JP3138113U - ページ押さえクリップ - Google Patents

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Abstract

【課題】本を傷つけることがなく、本を開いて閲覧可能な状態に保持でき、さらには安価で嵩張らない、ページ押さえクリップを提供する。
【解決手段】本の表紙、裏表紙および背表紙を支持する本支え部(8)と、開いたページ側を押さえるページ押さえ部(12)とから構成する。本支え部(8)表面にはクッション部材(6)を貼り、ページ押さえ部(12)は透明な材料から構成する。ページ押さえ部(12)の裏面は、両端部から中央に向かって凹状に湾曲したページ押さえ面(21)となっている。本支え部(8)とページ押さえ部(12)は、互いに近接するようにバネ付勢されている。
【選択図】図1

Description

本考案は、本を任意のページに開いたまま閲覧可能な状態に保持することができる、ページ押さえクリップに関するものである。
勉強、研究、執筆等においては、資料として本を閲覧することが多い。このようなときは、机上で1冊または複数冊の本を、所定のページに開いて閲覧可能な状態にしておくと作業効率は高くなる。また、教本に従って料理や手芸等の両手を使用する作業を行う場合においても、手で押さえなくても教本の所定のページが閲覧可能な状態に開かれていることが望ましい。ところで、ページ数の多い厚手の本、各ページが比較的弾力性のある厚手の紙からなる本等は、机上で所定のページを開いていても、手を離すと閉じてしまうことがある。また、意図しない異なるページが開かれてしうこともある。このような本を、所定のページに開いて保持するためには、開かれたページに重しとなる文鎮を載せたり、ページを強く押し広げて本に開き癖を付けることが行われている。また、従来周知の書見台が利用されることもある。
上記した従来の方法によっても、一応は所定のページを開いた状態に保持することはできる。しかしながら、問題点も多い。例えば、開かれたページに文鎮を載せる方法によると、文鎮を載せる位置によっては、文鎮がページから滑り落ちて本が閉じてしまうことがある。一方、滑り落ちないような位置に文鎮を載せると、印刷された文字が文鎮で覆われてしまい、閲覧の妨げになることがある。また、ページを強く押し広げて本に開き癖を付ける方法では、本を痛める恐れがあり、借用した本や、貴重で高価な本には適用できない。また、格別に厚い本等には開き癖は付け難く、ページを開いた状態に保持することができない場合もある。これに対し、従来周知の書見台によると、本の厚さに比較的影響を受けずに、任意のページに開いて本を保持することができ、読書には適しているといえる。しかしながら、従来の書見台は、比較的大型であり、携帯して持ち運ぶには不便である。また、複数冊以上の本を同時に資料として机上で開きながら、勉強、研究、または執筆等を行う場合、複数の書見台によって机上が占有されてしまい、作業に支障を来たす。さらには、従来の書見台は互いに重ねることができないので、開いたままの本を重ね、一時的に机にスペースを作ることもできない。また、書見台は比較的高価で、複数台を購入すると出費が嵩むという問題もある。
そこで、比較的安価で、所定のページに開いた状態に保持できるページ押さえクリップが、例えば特許文献1により提案されている。
特開2002−103850号公報
特許文献1に記載されているページ押さえクリップ51は、図6の(ア)に模式的に示されているように、開いたページを押さえる上側部品52と、本の背表紙を載せる下側部品53とから構成されている。上側部品52は、中央部がわずかに折り曲げられて下方に突き出た断面形状がV字状を呈するページ押さえ部54と、操作部55と、ページ押さえ部54と操作部55をつないでいる胴部56とから構成されている。下側部品53は、本の背表紙が載せられる背表紙受け部57と、背表紙受け部57の先端に固着され、横方向に十分な幅と所定高さを有する板状の脚すなわち垂下片58と、操作部59と、背表紙受け部57と操作部59をつないでいる胴部60とから構成されている。そして、上側部品52と下側部品53は、それぞれの胴部56、60に設けられている、軸支部61、61、62、62に1本の軸が貫通されて、回転自在に軸着されている。また、軸にはコイルバネも巻き付けられており、ページ押さえ部54が背表紙受け部57に当接されるように付勢されている。なお、軸およびコイルバネは図に示されてはいない。
