JP3133201B2 - 作動油組成物 - Google Patents

作動油組成物

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JP3133201B2
JP3133201B2 JP29452593A JP29452593A JP3133201B2 JP 3133201 B2 JP3133201 B2 JP 3133201B2 JP 29452593 A JP29452593 A JP 29452593A JP 29452593 A JP29452593 A JP 29452593A JP 3133201 B2 JP3133201 B2 JP 3133201B2
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美津雄 岡田
俊男 吉田
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日石三菱株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は作動油組成物に関し、詳
しくは良好な耐摩耗性を有するとともに優れた熱安定
性、酸化安定性を有する作動油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より潤滑油には良好な耐摩耗性が要
求されており、例えば工業用潤滑油である油圧作動油や
自動車用エンジン油にはジチオリン酸亜鉛などの、また
工業用ギヤ油や自動車用ギヤ油には硫黄−リン系の耐摩
耗性添加剤が用いられてきた。
【0003】近年、機械のメインテナンスにかかる労働
の省力化や天然資源の有効利用が重視され、潤滑油の長
寿命化が強く要求されるようになってきた。潤滑油の長
寿命化をめざすには、工業用潤滑油や自動車用潤滑油を
問わず、潤滑油に対して高い熱安定性、酸化安定性を付
与することが必要である。しかしながら、上述のジチオ
リン酸亜鉛や硫黄−リン系などの耐摩耗性添加剤は潤滑
油の熱安定性、酸化安定性を著しく低下させる傾向があ
り、このような潤滑油に対して熱安定性、酸化安定性の
向上をはかることは非常に困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、良好な耐
摩耗性を有すると同時に優れた熱安定性、酸化安定性を
有する潤滑油の開発が、潤滑油の長寿命化という点から
嘱望されていた。本発明は、良好な耐摩耗性を有すると
同時に優れた熱安定性、酸化安定性を有する作動油組成
物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
克服すべく研究を重ねた結果、トリアリールホスフェー
ト、ならびにベンゾトリアゾール誘導体を必須の成分と
して鉱油系基油に特定量配合することにより、両者の相
乗効果によって、良好な耐摩耗性を有すると同時に優れ
た熱安定性、酸化安定性を有する作動油組成物が得られ
ることを見出し、またこの作動油組成物に対してさらに
ジアリールポリサルファイドを特定量配合することによ
り、優れた熱安定性、酸化安定性を維持したままその耐
摩耗性をいっそう向上できることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0006】本発明の第一の発明は、鉱油系基油に対
し、組成物全量基準で (A)トリアリールホスフェート 0.01〜5.0重量% ならびに (B)下記一般式(1)で表されるベンゾトリアゾール
誘導体0.001〜5.0重量%を配合してなることを
特徴とする作動油組成物を提供するものである。
【0007】
【化3】
【0008】(上記式中、R 5 は水素原子または炭素数
1〜8のアルキル基を示し、R 6 は炭素数1〜6のアル
キレン基を示し、R 7 およびR 8 は同一でも異なってい
てもよく、それぞれ水素原子または炭素原子1〜18の
アルキル基を示し、bは1〜3である数を示す)
【0009】また、本発明の第二の発明は、鉱油系基油
に対し、組成物全量基準で (A)トリアリールホスフェート 0.01〜5.0重量% (B)下記一般式(1)で表されるベンゾトリアゾール
誘導体0.001〜5.0重量ならびに (C)ジアリールポリサルファイド 0.01〜5.0重量% を配合してなることを特徴とする作動油組成物を提供す
るものである。
【0010】
【化4】
【0011】(上記式中、R 5 は水素原子または炭素数
