JP3133716B2 - 鉄筋接合強度試験装置 - Google Patents
鉄筋接合強度試験装置Info
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Description
鉄筋の接合強度を試験する鉄筋接合強度試験装置に関す
るものである。
合手段によって鉄筋を同軸に接合することが、建築現場
などで広く行われているが、予め所定の接合強度が得ら
れるように接合条件などを定める際には、接合された鉄
筋を引張試験機などで軸方向に引っ張り、破断に至るま
での最大引張荷重を止め針式などの検出手段によって検
出するようにしていた。
強度を調べる上では降伏点についても検出することが望
ましいが、従来の止め針式では降伏点を検出することが
できなかった。
もので、その目的とするところは、降伏点を自動的に検
出する鉄筋接合強度試験装置を提供することにある。
めに、第1発明は、同軸に接合された鉄筋の接合強度を
試験する装置であって、(a) 前記鉄筋の軸方向において
接合部の両側をそれぞれ把持する一対の把持手段と、
(b) 前記把持手段を互いに離間する方向へ相対的に移動
させて前記鉄筋を軸方向へ引張する引張手段と、(c) そ
の引張手段によって前記鉄筋に加えられる引張荷重を連
続的に検出する荷重検出手段と、(d) その引張荷重の変
化傾向に基づいて、予め設定された判断基準に従って降
伏点か否かを判断する降伏点判断手段とを有し、前記一
対の把持手段は、(a-1) 前記引張手段によって前記鉄筋
の軸方向へ相対移動させられる一対の保持ブロックと、
(a-2) その一対の保持ブロックにそれぞれ前記鉄筋を両
側から把持するようにその鉄筋を挟んで相対向するよう
に配設されるとともに、その鉄筋の節と係合可能な係合
歯が設けられた一対ずつの把持爪と、(a-3) 前記一対の
保持ブロックが互いに離間させられるのに伴って、前記
鉄筋と係合してその鉄筋の軸方向の移動が制限された前
記一対ずつの把持爪をそれぞれ互いに接近させてその鉄
筋に食い付かせるとともに、その後はそれ等一対ずつの
把持爪をその保持ブロックと略一体的に相対移動させる
カム機構とを有し、(a-4) その一対の保持ブロックの相
対移動に伴って機械的に前記鉄筋を把持して引張するも
のであり、(e) 前記荷重検出手段によって検出される引
張荷重が、前記一対ずつの把持爪が前記鉄筋に確実に食
い付くのに必要な予め定められた食付き荷重を越えたか
否かを判断し、その食付き荷重を越えるまで前記降伏点
判断手段により降伏点である旨の判断が為されることを
阻止する制限手段を有することを特徴とする。
強度を試験する装置であって、(a)前記鉄筋の軸方向に
おいて接合部の両側をそれぞれ把持する一対の把持手段
と、(b) 前記把持手段を互いに離間する方向へ相対的に
移動させて前記鉄筋を軸方向へ引張する引張手段と、
(c) その引張手段によって前記鉄筋に加えられる引張荷
重を連続的に検出する荷重検出手段と、(d) その引張荷
重の変化傾向に基づいて、予め設定された判断基準に従
って降伏点か否かを判断する降伏点判断手段と、(e) 試
験を行う複数種類の鉄筋の呼び名の断面積に関する断面
積データが予め記憶されたデータ記憶手段と、(f) 実際
に試験する鉄筋の呼び名を入力する入力手段と、(g) そ
の入力手段から入力された鉄筋の呼び名に関する断面積
データが表す断面積で前記引張荷重を割算することによ
り、前記降伏点における引張強さを算出する降伏点引張
強さ演算手段と、(h) その降伏点引張強さ演算手段によ
って算出された前記降伏点における引張強さを出力する
試験結果出力手段とを有することを特徴とする。
強度を試験する装置であって、(a)前記鉄筋の軸方向に
おいて接合部の両側をそれぞれ把持する一対の把持手段
と、(b) 前記把持手段を互いに離間する方向へ相対的に
移動させて前記鉄筋を軸方向へ引張する引張手段と、
(c) その引張手段によって前記鉄筋に加えられる引張荷
重を連続的に検出する荷重検出手段と、(d) その引張荷
重の変化傾向に基づいて、予め設定された判断基準に従
って降伏点か否かを判断する降伏点判断手段と、(e) 試
験を行う複数種類の鉄筋の降伏点の最低引張強さに関す
る降伏点データ、および複数種類の呼び名の断面積に関
する断面積データが予め記憶されたデータ記憶手段と、
(f) 実際に試験する鉄筋の種類および呼び名を入力する
入力手段と、(g) その入力手段から入力された鉄筋の種
類および呼び名に関する降伏点データおよび断面積デー
タを前記データ記憶手段から読み出し、その降伏点デー
タが表す降伏点の最低引張強さに対応する規格荷重と前
記荷重検出手段によって検出される実際の引張荷重とを
比較して異常判断を行う比較手段とを有することを特徴
とする。
装置において、前記比較手段は、前記荷重検出手段によ
って検出される実際の引張荷重が前記降伏点データが表
す降伏点の最低引張強さに対応する規格荷重より小さい
か否かを判断し、小さい場合は前記降伏点判断手段によ
り降伏点である旨の判断が為されることを阻止するもの
であることを特徴とする。
の鉄筋接合強度試験装置において、(a) 前記荷重検出手
段によって検出される前記引張荷重の最大値を逐次更新
して記憶する最大値記憶手段と、(b) 前記荷重検出手段
によって検出される前記引張荷重に基づいて前記鉄筋が
破断したことを判断する破断判断手段と、(c) その破断
判断手段により破断と判断された場合に、前記最大値記
憶手段に記憶されている荷重値を最大引張荷重とする最
大荷重判断手段とを有することを特徴とする。
装置において、(a) 試験を行う複数種類の鉄筋の呼び名
の断面積に関する断面積データが予め記憶されたデータ
記憶手段と、(b) 実際に試験する鉄筋の呼び名を入力す
る入力手段と、(c) その入力手段から入力された鉄筋の
呼び名に関する断面積データが表す断面積で前記最大引
張荷重を割算することにより最大引張強さを算出する最
大引張強さ演算手段と、(d) その最大引張強さ演算手段
によって算出された前記最大引張強さを出力する試験結
果出力手段とを有することを特徴とする。
ば、引張荷重の変化傾向に基づいて降伏点が自動的に検
