JP3135539B2 - 改良された炭化水素用水蒸気改質触媒 - Google Patents

改良された炭化水素用水蒸気改質触媒

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JP3135539B2 JP11081669A JP8166999A JP3135539B2 JP 3135539 B2 JP3135539 B2 JP 3135539B2 JP 11081669 A JP11081669 A JP 11081669A JP 8166999 A JP8166999 A JP 8166999A JP 3135539 B2 JP3135539 B2 JP 3135539B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、活性低下の少な
い、改良された炭化水素用水蒸気改質触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に触媒の高活性は、活性成分を微細
に分散させ活性成分表面積を大きくすることで実現され
る。周知のように、金属粒子を微細に分散させる方法
は、含浸法、沈着法、共沈法、混練法、イオン交換法等
で担持した後の酸化還元処理や析出沈殿担持法等で実現
される。しかし、炭化水素用水蒸気改質触媒に適用して
活性成分を微細化しても、該触媒は高温で使用される
為、活性成分のシンタリングが著しい。シンタリングは
活性成分の粒子が微細であるほど急速に進行し、急速な
活性低下を招く。
【0003】一方、炭化水素用水蒸気改質反応を高活性
で行う為には、触媒の細孔構造を工夫して有効拡散係数
を大きくすることが有効である。これは該反応では反応
原料や生成物が細孔内を拡散して行く時の拡散抵抗が大
きい為である。
【0004】本発明者らは、特許1894792号公
報、特公平6−83787号公報において、細孔構造を
工夫して有効拡散係数を大きくすることで触媒の高活性
を実現する提案をした。また、触媒の機械強度と高活性
を両立させた提案を特開平9−299798号公報にお
いて開示した。これら研究を実施したとき、活性成分の
微細化も同時に検討した。一般に触媒の高活性は、活性
成分を微細に分散させ活性成分表面積を大きくすること
でも実現され、炭化水素用水蒸気改質反応でも同様であ
る。即ち、有効拡散係数の増大と活性成分の微細化は相
乗的に高活性化に寄与するが、前述の通り、該反応では
活性成分のシンタリングが著しいという問題がある。
【0005】本発明者らの前記提案による高活性触媒の
活性低下は、従来の市販触媒よりも小さなため実用的に
は使用可能であった。しかし、実用的にはなるものの同
一反応率を維持するためには、反応器において反応温度
を暫時上昇させる必要があった。そのためのエネルギー
は、触媒の活性低下とともに増大する。したがって、省
エネルギーの観点からさらに長期間にわたって触媒の活
性低下を防止できる改善すべき課題は残されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、触媒の活性
低下が少ない改良された炭化水素用水蒸気改質触媒を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、炭化水素
用水蒸気改質触媒の活性低下を改善すべく試行錯誤を繰
り返し、鋭意検討を行った。その結果、以下に記載の触
媒の活性低下は極めて起こりにくい、という知見を得
た。すなわち、(1)担体がα−Al23 あるいはC
aO−Al23 であり、該担体に担持された活性成分
であるNiが、Niとα−Al23 からなる担体との
化合物(以下、NiAl24 と称す)を形成し、Ni
およびNiAl24 として担持され、そのいずれにも
炭素が含有された触媒とされ、炭素を含有させる前に比
較して、該触媒中のNiおよびNiAl24 の格子定
数がそれぞれ増加した触媒とされること、(2)担体が
α−Al23 あるいはCaO−Al23であり、該担
体に担持された活性成分であるNiに炭素が含有された
触媒とされ、炭素を含有させる前に比較して、該触媒中
のNiの格子定数が増加した触媒とされること、(3)
前記(1)および(2)の触媒において活性成分として
のNiを触媒中にNiとして3〜20wt%含有するこ
と、等である。本発明は、上記事情と上記知見に基づき
なされたもので、本発明の目的は以下の手段で達成でき
る。
【0008】すなわち、本発明は、 (1)活性成分Niがα−Al23 担体に担持され、
該活性成分Niの一部が前記担体と化合物NiAl2
4 を形成し、前記NiおよびNiAl24 のいずれの
成分にも炭素が含有された触媒であって、炭素を含有さ
せる処理が、水蒸気存在下で水蒸気の炭素数1〜4の低
級炭化水素の炭素に対するモル比が1〜3、600〜7
50℃、30分〜5時間の条件下で処理する炭素処理及
びその後の1回以上の酸化・還元操作の繰り返しによる
ものであり、前記いずれの成分にも炭素が含有される前
のものと比べて、該触媒のNiの格子定数が0.0001nm以
上0.0008nm以下およびNiAl24 の格子定数が 0.00
1nm以上 0.005nm以下増加したことを特徴とする改良さ
れた炭化水素用水蒸気改質触媒であり、 (2)活性成分NiがCaO−Al23 担体に担持さ
れ、該活性成分Niの一部が前記担体と化合物NiAl
24 を形成し、前記NiおよびNiAl24のいずれ
の成分にも炭素が含有された触媒であって、炭素を含有
させる処理が、水蒸気存在下で水蒸気の炭素数1〜4の
低級炭化水素の炭素に対するモル比が1〜3、600〜
750℃、30分〜5時間の条件下で処理する炭素処理
及びその後の1回以上の酸化・還元操作の繰り返しによ
るものであり、前記いずれの成分にも炭素が含有される
前のものと比べて、該触媒のNiの格子定数が0.0001nm
以上0.0008nm以下およびNiAl24 の格子定数が 0.
