JP3142397U - 温室の屋根構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】既存のガラス温室に、透明フィルムの二重屋根を容易に敷設する。
【解決手段】垂木10と、嵩上げレール20と、垂木カバー30と、フィルム押さえ40とを用いてガラス板G及び透明フィルムFを固定する。嵩上げレール20は、垂木10の上側パッキン嵌合溝に抜け止め状態で嵌合する下端膨らみ部を全長に渡って備えている。垂木カバー30は、ネジが螺合できる幅を有し、上端を拡張部とされた段付き溝からなる上開放溝が形成された支柱部36を備えている。ガラス板G,Gを垂木10と垂木カバー30の間に挟み付けると共に、透明フィルムFを垂木カバー30とフィルム押さえ40の間に挟み込み、フィルム押さえ40の上から嵩上げレール20に至る長さのネジを用いて、フィルム押さえ40及び垂木カバー30を、嵩上げレール20に対してネジ止め固定する。
【選択図】図1

Description

本考案は、各種の農作物や園芸植物等の栽培に使用する温室の改良に係り、特に、温室をガラス等の透明板と、農業用フィルム等の透明フィルムとによって屋根を二重構造とするための技術に関する。
従来、ガラス温室において、保温性能を高めるために屋根を二重構造とする提案がなされている(例えば、特許文献1,2)。
特許文献1は、ガラス板で構成された屋根の内側に透明フィルムを張り渡すことを提案している。
特許文献2は、二重ガラスを用いることを提案している。
特開平4−173025号公報(特許請求の範囲) 特開2004−105132号公報(要約)
特許文献1に記載された技術は、ガラス温室の内側に透明フィルムを張り渡す作業やメンテナンス作業が困難になるという問題点がある。特許文献2に記載された技術は、高価な二重ガラスを用いなければならないという問題点がある。
また、特許文献1,2に記載された技術は、既存のガラス温室に対して屋根を改造して二重構造にしたいという要望には応えることができない。
そこで、本考案は、施工並びにメンテナンスが容易な二重構造屋根を提供することを第1の目的とし、さらに、既存の温室にも適用できる様にすることを第2の目的とする。
上記第1の目的を達成するためになされた本考案の温室の屋根構造は、ガラス板を下方から支える下側パッキンを嵌合保持することのできる垂木と、ガラス板を上方から押さえる垂木カバーと、ガラス板から所定距離離して透明フィルムを張設するためのフィルム押さえと、を用いて以下の様に構成される。
(11)前記垂木は、以下の構成を備えていること。
(11a)抜け止め状態で下側パッキンの下部の膨らみを嵌合させる下側パッキン嵌合溝を左右両翼部の全長に渡って備えていること。
(12)前記垂木カバーは、以下の構成を備えていること。
(12a)前記下側パッキンと共同して前記ガラス板の挟持を行うための左右の脚部と、該左右の脚部間を連結する中央部と、該中央部から上方に伸ばされた支柱部とを備える断面形状とされていること。
(12b)前記支柱部の幅方向中心に上開放溝が長手方向に沿って形成されていること。
(12c)前記支柱部の上開放溝は、前記ネジ止めに際して使用するネジが螺合できる幅に形成されると共に、その上端が当該ネジ止めに際して使用するネジの軸の太さよりも幅広の拡張部となる様に段付き溝として形成されていること。
(13)前記フィルム押さえは、前記垂木カバーの支柱部の上端の外壁間隔よりも広い内壁間隔を有するキャップ部材として構成されていること。
(14)前記垂木カバーの脚部の下面に防水テープを介在させ、前記垂木に嵌合された下側パッキンとの間にガラス板を挟み付けると共に、前記フィルム押さえと前記支柱部の上端との間に透明フィルムを挟み込ませた状態で、前記フィルム押さえの上から前記垂木に至る長さのネジを用いて、該フィルム押さえ及び前記垂木カバーを、前記垂木に対してネジ止め固定した構造であること。
ここで、垂木カバーの支柱部の上開放溝のネジを螺合できる幅の部分には、左右の内壁面には、上下方向にずらして長手方向に伸びる突条を形成しておくとよい。また、垂木にも、垂木カバーの支柱部の上開放溝と一直線になる様に、内壁面に同様の突条が形成された上開放溝を全長に渡って備えさせておくとよい。さらに、フィルム押さえには、上面中心に三角形断面の溝を全長に渡って刻設しておくと、ネジ止めに際してネジの先端の位置あわせが容易になる。
