JP3134551U - 異常検知装置および超低温液化ガス容器 - Google Patents

異常検知装置および超低温液化ガス容器 Download PDF

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Abstract

【課題】超低温液化ガス容器に対して簡単な工事を行うだけで、内圧調整弁の異常を検知することの可能な異常検知装置を提供する。
【解決手段】圧力計52と圧力計測用配管51との間に3つ手の継ぎ手53が挿入接続され、加圧弁62と内圧調整弁63との間にも3つ手の継ぎ手64が挿入接続される。これら継ぎ手53および継ぎ手64に監視用配管71を接続し、監視用配管71の中途に差圧計72を挿入接続する。内圧調整弁63を実際に開いたときに得られた差圧計72の計測値が所定の範囲B1〜B2内に入っているか否かを判定することにより、内圧調整弁63の異常を判定したのち、その判定結果に応じた信号を出力する制御部73と、制御部73から出力された信号に応じた出力を行う報知部75とを設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、超低温液化ガス容器内の内圧(蒸気圧)が低下したときに内圧を維持するために圧力を加える内圧調整弁の異常を検知する異常検知装置およびそれを備えた超低温液化ガス容器に関する。
液化酸素、液化窒素、液化アルゴンなどの液化ガスを収容するものとして、超低温液化ガス容器というものが一般に利用されている(特許文献1参照)。
特開2001−74200号
通常、超低温液化ガス容器は、容器内の内圧(蒸気圧)が低下したときに内圧を維持するために圧力を加える内圧調整弁を外部に備えている。容器内の内圧は、容器内の液化ガスを超低温に維持するために液化に必要な圧力よりも常に高くなっていることが求められる。また、十分な流量で液化ガスを供給するためにも、最低限の流量を供給できる圧力よりも常に高くなっていることが求められる。そのため、内圧調整弁に何らかの異常(例えばリーク)が生じると、容器内の液化ガスが内圧調整弁から漏れ出して、充填作業時や配送時に重大な事故を招く虞がある。
また、超低温液化ガス容器は、医療現場などに欠かすことのできないものである。そのため、医療現場などでは、多くの超低温液化ガス容器が在庫として保管されている。しかし、使用中の超低温液化ガス容器の残量の確認は人手で行われているので、万が一、使用中の超低温液化ガス容器が空になりそうになった段階まで気が付かなかった場合には、在庫の超低温液化ガス容器と交換する間に使用中の超低温液化ガス容器が空になり、重大な事故を招く虞がある。
また、超低温液化ガス容器は、一般に、内圧が所定の規定値よりも高くなった場合には容器内で気化したガスを再度液化する循環機構を備えている。そのため、超低温液化ガス容器の断熱性能が劣化などにより低下して容器内の温度が高くなり、容器内の液化ガスが気化する量が多くなった場合には、この気化したガスにより容器内の内圧が所定の規定値を超え、上記した循環機構が作動する頻度が高くなる。その結果、超低温液化ガス容器を在庫している室内に気化したガスが充満して、重大な事故を招く虞がある。
そこで、最初の問題に対しては、内圧調整弁の異常を検知する装置を設置することが考えられるが、従来の方法を利用すると、既存の超低温液化ガス容器に大規模な工事を行うことが必要となり、そのような装置を設置するための膨大な手間やコストがかかるという問題がある。
また、2番目の問題に対しては、超低温液化ガス容器の重量を、頻繁にまたは常に計測することが考えられるが、この方法では、重量計測という作業が増えるだけでなく、重量を計測するための水平な台座を設置するための大規模な工事を行うことが必要となり、台座を設置したり、重量を計測するための膨大な手間やコストがかかるという問題がある。
また、3番目の問題に対しては、超低温液化ガス容器を在庫している室内に、気化したガスの濃度を計測する装置を設置することが考えられるが、この方法では、その装置付近のガス濃度がその装置が検知可能なレベルにまで達しないと、その装置は反応しない。そのため、室内の濃度分布が不均一となっている場合には、その装置が働いていなくても、室内の一部に気化したガスが充満している可能性があるという問題がある。
本考案はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、超低温液化ガス容器に対して簡単な工事を行うだけで、内圧調整弁の異常を検知することの可能な監視装置およびそれを備えた超低温液化ガス容器を提供することにある。また、第2の目的は、超低温液化ガス容器に対して簡単な工事を行うだけで、超低温液化ガス容器が空になる時期を予測することの可能な監視装置およびそれを備えた超低温液化ガス容器を提供することにある。また、第3の目的は、超低温液化ガス容器に対して簡単な工事を行うだけで、超低温液化ガス容器の断熱性能の異常を検知することの可能な監視装置およびそれを備えた超低温液化ガス容器を提供することにある。
本考案の第1の異常検知装置は、以下の(A1)〜(A9)の各構成要素を備えた超低温液化ガス容器用の装置であって、以下の(B1)〜(B2)の各構成要素を有するものである。
(A1)内槽および外槽からなる二重殻構造を有する容器本体部
(A2)圧力計
(A3)一端が内槽内の上部に配置されると共に他端が圧力計に接続される第1の配管
(A4)一端が内槽内の底部に配置されると共に他端が内槽内の上部に配置される第2の配管
(A5)第2の配管の中途に挿入接続されると共に内槽の内圧が第1規定値を下回ったときに流量を調整する第1の弁
(A6)圧力計と第1の配管との間に挿入接続される3つ手の第1の継ぎ手
(A7)第2の配管のうち当該第2の配管の上記一端と第1の弁との間に挿入接続される3つ手の第2の継ぎ手
(A8)第1の継ぎ手および第2の継ぎ手に接続される第3の配管
(A9)第3の配管の中途に挿入接続される差圧計
(B1)差圧計の計測値と所定の値とを対比して第1の弁の異常を判定したのち、その判定結果に応じた信号を出力する制御部
(B2)制御部から出力された信号に応じた出力を行う出力部
本考案の第1の超低温液化ガス容器は、内槽および外槽からなる二重殻構造を有する容器本体部と、容器本体部に設けられた計器類部とを備えたものであり、上記計器類部は、以下の(C1)〜(C10)の各構成要素を有するものである。
(C1)圧力計
(C2)一端が内槽内の上部に配置されると共に他端が圧力計に接続される第1の配管
(C3)一端が内槽内の底部に配置されると共に他端が内槽内の上部に配置される第2の配管
(C4)第2の配管の中途に挿入接続されると共に内槽の内圧が第1規定値を下回ったときに流量を調整する第1の弁
