JP3138290U - エネルギー貯蔵装置およびそれを用いた波力発電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エネルギーを貯蔵しつつ連続して利用することが可能なエネルギー貯蔵装置、およびそれを用いた波力発電装置を提供する。
【解決手段】回転軸122に固定して配設され、回転軸122と共に回転可能であるばね巻き軸211と、このばね巻き軸211に中心側の一端部が連結され、回転エネルギーを貯蔵するぜんまいばね212とを有している。ぜんまいばね212の外周側の一端部には、回転軸122に対して回転自在に配設されることによりばね巻き軸211とは別個に回転可能な回転部材213が連結されており、ぜんまいばね212に貯蔵されたエネルギーをばね巻き軸211の回転方向と同一方向の回転エネルギーに変換する。
【選択図】図5

Description

本考案は、ぜんまいばねを利用したエネルギー貯蔵装置およびそれを用いた波力発電装置に関する。
近年、新しいエネルギー源として波エネルギーの利用が進められている。一般に、波力発電では、波エネルギーを空気エネルギー、機械的エネルギー、水の位置エネルギー、または水流エネルギーに変換し、タービン発電機を回して電気エネルギーに変換している。例えば、特許文献1には、波エネルギーを空気エネルギーに変換して発電機により電気エネルギーに変換する波力発電装置が記載されている。また、特許文献2には、水の渦流を発生させて回転軸を回転させることにより波エネルギーを機械的エネルギーに変換し、発電機により電気エネルギーに変換する波力発電装置が記載されている。
特開2003−3943号公報 特開2006−257898号公報
しかしながら、従来の波力発電装置では、波エネルギーを機械的エネルギー、空気エネルギー、水の位置エネルギー、または水流エネルギーに変換したのち、これらのエネルギーを用いて直接的にタービン発電機を回しているので、波の変動に影響を受けやすく、安定して電力を得ることが難しいという問題があった。また、波エネルギーを機械的エネルギーに変換したのち、ぜんまいばねなどを用いたエネルギー貯蔵装置に貯蔵するということも考えられるが、従来のエネルギー貯蔵装置では、エネルギーを貯蔵したのち貯蔵したエネルギーを取り出して利用するので、連続的に利用することができないという問題があった。
本考案は、このような問題に基づきなされたものであり、エネルギーを貯蔵しつつ連続して利用することが可能なエネルギー貯蔵装置、およびそれを用いた波力発電装置を提供することを目的とする。
本考案のエネルギー貯蔵装置は、回転エネルギーを貯蔵するぜんまいばねと、このぜんまいばねの中心側の一端部が連結されると共に回転可能であり、ぜんまいばねに回転エネルギーを伝達するばね巻き軸と、ぜんまいばねの外周側の一端部が連結されると共にばね巻き軸とは別個に回転可能であり、ぜんまいばねに貯蔵されたエネルギーをばね巻き軸の回転方向と同一方向の回転エネルギーに変換する回転部材とを備えたものである。
本考案の波力発電装置は、波エネルギーを回転エネルギーに変換する波エネルギー変換装置と、この波エネルギー変換装置により変換された回転エネルギーを貯蔵すると共に、貯蔵したエネルギーを回転エネルギーとして伝達するエネルギー貯蔵装置と、このエネルギー貯蔵装置により伝達された回転エネルギーを電気エネルギーに変換する発電装置とを備え、エネルギー貯蔵装置は、回転エネルギーを貯蔵するぜんまいばねと、このぜんまいばねの中心側の一端部が連結され、回転可能であり、ぜんまいばねに回転エネルギーを伝達するばね巻き軸と、ぜんまいばねの外周側の一端部が連結され、ばね巻き軸とは別個に回転可能であり、ぜんまいばねに貯蔵されたエネルギーをばね巻き軸の回転方向と同一方向の回転エネルギーに変換する回転部材とを備えたものである。
本考案のエネルギー貯蔵装置によれば、ぜんまいばねの外周側の一端部が連結されると共にばね巻き軸とは別個に回転可能な回転部材を備え、ぜんまいばねに貯蔵されたエネルギーをばね巻き軸の回転方向と同一方向の回転エネルギーに変換して取り出すようにしたので、ぜんまいばねにエネルギーを貯蔵しつつ、連続してエネルギーを取り出すことができる。よって、このエネルギー貯蔵装置を用いた本考案の波力発電装置によれば、波の変動の影響を小さくすることができ、安定してかつ連続して電力を得ることができる。