001nm以上 0.005nm以下増加したことを特徴とする改良
された炭化水素用水蒸気改質触媒である。また本発明
は、 (3)活性成分Niがα−Al 2 3 担体に担持され、
該活性成分Niに炭素が含有された触媒であって、炭素
を含有させる処理が、水蒸気存在下で水蒸気の炭素数1
〜4の低級炭化水素の炭素に対するモル比が1〜3、6
00〜750℃、30分〜5時間の条件下で処理する炭
素処理及びその後の1回以上の酸化・還元操作の繰り返
しによるものであり、該活性成分Niに炭素が含有され
る前のものと比べて、該触媒のNiの格子定数が0.0001
nm以上0.0008nm以下増加したことを特徴とする改良され
た炭化水素用水蒸気改質触媒であり、 (4)活性成分NiがCaO−Al 2 3 担体に担持さ
れ、該活性成分Niに 炭素が含有された触媒であって、
炭素を含有させる処理が、水蒸気存在下で水蒸気の炭素
数1〜4の低級炭化水素の炭素に対するモル比が1〜
3、600〜750℃、30分〜5時間の条件下で処理
する炭素処理及びその後の1回以上の酸化・還元操作の
繰り返しによるものであり、該活性成分Niに炭素が含
有される前のものと比べて、該触媒のNiの格子定数が
0.0001nm以上0.0008nm以下増加したことを特徴とする
良された炭化水素用水蒸気改質触媒であり、 (5)活性成分が触媒中にNiとして3〜20wt%含
有されることを特徴とする請求項(1)〜(4)のいず
れかに記載の改良された炭化水素用水蒸気改質触媒であ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、水蒸気改質され
るのに好適な炭化水素とは、炭素数1のメタンから炭素
数8の炭化水素およびこれらの化合物をいう。
【0010】担体について以下に説明する。本発明にお
いて、担体とはその代表成分としてα−Al23 およ
びCaO−Al23 をいうが、これに限定されるもの
ではない。また、担体は、いずれにしても細孔分布を有
するが、その細孔分布の形に限定されるものではない。
例えば、出願人が特許1894792号公報、特公平6
−83787公報、特開平9−299798号公報等に
開示した担体は、本発明に含まれることはいうまでもな
いことである。
【0011】触媒の活性成分について以下に説明する。
本発明において対象となる活性成分は、Niである。活
性成分であるNiの濃度は、本発明において、触媒中に
Niとして3〜20wt%含有される。3wt%未満で
あると、触媒の活性が低い場合がある。また、20wt
%を越えると触媒の耐シンタリング性があるが、触媒の
活性があまり増加しないことがあり、活性成分の濃度は
触媒中にNiとして3〜20wt%含有されれば足り
る。なお、触媒の不純物あるいは添加物等として、アル
カリ金属としては、K、アルカリ土類金属としては、B
a、Mg、Sr、周期律表IIIA族としてはGa、In、
La、その他Ti、Zr等が含まれていても特に、本発
明の触媒の活性、活性低下に対し悪い影響がない。
【0012】以下に、α−Al23 担体およびCaO
−Al23 担体に触媒の活性成分を微細に分散・担持
する方法について説明する。先ず、α−Al23 担体
に触媒の活性成分を微細に分散・担持する方法について
説明する。前記活性成分Niは含浸法、沈着法、共沈
法、混練法、イオン交換法等により担持することができ
るが、通常、含浸法が選択される。通常の含浸法でNi
をα−Al23 担体に担持後、120℃程度で乾燥さ
せ、さらに、300〜400℃あるいはそれ以上の温度
で焼成して硝酸塩を分解する。後述の比較例2に示す触
媒Nがこれに相当する。この触媒は、本発明の請求項4
および請求項6でいう活性成分に炭素が含有される前の
ものである。このように処理されたものを空気中900
℃程度で熱処理し、活性成分と担体成分の化合物である
NiAl24 を生成させ、750℃程度で還元する
と、NiAl24 の共存下、Niを活性成分とする触
媒が得られることが知られている。これに限定されない
が、後述の比較例1に示す触媒NNAがこれに相当す