(C5)圧力計と第1の配管との間に挿入接続される3つ手の第1の継ぎ手
(C6)第2の配管のうち当該第2の配管の上記一端と第1の弁との間に挿入接続される3つ手の第2の継ぎ手
(C7)第1の継ぎ手および第2の継ぎ手に接続される第3の配管
(C8)第3の配管の中途に挿入接続される差圧計
(C9)差圧計の計測値と所定の値とを対比して第1の弁の異常を判定したのち、その判定結果に応じた信号を出力する制御部
(C10)制御部から出力された信号に応じた出力を行う出力部
本考案の第1の異常検知装置および第1の超低温液化ガス容器では、第1の弁では、内槽の内圧が所定の規定値を下回ったときに、例えば内槽内の底部にある液化ガスが第2の配管内で気化したガスを内槽内の上部に向かって流す量(流量)が調整される。つまり、第1の弁は内圧調整弁として機能しており、制御部は内圧調整弁の異常をモニタリングしている。なお、圧力計と第1の配管との間に第1の継ぎ手が挿入接続されると共に、第2の配管のうち当該第2の配管の上記一端と第1の弁との間に第2の継ぎ手が挿入接続され、これら第1および第2の継ぎ手に対して、第3の配管、差圧計、制御部および出力部が設置されている。つまり、超低温液化ガス容器に対して第1の継ぎ手および第2の継ぎ手を挿入接続する工事を行うだけで、残りの第3の配管、差圧計、制御部および出力部を設置することが可能である。
本考案の第2の異常検知装置は、以下の(D1)〜(D10)の各構成要素を備えた超低温液化ガス容器用の装置であって、以下の(E1)〜(E2)の各構成要素を有するものである。
(D1)内槽および外槽からなる二重殻構造を有する容器本体部
(D2)圧力計
(D3)一端が内槽内の上部に配置されると共に他端が圧力計に接続される第1の配管
(D4)一端が内槽内の底部に配置されると共に他端が内槽内の上部に配置される第2の配管
(D5)第2の配管の中途に挿入接続されると共に内槽の内圧が所定の規定値を下回ったときに流量を調整する第1の弁
(D6)圧力計と第1の配管との間に挿入接続される3つ手の第1の継ぎ手
(D7)第2の配管のうち当該第2の配管の上記一端と第1の弁との間に挿入接続される3つ手の第2の継ぎ手
(D8)第1の継ぎ手および第2の継ぎ手に接続される第3の配管
(D9)第3の配管の中途に挿入接続される差圧計
(D10)一端が内槽内の底部に配置されると共に他端が容器本体部の外部に配置される第4の配管
(E1)第4の配管から液化ガスが外部に流出している間、差圧計の計測値および内槽の断面積を用いて前記超低温液化ガス容器の交換時期を導出し、その交換時期に応じた信号を出力する制御部
(E2)制御部から出力された信号に応じた出力を行う出力部
本考案の第2の超低温液化ガス容器は、内槽および外槽からなる二重殻構造を有する容器本体部と、容器本体部に設けられた計器類部とを備えたものであり、上記計器類部は、以下の(F1)〜(F11)の各構成要素を有するものである。
(F1)圧力計
(F2)一端が内槽内の上部に配置されると共に他端が圧力計に接続される第1の配管
(F3)一端が内槽内の底部に配置されると共に他端が内槽内の上部に配置される第2の配管
(F4)第2の配管の中途に挿入接続されると共に内槽の内圧が所定の規定値を下回ったときに流量を調整する第1の弁
(F5)圧力計と第1の配管との間に挿入接続される3つ手の第1の継ぎ手
(F6)第2の配管のうち当該第2の配管の上記一端と第1の弁との間に挿入接続される3つ手の第2の継ぎ手
(F7)第1の継ぎ手および第2の継ぎ手に接続される第3の配管
(F8)第3の配管の中途に挿入接続される差圧計
(F9)一端が内槽内の底部に配置されると共に他端が容器本体部の外部に配置される第4の配管
(F10)第4の配管から液化ガスが外部に流出している間、差圧計の計測値および内槽の断面積を用いて前記超低温液化ガス容器の交換時期を導出し、その交換時期に応じた信号を出力する制御部
(F11)制御部から出力された信号に応じた出力を行う出力部
本考案の第2の異常検知装置および第2の超低温液化ガス容器では、第4の配管内によって内槽内の底部にある液化ガスを容器本体部の外部に取り出すことが可能である。つまり、第4の配管は取り出し用の配管として機能し、制御部は超低温液化ガス容器内の液化ガスの残量をモニタリングしている。なお、圧力計と第1の配管との間に第1の継ぎ手が挿入接続されると共に、第2の配管のうち当該第2の配管の上記一端と第1の弁との間に第2の継ぎ手が挿入接続され、これら第1および第2の継ぎ手に対して、第3の配管、差圧計、制御部および出力部が設置されている。つまり、超低温液化ガス容器に対しては、第1の継ぎ手および第2の継ぎ手を挿入接続する工事を行うだけで、残りの第3の配管、差圧計、制御部および出力部を設置することが可能である。
本考案の第3の異常検知装置は、以下の(G1)〜(G8)の各構成要素を備えた超低温液化ガス容器用の装置であって、以下の(H1)〜(H2)の各構成要素を有するものである。
(G1)内槽および外槽からなる二重殻構造を有する容器本体部
(G2)圧力計
(G3)一端が内槽内の上部に配置されると共に他端が圧力計に接続される第1の配管
(G4)一端が内槽内の底部に配置されると共に他端が容器本体部の外部に配置される第4の配管
(G5)一端が内槽内の上部に配置されると共に他端が容器本体部の外部に配置される第5の配管
(G7)一端が第4の配管の中途に接続されると共に他端が第5の配管の中途に接続される第6の配管
(G8)第6の配管の中途に挿入接続され、かつ内槽の内圧が所定の規定値を超えたときに開放される第2の弁
(H1)圧力計の計測値から第2の弁の開閉を判定すると共に第2の弁の開閉頻度を導出し、導出により得られた開閉頻度と所定の値とを対比して容器本体部の断熱性能の異常を判定したのち、その判定結果に応じた信号を出力する制御部
(H2)制御部から出力された信号に応じた出力を行う出力部
本考案の第3の超低温液化ガス容器は、内槽および外槽からなる二重殻構造を有する容器本体部と、容器本体部に設けられた計器類部とを備えたものであり、上記計器類部は、以下の(J1)〜(J8)の各構成要素を有するものである。
(J1)圧力計
(J2)一端が内槽内の上部に配置されると共に他端が圧力計に接続される第1の配管
(J3)一端が内槽内の底部に配置されると共に他端が容器本体部の外部に配置される第4の配管
(J4)一端が内槽内の上部に配置されると共に他端が容器本体部の外部に配置される第5の配管
(J5)一端が第4の配管の中途に接続されると共に他端が第5の配管の中途に接続される第6の配管
(J6)第6の配管の中途に挿入接続され、かつ内槽の内圧が所定の規定値を超えたときに開放される第2の弁
