JP3146018U - 汚泥界面の測定器 - Google Patents

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Abstract

【課題】汚泥層の厚さの側定が終了した後に、透明の管の中に入った汚泥等の液状体をワンタッチで簡単に排出でき、低コストで製作できる汚泥界面の測定器を提供すること。
【解決手段】汚水浄化施設の汚泥沈殿槽等に沈積された汚泥層の厚さを測定する汚泥界面の測定器であって、汚泥沈殿槽等の内部に挿入される長尺の竿状で両端が開口した透明管体10と、その透明管体の下端開口部11を塞ぐように設けられ、錘に相当する重量があって吊持しない場合は汚泥層中にあっても沈降する栓部材20と、その栓部材に下端側が固定され、透明管体10の内部を通って上端側が透明管体の上端開口部12の上まで延びるように紐状等に設けられ、透明管体の下端開口部11を塞ぐため栓部材20を吊り上げることができる吊り上げ部材30とを具備する。
【選択図】図1

Description

この考案は、汚水浄化施設の汚泥沈殿槽等に沈積された汚泥層の厚さを測定する汚泥界面の測定器に関する。
汚水浄化施設では、汚泥沈殿槽と曝気槽とが組み合わされて浄化槽が構成されている。このような浄化槽においては、各槽における浄化処理の状況を監視して、微生物による浄化作用が適切になされているか否かを検査し、汚泥層が規定よりも厚くなった際には取り除いて適切な処理条件を維持する必要がある。
このため、従来から汚泥沈殿槽等に沈積された汚泥層の厚さを定期的に測定する検査が行われており、それに用いられる汚泥界面の測定器が考案されている。
その汚泥界面の測定器としては、例えば、汚泥沈殿池の内部に挿入されるアクリル管などの透明管状体の下端に、挿入時には内向きに開き、引き上げ時には閉じる逆止弁を設けた汚泥界面計が提案されている(特許文献1参照)。この汚泥界面計によれば、マイクロ波や光センサを用いたものに比較して安価に製作でき、しかも、沈降汚泥の色や沈降状況を直接観察することもできる利点がある。
特開2005−127734号公報(第1頁、図2)
汚泥界面の測定器に関して解決しようとする問題点は、特許文献1に記載の先行技術では、透明の管の中に入った汚泥等の液状体を排出しにくい点にある。つまり、先行技術では、汚泥界面(汚泥層の厚さ)の側定等が終了した後に、汚泥等の液状体を排出するためには、透明の管を逆さにするか逆止弁を何らかの方法で開くなど容易ではない操作を行う必要がある。このため、作業者自身が汚れないように細心の注意を払う必要があり、作業性が悪いという問題が生じる。
そこで本考案の目的は、汚泥層の厚さの側定が終了した後に、透明の管の中に入った汚泥等の液状体をワンタッチで簡単に排出でき、しかも低コストで製作できる汚泥界面の測定器を提供することにある。
本考案は、上記目的を達成するために次の構成を備える。
本考案にかかる汚泥界面の測定器の一形態によれば、汚水浄化施設の汚泥沈殿槽等に沈積された汚泥層の厚さを測定する汚泥界面の測定器であって、前記汚泥沈殿槽等の内部に貯留された液状層に挿入される長尺の中空竿状で両端が開口した透明管体と、該透明管体の下端開口部を塞ぐように設けられ、錘に相当する重量があって吊持されない場合は前記汚泥層中にあっても沈降する栓部材と、該栓部材に下端側が固定され、前記透明管体の内部を通って上端側が前記透明管体の上端開口部の上まで延びるように紐状等に設けられ、前記透明管体の下端開口部を塞ぐため前記栓部材を吊り上げることができる吊り上げ部材とを具備する。
また、本考案にかかる汚泥界面の測定器の一形態によれば、前記透明管体に、長手方向に所要の間隔をおいて目盛が設けられていることを特徴とすることができる。
また、本考案にかかる汚泥界面の測定器の一形態によれば、前記栓部材が前記透明管体の下端開口部を塞いだ状態を維持させるように、前記吊り上げ部材の構成の一部として、中途部に弾性部材が介在すると共に、該弾性部材よりも該吊り上げ部材の上端側に前記透明管体の上端開口部の端縁に引っ掛けられるフック部が設けられていることを特徴とすることができる。
また、本考案にかかる汚泥界面の測定器の一形態によれば、前記弾性部材が、つる巻きバネであることを特徴とすることができる。
また、本考案にかかる汚泥界面の測定器の一形態によれば、前記透明管体の下端に拡径された筒状の形態で下方へ延設され、その下端が側定される液状体が流入する口である拡径流入口になっていることを特徴とすることができる。
