシーンを再生するPG
Cの前処理コマンドに、フラグのために割り当てられた
レジスタに値をセットする設定系コマンドを格納してお
く。これにより、そのシーンを再生すれば、必ずフラグ
用に割り当てたレジスタに値が格納されるため、ユーザ
がこのシーンを再生したか否かが判別可能になる。
【0095】後処理コマンドには、前述した設定系コマ
ンドに加えて、異なるPGCへの分岐を指定する分岐系コ
マンドが格納される場合が多い。これは、後処理コマン
ドに分岐系コマンドを格納することにより、PGC連結情
報により指定されるデフォルトの次PGC以外へ、分岐を
行わせることが可能になるからである。以下、分岐系コ
マンドについて図19を参照し説明する。
【0096】図19において、1行目の『Link』コマン
ドは、オペランドに指定されたPGC番号のプログラムチ
ェーンに再生進行を分岐させるコマンドである。すなわ
ち、この『Link』コマンドが実行されれば、ディスク再
生装置は、現在保持しているPGC情報によるビデオオブ
ジェクトの再生を強制終了し、PGC情報を『Link』コマ
ンドにより指定されるPGC情報に変更し、変更したPGC情
報に従って再生進行を継続することになる。このコマン
ドは、主に、前述したハイライトコマンドで利用され、
ユーザがメニューのメニュー項目の選択確定により再生
進行の分岐を実行させるために利用される。
【0097】尚、ハイライトコマンド等で分岐系コマン
ドが実行され、再生に用いられるPGC情報が切り替わる
場合、取り決めとして、前述した後処理コマンドは実行
されない。これはPGC情報による再生を完了しておら
ず、全てのビデオオブジェクトの再生を完了していない
からである。また図19の2行目の『SetRegLink』コマ
ンドは、分岐コマンド『Link』、レジスタ操作コマンド
『SetReg 』を組み合わせたコマンドである。即ちレジ
スタ操作コマンド『SetReg』のように、レジスタの内容
に対して代入/加算/減算などの操作を行ない、分岐コ
マンド『Link #n』のように指定されたプログラムチェ
ーンへ分岐する。
【0098】このコマンドも主にハイライトコマンドと
して利用され、例えば、『推理ゲーム』であれば、探偵
に眼鏡を手にとるか、ペンを手に取るかをユーザに選択
させるメニュー項目を表示させ、選択したメニュー項目
に応じて、前述したようなユーザの行動をフラグとして
管理するレジスタに値を設定し、さらに、選択したメニ
ュー項目が対応する映像シーンへの分岐を実行させるこ
とができる。
【0099】図19において、3行目の『CmpRegLink』
コマンドは、『Link』コマンドに条件を課した分岐コマ
ンドでありレジスタ番号フィールド、即値フィールド
(整数値フィールド)、分岐条件フィールド、分岐先フ
ィールドといった三つのオペランドを有する。ここでレ
ジスタ番号フィールドにおいて汎用レジスタを指定で
き、即値フィールドにおいてレジスタ番号フィールドで
指示された汎用レジスタの格納値と比較すべき値を指定
できる。分岐条件フィールドには、『=』(Equal)
『≠』(Not Equal)『<』(Less Than)『>』(Grea
ter Than)『≦』(Less Than or Equal to)『≧』(G
reater Than or Equal to)といった6通りの条件が設
定でき、レジスタ番号フィールドに記述された汎用レジ
スタの保持する値と、即値フィールドの値とがこれらの
条件に合致するかをディスク再生装置に判定させる。分
岐条件に合致すれば、指定されるPGC情報に切り替え、
切り替えたPGC情報により再生進行を継続する。
【0100】このコマンドは、後処理コマンドとして利
用することにより、PGC連結情報により定められるデフ
ォルトの次PGC情報以外のPGC情報に切り替えることが可
能になる。すなわち本例の『推理ゲーム』を例にとる
と、ユーザがあるシーンを見たか否かの判別フラグがあ
るレジスタに格納されているとして、このフラグによ
り、見てなければデフォルトの進行先のPGC#A、見てい
れば、PGC#Bへ分岐進行させることが可能になる。この
ようなフラグの組み合わせにより、ストーリ展開を変更
することが可能になる。
【0101】また図19の4行目の『PlayTitle』コマ
ンドは、タイトル番号フィールドを有する。タイトル番
号は全てのタイトルの識別番号である。即ち、『PlayTi
tle』コマンドは、タイトル番号により特定されるタイ
トルの再生開始をディスク再生装置に指示するコマンド
である。主に、ユーザが複数のタイトルから再生するタ
イトルを選択するためのタイトルメニューで利用される
コマンドである。
【0102】以上、ディスク再生装置がPGC情報の前処
理コマンドを実行することを『プログラムチェーンが前
処理を行う。』と表現し、ディスク再生装置が後処理コ
マンドを実行することを『プログラムチェーンが後処理
を行う。』と表現する。また、PCG情報による、後処理
コマンド、前処理コマンドを含むビデオオブジェクトの
再生制御は、経路レベルの再生制御という。
【0103】PGC情報のデータ構造は以上の通りである
が、このようなデータ構造で実現される経路レベルの再
生制御と管理情報パックによるGOPレベルの再生制御と
が組み合わせられることにより、ワンシーンにおいて副
映像によって描かれた何枚かのメニュ−に対する確定操
作に応じて分岐先を適宜切り換えることができる。図1
6,図17に示した複数のPGC情報のうちPGC情報#3は、
この特徴的な分岐先決定を実現するよう、後処理コマン
ド群a12及びアイテム情報が記述されている。図22にP
GC情報#3の記述内容を示し、これによる再生制御を第
1応用例として以下に説明する。
【0104】図22においてPGC情報#3の内部構造は図
17と同一であるが、前処理コマンド群a11、後処理コ
マンド群a12、VOB位置情報テーブルの記述内容が異な
る。図22においてVOB位置情報テーブルにはVOB#3の
記録箇所が記述されており、前処理コマンドは汎用レジ
スタR1に即値『0』を代入するレジスタ操作コマンド『S
etReg R1,"0"』が記述されている。後処理コマンド群a1
2には図19に示した分岐系コマンドを用いたプログラ
ムチェーンの多重分岐が記述されている。プログラムチ
ェーンの多重分岐とは、複数の条件に応じてそれぞれ相
異なるプログラムチェーンを分岐先として選択すること
である。
【0105】同図の後処理コマンド群a12における1行
目の『CmpRegLink R1,2,"=",PGC#5』の『R1,2,"="』
は、汎用レジスタR1の格納内容が数値『2』か否かの判
定を記述している。『PGC#5』は、『汎用レジスタR1=
2』の場合の分岐先をプログラムチェーン#5に設定して
いる。2行目の『CmpRegLink R1,0,"=",PGC#6』の『R1,
0,"="』は、汎用レジスタR1の格納内容が数値『0』か否
かの判定を記述している。『PGC#6』は、『汎用レジス
タR1=0』の場合の分岐先をプログラムチェーン#6に設定
している。
【0106】3行目の『Link PGC#7』は、分岐先をプロ
グラムチェーン#7に設定している。これらの3行のコ
マンドにより、『汎用レジスタR1の値が『2』の場合は
プログラムチェーン#5に分岐し、汎用レジスタR1の値
が『0』の場合は、プログラムチェーン#6に分岐し
て、汎用レジスタR1の値が『2』、『0』以外の場合は
プログラムチェーン#7に分岐する。』という再生制御
が実現される。
【0107】図23は、VOB#3に含まれる動画素材、副
映像パック、管理情報パックによって、どのような画像
がどのようなタイミングで画面上に表れるかを模式的に
示した図である。本図において上部に配されたVOB#3は
図6に示したVOBと同様の内部構造で表現されており、V
OBU197,198、VOBU100、VOBU101、VOBU10
2のVOBユニットからなる。VOBU99は動画パック19
7、動画パック198を含んでいる。VOBU100は動画
パック199、動画パック200を含んでいる。VOBU1
01は動画パック201、動画パック202を含んでい
る。動画パック197から破線の矢印で示された画像が
そのパックの再現画像v197である。同様に動画パッ
ク198、199、200・・・・もその再現画像を破線の
矢印先に示す。
【0108】再現画像v197、再現画像v198は、先
頭(VOBU1)から数えて99番目のVOBUにおける動画パ
ック197、198の再現画像を示している。再現画像
v199、再現画像v200は、先頭(VOBU1)から数え
て100番目のVOBUにおける動画パック199、200
の再現画像を示している。動画パック197の再現画像
は、動画パック197に格納されているIピクチュア、
Bピクチュア、Pピクチュアのうち、Iピクチュアを用
いて再現した画像(静止画)を示している。
【0109】同様に動画パック198の再現画像は、動
画パック198に格納されているIピクチュア、Bピク
チュア、Pピクチュアのうち、Iピクチュアを用いて再
現した画像(静止画)を示している。図中では、1つの
VOBUにおいて、再現画像は2枚しか示していないが、実
際には1つのVOBUにおける動画パックの再現画像は、I
ピクチュア、Pピクチュア、Bピクチュアを合成するこ
とによって、0.5秒分に該当する10枚〜15枚程度が
存在する点は留意すべきである。
【0110】101番目のVOBUの動画パック201の再
現画像は時間軸t11上に位置している。またこの時間軸t
11上には2つの四角形が並んでいる。これらの四角形の
うち、『SP A-101 副映像静止画』と解説書きが付され
ているものは、動画パック201と同一VOBUに配されて
いる副映像パックA-101によって描画されるメニュ−映
像を示す。
【0111】『管理情報パックP-101』と解説書きが
付されているのは、動画パック201と同一VOBUに配さ
れて、動画パック201の復号時にディスク再生装置の
バッファ上に展開される管理情報パックP-101を示し
ている。125番目のVOBUの動画パック250の再現画
像は時間軸t12上に位置している。またこの時間軸t12上
には2つの四角形が並んでいる。これらの四角形のう
ち、『SP A-125 副映像静止画』と解説書きが付されて
いるのは、動画パック250と同一VOBUに配されている
副映像データA-125によって描画されるメニュ−映像を
示す。
【0112】『管理情報パックP-125』と解説書きが
付されているのは、動画パック250と同一VOBUに配さ
れて、動画パック250の復号時にディスク再生装置の
バッファ上に展開される管理情報パックP-125を示し
ている。これらの副映像パックの他にもVOB内には多く
の副映像パックが存在し、それによって再現画像が描画
されるが、それらは字幕の描画を目的としており、ここ
で説明すべき再生制御とは直接の関係が希薄であるので
図示は省略している。
【0113】図24に101番目のVOBUの動画パック2
01、副映像パックA-101の再現状況と、この再現時
においてディスク再生装置のバッファ上で展開される管
理情報パックとを模式的に示す。図中右上の部分に動画
パックの再現画像と副映像パックの再現画像と重ね合わ
せた表示状態を示している。同図左側は副映像パック、
動画パックの復号が行われている間、ディスク再生装置
のバッファ上に展開された管理情報パックの内容のう
ち、ハイライト情報の内容を階層的に示している。再現
画像のYesアイテム、Noアイテムから破線矢印が伸び、
その先にそれぞれ、アイテム情報m101、アイテム情
報m102が存在する。これは、副映像パックA-101によ
って描画された副映像におけるYesアイテム、Noアイテ
ムのアイテム情報が、管理情報パックP-101内のアイ
テム情報m101、アイテム情報m102に対応すること
を示している。これらのアイテム情報は共に図14のデ
ータ構造を有している。
【0114】アイテム情報m101の『終了座標Y2』の下
に『Noアイテムへ』という解説書きが記述されているの
は、アイテム情報m101の図14にそのデータ構造を示し
た『周辺位置情報』の『左キー押下時の移動先アイテム
番号』『右キー押下時の移動先アイテム番号』の欄にNo
アイテムの識別子が記述されていることを意味する。図
24のアイテムは一段のみなので、図14にそのデータ
構造を示した『上キー押下時の移動先アイテム番号』
『下キー押下時の移動先アイテム番号』は未記述であ
る。
【0115】アイテム情報m102の『終了座標Y4』の下
に『Yesアイテムへ』という解説書きが記述されている
のは、アイテム情報m102の図14にそのデータ構造を示
した『周辺位置情報』の『左キー押下時の移動先アイテ
ム番号』『右キー押下時の移動先アイテム番号』の欄に
Yesアイテムの識別子が記述されていることを意味す
る。図24のアイテムは一段のみなので、『上キー押下
時の移動先アイテム番号』『下キー押下時の移動先アイ
テム番号』は未記述である。
【0116】アイテム情報m101において、『SetReg R1,
1,"+"』と記述されているのは、アイテム情報m101のハ
イライトコマンドフィールドに汎用レジスタR1の値を"
1"だけ加算する旨の設定系コマンドが記述されているこ
とを意味する。アイテム情報m102において、『SetReg R
1,-1,"+"』と記述されているのは、アイテム情報m102の
ハイライトコマンドフィールドに汎用レジスタR1の値
を"1"だけ減算する旨の設定系コマンドが記述されてい