(J7)圧力計の計測値から第2の弁の開閉を判定すると共に第2の弁の開閉頻度を導出し、導出により得られた開閉頻度と所定の値とを対比して容器本体部の断熱性能の異常を判定したのち、その判定結果に応じた信号を出力する制御部
(J8)制御部から出力された信号に応じた出力を行う出力部
本考案の第3の異常検知装置および第3の超低温液化ガス容器では、第2の弁が開放された場合には、内槽内で気化したガスが内槽内の底部にある液化ガスに向かって流れ、最終的には液化する。つまり、第2の弁は循環調整弁として機能しており、制御部は循環調整弁の開閉頻度から、容器本体部の断熱性能の異常をモニタリングしている。なお、継ぎ手などを接続する工事をしないで制御部および出力部を設置することが可能である。
本考案の第1の異常検知装置および第1の超低温液化ガス容器によれば、超低温液化ガス容器に対して第1の継ぎ手および第2の継ぎ手を挿入接続し、これら第1および第2の継ぎ手に対して、第3の配管、差圧計、制御部および出力部を設置する簡単な工事を行うだけで、内圧調整弁の異常を検知することが可能となる。
本考案の第2の異常検知装置および第2の超低温液化ガス容器によれば、超低温液化ガス容器に対して第1の継ぎ手および第2の継ぎ手を挿入接続し、これら第1および第2の継ぎ手に対して、第3の配管、差圧計、制御部および出力部を設置する簡単な工事を行うだけで、超低温液化ガス容器が空になる時期を予測することが可能となる。
本考案の第3の異常検知装置および第3の超低温液化ガス容器によれば、超低温液化ガス容器に対して制御部および出力部を設置する簡単な工事を行うだけで、超低温液化ガス容器の断熱性能の異常を検知することが可能となる。
以下、本考案の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本考案の一実施の形態に係る超低温液化ガス容器1の概略構成を表すものである。この超低温液化ガス容器1は、容器本体部10と、容器本体部10の上部に取り付けられた計器類部20とを備えたものである。
容器本体部10は、液化酸素、液化窒素、液化アルゴンなどの液化ガスLを収容するたて型の容器であり、内槽11および外槽12からなる二重殻構造となっている。内槽11は、例えば超低温においても脆性を起こさない十分な強度および靭性を有するオーステナイト系ステンレス鋼板からなり、外槽12は、例えば一般的な圧延鋼板からなる。内槽11と外槽12との間の空隙13には、外槽12を支持する支持部材14が設けられている。この支持部材14は、例えば熱伝導度の小さい断熱材からなり、内槽11への熱の侵入を最小限に抑えるようになっている。また、空隙13は、真空となっており、支持部材14と同様、内槽11への熱の侵入を最小限に抑えるようになっている。
内槽11内には、液化ガスLが加圧状態下で貯留されている。なお、以下において、単に「容器」と称した場合には、その容器は内槽11を指しているものとする。
計器類部20は、充填取出機構30と、フロート式液面計40と、圧力計測機構50と、内圧調整機構60と、監視機構70(異常検知装置)と、ガス放出機構80と、循環機構90とを有している。
充填取出機構30は、液化ガスLを内槽11内に流し込んだり、内槽11内から取り出したりするための機構である。この充填取出機構30は、例えば、充填取出用配管31と、充填用配管32と、充填取出用配管31の中途に挿入接続された充填取出弁33と、充填用配管32の中途に挿入接続された充填弁34とを有している。
ここで、充填取出用配管31は、一端が外部に配置されると共に他端が内槽11内の底部に配置されたものであり、液化ガスLを容器内に流し込んだり、容器内から取り出すことが可能である。一方、充填用配管32は、一端が外部に配置されると共に他端が内槽11内の上部(液面Sよりも上の空隙の部分)に配置されたものであり、液化ガスLを容器内に流し込むだけでなく、液化ガスLを容器内の上部から流し込むことにより容器内全体を冷却することが可能である。これにより、充填取出用配管31は、容器に流し込んだ液化ガスLが気化するのを抑制しつつ、充填取出用配管31および充填用配管32から容器内に液化ガスLを短時間の間に大量に流し込むことが可能である。また、充填取出弁33は、超低温液化ガス容器1を使用していないとき、例えば、充填取出用配管31が後述の設備側充填取出用配管131と接続されていないときや、充填取出用配管31が設備側充填取出用配管131と接続されると共に後述の設備側充填取出弁133が閉じているときには閉じておき、超低温液化ガス容器1を使用しているとき、例えば、充填取出用配管31が設備側充填取出用配管131と接続されると共に設備側充填取出弁133が開いているときには開けておく開閉弁である。
なお、充填取出用配管31のうち充填取出弁33と充填取出用配管31の他端との間には、3つ手(T字型)の継ぎ手35が挿入接続されており、継ぎ手35の残りの手には、後述の循環用配管91の一端が接続されている。
また、充填取出用配管31には設備側充填取出機構130が接続されている。この設備側充填取出機構130は、液化ガスLを内槽11内に流し込んだり、内槽11内から取り出したりするための、超低温液化ガス容器1が設置される設備側の機構であり、設備側充填取出用配管131、設備側充填取出弁132、液化ガスを気化する気化装置133、設備側継ぎ手134,135を有している。ここで、設備側充填取出用配管131の一端が設備側継ぎ手134を介して充填取出用配管31に接続されている。この設備側充填取出用配管131の中途には設備側充填取出弁132および気化装置133が設備側充填取出用配管131の上記一端側から順に挿入接続されている。また、設備側充填取出用配管131のうち設備側充填取出用配管131の他端と気化装置133との間には、3つ手(T字型)の設備側継ぎ手135が挿入接続されており、設備側継ぎ手135の残りの手には、後述の設備側ガス放出用配管181の一端が接続されている。なお、設備側充填取出用配管131の他端には、液化ガスLを消費する機器などが接続される。
フロート式液面計40は、液化ガスLの液面Sの位置を簡易に計測するためのものである。このフロート式液面計40は、例えば、液面Sに浮遊する浮き41と、目盛り棒42と、目盛り付きの窓43とを備えている。目盛り棒42の一端は浮き41の上部に接続されており、その他端は内槽11を貫通して空隙13内に延在している。目盛り付きの窓43は、外槽12の一部を構成しており、外部から空隙13内の目盛り棒42の他端を目視可能な位置に設けられている。これにより、窓43の目盛りと目盛り棒42の位置とから、液化ガスLの液面Sの位置をおおまかに計測することができる。