また、本考案にかかる汚泥界面の測定器の一形態によれば、前記拡径流入口を形成する筒状の側周壁に、側定される液状体が流入できる流入横穴が設けられていることを特徴とすることができる。
また、本考案にかかる汚泥界面の測定器の一形態によれば、前記栓部材の表面、又は前記透明管体の下端開口部のシール部を形成する下端周縁が、シール性を高めるシール材によって構成されていることを特徴とすることができる。
本考案に係る汚泥界面の測定器によれば、汚泥層の厚さの側定が終了した後に、透明の管の中に入った汚泥等の液状体をワンタッチで簡単に排出でき、しかも低コストで製作できるという特別有利な効果を奏する。
以下、本考案の汚泥界面の測定器に係る最良の形態例を、添付図面(図1〜5)に基づいて詳細に説明する。
図1は本考案の汚泥界面の測定器に係る形態例を示す部分断面正面図である。図1(A)は栓部材で透明管体の下端開口を塞いだ状態を示し、図1(B)は透明管体の下端開口を開放する際のその透明管体の上側の状態を示している。図2は図1の形態例の下端部の詳細を示す断面図である。図2(A)は栓部材で透明管体の下端開口を塞いだ状態を示し、図2(B)は透明管体の下端開口を開放した状態を示している。図3は図1の形態例の浄化槽における使用状態を説明する断面図である。図4は図1の形態例の使用状態を説明する正面図である。図5は本考案の汚泥界面の測定器に係る他の形態例を示す断面図である。
この汚泥界面の測定器は、汚水浄化施設の汚泥沈殿槽40(図3参照)等に沈積された汚泥層41の厚さを測定するために用いられる。なお、この汚泥界面の測定器は、汚泥沈殿槽40や曝気槽から構成される浄化槽に限定されず、汚泥やそれに相当する濁り物質が沈積される液状体の貯留槽において利用できる。
10は透明管体であり、汚泥沈殿槽40等の内部にその検査口40a(図3参照)から貯留された液状層に挿入される長尺の中空竿状で両端が開口している。本形態例の透明管体10は、全体的に透明な管であり、内部に入った汚泥や汚水の状況を適切に観察・検査できるように設けられている。
なお、本形態例の透明管体10は、一本の一体的な長尺の直管であるが、これに限定されず、短い管を適宜接続することで長尺に形成されたものであってよい。また、より深い沈澱槽の中の汚泥層等を測定・検査する場合には、複数本の透明管体10を連結して延長できるように、分割・組み立て自在なものとしてもよい。これによれば、長尺のものであっても運搬性を向上できる。
この透明管体10を形成する管体としては、透明なアクリル管、他の樹脂材質の透明管や、全周に亘って透明ではないが長手方向にスリット状に透明な部分が形成された複合材料から構成される長尺の筒体などを利用できる。複合材料から構成される筒体としては、例えば、ガラスと金属との組み合わせが考えられる。なお、通常の浄化槽では、耐薬品性や耐化学性を特別に要求されないため、その材質を特別に選定する必要性は低いが、側定する対象物によっては、既知の材質から適宜選択に選定すればよい。
また、図1(A)に示すように、この透明管体10には、長手方向に所要の間隔をおいて目盛13が設けられている。この目盛13によって、汚泥層41の厚さを簡単に読むことができ、容易に測定できる。また、汚泥界面42や汚水などの液面43の位置についても容易に確認できる。
なお、本形態例では10cm置きに目盛13を設けてあるが、この目盛13の間隔やその形態は特に限定されるものではなく、使用される場所に応じて適宜設定すればよい。
20は栓部材であり、透明管体の下端開口部11を塞ぐように設けられ、錘に相当する重量があって吊持しない場合は汚泥層41(図3参照)中にあっても沈降するように設けられている。
本形態例の栓部材20は、魚釣りに用いられる錘が流用されている。この栓部材20は、図1又は2に示すように、上部側が実質的に円錐台状に形成されており、下部が実質的に球面状に形成されている。これによれば、円錐台状の斜面21が、透明管体の下端開口部11に形成される内周縁11a(図2(B)参照)に当接することで水密状態にシールし、汚泥や汚水が流れ出ないように透明管体の下端開口部11を閉塞する。
なお、この栓部材20の形態はこれに限らず、透明管体の下端開口部11を閉塞できる形状であればよく、例えば球体であってもよい。