出されるため、その降伏点における引張荷重、引張強さ
などに基づいて接合状態の適否等をより正確に判断でき
るようになる。また、一対の保持ブロックの相対移動に
伴ってカム機構により機械的に鉄筋が把持されて引張さ
れるため、試験装置に対する鉄筋の着脱作業が容易であ
る。しかも、把持爪の係合歯が鉄筋に確実に食い付くま
では、降伏点判断手段による降伏点の判断が阻止される
ため、係合歯が鉄筋に食い付くまでの引張荷重の不安定
な変動に起因して降伏点を誤って判断する恐れがない。
いて降伏点が自動的に検出されるため、その降伏点にお
ける引張荷重、引張強さなどに基づいて接合状態の適否
等をより正確に判断できるようになるとともに、自動的
に降伏点における引張強さが出力されるため、鉄筋の呼
び名(太さ)に拘らず接合状態の適否等を容易に判断で
きる。第3発明では、引張荷重の変化傾向に基づいて降
伏点が自動的に検出されるため、その降伏点における引
張荷重、引張強さなどに基づいて接合状態の適否等をよ
り正確に判断できるようになるとともに、降伏点におけ
る引張荷重が適切か否かが自動的に判断されるため、誤
認などによる作業者の誤った判断を防止できる。
荷重が検出されるため、降伏点における引張荷重などと
共に鉄筋の接合状態を一層正確に判断できるようにな
る。第6発明では、最大引張強さが自動的に出力される
ため、鉄筋の呼び名(太さ)に拘らず接合状態の適否等
を容易に判断できる。
験装置は、ガス圧接、摩擦圧接、溶接など種々の接合手
段で同軸に接合された鉄筋の接合強度試験に好適に用い
られる。
よびピストンが一対の把持手段に連結された油圧シリン
ダ、およびその油圧シリンダに作動油を供給するポンプ
ユニットを有する油圧式のものが好適に用いられ、荷重
検出手段は圧力センサで油圧を検出することにより容易
に引張荷重を求めることができる。荷重検出手段は、把
持手段のスライド抵抗などを考慮して引張荷重を補正す
るようにしても良いし、把持手段に印加された荷重をロ
ードセルなどのセンサで直接検出するようにしても良
い。
は、作業者が入力したり選択したりするタッチパネルや
押釦等の操作手段であっても良いが、試験する鉄筋と共
に送られてくるフロッピーディスクなどの記録媒体を介
して入力するものでも良い。第2発明、第6発明の試験
結果出力手段は、降伏点における引張強さや最大引張強
さを視覚表示する表示器やプリンタ、音声で知らせるス
ピーカ、或いは他のコンピュータシステム等に転送する
転送手段などである。
ように引張荷重が規格荷重より小さい場合は降伏点であ
る旨の判断が為されることを阻止し、降伏点が検出され
ないことにより異常(不良品)であることが作業者に認
識されるように構成されるが、降伏点判断手段によって
検出された降伏点の引張荷重が規格荷重より小さい場合
は異常であると判断して異常表示などの異常出力を行う
ようにしても良い。第5発明のように最大引張荷重を検
出する場合は、予めデータ記憶手段に最大引張強さの最
低値に関するデータを記憶しておいて同様に異常判断を
行うようにすることができる。
とは、最低引張強さに鉄筋の断面積データが表す断面積
を掛算したもので、個々に算出しても良いが、鉄筋の種
類および呼び名毎に予め規格荷重を算出してデータ記憶
手段などに記憶しておいても良い。また、規格荷重と実
際の引張荷重とを比較することは、実際の引張荷重を断
面積で割算して引張強さを求め、これと降伏点データが
表す最低引張強さとを比較することと実質的に同じであ
り、本発明はそのような態様も含む。更に、引張手段が
油圧シリンダを含んで構成されている場合には、上記規
格荷重を油圧シリンダの受圧面積で割算して規格油圧を
求め、実際の油圧と比較するようにしても良い。特許請
求の範囲の他の部分に記載されている引張荷重について
も、特に不都合がない限り引張強さや油圧などに置き換
えても良い。
いて互いに接近する方向へ向かうに従って間隔が狭くな
るように一対の保持ブロックに設けられたガイドを有し
て構成され、そのガイドに沿って一対ずつの把持爪が鉄
筋の軸方向の相対移動可能に配設される。これにより、
一対の保持ブロックが互いに離間させられるのに伴っ
て、鉄筋と係合して鉄筋の軸方向の移動が制限された一
対ずつの把持爪はそれぞれガイドに沿って鉄筋に接近さ
せられ、その鉄筋に強固に食い付く。このような把持爪
は、太さが多少異なる複数種類の鉄筋を把持できるが、
試験する鉄筋の太さが大きく異なる場合など、複数種類
の把持爪を用意するようにしても良い。
クの相対移動に伴ってカム機構により機械的に鉄筋を把
持して引張するようになっているが、他の発明の実施に
際しては、例えばボルトなどによる手動クランプ手段や
油圧シリンダなどによる自動クランプ手段などを用いて
鉄筋を把持するようになっていても良い。
値でも良いが、ノイズなどによる誤検出を避けるため
に、所定時間内の平均値などを用いることもできる。破
断判断手段は、例えば引張荷重が最大値記憶手段に記憶
されている最大値から予め定められた所定値以上低下し
た場合に破断判定を行ったり、引張荷重が予め定められ
た一定値以下になった場合に破断判定を行ったりするよ
うに構成される。
詳細に説明する。図1〜図7は引張試験機10を説明す
る図で、図8〜図13はその引張試験機10の作動を制
御するとともに降伏点の引張強さや最大引張強さなどを
検出する制御装置12を説明する図であり、これ等の引
張試験機10および制御装置12により本発明の一実施
例である鉄筋接合強度試験装置が構成されている。
面図、図3は左側面図、図4は車輪部分を除く右側面
図、図5は図2におけるV−V断面図で、図1、図2の
左右方向の寸法である全長寸法は約1160mm、幅寸
法は約420mm、高さは約500mm、重さは約27
0kgfであり、1個のブレーキ付自在キャスター14
および2個の固定キャスター16により手動で自由に移
動させて固定できるようになっている。それ等のキャス
ター14、16が取り付けられたベースフレーム18の
左右両端部には、固定側保持ブロック20およびブラケ
ット22がそれぞれ一体的に固定されており、それ等の
固定側保持ブロック20およびブラケット22の前後
(図2における上下)の両側面には、それぞれ板状のト
