JP3137859U - ゴルフ練習用くさび型ブロック - Google Patents
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Abstract
【課題】ゴルフ練習場の自打席で、様々な斜面形状での打撃練習ができ、かつスイング軌道の把握と矯正練習ができる多機能な携帯用の練習用具。
【解決手段】本考案は、硬質スポンジ製のくさび型ブロック1で、側面3が直角三角形の形状を有し、斜面打ちに必要な高さの異なる複数のゴムティーを収納する貫通孔2が設けられている。個々のブロックの斜面4に足を乗せるか、重ねて直方体にしたブロックに足を乗せることで斜面を模擬し、傾きに合わせたゴムティーを使い斜面打ち練習ができる。ブロックの斜面を打者の前方に向けて、背面5を床面に着座させ、ヘッドのトウとヒール側を挟むように2個配置し、その間をスイングすることにより、ヘッドがブロックに接触した部位からスイング軌道が把握できる。配置したブロックの間隔を徐々に変えながらスイングすれば軌道の矯正練習ができる。さらに足の外縁にブロックの斜面を挟めばスエーの改善練習もできる多機能なゴルフ練習用くさび型ブロックである。
【選択図】図1
【解決手段】本考案は、硬質スポンジ製のくさび型ブロック1で、側面3が直角三角形の形状を有し、斜面打ちに必要な高さの異なる複数のゴムティーを収納する貫通孔2が設けられている。個々のブロックの斜面4に足を乗せるか、重ねて直方体にしたブロックに足を乗せることで斜面を模擬し、傾きに合わせたゴムティーを使い斜面打ち練習ができる。ブロックの斜面を打者の前方に向けて、背面5を床面に着座させ、ヘッドのトウとヒール側を挟むように2個配置し、その間をスイングすることにより、ヘッドがブロックに接触した部位からスイング軌道が把握できる。配置したブロックの間隔を徐々に変えながらスイングすれば軌道の矯正練習ができる。さらに足の外縁にブロックの斜面を挟めばスエーの改善練習もできる多機能なゴルフ練習用くさび型ブロックである。
【選択図】図1
Description
本考案は、ゴルフ練習場で様々な斜面形状での打撃練習ができ,かつスイング軌道の把握と矯正練習ができる携帯用の多機能なゴルフ練習用くさび型ブロックに関するものである。
実際のゴルフコースでは,練習場のような平坦な地面が少ないので、斜面打ちの練習はゴルフ上達に欠かすことができないが、練習設備に恵まれていないのが現状である。斜面打ちの練習設備を備えるゴルフ練習場は極めて少ないばかりでなく、斜面の角度や方向を変えることが容易に出来ないため、斜面打ちの技術習得を困難にしている。
踵やつま先に球を挟んで斜面打ちの練習をすることもできるが、足元が極めて不安定になり、足首の捻挫や靴のスパイクを損傷する危険があり、上級者が練習する場合に限られている。またコンクリートブロックや煉瓦の上に片足を乗せて行う練習では、足元は安定した姿勢で練習できるが、限られた斜面形状しか練習できない。また練習場のマットを損傷させたり、スパイクを磨耗させたりするので禁止している練習場もある。
斜面打ちの練習装置として、従来の考案は、足元の床面をジャッキなどで機械的に傾ける装置などがある。しかし斜面形状の変更は容易ではなく、斜面を安定して支えられる装置は大きくて重く移動し難いので携帯には不向きで打席に持ち込んで練習することはできない(例えば、特許文献1参照。)。
携帯できる斜面打ち練習用具の考案として、傾斜した踏み台を使い斜面を模擬したものがある。しかしこれは、足元のみを傾斜させ、球の位置は床面にあるので、斜面を模擬したことにはならない。特につま先上がりの斜面では、球がつま先と同等以上の高さでなければ練習効果がない。また足元やマットとの滑り止め対策として、踏み台表面や裏面にゴム製シートを貼り付けるためのコストを必要としている(例えば、特許文献2参照。)。
前記と同様な形状を有するもので、つま先上がりを想定し、球の位置だけを斜面に留め足元は平坦な地表に立って練習する用具もある。斜面打ちにおいては、斜面に立つことで下肢の動きが制約を受け大きな重心移動ができなくなり、スイングしづらくなる。このことを練習で体感し、斜面におけるバランス感覚を養うためには、練習においても足元を傾斜面に立たせることが最重要となる。したがって足元が斜面上になければ斜面打ちの用具としては適さない。また材質を硬質プラスチックとしたことは、低価格、軽量化を図れるが前記考案と同様に滑り止めにゴムを貼るため、コスト増に繋がる(例えば、特許文献3参照。)。
