JP3138663B2 - 海底ケーブルの障害点検出方法 - Google Patents
海底ケーブルの障害点検出方法Info
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Description
設、埋設位置、あるいは障害点の位置を正確に把握する
ための埋設深度測定方法および海底ケーブルの障害点検
出方法およびこれに用いる交流磁気センサ装置に関す
る。また、船から曳航するのに適した構造の交流磁気セ
ンサ装置に関する。
ためには、まず、海底ケーブルの敷設または埋設位置と
障害点の位置の両方を特定する必要がある。特に、漁業
等による外的要因による障害を防止する目的で海底ケー
ブルを埋設している区間では、海底ケーブルの修理によ
って非埋設になる区間をできるだけ短くするために、障
害点の位置を正確に特定する必要がある。
点の位置を特定するには、陸上の海底ケーブル中継所か
ら海底ケーブルの給電路に低周波信号(16〜25H
z)または直流信号を流し、この信号によって発生する
磁界を交流または直流磁気センサで検出することにより
位置の特定を行う方法が採られている。
ーブル中継所からの信号を検知しながら海底ケーブルに
沿って走行でき、正確に障害点の特定ができる水中ロボ
ットに搭載した磁気センサを利用する方法が採られる。
水中ロボットには3軸(x、y、z軸)方向の感度の指
向性を有する磁気センサを2組搭載しており、これらの
磁気センサを水平方向に一定の間隔を開けて取付けてい
るので、各磁気センサの検知する磁界のべクトルを合成
すれば、磁気センサと海底ケーブルの垂直距離、すなわ
ち、埋設深度を求めることができる。
トが他の工事に使われていることもあり、この方法が採
れない場合もある。従来このような場合には、曳航式の
交流磁気センサ(差動型交流磁気センサ等)や直流磁気
センサ(プロトン磁力計等)が使われいる。
気センサは、近くに鉄などの磁性体がある場合に反応し
たり、地磁気の影響を受けるため、取扱いが難しいとい
う問題がある。これに対して交流磁気センサは、地磁気
等の影響を受け難く取扱いが簡便である。
の障害点を特定するには、まず、海底ケーブルと直交す
るように曳航して海底ケーブルの位置を検知し、その
後、海底ケーブルと直交する位置を少しずつ変えながら
数回曳航を行い、それぞれの検出された磁界の強さから
海底ケーブルの障害点として特定できる範囲を狭めてい
く方法が従来から採られている。
気センサの感度が1軸方向の指向性であるため、このま
までは埋設深度の測定ができず、場合によっては、障害
点の特定が困難な場合がある。
流電流により発生する磁界の強さは、同ケーブルの給電
路を流れる交流電流の実効値に比例し、同ケーブルの給
電路からの距離に反比例し、下記の(1) 式で表されるこ
とが知られている。
ーブルの給電路を流れる交流電流の実効値 (Arms)
、Rは海底ケーブルの給電路からの距離(m)であ
る。ここに、rmsは、ルートミーンスクエアを示して
いる。
に接地されているという絶縁障害(シャント障害)の場
合には、障害点の接地抵抗は通常数十Ω(オーム)以上
であるため、海底ケーブル中継所から流している交流電
流は障害点で全電流が海水に流れず、一部が障害点より
も先に分流する。
て、絶縁障害(シャント障害)が起きた時の状態を示す
図である。この図6は、海底ケーブル中継所のA局(図
示されていない)から海底ケーブル(50)に交流電流
I0 を流している時に、障害点(51)よりも海底ケー
ブル中継所のA局側の地点Eにおける交流電流の実効値
I1 が0.1Armsで埋設深度d1 が1mであり、障
害点(51)よりも海底ケーブル中継所のB局側の地点
Fにおける交流電流の実効値I2 が0.01Armsで
埋設深度d2 が0.1mの場合の例である。この場合の
交流磁気センサ(52)、(53)が検出する磁界の強
さは、上記(1)式より、障害点(51)の前後の地点
EおよびFのいずれにおいても(0.05/π)Arm
s/mと同一となり、交流磁気センサ(52)、(5
3)で単純に磁界の強さを測定しただけでは、障害点
(51)を特定できないという問題があった。
るために、交流磁気センサを用いて、敷設あるいは埋設
された海底ケーブルの障害点を正確に特定できるように
埋設深度を求めることができる埋設深度測定方法を提供
することにある。また、他の目的は、海底ケーブルの障
害点の特定を容易に行える障害点検出方法を提供するこ