圧力計測機構50は、容器内の内圧を計測するためのものである。この圧力計測機構50は、例えば、圧力計測用配管51と、圧力計52とを有している。圧力計測用配管51の一端は内槽11内の上部(液面Sよりも上の空隙の部分)に配置されており、その他端には3つ手(T字型)の継ぎ手53を介して圧力計52が接続されている。なお、継ぎ手53の残りの手には、後述の監視用配管71の一端が接続されている。
内圧調整機構60は、容器内の内圧が低下したときに容器内に圧力を加えて内圧を維持するための機構である。この内圧調整機構60は、例えば、内圧調整用配管61と、この内圧調整用配管61の中途に挿入接続された内圧弁62および内圧調整弁63とを有している。
ここで、内圧調整用配管61の一端が内槽11を貫通して内槽11内の液化ガスLの底部に配置され、その他端が内槽11内の上部(液面Sよりも上の空隙の部分)に配置されている。内圧弁62は、超低温液化ガス容器1を使用していないとき、例えば、充填取出用配管31が後述の設備側充填取出用配管131と接続されていないときや、充填取出用配管31が設備側充填取出用配管131と接続されると共に後述の設備側充填取出弁133が閉じているときには閉じておき、超低温液化ガス容器1を使用しているとき、例えば、充填取出用配管31が設備側充填取出用配管131と接続されると共に設備側充填取出弁133が開いているときには開けておく開閉弁である。この内圧弁62は、内圧調整用配管61の一端側に配置されている。内圧調整弁63は、超低温液化ガス容器1を使用している場合に内槽11の内圧が所定の規定値(第1規定値α)を下回ったときに、内槽11内の底部にある液化ガスLが内圧調整用配管61内で気化したガスを内槽11内の上部に向かって流すガスの流量を調整するためのものであり、一種の抵抗器である。この内圧調整弁63は、内圧調整用配管61の他端側に配置されている。なお、内圧弁62と内圧調整弁63との間には、3つ手(T字型)の継ぎ手64が挿入接続されており、継ぎ手64の残りの手には、後述の監視用配管71の他端が接続されている。
監視機構70は、(a)内圧調整弁63の異常(例えばリーク)を検知し、(b)超低温液化ガス容器が空になる時期を予測し、(c)超低温液化ガス容器の断熱性能の低下を検知するための機構である。この監視機構70は、例えば、監視用配管71と、この監視用配管71の中途に挿入接続された差圧計72と、差圧計72および圧力計52に接続された制御部73と、制御部73に接続された表示部74および報知部75とを有している。
ここで、監視用配管71の一端は圧力計測機構50の継ぎ手53に接続されており、その他端は内圧調整機構60の継ぎ手64に接続されている。
差圧計72は、継ぎ手53内の圧力(容器内の内圧)と継ぎ手64内の圧力(容器内の内圧と、容器内の液化ガスLの重さによって生じる圧力との和)との差圧を検出すると共に、検出した差圧の情報を制御部73に伝送するようになっている。
制御部73は、圧力計52により得られた圧力の情報や、差圧計72などにより得られた残量の情報(および交換時期)を表示する信号を表示部74に伝送するようになっている。また、制御部73は、内蔵された記憶部73Aに記憶しておいた情報(後述)と、差圧計72で検出した差圧の情報とを対比して、内圧調整弁63の異常(例えばリーク)を判定し、異常があると判定した場合には異常があることを示す信号を報知部75に伝送し、異常がないと判定した場合には異常がないことを示す信号を報知部75に伝送するようになっている。また、制御部73は、圧力計52の計測値から循環調整弁92(後述)の開閉を判定すると共に循環調整弁92の開閉頻度を導出し、導出により得られた開閉頻度と、内蔵された記憶部73Aに記憶しておいた情報(後述)とを対比して容器本体部10の断熱性能の異常を判定し、異常があると判定した場合には異常があることを示す信号を報知部75に伝送し、異常がないと判定した場合には異常がないことを示す信号を報知部75に伝送するようになっている。また、制御部73は、差圧計72の計測値および内槽11の断面積を用いて液化ガスLの単位時間あたりの使用量を導出し、導出した単位時間あたりの使用量から超低温液化ガス容器1の交換時期(内槽11内の液化ガスLが空になる時期よりも所定の期間だけ早い時期)を導出し、その交換時期に応じた信号を報知部75に伝送するようになっている。
なお、制御部73から表示部74や報知部75への信号の伝送は、有線や無線で行うことが可能である。従って、制御部73から表示部74や報知部75への信号の伝送を無線で行う場合には、表示部74や報知部75を超低温液化ガス容器1とは別個の場所に容易に配置することが可能である。また、圧力計52や差圧計72から制御部73への信号の伝送についても、有線や無線で行うことが可能である。従って、圧力計52や差圧計72から制御部73への信号の伝送を無線で行う場合には、制御部73を超低温液化ガス容器1とは別個の場所に容易に配置することが可能である。
表示部74は、制御部73からの信号に応じた出力を行うようになっている。例えば、圧力計52により得られた圧力の情報を表示する信号を受信すると、圧力の値を表示し、差圧計72などにより得られた残量の情報(および交換時期)を表示する信号を受信すると、残量の値や交換時期を表示するようになっている。
報知部75は、制御部73からの信号に応じた出力を行うようになっている。例えば、異常があることを示す信号を受信すると、例えば、異常を知らせるランプを点滅させたり、警報音を鳴らすようになっている。また、例えば、交換時期が近づいたことを意味する信号を受信すると、例えば、交換時期を知らせるランプを点滅させたり、警報音を鳴らすようになっている。
ガス放出機構80は、設備側ガス放出機構180に連結されるものである。このガス放出機構80は、例えば、ガス放出用配管81と、このガス放出用配管81の中途に挿入接続されたガス放出弁82とを有している。また、設備側ガス放出機構180は、容器内の内圧が異常に上昇したときに内圧を維持するために容器内の圧力を下げるための、超低温液化ガス容器1が設置される設備側の機構であり、例えば、設備側ガス放出用配管181と、この設備側ガス放出用配管181の中途に挿入接続された設備側ガス放出弁182と、設備側ガス放出用配管181の他端とのガス放出用配管81の一端とを互いに接続する設備側継ぎ手183とを有している。
ここで、ガス放出用配管81の一端(設備側継ぎ手183との接続端)が外部に配置されており、その他端が内槽11内の上部(液面Sよりも上の空隙の部分)に配置されている。ガス放出弁82は、超低温液化ガス容器1を使用していないとき、例えば、ガス放出用配管81が設備側ガス放出用配管181と接続されていないときには閉じておき、超低温液化ガス容器1を使用しているとき、例えば、ガス放出用配管81が設備側ガス放出用配管181と接続されているときには開けておく開閉弁である。これにより、ガス放出機構80は、設備側ガス放出弁182が開いたときに、ガス放出用配管81を介して、気化したガスを設備側ガス放出機構180側に伝播させることが可能である。