る。しかし、前記のように活性成分に炭素を含有させな
いものをそれぞれ触媒として用いると、例えば、比較例
1および比較例2に示すように大なり小なり活性低下を
起こす。
【0013】次に、CaO−Al23 担体に触媒の活
性成分を微細に分散・担持する方法について説明する。
ここで、CaO−Al23 担体とは、少なくともその
一部がAl23 と化合物を形成するCaOとAl23
で構成された担体をいう。主たる化合物の一つとして
は、CaOとAl23 とのアルミネートがあげられ、
好ましくはCaOの50%以上がAl23 とアルミネ
ートを形成されることをいう。アルミネート化合物は、
例えば、α−Al23 とCaO・Al23 から構成さ
れるいわゆるカルシウム・アルミナセメント、水酸化ア
ルミニウム等を成形後、1300℃以上で焼成する通常
の方法で調製して得られる。また、α−Al23 にか
えγ−Al23 を用いてもよい。CaOとしての含有
率は、触媒中に0.5wt%〜25wt%、好ましくは
2wt%〜20wt%である。0.5wt%未満である
と、圧壊強度が低く、25wt%を越えても圧壊強度は
あまり変わりがなく、むしろ活性が低下することがある
ため避けるべきである。前記活性成分Niは含浸法、沈
着法、共沈法、混練法、イオン交換法等により担持する
ことができるが、通常、含浸法が選択される。通常の含
浸法でNiをCaO−Al23 担体に担持後、120
℃程度で乾燥させ、さらに300〜400℃あるいはそ
れ以上の温度で焼成して硝酸塩を分解する。後述の比較
例4に示す触媒CaNがこれに相当する。このように処
理されたものを空気中900℃程度で熱処理し、活性成
分と担体成分の化合物であるNiAl24 を生成さ
せ、750℃程度で還元すると、NiAl24 の共存
下、Niを活性成分とする触媒が得られることが知られ
ている。これに限定されないが、後述の比較例3に示す
触媒CaNNAがこれに相当する。このような活性成分
に炭素を含有させないものを触媒として用いると、例え
ば比較例3に示すように大きなり小なり活性低下を起こ
す。
【0014】以下に、本発明でいう触媒の活性低下が少
ない改良された炭化水素用水蒸気改質触媒についてNi
を用いて説明する。前記触媒NNAおよび触媒CaNN
Aで例示される炭素を含有させる前のものは水素処理さ
れ、後に詳述する炭素処理および酸化・還元処理がなさ
れ、処理後のNiおよびNiAl24 の格子定数と、
前記炭素を含有させる前のものと比べてNiの格子定数
の増加が0.0001nm以上0.0008nm以下およびNiAl2
4 の格子定数の増加が 0.001nm以上 0.005nm以下である
ものが、本発明の触媒となる。また、前記触媒Nおよび
触媒CaNで例示される炭素を含有させる前のものは水
素処理され、後に詳述する炭素処理および酸化・還元処
理がなされ、それぞれ処理後のNiの格子定数と、前記
炭素を含有させる前のものと比べてのNiの格子定数の
増加が0.0001nm以上0.0008nm以下であるものが、本発
触媒となる。前記炭素処理は、炭素析出が過剰に起こ
り活性成分の表面を炭素が被覆してしまわないよう制御
された条件で行えば足りる。これに限定されないのはい
うまでもないことであるが、前記条件の1例として、炭
素数1〜4くらいの低級炭化水素を、水蒸気存在下で水
蒸気の炭化水素の炭素に対するモル比を1〜3、600
〜750℃、30分〜5時間の条件下で処理する方法が
挙げられる。なお、低級炭化水素に不飽和炭化水素を用
いた場合には、前記モル比を2〜4として行えば足り
る。このように炭素処理されたものを少なくとも1回以
上酸化・還元操作を繰り返すことにより、活性成分と担
体との炭素を含有する化合物と共存する、炭素を含有す
る活性成分の微細化を実現させることができる。
【0015】以下に、格子定数について説明する。ま
ず、本発明にいう触媒について説明する。前記触媒NN
Aおよび触媒CaNNAで例示される炭素を含有させる
前のものに比べて、前記本発明の触媒において該触媒の