1〜8のアルキル基を示し、R 6 は炭素数1〜6のアル
キレン基を示し、R 7 およびR 8 は同一でも異なってい
てもよく、それぞれ水素原子または炭素原子1〜18の
アルキル基を示し、bは1〜3である数を示す)
【0012】本発明における作動油基油は、特に限定さ
れるものではなく、通常潤滑油の基油として使用されて
いるものであれば鉱油系、合成系を問わず使用できる。
【0013】鉱油系作動油基油としては、例えば、原油
を常圧蒸留および減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、
溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触
脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の精製処理
を適宜組み合わせて精製したパラフィン系、ナフテン系
などの油が使用できる。
【0014】また、合成系作動油基油としては、例え
ば、ポリα−オレフィン(ポリブテン、1−オクテンオ
リゴマー、1−デセンオリゴマーなど)、アルキルベン
ゼン、アルキルナフタレン、ジエステル(ジトリデシル
グルタレート、ジ2−エチルヘキシルアジペート、ジイ
ソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジ2−
エチルヘキシルセバケートなど)、ポリオールエステル
(トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロー
ルプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール2−
エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラルゴ
ネートなど)、ポリオキシアルキレングリコール、ポリ
フェニルエーテル、シリコーン油、パーフルオロアルキ
ルエーテルなどが使用できる。これらの基油は単独で
も、2種以上組み合わせて使用してもよいが本発明にお
いてはゴムシール材との適合性などの点から鉱油系作動
油基油が好ましく用いられる。
【0015】また、本発明において使用する鉱油系基油
の粘度は任意であるが、潤滑性や作動油として用いた場
合の容積効率の点から、通常、40℃における粘度が1
〜100cStのものが好ましく用いられ、10〜68
cStのものがより好ましく用いられる。
【0016】本発明の作動油組成物において必須の添加
剤である(A)成分はトリアリールホスフェートであ
る。ここでいうトリアリールホスフェートとは下記の一
般式()で表される化合物を意味している。
【0017】
【化5】
【0018】上記一般式()中、R1 、R2 およびR
3 は同一でも異なっていてもよく、それぞれフェニル基
やナフチル基などのアリール基、または直鎖状もしくは
分枝状のアルキル基を有する炭素数7〜22のアルキル
アリール基を示している。
【0019】R1 、R2 およびR3 としては、具体的に
は例えば、フェニル基、ナフチル基(全ての異性体を含
む)などのアリール基;トリル基(全ての異性体を含
む)、エチルフェニル基(全ての異性体を含む)、プロ
ピルフェニル基(全ての異性体を含む)、ブチルフェニ
ル基(全ての異性体を含む)、ペンチルフェニル基(全
ての異性体を含む)、ヘキシルフェニル基(全ての異性
体を含む)、ペンチルフェニル基(全ての異性体を含
む)、オクチルフェニル基(全ての異性体を含む)、ノ
ニルフェニル基(全ての異性体を含む)、デシルフェニ
ル基(全ての異性体を含む)、ウンデシルフェニル基
(全ての異性体を含む)、ドデシルフェニル基(全ての
異性体を含む)、トリデシルフェニル基(全ての異性体
を含む)、テトラデシルフェニル基(全ての異性体を含
む)、ペンタデシルフェニル基(全ての異性体を含
む)、ヘキサデシルフェニル基(全ての異性体を含
む)、キシリル基(全ての異性体を含む)、エチルメチ
ルフェニル基(全ての異性体を含む)、ジエチルフェニ
ル基(全ての異性体を含む)、ジプロピルフェニル基
(全ての異性体を含む)、ジブチルフェニル基(全ての
異性体を含む)、メチルナフチル基(全ての異性体を含
む)、エチルナフチル基(全ての異性体を含む)、プロ
ピルナフチル基(全ての異性体を含む)、ブチルナフチ
ル基(全ての異性体を含む)、ジメチルナフチル基(全