ることを意味する以上のようにアイテム情報m101の『右
キー押下時のカーソル移動先』『左キー押下時のカーソ
ル移動先』には『No』アイテムが設定され、アイテム情
報m102の『右キー押下時のカーソル移動先』『左キ
ー押下時のカーソル移動先』は、『Yes』アイテムが設
定されている。これらの設定によりカーソルは、『Ye
s』『No』アイテム上を遷移する。副映像パックA-10
1のYesのアイテムがカーソルで指示されている状態で
確定操作がなされると、アイテム情報m101のハイライト
コマンドフィールドに記述されているコマンド『SetReg
R1,1,"+"』により、汎用レジスタの格納値が1加算さ
れる。『No』アイテムが指示されている状態で確定操作
がなされると、アイテム情報m102のハイライトコマ
ンドフィールドに記述されているコマンド『SetReg R1,
-1』により、汎用レジスタの格納値が1減算される。
【0117】図25は、125番目のVOBUの動画パック
250、副映像パックA-125の再現状況と、この再現
時においてディスク再生装置のバッファ上で展開される
管理情報パックの内容を模式的に示している。図中右上
の部分に動画パックの再現画像と副映像パックの再現画
像と重ね合わせた表示状態を示している。同図左側は同
一VOBU125における管理情報パックP-125のうち、
ハイライト情報の内容を階層的に示している。副映像パ
ックA-125のYesアイテム、Noアイテムから破線矢印が伸
び、その先にそれぞれ、アイテム情報m125、アイテ
ム情報m126が存在する。これは副映像におけるYesア
イテム、Noアイテムのアイテム情報が、管理情報パック
P-125内のアイテム情報m125、アイテム情報m12
6に対応することを示している。これらのアイテム情報
は共に図13のデータ構造を有している。アイテム情報
m125の『右キー押下時のカーソル移動先』『左キー
押下時のカーソル移動先』には『No』アイテムが設定さ
れ、アイテム情報m126の『右キー押下時のカーソル
移動先』『左キー押下時のカーソル移動先』は、『Ye
s』アイテムが設定されている。これらの設定によりカ
ーソルは、『Yes』『No』アイテム上を遷移する。
【0118】アイテム情報m125のハイライトコマン
ドフィールドにはレジスタ操作コマンド『SetReg R1,
1,"+"』が記述され、アイテム情報m126の『No』アイ
テムに対応するハイライトコマンドフィールドにレジス
タ操作コマンド『SetReg R1,-1,"+"』が記述されてい
る。同様に副映像パックA-125のYesのアイテムがカ
ーソルで指示されている状態で確定操作がなされると、
アイテム情報m125のハイライトコマンドフィールド
に記述されているコマンド『SetReg R1,1,"+"』によ
り、汎用レジスタの格納値が1加算される。『No』アイ
テムが指示されている状態で確定操作がなされると、ア
イテム情報m126のハイライトコマンドフィールドに
記述されているコマンド『SetReg R1,-1』により、汎用
レジスタの格納値が1減算される。
【0119】図26は、白抜きの矢印t21,t22,t23,t24
の向きに5つの再現画像v198,v201,v210,v220,v250を配
している。これらの再現画像には『video 198』『video
201』『video 210』『video 220』『video 250』とい
った解説書きが存在する。これはこれらの再現画像v19
8,v201,v210,v220,v250が図23に示した動画パック19
8、動画パック201、動画パック210、動画パック220、動
画パック250が時系列順に復号されることにより、白抜
き矢印の順に画面上に表れることを意味する。矢印の順
に再現画像の内容を追ってゆくと、VOBの先頭から動画
パック201までの再生によって、登場人物が悲しいよ
うな表情をした映像が画面上に表示されることがわか
る。また動画パック210の先頭から動画パック250
までの再生によって、登場人物が怒ったような表情をし
た映像が画面上に表示されることがわかる。これらの再
現画像のうち、再現画像v201の上には、副映像パッ
クA-101の復号によって描画されるメニュ−、管理情報
パックP-101の記述内容の解説書きが重ね合わせられて
おり、再現画像のうち、再現画像v250の上には、副
映像データA-125の復号により描画されるメニュ−、管
理情報パックP-125の記述内容の解説書きが重ね合わ
せられている。これは登場人物が悲しいような表情をし
た時点及び怒ったような表情をした時点において、図2
4及び図25に示したようにメニューが提示されること
を意味する。
【0120】図26において、副映像パックA-101、
125におけるメニュ−において『Yes』アイテムで確
定操作がなされた場合(計二回Yesと答えた場合)、レ
ジスタ操作コマンド『SetReg R1,1,"+"』が二回実行さ
れるため、汎用レジスタの格納値は『2』となる。これ
らの汎用レジスタの代入を経て図23に示したような一
連の動画の再生が終わり、再生制御が第19A、B図に
示したGOPレベルから図22のPGC情報における経路レベ
ルに移行したとする。ここで汎用レジスタR1の格納値は
『2』になっているので図22の後処理コマンド群a12
の2行目のコマンド『CmpRegLink R1,2,"=",PGC#5』に
よって汎用レジスタの値が『2』であることが判定され
る。汎用レジスタの格納値が『2』と合致したのでプロ
グラムチェーン#5に分岐する。
【0121】また図26の説明図において副映像パック
A-101のメニュ−でYes(No)、副映像パックA-12
5のメニュ−でNo(Yes)と答えた場合、管理情報パッ
クP-101及び管理情報パックP-125のハイライトコ
マンドフィールドに記述されているレジスタ操作コマン
ド『SetReg R1,1,"+"』が1回実行され、レジスタ操作
コマンド『SetReg R1,-1,"+"』が1回実行されるため、
汎用レジスタの格納値は『0』となる。これらの汎用レ
ジスタの代入を経て図23に示したような一連の動画の
再生が終わり、再生制御が第19A、B図に示したGOP
レベルから図22に示したPGC情報の経路レベルの再生
制御に移行したとする。ここで、汎用レジスタR1の格納
値は『0』になっているので、1行目のコマンドが『不
一致』となって2行目のコマンド『CmpRegLink R1,0,"
=",PGC#6』が実行される。2行目のコマンドによって汎
用レジスタの値が『0』であるかが判定され、この条件
に合致するのでプログラムチェーン#6に分岐する。
【0122】更に図26の説明図において副映像パック
A-101のメニュ−で『No』、副映像パックA-125の
メニュ−で『No』と答えた場合、管理情報パックP-10
1及び管理情報パックP-125のハイライトコマンドに
記述されているレジスタ操作コマンド『SetReg R1,-1,"
+"』が2回実行されるため、汎用レジスタの格納値は
『−2』となる。汎用レジスタの値が『−2』であると
図22の後処理コマンド群a12に示した1行目、2行目
のコマンドの何れにも一致しないので3行目のコマンド
に移行し、3行目のコマンド『Link PGC#7』においてプ
ログラムチェーン#7に分岐する。
【0123】図26において、副映像パックA-101及
び副映像パックA-125によって描画された二枚のメニ
ュ−に対する解答により、上記の後処理は3通りもの異
なるプログラムチェーンに分岐する。ここで上記の分岐
先のプログラムチェーン#5、6、7が、それぞれ三つ
のVOBに対応づけられており、三つのVOBが図27の一例
のような三つの動画データを含んでいるものとする。図
27における3つの動画データは、登場人物の3通りの
行動パターンを撮影した実写映像である。これらは図2
2に示した後処理の分岐先プログラムチェーン#5、
6、7に対応づけられているので、図27における三つ
の動画データは、図26における二枚のメニュ−に対す
る解答と、上述した後処理における多重分岐により、何
れか一つのプログラムチェーンが選択される。このよう
な選択に基づいて再生される動画データは、登場人物の
行動パターンの一つであるから、操作者は二枚のメニュ
−に対する操作で映像中の登場人物の行動が切り替わっ
たように感じる。
【0124】加えて、これらの二枚のメニュ−は、図2
6に示したように登場人物の表情変化に応じて、0.5秒
精度で同期し、必要な期間のみ表示される。このため、
ユーザはストーリ展開の中で、リアルタイムに、登場人
物の行動内容をメニュー操作により決定することが要求
され、あたかも登場人物の意思決定を自らが行なってい
るような仮想現実を楽しむことができる。
【0125】図26及び図27がどのようなストーリ展
開を意味するかの説明を補足する。図26において動画
パック198の再現画像〜動画パック201の再現画像
における登場人物の表情は、登場人物が事件の重大な手
掛かりを知っているかのような意味有りげな表情であ
る。副映像パックA-101で描画するたメニュ−におい
て操作者に一枚目のメニュ−を提示することは、この登
場人物に対して事件の真相の追求を迫るかを問うもので
ある。
【0126】うってかわって動画パック210〜動画パ
ック250の再現画像と、登場人物の表情及び副映像パ
ックA-125で描画されたメニュ−の内容は、登場人物
が感情的になり事件の追求を阻むような言動である。操
作者にこの二枚目のメニュ−を提示することは、事件の
真相の追求をどれだけ積極的に行うか操作者に問うもの
である。
【0127】図26において一枚目のメニュ−でYesと
解答し、二枚目のメニュ−でYesと解答することは、主
人公に扮した操作者が事件の解明に向けて積極的な行動
をとることを意味する。二枚目のメニュ−に対してYes
/Yesと解答すると、プログラムチェーン#3の後処理に
よりプログラムチェーン#5へと分岐し、図27上段の
動画データが画面に表れるが、これは登場人物が主人公
の積極的な行動に説得されて、自分が知っている真相を
語り始めたことを意味する。
【0128】図26において一枚目のメニュ−でNoと解
答し、二枚目のメニュ−でNoと解答することは、主人公
に扮した操作者が消極的な行動をとることを意味する。
二枚目に対してメニュ−でNo、Noと解答すると、プログ
ラムチェーン#3の後処理によりプログラムチェーン#7
へと分岐し、図27下段の動画データが画面に表れる
が、これは主人公の消極的な行動にあきれて、登場人物
が立ち去ろうとしていることを意味する。
【0129】図26において一枚目のメニュ−でNoと解
答し、二枚目のメニュ−でYesと解答することは、主人
公に扮した操作者が積極的でも消極的でも無い、あやふ
やな行動をとることを意味する。二枚目に対してメニュ
−でNo、Yesと解答すると、プログラムチェーン#3の後
処理によりプログラムチェーン#6へと分岐し、図27
の中段の動画データが画面に表れるが、これは登場人物
が主人公のあやふやな行動を見ているうちに、主人公に
不信感を抱き出したことを意味する。
【0130】最後にハイライトコマンドフィールドによ
って分岐を行う場合と、後処理によって分岐を行う場合
との用途比較を行う。上記応用例1では管理情報パック
P101、管理情報パックP125においてレジスタ操作
コマンド『SetReg』で汎用レジスタの値を設定し、後処
理コマンドに基づき分岐を行ったが、VOBU101におけ
る副映像パックA101によって描画されたYes,Noアイテム
及び管理情報パックP101のハイライト情報内のアイテム
情報m101,m102の内容を以下の{応用例2}のように改
変し、再現画像201が表示されたタイミングから図2
7に示したPGC情報#5、PGC情報#6、PGC情報#7への分
岐を行っても良い。 {応用例2} 副映像パックA101におけるアイテム 質問を続ける 質問をやめる わからない 管理情報パックP101のアイテム情報#1のハイライトコマンドフィールド Link PGC#5 アイテム情報#2のハイライトコマンドフィールド Link PGC#6 アイテム情報#3のハイライトコマンドフィールド Link PGC#7 この場合、画面上は、図26に示した再現画像v201
から図27に示した何れかの動画データの再現画像へと
切り換わることになる。この切り換わりは、良くいえば
スピーディであるが、悪くいえば唐突な切り換わりであ
る。即ち、応用例1が、動画データによって表現される
登場人物の仕草や表情の移り変わりを重視して、シーン
の再生が全て終わったタイミングで分岐先を決定してい
るのと好対象である。このことを考えれば、PGCにおけ
るシーン展開があまり唐突に切り換らないように演出し
たい場合は、応用例1のようにワンシーンに対して操作
者のとった行動を一時的に汎用レジスタに蓄積してお
き、後処理で汎用レジスタの蓄積値に応じた分岐を行え
ばよい。
【0131】これに対して、シーン展開を唐突に、スピ
ーディに切り換えて操作者の意表をつきたい場合は、ワ
ンシーンで操作者がメニュ−に対して行動をとったタイ
ミングで別のプログラムチェーンに分岐する。これによ
り操作者の目前には、今までのシーンとは、異なる別の
シーンが表れることになり、完全に意表をつかれる形と
なる。
【0132】唯留意しておきたいのは、ハイライトコマ
ンドで分岐を行うことは、アイテム操作と分岐とが一対
一の関係となる点である。即ち、最初のうちは操作者は
唐突なシーン切り換えに意表をつかれるが、どのアイテ