特に、ぜんまいばね、ばね巻き軸、および回転部材を有するぜんまいばね装置を複数備え、そのうち1つのぜんまいばね装置のばね巻き軸を他の1つのぜんまいばね装置の回転部材に連結するようにすれば、エネルギーをより多く貯蔵することができる。よって、このエネルギー貯蔵装置を用いた波力発電装置によれば、より安定して電力を得ることができる。
また、回転部材により変換した回転エネルギーを貯蔵するフライホイールを備えるようにすれば、より長時間にわたってエネルギーを貯蔵することができる。よって、このエネルギー貯蔵装置を用いた波力発電装置によれば、より安定して電力を得ることができる。
更に、回転部材の回転運動を伝達してフライホイールを回転させると共に、回転部材の回転が止まっても、フライホイールを同一方向に回転可能とする伝達制御手段を備えるようにすれば、フライホイールに貯蔵されたエネルギーを有効に利用することができる。
加えて、波力発電装置において、波エネルギー変換装置に振子を用いるようにすれば、波の変動に容易に対応することができる。
特に、浮動体に、取付角度を調整することにより波の抵抗の大きさを調節することが可能な抵抗板を設けるようにすれば、または、振子に、上下の移動調整機能を設けるようにすれば、天候による波の大きな変動に対しても容易に対応することができる。
また、浮動体の内部に空間部を有すると共に、浮動体の上面に、空間部に空気を取り込む吸気口と、空間部から空気を排出する排気口とを有し、排気口から排出される空気を利用してエアモーターによりばね巻き軸を回転させるようにすれば、波エネルギーを回転エネルギーと空気エネルギーとに変換することができ、波エネルギーを効率よく変換することができる。
以下、本考案の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本考案の第1の実施の形態に係る波力発電装置の概略構成を表すものである。この波力発電装置は、波エネルギーを回転エネルギーに変換する波エネルギー変換装置100と、この波エネルギー変換装置100により変換された回転エネルギーを貯蔵すると共に、貯蔵したエネルギーを回転エネルギーとして伝達するエネルギー貯蔵装置200と、このエネルギー貯蔵装置200により伝達された回転エネルギーを電気エネルギーに変換する発電装置300とを備えている。
図2は図1に示した波エネルギー変換装置100の構成を表すものであり、(A)は図1に示したAの方向から見た構成を表し、(B)は図1に示したBの方向から見た構成を表している。なお、破線は内部の構造を表す想像線である。波エネルギー変換装置100は、波により揺動する振子110と、この振子110の往復運動を一方向の回転運動に変換する変換手段120とを備えている。
振子110は、例えば、支柱111と、支柱111により上方から海面に支持される浮動体112とを有し、支柱111の上方に取り付けられた回転軸113を支点として、矢印Iで示したように、浮動体112が波により揺動する構造を有している。支柱111には、浮動体112と回転軸113との間、例えば浮動体112の近傍に可動接続部114が設けられ、浮動体112が回転軸113を支点として揺動しても、浮動体112を海面に対してほぼ平行とすることができるようになっていることが好ましい。また、支柱111には、支柱111を上下に移動調整することが可能な移動調整機能115が設けられていることが好ましい。天候により波が大きく変動しても、支柱111を上下させて浮動体112の海面に対する位置を調節することにより対応することができるからである。
浮動体112は、例えば、上面112Aと側面112Bとを有すると共に、内部に空間部112Cを有し、底部には空間部112Cを外部と連通する開口112Dが設けられた構造体により構成されている。このような構造体としては、例えば、底面が開放された中空の直方体が挙げられる。浮動体112の上面112Aには、例えば、支柱111が取り付けられると共に、浮動体112が揺動する際に、海面の位置の変動に対応して空間部112Cの空気を給排気する給排気口112Eが設けられている。なお、浮動体112は、高い耐食性および高い強度を有する材料、例えばステンレスあるいは強化プラスチックにより構成されることが好ましい。
