JP3144690B2 - 予荷重ボルトの安全装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、予荷重ボルト、高い予荷重が与えられる液
圧予荷重ボルトに関するものであり、さらに詳しくは本
発明はかかる予荷重ボルトの安全装置を提供する。

異なる部材を互にロックするものとして、ボルトとナ
ットの結合が広く知られている。さらに、ナットが締め
られる前にボルトを軸方向に引張っておくことも知られ
ており、これにより、運転中にナットが緩んでしまうこ
とを阻止する内部応力をボルト結合に与える。

この種の、ボルト結合は、例えば蒸気そしてガスター
ビンのケーシングを圧力容器に固定するケーシングボル
トに用いられる。かかる応用分野では大きな予荷重が要
求され、ボルト結合は、組込みそして予荷重時に非常に
高い引張り応力を生じ、これは、組込みそして予荷重時
にボルトが最終的に破損するかも知れない亀裂を生ずる
危険性が常にあるということを意味する。

破壊テストの結果、縦方向に配されたボルトでは、重
いナットそしてボルトの破片が、ボルトの残部から離れ
て、かかる破壊時に空中を数十メートルにまで飛ぶであ
ろうことが示されている。これは、勿論、設備を破損し
人に傷害をもたらす大きく重大な危険をもたらす。

本発明の目的は、かかる予荷重ボルト結合のための安
全装置を提供し、これによって上述の傷害や障害を著し
く抑制することにあり、これを遂行するための本発明に
よる安全装置が請求項１に特徴づけられている。

以下、添付図面に示されている非限定的な実施例を参
照しつつ本発明を説明する。

図１は、本発明による安全装置をもつボルト結合装置
の縦断面図である。図２ないし図４は図１の部分拡大図
である。

図１は、例えば圧力容器壁のような第一要素１の部分
の縦断面を示し、その中には盲ねじ孔２が形成されてい
て、ここに、ボルト３のねじ自由端が螺入される。ボル
ト３の軸部４は、例えば圧力容器のケーシングをなす第
二要素６の貫通孔５で隙間をもって通されている。

スラストワッシャー７が、第二要素６の貫通孔５を囲
んで形成された第二要素６の環状溝８内に配置されてい
る。このスラストワッシャー７は、第二要素６とスラス
トワッシャー７から突出せるボルト３のねじ端部に螺合
されるナット９のためのサポートとして機能する。ボル
ト３の自由端には、ねじが形成されたテーパ状の中央溝
10が開口形成されており、ここには連結片12のねじテー
パ部11が螺合され、該連結片12は他端に円筒ねじ部13を
有しておりそして所望の予荷重を生ずるためにボルト３
を引張る流体圧装置の一部を形成する。連結片の非ねじ
部12とねじ部13との間にはアダプタ12aが設けられてい
る。この装置はナット９等を囲むように配された間座カ
ラー14を有しており、その下端面はスラストワッシャー
７面上にある。この間座カラー14は、この組立体を締め
つけあるいは分解するための工具16がナット９に近づけ
るようにしたスロット開口15を有している。流体圧装置
は、さらに、流体圧シリンダを形成する実質的に環状を
なす二つの環状部材17,18を有し、その中に流体圧ピス
トン19と上述のアダプタ12aが配されており、流体圧ピ
ストン19は連結片12のねじ端部13にしっかりと連結さ
れ、アダプタ12aは端部13にしっかりと連結されて第二
流体圧ピストンとしてとして機能する。接続器20はピス
トン19に設けられていてピストン19と流体圧シリンダ18
との間の空間に加圧流体を供給するための流路21に接続
されており、一方、他の接続器20aが環状部材17に設け
られていてアダプタ12aと部材17との間の空間に加圧流
体を供給する。両接続器は、好ましくは、同時に同じ圧
力の流体が供給される。さらに他の接続器22が引戻しピ
ストン24（図３参照）を経由して流体圧シリンダの内部
と連通する流路23に接続されている。

ボルトに予荷重を生じせしめる装置は、従来、良く知
られている。加圧された流体が流体圧シリンダ17,18と
流体圧ピストン19との間に導入されたとき、これは図示
されているように軸方向に上方へ移動し、それによって
ボルト13を伸ばす引張り力をボルト３に印加し、これは
工具16を用いてナット９を締めることにより確実に予荷
重状態とされる。しかし、もしも、かかる予荷重付与中
に、材料損傷あるいは他の理由で、ボルトが破壊された
ときには、装置の重い部品が緩んで上方に飛び出し、も
し安全装置がなかったならそのような事故が置きなかっ
ただろうということになる。