ムを選択すればどのシーンに分岐するかに慣れてしまう
ということである。ハイライトコマンドからの分岐ばか
りを多用するよりは、ハイライトコマンドからの分岐
と、後処理による分岐とを折り混ぜてハイライトコマン
ドからの分岐ばかりに偏らないようにするのが望まし
い。但しメニュ−により志望コースを選択させて、何れ
かのPGC情報へと分岐させる場合は、唐突でもスピーデ
ィさが要求されるのでハイライトコマンドからの分岐が
望ましい。逆にシーン展開がドラマティックであり遊戯
の対象とゆうより、個々のシーンを操作者に堪能させた
い場合は、応用例1のように2〜3秒といった僅かな区間
にさりげなくメニュ−を表示し、操作者の行動を蓄積し
ておいて、シーンの終わりにこれに基づいて分岐するこ
とが望ましい。
【0133】以上でビデオタイトルセットの説明を終わ
り、次にビデオマネージャについて図39を参照して説
明する。 (1.1.2)論理構造−ビデオマネージャ ビデオマネージャの構成はビデオオブジェクトと、PGC
管理情報テーブルとからなり、ビデオタイトルセットの
データ構造に準拠しているといって良い。ビデオマネー
ジャのVOBとビデオタイトルセットのVOBとの差違
点は、ビデオマネージャーがボリュームメニュー用に特
化されている点である。ここでボリュームメニューと
は、光ディスクに収録された全てのタイトルを一覧表示
させ、何れか一つのタイトルを選択させるためのメニュ
ーであり、光ディスクがディスク再生装置に装填され
て、光ピックアップがボリューム管理領域から、ファイ
ル領域へと移動した直後に画面上に表示される。
【0134】このボリュームメニュー用に特化されてい
るため、ビデオマネージャーとビデオタイトルセットと
の間には、以下の第1、第2の差違点がある。先ず第1
に、ビデオタイトルセットのVOBが図6に示したよう
に実写映像の動画データ、副映像パック、オーディオパ
ックを含むのに対して、ビデオマネージャのVOBは、
メニュ−の背景映像の動画パック、メニュー用の副映像
パック及び管理情報パックを含んでいるのに過ぎない。
第2に、ビデオタイトルセットのPGC情報及びハイライ
ト情報に記述された分岐系コマンドの分岐先は、ビデオ
タイトルセットの域を越えないのに対して、ビデオマネ
ージャーに記述された分岐系コマンドは、光ディスクに
おける幾つものビデオタイトルセットのタイトルを分岐
先にしており、ビデオタイトルセット間を跨ぐ点であ
る。図39にビデオマネージャのデータ構成を示す。図
39に示すように、『ビデオマネージャ』は、『メニュ
ー用ビデオオブジェクト』、『メニュー用PGC管理情報
テーブル』、『タイトルサーチポインタテーブル』から
構成される。
【0135】『メニュー用ビデオオブジェクト』はその
名称通り、ボリュームメニュー用に特化されたVOBで
ある。即ち、ボリュームメニューを表示するための副映
像パックと、当該メニューに対するカーソル操作、確定
操作に応じた再生制御を行うための管理情報パックとを
含んでいる。図40はボリュームメニュー用の表示映像
の説明図である。メニュー用ビデオオブジェクトは、複
数のアイテムy611,y612,y613・・・・y616を有する。これら
のアイテムは、『推理ゲーム』<初心者コース>『推理
ゲーム』<中級者コース>といったタイトルのうち、何
れか一つを特定させるための内容である。このようなア
イテムに対してユーザが確定操作を行うことにより、こ
れから再生されるタイトルが指定される。同VOBに存
在する管理情報パックは、図40における光ディスクに
おける6個のコースのハイライト情報がエントリーされ
ている。これらのハイライト情報のハイライトコマンド
フィールドには、各ビデオタイトルセット及び各タイト
ルを分岐先にした“TitlePlay”コマンドが格納されて
いる。
【0136】『メニュー用PGC管理情報テーブル』は、
ボリュームメニュー用に特化されたPGC情報であり、デ
ィスク再生装置への装填時にメニュ−用VOBが読み出
されるよう、当該メニュ−用VOBの記録箇所が記述さ
れている。このPGC情報は、光ディスクがディスク再生
装置に装填されて光ピックアップがボリューム管理領域
からファイル領域へと移動した直後にディスク再生装置
によって読み出される。これにより、ボリュームメニュ
ーが画面上に表れることになる。
【0137】『タイトルサーチポインタテーブル』は、
各タイトルが所属するビデオタイトルセット及びビデオ
タイトルセット内において各タイトルに付されたタイト
ル番号を特定するためのインデックスである。以上で、
マルチメディア光ディスクであるDVDの説明を終わ
り、次に再生装置について説明する。
【0138】(2.1)ディスク再生装置の概要 光ディスクのDVDプレイヤーについて説明する。図28
はDVDプレーヤー1、テレビモニタ2、及びリモコン9
1の外観を示す図である。DVDプレーヤー1は、筐体正
面に開口を有し、開口の奥行き方向には光ディスクをセ
ットするドライブ機構が設けられている。
【0139】DVDプレイヤーの正面には、リモコンが発
する赤外線を受光する受光素子を有したリモコン受信部
92が設けられており、操作者が把持したリモコンに対
して操作があると、リモコン受信部92は、キー信号を
受信した旨の割込み信号を発する。DVDプレイヤーの背
面にはビデオ出力端子、オーディオ出力端子が備えられ
ており、ここにAVコードを接続することでDVDから再生
された映像信号を家庭用の大型テレビモニタ2に出力す
ることができる。これによって操作者は、33インチ、
35インチ等家庭用の大型テレビによって、DVDの再生
映像を楽しむことができる。以上の説明からも判るよう
に、本実施例のDVDプレーヤー1はパソコン等と接続し
て用いるものではなく、家庭用電化機器として、テレビ
モニタ2と共に用いるものである。
【0140】リモコン91は、その筐体表面にバネ付勢
されたキーパッドが設けられており、押下されたキーに
対応するコードを赤外線で出力する。図29に操作リモ
コン91の操作パネルを示す。本パネルにおいて『POWE
R』キーはDVDプレイヤーの電源のON/OFFを行なう。『ME
NU』キーはプログラムチェーンの再生途中に、光ディス
クのボリュームメニュ−を呼び出す目的で使用される。
テンキーは、映画におけるチャプタージャンプ、音楽に
おける曲選択などで使用される。上下左右のカーソルキ
ーは、アイテムを選択するために使用する。『ENTER』
キーは、カーソルで選んだ項目を確定するために使用す
る。上下左右のカーソルキーによってアイテム上でカー
ソルを移動させると、カーソルが存在するアイテムは管
理情報パックのアイテム色情報のセレクト色で表示さ
れ、『ENTER』キーで確定すれば、確定色で表示され
る。他に『再生』、『停止』、『ポーズ』、『早送
り』、『巻き戻し』キーなど他のAV機器と共通のキーが
用意されている。
【0141】(2.2)ディスク再生装置の構成要素 図30は、本実施例におけるDVDプレイヤーの内部構成
を示すブロック図である。このDVDプレイヤーは、ドラ
イブ機構16、光ピックアップ82、機構制御部83、
信号処理部84、AVデコーダ部85、リモコン受信部
92、システム制御部93から構成される。さらにAV
デコーダ部85は、信号分離部86、ビデオデコーダ8
7、副映像デコーダ88、オーディオデコーダ89、及
び映像合成部90から構成される。
【0142】ドライブ機構16は、光ディスクをセット
する基台と、セットされた光ディスクをクランプして回
転駆動するスピンドルモータ81とを備える。また光デ
ィスクをセットする基台は、図示しないイジェクト機構
によって筐体の内外に前後移動する。基台が筐体の外側
に移動した状態で、操作者は光ディスクを搭載する。光
ディスクが基台に搭載されて、基台がDVDプレイヤーの
内側に移動すると、光ディスクはDVDプレイヤーに装填
される。
【0143】機構制御部83は、ディスクを駆動するモ
ータ81及びディスクに記録された信号を読み出す光ピ
ックアップ82を含む機構系を制御する。具体的には機
構制御部83は、システム制御部93から指示されたト
ラック位置に応じてモータ速度の調整を行う。それと共
に光ピックアップ82のアクチュエータを制御すること
によりピックアップ位置の移動を行い、サーボ制御によ
り正確なトラックを検出すると、所望の物理セクタが記
録されているところまで回転待ちを行い所望の位置から
連続して信号を読み出す。
【0144】信号処理部84は、光ピックアップ82か
ら読み出された信号に増幅、波形整形、二値化 、復
調、エラー訂正などの処理を施し、ディジタルデータ列
に変換し、システム制御部93内のバッファメモリ(後
述する。)に論理ブロック単位で格納する。AVデコー
ダ部85は、入力されるVOBであるディジタルデータに
対して所定の処理を施し、ビデオ信号やオーディオ信号
に変換する。
【0145】信号分離部86は、バッファメモリから論
理ブロック(パケット)単位に転送されてくるデジタル
データ列を受けとり、各パケットのヘッダ内のストリー
ムID、サブストリームIDを判別することにより、動
画データ、副映像データ、オーディオデータ、管理情報
パックの振り分けを行う。この振り分けにおいて、動画
データはビデオデコーダ87に出力される。オーディオ
データはオーディオデコーダ89に、副映像データは副
映像デコーダ88にそれぞれに出力される。管理情報パ
ックはシステム制御部93に出力される。その際信号分
離部86は、システム制御部93から番号が指示され
る。この番号は、図6の説明図に示したオーディオデー
タA,B,C、副映像データA,Bのうち何れかを指示するもの
であり、当該番号が与えられるとシステム制御部93
は、当該番号をオーディオデコーダ89、副映像デコー
ダ88にそれぞれ出力する。そして番号以外のデータを
破棄する。
【0146】(2.2.1)ディスク再生装置の構成要素-信
号分離部86の内部構成 図31は、図30における信号分離部86の構成を示す
ブロック図である。同図のように信号分離部86は、M
PEGデコーダ120、副映像/オーディオ分離部12
1、副映像選択部122、オーディオ選択部123から
構成される。MPEGデコーダ120は、バッファメモ
リから転送された各データパックについて、パックヘッ
ダ中のストリームIDを参照してパックの種類を判別
し、「1110 0000」であればビデオデコーダ87に出力
する。「1011 1101」であれば副映像/オーディオ分離
部121に出力し、「1011 1111」であればシステム制
御部93に出力する。
【0147】副映像/オーディオ分離部121は、MP
EGデコーダ120から入力されるパケットについて、
パケットヘッダ中のサブストリームIDが「001* ***
*」であれば副映像選択部122に出力する。サブスト
リームIDが「1010 0***」「1000 0***」であればオー
ディオ選択部123へ、そのデータを出力する。その結
果、全ての番号の副映像データ、全てのオーディオデー
タが副映像選択部122に、オーディオ選択部123に
出力される。
【0148】副映像選択部122は、副映像/オーディ
オ分離部121からの副映像データのうち、システム制
御部93に指示された番号の副映像データのみを副映像
デコーダ88に出力する。指示された番号以外の副映像
データは破棄される。図5の説明図に示した副映像デー
タA,Bがそれぞれ英語、フランス語の字幕であり、シス
テム制御部93によって副映像データAが指示される
と、副映像選択部122は副映像パケットAのみを副映
像デコーダ88に出力し、副映像パケットB,Cを廃棄す
る。これにより英語字幕のみが副映像デコーダ88によ
って復号される。
【0149】オーディオ選択部123は、副映像/オー
ディオ分離部121からのオーディオデータのうち、シ
ステム制御部93に指示された番号のオーディオデータ
のみをオーディオデコーダ89に出力する。指示された
番号以外のオーディオデータは破棄される。例えば図5
の説明図に示したオーディオデータA,B,Cがそれぞれ英
語、フランス語、日本語であり、システム制御部93に
よってオーディオデータAが指示されると、オーディオ
選択部123はオーディオパケットAのみをオーディオ
デコーダ89に出力し、オーディオパケットB,Cを廃棄
する。これにより英語音声のみがオーディオデコーダ8
9によって復号される。
【0150】ビデオデコーダ87は、信号分離部86か
ら入力される動画データを解読、伸長してデジタルビデ
オ信号として映像合成部90に出力する。副映像デコー
ダ88は、信号分離部86から入力される副映像データ
がランレングス圧縮されたイメージデータである場合に
は、それを解読・伸長してビデオ信号と同一形式で映像
合成部90に出力する。イメージデータが複数個のアイ
テムでありこれらのアイテムに対して操作者がカーソル
移動を行えば、システム制御部93は、イメージデータ
の色指定の変換指示(色変えの指示ともいう)を副映像
デコーダ88に与える。この色変換指示はハイライト情
報内のアイテム色番号に基づいて行われるので、この色
変換指示によりアイテムがセレクト色、或は、確定色に
切り替わる。この選択色−確定色の切り替えにより図2
6に示したように、カーソルがアイテム間を遷移する。
【0151】図30を再度参照してDVDデコーダ1の内
部構成の説明を続ける。オーディオデコーダ89は、信
号分離部86から入力されたオーディオデータを解読、
伸長してディジタルオーディオ信号として出力する。映