このようなページ押さえクリップ51の操作部55、59を2本の指で挟むように押さえると、コイルバネの付勢に抗してページ押さえ部54と背表紙受け部57とが離間する。したがって、所定のページに開いた本63の背表紙を背表紙受け部57に載せて、開いたページをページ押さえ部54で押さえるようにして、操作部55、59から指を離すと、コイルバネに付勢されたページ押さえ部54と背表紙受け部57が、ページを開いた状態の本63を挟んで、図6の(イ)に示されているように、本63を保持することができる。
特許文献1に記載のページ押さえクリップ51によっても、一応は任意のページを開いた状態で保持できることはできる。また、構造がシンプルで、安価に製造できる効果も認められる。しかしながら、欠点あるいは問題点もある。例えば、背表紙受け部57の幅が固定的で、背表紙が幅広のときは、背表紙が背表紙受け部57に収まらずに背表紙を傷つけてしまう恐れがある。また、図6の(イ)に示されているように、本63の表紙および裏表紙は、垂下片58の角64、64において点で接するようになっているので、表紙および背表紙を傷つけることもある。
さらには、ページ押さえ部54は、紙面の中心部の近傍に印刷された文字を隠くしてしまうので、口幅H'を広く選定することができない。隠さないように、ページ押さえ部54の口幅H’を狭くすると、本を開いた状態に保持する力が弱くなるので、各ページが弾力性のある厚手の紙からなる本等に適用すると、図6の(ウ)に示されているように、ページ押さえ部54で押さえられていない他方65は閉じてしまい、本63を均等に開いた状態で保持できない。また、ページ押さえ部54の口幅H’が狭いときには、開かれたページを押さえる面積が小さくなるので、紙面を傷つける恐れもある。
板状の垂下片58は脚の作用を奏し、この垂下片58により開かれた本は閲覧者の方向に傾けられるので、本を読みやすくする効果は認められる。しかしながら、ページ押さえクリップ51で開いた本を、他のページ押さえクリップ51で開いた他の本の上に一時的に重ねて机にスペースを作る場合、垂下片58が妨げとなって本を重ねることが難しいという問題もある。
本考案は、上記したような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、比較的小型で使用時に机を占有することもなく、携帯性に優れて、構造がシンプルで安価でありながら、本の厚さや紙の質にかかわらず、本を任意のページで開いて閲覧可能な状態に保持できる、ページ押さえクリップを提供することを目的としている。また、本を傷つけることもなく、さらに開いたページに印刷された文字の読みに支障を来すようなこともなく、開いた本どうしを互いに重ねることも可能な、ページ押さえクリップを提供することも目的としている。
本考案は、上記目的を達成するために、ページ押さえクリップは、本の表紙、裏表紙および背表紙側を支持する本支え部と、開いたページ側を押さえるページ押さえ部とを有し、本支え部にはクッション部材が設けられ、ページ押さえ部は透明な材料から構成される。
すなわち、請求項1に記載の考案は、本を任意のページで開いたまま、閲覧可能な状態に保持するページ押さえクリップであって、本の表紙、裏表紙および背表紙側を支持する本支え部と、本の開いた両ページ側を押さえるページ押さえ部とを有し、前記本支え部の、前記ページ押さえ部と対向した面にはクッション部材が設けられ、前記ページ押さえ部の、前記クッション部材と対向した面は両端部から中央に向かって凹状に湾曲していると共に、透明な材料から構成され、任意のページに開かれた本は、バネ付勢された前記本支え部のクッション部材と、同様にバネ付勢された前記ページ押さえ部のページ押さえ面とにより、開いた状態に保持されるように構成される。請求項2に記載の考案は、請求項1に記載のクリップにおいて前記ページ押さえ部は、アクリル樹脂からなるように、そして請求項3に記載の考案は、請求項1または2に記載のクリップにおいて、前記クッション部材は、発泡ポリウレタンからなるように構成される。
以上のように、本考案によると、ページ押さえクリップの、本の表紙、裏表紙および背表紙側を支持する本支え部にはクッション材が設けられているので、頻繁に使用しても、本の表紙、裏表紙、背表紙等を傷めるようなことはない。また、ページ押さえ部は、透明な材料から構成されているので、ページ押さえ部がページに印刷された文字を覆ったとしても、文字を容易に読みとることができ、閲覧に支障を来すようなことはない。さらには、ページ押さえ部を幅広に選定しても閲覧に支障はないので、幅広に構成して比較的開きにくい本であっても、容易に本を開いて保持することができる。また、ページ押さえ部のページ押さえ面は、両端から中央に向かって凹状に湾曲しているので、ページ押さえ面全体を開いたページに面で当接させることができ、印刷面あるいは紙面を傷めるようなこともない。また、構造がシンプルであるので、安価にプラスチックにより成形することができる。また、本考案に係るページ押さえクリップは、構造がシンプルで比較的小型に構成でき、嵩張らないので、開いた本どうしを容易に重ねることも可能である。他の考案によると、ページ押さえ部は、アクリル樹脂からなるので、射出成形等によって容易に成形することができる効果がさらに得られ、さらに他の考案によると、クッション部材は発泡ポリウレタンからなるので、安価に製造することができる効果も得られる。
