JP3132905U - エアガンの標的箱 - Google Patents

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【課題】 エアガンからの発射弾丸の運動エネルギを可撓性面状部材の自由運動によって安全に消尽させることができるエアガンの標的箱を提供する。
【解決手段】 前面を標的面51とし、左右の側面52,52背面54と排出口53Hを設けた底面53とによって箱体50を形成し、標的面51の裏面に沿って可撓性面状部材56を自由下垂させる。この際、標的面51は、エアガンから発射された樹脂製の球形弾丸を貫通させる素材からなり、可撓性面状部材56は、球形弾丸の貫通を阻止する空気抵抗の大きい素材からなる。また、箱体50の底面53は、排出口53Hに向かって下り傾斜の斜面Sとする。エアガンからの発射弾の運動エネルギは、標的面51を貫通して箱体50の内部において可撓性面状部材56に衝突し、可撓性面状部材の運動エネルギに変換されて落下し、排出口53Hから自動的に排出される。
【選択図】 図1

Description

本考案は、樹脂製の球形弾丸を使用するエアガンの発射弾の運動エネルギを箱体の内部で消尽させて、安全かつ簡単に発射段を回収することができるようにしたエアガンの標的箱に関する。
実弾を使用しないという点を除いて、構造、質感、操作感の点において、実物に酷似した状態で提供されているエアガンは、男性的な闘争心を所有欲の満足感に置き換えて代替的に充足させる社会的意義を有すると見ることができる。このような心理的機能を背景としてエアガンは、多数の根強い愛好家層を有する。なお、エアガンの多くは、通信販売手段を介して提供されている。
エアガンには、通常、「BB弾」と称する樹脂製の球形弾丸が使用される。この球形弾丸には、直径6mm規格と8mm規格のものがあり、発射弾の破壊力は、業界の自主規制によって凶器としての使用には適さない一定限度に抑えられている。そして、発射弾の破壊力が制限されていることによって、エアガンから発射された球形弾丸自体もダメージを受けることなく、回収することによって再使用することが可能である。
発射弾の破壊力は、球形弾丸の質量と発射初速度によって決定するものであるが、エアガンにおける発射弾の破壊力の規制は、専ら、球形弾丸の質量を軽量化する方法に依存している。したがって、エアガンから発射される球形弾丸の初速度および到達距離は、決して小さなものではない。
そこで、発射弾を再利用しようとする射撃手は、通常、発射弾を見失うことのないように、障害物の手前に適当な標的を設置して射撃ゲームを楽しむ。標的を貫通した発射弾または標的からそれた発射弾を障害物に衝突させて停止させるためである。しかし、上述のように発射弾の初速度は、毎秒60メートルから80メートルという高速度であることにより、また、樹脂製の球形弾丸は、金属弾丸と異なって跳ね返り易く、落下した後も転動し易いという特性を有することに起因して、選定した障害物の性質によっては、発射弾が高速度で予期しない方向に跳ね返り、発射弾の回収が困難となるばかりでなく、同行者および射撃手自身の危険も伴なうという問題があった。
この問題に対処しようとする先賢のアイデアとして、例えば、次のような提案がなされている。
実開平2−140197号公報 特開平5−317518号公報 特開平6−221798号公報
特許文献1に示す弾丸の反発防止具は、自立可能な骨組み構造のフレームの上部に側方に向けてブラケットを突設し、ブラケットに弾丸を収容する箱体を下垂させる状態で取り付けたものである。箱体の前面の上半分は開放されており、開放された前面の後方には、適当なたるみを付与した斜面が設定されている。斜面の材料は布のようである。標的を貫通または標的からそれた弾丸を斜面に衝突させてエネルギを奪うとともに、弾丸の反射方向を斜面によって箱体の底方向に誘導しようとする考え方である。弾丸が衝突する斜面を柔軟な材料によって形成使用とする場合においては、斜面に一定の張力を加えて少なくともその四隅を箱体に固定しなければ斜め姿勢を維持することができない。この斜面に意図的に付与されたたるみは、斜面の中央部分に弾丸が衝突した場合においては、所期のエネルギ吸収効果を奏するが、斜面の四隅分部については、斜面は殆ど運動することができないため、弾丸のエネルギ吸収効果は希薄である。また、骨組み構造のフレーム等を備える点から商品として扱う場合に必要となる梱包外形が極めて大きいという問題がある。