像合成部90は、ビデオデコーダ87の出力と副映像デ
コーダ88の出力をシステム制御部93に指示された比
率で混合した映像信号を出力する。この混合比はハイラ
イト情報の『アイテム色情報』に記述されたコントラス
トに基づくものであり、GOP毎にこれを変化させること
ができる。本信号はNTSC(National Television Sy
stem Committee)方式のビデオ信号に変換されたのち、
テレビモニタ2に入力される。
【0152】(2.2.2)ディスク再生装置の構成要素-シ
ステム制御部93の内部構成 システム制御部93は、DVDプレイヤー全体の制御を行
い図32の内部構成を有する。図32によればシステム
制御部93は、バッファメモリ94と、管理情報パック
バッファ95と、組み込みプロセッサ96と、汎用レジ
スタセット97と、PGC情報バッファ31と、ハイライ
ト情報バッファ32と、カーソル位置メモリ33とを内
蔵している。
【0153】組み込みプロセッサ96は、DVDプレーヤ
ー1全般の制御プログラムを記憶したROMと、作業用
メモリと、CPUとを一体化して構成される。CPUは、設定
系コマンド、分岐系コマンドをハイライト情報バッファ
32から順次取り出す取り出し部と、取り出された設定
系コマンド、分岐系コマンドを蓄積するコマンドバッフ
ァと、コマンドバッファ内のオペコード及びオペランド
を解読する解読部と、汎用レジスタの格納内容と、命令
バッファに格納されている即値とでオペコードで指示さ
れた演算内容の演算を行う演算器と、演算器の演算結果
及びオペランドに記述されている即値を汎用レジスタに
転送するためのバスとを備える。 バッファメモリ94
には増幅、波形整形、2値化、復調、エラー訂正などの
処理を経たデータが書き込まれる。書き込まれたデータ
がビデオタイトルセット管理情報ならば図示しないバッ
ファにこれを取り込む。一方VOBならばシステム制御部
93は、1パックずつ信号分離部86に転送する。この
ように転送するとAVデコーダ部85から管理情報パック
が送り返されて来る。
【0154】管理情報パックバッファ95は信号分離部
86から送り返されて来る管理情報パックを格納するバ
ッファである。組み込みプロセッサ96は格納された管
理情報パック内のハイライト一般情報が含んでいる『前
VOBUからの変更有フラク』を参照することにより、ハイ
ライト情報バッファ32に記憶されているハイライト情
報の上書き指示、或は、ハイライトコマンドのみの上書
き指示を管理情報パックバッファ95に与える。この指
示により管理情報パックバッファ95は自身が格納して
いる管理情報パックのハイライト情報でハイライト情報
バッファ32の格納内容を上書きする。
【0155】汎用レジスタセット97はDVDプレイヤー
のシステム制御部93がタイトル制作者に解放している
汎用レジスタ、汎用タイマからなる。PGC情報バッファ
31は、現在選択されているPGC情報を格納する。ハイ
ライト情報バッファ32は、内部領域が複数の小領域に
分割されているバッファである。個々の小領域には図1
4に示したフォーマット通りにハイライト情報が格納さ
れる。組み込みプロセッサ96は、このハイライト情報
バッファ32からカーソルの移動先、セレクト色・確定
色、ハイライトコマンドを適宜取り出す。ハイライト情
報バッファ32に格納されているハイライト情報は、組
み込みプロセッサ96の指示に応じて管理情報パックバ
ッファ95に記憶されている新たなものに上書きされ
る。即ちVOBにインターリーブされている膨大な量の管
理情報パックのうちVOBが現在再生している箇所に必要
なハイライト情報のみがハイライト情報バッファ32に
格納されることになる。
【0156】カーソル位置メモリ33は、現在カーソル
があるアイテムのアイテム番号を格納する。尚、補足す
ると、カーソル位置メモリ33は、本発明との関係が薄
いため図示はしていないが、システムレジスター群の一
つとして実現される。カーソル位置番号保持用以外のシ
ステムレジスタとしては、現在、有効なタイトル番号
や、PGC番号や、音声チャネル(音声サブストリーム
番号)や、副映像チャネル(副映像サブストリーム番
号)を保持するレジスタがそれぞれ存在する。
【0157】(2.3.1)システム制御部93の動作(通
常動作) 以下、第27図を参照し、システム制御部93の動作に
ついて説明する。尚、ここでは、ユーザインタラクショ
ンがない場合の通常の再生制御動作についてのみ説明
し、ハイライトコマンドやPGCの前処理コマンド、後
処理コマンド等が実行される場合の特定の再生制御動作
については次項以降で具体例をあげて説明する。
【0158】図33及び図34は、システム制御部93
の処理内容を示す全体フローである。本図を参照しなが
らDVDプレーヤー1の動作説明を行う。DVDプレーヤー1
のイジェクトボタンを押下すると、基台が筐体の外側に
移動する。基台が外側に移動した状態で、操作者は光デ
ィスクを搭載する。基台に搭載されて、基台がDVDプレ
イヤーの内側に移動すると、光ディスクはDVDプレイヤ
ーに装填される。システム制御部93は、ステップ12
1において、光ディスクの挿入待ち状態になっている。
光学センサー等から光ディスクの装填が通知されると、
機構制御部83および信号処理部84を制御することに
より、光ピックアップ82をリードイン領域に置いたま
まディスクの回転制御を行う。リードイン領域に置いた
ままのディスク回転を、回転動作が安定するまで継続す
る。回転動作が安定すると、光ピックアップをリードイ
ン領域から外周へと移動させてボリューム管理領域を読
み出す。ボリューム管理領域の情報に基づきビデオマネ
ージャを読み出す(ステップ122)。さらにシステム
制御部93は、ビデオマネージャのメニュー用PGC管理
情報テーブルを参照し、ボリュームメニュー用のプログ
ラムチェーンの記録アドレスを算出し、これを再生し、
PGC情報バッファ31に保持する。ボリュームメニュー
用のプログラムチェーンが内部に保持されれば、システ
ム制御部93は、保持されたPGC情報を参照し、再生を
行うビデオオブジェクト(VOB)及びその光ディスク
上の記録アドレスを算出する。再生すべきビデオオブジ
ェクトが決定されれば、システム制御部93は、機構制
御部83及び信号処理部84に制御信号を出力し、決定
したビデオオブジェクトを光ディスクから取り出し再生
する。これにより、図40に示すボリュームメニューが
テレビモニタ2に映像表示されることになる(ステップ
123)。
【0159】このタイトルの一覧表を見て操作者が、興
味を持ったメニュー項目を選択確定したとする(メニュ
ーにおけるメニュー項目の選択確定の際のシステム制御
部93の動作の詳細は次項で述べる。)。メニュー項目
のハイライトコマンドとして“PlayTitle”コマンド及
びそのパラメータとしてタイトル番号が格納されてお
り、このハイライトコマンドがシステム制御部93によ
り実行される(ステップ125)。“PlayTitle”コマ
ンドによる実行動作として、システム制御部93はビデ
オマネージャの一部であるタイトルサーチポインタテー
ブルを参照し、所属するビデオタイトルセット(VT
S)及びVTS内タイトル番号を決定する。ビデオタイ
トルセットが確定されれば、システム制御部93は機構
制御部83及び信号処理部84に制御信号を出力し、確
定したタイトルセットのビデオタイトルセット管理情報
を再生しビデオタイトルセット管理情報の一部であるビ
デオタイトルセット部タイトルサーチポインタテーブル
を内部に取り出す(ステップ126)。ビデオタイトル
セット部タイトルサーチポインタテーブルが取り出せれ
ば、システム制御部93は、これを参照し、再生すべき
タイトルの再生開始用のプログラムチェーンのPGC情報
を決定する。PGC情報が決定されれば、システム制御部
93は、機構制御部83及び信号処理部84に制御信号
を出力し、決定したPGC情報を再生し、これを内部のPGC
情報バッファ31に保持する。尚、この際、保持されて
いるボリュームメニュー用のPGC情報は上書きされる事
になる。タイトルの再生開始用のPGC情報が保持されれ
ば、システム制御部93は、保持したPGC情報を参照し
て、再生すべきビデオオブジェクト及びその記録アドレ
スを決定し、決定したビデオオブジェクトの再生を、機
構制御部83及び信号処理部84に制御信号を出力し行
う。
【0160】以降、システム制御部93は、保持したPG
C情報に従い、順次、再生すべきビデオオブジェクトを
決定し再生制御を行う。システム制御部93はPGC情報
により示される最終のビデオオブジェクトの再生を完了
すれば、PGC情報の一部であるPGC連結情報を参照し、次
のPGC情報を決定する。次のPGC情報を決定したシステム
制御部93は、現在のPGC情報を廃棄して、次のPGC情報
を保持し、これに従い、再生進行を継続する(ステップ
128)。
【0161】尚、ビデオオブジェクトの再生を補足する
と、DVDプレーヤ1には、図示しないが音声チャネル
と副映像チャネルの切り替えキーが付随している。そし
て、この切り替えキーによりユーザが選択した音声チャ
ネル、副映像チャネルは、システム制御部93のシステ
ムレジスタ(図示しない)に保持される。ビデオオブジ
ェクトが再生される際、システム制御部93は、内部の
システムレジスタを参照し、有効なチャネルの指定を、
制御信号を出力しAVデコーダ部85に行う。これによ
り、有効な音声チャネル及び副映像チャネルの情報のみ
が、動画情報と共に外部に出力されることになるのであ
る。
【0162】次に、具体例をあげ、各プログラムチェー
ン毎に行われる、経路レベル及びGOPレベルの再生制
御動作、すなわちナビゲーション制御動作について説明
する。最初に第一の動作例として、『推理ゲーム』の<
初級>のタイトルが再生されるものとして以下説明す
る。 (2.3.2.1)第1動作例・・システム制御部93による経
路レベルの再生制御 『推理ゲーム』のエントリープログラムチェーンは図2
2に示したPGC情報#3に対応している。その『VOB位置
情報テーブル』には図23に示したVOB#3が記述されて
いる。図22、図23による再生制御内容は既に上述し
ているが、この再生制御内容に基づいて、システム制御
部93がどのようなソフトウェア制御を行うかを図35
のプログラムチェーン再生処理のフロ−チャ−ト及び図
35〜図38のフロ−チャ−トを参照しながら以降第1
動作例として説明する。
【0163】プログラムチェーン#3が選択されたの
で、経路レベルの再生制御としてシステム制御部93は
先ず前処理に基づいた処理を行う。図35のフロ−チャ
−トにおける前処理は、PGCコマンドテーブルにおける
全ての前処理コマンドの全てについて、ステップ131
の処理を繰り返すループ構造になっている。ステップ1
31では、前処理コマンド開始アドレスポインタを参照
して、組み込みプロセッサ96が前処理コマンドを取り
出しこれを解読する。図22において前処理コマンドフ
ィールドに記述されている前処理コマンドは汎用レジス
タに初期値を設定する設定系コマンドなので、レジスタ
操作コマンド『SetReg R1,0』のレジスタ識別子フィー
ルドで指示されている汎用レジスタR1に、『即値』オペ
ランドで指示されている『0』を転送する。
【0164】プログラムチェーン#3における前処理が
終了したので再生制御は経路レベルからGOPレベルに移
行する。 (2.3.2.2)第1動作例・・システム制御部93によるVOB
読み出し・復号 VOB読み出し・復号は、ステップ132〜ステップ139
によって構成される。そのうち、ステップ133〜ステ
ップ139の処理は、『VOB位置情報テーブル』にVOB位
置情報が記載されている全てのVOBに対して繰り返され
る。
【0165】ステップ133において、VOB#3の『VOB
位置情報』を読み出す。PGC情報バッファ31からこれ
が読み出される。VOB位置情報の読み出し後ステップ1
34に移行する。ステップ134では『VOB位置情報』
に記載されているVOBオフセットに基づいて次に読み出
すべき論理ブロックがディスク上のどのトラックに相当
するかを計算する。そしてトラック位置を機構制御部8
3に指示し、記録開始位置まで光ピックアップを移動さ
せる。その後に機構制御部83にブロック読み出し制御
を指示する(ここで読み出し先論理ブロックを論理ブロ
ック#kとする。)。
【0166】たとえ光ピックアップがビデオマネージャ
ーの位置にありVOBの記録箇所からかけ離れていても本
ステップの実行により光ピックアップがVOBの記録箇所
の先頭位置に移動する。図18の一例でいえば、参照符
号y401で指示する状態になる。続いてステップ13
6に移行して、論理ブロック#kに記録されているデータ
を光ピックアップ、信号処理部84を介して読み出させ
る。
【0167】機構制御部83の制御により、VOBを構成
する動画パック、オーディオパック、副映像パックが順
次読み出されてゆく。信号処理部84は、光ピックアッ
プ82から読み出された信号に増幅、波形整形、二値
化、復調、エラー訂正などの処理を施し、システム制御
部93内のバッファメモリに論理ブロック単位に格納す
る。信号分離部86は、バッファメモリから転送されて
くるパックを受けとり、各パックのヘッダ内のストリー
ムID、サブストリームIDを判別する。図7における
ビデオパックはストリームIDが『1110 0000』に設定さ
れているので、ビデオデコーダ87に出力される。ビデ
オデコーダ87は動画データに含まれるIピクチュア、