多くの初級ゴルファーは自分のスイング軌道とインパクト時のクラブフェースの向きを把握していないため、球の曲がりをコントロールできずに上達を妨げている。スイング軌道には、インツーイン、アウトサイドイン、インサイドアウトの3種類がある。またインパクト時の軌道とフェースの向きには、スクエア、オープン、クローズの3種類がある。打撃直後の飛球方向を表す出球と曲がり方を表す球筋は、これらの組合せで9種類のいずれかに決まる。したがって球筋からスイング軌道が判れば、インパクト時のフェースの向きが判ることになる。出球からスイング軌道は推定できるが、例えば、スライス、フェード、プッシュなどは風の影響などで曲がり方が変わるとスイング軌道は判別し難い場合がある。そこでインパクト前後のクラブヘッドの位置関係がわかれば、スイング軌道もより正確に把握できる。
スイング軌道が判れば、球筋から容易にインパクト時のフェースの向きが推定できる。グリップする際のフェースの向き、スタンスの向き、手の返し動作などを調節することで、球の曲がり方をコントロールすることができるようになり、ゴルフ技術の向上が図れる。またスイング軌道を把握することにより、自分が望む持ち球に合わせて軌道を矯正することができる。
スイング軌道を把握する方法は、高速度カメラでインパクト前後のクラブヘッドの動きを撮影する方法(例えば特許文献4参照。)や磁気あるいは光学的センサーを用いたものがある(例えば、特許文献5参照。)。またスイング軌道の矯正練習用具としてはスイングプレーンを模した環状軌道をなぞるもの(例えば、特許文献6参照。)などがある。さらに斜面打ちとスイング軌道の把握の両方ができる方法として、上述の床面をジャッキアップする装置にインパクト時の情報を得るセンサーを組み込んだものがある(例えば、特許文献7参照。)。
前記の装置類は、練習施設の設備としては好適であるが、複雑な構造であり、比較的高価なものといえる。そしてこれらは、練習場へ携帯し、自打席で手軽に斜面打ちとスイング軌道の把握と矯正練習ができるものではない。本考案は、練習場へ携帯可能で斜面打ち練習とスイング軌道の把握と矯正練習が自打席においてできることを目的とする。
ゴルフ練習場の自分の打席で、つま先上がり、つま先下がり、左足上がり、左足下がりなどの斜面打ちの練習をできるようにする。
つま先上がり、つま先下がりの斜面打ちの練習では、足首の関節可動範囲に合わせて練習をできるようにする。
ウッド、アイアン、パターまで全てのゴルフクラブにおいて、インパクト前後のスイング軌道が把握できると共にスイング軌道の矯正練習をできるようにする。
練習用具は携帯できる大きさと重さで、練習場のマットや靴のスパイクを損傷することなく、滑らずに安全に練習をできるようにする。
本考案は、上記課題を解決しゴルフ練習場の自打席で,様々な斜面を模擬した打撃練習ができ、かつスイング軌道の把握と矯正練習が可能となる携帯用の多機能なゴルフ練習用具を提供することを目的とする。
本考案は、図1に示すように、一対のくさび型ブロック1と高さの異なる複数の市販のゴムティー6、7、8で構成している。三辺の長さの異なる直角三角形を側面3の形状とする、くさび型ブロック1は、軽量で適度な弾力性と摩擦力を備えた硬質スポンジ製である。図2に正面図と図3に側面図を示す。くさび型ブロック本体には、斜面打ちに必要な複数のゴムティーをコンパクトに収納する貫通孔2が斜面4から背面5にかけて、均等な間隔で3箇所設けている。
個々のブロックの斜面4につま先を乗せればつま先上がり、踵を乗せればつま先下がり、重ねて直方体にしたブロックに左足を乗せれば左足上がり、右足を乗せれば左足下がりなどの様々な斜面を模擬し、傾きに合わせた高さのゴムティーを用いることで斜面における打撃練習ができる。
ブロックの斜面4を打者の前方向に向けて、背面5を床面に着座させ、クラブヘッドのトウとヒールを挟むようにブロック2個を配置し、その間をスイングすることにより、ヘッドがブロックに接触した部位でスイング軌道が把握できる。トウとヒールの前後に配置したブロックを各々左右に移動してインパクトゾーンを長くすることや、前後の間隔を徐々に狭めて配置し、ブロックに当たらないように打撃することで、より真直ぐなスイング軌道の矯正練習ができる。
