JP3144074U - 壁用部材、及びこれを用いた壁構造 - Google Patents

壁用部材、及びこれを用いた壁構造 Download PDF

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Abstract

【課題】美観に優れ、防水対策上においても有利な壁用部材、及び壁構造を提供する。
【解決手段】後側用係合凹部3Bの内周であって、該後側用係合凹部3Bの主板部2寄り位置に先端隠蔽用段部20を形成した。第一壁用部材1Aの前側用係合凹部と、第二壁用部材1Bの後側用係合凹部3Bとを面接触状に重ね合わせると、前側用係合凹部の先端15と、該後側用係合凹部3Bの先端隠蔽用段部20の側壁21とが突き合わされて近接し、該先端15が該後側用係合凹部3Bの先端隠蔽用段部20の後側に配置される。このように、該先端隠蔽用段部20が先端15側に張り出した配置となると、該先端15が該先端隠蔽用段部20に隠れることとなり、壁面Pにおいて露出せず、正面から繋ぎ目部分が見えない。
【選択図】図2

Description

本考案は、例えば下見材である壁用部材、及びこれを用いた壁構造に関するものである。
例えば、いわゆる下見材としての金属製壁用部材は、既に知られている(例えば、特許文献1参照)。また、該壁用部材は、両方の側端部に、主板部に対して背面側に凹んだ係合凹部が各々形成されており、複数の壁用部材を既設の壁用下地材表面に並べると共に、当該壁用部材の側端部にある係合凹部と、隣接する他の壁用部材の側端部にある係合凹部とを重ね合わせ、この重ね合わせ部分にビスや釘等の固定手段(図示省略)を貫設させて、前記壁用下地材表面に固定し、壁構造としていくこともよく知られている。
以下、図5に従って、重ね合わせ部分である係合部を具体的に説明する。
第一壁用部材a1と第二壁用部材a2とを並べて配設する場合にあっては、第一壁用部材a1の一方の側端部に形成された前側用係合凹部b1を前側に、第二壁用部材a2の他方の側端部に形成された後側用係合凹部b2を後側に配して、両係合凹部b1,b2を面接触状に重ね合わせて係合させる。そして、該係合部に図示しないビス等が打ち付けられて、壁用下地材表面に固定される。なお、この側端部が重ね合わされた状態では、第二壁用部材a2の先端cが、壁面側に露出する。
特開平09−158491号公報
しかしながら従来構成は、上記係合部において、前側に配された壁用部材の先端が表面の壁面側に露出するため、壁面を正面から観察した場合に、壁用部材の繋ぎ目部分が一目で把握可能となってしまい、この繋ぎ目部分により広範な壁面が意匠的に分断され、美観が悪いという問題があった。また、この係合部にはビスや釘等の固定手段が一定間隔で打ち付けられるところ、打ち付け部分の周辺は該壁用部材が僅かに変形して前記繋ぎ目部分の間隙が広がりやすく、特に該繋ぎ目部分が目立ってしまうという問題もあった。また、このように、繋ぎ目部分の間隙が壁面側に露出すると、雨水等が浸入しやすくなり、防水上問題となる。
そこで本考案は、美観に優れ、防水性にも優れた壁用部材、及びこれを用いた壁構造を提供することを目的とする。
本考案は、表面が壁面となる金属製板部材からなる壁用部材であって、該壁面の主体となる主板部と、該主板部の両側にある側端部とを備え、一方の側端部には、該主板部に対して背面側に凹んだ前側用係合凹部が形成され、かつ、他方の側端部には、該主板部に対して背面側に凹んだ後側用係合凹部が形成され、前記前側用係合凹部と、隣接する他の壁用部材の後側用係合凹部とが、該前側用係合凹部が該後側用係合凹部の前側に配されるようにして面接触状に重ね合わされて、既設の壁用下地材表面に並設されるものであると共に、前記後側用係合凹部の内周であって該後側用係合凹部の主板部寄り位置には、前記前側用係合凹部の先端の肉厚より厚い段高さの先端隠蔽用段部が該後側用係合凹部の内周面に対して起立状に形成され、前記前側用係合凹部と前記後側用係合凹部とが重ね合わされた状態で、該前側用係合凹部の先端と該後側用係合凹部の先端隠蔽用段部の側壁とが突き合わされて、該先端が該後側用係合凹部の先端隠蔽用段部の後側に配置されることを特徴とする壁用部材である。
また、上記の壁用部材が、壁面となる表面を前側に向けて既設の壁用下地材表面に複数並設されてなる壁構造であって、前記前側用係合凹部の先端が、隣接する他の壁用部材の前記後側用係合凹部の先端隠蔽用段部の後側に配置されることにより、該先端が該先端隠蔽用段部に隠れて壁面において露出しないことを特徴とする壁構造が提案される。
上記の本考案にあっては、前側用係合凹部の先端が本考案に係る先端隠蔽用段部の壁部に近接又は密接することとなり、該先端の前方に該先端隠蔽用段部が張り出して該先端が該先端隠蔽用段部の後側に位置するため、壁面を正面視した場合に繋ぎ目部分が隠れて見えない。したがって、壁用部材の繋ぎ目部分が一見して把握されてしまうことがなく、広範囲の壁面を一体的に見せることが可能となり、壁構造の美観が向上する利点がある。なお、本考案は、繋ぎ目部分が隠れて見えないため、該繋ぎ目部分から雨水等が浸入することが困難となり、防水対策上においても利点がある。
本考案は、一方の壁用部材の先端が、隣接する他の壁用部材の先端隠蔽用段部により隠れるため、美観が良く、しかも防水対策上も優れているという効果がある。
本考案の実施例を添付図面に従って説明する。
図1に示すように、本考案に係る下見材としての壁用部材1は、金属製板部材で構成され、図3に示すように、本考案に係る壁構造10は、該壁用部材1が、既設の壁用下地材30(例えば左右方向に延びる杆状の胴縁)の表面に複数並べて固定されてなる。すなわち、前記壁用部材1の表面が壁構造10の壁面Pとなる。
ここで、前記壁用部材1を複数並べる場合には、隣り合う壁用部材1の側端部5をそれぞれ重ね合わせて該壁用下地材30の表面に組み付ける。なお、かかる壁構造10における壁用部材1と壁用下地材30との配置関係にあっては、壁用部材1側を前側とし、壁用下地材30側を後側としている。