上記第2の目的を達成するためになされた本考案の温室の屋根構造は、ガラス板を下方から支える下側パッキンを嵌合保持することのできる垂木と、嵩上げレールと、ガラス板を上方から押さえる垂木カバーと、ガラス板から所定距離離して透明フィルムを張設するためのフィルム押さえと、を用いて以下の様に構成される。
(21)前記垂木は、以下の構成を備えていること。
(21a)抜け止め状態で下側パッキンの下部の膨らみを嵌合させる下側パッキン嵌合溝を左右両翼部の全長に渡って備えていること。
(22b)抜け止め状態で上側パッキンの下部の膨らみを嵌合させる上側パッキン嵌合溝を本体中央部に全長に渡って備えていること。
(22)前記嵩上げレールは、以下の構成を備えていること。
(22a)前記垂木の前記上側パッキン嵌合溝に抜け止め状態で嵌合する下端膨らみ部を全長に渡って備えていること。
(22b)前記ネジ止めに際して使用するネジが螺合できる幅に形成された上開放溝を備えていること。
(22c)前記上開放溝の上端から左右に張り出して前記垂木カバーを下から支持する垂木カバー支持部を全長に渡って備えていること。
(23)前記垂木カバーは、以下の構成を備えていること。
(23a)前記嵩上げレールの前記垂木カバー支持部によって支持される平板部と、該平板部の左右から斜め下方に向かって末広がりに伸びる傾斜板部と、該傾斜板部の下端から前記平板部と平行に外へ向かって伸びる脚部とを備えていること。
(23b)前記平板部から上方に伸びる支柱部が形成されていること。
(23c)前記支柱部の幅方向中心に上開放溝が長手方向に沿って形成されていること。
(23d)前記支柱部の上開放溝は、前記ネジ止めに際して使用するネジが螺合できる幅に形成されると共に、その上端が当該ネジ止めに際して使用するネジの軸の太さよりも幅広の拡張部となる様に段付き溝として形成されていること。
(24)前記フィルム押さえは、前記垂木カバーの支柱部の上端の外壁間隔よりも広い内壁間隔を有するキャップ部材として構成されていること。
(25)前記垂木の下側パッキン嵌合溝に下側パッキンを嵌合させると共に、該垂木の上側パッキン嵌合溝に前記嵩上げレールを嵌合させ、前記垂木カバーの脚部の下面に防水テープを介在させた状態で前記垂木に嵌合された下側パッキンとの間にガラス板を挟み付けると共に、前記フィルム押さえと前記支柱部の上端との間に透明フィルムを挟み込ませた状態で、前記フィルム押さえの上から前記嵩上げレールに至る長さのネジを用いて、該フィルム押さえ及び前記垂木カバーを、前記嵩上げレールに対してネジ止め固定した構造であること。
この考案においても、垂木カバーの支柱部の上開放溝のネジを螺合できる幅の部分には、左右の内壁面には、上下方向にずらして長手方向に伸びる突条を形成しておくとよい。また、嵩上げレールの上開放溝も、内壁面に同様の突条が形成された上開放溝としておくとよい。さらに、フィルム押さえには、上面中心に三角形断面の溝を全長に渡って刻設しておくと、ネジ止めに際してネジの先端の位置あわせが容易になる。
本考案によれば、ガラス板の上方に所定距離を開けて透明フィルムを張設して、ガラス板と透明フィルムとによる二重構造の屋根を敷設することができる。この作業において、透明フィルムはガラス板の外側に位置するので、屋根の上から作業することができ、温室内に足場を組む必要がない。従って、透明フィルムの張り替え作業も容易に実施することができる。
また、嵩上げレールをも備えた構成の本考案によれば、大型上押さえパッキンを使用している既存の温室に対して、容易に二重構造屋根への改装をすることができる。
次に、本考案の実施の形態について説明する。実施形態としての温室の屋根構造は、図1,図2に示す様に、垂木10と、嵩上げレール20と、垂木カバー30と、フィルム押さえ40とを用いてガラス板G及び透明フィルムFを固定する。
垂木10は、元々は、図3に示す様に、左右両翼部に下側パッキンP1,P1を、本体中央部に上側パッキンP2を嵌合させることのできるものである。このため、図1,図2に示す様に、抜け止め状態で下側パッキンP1,P1の下部の膨らみを嵌合させる下側パッキン嵌合溝11,11を左右両翼部の全長に渡って備えている。また、抜け止め状態で上側パッキンP2の下部の膨らみを嵌合させる上側パッキン嵌合溝13を本体中央部に全長に渡って備えている。