また、ガス放出用配管81の一端が設備側継ぎ手183を介して設備側ガス放出用配管181に接続されている。この設備側ガス放出用配管181の中途には設備側ガス放出弁182が挿入接続されている。また、設備側ガス放出用配管181のうち設備側ガス放出用配管181の他端と設備側ガス放出弁182との間には、3つ手(T字型)の設備側継ぎ手183が挿入接続されており、設備側継ぎ手135の残りの手には、設備側充填取出機構130の設備側継ぎ手135が接続されている。ここで、設備側ガス放出弁182は、内槽11内の圧力が所定の規定値(第1規定値αよりも大きな第2規定値β)を超えたときに、容器外に放出するガスの流量を調整するためのものであり、一種の抵抗器である。これにより、設備側ガス放出機構180は、内槽11内の圧力(内圧)が所定の規定値を超えたときに、容器内で気化したガスを設備側充填取出機構130に放出することが可能である。
なお、ガス放出用配管81のうちガス放出弁82とガス放出用配管81の一端との間には、3つ手(T字型)の継ぎ手83が挿入接続されており、継ぎ手83の残りの手には、後述の循環用配管91の他端が接続されている。
循環機構90は、容器内の内圧が異常に上昇したときに内圧を所定の大きさよりも低く維持するために容器内の圧力を下げるための機構である。この循環機構90は、例えば、循環用配管91と、この循環用配管91の中途に挿入接続された循環調整弁92とを有している。
ここで、循環用配管91の一端が充填取出機構30の継ぎ手35に接続され、その他端がガス放出機構80の継ぎ手83に接続されている。循環調整弁92は、内槽11内の圧力が所定の値(第2規定値βよりも大きな第3規定値γ)を超えたときに、容器内で気化したガスを容器内の液化ガスL内に送り込むガスの流量を調整するためのものであり、一種の抵抗器である。
このような構成の超低温液化ガス容器1では、例えば、充填取出用配管31が後述の設備側充填取出用配管131と接続されていないときや、図2に示したように、充填取出用配管31が設備側充填取出用配管131と接続されると共に後述の設備側充填取出弁133が閉じているときには、内槽11内の上部のガスの蒸気圧P1と、容器内の液化ガスLの重さによって生じる圧力P2とはそれぞれ一定となっている。そのため、圧力計52は、内槽11内の上部のガスの蒸気圧P1が一定となっていることを表示し、差圧計72は、継ぎ手64内の圧力(蒸気圧P1+圧力P2)から継ぎ手53内の圧力(蒸気圧P1)を減算して得られる差圧(圧力P2)が一定となっていることを表示する。つまり、差圧計72の表示から、液面Sが変動していない(容器内の液化ガスLの残量が変化していない)ことがわかる。
また、例えば、図3に示したように、充填取出用配管31が設備側充填取出用配管131と接続されると共に設備側充填取出弁133が開いているときには、内槽11内の上部のガスの蒸気圧P1と、容器内の液化ガスLの重さによって生じる圧力P2とがそれぞれ液化ガスLの供給流量の大きさに応じて徐々に減っていく。そのため、差圧計72は、例えば、図4(A)の囲みR1に示したように、継ぎ手64内の圧力(蒸気圧P1+圧力P2)から継ぎ手53内の圧力(蒸気圧P1)を減算して得られる差圧(圧力P2)が液化ガスLの供給流量の大きさに応じて徐々に減っていることを表示する。つまり、差圧計72の表示から、液面Sが徐々に低くなっている(容器内の液化ガスLの残量が徐々に少なくなっている)ことがわかる。また、圧力計52は、図4(B)の囲みR2に示したように、内槽11内の上部のガスの蒸気圧P1が液化ガスLの供給流量の大きさに応じて徐々に減っていることを表示する。なお、図4(A)は、内槽11の内圧があまり高くない場合によく見られる圧力の変化を表したものである。
このとき、蒸気圧P1が所定の値(図4中の一点鎖線)を下回ると、例えば、図5に示したように、内圧調整弁63が開く。すると、継ぎ手64から見て、内圧調整用配管61のうち内圧弁62側の部分61Aと、内圧調整用配管61のうち内圧調整弁63側の部分61Bとが互いに並列接続された状態となる。その結果、差圧計72は、圧力の相対的に低い内槽11内の上部の影響を受けて、差圧が急激に所定の大きさA1だけ低くなったことを表示する(図4(A)参照)。つまり、差圧計72の表示からは、液面Sが急激に低くなった(容器内の液化ガスLの残量が急激に少なくなった)ように見える。つまり、このときの差圧計72は正確な値を示さなくなる。
その後、しばらくすると、蒸気圧P1が所定の値(図4(B)中の二点鎖線)にまで戻ってくる。すると、例えば、図3に示したように、内圧調整弁63が閉じるので、差圧計72は、再び正常な値を表示するようになる。
また、内槽11の内圧が比較的高いときには、例えば、図6(B)に示したように、蒸気圧P1が所定の値(図6(B)中の一点鎖線)を下回り、内圧調整弁63が開くと、内圧調整機構60の作用により、内槽11の内圧が高くなり始め、差圧の傾き(減少率)が当初の傾きD1から所定の大きさだけ小さくなって傾きD2に変化し(図6(A))、見かけ上、液面Sの低下率が急激に小さくなった(容器内の液化ガスLの残量の減少率が急激に小さくなった)ことを表示する。つまり、このときの差圧計72は正確な値を示さなくなる。
その後、しばらくすると、蒸気圧P1が所定の値(図6(B)中の二点鎖線)にまで戻ってくる。すると、例えば、図3に示したように、内圧調整弁63が閉じるので、差圧計72は、再び実際の低下率で液化ガスLが減少していることを表示するようになる。もっとも、差圧計72は、差圧の傾きが当初よりも小さくなったときの誤差を含んだ値を表示するようになるので、例えば、その誤差を制御部73で補正して正確な残量を表示装置(図示せず)に表示するようにすることが好ましい。
このようにして、本実施の形態の超低温液化ガス容器1は、容器内の内圧を所定の範囲内に保ちつつ、液化ガスLを供給することができる。
ところで、本実施の形態の超低温液化ガス容器1において、何らかの原因で内圧調整弁63に異常(例えば外部へのリーク)が生じると、図4(A)、図6(A)中の二点鎖線で示したように、差圧(液化ガスLの残量)は通常の使用時よりも早く低下する。つまり、差圧の傾きが正常時の大きさB1よりも大きなB2になる。そのため、例えば、内槽11の内圧があまり高くない場合に、内圧調整弁63に異常が生じた状態で内圧調整機構60が作動すると、図4(A)で示したように、差圧が正常時の下落幅A1よりも小さなA2程度しか下落しない。