Pピクチュア、Bピクチュアに対するフレーム内復号、
フィールド内復号を行い、動き補償を行って映像信号に
復号する。復号後、SCR及びPTSに基づく時間待ちを行っ
た後に当該映像信号を映像合成部90に出力する。
【0168】副映像パックは、図9におけるストリーム
IDが『1011 1101』に設定され、サブストリームIDの先
頭3ビットが001に設定されているので、副映像デコー
ダ88に出力される。副映像デコーダ88は、この副映
像データをランレングス復号する。復号後、SCR及びPTS
に基づく時間待ちを行ってから復号結果を映像合成部9
0に出力する。
【0169】ビデオデコーダ87の出力と副映像デコー
ダ88の出力は、映像合成部90によってシステム制御
部93に指示された比率で混合される。混合された映像
信号はアナログ信号に変換されたのち、テレビモニタ2
に入力される。以上の動作により、テレビ画面には図2
3の再現画像197、再現画像198に示したように登
場人物の表情が移り変わってゆく。図24における再現
画像201が現れたタイミングで副映像101で描かれ
たメニュ−が表示される。
【0170】(2.3.2.3)第1動作例・・システム制御部
93によるハイライト情報の更新処理(GOPレベル) 図24に示した管理情報パック101は、AVデコーダ部
85によってAVデコーダ部85によって分離される。
この管理情報パック101を受け取るためのシステム制
御部93の処理について図36のフロ−チャ−トを参照
しながら説明する。図36のフロ−チャ−トは、図13
の説明図に示した『前VOBUからの変更有フラグ』の2ビ
ットの内容に応じて、ステップ145、146、ステッ
プ148、146の手順を切り換えるよう構成してあ
る。図35のフロ−においてステップ137に移行する
とシステム制御部93は、図36のステップ142の処
理を開始する。ステップ142ではPCI一般情報、トリ
ックプレイ情報をデコードし、それに従った制御を行
う。その後、ステップ143に移行して管理情報パック
101のハイライト一般情報から『前VOBUからの変更有
フラグ』を読み出す。『前VOBUからの変更有フラグ』を
読み出した後ステップ144に移行する。ステップ14
4では、前GOPからの変更有フラグが『11』であるかを
判定する。管理情報パック101には、副映像データ1
01用のハイライト情報が含まれており、本フラグが
『01』に設定されているので『No』となりステップ14
7に移行する。
【0171】ステップ147では前GOPからの変更有フ
ラグが『01』であるかを判定する。管理情報パック12
5の『01』と合致するからステップ148に移行する。
ステップ148では、このハイライト情報を用いてハイ
ライト情報バッファ32を上書きする。ステップ148
の実行後ステップ146において、カーソル位置メモリ
33にアイテム番号を設定する。ここで図24におい
て、『Yes』、『No』に対応するアイテム情報m101,m102
のそれぞれには、アイテム番号#1、#2が付されている。
このうちアイテム番号#1をカーソル位置メモリ33に設
定した後ステップ149に移行する。ステップ149で
はカーソル位置メモリ33から今カーソルがあるアイテ
ム番号を読み出してステップ150において、アイテム
番号#1が付されたアイテム情報m101の『開始-終了座標
(X1,Y1)(X2,Y2)』を読み出す。続いてこれに記述された
範囲を選択色に変換するよう、副映像デコーダ88に指
示する。これにより『Yes』アイテムが画面上を占めて
いる範囲が選択色で着色される。
【0172】尚『前VOBUからの変更有フラグ』が『11』
であればステップ145において、受け取ったハイライ
トコマンドを用いてハイライト情報バッファ32の中身
を上書きする。上書き後ステップ146において、カー
ソル位置メモリ33にアイテム番号を設定する。このよ
うに選択色でアイテムが塗り潰された後も引き続き論理
ブロックの読み出しは継続されており、画面上で映像が
表示されてゆく。
【0173】(2.3.2.4)第1動作例・・メニュ−に対す
るカーソル制御 画面上に突然現れた設問に多少戸惑いながらも、ここで
操作者が右手で把持しているリモコンの右キーを親指で
押下したとする。このリモコン操作に基づいた処理につ
いて説明する。ステップ150の実行後、ステップ13
8においてリモコン受け付け処理を行う。リモコン受け
付け処理に移行すると、図37のフロ−チャ−トのステ
ップ166に移行する。ステップ166ではリモコン受
信部92がリモコンからの入力信号の受信判定を行って
いる。上記のリモコン操作による入力信号を受信してス
テップ166からステップ151へと移行する。
【0174】ステップ151では入力信号が上下左右キ
ーであるかを判定する。ここで右キーが押下されたため
ステップ152に移行し、カーソル位置メモリ33に設
定されているアイテム番号#1を読み出す。ステップ1
53では読み出されたアイテム番号#1が付されたアイ
テム情報m101の『開始-終了座標(X1,Y1)(X2,Y2)』を読
み出し、この範囲を元の色に変更するよう副映像デコー
ダ88に色番号を指示する。これにより図26の『Ye
s』アイテムの色は当初の色に戻る。ステップ153の
実行後、ステップ154に移行する。ステップ154で
は、『Yes』アイテム右の移動方向に対応する『移動先
アイテム番号』をハイライト情報m101から読み出
し、移動先アイテム番号をカーソル位置メモリ33に格
納する。この格納により、『No』アイテムに付されたア
イテム番号#2がカーソル位置メモリ33に格納される。
【0175】格納後ステップ155に移行し、読み出さ
れた移動先アイテム番号#2に対応するアイテム情報m102
の『開始-終了座標(X1,Y1)(X2,Y2)』を読み出し、この
範囲を選択色に変更するよう副映像デコーダ88に色番
号を指示する。これにより『No』アイテムは選択色で着
色され、『Yes』アイテムからアイテム『No』へとカー
ソルは遷移する。
【0176】(2.3.2.5)・・メニュ−に対する確定操作 操作者がこれまでのシーン展開を思い出しながらリモコ
ンキーをあれこれ動かして、『Yes』アイテムにおいて
確定操作を実行したとする。確定操作を実行すると、ス
テップ151でNoとなり、ステップ156に移行する。
ステップ156ではリモコンからの入力信号が『ENTE
R』キーであるかを判定する。ここで押下が検出されて
ステップ157に移行する。ステップ157においてカ
ーソル位置メモリ33から今カーソルがあるアイテム番
号を読み出し、ステップ158ではアイテム色情報から
確定色を読み出す。確定色の読み出し後ステップ159
に移行する。ステップ159では今カーソルがあるアイ
テムの『開始-終了座標(X1,Y1)(X2,Y2)』を確定色に変
更するよう副映像デコーダ88に色番号を指示する。ス
テップ160では、『Yes』アイテムに対応するハイラ
イト情報#101からハイライトコマンドフィールドに
記述されているレジスタ操作コマンド『SetReg R1,1,"
+"』が読み出される。システム制御部93は、『SetReg
R1,1,"+"』コマンドで指定された汎用レジスタR1の格
納内容を"1"だけ加算する。
【0177】以上の処理が二枚目のメニュ−に対しても
行われ、操作者はそれら二枚目について2回『Yes』を
答えたものとする。この解答によって汎用レジスタの値
は2回加算され、汎用レジスタの格納値は『2』になっ
ている。尚以上の動作説明では、カーソル操作と確定操
作を行った場合について説明したが、リモコン91の数
値キーを押下した場合はアイテム情報#1,#2,#3,#4・・・・
のうち、その数値に対応するアイテムが読み出され、そ
のアイテムのハイライトコマンドに記述されているコマ
ンドが即実行される。
【0178】二枚目メニュ−の表示を終えた後図35に
おけるステップ133〜ステップ138の処理を繰り返
す。これによりプログラムチェーンに再生順序が記述さ
れたVOBが順次再生されてゆく。この繰り返しが最後のV
OB格納位置情報まで続けられる。 (2.3.2.6)第1動作例・・システム制御部93による後
処理 プログラムチェーン#3におけるVOB再生が終了したので
再生制御はGOPレベルから経路レベルに移行する。ここ
での経路レベルは後処理であり、図35のフロ−チャ−
トのステップ140〜ステップ141で実現される。ス
テップ140はPGCコマンドテーブルにおける後処理コ
マンドの全てについて、以降のステップ141の処理を
繰り返す。
【0179】組み込みプロセッサ96は後処理コマンド
開始アドレスポインタで指示された箇所において、図2
2に示した後処理コマンドフィールドの1行目に記述さ
れている条件付き分岐コマンド『CmpRegLink R1,2,"=",
PGC#5』を取り出す。取り出した後、『CmpRegLink』を
解読することにより、本コマンドが条件付きの分岐コマ
ンドであることを知り、そのオペランド『R1』,『2』,
『"="』を取り出す。この分岐条件フィールドの"="を解
読して組み込みプロセッサ96は、汎用レジスタR1の格
納内容が2であるか否かを判定する。GOPレベルにおけ
る再生制御で3回の正解を計数しているので、プログラ
ムチェーン#5への分岐を行う。
【0180】次に図38のフロ−チャ−トを参照しなが
らプログラムチェーンへの分岐について説明を行う。図
38のフロ−チャ−トは実行すべきコマンドが分岐系コ
マンドであった場合のみ実行される分岐系コマンド特有
の処理内容を示している。ステップ162ではコマンド
の分岐先フィールドに記載されたプログラムチェーン番
号を読み出す。ステップ163ではビデオマネージャー
内のビデオタイトルセット管理情報に記載されているPG
C管理情報テーブルの先頭アドレスを参照して、PGC管理
情報テーブルにおけるPGC情報#5の記録箇所の先頭位置
の論理ブロックを計算する。ステップ164では、機構
制御部83を制御して算出した論理ブロックに光ピック
アップを移動する。ステップ165では光ピックアップ
82、機構制御部83を介して読み出されてくる論理ブ
ロックデータ内のPGC情報#5をPGC情報バッファ31に
格納する。格納されたPGC情報に対して図35のフロ−
チャ−トの再帰的呼出を行い、新たに格納されたプログ
ラムチェーンに対してプログラムチェーン再生処理を行
う。このような制御により分岐系コマンドコマンドの分
岐先に対応するPGC情報が、選択的にPGC情報バッファ3
1に格納されることになる。ここで後処理における多重
分岐の分岐先であるプログラムチェーン#5が指示するV
OBは、図27における3つの動画データのうち、一つの
行動パターンを含んでいる。このように図26における
二枚のメニュ−に対する解答と、上述した後処理におけ
る多重分岐により、登場人物の行動パターンの一つが選
択的に画面に表れる。操作者は二枚のメニュ−に対する
操作で映像中の登場人物の行動が切り替わったように感
じる。
【0181】第1動作例との関係は希薄であるが、図3
5のフロ−チャ−トにおいて後処理による分岐が行われ
なかった場合のPGC連結情報による分岐について説明を
行う。図34のフロ−チャ−トはPGC連結情報による分
岐処理の内容を示している。図35のフロ−チャ−トの
ステップ140〜ステップ141において全ての後処理
の実行が済むと、図35のフロ−チャ−トから図34の
フロ−チャ−トのステップ172へと移行する。ステッ
プ172においてシステム制御部93はPGC連結情報に
記述されているプログラムチェーン番号を読み出し、ス
テップ173ではビデオマネージャ内のビデオタイトル
セット管理情報に記載されているPGC管理情報テーブル
の先頭アドレスを参照して、PGC管理情報テーブルにお
ける連結先PGC情報の記録箇所の先頭位置の論理ブロッ
クを計算する。ステップ174では、機構制御部83を
制御して算出した論理ブロックに光ピックアップを移動
する。ステップ175では光ピックアップ、機構制御部
83を介して読み出されてくる論理ブロックデータ内の
連結先PGC情報をPGC情報バッファ31に格納する。格納
されたPGC情報に対して図35のフロ−チャ−トの呼出
を行い、新たに格納されたプログラムチェーンに対して
プログラムチェーン再生処理を行う。
【0182】(2.3.3)第2動作例 図40に示したボリュームメニュ−において『世界一周
クイズ<ヨーロッパ編>』が選択された場合の動作例を
第2動作例として説明する。図41はタイトルセット
『世界一周クイズ』のデータ構造の説明図である。図4
1の参照符号c134に示すように、VOB#A1〜VOB#A20ま
でに計20個のビデオオブジェクトがタイトルセットに
含まれている。また参照符号c136に示すように、VOB
#A1〜VOB#A20のビデオオブジェクトの再生順序を管理す
るためのプログラムチェーンが、PGC情報#A1〜PGC情報#
A8までの計8個格納されている。プログラムチェーンの
内、PGC情報#A1はタイトル『世界一周クイズ<ヨーロッ
パ編>』の第一に実行されるプログラムチェーンであ
る。
【0183】図42(a)にPGC情報#A1の再生制御内容
を示す。また、図42(b)にPGC情報#A5の再生制御内
容の説明図を示す。図42(a)に示すようにPGC情報#
A1はVOB位置情報テーブルのエントリーとして、VOB#A
1、VOB#A2、VOB#A5、VOB#A6のVOB位置情報を有してい
る。すなわち、ディスク再生装置は第一にVOB#A1を再生