また、栓部材20の表面、又は透明管体の下端開口部11のシール部を形成する下端周縁が、シール性を高めるシール材によって構成されているとよい。
図1〜4に示す本形態例の栓部材20は、魚釣り用の錘を流用したものであり、その表面層が樹脂性の材料によってコーティングされた状態に形成されている。その表面層は、柔軟性と弾力性があり、水密を行うためのシール部として好適に機能する。
また、図5に示すように、栓部材20の側にシール材としての機能がない場合には、図5に示すように、透明管体の下端開口部11のシール部を形成する部分にパッキン15(シール材)を配設すればよい。さらに、栓部材20の表面と、透明管体の下端開口部11の下端周縁との両方をシール材によって設けてもよい。
30は吊り上げ部材であり、栓部材20に下端側が固定され、透明管体10の内部を通って上端側が透明管体の上端開口部12の上まで延びるように紐状等に設けられ、透明管体の下端開口部11を塞ぐため栓部材20を吊り上げることができる。この吊り上げ部材30は、基本的には紐状の形態をしており、簡単に且つ低コストで製造できる。
また、吊り上げ部材30の構成の一部として、栓部材20が透明管体の下端開口部11を塞いだ状態を適切に維持できるように、吊り上げ部材30の中途部に弾性部材32が介在する状態に設けられている。さらに、その吊り上げ部材30の弾性部材32よりも上端側に透明管体の上端開口部12の端縁に引っ掛けられるフック部33が設けられている。このように弾性部材32を介在させることで、その弾性部材32により適度な張力で栓部材20を引っ張り上げる状態になる。なお、このような弾性部材32が設けられない場合、紐をくくり付けて栓部材20でシールすることも可能であるが、紐は緩みやすく、少しでも緩んだ場合はシール性が失われ易いため、確実性については劣る。
図1に示す形態例の吊り上げ部材30では、その下側部分が紐31によって設けられて栓部材20に連結されており、その上側部分で紐31の上端部分に弾性部材32が連結され、さらにその弾性部材32にフック部33が連結されている。また、フック部33の端部(吊り上げ部材30の最上部に相当する部分)には、吊り上げ部材30の全体が透明管体10の内部に落ち込むことを防止する透明管体10の内径より大きな径のリング35が取り付けられている。作業者は、そのリング35を持って吊り上げ部材30の操作を行うことができる。なお、本形態例のフック部33及びリング35は金属の線材によって形成されている。
また、上記の弾性部材32が、つる巻きバネであることで、適切に弾性を生じることができる。これによれば、栓部材20を引き上げて透明管体の下端開口部11を適切な範囲の当接力で塞いだ状態にすることができる。その当接力は比較的広い許容範囲を有するため、実質的に緩みにくく、透明管体の下端開口部11を確実に塞いでその状態を保持できる。また、耐久性があって信頼性も高い。
なお、弾性部材としてはつる巻きバネに限定されるものではなく、ゴムなどの他の弾性材を利用することも可能である。
また、吊り上げ部材30の掛け止め手段としては、上記のようなフック部33に限定されない。例えば、透明管体10の上端縁部などに、紐を掛け止めることができる被掛け止め部を設けることで、吊り上げた状態を維持できるようにしてもよい。より具体的には、透明管体10の上端縁部に長手方向外部に突起する突起部を設け、その部分に紐状の吊り上げ部材を巻き付けるようにしてもよい。
50は拡径流入口であり、透明管体10の下端に拡径された筒状の形態で下方へ延設され、その下端が側定される液状体が流入する口となるように設けられている。
これによれば、栓部材20の上下方向の移動を、その内部において適切にガイドすることができる。従って、栓部材20による透明管体の下端開口部11の閉塞や解放がスムースになされ、汚水や汚泥のサンプリングや、排出を適切に行うことができる。
52は流入横穴であり、拡径流入口50を形成する筒状の側周壁51に、側定される液状体が流入できるように複数が設けられている。これによれば、透明管体の下端開口部11に汚水や汚泥が適切に案内されて流入でき、そのサンプリングを適切に行うことができる。また、汚水や汚泥を、排出する際にも流出口として好適に機能する。
以上の構成による汚泥界面の測定器によれば、透明管体10の下端開口部11が開いた状態(図1(B)、図2(B)参照)で、汚水が貯留されて汚泥が沈積された汚泥沈殿槽40等の内部に挿入すれば、透明管体10の内部に、汚泥沈殿槽40等の内部に貯留された液状層が反映された状態で汚水と汚泥を取り込むことができる(図3参照)。なお、図3に示した形態例では、この汚泥界面の測定器を、汚泥沈殿槽40の底面に突き当たるまで差し入れている。