また、例えば、内槽11の内圧が比較的高い場合に、内圧調整弁63に異常(例えば外部へのリーク)が生じた状態で内圧調整機構60が作動すると、図6(A)中の二点鎖線で示したように、差圧(液化ガスLの残量)は通常の使用時よりも遅く低下する。つまり、差圧の傾きが通常時の大きさC1よりも小さなC2になる。
そこで、本実施の形態では、制御部73内部の記憶部73Aにあらかじめ、内槽11の内圧があまり高くない場合に正常な内圧調整弁63を開いたときに生じ得る差圧の低下量の範囲D1〜D2を記憶させておき、例えば、内槽11の内圧があまり高くない場合には、この所定の範囲D1〜D2内に、内圧調整弁63を実際に開いたときに得られた値が入っているか否かを制御部73で判定するようにした。その結果、その値が所定の範囲D1〜D2内に入っていない場合には内圧調整弁63に異常があると判断して、異常を示す信号を報知部75に伝送するようにした。
また、制御部73内部の記憶部73Aにあらかじめ、内槽11の内圧が比較的高い場合に正常な内圧調整弁63を開いたときに生じ得る差圧の傾きの変化量の範囲E1〜E2を記憶させておき、例えば、内槽11の内圧が比較的高い場合には、この所定の範囲E1〜E2内に、内圧調整弁63を実際に開いたときに得られた値が入っているか否かを制御部73で判定するようにした。その結果、その値が所定の範囲E1〜E2内に入っていない場合には内圧調整弁63に異常があると判断して、異常を示す信号を報知部75に伝送するようにした。
なお、内槽11の内圧の大きさによって差圧が図4(A)、図6(A)に示したような変化を生じる場合には、内圧調整弁63の異常の監視に際して、圧力計52の計測値を用いる必要があるが、差圧が図4(A)、図6(A)に示したような変化を生じない場合には、圧力計52の計測値を用いる必要はない。
このように、本実施の形態では、容器内の内圧と容器内の液化ガスLの重さによって生じる圧力との和から容器内の内圧を減じることにより得られる圧力(差圧)の変化を監視するようにしたので、内圧調整弁63の異常を確実に検知することができる。これにより、内圧調整弁63に何らかの異常(例えば外部へのリーク)が生じたときに、容器内の液化ガスLが内圧調整弁63から外部へ漏れ出して、充填作業時や配送時に重大な事故を招く虞をなくすることができる。
また、本実施の形態では、制御部73は、超低温液化ガス容器1を使用しているとき(例えば充填取出用配管31から容器内の液化ガスLが外部に流出している間)や、さらに超低温液化ガス容器1を使用していないとき(例えば充填取出用配管31から容器内の液化ガスLが外部に流出していない間)に、ある時刻T1の差圧計72の計測値K1から、ある時刻T2の差圧計72の計測値K2を減算して得られた値(K1−K2)に内槽11の断面積Mを乗算すると共に時間(T2−T1)で除算することにより、液化ガスLの単位時間あたりの使用量U(以下の式(1)参照)を導出し、導出した使用量Uと、内槽11内の液化ガスLの残量とから超低温液化ガス容器1の交換時期(内槽11内の液化ガスLが空になる時期よりも所定の期間だけ早い時期)を導出するようにした。そして、導出された交換時期が例えば数日後に迫ったときに、交換時期が来たことを示す信号を報知部75に伝送するようにした。
U=(K1−K2)×M/(T2−T1)…(1)
このように、本実施の形態では、圧力計52の計測値を利用して、内槽11内の液化ガスLの使用量を監視するようにしたので、超低温液化ガス容器1の交換時期を確実に検知することができる。これにより、使用中の超低温液化ガス容器が空になりそうになっていることを見過ごすことがなくなるので、使用中の超低温液化ガス容器1が空になって、重大な事故が生じる虞はない。
また、本実施の形態の超低温液化ガス容器1において、断熱性能が劣化などにより低下して容器内の温度が高くなり、容器内の液化ガスLが気化する量が多くなると、図7に示したように、まず、この気化したガスにより容器内の内圧が所定の規定値(規定値β)を超え、ガス放出弁82が作動する。しばらくして、容器内の温度が更に高くなり、容器内の液化ガスLが気化する量が更に多くなると、この気化したガスにより容器内の内圧が所定の規定値(規定値γ)を超え、循環調整弁92も作動するようになる。そして、最終的には、超低温液化ガス容器1の断熱性能が回復しない限り、循環調整弁92の開閉動作が繰り返し生じることになり、循環調整弁92の開閉頻度(単位時間あたりの開閉回数)が高くなる。つまり、循環調整弁92の開閉頻度が正常時の開閉頻度G1よりも大きなG2になる。このように、超低温液化ガス容器1の断熱性能に異常が生じているときには、循環調整弁92の開閉頻度G2が正常時の開閉頻度G1よりも大きくなる。
そこで、本実施の形態では、制御部73内部の記憶部73Aにあらかじめ、正常時の循環調整弁92の開閉頻度の範囲H1〜H2を記憶させておき、この所定の範囲H1〜H2内に、実際に計測により得られた循環調整弁92の開閉頻度が入っているか否かを制御部73で判定するようにした。その結果、その値が所定の範囲H1〜H2内に入っていない場合には、超低温液化ガス容器1の断熱性能に異常があると判断して、異常を示す信号を報知部75に伝送するようにした。
このように、本実施の形態では、圧力計52の計測値を利用して、循環調整弁92の開閉頻度を監視するようにしたので、超低温液化ガス容器1の断熱性能の異常を確実に検知することができる。これにより、使用中の超低温液化ガス容器1の断熱性能に異常があることを見過ごすことがなくなるので、超低温液化ガス容器1を在庫している室内に気化したガスが充満して、重大な事故が生じる虞はない。
また、本実施の形態では、監視機構70は、圧力計測機構50に継ぎ手53を設けると共に内圧調整機構60に継ぎ手64を設けるだけで設置可能となっているので、既存の超低温液化ガス容器に対して簡単な工事を行うだけで監視機構70を設置することができる。
なお、本実施の形態では、循環機構90が設けられているので、これが作動すると、容器内の液化ガスL内に大量の気泡が発生し、容器内の液化ガスLの重さによって生じる圧力P2の値が変動する。しかし、循環機構90が作動するのは一般に超低温液化ガス容器1を保管している状態のときであり、しかも作動時間は内圧調整機構60の作動時間と比べるとほんのわずかである。そのため、本実施の形態の監視機構70において、循環機構90による悪影響はほとんどない。