Niの格子定数の増加が、0.0001nm以上0.0008nm以下で
あり、該触媒のNiAl24 の格子定数の増加が 0.00
1nm以上 0.005nm以下であることが特に好ましい。Ni
に関し、前記増加が0.0001nm未満であると、効果が少な
いことがある。また、前記増加が0.0008nmを越えると効
果は、大きくなる傾向を示すが、0.0008nmを越えて増加
してもその効果は前記増加に対し顕著でなくなるため、
前記増加は0.0001nm以上0.0008nm以下を選択すれば足り
る。NIAl24 に関し、前記増加が、 0.001nm未満
であると、効果は小さいことがある。また、 0.005nmを
越えると効果は大きくなる傾向を示すが、 0.005nmを越
えて増加してもその効果は前記増加に対し顕著でなくな
るため、前記増加は0.001nm以上 0.005nm以下を選択す
れば足りる。なお、後述の実施例1および比較例1、並
びに実施例3および比較例3にその1例を示す。
【0016】また、前記炭素処理が行われた触媒と、前
記触媒Nで例示される炭素を含有させる前のものに比べ
て、該触媒のNiの格子定数の増加が、0.0001nm以上0.
0008nm以下であることが特に好ましい。前記増加が0.00
01nm未満であると、効果が少ないことがある。また、前
記増加が0.0008nmを越えると効果は、大きくなる傾向を
示すが、0.0008nmを越えて増加してもその効果は前記増
加に対し顕著でなくなるため、前記増加は0.0001nm以
上、0.0008nm以下を選択すれば足りる。なお、後述の実
施例2および比較例2にその1例を示す。ここで、格子
定数は、例えば、新実験化学講座6、基礎技術5 構造
解析、p.110 、日本化学会編、丸善、1977等に記載
の通常のX線回折法により求めることが出来る。
【0017】前記格子定数の増加と炭素含有濃度の関係
について説明する。一般に、純粋な物質の中に原子を溶
け込ませた場合、原子の体積が異なる場合、格子定数が
変化することはVegardの法則として知られてい
る。前記活性成分中の炭素濃度が増加する場合も該格子
定数は増大する。このような視点から炭素含有濃度を測
定したところ、前記Niの格子定数の増加が0.0001nm以
上である時、前記Ni中の炭素濃度の増加は0.2原子
百分率以上であった。しかし、前記NiAl24格子定
数の増加と炭素含有濃度の増加の関係についての詳細に
ついては不明の点がある。ここで、活性成分中の炭素濃
度は、成書、例えば、触媒講座 第3巻、p.145、触媒
学会編、講談社、1985に記載の昇温反応法(TP
R)で測定される。前記格子定数の増加と炭素含有濃度
の増加の関係について不明な点はあるが、要は、前記格
子定数の増加の条件を満足すれば、水蒸気改質条件下で
も殆ど活性低下を起こさない本発明でいう触媒が得られ
る。なお、前記格子定数を満足する条件等は、予め予備
試験を行うことにより設定することで足りる。
【0018】
【実施例】以上のように本発明を説明したが、更に本発
明を詳細に実施例を用いて説明する。なお、本発明は、
以下に記載の実施例にのみに制限されることがないの
は、いうまでもないことである。
【0019】実施例1 通常の含浸法で直径5mmのα−Al23 にNiを
6.8wt%担持調製した後、空気中950℃で3時間
熱処理してNi基準で含有Niの40wt%をNiAl
24 とした。これを常圧、750℃で3時間水素処理
後、常圧、600℃、水蒸気とメタンのモル比(以下、
S/Cと称す)S/C=1の条件下で5時間「炭素処
理」を行った。この後、「酸化・還元処理」として常
圧、650℃で15分間、水蒸気流通下に置き、直ちに
常圧、600℃で3分間水素処理を行った。以上の炭素
処理、酸化・還元処理を再び繰り返した。これらの処理
で調製された触媒を触媒NNACReと呼ぶ。触媒NN
ACReを10bar、600℃、S/C=3、空間速
度SV0 =200000(1/h)の条件でメタン水蒸
気改質反応に連続的に使用した。活性はメタンの転化率
で表わすが、180時間にわたりメタン転化率は10.