とにある。さらに、他の目的は、前記埋設深度測定方法
に使用するため、曳航に好適な交流磁気センサ装置を提
供することにある。
に、本発明は、海底ケーブルが埋設されている海底面か
らの垂直方向の距離が一定の間隔離れるように、かつ感
度の方向が互いに平行になるように少くとも2個の交流
磁気センサを配置し、該交流磁気センサにより、前記海
底ケーブルを流れる交流電流によって生ずる磁界の強さ
あるいは磁束密度の測定を行い、その測定結果を用いて
前記海底ケーブルの深度を求め、求めた海底ケーブルの
深度と、前記交流磁気センサのいずれかによって測定さ
れた磁界の強さあるいは磁束密度とを少くとも用いて、
前記海底ケーブルに流れる交流電流を求め、海底ケーブ
ルの故障点を検出するようにした点に第1の特徴があ
る。
正確に測定でき、それに基づいて海底ケーブルの障害点
を検出できるようになる。
を詳細に説明する。まず、本発明の埋設深度測定方法の
原理について、図1を参照して説明する。
0)と交流磁気センサ(11)の海底面(18)に垂直
方向の距離はP、海底面(18)に近い方の交流磁気セ
ンサ(11)と海底面(18)との距離はβ、海底ケー
ブル(19)の埋設深度はDであり、海底ケーブル(1
9)の給電路(20)に流れている交流電流の実効値は
Iである。また、同図(b) の直交座標x−y−zは、交
流磁気センサ(10)と交流磁気センサ(11)の感度
の方向x(紙面に垂直方向)、海底ケーブル(19)の
方向y、および交流磁気センサ(10)と交流磁気セン
サ(11)の中心を結ぶ線の方向zを示している。図か
ら明らかなように、交流磁気センサ(10)と(11)
の感度の方向xは互いに平行で、かつ海底ケーブルの方
向yに対して直角になっている。
(11)の感度の方向xを互いに平行にするのは、磁界
の強さが前記の(1) 式のように海底ケーブルを流れる交
流電流の実効値Iに比例し、海底ケーブルと交流磁気セ
ンサの距離Rに反比例するのに対し、交流磁気センサの
検知出力Vは下記の(2) 式のように磁界のベクトルの方
向と交流磁気センサの感度の方向とのなす角度θの余弦
にも比例するので、各交流磁気センサの感度の方向を同
一にする必要があるからである。 V=S・I/2πR・cos θ=S・Hcos θ …(2) ここで、Sは交流磁気センサの感度特性で決まる定数で
ある。
流磁気センサ(11)を海底ケーブル(19)を横切る
ように移動させた時に交流磁気センサ(10)と交流磁
気センサ(11)が検知した磁界の最大の強さを、それ
ぞれHm、Hnとすると、このHmとHnの比αは、下
記の(3) 式のように表すことができる。
記の(4) 式のように表すことができる。
で求めたHmとHnの比α、これらの交流磁気センサ
(10)と(11)の垂直方向の距離P、交流磁気セン
サ(11)と海底面(18)の距離βを上記(4) 式に代
入することによって、前記埋設深度Dを求めることがで
きる。
は、海底面(18)に交流磁気センサを下ろした時には
必ずしも交流磁気センサ(11)が海底面(18)に近
い側になるとは限らない。このため、交流磁気センサ
(10)および(11)が検知した磁界の強さのうち大
きい方が海底面(18)に近い側の磁界の強さとし、α
を常に1より大として、上式(4) に代入して埋設深度D
を求める。
率の積であるので、図1(a) において交流磁気センサ
(10)と(11)が検知した磁束密度をそれぞれB
m、Bnとし、海水の透磁率をμとすれば、下記の(5)
式のようにBmとBnの比は、HmとHnの比と同じα
となる。このため、磁束密度BmとBnの比を用いても
埋設深度Dを算出できる。
〜海底面(18)間の距離βを加えた合計の値を交流磁
気センサ(11)〜海底ケーブル(19)間の距離とし
て、前記(1) 式のRに、また海底面に近い側の交流磁気
センサ(11)が検知した磁界の強さを(1) 式のHにそ
れぞれ代入して、海底ケーブル(19)の給電路(2
0)に流れている交流電流の実効値Iを逆に算出する。
ると、障害点の前後でいずれも磁界の強さが(0.05
/π)Arms/mであったが、障害点(51)の海底
ケーブル中継所側のA局側の地点Eの埋設深度d1 は1
mと求まるので、前記(1) 式によりこの点の海底ケーブ
ルの給電路を流れる交流電流の実効値I1 は0.1Ar
msと算出できる。一方、障害点(51)の海底ケーブ
ル中継所のB局側の地点Fにおける埋設深度d2 は0.
