JP3145254B2 - 多層構造円筒体 - Google Patents
多層構造円筒体Info
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- JP3145254B2 JP3145254B2 JP25617794A JP25617794A JP3145254B2 JP 3145254 B2 JP3145254 B2 JP 3145254B2 JP 25617794 A JP25617794 A JP 25617794A JP 25617794 A JP25617794 A JP 25617794A JP 3145254 B2 JP3145254 B2 JP 3145254B2
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- winding
- pitch
- cylindrical body
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- Moulding By Coating Moulds (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、保護用の円筒状部材
に関し、特に可撓性を付与するために線材を螺旋に巻き
付けてなる円筒体に関するものである。
に関し、特に可撓性を付与するために線材を螺旋に巻き
付けてなる円筒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】外装体として所定の圧潰強度に加えて可
撓性を要求される場合、従来、適当な線材を螺旋状にか
つ多層に巻いてなる円筒体が知られている。図3および
図4にその一例を示してあり、ここに示す多層構造円筒
体1は、適当な基筒2の外周面に金属線あるいは高剛性
の合成樹脂線などの線材3が螺旋状に巻き付けられ、そ
の外周に中間層4を介して外層側の線材5が螺旋状に巻
き付けられ、さらに最外周に外装被膜6が形成されてい
る。
撓性を要求される場合、従来、適当な線材を螺旋状にか
つ多層に巻いてなる円筒体が知られている。図3および
図4にその一例を示してあり、ここに示す多層構造円筒
体1は、適当な基筒2の外周面に金属線あるいは高剛性
の合成樹脂線などの線材3が螺旋状に巻き付けられ、そ
の外周に中間層4を介して外層側の線材5が螺旋状に巻
き付けられ、さらに最外周に外装被膜6が形成されてい
る。
【0003】したがってこの種の円筒体1であれば、内
外周それぞれの線材3,5が所定の剛性を持っているの
で、圧潰強度を確保することができ、またそれらの線材
3,5が螺旋状に巻き付けられているので、円筒体1の
全体として可撓性を示す。
外周それぞれの線材3,5が所定の剛性を持っているの
で、圧潰強度を確保することができ、またそれらの線材
3,5が螺旋状に巻き付けられているので、円筒体1の
全体として可撓性を示す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の円筒体1が可撓
性を示すのは、線材3,5の捩り変形と巻き付けピッチ
の変化とが共に生じるからである。具体的には、曲げの
内周側では線材3,5の巻き付けピッチが小さくなり、
反対に外周側では線材3,5の巻き付けピッチが大きく
なり、このような変形に伴って各線材3,5に捩りが生
じる。
性を示すのは、線材3,5の捩り変形と巻き付けピッチ
の変化とが共に生じるからである。具体的には、曲げの
内周側では線材3,5の巻き付けピッチが小さくなり、
反対に外周側では線材3,5の巻き付けピッチが大きく
なり、このような変形に伴って各線材3,5に捩りが生
じる。
【0005】しかるに、従来では、線材3,5の巻き付
け方向を異ならせることがあるとしても、内外層とも、
巻き付け直径に対する巻き付けピッチの比率を同じに
し、あるいは内層の巻き付け半径が小さいことに伴い内
層の線材3の巻き付けピッチを小さくしており、そのた
めに、曲げに伴い内層と外層との間に生じる応力が大き
くなる。すなわち上記従来の円筒体では、曲げに伴う内
外層の線材のピッチの変化による実質的な巻き付け直径
の増大によって内層と外層との間で圧縮応力が生じ、そ
の結果、線材3,5の摩耗や両者の間の介在物の損傷な
どによって円筒体1の全体としての耐久性が低下する不
都合があった。
け方向を異ならせることがあるとしても、内外層とも、
巻き付け直径に対する巻き付けピッチの比率を同じに
し、あるいは内層の巻き付け半径が小さいことに伴い内
層の線材3の巻き付けピッチを小さくしており、そのた
めに、曲げに伴い内層と外層との間に生じる応力が大き
くなる。すなわち上記従来の円筒体では、曲げに伴う内
外層の線材のピッチの変化による実質的な巻き付け直径
の増大によって内層と外層との間で圧縮応力が生じ、そ
の結果、線材3,5の摩耗や両者の間の介在物の損傷な
どによって円筒体1の全体としての耐久性が低下する不
都合があった。
【0006】この発明は、上記の事情を背景としてなさ
れたもので、内外層の間での応力を低減させて耐久性を
向上させることのできる多層構造円筒体を提供すること
を目的とするものである。
れたもので、内外層の間での応力を低減させて耐久性を
向上させることのできる多層構造円筒体を提供すること
を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、線材をそれぞれ螺旋状に巻き付けて