26%で安定し変化しなかった。触媒NNACReのN
iおよびNiAl24 の格子定数は次のようであっ
た。 Ni NiAl24 (単位:nm) 炭素処理前 0.3523 0.7930 炭素処理後 0.3525 0.7950 使用後 0.3525 0.7950 格子定数の増加 0.0002 0.002 実施例2 通常の含浸法で直径5mmのα−Al23 にNiを
6.8wt%担持調製し、その後の炭素処理、酸化・還
元処理については実施例1と同様に行った。該触媒を触
媒NCReと呼ぶ。これを実施例1と同様の条件で連続
運転を行った。メタン転化率は180時間で11.21
%から0.57%低下した。触媒NCReのNiの格子
定数は次のようであった。 比較例1 実施例1の炭素処理、酸化・還元処理を行わない以外は
実施例1と同様に行って調製した触媒を触媒NNAと呼
ぶ。これを実施例1と同様の条件で連続運転を行った。
メタン転化率は180時間で9.18%から0.41%
低下した。触媒NNAのNiおよびNiAl24 の格
子定数は次のようであった。 Ni NiAl24 (単位:nm) 使用前 0.3523 0.7930 使用後 0.3523 0.7932 格子定数の増加 0.0 0.0002 比較例2 実施例2の炭素処理、酸化・還元処理を行わない以外は
実施例1と同様に行って調製した触媒を触媒Nと呼ぶ。
これを実施例1と同様の条件で連続運転を行った。メタ
ン転化率は180時間で9.57%から1.49%低下
した。触媒NのNiの格子定数は次のようであった。 実施例3 実施例1のα−Al23 をCaO−Al23 に変えた
以外は実施例1と同様に行って調製した触媒を触媒Ca
NNACReと呼ぶ。これを実施例1と同様の条件で連
続運転を行った。メタン転化率は90時間で6.73%
から0.21%低下した。触媒CaNNACReのNi
およびNiAl24 の格子定数は次のようであった。 Ni NiAl24 (単位:nm) 炭素処理前 0.3523 0.7960 炭素処理後 0.3525 0.7990 使用後 0.3525 0.7990 格子定数の増加 0.0002 0.0030 比較例3 実施例3の炭素処理、酸化・還元処理を行わない以外は
実施例3と同様に行って調製した触媒を触媒CaNNA
と呼ぶ。これを実施例3と同様の条件で連続運転を行っ
た。メタン転化率は90時間で7.53%から0.45
%低下した。触媒CaNNAのNiおよびNiAl2
4 の格子定数は次のようであった。 Ni NiAl24 (単位:nm) 炭素処理前 0.3523 0.7960 使用後 0.3523 0.7960 格子定数の増加 0.0 0.0 実施例4 実施例2のα−Al23 をCaO−Al23 に変えた
以外は実施例2と同様に行って調製した触媒を触媒Ca
NCReと呼ぶ。これを実施例1と同様の条件で連続運
転を行った。メタン転化率は90時間で8.56%から
0.18%低下した。触媒CaNCReのNiの格子定
数は次のようであった。 比較例4 実施例4の炭素処理、酸化・還元処理を行わない以外は
実施例4と同様に行って調製した触媒を触媒CaNと呼
ぶ。これを実施例4と同様の条件で連続運転を行った。
メタン転化率は90時間で7.83%から0.76%低
下した。触媒CaNのNiの格子定数は次のようであっ
た。 本発明の触媒で、その1例として例示される触媒NNA
CRe(実施例1)は180時間にわたり全く活性低下
が見られなかった。これに対し、本発明外の触媒で、そ
の1例として例示される触媒NNA(比較例1)は、1
80時間でメタン転化率が0.41%低下した。このこ
とから本発明の触媒は、大幅に活性低下が改善された。
また、本発明の触媒で、その1例として例示される触媒
NCRe(実施例2)においては、180時間でメタン
転化率が0.57%しか活性低下を起こさなかった。こ
れに対し、本発明外の触媒で、その1例として例示され
る触媒N(比較例2)は、180時間でメタン転化率が
1.49%低下した。さらに、本発明の触媒で、その1
例として例示される触媒CaNNACRe(実施例3)
においては、90時間で0.21%しか活性低下を起こ
さなかった。これに対し、本発明外の触媒で、その1例
として例示される触媒CaNNA(比較例3)は、90
時間でメタン転化率が0.45%低下した。また、本発
明の触媒で、その1例として例示される触媒CaNCR
e(実施例4)においては、90時間で0.18%しか
活性低下を起こさなかった。これに対し、本発明外の触
媒で、その1例として例示される触媒CaN(比較例
4)は、90時間でメタン転化率が0.76%低下し
た。以上のように、本発明の触媒は、大幅に活性低下が
改善された触媒であることが分かった。
【0020】