また、浮動体112には、例えば図3に示したように、矢印IIに示したように取付角度を調整することにより波の抵抗の大きさを調節することが可能な抵抗板116が設けられていることが好ましい。天候による波の変動に対応することができるからである。抵抗板116は、例えば、取付部116Aと抵抗部116Bとを有しており、取付部116Aと抵抗部116Bとは180度よりも小さい角度で交わるように折り曲げられて形成されていることが好ましい。また、取付部116Aは、例えば、揺動方向I側の側面112Bにおいて、取付部116Aの外側の面が側面112Bに当接するように、左右両端部の縦方向に沿って可動部材116Cにより取り付けられていることが好ましい。抵抗板116を最も広げた時に揺動方向における波の抵抗を受けやすいからである。
変換手段120は、例えば図2(A)示したように、支柱111の回転軸113に固定して配設された第1歯車121を有している。第1歯車121の近傍には、回転軸122が回転自在に支持されて配設されている。回転軸122には第2歯車123が回転軸122に対して回転自在に配設され、第2歯車123は第1歯車121と噛み合わされている。第2歯車123には、回転ピン123Aによりストッパー123Bが回転可能に取り付けられており、ストッパー123Bの片側には、第2歯車123に固定された固定ピン123Cが配設されている。回転軸122には、また、第2歯車123に隣接して回転軸122に固定された第3歯車124が配設されている。第3歯車124には、第2歯車123に回転可能に取り付けられたストッパー123Bが係止されており、第2歯車123が矢印III方向に回転する場合には、ストッパー123Bが固定ピン123Cにより固定されて第3歯車124に回転が伝達され、第2歯車123が矢印IIIとは逆方向に回転する場合には、ストッパー123Bが回転して第3歯車124には回転が伝達されないようになっている。
また、変換手段120は、例えば図2(B)に示したように、支柱111の回転軸113に固定して配設された第4歯車125を有している。第4歯車125には、第5歯車126を介して、回転軸122に対して回転自在に配設された第6歯車127が噛み合わされている。すなわち、第6歯車127と図2(A)に示した第2歯車123とは、回転軸113の回転方向が矢印IVと矢印Vとに示したように逆の場合に、矢印IIIと矢印VIとに示したように同一方向に回転するように構成されている。第6歯車127には、回転ピン127Aによりストッパー127Bが回転可能に取り付けられており、ストッパー127Bの片側には、第6歯車127に固定された固定ピン127Cが配設されている。回転軸122には、また、第6歯車127に隣接して回転軸122に固定された第7歯車128が配設されている。第7歯車128には、第6歯車127に回転可能に取り付けられたストッパー127Bが係止されており、第6歯車127が矢印IIIと同一方向である矢印IV方向に回転する場合には、ストッパー127Bが固定ピン127Cにより固定されて第7歯車128に回転が伝達され、第6歯車127が矢印IVとは逆方向に回転する場合には、ストッパー127Bが回転して第7歯車128には回転が伝達されないようになっている。これにより、この変換手段120では、振子110の往復運動を一方向の回転運動に変換して回転軸122に伝達するように構成されている。
図4は、図1に示したエネルギー貯蔵装置200の具体的な構造を表すものであり、図5は、図4に示したぜんまいばね装置のC−C線に沿った断面構造を表すものである。エネルギー貯蔵装置200は、回転軸122に固定して配設され、回転軸122と共に回転可能であるばね巻き軸211と、このばね巻き軸211に中心側の一端部が連結され、回転軸122およびばね巻き軸211により伝達された回転エネルギーを貯蔵するぜんまいばね212とを有している。このぜんまいばね212の外周側の一端部には、回転軸122に対して回転自在に配設されることによりばね巻き軸211とは別個に回転可能な回転部材213が連結されており、ぜんまいばね212に貯蔵されたエネルギーをばね巻き軸211の回転方向と同一方向の回転エネルギーに変換するように構成されている。これにより、このエネルギー貯蔵装置200では、ぜんまいばね212にエネルギーを貯蔵しつつ、連続してエネルギーを取り出すことができるようになっている。