以下、本考案の実施の形態を説明する。本考案の実施の形態に係るページ押さえクリップ1は、図1に模式的に示されているように、概略的には、開いた本の表紙、背表紙等側を支持する下側部品2と、開いたページ側を押さえる上側部品3とから構成されている。
下側部品2は、アクリル樹脂等の合成樹脂から成形されている板状の支持部材5と、発泡ポリウレタンからなるクッション部材6とから構成されている。支持部材5は、平面的に見て略T字形を呈するように形成されている。すなわち、支持部材5は、T字の横棒に相当する所定幅の本支え板7と、T字の縦棒に相当する所定長さの下側胴部10とから構成さている。本支え板7は略略長方形を呈し、この本支え板7の表面に前記クッション部材6が貼り付けられて本支え部8が構成されている。支持部材5の下側胴部10の表面には、本支え板7から所定の間隔Kをおいて2枚の下側連結部11、11が横方向に所定の間隔をおいて平行に設けられている。この下側連結部11、11を利用して、上側部品3と下側部品2とが回動自在に連結されることになる。
上側部品3も、下側部品2と同様に略T字状を呈するように、アクリル樹脂等の透明な合成樹脂から成形されている。すなわち、T字の横棒に相当する所定幅のページ押さえ部12と、T字の縦棒に相当する所定長さの上側胴部14とから略T字状を呈するように成形されている。このページ押さえ部12と上側胴部14は、上記した本支え板7と下側胴部10とにそれぞれ対応している。上側胴部12の裏面には、ページ押さえ部12から、所定の間隔Kをおいて2枚の上側連結部15、15が横方向に所定の間隔をおいて平行に設けられている。この上側連結部15、15と、前述した下側連結部11、11とにより、下側部品2と上側部品3とが回動自在に連結されることになる。上側胴部14の先端部近傍の表面には、横方向に複数本の溝からなる滑り止め16が形成されている。下側部品2の下側胴部10の表面にも同様な滑り止めが成形されているが、図1には示されていない。
このように成形あるいは形成されている上側部品3のページ押さえ部12の、図1のA−A’における断面が図2の(ア)に示されている。同図に示されているように、ページ押さえ部12のページ押さえ面21は、中央部22に向かって両端から緩やかに凹状に湾曲している。そして、中央部近傍で下側に向かって楔状に突出している。一方、ページ押さえ部12の表面23は、中央部近傍で平面状を呈している。従って、ページ押さえ部12は、全体的にほぼ一定の肉厚に成形されて、中央部近傍のみが肉厚となっている。これにより、開いた本のページを傷つけることなく、ページ押さえ面21の略全面を開いた紙面に当接させることができることになる。
このような上側部品3と下側部品2は、図1に示されているように、上側連結部15、15と、下側連結部11、11に設けられた貫通孔にピン17が挿入されて、ピン17を中心に回動自在に軸着されている。そして、ピン17には、図には示されていないが、コイルバネが取り付けられている。これにより、ページ押さえ部12のページ押さえ面21と、クッション部材6の上面は互いに近接する方向に付勢されている。
次に、本考案の実施の形態の作用について説明する。図3に示されているように、本31を所定のページに開いておく。ページ押さえクリップ1の上側部品3と下側部品2の滑り止め16、16に、親指と人差し指を当てて互いに近接するように押す。そうすると、コイルバネの付勢に抗して、ページ押さえ部12のページ押さえ面21と、クッション部材6の表面は互いに離間する。そこで、所定のページに開かれている本31に、離間したページ押さえ面21とクッション部材6を装着する。そうして、親指と人差し指を放す。そうすると、本31の表紙32、裏表紙33および背表紙34はクッション部材6に載った形で、開かれた左右のページ面35、35’はページ押さえ面21により押さえられた形で、所定のページが開かれた状態で保持される。このような状態が図3に示されている。
本実施の形態によると、クッション部材6は十分に柔らかく、適切に窪んで本31の背表紙34を包み込むので、表紙32,裏表紙33,背表紙34を傷つけるようなことはない。また、ページ押さえ部12は、透明な部材から構成されているので、ページ押さえ部12がページ面35、35’に印刷された文字等を覆っていても、容易に読むことができる。さらには、ページ押さえ部12が、文字を覆っていても読めるので、口幅Hを広く選定でき、本31を開いた状態で良好に保持できる。