ての異性体を含む)、エチルメチルナフチル基(全ての
異性体を含む)、ジエチルナフチル基(全ての異性体を
含む)、ジプロピルナフチル基(全ての異性体を含
む)、ジブチルナフチル基(全ての異性体を含む)など
のアルキルアリール基を挙げることができる。上述した
基の中でも、R1 、R2 およびR3 としては、特にフェ
ニル基やナフチル基などのアリール基またはフェニル基
にアルキル基が結合した炭素数7〜15のアルキルフェ
ニル基が好ましい。
【0020】本発明における(A)トリアリールホスフ
ェートの含有量は、組成物全量基準で0.01〜5.0
重量%、好ましくは0.1〜2.0重量%である。
(A)成分を用いない場合および(A)成分の含有量が
0.01重量%未満の場合には組成物の耐摩耗性が不十
分であり、一方、(A)成分の含有量が5.0重量%を
超える場合には組成物の熱安定性に悪影響を及ぼすた
め、それぞれ好ましくない。
【0021】一方、本発明の作動油組成物において必須
の添加剤である(B)成分はベンゾトリアゾール誘導体
である。ここでいうベンゾトリアゾール誘導体として
は、上記の一般式()で表される、ベンゾトリアゾー
ルやアルキルベンゾトリアゾールの窒素原子に結合して
いる水素原子がモノアルキルアミノアルキル基やジアル
キルアミノアルキル基で置換された、N−アルキルアミ
ノアルキルベンゾトリアゾール、N,N−ジアルキルア
ミノアルキルベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
【0022】記一般式()中、R5 は水素原子また
は炭素数1〜8のアルキル基、好ましくは水素原子また
は炭素数1〜3のアルキル基を示し、R6 は炭素数1〜
6、好ましくは炭素数1〜3のアルキレン基を示し、R
7 およびR8 は同一でも異なっていてもよく、それぞれ
水素原子または炭素原子1〜18のアルキル基、好まし
くは炭素数1〜12のアルキル基を示し、bは1〜3、
好ましくは1である数を示している。
【0023】R5 としては、具体的には例えば、水素原
子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、ブチル基(全ての異性体を含む)、ペンチル基
(全ての異性体を含む)、ヘキシル基(全ての異性体を
含む)、ヘプチル基(全ての異性体を含む)、オクチル
基(全ての異性体を含む)などが挙げられ、特に水素原
子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基が好ましい。
【0024】またR6 しては、具体的には例えば、メチ
レン基、エチレン基(全ての異性体を含む)、プロピレ
ン基(全ての異性体を含む)、ブチレン基(全ての異性
体を含む)、ペンチレン基(全ての異性体を含む)、ヘ
キシレン基(全ての異性体を含む)などが挙げられ、特
にメチレン基、エチレン基(全ての異性体を含む)、プ
ロピレン基(全ての異性体を含む)が好ましい。
【0025】またR7 およびR8 としては、具体的には
例えば、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基(全ての異性体を含
む)、ペンチル基(全ての異性体を含む)、ヘキシル基
(全ての異性体を含む)、ヘプチル基(全ての異性体を
含む)、オクチル基(全ての異性体を含む)、ノニル基
(全ての異性体を含む)、デシル基(全ての異性体を含
む)、ウンデシル基(全ての異性体を含む)、ドデシル
基(全ての異性体を含む)、トリデシル基(全ての異性
体を含む)、テトラデシル基(全ての異性体を含む)、
ペンタデシル基(全ての異性体を含む)、ヘキサデシル
基(全ての異性体を含む)、ヘプタデシル基(全ての異
性体を含む)、オクタデシル基(全ての異性体を含む)
などが挙げられ、特に メチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、イソプロピル基、ブチル基(全ての異性体を含
む)、ペンチル基(全ての異性体を含む)、ヘキシル基
(全ての異性体を含む)、ヘプチル基(全ての異性体を
含む)、オクチル基(全ての異性体を含む)、ノニル基
(全ての異性体を含む)、デシル基(全ての異性体を含
む)、ウンデシル基(全ての異性体を含む)、ドデシル
基(全ての異性体を含む)が好ましい。
【0026】本発明においては上述したベンゾトリアゾ
ル誘導体の中でも、特に酸化安定性、腐食防止性およ
び摩耗防止性に優れる点から、N,N−ジオクチルアミ