前記壁用部材1は、表面が壁面Pの主体となる主板部2と、該主板部2の両側にそれぞれ配される側端部5とを具備している。また、前記主板部2には、意匠性向上、剛性向上の観点から、鉛直方向に沿って形成される凹部3が一定間隔で設けられている(図1,3参照)。
上述の各凹部3は、図1に示すように、主板部2に対して背面側へ凹んだ横断面ほぼコ字形状とされ、平坦な底部14と、該底部14の両側から傾斜状に起立して主板部2に連成する側壁部13,13とを有している。なお、該主板部2に設けられる凹部3は、後述の側端部5に設けられる係合凹部3A,3Bと差別化すべく、非係合凹部3Cとしている。
図1に示すように、前記主板部2の左右両側にある側端部5にも、該主板部2に対して背面側へ凹んだ凹部3が設けられている。ここで、前記壁構造10を構成する際には、該側端部5を、隣接する他の壁用部材1の側端部5と重ね合わせて並置するところ、重ね合わされた状態で前側に配される側端部5を前側用側端部5Aとし、後側に配される側端部5を後側用側端部5Bとしている。図1においては、左端の側端部5が前側用側端部5Aであり、右端の側端部5が後側用側端部5Bである。
さらに、前記の前側用側端部5Aに設けられた凹部3を前側用係合凹部3Aとし、前記の後側用側端部5Bに設けられた凹部3を後側用係合凹部3Bとしている。ここで、本実施例においては、図1に示すように、前側用係合凹部3Aの外側の側壁部13の端縁が、当該壁用部材1の左端の端縁となり、これに対し、後側用係合凹部3の先には所定長さの接続代18が設けられている。そして、該接続代18の端縁が、当該壁用部材1の右端の端縁となっている。なお、該接続代18は、他の壁用部材1と面接触して側端部5の係合状態を安定させる意図で設けられているが、省略されて接続代18がない構成も本考案に当然含まれる。
次に、本考案の要部に係る後側用係合凹部3Bの詳細について、図2に従って説明する。
図2に示すように、前記後側用係合凹部3Bの内周であって、該後側用係合凹部3Bの主板部2寄り位置には、先端隠蔽用段部20が形成されている。
前記先端隠蔽用段部20は、当該後側用係合凹部3Bの側壁部13が屈曲成形されて形成されるものであり、前記前側用係合凹部3Aの先端15の肉厚より厚い段高さLで、該後側用係合凹部3Bの内周面に対して起立している。さらに詳述すると、該先端隠蔽用段部20は、主板部2側では該主板部2と連続して形成されて、段差無く主板部2と繋がっており、一方、後側用係合凹部3Bの底部14側では、段差となる側壁21を介して該底部14と繋がっている。
次に、本考案に係る壁構造10の施工手順について説明する。具体的には、図2に従って、第一壁用部材1Aと第二壁用部材1Bとを壁用下地材30の表面に並べて取り付ける手順を説明する。
第一壁用部材1Aと、第二壁用部材1Bとを壁用下地材30の表面に隣接して配置すると共に、該第一壁用部材1Aの前側用側端部5Aを前側に配置し、第二壁用部材1Bの後側用側端部5Bを後側に配置して両側端部5A,5Bを重ね合わせる。さらには、該前側用側端部5Aの前側用係合凹部3Aと、後側用側端部5Bの後側用係合凹部3Bとを、両底部14,14が面接触状となるように重ね合わせて係合させる。
両係合凹部3A,3Bが重ね合わされた状態にあっては、図2に示すように、該前側用係合凹部3Aの先端15と、該後側用係合凹部3Bの先端隠蔽用段部20の側壁21とが突き合わされて近接することとなる。ここで、先端隠蔽用段部20は、係合状態の先端15側に張り出すこととなるため、該先端15が該先端隠蔽用段部20の後側に配置され、該先端15が壁面P側において露出しないこととなる。すなわち、当該壁構造10の壁面Pを、ほぼ正面から観察した者は、該先端15が該先端隠蔽用段部20の後ろに隠れているため、壁用部材1A,1Bの繋ぎ目部分を視認することができない。
このように、壁用部材1(1A,1B)の繋ぎ目部分が一見して把握できない構成であると、全体として壁面Pを一体的に見せることが可能となる。また、壁用部材1間の隙間へ雨水等が浸入し難くなり、防水対策上においても利点がある。
なお、上記壁用部材1は、係合凹部3A,3Bが重ね合わされた係合部Qと、壁用下地材30との交差部位に、ビスや釘等の固定手段(図示省略)を貫設して該壁用下地材30表面に固定される。かかる固定構造は、公知技術が好適に採用される。また、前記壁用部材1は、母材としての金属板(例えば、板厚0.35mm〜0.5mmのカラーGL鋼板)を公知の折曲加工によって成形して得られる。ところで、該壁用部材1の高さ寸法h(図3参照)は、例えば、5m〜10mの範囲で設定されるが、勿論、施工現場の条件に応じて適宜変更可能である。
なお、前記係合凹部3A,3Bは、重なり合って互いに係合するものであり、その寸法形状及び配置は、互いに組み付けた時に適正に係合可能となるように設定される。また、前側用係合凹部3の先端15は、先端隠蔽用段部20の側壁21に突き合わされた状態で該側壁21と接触してもよいし、非接触であってもよく、要は、該先端15が該先端隠蔽用段部20により正面から見た場合に隠れて見えないように適宜設計変更される。また、前記凹部3の断面形状は、該実施例に限定されず、例えば横断面円弧状のものであってもよい。また、図4に示すように、主板部2中央に適宜凹溝25を配して、壁面Pの意匠性を向上させるようにしてもよい。
また、そのほか、本考案は、上記実施例に限定されるものでなく、本考案の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更することは勿論可能である。
壁用部材1の横断面図である。 係合部Qの拡大断面図である。 壁構造10の正面図である。 変形例に係る壁用部材1の横断面図である。 従来構成における係合部の拡大断面図である。
符号の説明
1 壁用部材
1A 第一壁用部材
1B 第二壁用部材
2 主板部
3 凹部
3A 前側用係合凹部
3B 後側用係合凹部
5 側端部
5A 前側用側端部
5B 後側用側端部
10 壁構造
15 先端
20 先端隠蔽用段部
21 側壁
30 壁用下地材
L 段高さ
P 壁面