ラックレール24が両者に跨がって一体的に固設されて
いる。
に跨がって可動側保持ブロック26が配設されている。
可動側保持ブロック26は、トラックレール24に案内
されつつ左右方向、言い換えれば接合強度を試験する鉄
筋28(図6参照)の軸方向へ移動可能とされており、
前記固定側保持ブロック20との間に並列に配設された
2本の油圧シリンダ30により、その軸方向へ往復移動
させられるようになっている。油圧シリンダ30は、図
5から明らかなようにシリンダハウジング32、ピスト
ン34がそれぞれボルト36、38によって固定側保持
ブロック20、可動側保持ブロック26に一体的に固設
されており、固定側保持ブロック20、ボルト36に形
成された油路40から第1油室42内に作動油が供給さ
れることにより、ピストン34が突き出されて可動側保
持ブロック26が固定側保持ブロック20から離間させ
られる。また、連結ポート44から第2油室46内に作
動油が供給され、ピストン34がシリンダハウジング3
2内に引き込まれることにより、可動側保持ブロック2
6は図1や図2、図5に示す原位置まで戻される。
0に連通させられた第1マニホルド48、連結ポート4
4に配管などを介して連結される第2マニホルド50が
取り付けられており、それ等のマニホルド48、50と
図10に示されているポンプユニット52とが油圧ホー
ス54等を介して接続されるようになっており、そのポ
ンプユニット52によって作動油の供給状態が切換え制
御される。ポンプユニット52は前記制御装置12に備
えられており、本実施例では油圧シリンダ30およびポ
ンプユニット52によって引張手段が構成されている。
2本の油圧シリンダ30の受圧面積はそれぞれ約70c
m2 で、ポンプユニット52から約70MPaの最大油
圧が印加されることにより、約980kNの最大引張荷
重を発生する。
保持ブロック26には、図6、図7に示されているよう
に、鉄筋28の軸方向において互いに接近する方向へ向
かうに従って幅(間隔)が狭くなるガイド穴56、58
が貫通して設けられているとともに、それ等のガイド穴
56、58内には、それぞれ鉄筋28を挟んで相対向す
るように対称的に一対ずつの把持爪60、62が軸方向
の移動可能に配設されている。ガイド穴56、58に
は、それ等の側壁の上下にガイド溝64、66が形成さ
れている一方、把持爪60、62にはそのガイド溝6
4、66に嵌め入れられる係合突起68、70が設けら
れており、それ等の把持爪60、62が保持ブロック2
0、26に対して鉄筋28の軸方向へ相対移動させられ
ると、それぞれ鉄筋28に対して接近離間させられる。
把持爪60、62の相対向する面は、鉄筋28と略平行
となるように形成されているとともに、鉄筋28の節2
8aと係合可能な複数の係合歯72、74が鉄筋28の
軸方向に所定の間隔で設けられており、図6に示すよう
に把持爪60、62が鉄筋28の節28aと係合させら
れた状態で、可動側保持ブロック26が固定側保持ブロ
ック20から離間する方向へ移動させられると、把持爪
60、62はそれぞれ強固に鉄筋28に食い付き、可動
側保持ブロック26の移動に伴って鉄筋28を軸方向に
引張する。本実施例では、保持ブロック20、26およ
び把持爪60、62によって一対の把持手段76、78
が構成されており、ガイド穴56、58の側壁やガイド
溝64、66、係合突起68、70によってカム機構が
構成されている。なお、計4個の把持爪60、62は、
寸法および形状が等しい同一の部材で、試験する鉄筋2
8の呼び名、すなわち径寸法に応じて複数種類用意され
ている。
で接合されたもので全長は約500mmであり、その略
中央部分に接合部28bを有しているとともに、その接
合部28bの両側で把持手段76、78により把持され
るように装着される。具体的には、図7に示すように一
対ずつの把持爪60、62をそれぞれ互いに離間する後
退位置に保持した状態で、鉄筋28を把持手段76側か
らガイド穴56内へ挿入し、図6に示すように先端部が
把持手段78によって把持でき且つ接合部28bが把持
手段76と78との間に位置するまで送り込んだ後、把
持爪60、62をガイド穴56、58内に押し込んで鉄
筋28と係合させれば良い。固定側保持ブロック20に
は、図1〜図3に示されているようにシャッター80が
支持ピン82まわりの回動可能に取り付けられており、
ストッパピン84に係止されるシャッター位置に位置決
めされると、把持爪60や鉄筋28がガイド穴56から
外方へ抜け出すことが阻止される。鉄筋28を装着する
時には、シャッター80をストッパボルト86に当接す
るまで図3において支持ピン82の左まわりに回動させ
れば良く、その状態では把持爪60をガイド穴56から
完全に抜き出すことができるため、把持爪60を取り外
した状態で鉄筋28を装着するようにしても良い。
がガイド穴58から離脱することを防止するために一対
のストッパ88がボルトにより固定されている。また、
前記ブラケット22には、引張試験の際にストッパ88
と干渉しないように矩形の穴90が形成されているとと
もに、中央部すなわち装着される鉄筋28の軸線上には
ショックアブソーバ94が配設され、鉄筋28の破断時
の衝撃を緩和するようになっている。ショックアブソー
バ94にはフランジ92が一体に設けられ、そのフラン
ジ92を介してブラケット22に取り付けられている。
なお、前記シャッター80にもショックアブソーバを設
けるようにしても良い。また、破断した鉄筋28の飛散
を防止するために必要に応じてカバーなどが設けられ
る。
御装置12は、図8の左右方向の寸法である全長寸法が
約800mm、幅寸法が約400mm、高さが約600
mmの箱体形状を成しているとともに、重さが約88k
gfで、図8における左側に設けられた2個のブレーキ
付自在キャスター100および右側に設けられた2個の
固定キャスター102により手動で自由に移動させて固
定できるようになっている。制御装置12の上部には、
引張位置、戻し位置、およびそれ等の中間のOFF位置
とへ回動操作される切換レバー104が設けられてお
り、引張位置へ操作されると図11のスイッチLS1F
がONとされ、戻し位置へ操作されるとスイッチLS1