特許文献2に示すものは、壁面等の存在を前提条件とし、壁面等の前面に、上下一対の巻き取りロールにそれぞれ上下端側を巻き付けた軟質塩化ビニル等のシートを張設し、張設したシートと壁面等との間に複数個の標的を設置する。シートには、複数の透孔が形成されている。シートを上下動させてシートの透孔と標的を一致させ、一致した位置の標的を射撃する。大きく的がそれて透孔を通過し得なかった発射弾は、シートに衝突して下方に落下する。一方、透孔を通過しても標的に命中しなかった発射弾は、壁面等に反射してシートの裏面に衝突し、下方に落下する。さらに、透孔を通過して標的に命中した発射弾は、標的によって受け止められる。したがって、安全であるという内容である。本提案は、一般家庭に設置することが技術的に不可能というものではないが、相当に大掛かりなものであり、かつ、入手コストおよび設置コストの負担も大きい。したがって、ゲーム場等に設置して利用する限りにおいては、適切な技術であるということができる。しかし、エアガン愛好家の多くの要求である、一般家庭レベルまたはフィールドに携帯しての自由な使用要求に応じられるものではない。
特許文献3に的装置は、室内使用を前提としインテリア性に格別の配慮をしたものである。全体外形としては、やや厚みを伴う額縁の感がある。インテリア性を満足させるための金属製またはアクリル製の枠体や、薄型とするために逃げ動作を伴わないで緩衝性を発揮させる合成ゴム製の受け部材等の高価な材料が使用されている。そして、このことによって、エアガン自体の価格との均衡を失っているということができる。
本考案は、壁面等の存在に依存することなく、安全かつ自動的ともいえる便利さで発射段を回収することができるようにしたエアガンの標的箱を提供することを前提とし、特に、エアガン自体の通信販売形態に適応することができる折り畳んだ状態での提供を可能とするとともに、弾丸の衝突エネルギを素材の内部損失に依存せずに吸収するように工夫することによって極めて簡単で低価格の素材によって弾丸のエネルギを減殺することを目的とする。
この目的を達成するための手段として、本考案は、次のような構成を採用する。
本考案の請求項1に記載のエアガンの標的箱は、射撃手に対面する前面に正鵠図案を描いた標的面を備えるとともに、標的面と少なくとも標的面の左右の側面と標的面の背後の背面と排出口を設けた底面とによって箱体を形成し、箱体の内部に標的面の上端縁に上端縁を貼着して標的面の裏面に沿って自由下垂させる可撓性面状部材を備え、この際の箱体は、1用紙から折り畳み可能に形成され、また、標的面は、エアガンから発射された樹脂製の球形弾丸を標的面を貫通させる素材からなり、一方、可撓性面状部材は、エアガンから発射された樹脂製の球形弾丸の貫通を自由運動を伴いながら阻止することを特徴とする。
上記構成を有するエアガンの標的箱において、箱体の前面を形成する標的面の素材には、エアガンから発射された樹脂製の球形弾丸を貫通させる素材が使用されていることから、標的面に命中した球形弾丸は、標的面を貫通して運動エネルギを減衰させながら箱体の内部に進入する。標的面の裏面側には、可撓性面状部材が自由下垂の状態で配置され、したがって、可撓性面状部材は、自由に変形動作と後退動作とをすることができる。箱体の内部に進入した球形弾丸は、この可撓性面状部材に衝突し、可撓性面状部材を変形させながら後退させるように駆動することによって運動エネルギを失う。運動エネルギを失った球形弾丸は、必然的に箱体の底面に落下する。そしてこの際に、球形弾丸が飛び跳ねるようなことがあっても、底面の周囲は、左右の側面と背面とによって取り囲まれているため、最終的に球形弾丸は、箱体内に収容される。なお、箱体は、1用紙から折り畳み可能に形成され、コンパクトな携帯容量および販売荷姿を実現することができる。
本考案の請求項2に記載のエアガンの標的箱は、請求項1に記載の標的箱において、箱体を構成している標的面が、箱体に対して交換可能に取り付けられていることを特徴とする。
上記構成を有するエアガンの標的箱において、標的箱を複数回使用すると標的面には、球形弾丸が貫通した痕跡である多数の弾痕が形成される。弾痕が一定限度以上に達すると、標的面に正鵠図案が描かれている場合においても、標的面のいずれの位置に球形弾丸が命中したのかを判断することが困難となる。ここで、標的面が、箱体に対して交換可能に取り付けられていることにより、唯一の消耗部分である標的面のみの交換によって標的箱の初期性能を維持することができる。
本考案の請求項3に記載のエアガンの標的箱は、請求項1または請求項2に記載のエアガンの標的箱において、箱体の標的面における正鵠図案が標的面から独立した図案用紙に描かれて標的面に交換可能に取り付けられていることを特徴とする。
上記構成においては、正鵠図案が図案用紙を介して標的面に描かれている。そして図案用紙は、交換可能に標的面に取り付けられていることから、図案用紙の交換という最も簡単な手段で標的箱を初期性能に復帰させることができる。したがって、本構成を標的面自体を交換可能とした構成の標的箱についても重ねて適用する意義がある。