1mと求まるので、この点の海底ケーブルの給電路を流
れる交流電流の実効値I2 は0.01Armsと算出さ
れ、障害点(51)は地点EとFの間に存在すると判定
することができようになる。
磁気センサの一例としては、特開平9−80132号公
報の図4に示されているような、コイルをステンレス製
円筒状耐圧容器の中に収容した構成のものを使用でき
る。また、母船により曳航する交流磁気センサの場合の
曳航索の一例としては、各交流磁気センサからの検知信
号を母船に伝送することが可能な多芯信号線入りの曳航
索が使用できる。
したように、2個以上の交流磁気センサ(10)、(1
1)に対して海底面に直角方向の距離差を付け、かつ各
交流磁気センサ(10)、(11)の感度の方向が互い
に平行な状態になるように組付けて水中ロボットに搭載
し、海底ケーブルの埋設深度の測定中も、水中ロボット
の姿勢を制御しながら、各々の交流磁気センサの前記位
置関係を維持することが可能である。このため、各交流
磁気センサ(10)、(11)の組付けに、格別の配慮
をする必要はない。
気センサの曳航時に、交流磁気センサの前記の組付けが
横転して、交流磁気センサの位置関係が海底面に直角方
向の距離差を付ける関係にならなかったり、組付けが海
底面に対して傾いてこの距離差が随時変化したりして、
前記の方法で海底ケーブルの埋設深度を正確に測れなく
なるおそれが生ずる。そこで、このおそれを除去するた
めには、交流磁気センサの組付けが横転しないような組
付けにすること、あるいは横転しても各々の交流磁気セ
ンサの位置関係を維持できるような組付けまたは配置に
する必要がある。
交流磁気センサ装置の第1の実施形態を、図2を参照し
て説明する。図2(a) はその斜視図を示し、同図(b) は
曳航索(25)側から見た正面図、あるいは前記4個の
交流磁気センサ(21)〜(24)をこれらに垂直な平
面で切った時の該交流磁気センサ(21)〜(24)の
断面を示している。
は、4個の交流磁気センサ(21)〜(24)が直方体
の4個の長辺のそれぞれになるように配置し、図示され
ていない枠体で組付けた又は枠体に取付けたものであ
る。枠体としては、ステンレス、硬質のプラスチック等
を用いることができ、その回りにウレタン等の緩衝材を
施しても良い。交流磁気センサ(21)〜(24)は前
記したような、ステンレス製の円筒状耐圧容器とその中
に収容された図示されていないコイルから構成されてい
る。また、4個の交流磁気センサ(21)〜(24)
は、それらの各端部において信号線およびロープ(26
a)に接続され、さらに曳航索(25)に接続されてい
る。4個の交流磁気センサ(21)〜(24)で検出さ
れた磁界の強さあるいは磁束密度は、電気信号としてこ
の信号線(26a)、曳航索(25)を通って、例えば
母船上に送られる。
した時に、同図(b) に示すように、海底面(18)に近
い側が交流磁気センサ(22)と(23)となるか、あ
るいはこの逆に交流磁気センサ(21)と(24)が海
底面(18)に近い側になるかのいずれかであり、曳航
中に横転することはない。このため、交流磁気センサ間
の海底面に直角方向の位置関係あるいは距離が不変とな
る。
変形例は、前記4個の交流磁気センサ(21)〜(2
4)のうち2個を省略し、残りの2個の交流磁気センサ
(21)、(23)を前記長方形の対角関係にある頂点
に配置したものである。前記省略された2個の交流磁気
センサの位置には、2個の姿勢維持用ダミー容器(3
1)、(32)が設けられており、これらと前記2個の
交流磁気センサとは、図示されていない枠体に固定され
ている。交流磁気センサ(21)、(23)には信号線
およびロープ(26a)が接続され、姿勢維持用ダミー
容器(31)、(32)にはロープ(26b)が接続さ
れている。
サ装置を曳航した時、前記2個の交流磁気センサ(2
1)、(23)は必ず海底面に垂直な方向であって、該
海底面から異なる2つの位置に位置することになる。ま
た、2個の交流磁気センサを省略でき、交流磁気センサ
装置のコストを低減することができる。
参照して説明する。図4(a) はその斜視図を示し、同図
(b) は曳航索(15)側から見た正面図、あるいは該斜
視図において、2個の交流磁気センサ(21)、(2
3)等に垂直な平面で切った時の該交流磁気センサ(2
1)、(23)、2個の姿勢維持用ダミー容器(3
1)、(32)の断面を示している。
ように、図示されていない枠体で組付けられた、2個の
交流磁気センサ(21)、(23)と、2個の姿勢維持
用ダミー容器(31)、(32)とから構成され、この
2個の交流磁気センサ(21)、(23)は同図(b) に
表されている正方形の対角線位置に配置されている。該
2個の交流磁気センサ(21)、(23)と、2個の姿