図4には、本31のページ面35、35’が開かれている状態が示されている。比較的開き易い本のときは、ページ面35、35’の下部近傍あるいは上部近傍36をページ押さえ部12で押さえるだけで、本31を開いた状態で保持できる。しかし、各ページが弾力性のある厚手の紙からなるような、比較的開き難い本の場合は、ページ面35、35’の上方よりやや下方よりの部分を押さえる必要がある。本考案の実施の形態に係るページ押さえクリップ1は、ページ押さえ部12と上側連結部15、15とは所定の間隔Kだけ離間しているので、中央部近傍37をページ押さえ部14で押さえることが可能であり、比較的開き難い本であっても、開いた状態で容易に保持できる。
本実施の形態に係るページ押さえクリップ1は、色々な変形が可能である。例えば、ページ押さえ部12のページ押さえ面21は、両端から中央部近傍に向かって緩やかに凹状に湾曲していさえすれば良く、図2の(イ)に示されているように、ページ押さえ面21の中央部24は平面状に形成されていてもよい。このように実施すると、ページ押さえ面21の中央部24が、開かれたページ35、35’の閉じ部を押し広げるような力が作用しなくなる。これにより、本を傷つける度合いが小さくなる。また、図2の(イ)に示されているように、表面23は全体的に平面状に形成されていてもよい。このように実施すると、ページ押さえ部12の肉厚が、両端に向かって自然に薄くなってページ押さえ部12に生じる応力が一部に集中することが避けられ、より強度が得られる効果が期待できる。
また、上記実施の形態では、上側部品3と下側部品2は別体になっているが、図5に示されているように、1個の部品として一体的に成形することも可能である。当業者には、図5からこのように成形されたページ押さえクリップ1’の形状、構造が容易に理解されるので、同じあるいは同じような構成部材には同じ参照番号にダッシュ「’」を付して重複説明はしない。本実施の形態によると、ページ押さえクリップ1’は、湾曲部4が弾性を有しており、ページ押さえ部12’とクッション部材6’は互いに近接する方向に付勢されている。従って、本を開いて保持する場合、手でページ押さえ部12’と本支え板7’を持って押し広げて、開いた本を挟むことになる。
さらには、上記実施の形態では下側部品2の本支え板7に、クッション部材6が貼り付けられるようになっているが、特開平9−76291号公報に示されているように、同一の金型内で硬質材と軟質材の2種の材料を順次に射出して一体として成形することもできる。
本明細書において、本は印刷物である書籍全体を意味する。したがって、雑誌、冊子、写真集等も本に含まれる。
本考案の実施の形態に係るページ押さえクリップを示す斜視図である。 本考案の実施の形態に係るページ押さえクリップの要部の断面図で、その(ア)は図1のA−A’で切断した断面図、その(イ)は他の実施の形態を示す図で、図1のA−A’で切断した図に相当する断面図である。 本実施の形態に係るページ押さえクリップの使用状態を模式的に示す斜視図である。 任意のページで開いた状態の本を模式的に示す斜視図である。 他の実施の形態に係るページ押さえクリップを示す斜視図である。 従来例を示す図で、その(ア)はページ押さえクリップの上側部品と下側部品を模式的に示す斜視図、その(イ)はその使用状態を示す側面図、その(ウ)は他の使用状態を示す斜視図である。
符号の説明
1 ページ押さえクリップ 2 下側部品
3 上側部品 6 クッション部材
8 本支え部 12 ページ押さえ部
21 ページ押さえ面

Claims (3)

  1. 本を任意のページで開いたまま、閲覧可能な状態に保持するページ押さえクリップであって、
    本の表紙、裏表紙および背表紙側を支持する本支え部と、本の開いた両ページ側を押さえるページ押さえ部とを有し、
    前記本支え部の、前記ページ押さえ部と対向した面にはクッション部材が設けられ、
    前記ページ押さえ部の、前記クッション部材と対向した面は両端部から中央に向かって凹状に湾曲していると共に、透明な材料から構成され、
    任意のページに開かれた本は、バネ付勢された前記本支え部のクッション部材と、同様にバネ付勢された前記ページ押さえ部のページ押さえ面とにより、開いた状態に保持されることを特徴とするページ押さえクリップ。
  2. 前記ページ押さえ部は、アクリル樹脂からなることを特徴とする、請求項1に記載のページ押さえクリップ。
  3. 前記クッション部材は、発泡ポリウレタンからなることを特徴とする、請求項1または2に記載のページ押さえクリップ。
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