RがONとされる。制御装置12の上部にはまた、開閉
可能なカバー106内に操作盤108が設けられてい
る。操作盤108は、図9に示すように電源スイッチ1
10、プリンタースイッチ112、液晶式の表示パネル
114、4個の自動復帰型押釦スイッチF1〜F4、お
よびプリンターの用紙送出部116を備えている。
10に示すポンプユニット52を備えている。ポンプユ
ニット52は、電動モータ120によって回転駆動され
ることによりオイルタンク122から作動油を汲み上げ
て送出する高圧用プランジャーポンプ124および低圧
用ベーンポンプ126と、油圧回路を切り換えるパイロ
ット切換弁128と、そのパイロット切換弁128を切
り換える電磁切換弁130とを備えている。そして、電
磁切換弁130のソレノイドSOL1がON(励磁)さ
れると、油路132から前記油圧シリンダ30の第1油
室42に作動油が供給されてピストン34が突き出され
る一方、電磁切換弁130のソレノイドSOL2がON
(励磁)されると、油路132から油圧シリンダ30の
第2油室46に作動油が供給されてピストン34が引き
込まれる。
大吐出圧力は70MPa程度で、低圧用ベーンポンプ1
26の最大吐出圧力は4MPa程度であり、油路132
に接続された圧力調整弁(安全弁)134は、0〜70
MPaの範囲でリリーフ圧の設定が可能であるととも
に、油路132には油圧(ポンプ圧PO)を検出する圧
力センサ136が取り付けられている。このポンプ圧P
Oに2本の油圧シリンダ30の合計受圧面積(約140
cm2 )を掛算すれば引張荷重となり、圧力センサ13
6は荷重検出手段として機能している。なお、可動側保
持ブロック26のスライド抵抗やピストン34の摺動抵
抗などを考慮して予め求めたデータマップなどからより
高い精度で引張荷重を求めるようにしても良い。図10
の138はアンロード弁で、140、142はそれぞれ
リリーフ圧が1.5MPa程度、8MPa程度の低圧用
リリーフ弁である。
る制御回路の電気系統などを示すブロック線図で、CP
U144、ROM146、RAM148などを有するマ
イクロコンピュータを含んで構成されており、RAM1
48の一時記憶機能を利用しつつROM146に予め記
憶されたプログラムに従って信号処理を行う。CPU1
44には、前記電源スイッチ110、プリンタースイッ
チ112、押釦スイッチF1〜F4、スイッチLS1
F、LS1R、圧力センサ136などからON−OFF
信号やポンプ圧POを表す信号などが供給されるととも
に、上記信号処理結果に従って前記表示パネル114の
表示内容、電動モータ120の作動状態、ソレノイドS
OL1、SOL2の励磁−非励磁、プリンター150の
印字内容や作動状態などを制御する。表示パネル114
およびプリンター150は、試験した鉄筋28の種類や
呼び名、降伏点における引張強さ(N/mm2 )、破断
に至るまでの最大引張強さ(N/mm2 )などの試験結
果を表示したり用紙に印字したりするもので、試験結果
出力手段に相当する。
が設けられ、図12および図13に示すような試験可能
な対象鉄筋に関する基本データが予め記憶されている。
図12は、鉄筋の種類、およびその降伏点、引張強さ
(最大引張強さ)に関するもので、図13は、鉄筋の呼
び名、およびその断面積に関するもので、何れもJIS
G3112「鉄筋コンクリート用棒鋼」に規定されてい
る規格値である。また、本実施例では鉄筋の種類毎に試
験可能な呼び名の範囲が定められており、鉄筋の種類
「SD345」についてはD19〜D41、「SD39
0」についてはD19〜D38、「SD490」につい
てはD19〜D35とされている。なお、これらはあく
までも一例で、試験可能な鉄筋の種類や呼び名の範囲、
記憶するデータの種類などは適宜変更され得る。上記デ
ータテーブル146aはデータ記憶手段に相当し、図1
2の降伏点に関するデータの下限値は降伏点の最低引張
強さに相当する。また、前記押釦スイッチF1〜F4
は、試験する鉄筋28の種類や呼び名などを選択するも
ので、入力手段として機能する。
置の作動を説明するフローチャートで、電源スイッチ1
10がON(入)位置へ操作されるとステップS1以下
を実行する。ステップS1の異常チェックでは、試験結
果のデータを蓄積しておいたり表示パネル114の表示
データを記憶しておいたりするバックアップメモリ用の
電池の残量をチェックし、残量が少ない場合は、電池交
換を促すコメントなどを表示パネル114に表示する。
ステップS2では、前記データテーブル146aに記憶
されている総ての鉄筋データ、すなわち図12、図13
に示されているデータを読み出してRAM148の作業
データテーブル148aに書き込む。
図15のフローチャートに従って実行される。図15の
(a) 〜(f) は図16の(a) 〜(f) に対応するもので、表
示パネル114の表示内容を表している。これ等の表示
内容のうち4つに区分されている下部の表示は、前記押
釦スイッチF1〜F4の操作の内容を表している。
メモリであるRAM148の制御データテーブル148
bに記憶されている試験結果のデータをプリンター15
0によって印刷するか否かを、図16の(a) の表示内容
のうちの「出力」の下方に配設されている押釦スイッチ
F4が押圧操作されたか否かによって判断し、押釦スイ
ッチF4が押圧操作された場合は、ステップR2で試験
年月日や鉄筋の種類、呼び名、試験番号、降伏点の引張
強さ、最大引張強さなどの試験結果データを印刷する。
ステップR3では、試験する鉄筋の種類、言い換えれば
表示パネル114に表示されている鉄筋の種類を変更す
るか否かを、押釦スイッチF2またはF3が押圧操作さ
れたか否かによって判断する。この時の表示パネル11
4には、図16の(a) に示すように日時と共に初期設定
或いは最後に設定された鉄筋の種類(図ではSD34
5)が表示されており、「△」或いは「▽」の下方に配
設されている押釦スイッチF2またはF3が押圧操作さ
れると、ステップR4で表示パネル114に表示されて
いる鉄筋の種類を変更する。表示される鉄筋の種類は作
業データテーブル148aに書き込まれているものだけ
で、本実施例では前記図12に示す「SD345」、