このエネルギー貯蔵装置200では、ぜんまいばね212を1つだけ用いても効果を得ることができるが、ばね巻き軸211、ぜんまいばね212、および回転部材213を有するぜんまいばね装置210を複数備えるようにすれば、エネルギーをより多く貯蔵することができるので好ましい。この場合、例えば図6に示したように、各ぜんまいばね装置210を回転軸122に配設し、最も波エネルギー変換装置100の側に位置するぜんまいばね装置210のばね巻き軸211は回転軸122に固定し、他のぜんまいばね装置210のばね巻き軸211は、回転軸122に対して固定せずに回転自在とし、波エネルギー変換装置100の側に隣接するぜんまいばね装置210の回転部材213に連結する。これにより、回転軸122の回転エネルギーは、ばね巻き軸211、ぜんまいばね212、回転部材213の順に、波エネルギー変換装置100の側に位置するぜんまいばね装置210から順次伝達されるように構成される。
エネルギー貯蔵装置200は、また、図4に示したように、回転部材213により変換された回転エネルギーを貯蔵するフライホイール220を備えていることが好ましい。より長時間にわたってエネルギーを貯蔵することができるからである。フライホイール220は、必要に応じて大型化してもよく、質量を大きくすればより長時間にわたってエネルギーを貯蔵することが可能である。このようにフライホイール220を用いる場合には、回転部材213とフライホイール220との間に、回転部材213の回転運動を伝達してフライホイール220を回転させると共に、回転部材213の回転が止まっても、フライホイール220を同一方向に回転可能とする伝達制御手段230を備えることが好ましい。フライホイールに貯蔵されたエネルギーを有効に利用することができるからである。
伝達制御手段230は、例えば、回転軸122に対して回転自在に配設され、回転部材213に連結された第8歯車231を有している。第8歯車231の近傍には、回転軸232が回転自在に支持されて配設されている。回転軸232には第9歯車233が回転軸232に対して回転自在に配設され、第9歯車233は第8歯車231と噛み合わされている。第9歯車233には、図示しないが、第2歯車123と同様に、回転ピンによりストッパーが回転可能に取り付けられており、ストッパーの片側には第9歯車233に固定された固定ピンが配設されている。回転軸232には、また、第9歯車233に隣接して回転軸232に固定された第10歯車234が配設されている。第10歯車234には、第9歯車233に回転可能に取り付けられたストッパーが係止されている。これにより、第8歯車231を介して第9歯車233に伝達された回転部材213の回転は、ストッパーが固定されることにより第10歯車234に伝達され、回転部材213の回転が止まった場合には、ストッパーが回転することにより回転軸232は同一の方向に回転し続けることができるようになっている。
伝達制御手段230は、また、回転軸232に固定して配設された第11歯車235を有しており、第11歯車235には第12歯車236が噛み合わされている。第12歯車236は、軸受け237に回転自在に配設された回転軸238に固定して配設されている。回転軸238には、フライホイール220および発電装置300が配設されている。
この波力発電装置では、まず、波エネルギー変換装置100において、振子110が回転軸113を支点として波により揺動し、この往復運動が変換手段120により一方向の回転運動に変換される。次いで、この回転エネルギーが回転軸122を介してぜんまいばね装置210に伝達される。ぜんまいばね装置210では、回転軸122の回転エネルギーがばね巻き軸211を介してぜんまいばね212に貯蔵されると共に、回転部材213に伝達される。回転部材213は、ばね巻き軸211とは別個に回転可能であり、ぜんまいばね212に貯蔵されたエネルギーをばね巻き軸211の回転方向と同一方向の回転エネルギーに変換する。これにより、回転軸122の回転エネルギーは、ぜんまいばね212に貯蔵されると共に、同時に連続して回転部材213に伝達される。