ノメチル(メチルベンゾトリアゾール)が好ましく用い
られる。
【0027】本発明における(B)ベンゾトリアゾー
導体の含有量は、組成物全量基準で、0.001〜
5.0重量%、好ましくは0.01〜2.0重量%であ
る。(B)成分を用いない場合および(B)成分の含有
量が0.001重量%未満の場合には組成物の耐摩耗性
が不十分であり、一方、含有量が5.0重量%を超える
場合には、組成物の熱安定性に悪影響を及ぼすため、そ
れぞれ好ましくない。
【0028】本発明においては上述のように、鉱油系基
油に対して(A)成分のトリアリールホスフェートおよ
び(B)成分のベンゾトリアゾール誘導体を特定量配合
するだけで、良好な耐摩耗性を有すると同時に優れた熱
安定性、酸化安定性を有する作動油組成物を得ることが
できるが、さらにこの作動油組成物に対して、(C)ジ
アリールポリサルファイドを特定量配合することによ
り、優れた熱安定性、酸化安定性を維持したままその耐
摩耗性をいっそう向上することが可能である。
【0029】ここでいうジアリールポリサルファイドと
は、以下の一般式()で表される含硫黄化合物を意味
している。
【0030】
【化6】R9 −SC −R10 一般式(
【0031】上記一般式()中、R9 およびR10は同
一でも異なっていてもよく、それぞれフェニル基やナフ
チル基などのアリール基;直鎖状もしくは分枝状のアル
キル基を有する炭素数7〜22のアルキルアリール基ま
たはアリールアルキル基を示し、一方、cは2〜6、好
ましくは2〜5の数を示している。
【0032】R9 およびR10としては、具体的には例え
ばフェニル基、ナフチル基(全ての異性体を含む)など
のアリール基;トリル基(全ての異性体を含む)、エチ
ルフェニル基(全ての異性体を含む)、プロピルフェニ
ル基(全ての異性体を含む)、ブチルフェニル基(全て
の異性体を含む)、ペンチルフェニル基(全ての異性体
を含む)、ヘキシルフェニル基(全ての異性体を含
む)、ヘプチルフェニル基(全ての異性体を含む)、オ
クチルフェニル基(全ての異性体を含む)、ノニルフェ
ニル基(全ての異性体を含む)、デシルフェニル基(全
ての異性体を含む)、ウンデシルフェニル基(全ての異
性体を含む)、ドデシルフェニル基(全ての異性体を含
む)、トリデシルフェニル基(全ての異性体を含む)、
テトラデシルフェニル基(全ての異性体を含む)、ペン
タデシルフェニル基(全ての異性体を含む)、ヘキサデ
シルフェニル基(全ての異性体を含む)、キリシル基
(全ての異性体を含む)、エチルメチルフェニル基(全
ての異性体を含む)、ジエチルフェニル基(全ての異性
体を含む)、ジプロピルフェニル基(全ての異性体を含
む)、ジブチルフェニル基(全ての異性体を含む)、メ
チルナフチル基(全ての異性体を含む)、エチルナフチ
ル基(全ての異性体を含む)、プロピルナフチル基(全
ての異性体を含む)、ブチルナフチル基(全ての異性体
を含む)、ジメチルナフチル基(全ての異性体を含
む)、エチルメチルナフチル基(全ての異性体を含
む)、ジエチルナフチル基(全ての異性体を含む)、ジ
プロピルナフチル基(全ての異性体を含む)、ジブチル
ナフチル基(全ての異性体を含む)などのアルキルアリ
ール基;およびベンジル基、フェニルエチル基(全ての
異性体を含む)、フェニルプロピル基(全ての異性体を
含む)などのアリールアルキル基を挙げることができ
る。
【0033】上述した基の中でも、R9 およびR10とし
ては、特にフェニル基、フェニル基にアルキル基が結合
した炭素数7〜22のアルキルフェニル基、またはベン
ジル基やフェニルエチル基が好ましい。
【0034】本発明において(C)ジアリールポリサル
ファイドを併用する場合の(C)成分の含有量は、組成
物全量基準で、0.01〜5.0重量%、好ましくは
0.1〜2.0重量%である。(C)成分の含有量が
0.01重量%未満の場合には(C)成分の配合による
耐摩耗性向上が不十分であり、一方、含有量が5.0重
量%を超える場合には、組成物の熱安定性に悪影響を及
ぼすため、好ましくない。
【0035】本発明は、上述したとおり、鉱油系基油に
(A)および(B)の2成分、または(A)、(B)お
よび(C)の3成分を特定量配合することにより、良好
な耐摩耗性を有すると同時に優れた熱安定性、酸化安定
性を有する潤滑油を得ることができるが、その各種性能
をさらに高める目的で公知の潤滑油添加剤を単独で、ま