「SD390」、「SD490」の3種類であり、この
時の操作でこれから試験を行う鉄筋28の種類を選択す
る。そして、ステップR5では、表示パネル114の
「確認」の下方に配設されている押釦スイッチF1が押
圧操作されたか否かを判断し、押釦スイッチF1が押圧
操作されるまでステップR3以下を繰り返し実行すると
ともに、押釦スイッチF1が押圧操作されると、その鉄
筋の種類を制御データテーブル148bに書き込む。
16の(b) に示すように変わり、ステップR6では試験
する鉄筋の呼び名、言い換えれば表示パネル114に表
示されている鉄筋の呼び名を変更するか否かを、上記ス
テップR3と同様に押釦スイッチF2またはF3が押圧
操作されたか否かによって判断する。押釦スイッチF2
またはF3が押圧操作されると、ステップR7で表示パ
ネル114に表示されている鉄筋の呼び名を変更する。
表示される鉄筋の呼び名は作業データテーブル148a
に書き込まれているものだけで、本実施例では前記図1
3に示す「D19」〜「D41」の8種類であり、この
時の操作でこれから試験を行う鉄筋28の呼び名を選択
する。そして、ステップR8では、押釦スイッチF1が
押圧操作されたか否かを判断し、押釦スイッチF1が押
圧操作されるまでステップR6以下を繰り返し実行する
とともに、押釦スイッチF1が押圧操作されると、その
鉄筋の呼び名を制御データテーブル148bに書き込
む。
種類と呼び名の組合せが適切であるか否か、すなわち本
実施例では鉄筋の種類「SD345」についてはD19
〜D41、「SD390」についてはD19〜D38、
「SD490」についてはD19〜D35の範囲内か否
かをチェックする。そして、種類と呼び名の組合せが適
切でない場合は、ステップR10の判断がNOとなって
ステップR3以下を再び実行し、種類および呼び名の設
定をやり直す一方、組合せが適切であればステップR1
1以下を実行する。
表示内容が図16の(c) に示すように変わり、押釦スイ
ッチF1およびF4の何れが押圧操作されたかにより、
試験結果をプリンター150によって印刷するか否かを
判断する。印刷しない場合すなわち押釦スイッチF4が
押圧操作された場合は、そのままテスト条件の設定処理
を終了し、図14のステップS4の引張試験を実行する
が、印刷する場合すなわち押釦スイッチF1が押圧操作
された場合はステップR12以下を実行する。ステップ
R12では、表示パネル114の表示内容が図16の
(d) に示すように変わり、押釦スイッチF4が押圧操作
されたか否かによりステップR11へ戻るか否かを判断
し、ステップR13では押釦スイッチF3が押圧操作さ
れたか否かにより1回の引張試験毎に印刷するか否かを
判断し、ステップR14では押釦スイッチF2が押圧操
作されたか否かにより全数引張試験した後に印刷するか
否かを判断する。そして、ステップR13の判断がYE
Sの場合、すなわち各試験毎に印刷する場合は直ちにス
テップR20を実行するが、ステップR14がYESの
場合、すなわち全数試験後に印刷する場合はステップR
15以下を実行する。
記憶する制御データテーブル148bに試験結果データ
が残っているか否かをチェックし、残っていなければス
テップR16の判断がNOとなってステップR20を実
行するが、残っている場合はステップR16の判断がY
ESとなり、ステップR17以下を実行する。ステップ
R17では表示パネル114の表示内容が図16の(e)
に示すように変わり、何日の試験結果データが残ってい
るかを表示するとともに、その試験結果データを印刷す
るか否か、すなわちステップR1へ戻るか否かを、押釦
スイッチF4が押圧操作されたか否かによって判断す
る。押釦スイッチF4が押圧操作された場合はステップ
R1へ戻るが、そうでない場合はステップR18で押釦
スイッチF1が押圧操作されたか否か、すなわち残って
いる試験結果データを削除するか否かを判断し、押釦ス
イッチF1が押圧操作された場合はステップR19でそ
の試験結果データを制御データテーブル148bから削
除する。
で全数試験後の印刷が選択された場合は、図16の(f)
に示すようにプリンタースイッチ112をOFF(切)
する旨のコメントを表示パネル114に表示し、ステッ
プR13で引張試験毎の印刷が選択された場合は、プリ
ンタースイッチ112をON(入)する旨のコメントを
表示パネル114に表示する。そして、次のステップR
21でプリンタースイッチ112のON−OFF状態が
表示パネル114の表示通りか否かを判断し、表示通り
であればテスト条件の設定処理を終了する。
理は、図17および図18のフローチャートに従って実
行される。これ等の図の(a) 、(d) 〜(f) は図19の
(a) 、(d) 〜(f) に対応するもので、表示パネル114
の表示内容を表している。また、図20は、引張試験時
におけるポンプ圧POの変化を示すタイムチャートの一
例である。
パネル114には図19の(a) に示すように前記引張試
験機10に鉄筋28をセットして切換レバー104を引
張位置へ操作すべき旨のコメントが表示されており、前
記図6に示すように鉄筋28をセットして切換レバー1
04が引張位置へ操作されたか否かを、引張側のスイッ
チLS1FがONとなった否かにより判断する。スイッ
チLS1FがONになると、ステップQ2で電動モータ
120を作動させるとともにステップQ3で電磁切換弁
130のソレノイドSOL1をON(励磁)することに
より、油圧シリンダ30の第1油室42に作動油を圧送
してピストン34を突き出させる。これにより、可動側
保持ブロック26が固定側保持ブロック20から離間す
る方向へ移動させられる。なお、図19の(a) に示され
ている「F2」の表示は、押釦スイッチF2が押圧操作
された場合に年月日を変更する処理を実行することを意
味し、「戻る」の表示は、押釦スイッチF4が押圧操作
された場合にステップS3のテスト条件の設定処理へ戻
ることを意味している。
し位置へ操作されたか否かを、戻し側のスイッチLS1
RがONになったか否かにより判断し、スイッチLS1
RがONになったら図18のステップQ27以下を実行
するが、そうでなければステップQ5を実行する。ステ
