JP3142327U - ループターン回路の蛍光灯 - Google Patents

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Abstract

【課題】重量の増加を抑え、目標エネルギー効率80%の100V.40W.型蛍光灯を提供する。
【解決手段】40W.型蛍光管には、バラストに「Q値」の良い電磁コイル(L)及びインダクター(l)を用い、それらのリアクタンス分で白熱灯の場合の直動抵抗を肩代りし、バラスト損失を低減する。また、回流路に流れる負荷電流(i)と、電源からの入力電流(I)とを限り無く近づける様に、電磁コイルのイングクタンス(L)とコンデンサーのキャパシタンス(C)及びインダクターのインダクタンス(l)の割合を適正に決定することにより、入力電流(I)を必要最少限にする。電源周波数の高調波を適宜発生させる事により、物体からの反射光を異なる数種の波長とすることにより、視認性の向上を計ると共に、実効周波数が高くなる分、電磁コイルとインダクターのインダクタンスを節約し、それらの小型軽量化を計る。
【選択図】図1

Description

考案の詳細な説明
民生用照明灯
「特開2006−173076」「軽量蛍光灯」、乃至、最近取得した「登録第3138830号」「「陽連環」付蛍光管を用いた「ハイブリッド軽量蛍光灯」」は、軽量化を追及した為、入力制限抵抗(業界では、「バラスト」と言う。)として、白熱灯を用いていることに対する、業界からの「批評」の通り、そのエネルギー効率は30ワット管を境にして短小蛍光管程良く、長大管程、消費電流の2乗に比例して悪化する。
「注」最大手メーカー書簡「照明器具に関するご提案について」平成19年1月5日付
考案が解決しようとする課題
前記考案の、バラストに白熱灯を用い、低圧電灯線電圧100V.系で用いる最大型の、陽連環付40W.型蛍光灯具のエネルギ一効率は、独自の計算方式(白熱灯出力の2分の1は有効利用したものと考える。)によっても、70%をかなり下回った。
重量の増加を抑え、目標エネルギー効率80%の100V.40W.型蛍光灯を実現したい。
課題を解決するための手段
40W.型蛍光管には、バラストに「Q値」の良い電磁コイル(L)及びインダクター(l)を用い、それらのリアクタンス分で白熱灯の場合の直動抵抗を肩代りし、バラスト損失を低減する。
32W.型蛍光管も同様であるが、軽量化を優先する場合には白熱灯を用いる。
また、回流路に流れる負荷電流(i)と、電源からの入力電流(I)とを限り無く近づける様に、電磁コイルのイングクタンス(L)とコンデンサーのキャパシタンス(C)及びインダクターのインダクタンス(l)の割合を適正に決定することにより、入力電流(I)を必要最少限にする。
電源周波数の高調波を適宜発生させる事により、物体からの反射光を異なる数種の波長とすることにより、視認性の向上を計ると共に、実効周波数が高くなる分、電磁コイルとインダクターのインダクタンスを節約し、それらの小型軽量化を計る。
考案実施の形態
回流路に流れる振動電流の勢力を維持する為に必要な励磁電流は、普通、電源からコンデンサー(C)を経由して電源側に直接還流するバイパス電流によると考えられるが、この場合、入力電流(I)は励磁電流と負荷の振動電流(i)の合計値であるから、入力電流(I)の方が負荷電流(i)より大きいのが普通である。然るに、電磁コイルのインダクタンス(L)に対する、コンデンサーのキャパシタンス(C)、インダクターのインダクタンス(l)の各々の間の割合を「請求項2」、「請求項3」の様に選定することを条件に、蛍光管の端子電圧は、最高に高くなり、入力電流(I)は次第に減少し、遂に負荷電流(i)に等しいか、少となり得る。この時、励磁電流は零に近くなると考えられる。
この状態は、「図1」の、電磁コイル(L)を通った入力電流(I)は、先づコンデンサー(C)に流入し、次いで蛍光管を含む回流路に於いて「宙返り」をした後、一度通ったコンデンサー(C)に再度流入し、その中で交差し、電源に帰還するのと等価である。
この状態を「宙返り」即ち「「ループターン」回路になる。」と称することにする。
これは、最少の入力電流(I)≒蛍光管の負荷電流(i)、であり、しかも、蛍光管の端子電圧が条件中最大であるから、出力は最高、エネルギー効率も当然最高になる。
入力電流(I)が電磁コイルのインダクタンス(L)とコンデンサーのキャパシタンス(C)の間で部分的共振状態を形成して、コンデンサー(C)を通過する度に両者のリアクタンスの差によって、振動電流内には電源周波数の高調波が発生し、その波が更に高次の高調波を誘発する。
簡単な光学観察用具(宇宙コマ)を用いて高調波の発生状況を観察したところ、1次の電源周波数の基本波の外に、2次、3次、4次の少なくとも4種類の波の存在が観察された。また既に解明されている負荷電流(i)の計算式中のω(=2πf)、但しfは高調波を含めた実効周波数で、ω=668としなければ理論計算値が計測値と一致しない例からも推定出来る。ちなみに基本周波数f=60Hzの時、ω=377。