次に、吊り上げ部材30の操作を介して栓部材20によって透明管体10の下端開口部11を閉じた状態(図1(A)、図2(A)参照)で引き揚げることで、汚泥沈殿槽40等の内部がそのままの状態で反映されて封入されたサンプルを得ることができる。
このため、作業者は、汚泥層の厚さ等を容易且つ適切に測定できると共に、汚泥や汚水の色などの浄化状態を容易且つ適切に観察できる(図4参照)。従って、その測定・検査の作業性と信頼性を向上できる。
そして、汚泥層の厚さの側定等の検査が終了した後に、吊り上げ部材30による栓部材20の吊り上げ状態を緩めると、栓部材20がその重みでシール位置から離れて落下し、透明管体の下端開口部11が開放される(図1(B)、図2(B)参照)。このように透明管体の下端開口部11が開くことで、透明管体10の内部に封入されていた汚泥等の液状体をワンタッチで排出できる。従って、作業者は過度な注意を払うことなく、汚泥等の液状体を簡単且つ適切に排出でき、その作業性を各段に向上できる。
以上、本考案につき好適な形態例を挙げて種々説明してきたが、本考案はこの形態例に限定されるものではなく、考案の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
本考案の汚泥界面の測定器に係る形態例を示す正面図である。 図1の形態例の下端部の詳細を示す断面図である。 図1の形態例の浄化槽における使用状態を説明する断面図である。 図1の形態例の使用状態を説明する正面図である。 本考案の汚泥界面の測定器に係る他の形態例を示す断面図である。
符号の説明
10 透明管体
11 透明管体の下端開口部
12 透明管体の上端開口部
13 目盛
15 パッキン
20 栓部材
30 吊り上げ部材
31 紐
32 弾性部材
33 フック部
40 汚泥沈殿槽
41 汚泥層
42 汚泥界面
50 拡径流入口
51 側周壁
52 流入横穴

Claims (7)

  1. 汚水浄化施設の汚泥沈殿槽等に沈積された汚泥層の厚さを測定する汚泥界面の測定器であって、
    前記汚泥沈殿槽等の内部に貯留された液状層に挿入される長尺の中空竿状で両端が開口した透明管体と、
    該透明管体の下端開口部を塞ぐように設けられ、錘に相当する重量があって吊持されない場合は前記汚泥層中にあっても沈降する栓部材と、
    該栓部材に下端側が固定され、前記透明管体の内部を通って上端側が前記透明管体の上端開口部の上まで延びるように紐状等に設けられ、前記透明管体の下端開口部を塞ぐため前記栓部材を吊り上げることができる吊り上げ部材とを具備することを特徴とする汚泥界面の測定器。
  2. 前記透明管体に、長手方向に所要の間隔をおいて目盛が設けられていることを特徴とする請求項1記載の汚泥界面の測定器。
  3. 前記栓部材が前記透明管体の下端開口部を塞いだ状態を維持させるように、前記吊り上げ部材の構成の一部として、中途部に弾性部材が介在すると共に、該弾性部材よりも該吊り上げ部材の上端側に前記透明管体の上端開口部の端縁に引っ掛けられるフック部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の汚泥界面の測定器。
  4. 前記弾性部材が、つる巻きバネであることを特徴とする請求項3記載の汚泥界面の測定器。
  5. 前記透明管体の下端に拡径された筒状の形態で下方へ延設され、その下端が側定される液状体が流入する口である拡径流入口になっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の汚泥界面の測定器。
  6. 前記拡径流入口を形成する筒状の側周壁に、側定される液状体が流入できる流入横穴が設けられていることを特徴とする請求項5記載の汚泥界面の測定器。
  7. 前記栓部材の表面、又は前記透明管体の下端開口部のシール部を形成する下端周縁が、シール性を高めるシール材によって構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の汚泥界面の測定器。
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