続いて、回転部材213に伝達された回転エネルギーは、伝達制御手段230を介して発電装置300およびフライホイール220に伝達される。発電装置300では、回転部材213から伝達された回転エネルギーを電気エネルギーに変換する。また、フライホイール220には回転エネルギーが貯蔵される。そののち、回転部材213から伝達される回転エネルギーがなくなると、フライホイール220に貯蔵された回転エネルギーが発電装置300に伝達され、発電装置300において電気エネルギーに変換される。
このように、本実施の形態によれば、ぜんまいばね212の外周側の一端部が連結されると共にばね巻き軸211とは別個に回転可能な回転部材213を備え、ぜんまいばね212に貯蔵されたエネルギーをばね巻き軸211の回転方向と同一方向の回転エネルギーに変換して取り出すようにしたので、ぜんまいばね212にエネルギーを貯蔵しつつ、連続してエネルギーを取り出すことができる。よって、波の変動の影響を小さくすることができ、安定してかつ連続して電力を得ることができる。
特に、複数のぜんまいばね装置210を備え、そのうち1つのぜんまいばね装置210のばね巻き軸211を他の1つのぜんまいばね装置210の回転部材213に連結するようにすれば、エネルギーをより多く貯蔵することができる。よって、より安定して電力を得ることができる。
また、回転部材213により変換した回転エネルギーを貯蔵するフライホイール220を備えるようにすれば、より長時間にわたってエネルギーを貯蔵することができ、より安定して電力を得ることができる。
更に、回転部材213の回転運動を伝達してフライホイール220を回転させると共に、回転部材213の回転が止まっても、フライホイール220を同一方向に回転可能とする伝達制御手段230を備えるようにすれば、フライホイール220に貯蔵されたエネルギーを有効に利用することができる。
加えて、波エネルギー変換装置100に振子110を用いるようにすれば、波の変動に容易に対応することができる。特に、振子110に、上下の移動調整機能115を設けるようにすれば、または、浮動体112に、取付角度を調整することにより波の抵抗の大きさを調節することが可能な抵抗板116を設けるようにすれば、天候による波の大きな変動に対しても容易に対応することができる。
(第2の実施の形態)
図7は、本考案の第2の実施の形態に係る波力発電装置の構成を表すものである。この波力発電装置は、波エネルギー変換装置400の構成が異なることを除き、他は第1の実施の形態に係る波力発電装置と同様の構成を有している。波エネルギー変換装置400は、浮動体412の一部の構成が第1の実施の形態とは異なり、更に、エアモーターを備えたことを除き、他は第1の実施の形態と同様である。よって、同一部分については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
浮動体412は、例えば図7に示したように、上面112Aに、給排気口112Eに代えて、空間部112Cに空気を取り込む吸気口412Fと、空間部112Cから空気を排出する排気口412Gとを有している。吸気口412Fの内側には開閉可能な弁412Hが配設されており、空間部112Cに空気を取り込む際には吸気口412Fが開放され、空間部112Cから空気を排出する際には吸気口412Fが閉鎖されるようになっている。また、排気口412Gの外側にも開閉可能な弁412Iが配設されており、空間部112Cに空気を取り込む際には排気口412Gが閉鎖され、空間部112Cから空気を排出する際には排気口412Gが開放されるようになっている。排気口412Gの外側には、また、流通管417が配設されており、流通管417は、空気エネルギーを回転エネルギーに変換する図示しないエアモーターが接続されている。これにより、浮動体412の揺動による海面位置の変動に応じて、空間部112Cに吸気口412Fから空気が取り込まれると共に排気口412Gから排出され、排出された空気を利用して図示しないエアモーターが回転するように構成されている。
図示しないエアモーターは、回転軸122またはぜんまいばね装置210のばね巻き軸211を回転させるように接続されている。なお、この波エネルギー変換装置400では、第1の実施の形態で説明したように変換装置120が構成されているので、図2に示したように、回転軸122を矢印IIIまたは矢印VIの方向に回転させても、ストッパー123B,127Bが回転し、第2歯車123および第6歯車127にはエアモーターの回転が伝わらないようになっている。