ップQ5では、圧力センサ136によって検出されるポ
ンプ圧POが80kgf/cm2 を越えたか否かを判断
し、PO≦80kgf/cm2 の間はステップQ2以下
を繰り返し実行するだけで、PO>80kgf/cm2
になったらステップQ6以下を実行して降伏点の判定な
どを行う。判断基準値80kgf/cm2 は、降伏点に
おける引張強さに対応するポンプ圧よりも小さく、且つ
前記可動側保持ブロック26の移動初期に把持爪60、
62が鉄筋28に確実に食い付くのに必要な食付き荷重
に対応するポンプ圧よりも大きな値で、予め実験等によ
って設定されたものである。本実施例では、予め一定値
が設定されているが、鉄筋の種類や呼び名毎に異なる値
が設定されるようにすることもできる。これにより、把
持爪60、62が鉄筋28に確実に食い付くまでの荷重
変動に起因して、降伏点が誤って判断されることが防止
される。制御装置12による一連の信号処理のうち、こ
のステップQ5を実行する部分は請求項1に記載の制限
手段に相当する。なお、1kgf/cm2 は約0.1M
Paである。
リンダ30の受圧面積を掛算して引張荷重(kN)を求
め、制御データテーブル148bの引張荷重データD7
を上書き(更新)する。ステップQ7ではフラグF1が
「1」か否かを判断し、F1=1であればステップQ1
5を実行するが、フラグF1は降伏点の判断が為された
後にステップQ14で「1」とされるもので、最初は
「0」であるためステップQ8以下を実行する。ステッ
プQ8では図示しないクロック信号源からのクロック信
号などに基づいて1秒経過したか否かを判断し、1秒経
過する毎にステップQ9でその1秒間の引張荷重の平均
値を求めて制御データテーブル148bの平均荷重デー
タD6を上書き(更新)する。ポンプ圧POは、例えば
数十〜数百m秒程度の所定のサンプリング周期で連続的
に読み込まれて引張荷重が算出される。また、平均荷重
値を求める時間は、可動側保持ブロック26の移動速度
(ポンプ124の吐出容量)等に応じて降伏点を検出し
易いように適宜設定される。
の荷重値が平均荷重データD6の平均荷重値以下か否か
を判断し、ステップQ11ではポンプ圧POが規格値、
すなわち作業データテーブル148aに書き込まれてい
る降伏点データの最低引張強さに対応する油圧値以上か
否かを判断し、ステップQ12では上記ステップQ10
およびQ11の判断が共にYESの状態の継続時間T1
が1秒以上か否かを判断し、それ等が総てYESになっ
た場合に、ステップQ13で降伏点であると判定すると
ともに、その時の引張荷重(kN)を制御データテーブ
ル148bに記憶する。制御装置12による一連の信号
処理のうちステップQ8〜Q13を実行する部分は請求
項1〜3に記載の降伏点判断手段に相当し、1秒間の平
均荷重値を判断基準値として平均荷重データD6に記憶
するとともに順次更新し、新たに検出される引張荷重
(D7)が1秒以上その判断基準値以下であることを判
断基準として含んでいるため、ノイズなどに拘らず降伏
点を高い精度で検出できる。1秒間の平均荷重値を判断
基準値として平均荷重データD6に記憶するとともに順
次更新するステップQ8およびQ9は、基準値設定手段
に相当する。
POが降伏点データの最低引張強さに対応する油圧値以
上か否か、具体的には前記ステップS3のテスト条件設
定処理で選択された鉄筋28の種類が「SD345」で
呼び名が「D35」の場合、その降伏点データの最低引
張強さ345N/mm2 、断面積データ956.6mm
2 、および一対の油圧シリンダ30の総受圧面積140
cm2 から、規格値として345N/mm2 ×956.
6mm2 ÷10÷140cm2 =235.7kgf/c
m2 を算出し、その油圧値以上か否かを判断し、その油
圧値以上でなければ異常と判断して降伏点と判断される
ことが阻止される。このため、ノイズなどによる降伏点
の誤判断が一層良好に防止されるとともに、接合不良な
どで実際に降伏点が低い場合は、降伏点が検出されなく
なるため、接合不良等の異常が存在することが容易に認
識でき、そのような異常判断を行わない場合に比べて誤
認などによる作業者の誤った良否判断が防止される。制
御装置12による一連の信号処理のうちステップQ11
を実行する部分は請求項3、4に記載の比較手段に相当
する。なお、ポンプ圧POの代わりに引張荷重や引張強
さで比較することもできる。
スイッチLS1FがONであることが検出された後、上
記ステップQ13で降伏点判断が為されるまでの表示パ
ネル114の表示内容の一例で、ポンプ圧および引張荷
重としてその時点における瞬時値が表示されるととも
に、降伏点として図12に示す降伏点データの最低値が
荷重値で表示される。また、図19の(c) は、ステップ
Q13で降伏点判断が為された後の表示パネル114の
表示内容で、ポンプ圧および引張荷重としてその時点に
おける瞬時値が表示されるとともに、母材強さとして図
12に示す最大引張強さデータの最低値が荷重値で表示
される。それ等の図の降伏点、母材強さは、鉄筋の種類
が「SD345」で呼び名が「D35」の場合である。
「1」とし、以後のサイクルではステップQ7に続いて
ステップQ15が実行されるようになる。ステップQ1
5では引張荷重データD7の荷重値が最大引張荷重デー
タD8の荷重値より大きいか否かを判断し、D7≦D8
であれば直ちにステップQ17を実行するが、D7>D
8の場合はステップQ16において、制御データテーブ
ル148bの最大引張荷重データD8を引張荷重データ
D7の荷重値で上書き(更新)する。これにより、最大
引張荷重データD8には、引張荷重の最大値が逐次更新
して記憶される。制御装置12による一連の信号処理の
うちステップQ15およびQ16を実行する部分は、最
大荷重データD8を記憶している制御データテーブル1
48bと共に請求項5に記載の最大値記憶手段を構成し
ている。
引張荷重データD8に記憶されている最大荷重値に対応
する油圧値に対して80kgf/cm2 以上低下したか
否かを判断し、80kgf/cm2 以上低下した場合は
次のステップQ18で鉄筋28が破断したと判定する
が、そうでない場合はステップQ2以下を繰り返し実行