以上、上記実施の形態を挙げて本考案を説明したが、本考案は、これに限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、液化ガスLを消費する機器などに超低温液化ガス容器1が一本だけ接続されている場合について説明したが、複数本、並列に接続されていてもよい。ただし、この場合には、例えば、並列に接続された各超低温液化ガス容器1のうちいずれか一つを使用している場合に、その使用している超低温液化ガス容器1の内圧が所定の値を下回り、ガス供給流量が不十分となったときに、その超低温液化ガス容器1に接続されている設備側充填取出弁133が閉じ、それに伴い、他の超低温液化ガス容器1に接続されている設備側充填取出弁133が開くようになっている。
また、上記実施の形態では、内圧調整弁63を実際に開いたときに得られた値が所定の範囲B1〜B2内に入っているか否かを判定することにより、内圧調整弁63の異常を判断していたが、その他の方法により判定するようにしてもよい。例えば、制御部73内部の記憶部73Aにあらかじめ、正常な内圧調整弁63を閉じているときに生じ得る差圧の低下量の傾き(微分値)の範囲D1〜D2を記憶させておき、この所定の範囲D1〜D2内に、内圧調整弁63を実際に閉じているときに得られた差圧の低下量の傾きが入っているか否かを制御部73で判定するようにした。その結果、その傾きが所定の範囲D1〜D2内に入っていない場合には内圧調整弁63に異常があると判断して、異常を示す信号を報知部75に伝送することも可能である。
また、上記実施の形態では、容器本体部10は図1などにおいて可搬性を有する小型の容器として記載されていたが、設置型の大型の容器であってもよい。
また、上記実施の形態では、監視機構70は複数の監視機能を備えていたが、常にそれら全ての機能を備えている必要はなく、必要な機能を備えていればよい。
本考案の一実施の形態に係る超低温液化ガス容器の概略構成図である。 図1の超低温液化ガス容器を保管状態としたときに表示される圧力計および差圧計の値について説明するための概略構成図である。 図1の超低温液化ガス容器をガス供給状態としたときに表示される圧力計および差圧計の値について説明するための概略構成図である。 図3の超低温液化ガス容器における圧力計および差圧計の値の時間変化の一例について説明するための時間変化図である。 図3の超低温液化ガス容器においてを蒸気圧が所定の値を下回った場合について説明するための概略構成図である。 図3の超低温液化ガス容器における圧力計および差圧計の値の時間変化の他の例について説明するための時間変化図である。 図3の超低温液化ガス容器における圧力計の値の時間変化の更に他の例について説明するための時間変化図である。
符号の説明
1…超低温液化ガス容器、10…容器本体部、11…内槽、12…外槽、13…空隙、14…支持部材、20…計器類部、30…充填取出機構、31…充填取出用配管、32…充填用配管、33…充填取出弁、34…充填弁、35,53,64,83…継ぎ手、40…フロート式液面計、41…浮き、42…目盛り棒、43…窓、50…圧力計測機構、51…圧力計測用配管、52…圧力計、60…内圧調整機構、61…内圧調整用配管、62…内圧弁、63…内圧調整弁、70…監視機構、71…監視用配管、72…差圧計、73…制御部、73A…記憶部、74…表示部、75…報知部、80…ガス放出機構、81…ガス放出用配管、82…ガス放出弁、90…循環機構、91…循環用配管、92…循環調整弁、L…液化ガス。

Claims (10)

  1. 内槽および外槽からなる二重殻構造を有する容器本体部と、
    圧力計と、
    一端が前記内槽内の上部に配置されると共に他端が前記圧力計に接続される第1の配管と、
    一端が前記内槽内の底部に配置されると共に他端が前記内槽内の上部に配置される第2の配管と、
    前記第2の配管の中途に挿入接続されると共に前記内槽の内圧が第1規定値を下回ったときに流量を調整する第1の弁と、
    前記圧力計と前記第1の配管との間に挿入接続される3つ手の第1の継ぎ手と、
    前記第2の配管のうち当該第2の配管の前記一端と前記第1の弁との間に挿入接続される3つ手の第2の継ぎ手と、
    前記第1の継ぎ手および前記第2の継ぎ手に接続される第3の配管と、
    前記第3の配管の中途に挿入接続される差圧計と
    を備えた超低温液化ガス容器用の監視装置であって、
    前記差圧計の計測値と所定の値とを対比して前記第1の弁の異常を判定したのち、その判定結果に応じた信号を出力する制御部と、
    前記制御部から出力された信号に応じた出力を行う出力部と
    を有する
    ことを特徴とする監視装置。
  2. 前記制御部は、正常な第1の弁を開いたときに生じ得る前記差圧計の計測値の低下量の範囲内に、前記第1の弁を実際に開いたときに前記差圧計によって得られた計測値が入っているか否かを判定し、その結果、その値が前記範囲内に入っていない場合には前記第1の弁に異常があると判断して、異常を示す信号を出力する
    ことを特徴とする請求項1に記載の監視装置。
  3. 前記制御部は、前記範囲の値を記憶する記憶部を有する
    ことを特徴とする請求項2に記載の監視装置。
  4. 前記超低温液化ガス容器は、
    一端が前記内槽内の底部に配置されると共に他端が前記容器本体部の外部に配置される第4の配管を備え、
    前記制御部は、前記第4の配管(充填取出用配管)から液化ガスが外部に流出している間、前記差圧計の計測値および前記内槽の断面積を用いて前記超低温液化ガス容器の交換時期を導出し、その交換時期に応じた信号を出力する
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の監視装置。
  5. 前記超低温液化ガス容器は、
    一端が前記内槽内の底部に配置されると共に他端が前記容器本体部の外部に配置される第4の配管と、
    一端が前記内槽内の上部に配置されると共に他端が前記容器本体部の外部に配置される第5の配管と、
    一端が前記第4の配管の中途に接続されると共に他端が前記第5の配管の中途に接続される第6の配管と、
    前記第6の配管の中途に挿入接続され、かつ前記内槽の内圧が前記第1規定値よりも大きな第2規定値を超えたときに開放される第2の弁と
    を備え、
    前記制御部は、前記圧力計の計測値から前記第2の弁の開閉を判定すると共に前記第2の弁の開閉頻度を導出し、導出により得られた開閉頻度と所定の値とを対比して前記容器本体部の断熱性能の異常を判定したのち、その判定結果に応じた信号を出力する
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の監視装置。
  6. 内槽および外槽からなる二重殻構造を有する容器本体部と、
    圧力計と、
    一端が前記内槽内の上部に配置されると共に他端が前記圧力計に接続される第1の配管と、