このように、本実施の形態によれば、排気口412Gから排出される空気を利用して図示しないエアモーターにより回転軸122またはばね巻き軸211を回転させるようにしたので、波エネルギー変換装置400により、波エネルギーを回転エネルギーと空気エネルギーとに変換することができ、波エネルギーを効率よく変換することができる。
以上、実施の形態を挙げて本考案を説明したが、本考案は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態では、波力発電装置について具体的に説明したが、本発明のエネルギー貯蔵装置200は、回転エネルギーを利用する他の機械および装置に用いることもでき、例えば、風力発電装置におけるエネルギー貯蔵装置、玩具などぜんまいばねを動力とする機械装置、各種駆動装置におけるショックアブソーバ、またはアイドリング時のエネルギー貯蔵装置への利用が考えられる。
また、上記実施の形態では、浮動体112,412の構造を具体的に説明したが、波により揺動すればどのような構造でもよい。更に、上記実施の形態では、変換手段120または伝達制御手段230の構成についても具体的に説明したが、一般的に用いられている他の構成を有するようにしてもよい。
回転エネルギーを利用する機械に用いることができ、特に、波力発電装置に用いることができる。
本考案の第1の実施の形態に係る波力発電装置の概略構成図である。 図1に示した波力発電装置における波エネルギー変換装置の構成図である。 図2に示した波エネルギー変換装置における浮動体の他の構成図である。 図1に示した波力発電装置におけるエネルギー貯蔵装置の構成図である。 図4に示したぜんまいばね装置のC−C線に沿った断面図である。 図4に示したぜんまいばね装置の構成図である。 本考案の第2の実施の形態に係る波力発電装置の構成を表す断面図である。
符号の説明
100,400…波エネルギー変換装置、110…振子、111…支柱、112,412…浮動体、112A…上面、112B…側面、112C…空間部、112D…開口、112E…給排気口、113…回転軸、114…可動接続部、115…移動調整機能、116…抵抗板、116A…取付部、116B…抵抗部、120…変換手段、121…第1歯車、122…回転軸、123…第2歯車、123A…回転ピン、123B…ストッパー、123C…固定ピン、124…第3歯車、125…第4歯車、126…第5歯車、127…第6歯車、127A…回転ピン、127B…ストッパー、127C…固定ピン、128…第7歯車、200…エネルギー貯蔵装置、210…ぜんまいばね装置、211…ばね巻き軸、212…ぜんまいばね、213…回転部材、220…フライホイール、230…伝達制御手段、231…第8歯車、232…回転軸、233…第9歯車、234…第10歯車、235…第11歯車、236…第12歯車、237…軸受け、238…回転軸、300…発電装置、412F…吸気口、412G…排気口、412H,412I…弁、417…流通管

Claims (12)

  1. 回転エネルギーを貯蔵するぜんまいばねと、
    このぜんまいばねの中心側の一端部が連結されると共に回転可能であり、前記ぜんまいばねに回転エネルギーを伝達するばね巻き軸と、
    前記ぜんまいばねの外周側の一端部が連結されると共に前記ばね巻き軸とは別個に回転可能であり、前記ぜんまいばねに貯蔵されたエネルギーを前記ばね巻き軸の回転方向と同一方向の回転エネルギーに変換する回転部材と
    を備えたことを特徴とするエネルギー貯蔵装置。
  2. 前記ぜんまいばね、ばね巻き軸、および回転部材を有するぜんまいばね装置を複数備え、
    そのうち1つのぜんまいばね装置のばね巻き軸は、他の1つのぜんまいばね装置の回転部材に連結されている
    ことを特徴とする請求項1記載のエネルギー貯蔵装置。
  3. 前記回転部材により変換した回転エネルギーを貯蔵するフライホイールを備えた
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエネルギー貯蔵装置。