斜面打ちの練習に最低必要な3種類の高さの異なるゴムティーを、コンパクトに収納するために設けたブロックの貫通孔2に、ゴムティーを差し込んだ状態を図4に示す。もう一方のブロックを被せた状態を図5に示す。ゴルフ練習場へ携帯する際に便利な略直方体形状となる。被せたもう一方のブロックの空いた貫通孔を利用すれば、最大6種類の高さの異なるゴムティーが収納でき、多くの斜面形状を模擬できる。6種類のゴムティーを収納したブロックの平面図を図6に示す。高さの異なるゴムティーを互い違いに収納した様子が判るブロックの断面を図7に示す。
多機能なくさび型ブロックを用いた練習により、今まで練習場では出来なかった、左足上がり、左足下がり、つま先上がり、つま先下がりなど様々な斜面打ちの練習ができる。その結果、斜面に合わせた重心のかけ方が身に付き、傾斜地でのスイングの強さ、打ち出し方向などが判り距離感と方向性も向上する。
またインパクトゾーン近傍にブロックを配置することで、ウッド,アイアン,パターなど全てのクラブでスイング軌道の把握と矯正練習ができ、球筋をコントロールすることができるようになる。
斜面打ちに必要な複数のゴムティーは、重ねたブロックに収納でき、略直方体形状になり練習場への携帯に便利である。また硬質スポンジ製であるため、軽く、弾力性があるので打ち損ねても人体、クラブ、設備に損傷を与えることなく安全に練習できる。
本ブロックはゴルフ練習場で用いるため、練習場のマットの上を滑ることなく、マットや靴のスパイクに損傷を与えないもので、さらに携帯の利便性から軽量でコンパクトなことが望まれる。またブロックには体重がかかるため、過度な変形をしない強度と足首への負担を軽減するための弾力性が必要となる。これらの条件に適合する素材は、エチレン・ビニル・アセテートやポリウレタンなどの硬質スポンジが最適である。
左足上がりなどの斜面を模擬するために、ブロックを重ねてその上に足を乗せて使用することから、重ねた形状に安定性があることが望まれる。安定性のある形状としてはレンガ状の直方体がコンパクトで最適となる。くさび形状のブロックを2個重ねて直方体にするには、側面3の形状である三角形の一つの角度が90°で三辺の長さが異なる直角三角形となる。
本ブロックはくさび形状で、つま先上がり、つま先下がりなどの斜面を模擬するが、過度の傾斜は足首の損傷につながるので、安全性を考慮する必要がある。足の背屈角度と底屈角度を比べて、足首への負担が大きくならないように、可動角度が小さい方の背屈角度を、模擬する斜面の傾斜角度の限度とする。背屈角度の平均値は文献により様々で、欧米人では20°アジア人では45°とあり(例えば、非特許文献1参照。)、かなり幅があるので日本人に限定すると、平均値が27°弱となる(例えば、非特許文献2参照。)。後に述べるライ角度との兼ね合いも考慮してくさび型の斜面の角度は、背屈角度27°を丸めて30°とした。したがって前述の90°を組み合わせると、くさびの側面3は鋭角を30°とする直角三角形の形状となる。
つま先上がりの斜面打ちを練習する場合、足の背屈角度に相当する30°は、足首に負担がかかることが懸念されるが、実際にはブロックがスポンジ製で弾力があることから体重が加わると傾斜は若干緩やかになる。また足を浅くブロックに乗せることで傾斜角度は容易に調節できるので、各自の足首の関節可動範囲内で練習することができる。
スイング軌道を把握する練習では、図12に示すクラブシャフトとヘッドの底面が作るライ角度10と、斜面4と背面5に挟まれた角度とが略同じになる必要がある。この第一の理由は、スイング中にクラブシャフトが手前のヒール側ブロック11に接触しないようにするためである。第二の理由は、ブロックの角度を目安にクラブシャフトのライ角度を合わせてセットアップすることである。ライ角度は、ドライバーからパターまで概ね55°から65°の範囲にあるので、ライ角度の平均を60°とすると、くさび型ブロックの側面3の形状は、30°60°90°の直角三角形になり、くさび型ブロックの最適な形状となる。
本ブロックを斜面打ちの練習に用いるために、高さの異なる市販のゴムティーを複数個使用する。これらを携帯に便利なようにコンパクトに収納するため、ブロック本体にゴムティー収納用の貫通孔を斜面4から背面5にかけて均等な間隔で3箇所設ける。これにより一対のブロックで最大6個の高さの異なるゴムティーを収納することができる。なお斜面打ちの練習では最低3種類の高さの異なるゴムティーを必要とする。
以下に本ブロックを用いた斜面打ちの練習方法とスイング軌道の把握と矯正練習の方法を示す。