し、以降、 VOB#A2、VOB#A5、VOB#A6と順に再生するこ
とになる。また、図42(a)に示すように、前処理コ
マンドとして、『SetReg R1,0』が格納される。このた
め、ディスク再生装置はPGC情報#A1による再生に先立っ
て、R1レジスタを即値0で初期化することになる。ま
た、図42(a)に示すように、後処理コマンドとし
て、『CmpRegLink R1,10,">",PGC#A3』が格納される。
すなわち、ディスク再生装置は、PGC情報#A1によるビデ
オオブジェクトの再生を全て完了すれば、R1レジスタの
値を評価し、即値10以上であれば、次に実行すべきプ
ログラムチェーンをPGC情報#A3とし再生進行を継続す
る。また、図42(a)に示すように、PGC連結情報と
して、デフォルトの再生進行上次のプログラムチェーン
としてPGC情報#A4が格納されている。すなわち、ディス
ク再生装置は、後処理コマンドで次のPGC情報が確定し
ない場合、このPGC連結情報の値に従い、次に実行すべ
きプログラムチェーンをPGC情報#A4とし再生進行を継続
する。尚PGC情報#A3、PGC情報#A4はクイズの得点結果に
より排他的に実行されるプログラムチェーンであり、 P
GC情報#A3は“不合格”を意味する映像を、PGC情報#A4
は“合格”を意味する映像を再生する。
【0184】次にPGC情報#A1により再生されることにな
るビデオオブジェクトについて説明する。VOB#A1、VOB#
A2、VOB#A5、VOB#A6はいずれも、ヨーロッパ関連のクイ
ズを4〜5問含んでいる。VOB#A1を例として説明する。
図43はPGC情報#A1及びPGC情報#A2のVOB位置情報がそ
れぞれどのVOBを指定しているか、或はそれらの後処理
の分岐先がどのPGC情報であるかを模式的に示す図であ
る。図43では、PGC情報#A1を4つの升目からなる横長
の四角形で示し、そのVOB位置情報を黒丸で示してい
る。PGC情報#A1の黒丸から矢印が伸びておりその先にVO
B#A1、VOB#A2、VOB#5、VOB#6といったVOBがあるが、
これはPGC情報#A1の『VOB位置情報テーブル』がこれら
のVOBを再生するよう指定していることを意味する。
【0185】PGC情報#A2の黒丸から実線矢印が伸びてお
り、その先にVOB#A3、VOB#A4、VOB#A7、VOB#A8といった
VOBがあるが、これはPGC情報#A2の『VOB位置情報テーブ
ル』がこれらのVOBを再生するよう指定していることを
意味する。またPGC情報#A1の後処理コマンドから破線矢
印が伸びており、その先にPGC情報#A3及びPGC情報#A4が
存在するが、これはPGC情報#A1は、汎用レジスタの格納
値に応じて、これらの2つの分岐先のうち何れか一方に
分岐するよう指定していることを意味する。
【0186】図44はVOB#A1のデータ内容の説明図であ
る。図44の当該ビデオオブジェクト(VOB)におい
て、先頭からVOBユニット20までは約20秒の再生時
間を持つ第一問のクイズであり、ヨーロッパ沿岸の光景
を航空機から撮影した実写映像である。そのうちハッチ
ングを付したVOBユニット7を先頭とする6つのVOBユニ
ット群は、5〜6秒の再生時間を持つクイズの出題とユ
ーザによる解答が行われるメニュー映像である。VOBユ
ニット7で描画される再現画像及びメニュ−を引き出し
線の先に示す。VOBユニット7には、動画パック7、副
映像パック7、管理情報パック7が存在する。管理情報
パック7には、#1から#3までのアイテム情報が記述し
てある。これらのアイテム情報#1〜#3は、図44の副
映像パック7(SP A-7)で描画されたメニュ−内の
〜アイテムに対応づけられている。第一問のクイズの
場合、アイテム情報#1が正解であるため、アイテム情報
#1には、ユーザの得点を集計するレジスタR1に即値1を
和算する命令『SetReg R1,1,"+"』が格納され、それ以
外は誤答であるため、何もしない命令『NOP』が格納さ
れる。尚、同一のメニューを構成するVOBユニット7に
続く5つのVOBユニットは、VOBユニット7と同じハイラ
イト情報が格納される。
【0187】VOBユニット21からVOBユニット40まで
は約20秒の再生時間を持つ第二問のクイズであり、ヨ
ーロッパの光景を列車の車窓から撮影した映像である。
そのうちハッチングを付したVOBユニット25を先頭と
する6つのVOBユニット群は、5〜6秒の再生時間を持
つクイズの出題とユーザによる解答が行われるメニュー
映像である。VOBユニット25で描画される再現画像及
びメニュ−を引き出し線の先に示す。VOBユニット25
には、動画パック25、副映像パック25、管理情報パ
ック25が存在する。管理情報パック25には、#1か
ら#3までのアイテム情報が記述してある。これらのア
イテム情報#1〜#3は、図44の副映像パック25(図
中では、"SP A-25"と表記している。)で描画された
メニュ−内の〜アイテムに対応づけられている。第
二問のクイズの場合、アイテム情報#3が正解であるた
め、アイテム情報#3には、ユーザの得点を集計するレジ
スタR1に即値1を和算する命令『SetReg R1,1,"+"』が
格納され、それ以外は誤答であるため、何もしない命令
『NOP』が格納される。尚、同一のメニューを構成するV
OBユニット25に続く5つのVOBユニットは、VOBユニッ
ト25と同じハイライト情報が格納される。
【0188】VOBユニット41からVOBユニット61まで
は約20秒の再生時間を持つ第三問のクイズであり、ニ
ーチェの数々の著作を紹介した実写映像である。そのう
ちハッチングを付したVOBユニット48を先頭とする6
つのVOBユニット群は、5〜6秒の再生時間を持つクイ
ズの出題とユーザによる解答が行われるメニュー映像で
ある。VOBユニット48で描画される再現画像及びメニ
ュ−を引き出し線の先に示す。VOBユニット48には、
動画パック48、副映像パック48、管理情報パック4
8が存在する。管理情報パック48には、#1から#3ま
でのアイテム情報が記述してある。これらのアイテム情
報#1〜#3は、図44の副映像パック48(SP A-4
8)で描画されたメニュ−内の〜アイテムに対応づ
けられている。第三問のクイズの場合、アイテム情報#3
が正解であるため、アイテム情報#3には、ユーザの得点
を集計するレジスタR1に即値1を和算する命令『SetReg
R1,1,"+"』が格納され、それ以外は誤答であるため、
何もしない命令『NOP』が格納される。尚、同一のメニ
ューを構成するVOBユニット48に続く5つのVOBユニッ
トは、VOBユニット48と同じハイライト情報が格納さ
れる。
【0189】VOBユニット61からVOBユニット80まで
は約20秒の再生時間を持つ第四問のクイズであり、シ
ェークスピア演劇のダイジェスト版の映像である。その
うちハッチングを付したVOBユニット61を先頭とする
6つのVOBユニット群は、5〜6秒の再生時間を持つク
イズの出題とユーザによる解答が行われるメニュー映像
である。VOBユニット61で描画される再現画像及びメ
ニュ−を引き出し線の先に示す。VOBユニット61に
は、動画パック65、副映像パック65、管理情報パッ
ク65が存在する。管理情報パック65には、#1から#
3までのアイテム情報が記述してある。これらのアイテ
ム情報#1〜#3は、図44の副映像パック65(SP A-
65)で描画されたメニュ−内の〜アイテムに対応
づけられている。第四問のクイズの場合、アイテム情報
#3が正解であるため、アイテム情報#3には、ユーザの得
点を集計するレジスタR1に即値1を和算する命令『SetR
eg R1,1,"+"』が格納され、それ以外は誤答であるた
め、何もしない命令『NOP』が格納される。尚、同一の
メニューを構成するVOBユニット61に続く5つのVOBユ
ニットは、VOBユニット61と同じハイライト情報が格
納される。
【0190】以上説明したタイトル『世界旅行クイズ
(ヨーロッパ編)』が再生される際のシステム制御部9
3の動作について以下説明する。尚、このタイトルの再
生開始用のPGC情報が、既に、システム制御部93のPGC
情報バッファ31に保持されているものとして説明す
る。 (2.3.3.1)第2動作例・・システム制御部93による前
処理 『世界一周クイズ<ヨーロッパ編>』のエントリープロ
グラムチェーンが内部に保持されれば、経路レベルの再
生制御としてシステム制御部93は先ず前処理を行う。
プログラムチェーンの前処理コマンドフィールドには、
『推理ゲーム』<初級編>と同様レジスタ操作コマンド
『SetReg R1,0』が記述されている。組み込みプロセッ
サ96がこのレジスタ操作コマンド『SetReg R1,0』を
取り出しこれを解読する。レジスタ操作コマンド『SetR
eg R1,0』のレジスタ識別フィールドで指示されている
汎用レジスタR1に、『即値』オペランドで指示されてい
る『0』を転送する。エントリープログラムチェーンに
おける前処理が終了したので再生制御は経路レベルから
GOPレベルに移行する。
【0191】(2.3.3.2)第2動作例・・システム制御部
93によるビデオオブジェクト(VOB)読み出し・復号 『VOB位置情報テーブル』にVOB位置情報が記載されてい
る全てのビデオオブジェクト(VOB)と、そのビデオオ
ブジェクト(VOB)が記録されている全ての論理ブロッ
クに対してステップ136の処理を繰り返すことによ
り、VOB#A1のVOBユニット0〜VOBユニット20における
沿岸光景の実写映像が次々とテレビモニタ2上に表れ
る。図44に示した動画パック7による再現画像がテレ
ビモニタ2上に現れたタイミングで副映像パック7で描
画されたメニュ−がこれに重ね合わせられる。
【0192】操作者が世界地図を思い出しながらリモコ
ンキーをあれこれ動かして、副映像パック7で描画され
たメニュ−のアイテムにおいて確定操作を実行したと
する。確定操作を実行すると、図37のフロ−チャ−ト
に示したステップ151でNoとなり、ステップ156に
移行する。ステップ156においてリモコンからの入力
信号が『ENTER』キーであることが判定されてステップ
157に移行する。ここでカーソル位置メモリ33に
アイテムに対応するアイテム番号#1が設定されている
ものとする。ステップ157においてこのアイテム番号
#1が読み出され、ステップ158では、内部に保持して
いるVOBユニット7内の管理情報パック内のアイテム色
情報から確定色が読み出される。続くステップ159に
おいて今カーソルがあるアイテムの『開始-終了座標(X
1,Y1)(X2,Y2)』を確定色に変更するよう副映像デコーダ
88に色番号を指示する。ステップ160では、アイテ
ム番号#1のハイライト情報#1のハイライトコマンドフ
ィールドに記述されているレジスタ操作コマンド『SetR
eg R1,1,"+"』が読み出される。組み込みプロセッサ9
6は、『SetReg R1,1,"+"』コマンドを実行し、オペラ
ンドで指定された汎用レジスタR1の格納内容を"1"だけ
加算する。ここで・、他のアイテムにおいて確定操作が
なされた場合は、NOPコマンドであるので、組み込み
プロセッサ96はコマンドを実行せずに処理を終える。
【0193】このようにハイライトコマンドの実行によ
って正解に応じて汎用レジスタ内において得点が加算さ
れる。一枚目のメニュ−の表示後、ステップ136〜ス
テップ138の処理をステップ135において繰り返し
行うことにより、VOBユニット21〜VOBユニット40の
動画パックがビデオデコーダ87によって映像信号に復
号されて、画面上には列車の移動と共に光景が次々と移
り変わってゆく。ここでVOBユニット25内の動画パッ
ク及び副映像パックが復号されると、図44に示すよう
にテレビモニタ2上にピレネー山脈の頂上が表れる。そ
してVOBユニット25内の副映像パックによって描画さ
れるメニュ−は『ピレネー山脈の全長は?』なる設問を
操作者に問う。
【0194】VOBユニット25によって描画されたメニ
ュ−を見て操作者がリモコンの上下左右キーをあれこれ
動かすとステップ151〜ステップ155においてア
イテムからアイテムへとカーソルを遷移させる。ステ
ップ156〜ステップ161において『Enter』キーが
押下されるとそのアイテムに対応するアイテム情報#
3を読み出し、ハイライトコマンドフィールドに記述さ
れた『SetReg R1,1,"+"』を実行する。アイテム以外
のコマンドで確定操作がなされたなら、何もせずに処理
を終える。このように図44の一例では、映像中の光景
の移り変わりに緻密に同期してメニュ−によって設問が
提示され、これに対する解答で得点が加算される。
【0195】(2.3.3.3)第2動作例・・三枚目のメニュ
−に対しての再生制御> ステップ136〜ステップ138の処理を繰り返し行う
ことにより、VOBユニット41〜VOBユニット61が光デ
ィスクから読み出されてゆき、ビデオデコーダ87、副
映像デコーダ88によってこれらの内部の動画パック及
び副映像パックが映像信号に復号されてゆく。これによ
り先に説明したニーチェの数々の著作を紹介した映像が
画面上に表れる。図44に示した動画パック48による
再現画像においてニーチェの素顔が画面上に現れたタイ
ミングで、副映像パック48によって描画されたメニュ
−が操作者に提示される。
【0196】このメニュ−に対する再生制御は、一、二
枚目に対する再生制御と同一である。上下左右キーに応
じてカーソルをアイテム間で遷移させ、『Enter』キー