  4. 前記回転部材と前記フライホイールとの間に、前記回転部材の回転運動を伝達して前記フライホイールを回転させると共に、前記回転部材の回転が止まっても、前記フライホイールを同一方向に回転可能とする伝達制御手段を
    備えたことを特徴とする請求項3記載のエネルギー貯蔵装置。
  5. 波エネルギーを回転エネルギーに変換する波エネルギー変換装置と、
    この波エネルギー変換装置により変換された回転エネルギーを貯蔵すると共に、貯蔵したエネルギーを回転エネルギーとして伝達するエネルギー貯蔵装置と、
    このエネルギー貯蔵装置により伝達された回転エネルギーを電気エネルギーに変換する発電装置とを備え、
    前記エネルギー貯蔵装置は、
    回転エネルギーを貯蔵するぜんまいばねと、
    このぜんまいばねの中心側の一端部が連結され、回転可能であり、前記ぜんまいばねに回転エネルギーを伝達するばね巻き軸と、
    前記ぜんまいばねの外周側の一端部が連結され、前記ばね巻き軸とは別個に回転可能であり、前記ぜんまいばねに貯蔵されたエネルギーを前記ばね巻き軸の回転方向と同一方向の回転エネルギーに変換する回転部材と
    を備えたことを特徴とする波力発電装置。
  6. 前記ぜんまいばね、ばね巻き軸、および回転部材を有するぜんまいばね装置を複数備え、
    そのうち1つのぜんまいばね装置のばね巻き軸は、他の1つのぜんまいばね装置の回転部材に連結されている
    ことを特徴とする請求項5記載の波力発電装置。
  7. 前記エネルギー貯蔵装置は、前記回転部材により変換した回転エネルギーを貯蔵するフライホイールを備えた
    ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の波力発電装置。
  8. 前記回転部材と前記フライホイールとの間に、前記回転部材の回転運動を伝達して前記フライホイールを回転させると共に、前記回転部材の回転が止まっても、前記フライホイールを同一方向に回転可能とする伝達制御手段を
    備えたことを特徴とする請求項7記載の波力発電装置。
  9. 前記波エネルギー変換装置は、
    浮動体とこの浮動体を支持する支柱とを有し、前記支柱に取り付けられた回転軸を支点として波により前記浮動体が揺動する振子と、
    この振子の往復運動を一方向の回転運動に変換する変換手段と
    を備えたことを特徴とする請求項5から請求項8のいずれか1に記載の波力発電装置。
  10. 前記浮動体には、取付角度を調整することにより波の抵抗の大きさを調節することが可能な抵抗板が設けられた
    ことを特徴とする請求項9記載の波力発電装置。
  11. 前記振子は、上下に移動調整をすることが可能な移動調整機能を備えた
    ことを特徴とする請求項9または請求項10に記載の波力発電装置。
  12. 前記浮動体は、上面と側面とを有すると共に、内部に空間部を有し、底部には前記空間部を外部と連通する開口が設けられ、上面には、弁により開閉可能であり前記空間部に空気を取り込む吸気口と、弁により開閉可能であり前記空間部から空気を排出する排気口とを有し、
    前記波エネルギー変換装置は、更に、前記排気口から排出される空気を利用し、空気エネルギーを回転エネルギーに変換して前記ばね巻き軸を回転させるエアモーターを備えた
    ことを特徴とする請求項9から請求項11のいずれか1に記載の波力発電装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012506516A (ja) * 2008-10-24 2012-03-15 ヴィトリオ ペレグリニ 環境を尊重し保全する、再生可能ゼロエミッション代替エネルギ源からエネルギを発生するための一体化発電機デバイス
JP2016196961A (ja) * 2010-07-16 2016-11-24 コーパワー オーシャン アーベーCorpower Ocean Ab 往復する外力を回転軸運動に変換する機械的配置
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WO2023179064A1 (zh) * 2022-03-21 2023-09-28 王万强 海洋水能发电装置

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