【発明の効果】本発明の改良された炭化水素用水蒸気改
質触媒によれば、以下に記載の効果がある。 (1) 触媒の活性低下が改善された為、長時間運転後も初
期の活性が維持され、従来活性低下時に行っていた加熱
温度を上げる必要がなくなり、大きな省エネルギーが達
成された。 (2) 長時間初期の活性が維持されるので、触媒交換の頻
度が低減し、触媒交換に要する労力が軽減できた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−59052(JP,A) 特開 平4−363140(JP,A) 特公 平6−16850(JP,B2) 特公 昭63−22855(JP,B2) 特公 昭57−6973(JP,B2) 特公 昭48−7599(JP,B1) 特公 昭34−10011(JP,B1) 特公 昭33−9962(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 38/74 C01B 3/40

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性成分Niがα−Al23 担体に担
    持され、該活性成分Niの一部が前記担体と化合物Ni
    Al24 を形成し、前記NiおよびNiAl24 のい
    ずれの成分にも炭素が含有された触媒であって、炭素を
    含有させる処理が、水蒸気存在下で水蒸気の炭素数1〜
    4の低級炭化水素の炭素に対するモル比が1〜3、60
    0〜750℃、30分〜5時間の条件下で処理する炭素
    処理及びその後の1回以上の酸化・還元操作の繰り返し
    によるものであり、前記いずれの成分にも炭素が含有さ
    れる前のものと比べて、該触媒のNiの格子定数が0.00
    01nm以上0.0008nm以下およびNiAl24 の格子定数
    0.001nm以上 0.005nm以下増加したことを特徴とする
    改良された炭化水素用水蒸気改質触媒。
  2. 【請求項2】 活性成分NiがCaO−Al23 担体
    に担持され、該活性成分Niの一部が前記担体と化合物
    NiAl24 を形成し、前記NiおよびNiAl24
    のいずれの成分にも炭素が含有された触媒であって、
    素を含有させる処理が、水蒸気存在下で水蒸気の炭素数
    1〜4の低級炭化水素の炭素に対するモル比が1〜3、
    600〜750℃、30分〜5時間の条件下で処理する
    炭素処理及びその後の1回以上の酸化・還元操作の繰り
    返しによるものであり、前記いずれの成分にも炭素が含
    有される前のものと比べて、該触媒のNiの格子定数
    0.0001nm以上0.0008nm以下およびNiAl24 の格子
    定数が 0.001nm以上 0.005nm以下増加したことを特徴と
    する改良された炭化水素用水蒸気改質触媒。
  3. 【請求項3】 活性成分Niがα−Al 2 3 担体に担
    持され、該活性成分Niに炭素が含有された触媒であっ
    て、炭素を含有させる処理が、水蒸気存在下で水蒸気の
    炭素数1〜4の低級炭化水素の炭素に対するモル比が1
    〜3、600〜750℃、30分〜5時間の条件下で処
    理する炭素処理及びその後の1回以上の酸化・還元操作
    の繰り返しによるものであり、該活性成分Niに炭素が
    含有される前のものと比べて、該触媒のNiの格子定数
    が0.0001nm以上0.0008nm以下増加したことを特徴とする
    改良された炭化水素用水蒸気改質触媒。
  4. 【請求項4】 活性成分NiがCaO−Al 2 3 担体
    に担持され、該活性成分Niに炭素が含有された触媒で
    あって、炭素を含有させる処理が、水蒸気存在下で水蒸
    気の炭素数1〜4の低級炭化水素の炭素に対するモル比
    が1〜3、6 00〜750℃、30分〜5時間の条件下
    で処理する炭素処理及びその後の1回以上の酸化・還元
    操作の繰り返しによるものであり、該活性成分Niに炭
    素が含有される前のものと比べて、該触媒のNiの格子
    定数が0.0001nm以上0.0008nm以下増加したことを特徴と
    する改良された炭化水素用水蒸気改質触媒。
  5. 【請求項5】 活性成分が触媒中にNiとして3〜20
    wt%含有されることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れか1項記載の改良された炭化水素用水蒸気改質触媒。
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