なる内層と外層とを有する多層構造円筒体であって、前
記内層における線材の巻き付け直径に対する螺旋のピッ
チの比率が、外層における線材の巻き付け直径に対する
螺旋のピッチの比率より大きく設定されているととも
に、前記内層と外層との間に被保護材が介在されている
ことを特徴とするものである。
を達成するために、線材をそれぞれ螺旋状に巻き付けて
なる内層と外層とを有する多層構造円筒体であって、前
記内層における線材の巻き付け直径に対する螺旋のピッ
チの比率が、外層における線材の巻き付け直径に対する
螺旋のピッチの比率より大きく設定されているととも
に、前記内層と外層との間に被保護材が介在されている
ことを特徴とするものである。
【0008】
【0009】
【作用】この発明の円筒体を曲げた場合、内外層それぞ
れの線材に捩りと巻き付けピッチの変化とが生じ、また
それに伴い巻き付け直径がその曲げ部分の近傍で大きく
なる。しかしながらこの発明においては、内層での線材
の螺旋が、巻き付け直径に対するピッチの比率が外層に
おけるそれよりも大きいために、曲げに伴う巻き付け直
径の増大が抑制され、その結果、内外層の間での応力が
小さくなる。
れの線材に捩りと巻き付けピッチの変化とが生じ、また
それに伴い巻き付け直径がその曲げ部分の近傍で大きく
なる。しかしながらこの発明においては、内層での線材
の螺旋が、巻き付け直径に対するピッチの比率が外層に
おけるそれよりも大きいために、曲げに伴う巻き付け直
径の増大が抑制され、その結果、内外層の間での応力が
小さくなる。
【0010】
【実施例】つぎにこの発明を実施例に基づいて説明す
る。図1において、合成材料からなる所定の基筒10の
外周面に、内層側の線材11が螺旋状に巻き付けられて
いる。この線材11は鋼線やアルミニウム線あるいは比
較的剛性の高い合成樹脂線などからなるものであり、そ
の複数本が互いに密着した状態で基筒10の外周面に巻
き付けられている。
る。図1において、合成材料からなる所定の基筒10の
外周面に、内層側の線材11が螺旋状に巻き付けられて
いる。この線材11は鋼線やアルミニウム線あるいは比
較的剛性の高い合成樹脂線などからなるものであり、そ
の複数本が互いに密着した状態で基筒10の外周面に巻
き付けられている。
【0011】またこの内層側の線材11の外周側には、
ゴムや繊維などからなるシート材である保護材12,1
2によって挟んだ被保護材13が配置されている。この
被保護材13は、一例として、前記線材11より脆弱も
しくは柔軟な線条体である。さらにこの保護材12,1
2で挟んだ被保護材13の外周側には、外層側の線材1
4が螺旋状に巻き付けられている。この線材14は、内
層側の線材11と同様に、鋼線やアルミニウム線あるい
は比較的合成の高い合成樹脂線などからなるものであ
り、その複数本が互いに密着した状態で巻き付けられて
いる。そして最外周に外層被覆15が設けられている。
ゴムや繊維などからなるシート材である保護材12,1
2によって挟んだ被保護材13が配置されている。この
被保護材13は、一例として、前記線材11より脆弱も
しくは柔軟な線条体である。さらにこの保護材12,1
2で挟んだ被保護材13の外周側には、外層側の線材1
4が螺旋状に巻き付けられている。この線材14は、内
層側の線材11と同様に、鋼線やアルミニウム線あるい
は比較的合成の高い合成樹脂線などからなるものであ
り、その複数本が互いに密着した状態で巻き付けられて
いる。そして最外周に外層被覆15が設けられている。
【0012】これら内外層の線材11,14の巻き付け
方向は、互いに同じでもよく、あるいは反対でもよい
が、その螺旋の状態は、以下のように異なっている。す
なわち図2に示すように、内層の線材11に対して外層
の線材14が密に巻き付けられており、具体的には、内
層の線材11の巻き付け直径Di に対する螺旋のピッチ
Pi の比率(Pi /Di )が、外層の線材14の巻き付
け直径Do に対する螺旋のピッチPo の比率(Po /D
o )より大きく設定されている。
方向は、互いに同じでもよく、あるいは反対でもよい
が、その螺旋の状態は、以下のように異なっている。す
なわち図2に示すように、内層の線材11に対して外層
の線材14が密に巻き付けられており、具体的には、内
層の線材11の巻き付け直径Di に対する螺旋のピッチ
Pi の比率(Pi /Di )が、外層の線材14の巻き付
け直径Do に対する螺旋のピッチPo の比率(Po /D
o )より大きく設定されている。
【0013】上記の円筒体を曲げた場合、内層を構成し
ている線材11および外層を構成している線材14のそ
れぞれが、螺旋の緩みによって膨らもうとするが、内層
を構成している線材11は、上述のようにいわゆる疎に
巻き付けられているから、曲げに伴う膨らみが外層より
も少なくなる。その結果、内外層の間で生じる圧縮力が
小さくなり、前記被保護材13の圧潰が防止される。
ている線材11および外層を構成している線材14のそ
れぞれが、螺旋の緩みによって膨らもうとするが、内層
を構成している線材11は、上述のようにいわゆる疎に
巻き付けられているから、曲げに伴う膨らみが外層より
も少なくなる。その結果、内外層の間で生じる圧縮力が
小さくなり、前記被保護材13の圧潰が防止される。
【0014】
【0015】またこの発明は、上記の実施例に限定され