する。判断基準値80kgf/cm2 は、降伏点やノイ
ズなどを誤って破断と判定しないように予め実験等によ
って設定されたものである。本実施例では、予め一定値
が設定されているが、鉄筋の種類や呼び名毎に異なる値
が設定されるようにすることもできる。制御装置12に
よる一連の信号処理のうちステップQ17およびQ18
を実行する部分は、請求項5に記載の破断判断手段に相
当する。
は、前記ステップQ13で降伏点と判定された時の引張
荷重(kN)、および最大引張荷重データD8に記憶さ
れている最大荷重値(kN)を、それぞれ前記図15の
ステップR6〜R8で選択された呼び名の断面積データ
で割算することにより、降伏点の引張強さ(N/m
m2)および最大引張強さ(N/mm2 )を算出し、図
19の(d) に示すように表示パネル114に表示する。
制御装置12による一連の信号処理のうちステップQ1
9を実行する部分は、請求項2に記載の降伏点引張強さ
演算手段に相当し、ステップQ20を実行する部分は、
請求項5に記載の最大荷重判断手段、請求項6に記載の
最大引張強さ演算手段に相当する。なお、この最大引張
強さについても、図12に示す引張強さデータに基づい
て適切か否かを自動的に判定するようにすることもでき
る。
の破断判定後の経過時間T2が3秒以上になったか否か
を判断し、経過時間T2が3秒を越えたらステップQ2
2で電動モータ120を停止するとともに、ステップQ
23で電磁切換弁130のソレノイドSOL1をOFF
(非励磁)にする。これにより、油圧シリンダ30への
作動油の供給が停止し、可動側保持ブロック26の移動
が停止する。この状態で、表示パネル114には、図1
9の(e) に示すように破断した鉄筋28を取り外して切
換レバー104を戻し位置へ操作すべき旨のコメントが
表示される。
112がON(入)か否か、言い換えれば前記ステップ
R13で引張試験毎の印刷が選択されたか否かを判断
し、ONの場合はステップQ25で試験した鉄筋の種類
や呼び名、降伏点、最大引張強さなどを印刷する。ステ
ップQ26では、切換レバー104が戻し位置へ操作さ
れたか否かを、戻し側のスイッチLS1RがONになっ
たか否かにより判断し、スイッチLS1RがONになっ
たら、ステップQ27で電動モータ120を作動させる
とともにステップQ28で電磁切換弁130のソレノイ
ドSOL2をON(励磁)することにより、油圧シリン
ダ30の第2油室46に作動油を圧送してピストン34
を引き込む。これにより、可動側保持ブロック26が固
定側保持ブロック20に接近する方向へ戻り移動させら
れる。この時の表示パネル114には、図19の(f) に
示すように戻し動作中である旨のコメントが表示され
る。
よって検出されるポンプ圧POが80kgf/cm2 を
越えたか否か、言い換えれば油圧シリンダ30のピスト
ン34が引込み端まで達してそれ以上の移動が阻止さ
れ、油圧が上昇したか否かを判断する。そして、PO>
80kgf/cm2 になったら、ステップQ30で電動
モータ120を停止するとともに、ステップQ31で電
磁切換弁130のソレノイドSOL2をOFF(非励
磁)にする。これにより、油圧シリンダ30への作動油
の供給が停止し、可動側保持ブロック26が原位置まで
戻されて停止させられる。判断基準値80kgf/cm
2 は、可動側保持ブロック26の移動抵抗やピストン3
4の摺動抵抗などに抗して可動側保持ブロック26を戻
し移動させるのに必要なポンプ圧よりも大きな値であ
る。
験は終了し、引き続き同じ種類、呼び名の鉄筋について
引張試験を行う場合は、ステップQ1以下を繰り返し実
行する。また、異なる種類或いは呼び名の鉄筋について
引張試験を行う場合は、ステップS3のテスト条件の設
定処理から実行すれば良い。
装置によれば、ステップQ8〜Q13で降伏点が自動的
に検出され、その降伏点における引張強さが表示パネル
114に表示されるとともに必要に応じてプリンター1
50によって印刷されるため、最大引張強さしか分から
ない場合に比べて鉄筋28の接合状態をより正確に判断
できるようになる。特に、圧力センサ136によって連
続的に検出される引張荷重D7が1秒以上平均荷重値D
6以下であることが、降伏点と判断する判断基準として
含まれているため、ノイズなどに拘らず降伏点を高い精
度で検出できる。
するデータが予めデータテーブル146aに記憶されて
いて、自動的に降伏点における引張強さ(kN/m
m2 )が出力されるため、鉄筋28の呼び名(太さ)に
拘らず接合状態の適否等を容易に判断できる。更に、鉄
筋の種類毎に降伏点に関するデータがデータテーブル1
46aに記憶されていて、その降伏点の最低規格値より
低い場合は降伏点と判定されないため、ノイズなどによ
る降伏点の誤判断が一層良好に防止されるとともに、接
合不良などで実際に降伏点が低い場合は、降伏点が検出
されなくなるため、接合不良等の異常が存在することが
容易に認識でき、そのような異常判断を行わない場合に
比べて誤認などによる作業者の誤った良否判断が防止さ
れる。
ック26が固定側保持ブロック20から離間させられる
のに伴って、それ等の保持ブロック20、26に配設さ
れた把持爪60、62がカムの作用で機械的に鉄筋28
に食い込み、その鉄筋28を引張するため、引張試験機
10に対する鉄筋28の着脱作業が容易である。しか
も、把持爪60、62の係合歯72、74が鉄筋28に
確実に食い付くまで、言い換えればポンプ圧POが80
kgf/cm2 を越えるまでは、ステップQ6以下が実
行されず、降伏点の判断が阻止されるため、係合歯7
2、74が鉄筋28に食い付くまでの引張荷重の不安定
な変動に起因して降伏点を誤って判断する恐れがない。
引張荷重が検出されるため、降伏点における引張荷重な
どと共に鉄筋28の接合状態を一層正確に判断できるよ
うになる。特に、呼び名毎の断面積に関するデータが予
めデータテーブル146aに記憶されていて、自動的に
最大引張強さ(kN/mm2 )が出力されるため、鉄筋
28の呼び名(太さ)に拘らず接合状態の適否等を容易
に判断できる。
細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であ