たは数種類組み合わせた形で使用することができる。
【0036】これらの添加剤としては例えば、フエノー
ル系、アミン系、硫黄系、ジチオリン酸亜鉛系、フェノ
チアジン系などの酸化防止剤;脂肪酸、脂肪族アミン、
アルケニルコハク酸エステル、多価アルコールエステ
ル、石油スルフォネート、ジノニルナフタレンスルフォ
ネートなどの錆止め剤;チアジアゾールなどの腐食防止
剤;アルカリ土類金属スルフォネート、アルカリ土類金
属フェネート、アルカリ土類金属サリチレート、アルカ
リ土類金属ホスフォネートなどの金属系清浄剤;アルケ
ニルコハク酸イミド、ベンジルアミン、ポリアルケニル
アミン、アミノアミドなどの無灰分散剤;メチルシリコ
ーン、フルオロシリコーンなどの消泡剤などが挙げられ
る。
【0037】これらの添加剤の添加量は任意であるが、
通常、消泡剤の含有量は0.0005〜1重量%、腐食
防止剤の含有量は0.005〜1重量%、その他の添加
剤の含有量は、それぞれ0.1〜15重量%(いずれも
組成物全量基準)である。
【0038】また本発明の作動油組成物に対して、さら
に(A)成分以外のリン系摩耗防止剤や(B)成分以外
の硫黄系摩耗防止剤を添加することもできるが、組成物
の熱・酸化安定性を低下させる危険性が高い。したがっ
て、これらの摩耗防止剤を用いる場合でも、その使用量
は極少量に制限すべきである。
【0039】本発明の作動油組成物は、耐摩耗性を要求
される種々の潤滑油として使用可能であり、具体的には
例えば、作動油、ギヤ油、工作機械油、極圧タービン油
などをはじめとして、その他一般の潤滑油として好まし
く用いられるものであるが、特に工業用油圧作動油、自
動車用作動油、建設機械用作動油などの作動油として好
適に用いられる。
【0040】
【実施例】以下、本発明の内容を実施例および比較例に
よりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの内容
に何ら限定されるものではない。 (実施例1〜) 表1に示す組成により、本発明に係る作動油組成物を調
製した。これらの組成物に対しては以下に示す性能評価
試験を行い、その結果も表1に示した。
【0041】
【表1】
【0042】(比較例1〜3) 比較のため、表2に示す組成により、(B)成分を用い
ない場合について作動油組成物を調製し、同様の性能試
験を行い、その結果も表2に併記した。
【0043】(比較例) 表2に示す組成により、(A)成分を用いない場合につ
いても作動油組成物を調製し、同様の性能試験を行い、
その結果も表2に併記した。
【0044】(比較例) 表2に示す組成により、(A)成分および(B)成分を
用いず、(C)成分のみを用いた場合についても作動油
組成物を調製し、同様の性能試験を行い、その結果も表
2に併記した。
【0045】(比較例6〜8) 表2に示す組成により、(A)成分、(B)成分の代わ
りに他の摩耗防止剤を用いた場合についても作動油組成
物を調製し、同様の性能試験を行い、その結果も表2に
併記した。
【0046】
【表2】
【0047】[ベーンポンプ試験] ASTM D2882 「Standard Test Method for Indicating th
e Wear Characteristicsof Petroleum and Non-Petrole
um Hydraulic Liquids in a Constant Volume Vane Pum
p」に準拠し、試験後のベーンポンプのベーンとリングの
摩耗量を測定した。
【0048】[熱安定性試験] JIS K 2540 に規定する「潤滑油熱安定度試験方法」に
準じ、容量100mlのビーカーに試料油を100ml
採取し、140℃の空気恒温槽で一定期間(5日、10
日、20日)熱安定性試験を行い、試験後の試料油中の
スラッジ量を測定した。
【0049】なお、実施例および比較例で用いた成分は
以下のとおりである。 作動油基油 A:パラフィン系高度溶剤精製鉱油(動粘度46.1m
2 /s(@40℃)
【0050】(A)成分 A:トリクレジルホスフェート B:トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート
【0051】(B)成 B:N,N−ジオクチルアミノメチル(メチルベンゾト
リアゾール)
【0052】(C)成分 A:ジベンジルジスルフィド
【0053】その他の摩耗防止剤 A:ジイソブチルジチオリン酸亜鉛 B:ジ(2−エチルヘキシル)ジチオリン酸亜鉛 C:ジオレイルアシッドホスフェート