が押下されるとそのアイテム情報#1〜#4のうち、現在
カーソルがあるアイテムに対応するハイライトコマンド
フィールド内のコマンドを実行する。ここで正解となる
アイテムがカーソルで指示されている状態で確定操作
が実行されると、アイテム情報#3におけるハイライト
コマンドフィールドに記述されたコマンド『SetReg R1,
1,"+"』を実行する。正解以外のアイテムで確定操作が
なされたなら、何もせずに処理を終える。
【0197】(2.3.3.4)第2動作例・・四枚目のメニュ
−に対しての再生制御 ステップ136〜ステップ138の処理を繰り返し行う
ことにより、VOBユニット61〜VOBユニット80が光デ
ィスクから読み出され、ビデオデコーダ87、副映像デ
コーダ88によって動画パック及び副映像パックが映像
信号に復号されてゆく。これにより先に説明したシェー
クスピア演劇のダイジェスト映像が画面上に表れる。図
44に示したVOBユニット65による再現画像が画面上
に現れたタイミングで、副映像パック65によるメニュ
−による設問が操作者に提示される。
【0198】このメニュ−に対する再生制御は、一〜三
枚目に対する再生制御と同一である。上下左右キーに応
じてカーソルをアイテム間で遷移させ、何れかのアイテ
ム上で『Enter』キーが押下されるとそのアイテム情報
に対応するハイライトコマンド内のコマンドを実行す
る。正解に対応するアイテムで確定操作がなされると、
コマンド『SetReg R1,1,"+"』を実行する。正解以外の
アイテムで確定操作がなされたなら、何もせずに処理を
終える。以上の四枚のメニュ−に対して、操作者は一、
三、四枚目について正解したとする。この正解によって
汎用レジスタの値は3回加算され、汎用レジスタの格納
値は『3』になっている。
【0199】4問のクイズを終えビデオオブジェクトVO
B#A1の再生処理が完了すれば、図35におけるステップ
133〜ステップ138の処理を繰り返す。これにより
プログラムチェーンに再生順序が記述されたVOB#A2、 V
OB#A5、 VOB#A6が順次再生されてゆく。そして、各ビデ
オオブジェクト内では、VOB#A1と同様に4〜5問のクイ
ズが行われ、レジスタR1に得点が集計されてゆく。最後
のビデオオブジェクトVOB#A6の再生が完了するとステッ
プ140に移行する。
【0200】(2.3.3.5)第2動作例・・システム制御部
93による後処理 ビデオオブジェクトVOB#A6の再生が終了したので再生制
御はGOPレベルから経路レベルに移行する。ここでの経
路レベルは後処理であり、図35のフロ−チャ−トのス
テップ140〜ステップ141で実現される。ステップ
140はPGCコマンドテーブルにおける後処理コマンド
の全てについて、以降のステップ141の処理を繰り返
す。
【0201】ここでエントリープログラムチェーンの後
処理コマンドフィールドには、以下1行の分岐系コマン
ドが記述されている。 CmpRegLink R1,10,">",PGC#A3 組み込みプロセッサ96は後処理コマンド開始アドレス
ポインタで指示された箇所において、1行目に記述され
ている条件付き分岐コマンド『 CmpRegLink R1,10,">",
PGC#A3』を取り出す。取り出した後、『CmpRegLink』を
解読することにより、本コマンドが条件付きの分岐コマ
ンドであることを知り、そのオペランド『R1』,『10』,
『">"』を取り出す。この分岐条件フィールドの">"を解
読して組み込みプロセッサ96は、汎用レジスタR1の格
納内容が10以上であるか否かを判定する。ここで、こ
れまでのユーザのクイズに対する正誤の得点結果が格納
されているレジスタR1に10以上の値が格納されていれ
ば、合格を意味する映像表示を行うPGC#A3への分岐を行
う。10以下であれば、後処理コマンドの処理を終了
し、PGC連結情報に格納されるデフォルトの分岐先であ
るPGC#A4への分岐を行い、不合格を意味する映像表示を
行う。すなわち、正誤の得点が10以上か否かで、合格
または不合格の映像を切り替えることになる。
【0202】(2.3.4)第3動作例 図40のボリュームメニュ−においてタイトル『世界一
周クイズ<世界編>』が選択された場合の動作例を第3
動作例として説明する。図41の参照符号c136に示され
るPGC情報#A3及びPGC情報#A4は第2動作例と同様に、ク
イズ用のプログラムチェーンが完了した際に分岐する分
岐先のプログラムチェーンであり、合格あるいは不合格
を意味する映像が格納される。
【0203】PGC情報#A6〜PGC情報#A8は、いずれもクイ
ズであるビデオオブジェクトを3つ再生するプログラム
チェーンであり、VOB#A1〜VOB#A20の中から3つのビデ
オオブジェクトを異なる組み合わせでピックアップして
再生する再生経路をそれぞれ定義している。またPGC情
報#A6〜 PGC情報#A8は第二動作例で説明したPGC情報#A1
と、再生するビデオオブジェクトを除いては同様のPGC
連結情報、後処理コマンド、前処理コマンドを格納す
る。
【0204】PGC情報#A5はタイトル再生開始時に第一に
実行され、再生すべきクイズ用のプログラムチェーン
を、PGC情報#A6〜PGC情報#A8のいずれかからランダムに
一つを決定する。PGC情報#A5のデータ内容を図42
(b)に示す。PGC情報#A5は前処理コマンドとして、
『Random R2,3』が格納される。また、後処理コマンド
としては『CmpRegLink R2,2,"=",PGC#A7』『 CmpRegLin
k R2,1,"=",PGC#A8』が格納され、PGC連結情報としてPG
C#A6が格納される。
【0205】(2.3.4.1)第3動作例・・・・前処理 組み込みプロセッサ96は、図35のステップ131に
おいて、PGCコマンドテーブルの前処理コマンド開始ア
ドレスで指示された位置に記録されているコマンドを取
り出し、これのオペコードを解読する。オペコードは
『Random』であるので即値フィールドから即値『3』を
取り出す。即値を取り出すと、これを上限とした整数乱
数を発生する。発生後レジスタ識別子フィールドからレ
ジスタ識別子『R1』を取り出し、その識別子で指示され
た汎用レジスタR1に発生した乱数を格納して図35のス
テップ132〜ステップ139に移行する。
【0206】(2.3.4.2)第3動作例・・・・後処理 図35のステップ140〜ステップ141における動作
例と同じ多重分岐で汎用レジスタR1の格納値に応じて、
3つの分岐先から一つを選ぶ。汎用レジスタR1には『Ra
ndom』コマンドによって発生した乱数が格納されている
から、後処理コマンドまたはPGC連結情報により3つの
分岐先から任意のものが選ばれることになる。すなわ
ち、PGC情報#A6、PGC情報#A7、PGC情報#A8のいずれか一
つにランダムに分岐することになる。そして、これらの
プログラムチェーンにより指定されるビデオオブジェク
トを順次再生し、クイズをユーザに提示し、ユーザの解
答をレジスタR1に集計する。プログラムチェーンの再生
が完了すれば、レジスタR1の値を動作例2と同様に評価
し、合格であればPGC#A3、不合格であればPGC#A4に分岐
する。
【0207】(2.3.5)第4動作例 第4動作例は第3実施例の応用として説明する。第3実
施例は、ディスク再生装置は乱数によりランダムに次に
再生すべきプログラムチェーンが決定される動作を説明
した。しかし、次に再生すべきプログラムチェーンの決
定を、乱数及び、メニュー項目等のユーザ選択結果との
組み合わせにより決定することも可能である。以下、こ
の場合の動作を説明する。直前のクイズ用プログラムチ
ェーン、例えば、PGC情報#A1のクイズに対するユーザの
解答の正誤による得点がレジスタR1に格納されていると
する。そして、第3動作例と同様に選択される可能性の
あるPGC情報が難易度別に、PGC情報#101〜PGC情報#110
の10個存在するとする(PGC情報#101が易しく、 PGC
情報#110が難しい)。そして、これらのプログラムチェ
ーンから一つのプログラムチェーンを選択するプログラ
ムチェーンとしてPGC情報#B100があったとする。 そし
て、PGC情報#B100の後処理コマンドが以下の内容であっ
たとする。またレジスタR1に格納される得点は0〜20
とする。
【0208】後処理コマンド CmpRegLink R1,10,"<",PGC#100 SetReg R1, 10, "−" Random R2,R1 SetReg R2,100,"+" Link R2 この場合まず得点が10点未満、すなわちあまり良くな
いようであれば一番難易度の易しいPGC#101に分岐する
ことになる。また10点以上の場合は、得点から10を
減算した結果が乱数発生の基底になる。そして発生させ
た乱数値に100を加算することにより存在するPGC情
報の識別コードに変換し、これに分岐する。すなわち、
前回のクイズのプログラムチェーンでの得点結果が優秀
であれば、より幅広い難易度の中から次のクイズのため
のプログラムチェーンが選択され、前回の得点結果が優
秀でない場合は、難易度の低いプログラムチェーンの中
から選ばれることになる。
【0209】以上のように本実施例によれば、ビデオオ
ブジェクトのGOP毎に設けたハイライト情報により、0.5
〜1.0秒精度で映像内容に同期して、動画の再生を中断
することなく、再生制御に関するユーザ指示を受け付け
ることができる。さらに、ビデオオブジェクトに加え
て、複数のビデオオブジェクトの再生順序を再生経路と
して管理するPGC情報を設けることにより、受け付け済
みのユーザ指示を評価し、次に連続再生する1つ以上の
動画及びその再生順位を決定する再生制御が可能にな
る。
【0210】すなわち、映像内容に同期したGOPレベル
の再生制御と、映像内容とは独立に行われる経路レベル
の再生制御とによる2レベルの再生制御により多彩なイ
ンタラクティブ再生が可能となるのである。また、この
ようなGOPレベル、経路レベルといった2レベルの再生
制御を行うことにより、多彩なインタラクティブ再生が
可能であるのに加えて、再生中に同時に必要となる再生
制御のためのメモリ消費を、1つのPGC情報及び1つの
ハイライト情報に抑制することができ、ディスク再生装
置に要求される搭載メモリを抑えることができる。
【0211】尚、本実施例ではPGC情報における『VOB位
置情報テーブル』には、VOBの記録箇所を記載したVO
B位置情報を羅列し、ディスク再生装置にこれに基づい
たVOB読み出しを行わせたが、VOBが占めている記
録箇所の部分領域をVOB位置情報に記載することによ
り、VOBの一部のみを光ピックアップに読み出させる
よう構成してもよい(このような部分読み出しはトリミ
ングと呼ばれる。)。このトリミングされたVOBの一
部はセルという単位で指示される。このようにVOB位置
情報に部分領域を指定させることにより、VOBの一部
のみを巧みに利用でき、映像素材の利用効率が非常に向
上する。
【0212】尚本実施例では、副映像の実施例として字
幕のようなイメージデータを用いたが、ベクターグラフ
ィックスや3次元的なコンピュータグラフィックス(C
G)であってもよい。これらの採用により実写の圧縮動
画とCGの組み合わせによるゲームも実現可能となる。
本実施例においては、1つのVOBユニットを1つのGOPで
構成したが、1つのVOBユニット格納する動画映像の
再生時間が1秒前後になるのであれば1つのGOPに限る
ものではなく、2個や3個の非常に再生時間の短いGOP
から構成されても良いことはいうまでもない。また、こ
の場合、管理情報パックは、連続した複数個のGOPの先
頭に配置され、これら複数のGOPに対して有効な再生制
御情報を格納することになる。
【0213】尚、図11の一例においてアイテムを副映
像で描画したのは、上記の色変換及びコントラスト変換
によるカーソル遷移を実現することを意図したからであ
る。もしこれらのカーソル遷移を意図しないのであれ
ば、動画データでアイテムを描画してもよい。或は、図
11の記述内容を読み上げるナレーションで代用しても
よい。
【0214】また、本実施例ではオーディオデータとし
てPCMデータとAC-3を使用したが、システムストリー
ムにインタリーブできればこれに限るものではなく、圧
縮PCM、MPEGオーディオデータ、MIDIデータ
であっても良い。本実施例では、動画情報にはMPEG
2方式のディジタル動画データの場合で説明したが、音
声や副映像等と共にオブジェクトを形成可能な動画デー
タであればこれに限るものではなく、例えばMPEG1
方式のディジタル動画や、MPEG方式で利用されるD
CT(Discrete Cosine Transform )以外の変換アルゴ
リズムによるディジタル動画であってももちろんよい。
また、本実施例では管理情報パックは動画の復元単位で
あるGOP毎に配置されたが、ディジタル動画の圧縮方
式が異なれば、その圧縮方式の復元単位毎になるのは自
明である。
【0215】また、本実施例のハイライト情報は、その
格納領域を、早送り等のスキップ再生用の制御情報の格
納領域と共有している。早送り等のスキップ再生用の制
御データは映像の復元単位毎に配置されることが必要で
あり、このためハイライト情報を格納する管理情報パッ
クは前述したGOP毎に配置されている。このため、ハ
イライト情報とスキップ再生用制御情報の格納領域を共
有しないのであれば、ハイライト情報を格納する管理情
報パックの配置単位はGOP毎に限るものではなく、0.