勢維持用ダミー容器(31)、(32)とからなる交流
磁気センサ装置の端面には、それぞれ信号線およびロー
プ(26a)、ロープ(26b)が取付けられ、これら
は曳航索(25)へと延びている。
センサ装置を曳航した時、海底面において同図(b) の
()の状態から横転して、()あるいはさらに横転
して()の状態になる可能性がある。しかしながら、
前記のいずれの状態になっても、交流磁気センサ(2
1)、(23)が海底面に対して一定の垂直距離を確保
することができ、該交流磁気センサ(21)、(23)
により、海底ケーブル(19)の深度を測定することが
できるようになる。
態に比べて小型にできるため、図2および図3のものよ
りも、母船からの繰出しと揚収が容易になる。また、使
用する磁気センサの数を最少の2個に抑えることがで
き、安価に構成することができる。なお、図3、図4の
例において、姿勢維持用ダミー容器(31)、(32)
のうちのいずれか1個あるいは2個とも、交流磁気セン
サに代えてもよい。
を示す。この実施形態は、3個の交流磁気センサ(2
7)、(28)、(29)を三角形、好ましくは正三角
形になるように配置し、図示されていない枠体に組付け
たものである。図において、図2と同じ符号は、同一ま
たは同等物を示す。
母船等により、海底面を曳航されると、三角形の交流磁
気センサ装置は海底面上を回転する可能性があるが、3
個の交流磁気センサ(27)、(28)、(29)のう
ちのいずれか2個は海底面に対して一定の垂直距離を確
保することができ、該2個の交流磁気センサにより、海
底ケーブル(19)の深度を測定することができるよう
になる。
実施形態のものよりさらに小形化できるようになり、母
船からの繰出しと揚収が容易になる。
しい例に過ぎず、本発明の趣旨から外れない範囲の変形
例は、本発明に含まれることは明らかである。
によれば、2個以上の交流磁気センサを海底ケーブルが
埋設されている海底面に対して垂直方向に一定間隔を開
けて配置した状態で、海底ケーブルを流れる交流電流に
よって発生する磁界の強さあるいは磁束密度を測定する
という簡単な測定方法により、海底ケーブルの埋設深度
を求め、この埋設深度に基づいて、測定点における海底
ケーブルを流れる交流電流を逆算するようにしたので、
埋設深度の違いによって判別し難かった障害点の特定が
容易に行えるという効果がある。
方法の本発明の原理を説明する図である。
ンサ装置の一実施形態の斜視図および正面図(または断
面図)である。
斜視図および正面図(または断面図)である。
(または断面図)である。
流と埋設深度の一例を示す図である。
9…交流磁気センサ、18…海底面、19…海底ケーブ
ル、20…給電路、25…曳航索、26a…信号線およ
びロープ、26b…ロープ、31、32…姿勢維持用ダ
ミー容器。
Claims (4)
- 【請求項1】海底ケーブルが埋設されている海底面から
の垂直方向の距離が一定の間隔離れるように、かつ感度
の方向が互いに平行になるように少くとも2個の交流磁
気センサを配置し、該交流磁気センサにより、前記海底
ケーブルを流れる交流電流によって生ずる磁界の強さあ
るいは磁束密度の測定を行い、その測定結果を用いて前
記海底ケーブルの深度を求め、求めた海底ケーブルの深
度と、前記交流磁気センサのいずれかによって測定され
た磁界の強さあるいは磁束密度とを少くとも用いて、前
記海底ケーブルに流れる交流電流を求め、海底ケーブル
の故障点を検出するようにしたことを特徴とする海底ケ
ーブルの障害点検出方法。 - 【請求項2】前記海底ケーブルの複数点にて交流電流値
を検出し、これらの交流電流値の違いから海底ケーブル
の故障点を検出するようにしたことを特徴とする請求項
1記載の海底ケーブルの障害点検出方法。 - 【請求項3】前記少くとも2個の交流磁気センサによっ
て測定された2地点における磁界の強さの比あるいは磁
束密度の比と、該2地点間の距離と、該2地点の一方と
前記海底面間との距離とを用いて、前記海底ケーブルの
深度を求めるようにしたことを特徴とする請求項1また
は2記載の海底ケーブルの障害点検出方法。 - 【請求項4】前記少くとも2個の交流磁気センサによっ
て測定された2地点における磁界の強さの比あるいは磁
束密度の比をα、該2地点間の距離をP、該2地点の前
記海底面に近い方の地点と該海底面間との距離をβとす
る時、前記海底ケーブルの深度Dを下記の式から求める
ようにしたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれ
かに記載の海底ケーブルの障害点検出方法。 D={P/(α−1)}−β (但し、α>1)
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