つま先上がりの斜面打ちを模擬した練習方法を図8に示す。くさび型ブロックの鋭角部をつま先側に向け、両足のつま先をそれぞれのブロックに乗せる。ブロックより高いゴムティー8を使うことにより、つま先上がりの傾斜を模擬した打撃練習ができる。ブロックに土踏まずの部分まで深く乗せることにより急斜面のつま先上がりを模擬できる。
つま先下がりの斜面打ちを模擬した練習方法を図9に示す。くさび型ブロックの鋭角部を踵側に向け、両足の踵をそれぞれのブロックに乗せる。低いゴムティー6を使いつま先下がりの斜面を模擬した打撃練習ができる。ブロックに土踏まずの部分まで深く乗せることにより急斜面のつま先下がりを模擬できる。
左足上がりの斜面打ちを模擬した練習方法を図10に示す。一対のくさび型ブロックを重ねて直方体形状にしたものに左足を乗せる。これにより身体が傾き傾斜を模擬できる。重ねたブロックの高さの半分程に球を置ける中位の高さのゴムティー7を使うことで左足上がりの斜面を模擬した打撃練習ができる。
重ねた一対のブロックを左足から右足に移し変えれば、左足下がりの斜面打ちを模擬した練習方法を示す図11になる。
高さの異なるゴムティーを用いる理由は、第一に左足上がり,左足下がり、つま先上がりにおいて、斜面の傾きに球の高さを合わせるためである。第二は、つま先下がりの練習で、練習用マットの上に球を直接置いて打つと、ダフリショットをした場合、クラブヘッドのソールはマットに弾かれて滑り、確実にヘッドの芯で球を捕らえているか判別し難い。したがってヘッドの芯で球を捕らえた打撃感覚を明確に感じ、ダフリショットと区別するためにゴムティーを用いる必要がある。第三は、アイアンなどダウンブローに打ち込むショットでは、マット上に球を直接置くと、インパクト直後にマットと衝突し、ブロックと接触する機会が少なくなり、軌道の確認がし難くなるからである。
スイング軌道を把握するためのくさび型ブロックの配置を図12に示す。また上から見たブロックの配置を図13に示す。ブロックの斜面4を打者の前方向に向けて、背面5を床面に着座させ、クラブヘッドのトウとヒールを挟むようにブロック2個を配置する。この二つのブロックは障壁となるため、高さはティーアップしたドライバーのトウより若干高く、長さはインパクトゾーン程度を必要とする。始めはブロックの間隔を広くとり、慣れてきたら徐々に間隔を狭めてスイングする。ブロックにクラブヘッドが接触した場合でも、ブロックは軽く弾力性のあるスポンジ製なのでクラブを損傷することは無い。またクラブヘッドとブロックは、セットアップ時に接触しない程度の隙間を空けるため、アイアンなどダウンブローにスイングしたクラブヘッドは、ブロックを上から下へ斜めに擦る接触となる。またドライバーはアッパーブローにスイングするため下から上への緩やかな傾きで擦る接触となり、いずれもブロックは軌道の外側へ僅かに押し出されて移動するが、弾かれて遠くへ飛ぶことは無い。仮に飛んだとしても軽いスポンジ製なので練習設備や人体に損傷は与えない。
図13において、スイングしたクラブヘッドが、インパクト前に前方トウ側のブロック12に接触してから、インパクト後に手前ヒール側のブロック11に接触するようなら、アウトサイドインの軌道13である。インパクト前に手前ヒール側のブロック11に接触してから、インパクト後に前方トウ側のブロック12に接触するようなら、インサイドアウトの軌道15である。稀に、インパクト前には前後のブロックに接触せずに、インパクト後にトウ側のブロックに接触する場合はインサイドアウト軌道で、ヒール側に接触する場合はアウトサイドイン軌道である。
前後のブロックにクラブヘッドが接触しないでスイングできるようなら、インツーイン軌道14でストレートな球筋である。しかしブロックに接触しないのにインパクト直後の出球の方向が左右のどちらかに曲がる場合は、ブロックの間隔が広すぎるためである。徐々にブロックの間隔を狭めることにより、スイング軌道が把握できる。また出球がストレートでその後に球が曲がるときは、インツーインの軌道ではあるが、インパクト時のクラブフェースの向きが軌道に対してスクエアではないからである。
クラブヘッドがブロックの間を通過するとき、インパクト前にトウ側のブロック12のみに接触する場合は、弱いアウトサイドイン軌道であり、フェード系の球筋に向いている軌道である。またインパクト前にヒール側のブロック11のみに接触する場合は、弱いインサイドアウトの軌道でドロー系の球筋に向いている軌道である。