5秒〜1.0秒よりも細かな映像再生の同期単位、例えば、
1/30秒毎の映像フレーム単位であってもよいことはいう
までもない。
【0216】また、本実施例ではDVDの読み出し専用デ
ィスクにより説明を行ったが書換可能なディスクであっ
ても効果は同様である。さらに、メニューの概念は広く
ユーザに選択を求める手段であり、実施例で用いたリモ
コン91のテンキーによる選択に何ら限定されるもので
はない。マウス操作であっても、音声による指示であっ
てもより。
【0217】また、インターリーブされる圧縮動画デー
タの数は一つであるとして説明を進めたが本質的に制限
されるものではない。さらに、管理情報パックに含まれ
るコマンドは、ユーザ操作がない場合でも、その部分の
再生が実行時に自動的に実行されるようにしてもよい。
こうすれば、より細かい時間毎に再生制御を行うことが
可能である。
【0218】また、本実施例ではPGC情報に格納される
経路レベルで実行されるコマンドは前処理コマンドと後
処理コマンドとしたが、プログラムチェーンを構成する
VOBの再生前あるいは再生後に実行されるコマンドが
あっても有効である。利用形態としては、例えば、ある
VOBの再生が終われば、その時点でレジスタの値をク
リアする等に利用することができる。
【0219】また、本実施例では経路レベルの再生制御
データであるPGC情報はビデオオブジェクトとは別のデ
ィスク領域に格納されたが、PGC情報の格納領域はこれ
に限らず、ビデオオブジェクト自体に格納しても効果的
である。例えば、新たに第二の管理情報パックを設け、
再生進行が分岐が発生する映像再生区間に、分岐の可能
性のあるPGC情報を格納した第二の管理情報パックをイ
ンターリーブすることにより実現する。この場合、PGC
情報自体もビデオオブジェクトから獲得できるため、デ
ィスク再生装置はディスクシークを発生させる事なく必
要なPGC情報を獲得でき、再生経路切り替え時のユーザ
の待ち時間を実質解消することができる。第34図を例
に説明すると、再生進行の分岐はPGC#A1による再生が完
了した時点で発生する。すなわち分岐は最終再生順位の
ビデオオブジェクトであるVOB#A6の再生が終了した時点
で発生し、分岐先の再生経路はPGC#A3またはPGC#A4であ
る。このため、VOB#A6の終端間際のVOBユニットにPGC#A
3及びPGC#A4を格納する第二の管理情報パックを配置す
る。これによりディスク再生装置は再生進行の分岐点直
前で、分岐に必要なプログラムチェーンをディスクシー
クを発生させることなく獲得し、切り替えることができ
る。尚、この場合、ディスク再生装置にはハイライト情
報バッファと同様の目的で、分岐可能性のあるPGC情報
群を一時的に格納するためのバッファが別途必要にな
る。
【0220】また、本実施例においては、再生進行の分
岐先を決定する動的なパラメータとして乱数を使用した
が、再生毎に動的な値はこれに限るものではなく、タイ
マなどでも良い。また、タイマ割り込み時に別のPGC情
報にリンクを発生させるようなコマンドがあれば、ユー
ザに制限時間内での解答を求め、時間切れで不合格にす
るインタラクティブソフトが実現可能になる。これは教
材等のアプリケーションで特に有効である。
【0221】最後に、本実施例における光ディスクの製
造方法を簡単に説明する。ビデオカメラによって撮影し
た何巻ものビデオテープや、ライブ録音したミュージッ
クテープをマスターとして用意し、これらに収録されて
いる動画、音声をデジタル化して、ノンリニア編集装置
にアップロードする。編集者は、このノンリニア編集装
置上において、フレーム単位に映像、音声を再生させな
がら、グラフィックエディタ等のアプリケ−ションプロ
グラムによってメニュ−、アイテムを作成する。これと
共に、GUIジェネレータ等を用いてハイライトコマンド
を組み込んだ管理情報パックをも作成する。作成後、こ
れらをMPEG規格に準じて符号化して、動画データ、オー
ディオデータ、副映像データ、管理情報パックを生成す
る。生成すると、ノンリニア編集装置上でこれらからVO
Bユニットを作成してゆきVOBを作成してゆく。VOBを作
成すると、VOBにVOB番号を付与して、更にPGC情報#1,#
2,#3,#4・・・・・#n、ビデオファイル部タイトルサーチポイ
ンタテーブル、ビデオファイル管理テーブルを作成し、
ワークステーションのメモリ上において、上述したデー
タ構造を構成する。
【0222】データ構造を構成した後、ファイル領域に
これらを記録できるように、これらのデータを論理デー
タ列に変換する。変換された論理データ列は、磁気テー
プ等の伝達媒体に記録され、さらに物理データ列に変換
される。この物理データ列は、ボリュームデータに対し
てECC(Error Check Code)や、E-F変調、リードイン
領域のデータ、リードアウト領域のデータなどが付加さ
れたものである。この物理データ列を用いて原盤カッテ
ィングは、光ディスクの原盤を作成する。さらにプレス
装置によって作成された原盤から光ディスクが製造され
る。
【0223】上記の製造フローでは、本発明のデータ構
造に関る論理データ列作成装置の一部を除いて、既存の
CD用の製造設備がそのまま使用可能である。この点に
関しては、オーム社「コンパクトディスク読本」中島平
太郎、小川博司共著や、朝倉書店「光ディスクシステ
ム」応用物理学会光学談話会に記載されている。
【0224】
【発明の効果】以上説明したように本発明の光ディスク
記録方法は、制御パケットと、ビデオストリームの部分
区間を格納したビデオパケット列とを含むビデオオブジ
ェクトユニットが複数配されて構成されるビデオオブジ
ェクトを光ディスクに複数記録する記録方法であって、
前記部分区間が再生されている期間において操作者によ
り分岐操作が行われた場合に有効な分岐制御を示す分岐
制御情報を、ビデオオブジェクトユニットに含まれる制
御パケットに格納した後、そのビデオオブジェクトユニ
ットを含むビデオオブジェクトを光ディスクにおける第
1領域に記録し、複数ビデオオブジェクトの再生順序を
示す再生順序情報を、前記第1領域とは別の第2領域に
記録するものである。
【0225】この構成によれば、動画区間の再生によっ
て特定の物体が画面上に現れると、その動画区間に含ま
れている制御情報は、再生進行を再生装置に対して指示
する。このナビゲーション制御により僅か2.0秒〜3.0秒
の期間において再生進行の分岐を操作者に仰ぐような、
映像内容と緻密に同期した分岐先の提示が可能となる。
例えば電車の車窓に、次々と移り変わる風景が表示さ
れ、風景内に特定の建築物、例えば「城」や「橋」が再
生されている期間のみ、これら建築物の紹介映像へと再
生を進行させることができる。
【0226】また、制御情報は動画区間の再生中のみ有
効な単位であるから、既に再生が済んだ動画区間につい
ての制御情報は、次に再生すべき動画区間についての制
御情報を用いて上書きしてゆけば良い。このような上書
きにより、小規模なメモリで、対話性に豊んだ動画デー
タの再生を実現することができる。
【0227】
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本実施例における光ディスクの外観図で
ある。 (b)光ディスクの断面図である。 (c)光スポットが照射される部分の拡大図である。 (d)情報層109上のピット列を示す図である。
【図2】(a)光ディスクの情報層のトラック配置の説
明図である。 (b)光ディスクの情報層の物理セクタの説明図であ
る。
【図3】光ディスクの論理構造を示す図である。
【図4】光ディスクのファイル領域の説明図である。
【図5】ビデオタイトルセットのデータ構造の説明図で
ある。
【図6】動画素材、音声素材、字幕素材とビデオオブジ
ェクト(VOB)内の各パックとの対応関係を示す図であ
る。
【図7】動画パックの内部構造を示す図である。
【図8】オーディオパックの内部構造を示す図である。
【図9】副映像パックの内部構造を示す図である。
【図10】管理情報パックの内部構造を示す図である。
【図11】メニューの一例を示す図である。
【図12】DSIの内部構造を示す図である。
【図13】PCIの内部構造を示す図である。
【図14】ハイライト情報の内部構造を示す図である。
【図15】本実施例における設定系コマンドの一覧を示
す図である。
【図16】ビデオタイトルセット管理情報の内部構造を
示す図である。
【図17】PGCコマンドテーブル及び『VOB位置情報テー
ブル』の内部構造を示す図である。
【図18】再生順序によりVOBが記録されている区間が
部分的に再生されてゆく様子を示す図である。
【図19】本実施例における分岐系コマンドを一覧表示
した図である。
【図20】『VOB位置情報テーブル』によるビデオオブ
ジェクト(VOB)の再生順序を示す説明図である。
【図21】経路レベルの再生制御を説明するための説明
図である。
【図22】前処理コマンド群、後処理コマンド群、ビデ
オオブジェクト(VOB)位置情報の記述例を示す図であ
る。
【図23】第1応用例において素材となる動画データ、
副映像データ、管理情報パックを示す図である。
【図24】第1応用例における動画パック201による
映像と、副映像パックA-101による映像との重ね合わ
せと、管理情報パックP101の相互関係を示す図であ
る。
【図25】第1応用例における動画データ250、副映
像データA-125の重ね合わせと、管理情報パックP1
25の相互関係を示す図である。
【図26】第1応用例における動画データの移り変わり
と、メニュ−とを示す図である。
【図27】多重分岐の一例において分岐先に位置する動
画データを示す図である。
【図28】本実施例における再生装置の外観を示す斜視
図である。
【図29】リモコン91のキー配列の一例を示す。
【図30】本実施例におけるDVDプレーヤ1の内部構成
を示すブロック図である。
【図31】信号分離部86の構成を示すブロック図であ
る。
【図32】システム制御部93の内部構成を示す構成図
である。
【図33】システム制御部93の処理内容を示すメイン
フローチャートである。
【図34】システム制御部93の処理内容を示すメイン
フローチャートである。
【図35】PGC情報に基づいたシステム制御部93の処
理内容を示すフローチャートである。
【図36】管理情報パックの受け取り処理を示すフロー
チャートである。
【図37】リモコン受け付け処理を示すフローチャート
である。
【図38】分岐コマンドに応じた分岐内容を示すフロ−
チャ−トである。
【図39】ビデオマネージャーの内部構成を示す図であ
る。
【図40】ボリュームメニューの一例を示す図である。
【図41】世界一周クイズのビデオタイトルセット管理
情報の記述内容を示す図である。
【図42】(a)PGC情報#A1の記述内容を示す図であ
る。 (b)PGC情報#A5の記述内容を示す図である。
【図43】PGC情報#A1,A2と、VOBとの関係を示す図
である。
【図44】世界一周クイズにおけるVOBの内容を示す
図である。
【図45】PGC情報#A5と、そのPGC情報#A5から分岐され
る様子を示す図である。
【図46】従来から実現されていたインタラクティブ再
生における動画情報の記録と、再生制御情報の記録とを
模式的に示した説明図である。
【符号の説明】
1 DVDプレーヤ 2 テレビモニタ 16 ドライブ機構 31 PGC情報バッファ 81 スピンドルモータ 82 光ピックアップ 83 機構制御部 84 信号処理部 85 AVデコーダ部 86 信号分離部 87 ビデオデコーダ 88 副映像デコーダ 89 オーディオデコーダ 90 映像合成部 91 リモコン 92 リモコン受信部 93 システム制御部 94 バッファメモリ 95 管理情報パックバッファ 96 組み込みプロセッサ 97 作業バッファ 107 DVD 108 透明基板 109 情報層 110 接着層 111 透明基板 112 印刷層 113 光ビーム 114 光スポット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山内 一彦 大阪府寝屋川市石津南町19番1−407号 (72)発明者 三輪 勝彦 大阪府大阪市淀川区野中南一丁目4番地 40−444 (56)参考文献 特開 平6−76479(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 27/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御パケットと、ビデオストリームの部
    分区間を格納したビデオパケット列とを含むビデオオブ
    ジェクトユニットが複数配されて構成されるビデオオブ
    ジェクトを光ディスクに複数記録する記録方法であっ
    て、 前記部分区間が再生されている期間において操作者によ
    り分岐操作が行われた場合に有効な分岐制御を示す分岐
    制御情報を、ビデオオブジェクトユニットに含まれる制
    御パケットに格納した後、そのビデオオブジェクトユニ
    ットを含むビデオオブジェクトを光ディスクにおける第
    1領域に記録し、 複数ビデオオブジェクトの再生順序を示す再生順序情報
    を、前記第1領域とは別の第2領域に記録する、光ディ
    スク記録方法。
  2. 【請求項2】 前記再生順序情報は、光ディスクの再生
    装置に対して操作者が分岐操作を行わない場合における
    複数の動画オブジェクトの再生順序を示していて、 前記分岐制御情報により示される分岐制御は、 再生装置に対して操作者が分岐操作を行った場合におけ
    る再生進行であって、前記再生順序情報に示される再生
    順序にかかわらない再生進行を再生装置に命じる ことを
    特徴とする請求項1記載の光ディスク記録方法。
  3. 【請求項3】 前記分岐制御情報は、分岐再生の指示を
    操作者から受け付けるためのメニューを提示するハイラ
    イト情報を含み、 前記ハイライト情報は、前記メニューのメニュー項目に
    それぞれ対応する1つ以上のアイテム情報を有し、 前記アイテム情報は、前記メニュー項目の配置情報と色
    情報と、分岐制御における分岐先を示す分岐用コマンド
    とを含む、請求項1又は2記載の光ディスク記録方法。
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