ないのであって、線材を螺旋に巻き付けてなる層は3層
以上設けてもよい。また螺旋のピッチに対する直径の比
率は、例えば内層で“13”、外層で“7”程度とする
ことができるが、この値は必要に応じて適宜に設定する
ことができる。
ないのであって、線材を螺旋に巻き付けてなる層は3層
以上設けてもよい。また螺旋のピッチに対する直径の比
率は、例えば内層で“13”、外層で“7”程度とする
ことができるが、この値は必要に応じて適宜に設定する
ことができる。
【0016】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
螺旋状に巻き付けられ線材の巻き付け直径に対するピッ
チの比率を、外層に対して内層で大きくしたので、曲げ
に伴う直径の増大すなわち膨らみが内層で小さくなり、
そのため内外層の間での圧縮応力を抑制して両者の圧潰
や摩耗を防止し、ひいては耐久性を向上させることがで
きる。また内外層の間に被保護材を配置した場合には、
その被保護材の圧潰や摩耗を未然に防止することができ
る。
螺旋状に巻き付けられ線材の巻き付け直径に対するピッ
チの比率を、外層に対して内層で大きくしたので、曲げ
に伴う直径の増大すなわち膨らみが内層で小さくなり、
そのため内外層の間での圧縮応力を抑制して両者の圧潰
や摩耗を防止し、ひいては耐久性を向上させることがで
きる。また内外層の間に被保護材を配置した場合には、
その被保護材の圧潰や摩耗を未然に防止することができ
る。
【図1】この発明の一実施例を示す断面図である。
【図2】線材の巻き付けピッチを説明するための説明図
である。
である。
【図3】従来の円筒体の一例を示す断面図である。
【図4】従来の円筒体における線材の巻き付けピッチを
説明するための説明図である。
説明するための説明図である。
11,14…線材、 13…被保護材、 Pi ,Po …
巻き付けピッチ、 Di ,Do …巻き付け直径。
巻き付けピッチ、 Di ,Do …巻き付け直径。
Claims (1)
- 【請求項1】 線材をそれぞれ螺旋状に巻き付けてなる
内層と外層とを有する多層構造円筒体であって、前記内
層における線材の巻き付け直径に対する螺旋のピッチの
比率が、外層における線材の巻き付け直径に対する螺旋
のピッチの比率より大きく設定されているとともに、前
記内層と外層との間に被保護材が介在されていることを
特徴とする多層構造円筒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25617794A JP3145254B2 (ja) | 1994-09-26 | 1994-09-26 | 多層構造円筒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25617794A JP3145254B2 (ja) | 1994-09-26 | 1994-09-26 | 多層構造円筒体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0890691A JPH0890691A (ja) | 1996-04-09 |
JP3145254B2 true JP3145254B2 (ja) | 2001-03-12 |
Family
ID=17288984
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25617794A Expired - Fee Related JP3145254B2 (ja) | 1994-09-26 | 1994-09-26 | 多層構造円筒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3145254B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011091006A2 (en) * | 2010-01-19 | 2011-07-28 | Souhegan Wood Products Inc. | Structural cylinder with conformable exterior |
US10807829B2 (en) | 2016-09-14 | 2020-10-20 | Souhegan Wood Products Inc. | Reinforced wood fiber core |
USD876208S1 (en) | 2017-09-08 | 2020-02-25 | Souhegan Wood Products Inc. | Winding core |
US11772315B1 (en) | 2019-08-14 | 2023-10-03 | Souhegan Wood Products Inc. | Reinforced wood fiber core and method of making thereof |
-
1994
- 1994-09-26 JP JP25617794A patent/JP3145254B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0890691A (ja) | 1996-04-09 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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