【0054】錆止め剤 A:アルケニルコハク酸エステル B:中性Baジノニルナフタレンスルフォネート
【0055】酸化防止剤 A:ジオクチルジフェニルアミン
【0056】実施例の結果から明らかなとおり、本発明
に係る作動油組成物(実施例1〜)は極めて良好な耐
摩耗性と熱・酸化安定性を兼ね備えるという、優れた性
能を有している。しかも実施例1、2および3の結果か
ら明らかなとおり、本発明に係る作動油組成物は、たと
え錆止め剤存在下においても、優れた耐摩耗性を維持し
ている。また実施例1と実施例3の結果の比較から、本
発明において(A)および(B)成分に対してさらに
(C)成分を併用することにより、その優れた耐熱性を
維持したままさらにその耐摩耗性を向上させることが可
能であることがわかる。それに対して(B)成分を用い
ない比較例1の組成物は、耐摩耗性が本発明と比較して
劣るものである。しかも比較例1と比較例2の結果の比
較や比較例3の結果から明らかなとおり、(B)成分を
用いない組成物の耐摩耗性は錆止め剤存在下で大きく低
下することがわかる。また(A)成分を用いない比較例
4の組成物、ならびに(A)、(B)成分のかわりに
(C)成分のみを用いた比較例の組成物は、いずれも
耐摩耗性が本発明より大きく劣っている。一方、本発明
の(A)、(B)成分のかわりに他の公知の摩耗防止剤
を用いた比較例6〜8の組成物は、ある程度の耐摩耗性
は示すものの、熱・酸化安定性が本発明より大きく劣っ
ている。
【0057】
【発明の効果】本発明の作動油組成物は、(A)トリア
リールホスフェート、ならびに(B)ベンゾトリアゾー
ル誘導体を必須の成分として鉱油系基油に特定量配合す
ることにより、両者の相乗効果によって、良好な耐摩耗
性を有すると同時に優れた熱安定性、酸化安定性を有す
る。またこの作動油組成物に対してさらに(C)ジアリ
ールポリサルファイドを特定量配合することにより、優
れた熱安定性、酸化安定性を維持したままその耐摩耗性
をいっそう向上できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C10M 137:04 133:44 135:28) C10N 30:06 30:08 30:10 40:08 (56)参考文献 特開 平4−68082(JP,A) 特開 平3−172393(JP,A) 特開 昭62−138591(JP,A) 特開 昭59−189195(JP,A) 特開 平3−231994(JP,A) 特開 昭52−39585(JP,A) 特開 昭51−28102(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10M 137/04 - 137/10 C10M 133/44 C10M 135/28 C10N 40:08 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉱油系基油に対し、組成物全量基準で (A)トリアリールホスフェート 0.01〜5.0重量% ならびに (B)下記一般式(1)で表されるベンゾトリアゾール
    誘導体0.001〜5.0重量%を配合してなることを
    特徴とする作動油組成物。 【化1】 (上記式中、R 5 は水素原子または炭素数1〜8のアル
    キル基を示し、R 6 は炭素数1〜6のアルキレン基を示
    し、R 7 およびR 8 は同一でも異なっていてもよく、そ
    れぞれ水素原子または炭素原子1〜18のアルキル基を
    示し、bは1〜3である数を示す)
  2. 【請求項2】 鉱油系基油に対し、組成物全量基準で (A)トリアリールホスフェート 0.01〜5.0重量% (B)下記一般式(1)で表されるベンゾトリアゾール
    誘導体0.001〜5.0重量%ならびに (C)ジアリールポリサルファイド 0.01〜5.0重量% を配合してなることを特徴とする作動油組成物。 【化2】 (上記式中、R 5 は水素原子または炭素数1〜8のアル
    キル基を示し、R 6 は炭素数1〜6のアルキレン基を示
    し、R 7 およびR 8 は同一でも異なっていてもよく、そ
    れぞれ水素原子または炭素原子1〜18のアルキル基を
    示し、bは1〜3である数を示す)
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