本考案のエアガンの標的箱は、独立の箱体としての自由な可搬性と設置の容易性を有するとともに、箱体が折り畳み可能であるため、携帯および通信販売に大きな有利性を発揮することができる。標的箱の使用に際しては、エアガンから発射された球形弾丸を意図的に標的面を貫通させて箱体の内部に取り込み、箱体の内部に取り込んだ球形弾丸を標的面の背後に自由下垂状態で配置する可撓性面状部材に衝突させ、可撓性面状部材の自由変形動作によって球形弾丸の運動エネルギを消尽させることができるので、可撓性面状部材としては、可撓性であること以外に特別の物理的性能を要求されることがなく、全体コストを低廉に抑えることができる。また、可撓性面状部材は、衝突する弾丸の衝突態様に応じて自由運動をするので、衝突する弾丸の方向や速度に拘らす、確実に弾丸の運動エネルギを奪って箱体内に落下させることができる。
以下、図面を引用しながら本考案に係るエアガンの標的箱(以下単に「標的箱」という。)の実施の形態を説明する。
標的箱50Aは、射撃手に対面する前面を標的面51とした箱体50と、箱体50の内部に取り付けられる可撓性面状部材56とからなる(図1,図2)。
標的箱50Aの箱体50に要求される条件として重要なことは、その標的面51が通常の射撃ゲームにおいて設定される射撃距離から発射される発射弾である樹脂製の球形弾丸を適度の貫通抵抗を伴ないながら貫通させる材質であることである。また、箱体50を構成する他の面については、箱体50としての立体形状を維持することができる面材料であれば足りる。
本実施の形態における標的箱50Aは、上記条件を低コストで充足する段ボール紙によって構成されている。箱体50を構成する上での特徴としては、連続する1枚の段ボール紙を曲げ加工して包装用段ボール箱を製造する製函プロセスによって構成され、したがって、簡単に折り畳むことができるとともに、使い捨て使用に適する低コストと量産性の両立が図られている点である。
具体的に、標的箱50Aは、標的面51と、その左右の側面52,52と、標的面51の背後に位置する背面54と、2分割された底面53と、蓋面55とから、奥行きの浅い角型の箱体50として形成されている。標的面51には、射撃成績を判定するための正鵠図案57が描かれている。
方向体50の一方の側面52と底面53と蓋面55とには、それぞれ、剥離紙付きの両面粘着テープまたは面ファスナを付与した貼り付けフラップ52F,53F,55Fが設けられている。2分割された底面53,53の中間位置には、排出口53Hが形成され、2分割された底面53,53は、排出口53Hに向かって下り傾斜となる斜面S,Sとされている。また、標的箱50Aの背面54は、上方に延長され、この部分に掛止用の透孔54Hが設けられている。
可撓性面状部材56は、樹脂を含浸させた布地材料からなり、非通気性と大きな屈曲特性を有する。この可撓性面状部材56は、通常の射撃距離から直接にエアガンの発射弾を受けた場合においても破断しない程度に強度設定されている。可撓性面状部材56は、標的面51の裏面側において、その上端縁56Eを標的面51上端縁に一致させるようにして貼着されて自由下垂している。すなわち、可撓性面状部材56の下端縁56Dは、無拘束状態である。
標的箱50Aは、奥行きを解消するように押し潰した態様で提供することが予定されており、購入者は、底面53の貼り付けフラップ53Fと蓋面55の貼り付けフラップ55Fとを両面粘着テープまたは着脱自在の面ファスナを利用して背面54に貼り付ける簡単な作業によって標的箱50Aを使用可能に組み立てることができる。
この標的箱50Aの側面52の一部を削除して標的面51に命中した球形弾丸BBの挙動を観察した結果は次のようである(図3)。
エアガンから発射された球形弾丸BBは、標的面51に衝突し、鋭い打撃音を響かせて標的面51を貫通し、射撃手は、直ちに発射弾が標的面51に命中した手応えを感じることができる。標的面51を貫通した球形弾丸BBは、次いで可撓性面状部材56に衝突し、可撓性面状部材56は、一点を棒先で突かれたような態様で後退し、可撓性面状部材56の下半部は、大きく波打つ。また、この瞬間、可撓性面状部材56の下端縁56Dは、上方に跳ね上がるように挙動する。
この間、球形弾丸BBの運動エネルギは、標的面51の貫通抵抗として、可撓性面状部材56の変形抵抗として、及び自由運動する可撓性面状部材56が受ける空気抵抗として消尽される。次いで、球形弾丸BBは、もとの下垂姿勢に復帰しようとする可撓性面状部材56に押し返されるようにして底面53上に落下し、斜面Sにしたがって排出口53Hに集まる。