嵩上げレール20は、図1,図2に示す様に、上側パッキンP2の代わりに嵌合さるため、垂木10の上側パッキン嵌合溝13に抜け止め状態で嵌合する下端膨らみ部21を全長に渡って備えている。また、左右壁面において上下方向にずらして形成された長手方向に伸びる突条22が形成された内壁面を有する上開放溝23を全長に渡って備えている。さらに、上開放溝23の上端から左右に張り出して垂木カバー30を下から支持する垂木カバー支持部24,24を全長に渡って備えている。
垂木カバー30は、図1,図2に示す様に、嵩上げレール20の垂木カバー支持部24,24によって支持される平板部31と、平板部31の左右から斜め下方に向かって末広がりに伸びる傾斜板部32,32と、傾斜板部32,32の下端から平板部31と平行に外へ向かって伸びる脚部33,33とを備えている。また、平板部31の下面には、嵩上げレール20の垂木カバー支持部24,24がちょうど嵌り込む様に、垂直壁35,35が全長に渡って備えられている。さらに、平板部31の上面中央には、上方に伸びる支柱部36が形成されている。
支柱部36には、幅方向中心に上開放溝37が長手方向に沿って形成されている。この支柱部36の上開放溝37は、ネジ止めに際して使用するネジが螺合できる幅に形成されている共に、その上端が当該ネジ止めに際して使用するネジの軸の太さよりも幅広の拡張部38となる様に段付き溝として形成されている。また、上開放溝37の内壁面には、左右壁面において上下方向にずらして長手方向に伸びる突条39が形成されている。
フィルム押さえ40は、図1,図2に示す様に、垂木カバー30の支柱部36の上端の外壁間隔よりも広い内壁間隔を有するキャップ部材として構成されている。また、その上面中心には、三角形断面の溝41を全長に渡って刻設されている。
そして、図1に示す様に、垂木10の下側パッキン嵌合溝11,11に下側パッキンP1,P1を嵌合させると共に、垂木10の上側パッキン嵌合溝13に嵩上げレール20を嵌合させ、垂木カバー30の脚部33,33の下面に防水テープT,Tを貼り付ける。そして、この防水テープT,Tが貼り付けられた脚部33,33と、下側パッキンP1,P1との間にガラス板G,Gを挟み付けると共に、フィルム押さえ40と支柱部36の上端との間に透明フィルムFを挟み込ませた状態とする。そして、フィルム押さえ40の上から嵩上げレール20に至る長さのネジを用いて、フィルム押さえ40及び垂木カバー30を、嵩上げレール20に対してネジ止め固定する。
本実施形態によれば、図3に示した様な既存の温室に対して、透明フィルムFを用いた二重構造の屋根へと容易に改装することができる。
以上、本考案の一実施の形態について説明したが、本考案はこの実施の形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内においてさらに種々の形態を採用することができることはもちろんである。
例えば、新規に温室を建設するならば、上述した実施形態の垂木10と嵩上げレール20が一体化された型材を垂木として用いる様にすればよい。
実施形態の温室の屋根構造を示す断面図である。 実施形態の温室の屋根構造を構成する各部品の断面図である。 既存温室の屋根構造の断面図である。
符号の説明
10・・・垂木
11・・・下側パッキン嵌合溝
13・・・上側パッキン嵌合溝
20・・・嵩上げレール
21・・・下端膨らみ部
22・・・突条
23・・・上開放溝
24・・・垂木カバー支持部
30・・・垂木カバー
31・・・平板部
32・・・傾斜板部
33・・・脚部
35・・・垂直壁
36・・・支柱部
37・・・上開放溝
38・・・拡張部
39・・・突条
40・・・フィルム押さえ
41・・・三角形断面の溝
F・・・透明フィルム
G・・・ガラス板
P1,P1・・・下側パッキン嵌合溝
P2・・・上側パッキン嵌合溝

Claims (2)

  1. ガラス板を下方から支える下側パッキンを嵌合保持することのできる垂木と、ガラス板を上方から押さえる垂木カバーと、ガラス板から所定距離離して透明フィルムを張設するためのフィルム押さえと、を用いて以下の様に構成される温室の屋根構造。