    一端が前記内槽内の底部に配置されると共に他端が前記内槽内の上部に配置される第2の配管と、
    前記第2の配管の中途に挿入接続されると共に前記内槽の内圧が所定の規定値を下回ったときに流量を調整する第1の弁と、
    前記圧力計と前記第1の配管との間に挿入接続される3つ手の第1の継ぎ手と、
    前記第2の配管のうち当該第2の配管の前記一端と前記第1の弁との間に挿入接続される3つ手の第2の継ぎ手と、
    前記第1の継ぎ手および前記第2の継ぎ手に接続される第3の配管と、
    前記第3の配管の中途に挿入接続される差圧計と、
    一端が前記内槽内の底部に配置されると共に他端が前記容器本体部の外部に配置される第4の配管と
    を備えた超低温液化ガス容器用の監視装置であって、
    前記第4の配管から液化ガスが外部に流出している間、前記差圧計の計測値および前記内槽の断面積を用いて前記超低温液化ガス容器の交換時期を導出し、その交換時期に応じた信号を出力する制御部と、
    前記制御部から出力された信号に応じた出力を行う出力部と
    を有する
    ことを特徴とする監視装置。
  7. 内槽および外槽からなる二重殻構造を有する容器本体部と、
    圧力計と、
    一端が前記内槽内の上部に配置されると共に他端が前記圧力計に接続される第1の配管と、
    一端が前記内槽内の底部に配置されると共に他端が前記容器本体部の外部に配置される第4の配管と、
    一端が前記内槽内の上部に配置されると共に他端が前記容器本体部の外部に配置される第5の配管と、
    一端が前記第4の配管の中途に接続されると共に他端が前記第5の配管の中途に接続される第6の配管と、
    前記第6の配管の中途に挿入接続され、かつ前記内槽の内圧が所定の規定値を超えたときに開放される第2の弁と
    を備えた超低温液化ガス容器用の監視装置であって、
    前記圧力計の計測値から前記第2の弁の開閉を判定すると共に前記第2の弁の開閉頻度を導出し、導出により得られた開閉頻度と所定の値とを対比して前記容器本体部の断熱性能の異常を判定したのち、その判定結果に応じた信号を出力する制御部と、
    前記制御部から出力された信号に応じた出力を行う出力部と
    を有する
    ことを特徴とする監視装置。
  8. 内槽および外槽からなる二重殻構造を有する容器本体部と、
    前記容器本体部に設けられた計器類部と
    を備えた超低温液化ガス容器であって、
    前記計器類部は、
    圧力計と、
    一端が前記内槽内の上部に配置されると共に他端が前記圧力計に接続される第1の配管と、
    一端が前記内槽内の底部に配置されると共に他端が前記内槽内の上部に配置される第2の配管と、
    前記第2の配管の中途に挿入接続されると共に前記内槽の内圧が第1規定値を下回ったときに流量を調整する第1の弁と、
    前記圧力計と前記第1の配管との間に挿入接続される3つ手の第1の継ぎ手と、
    前記第2の配管のうち当該第2の配管の前記一端と前記第1の弁との間に挿入接続される3つ手の第2の継ぎ手と、
    前記第1の継ぎ手および前記第2の継ぎ手に接続される第3の配管と、
    前記第3の配管の中途に挿入接続される差圧計と、
    前記差圧計の計測値と所定の値とを対比して前記第1の弁の異常を判定したのち、その判定結果に応じた信号を出力する制御部と、
    前記制御部から出力された信号に応じた出力を行う出力部と
    を有する
    ことを特徴とする超低温液化ガス容器。
  9. 内槽および外槽からなる二重殻構造を有する容器本体部と、
    前記容器本体部に設けられた計器類部と
    を備えた超低温液化ガス容器であって、
    前記計器類部は、
    圧力計と、
    一端が前記内槽内の上部に配置されると共に他端が前記圧力計に接続される第1の配管と、
    一端が前記内槽内の底部に配置されると共に他端が前記内槽内の上部に配置される第2の配管と、
    前記第2の配管の中途に挿入接続されると共に前記内槽の内圧が所定の規定値を下回ったときに流量を調整する第1の弁と、
    前記圧力計と前記第1の配管との間に挿入接続される3つ手の第1の継ぎ手と、
    前記第2の配管のうち当該第2の配管の前記一端と前記第1の弁との間に挿入接続される3つ手の第2の継ぎ手と、
    前記第1の継ぎ手および前記第2の継ぎ手に接続される第3の配管と、
    前記第3の配管の中途に挿入接続される差圧計と、
    一端が前記内槽内の底部に配置されると共に他端が前記容器本体部の外部に配置される第4の配管と、
    前記第4の配管から液化ガスが外部に流出している間、前記差圧計の計測値および前記内槽の断面積を用いて前記超低温液化ガス容器の交換時期を導出し、その交換時期に応じた信号を出力する制御部と、
    前記制御部から出力された信号に応じた出力を行う出力部と
    を有する
    ことを特徴とする超低温液化ガス容器。
  10. 内槽および外槽からなる二重殻構造を有する容器本体部と、
    前記容器本体部に設けられた計器類部と
    を備えた超低温液化ガス容器であって、
    前記計器類部は、
    圧力計と、
    一端が前記内槽内の上部に配置されると共に他端が前記圧力計に接続される第1の配管と、
    一端が前記内槽内の底部に配置されると共に他端が前記容器本体部の外部に配置される第4の配管と、
    一端が前記内槽内の上部に配置されると共に他端が前記容器本体部の外部に配置される第5の配管と、
    一端が前記第4の配管の中途に接続されると共に他端が前記第5の配管の中途に接続される第6の配管と、
    前記第6の配管の中途に挿入接続され、かつ前記内槽の内圧が所定の規定値を超えたときに開放される第2の弁と、
    前記圧力計の計測値から前記第2の弁の開閉を判定すると共に前記第2の弁の開閉頻度を導出し、導出により得られた開閉頻度と所定の値とを対比して前記容器本体部の断熱性能の異常を判定したのち、その判定結果に応じた信号を出力する制御部と、
    前記制御部から出力された信号に応じた出力を行う出力部と
    を有する
    ことを特徴とする超低温液化ガス容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106556491A (zh) * 2016-06-15 2017-04-05 厦门医学高等专科学校 基于压力表的压力监测调控装置及其方法

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