「図1」即ち「請求項1」の回路に於ける負荷電流(i)の力率調整用インダクター(l)を省略した場合の点灯試験結果は次の通りであった。L=0.28H(0.34H@50Hz)使用
1).即時点灯性;優、驚くほど良好で点灯管は不要である。:照度(1m);100Lx.
2).入力98V.×0.50A.49VA.;44W.:回流路出力66V.(管端子)×0.48A.(i);32VA.21W.(蛍光管19W.同損失3W.):電磁コイル損失23W.:コンデンサー;65V.×0.64A.
3).蛍光管の輝度は殆ど無く、電極フィラメントが異常に赤色を呈す。回路の力率は計算上0.9であるが、蛍光管の力率悪く0.66。電磁コイルの損失が異常に大きい。
負荷電流の入力電圧に対する位相差が非常に大きく130°位いと推定した。
4).高調波は前述の通り、4次までの存在を確認、観察面は蛍光色を呈していた。
「図1」の通り、インダクター(l)を負荷電流(i)の回路に挿入して点灯試験をした。
1).即時点灯性;良;点灯可能限界電圧96V.:再点灯性;優:照度(1m)250Lx.
2).入力;35.3VA;35W.(98V.×0.36A.):出力35VA(97V.×0.36A.);34.5W.(蛍光管27W.同損失1W.インダクタコイル損失2W.);電磁コイル損失5W.:コンデンサー;98V.×0.68A.
3).蛍光管の出力は、コンデンサー容量を1〜2μF程追加すれば手軽に上げられる。冷態始動時、低周波振動電流から高次高調波に発達する過程で、かなり「チラツキ」が発生するが、一旦整定後の再点灯(温態始動)は問題無い。波形が正弦波ではなくなり、入力よりも出力の方が高く算出されるから、波形率による修正を要した。
4).高調波は、3次までの存在を確認。4次高調波はインダクターに阻止された模様。
考案の効果
「陽連環」と「高調波」の相乗効果により、電磁コイルが大幅に軽量化した。
電磁コイル等の発熱部が低温に抑制され、高効率と言える。従って、FCL40型管を最外側の常用灯として用い、加勢灯として中央にFCL30用白熱灯とその蛍光管、臨時加勢灯として中間にFCL32型管を配した、3重連のリビングキッチン用・ペンダント灯に組み込むのに好適である。実施例の電磁コイルのインダクタンスは、0.25Hでよいからその重量は、従来型30ワット型灯具の良質安定器(100V.×0.62A.,0.34H、重量600gr)から推定し、電流(I=0.5A.60Hz)の実施例に対しては、400gr以内で製作出来る筈である。従って、インダクタンス0.03Hのインダクターの重量を200grとしても、合わせて600grとなるから、上記3重連のペンダント灯の完成重量は1.8kg以内に出来ると思う。高効率のインバーター式天井灯より、総合的光効率で有利である。
今回の改善で、低圧電灯線系で使用する一般家庭用の全ての蛍光管種に渡って軽量、簡素化、省エネ、省資源化の目途が立ち、照明灯革命の幕明けと考えている。
新たな問題、冷態からの始動時に発生する「チラツキ」は、低周波の振動電流が高調波に発達する過程に於ける不可避の現象と思われ、回流路に挿入したサーミスター(T)の特性が適正でなければ、消すことは難しい。一旦、整定後は極めて安定する。
一般に、白熱灯をバラストに用いる灯具には、電源電圧の変動に弱いと言う弱点があるが外部擾乱は一過性のものが多く、また、小フェライト磁石で抑制可能である。
もう一つの問題は現行の点灯管との相性の問題があるが、これも新方式灯具の商品化の時点で修正すれば良い簡単な問題である。
「ループターン回路の蛍光灯」の電気回路図である。
符号の説明
▲1▼蛍光管 ▲2▼白熱灯 ▲3▼点灯管 ▲4▼スイッチ ▲5▼差し込みプラク゜ ▲6▼環 ▲7▼輪環 ▲17▼リード線
C;フイルムコンデンサー(12.2〜15μF×250V.@60Hz Use):D;整流ダイオード(0.5A.)
L;電磁コイル(100V.×0.5A.,0.25〜0.3H.@60Hz Use):T;サーミスター(50→0Ω)
1;インダクター(100V.×0.5A.,0.03〜0.04H.@60Hz Use):PS;パワーアップ・スイッチ

Claims (3)

  1. 電磁コイル(L)とコンデンサー(C)から成る直列共振回路の、コンデンサー(C)に並列に蛍光管を設置し、コンデンサー(C)から、蛍光管を経由してコンデンサーに戻る回流路の途中にインダクター(l)と、サーミスター(T)を直列に設けた蛍光灯。
  2. 「請求項1」のコンデンサー(C)の容量を、電磁コイル(L)と共振関係となる特定容量の約2分の1にしたことを特徴とするする蛍光灯。
  3. 「請求項1」のインダクター(l)のインダクタンスを、電磁コイル(L)のインダクタンスの7分の1から8分の1程度にしたことを特徴とする蛍光灯。
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