アウトサイドインとインサイドアウトのスイング軌道の矯正は、図14と図15に示すブロックの配置で、ブロックに当たらないようにスイングすれば矯正練習ができる。球筋が曲がるようなら、クローズフェース16、スクエアフェース17、オープンフェース18のうち、どのフェースの向きかを球筋から確認して、スタンス、グリップ、手の返し方などでフェースの向きを調整しながら、ブロックの間隔を徐々に狭めて練習する。この練習でストレートな球筋や好みの球筋での持ち球を練習することができる。図はアイアンの例であるがウッドでも同様な練習ができる
パッティングの軌道矯正は、図16と図17に示すブロック配置で練習することができる。インパクト以降もパターヘッドが少し直進すると、球の方向性が良くなるので、フォロースルー側に長くブロックを配置して練習する。パッティングのスイング速度は遅いので、球筋は主にインパクト時のフェースの向きに影響を受ける。ブロックに接触しないようにスイングして、球が曲がるようならインパクト時のパターフェースが斜めになっているので、スタンスやグリップの調整をして真直ぐな球筋になるようにする。真直ぐな球筋がでるようになったら、ブロックの間隔を徐々に狭めて、パッティング軌道の精度向上を図る。
上述の練習の他に本ブロックを用いると、バックスイングやフォロースルーで重心が過度に移動するスエーの改善ができる。図18と図19に左右のスエー改善練習用のブロック配置を示す。足の外縁にブロックを浅く挟んでスイングすると、足首の回外を制限するため膝が流れにくくなり、過度な重心移動を改善できる。
以上のように、くさび型ブロックは練習場での斜面打ちとスイング軌道の把握と矯正練習ができ、前述の課題を全て解決している。またブロックの配置を工夫すればバンカー廻りの変則的な斜面も模擬できる。さらにスエーの改善もできるなど多機能なゴルフ練習用くさび型ブロックである。
J.CASTAING他著 伊原英俊他訳「図解 関節・運動器の機能解剖 下肢編」2003年 共同医書出版社 142頁
独立行政法人 製品評価技術基盤機構「人間特性データベース」2003年 http://www.Tech.nite.go.jp/human/
本ブロックの製作例を以下に述べる。素材は耐久性、弾力性、軽量性、無公害性に優れたエチレン・ビニル・アセテートの硬質スポンジとした。スポンジ硬度は体重90kgの人が、ブロック上に片足立ちしても大きな変形をしないものとして、アスカーC型硬度計で60以上とした。硬質スポンジにしたことで表面の凸凹が、ブロックと床面、重ねたブロックの斜面同士、ブロックと靴などとの摩擦がよく働き滑らずに安全である。
製作例の斜視図を図20に示す。ブロックの幅は、足の乗せやすさと、重ねたブロックに30cmサイズの靴を履いて足を乗せ、体重90kgをかけてスイングしても、ずれ難く安定していることから120mmとした。このブロックの幅は、スイング軌道の把握と矯正練習において、くさび型ブロックの斜面4を打者の前方向に向け、背面5を床面に着座させて、障壁代わりに使う場合のブロックの高さとなる。この高さは、ドライバーなどティーアップした球をインパクトするスイング軌道の障壁としての高さとしても好適である。
くさび型ブロックは、側面3の形状を30°の鋭角部分19と90°の直角部分20の直角三角形にしたことで、幅である底辺が120mmであるから、背面5の高さは69mmとなる。長手方向のブロックの長さは、斜面4同士を重ねて直方体にしたブロックに足を乗せても安定したスイングができる最小の長さとした。その結果、重ねたブロックに、踵が載れば靴の長さの8割で十分安定したスイングができることが判り、靴のサイズの上限を30cmとして、8割の240mmとした。結果的にこの長さは、スイング軌道が把握できるインパクトゾーンの長さとしても適当となった。ゴムティー収納用の貫通孔は市販のゴムティーが挿入できる直径16mmとした。その結果、ブロック1個の重量は約145gとなった。
斜面打ちに用いるゴムティーは市販品から、高さ30mmの低いもの21、中位の高さの50mm22、80mmの高いもの23を選択した。この他に、20、40、70mm前後の高さの異なるゴムティーもブロックに収納でき、練習に利用できる。
本考案のくさび型ブロックは、足首の平均的な背屈角度に合わせた形状にしたため、図21に示すような前屈用ストレッチャーとして利用できる。硬質スポンジを素材とするため適度な柔軟性があり、軽量、コンパクトで持ち運びに便利である。このブロックを用いた前屈は、ゴルフのみならず、あらゆるスポーツに必要な腰背部、臀部、ハムストリング、アキレス腱周りのストレッチが容易にできる。最近では骨盤矯正やダイエットにも効果が期待できることから、練習前だけでなく身近に置いて家庭でのストレッチングに活用できる。