このような理由で、本発明では、連結片12のねじ端部
13の終端へねじ26（図２参照）を介してしっかりと取り
つけられそして上記ねじ端部13に同軸線に配されたアウ
タースリーブ25を有する安全装置を備えている。このア
ウタースリーブ25内そして連結片12から離れた該アウタ
ースリーブ25の端部には、中間スリーブ27が配設されて
おり、そこには、中央貫通孔29を有する拡張プラグ28が
配設されている。この拡張プラグ28の中央貫通孔29は、
連結片12そしてそのテーパ部11そしてボルト３の対応貫
通孔30,31と一致した位置にある。上記貫通孔31内のボ
ルト３の底部には、内ねじ33（図４参照）をもつインサ
ート32が配されている。この同一軸線上の一連の孔29,3
0,31には引張りバー34が貫通して延びており、下端がイ
ンサート32のねじ部33にしっかりとしかし取外し自在に
取り付けられており、そして該引張りバー34は拡張プラ
グ28に受け入れられ、そして外側に設けられたナット35
を介してこれに固定されている。

この形式の安全装置を用いて、もしボルトの破損が生
じたときには、拡張プラグ28、スリーブ27そしてシリン
ダ25との間での摩擦力で組合せられる中央に位置する引
張りバー34が、破損時にボルトの底部分から離れるであ
ろう要素が飛び出すという危険性なしに、放出エネルギ
ーを吸収するということを保証する。

上記装置に、引張りバー34の頂部に接続されるダイア
ル指示計を組込むことによって、瞬時におけるボルト３
の伸びと予荷重を計測することをさらに可能とする。

このようにボルト結合された各ボルトを伸張して緊締
した後に、液圧装置と安全装置が好ましくは取り外され
るが、これは、引張りバー34をボルト３の下部でのイン
サート32への連結から、そして連結片12のテーパ部11を
ボルトの上端での凹部13から、それぞれ引張りバー34の
ねじ締めを外すことにより容易に行なわれ、その結果、
液圧装置に取り付けられているリフトバー37を用いるこ
とによって、ユニット全体がもち上げられるようにな
る。

本発明は、図面に示されこれに関連して説明された実
施形態には限定されず、特許請求の範囲内での修正そし
て変形が可能である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B25B 29/02 B23P 19/06

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ボルトに予荷重を与えるとき、組込み状態
   でボルトに内部応力を与えるためにボルトに高予荷重を
   液圧により加えるときに用いられる安全装置であって、
   ボルト（３）が第一端で第一要素（１）に取り付けられ
   そして第二要素（６）を貫通して延びており、第二要素
   は第一要素にクランプされ、液圧予荷重装置（11−14,1
   7−19）が、ボルト（３）を軸線方向に伸張して上記内
   部応力を生じさせるために、上記ボルトの第二端に一時
   的に適用されるものにおいて、上記安全装置が安全引張
   りバー（34）を有し、該引張りバー（34）が上記ボルト
   （３）の第一端に取外し自在に取りつけられ、ボルト
   （３）の中央孔（31）を通って延び、さらに液圧予荷重
   装置（11−14,17−19）を通り、拡張プラグ（28）内で
   反対端に近接して保持されていて、上記プラグ（28）を
   案内するスリーブ（25）との摩擦によって、予荷重操作
   時にボルト（３）の破壊のときの放出エネルギーを吸収
   する対抗保持を生ずるようになっていることを特徴とす
   る安全装置。
2. 【請求項２】拡張プラグ（28）とその案内スリーブ（2
   5）は、ボルト（３）から遠く位置する予荷重装置（11
   −14,17−19）の一部上にあってここで取外し自在に取
   付けられていることを特徴とする請求の範囲1.に記載の
   装置。
3. 【請求項３】引張りバー（34）の上端部が、ボルト
   （３）の瞬時の軸方向伸張を表示するためのダイヤル指
   示計の計測端と協働するようになっていることとする請
   求の範囲1.又は2.に記載の装置。