上記可撓性面状部材56の挙動は、予定された理想的な挙動であり、可撓性面状部材56の質量設定が適切であることを物語っている。つまり、可撓性面状部材56の静止慣性質量が過大である場合には、可撓性面状部材56が十分に後退動作せず、球形弾丸BBの運動エネルギを空気の駆動抵抗として穏やかに分散させることができない。逆に、可撓性面状部材56の静止慣性が過小である場合には、可撓性面状部材56の後退量が過大となって箱体50の背面54に衝突してしまうこととなる。
次いで、標的箱の他の実施の形態を説明する。
標的箱50Bは、交換可能な標的面51を備えるものとすることができる(図4)。標的箱50Bの前面は、大きな開口部50Hを有する枠形面58として形成され、枠形面58の四隅位置には、スリット5H…が明けられている。一方、標的面51は、四隅位置に差込み片51T…を有し、前面に正鵠図案57を描いた単板状に形成されている。この標的面51は、各差込み片51Tを対応するスリット5Hに差し込み、枠形面58に四周部分を重ね合わせるようにして取り付け、標的箱50Bの箱体50を形成することができる。射撃した弾痕B1…が多数となって判別不能となった場合に、標的面51のみを交換することができるので便宜である。
標的面51における正鵠図案57は、標的面51とは別の図案用紙59に描いて、これを交換可能に標的面51に取り付けたものとすることができる(図5)。図案用紙59は、裏面の数箇所に両面粘着テープ5P,5P等を準備しておくことによって簡単に取り付けることができる。新たな図案用紙59によって標的面51に残った弾痕B1…を覆い、新たな正鵠図案57を描くことができるので、標的面51を交換するのと同等の効果をより手軽に享受することができる。
以上の実施の形態においては、角型の箱体50からなる標的箱50A,50B,50Cのみを例示しているが、標的箱の外形が角型に限られるとする趣旨ではない。市販に興されている五角形や六角形や円形の箱体と同等の箱構造の殆どのものが、本考案の標的箱用の箱体として採用することができる。また、各実施の形態においては、箱体50の底面53を排出口53Hに向かって下りの斜面Sとして形成した例のみを示しているが、排出口53Hおよび斜面Sの設定は、必ずしも必要な要素ではない。箱体50内に収容された球形弾丸BBは、箱体50の蓋面55を開いて取り出すこともできるからである。
エアガンの標的箱の実施の形態を示す斜視図である。 エアガンの標的箱の実施の形態を示す縦断面図である。 エアガンの標的箱の実施の形態における動作説明図ある。 エアガンの標的箱の他の実施の形態を示す斜視図である。 エアガンの標的箱の他の実施の形態を示す斜視図である。
符号の説明
BB 球形弾丸
S 斜面
50A 標的箱
50B 標的箱
50C 標的箱
50 箱体
51 標的面
52 側面
53 底面
53H 排出口
54 背面
56 可撓性面状部材
57 正鵠図案
59 図案用紙

Claims (3)

  1. 射撃手に対面する前面に正鵠図案を描いた標的面を備えるとともに、標的面と少なくとも標的面の左右の側面と標的面の背後の背面と底面とによって箱体を形成し、箱体の内部に標的面の上端縁に上端縁を貼着して標的面の裏面に沿って自由下垂させる可撓性面状部材を備え、
    前記箱体は、1用紙から折り畳み可能に形成され、前記標的面は、エアガンから発射された樹脂製の球形弾丸を標的面を貫通させる素材からなり、前記可撓性面状部材は、エアガンから発射された樹脂製の球形弾丸の貫通を自由運動を伴いながら阻止することを特徴とするエアガンの標的箱。
  2. 前記箱体を構成している標的面が、箱体に対して交換可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のエアガンの標的箱。
  3. 前記標的面における正鵠図案が標的面から独立した図案用紙に描かれて標的面に交換可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエアガンの標的箱。













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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101537155B1 (ko) * 2013-07-03 2015-07-16 정윤아 모형총기의 타겟장치
KR101537156B1 (ko) * 2013-07-03 2015-07-16 정윤아 모형총기의 타겟장치
KR20210099354A (ko) * 2020-02-04 2021-08-12 황정민 드론을 이용한 사격 연습 시스템

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