1 くさび型ブロック
2 ゴムティー収納用貫通孔
3 側面
4 斜面
5 背面
6 低いゴムティー
7 中位の高さのゴムティー
8 高いゴムティー
9 高さの異なるゴムティー
10 ライ角度
11 ヒール側のブロック
12 トウ側のブロック
13 アウトサイドイン軌道
14 インツーイン軌道
15 インサイドアウト軌道
16 クローズフェース
17 スクエアフェース
18 オープンフェース
19 30°鋭角部分
20 90°直角部分
21 30mmゴムティー
22 50mmゴムティー
23 80mmゴムティー
2 ゴムティー収納用貫通孔
3 側面
4 斜面
5 背面
6 低いゴムティー
7 中位の高さのゴムティー
8 高いゴムティー
9 高さの異なるゴムティー
10 ライ角度
11 ヒール側のブロック
12 トウ側のブロック
13 アウトサイドイン軌道
14 インツーイン軌道
15 インサイドアウト軌道
16 クローズフェース
17 スクエアフェース
18 オープンフェース
19 30°鋭角部分
20 90°直角部分
21 30mmゴムティー
22 50mmゴムティー
23 80mmゴムティー
Claims (4)
- くさび型の側面3の形状が、異なる長さの三辺からなる直角三角形で、斜面4から背面5にかけてゴムティーを収納する複数の貫通孔2を等間隔に設けた、ゴルフの斜面打ち練習用くさび型ブロック。
- 前記ブロックの鋭角部の角度が、足の平均的な背屈角度と略同等で、ブロック2個の斜面4同士を重ね合わせて、直方体のブロックを形成することを特徴とする、請求項1に記載するゴルフの斜面打ち練習用くさび型ブロック。
- 前記ブロックの斜面4と背面5のなす角度が、ゴルフクラブの平均的ライ角度と略同等で、ブロックの斜面を打者の前方向に向け、背面を床面に着座させ、クラブヘッドのトウとヒールを挟むようにブロック2個を配置し、その間をスイングできることを特徴とする、請求項1、2に記載するゴルフのスイング軌道の把握と矯正練習用くさび型ブロック。
- 硬質スポンジを素材とする請求項1、2、3に記載するゴルフ練習用くさび型ブロック。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007007743U JP3137859U (ja) | 2007-09-10 | 2007-09-10 | ゴルフ練習用くさび型ブロック |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007007743U JP3137859U (ja) | 2007-09-10 | 2007-09-10 | ゴルフ練習用くさび型ブロック |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family Applications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016002028A1 (ja) * | 2014-07-02 | 2016-01-07 | 株式会社ファンシード | ゴルフのスイング矯正具 |
JP2017023639A (ja) * | 2015-07-28 | 2017-02-02 | セイコーエプソン株式会社 | スイング診断装置、スイング診断システム、スイング診断方法、スイング診断プログラム及び記録媒体 |
-
2007
- 2007-09-10 JP JP2007007743U patent/JP3137859U/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016002028A1 (ja) * | 2014-07-02 | 2016-01-07 | 株式会社ファンシード | ゴルフのスイング矯正具 |
JPWO2016002028A1 (ja) * | 2014-07-02 | 2017-04-27 | 株式会社 ファンシード | ゴルフのスイング矯正具 |
JP2017023639A (ja) * | 2015-07-28 | 2017-02-02 | セイコーエプソン株式会社 | スイング診断装置、スイング診断システム、スイング診断方法、スイング診断プログラム及び記録媒体 |
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