    (11)前記垂木は、以下の構成を備えていること。
    (11a)抜け止め状態で下側パッキンの下部の膨らみを嵌合させる下側パッキン嵌合溝を左右両翼部の全長に渡って備えていること。
    (12)前記垂木カバーは、以下の構成を備えていること。
    (12a)前記下側パッキンと共同して前記ガラス板の挟持を行うための左右の脚部と、該左右の脚部間を連結する中央部と、該中央部から上方に伸ばされた支柱部とを備える断面形状とされていること。
    (12b)前記支柱部の幅方向中心に上開放溝が長手方向に沿って形成されていること。
    (12c)前記支柱部の上開放溝は、前記ネジ止めに際して使用するネジが螺合できる幅に形成されると共に、その上端が当該ネジ止めに際して使用するネジの軸の太さよりも幅広の拡張部となる様に段付き溝として形成されていること。
    (13)前記フィルム押さえは、前記垂木カバーの支柱部の上端の外壁間隔よりも広い内壁間隔を有するキャップ部材として構成されていること。
    (14)前記垂木カバーの脚部の下面に防水テープを介在させ、前記垂木に嵌合された下側パッキンとの間にガラス板を挟み付けると共に、前記フィルム押さえと前記支柱部の上端との間に透明フィルムを挟み込ませた状態で、前記フィルム押さえの上から前記垂木に至る長さのネジを用いて、該フィルム押さえ及び前記垂木カバーを、前記垂木に対してネジ止め固定した構造であること。
  2. ガラス板を下方から支える下側パッキンを嵌合保持することのできる垂木と、嵩上げレールと、ガラス板を上方から押さえる垂木カバーと、ガラス板から所定距離離して透明フィルムを張設するためのフィルム押さえと、を用いて以下の様に構成される温室の屋根構造。
    (21)前記垂木は、以下の構成を備えていること。
    (21a)抜け止め状態で下側パッキンの下部の膨らみを嵌合させる下側パッキン嵌合溝を左右両翼部の全長に渡って備えていること。
    (22b)抜け止め状態で上側パッキンの下部の膨らみを嵌合させる上側パッキン嵌合溝を本体中央部に全長に渡って備えていること。
    (22)前記嵩上げレールは、以下の構成を備えていること。
    (22a)前記垂木の前記上側パッキン嵌合溝に抜け止め状態で嵌合する下端膨らみ部を全長に渡って備えていること。
    (22b)前記ネジ止めに際して使用するネジが螺合できる幅に形成された上開放溝を備えていること。
    (22c)前記上開放溝の上端から左右に張り出して前記垂木カバーを下から支持する垂木カバー支持部を全長に渡って備えていること。
    (23)前記垂木カバーは、以下の構成を備えていること。
    (23a)前記嵩上げレールの前記垂木カバー支持部によって支持される平板部と、該平板部の左右から斜め下方に向かって末広がりに伸びる傾斜板部と、該傾斜板部の下端から前記平板部と平行に外へ向かって伸びる脚部とを備えていること。
    (23b)前記平板部から上方に伸びる支柱部が形成されていること。
    (23c)前記支柱部の幅方向中心に上開放溝が長手方向に沿って形成されていること。
    (23d)前記支柱部の上開放溝は、前記ネジ止めに際して使用するネジが螺合できる幅に形成されると共に、その上端が当該ネジ止めに際して使用するネジの軸の太さよりも幅広の拡張部となる様に段付き溝として形成されていること。
    (24)前記フィルム押さえは、前記垂木カバーの支柱部の上端の外壁間隔よりも広い内壁間隔を有するキャップ部材として構成されていること。
    (25)前記垂木の下側パッキン嵌合溝に下側パッキンを嵌合させると共に、該垂木の上側パッキン嵌合溝に前記嵩上げレールを嵌合させ、前記垂木カバーの脚部の下面に防水テープを介在させた状態で前記垂木に嵌合された下側パッキンとの間にガラス板を挟み付けると共に、前記フィルム押さえと前記支柱部の上端との間に透明フィルムを挟み込ませた状態で、前記フィルム押さえの上から前記嵩上げレールに至る長さのネジを用いて、該フィルム押さえ及び前記垂木カバーを、前記嵩上げレールに対してネジ止め固定した構造であること。
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