り、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良
を加えた態様で実施することができる。
の引張試験機を示す正面図である。
ある。
ある。
説明する図である。
を構成している制御装置の一部を切り欠いて示す正面図
である。
ットを説明する油圧回路図である。
ク線図である。
る鉄筋の種類毎の降伏点データおよび引張強さデータを
説明する図である。
る鉄筋の呼び名毎の断面積データの一例を説明する図で
ある。
ートである。
説明するフローチャートである。
示パネルの表示内容の一例を示す図である。
説明するフローチャートである。
時における表示パネルの表示内容の一例を示す図であ
る。
時におけるポンプ圧変化の一例を示すタイムチャートで
ある。
手段
Claims (6)
- 【請求項1】 同軸に接合された鉄筋の接合強度を試験
する装置であって、 前記鉄筋の軸方向において接合部の両側をそれぞれ把持
する一対の把持手段と、 前記把持手段を互いに離間する方向へ相対的に移動させ
て前記鉄筋を軸方向へ引張する引張手段と、 該引張手段によって前記鉄筋に加えられる引張荷重を連
続的に検出する荷重検出手段と、 該引張荷重の変化傾向に基づいて、予め設定された判断
基準に従って降伏点か否かを判断する降伏点判断手段と
を有し、 前記一対の把持手段は、 前記引張手段によって前記鉄筋の軸方向へ相対移動させ
られる一対の保持ブロックと、 該一対の保持ブロックにそれぞれ前記鉄筋を両側から把
持するように該鉄筋を挟んで相対向するように配設され
るとともに、該鉄筋の節と係合可能な係合歯が設けられ
た一対ずつの把持爪と、 前記一対の保持ブロックが互いに離間させられるのに伴
って、前記鉄筋と係合して該鉄筋の軸方向の移動が制限
された前記一対ずつの把持爪をそれぞれ互いに接近させ
て該鉄筋に食い付かせるとともに、その後は該一対ずつ
の把持爪を該保持ブロックと略一体的に相対移動させる
カム機構と を有し、該一対の保持ブロックの相対移動に
伴って機械的に前記鉄筋を把持して引張するものであ
り、 前記荷重検出手段によって検出される引張荷重が、前記
一対ずつの把持爪が前記鉄筋に確実に食い付くのに必要
な予め定められた食付き荷重を越えたか否かを判断し、
該食付き荷重を越えるまで前記降伏点判断手段により降
伏点である旨の判断が為されることを阻止する制限手段
を有する ことを特徴とする鉄筋接合強度試験装置。 - 【請求項2】 同軸に接合された鉄筋の接合強度を試験
する装置であって、 前記鉄筋の軸方向において接合部の両側をそれぞれ把持
する一対の把持手段と 、 前記把持手段を互いに離間する方向へ相対的に移動させ
て前記鉄筋を軸方向へ引張する引張手段と、 該引張手段によって前記鉄筋に加えられる引張荷重を連
続的に検出する荷重検出手段と、 該引張荷重の変化傾向に基づいて、予め設定された判断
基準に従って降伏点か否かを判断する降伏点判断手段
と、 試験を行う複数種類の鉄筋の呼び名の断面積に関する断
面積データが予め記憶されたデータ記憶手段と、 実際に試験する鉄筋の呼び名を入力する入力手段と、 該入力手段から入力された鉄筋の呼び名に関する断面積
データが表す断面積で前記引張荷重を割算することによ
り、前記降伏点における引張強さを算出する降伏点引張
強さ演算手段と、 該降伏点引張強さ演算手段によって算出された前記降伏
点における引張強さを出力する試験結果出力手段とを有
することを特徴とする鉄筋接合強度試験装置。 - 【請求項3】 同軸に接合された鉄筋の接合強度を試験
する装置であって、 前記鉄筋の軸方向において接合部の両側をそれぞれ把持
する一対の把持手段と、 前記把持手段を互いに離間する方向へ相対的に移動させ
て前記鉄筋を軸方向へ引張する引張手段と、 該引張手段によって前記鉄筋に加えられる引張荷重を連
続的に検出する荷重検出手段と、 該引張荷重の変化傾向に基づいて、予め設定された判断
基準に従って降伏点か否かを判断する降伏点判断手段
と、 試験を行う複数種類の鉄筋の降伏点の最低引張強さに関
する降伏点データ、および複数種類の呼び名の断面積に
関する断面積データが予め記憶されたデータ記憶手段
と、 実際に試験する鉄筋の種類および呼び名を入力する入力
手段と、 該入力手段から入力された鉄筋の種類および呼び名に関
する降伏点データおよび断面積データを前記データ記憶
手段から読み出し、該降伏点データが表す降伏点の最低
引張強さに対応する規格荷重と前記荷重検出手段によっ
て検出される実際の引張荷重とを比較して異常判断を行
う比較手段とを有することを特徴とする鉄筋接合強度試
験装置。 - 【請求項4】 前記比較手段は、前記荷重検出手段によ
って検出される実際の引張荷重が前記降伏点データが表
す降伏点の最低引張強さに対応する規格荷重より小さい
か否かを判断し、小さい場合は前記降伏点判断手段によ
り降伏点である旨の判断が為されることを阻止するもの
であることを特徴とする請求項3に記載の鉄筋接合強度
試験装置。 - 【請求項5】 前記荷重検出手段によって検出される前
記引張荷重の最大値を逐次更新して記憶する最大値記憶
手段と、 前記荷重検出手段によって検出される前記引張荷重に基
づいて前記鉄筋が破断したことを判断する破断判断手段
と、 該破断判断手段により破断と判断された場合に、前記最
大値記憶手段に記憶されている荷重値を最大引張荷重と
する最大荷重判断手段とを有することを特徴とする請求
項1〜4の何れか1項に記載の鉄筋接合強度試験装置。 - 【請求項6】 試験を行う複数種類の鉄筋の呼び名の断
面積に関する断面積データが予め記憶されたデータ記憶
手段と、 実際に試験する鉄筋の呼び名を入力する入力手段と、 該入力手段から入力された鉄筋の呼び名に関する断面積
データが表す断面積で前記最大引張荷重を割算すること
により最大引張強さを算出する最大引張強さ演算手段
と、 該最大引張強さ演算手段によって算出された前記最大引
張強さを出力する試験結果出力手段とを有することを特
徴とする請求項5に記載の鉄筋接合強度試験装置。
Priority Applications (1)
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