Claims (2)

  1. 表面が壁面となる金属製板部材からなる壁用部材であって、
    該壁面の主体となる主板部と、該主板部の両側にある側端部とを備え、
    一方の側端部には、該主板部に対して背面側に凹んだ前側用係合凹部が形成され、かつ、他方の側端部には、該主板部に対して背面側に凹んだ後側用係合凹部が形成され、
    前記前側用係合凹部と、隣接する他の壁用部材の後側用係合凹部とが、該前側用係合凹部が該後側用係合凹部の前側に配されるようにして面接触状に重ね合わされて、既設の壁用下地材表面に並設されるものであると共に、
    前記後側用係合凹部の内周であって該後側用係合凹部の主板部寄り位置には、前記前側用係合凹部の先端の肉厚より厚い段高さの先端隠蔽用段部が該後側用係合凹部の内周面に対して起立状に形成され、
    前記前側用係合凹部と前記後側用係合凹部とが重ね合わされた状態で、該前側用係合凹部の先端と該後側用係合凹部の先端隠蔽用段部の側壁とが突き合わされて、該先端が該後側用係合凹部の先端隠蔽用段部の後側に配置されることを特徴とする壁用部材。
  2. 請求項1に係る壁用部材が、壁面となる表面を前側に向けて既設の壁用下地材表面に複数並設されてなる壁構造であって、
    前記前側用係合凹部の先端が、隣接する他の壁用部材の前記後側用係合凹部の先端隠蔽用段部の後側に配置されることにより、該先端が該先端隠蔽用段部に隠れて壁面において露出しないことを特徴とする壁構造。
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