JP3131686U - 着物用ハンガー - Google Patents

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良己 三好
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株式会社ニーブセンス
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Abstract

【課題】 着物を洋服のように場所をとらずに掛けることができる着物用ハンガーを低コストで実現する。
【解決手段】 フック部分7(9)とフック部分から垂下されて水平方向に延設される一端が開放された一対の着物掛け腕部からなり、上記腕部はU字状に屈曲された内周側腕部12、14と同じくU字状に屈曲された外周側腕部2、4が屈曲部3、13において同心となるように内周、外周に振り分けて平行に配されると共に、それぞれの全長が着物の見頃の中心から左右の袖端に至る裄の長さの2分の1より長くなるように設定する。
【選択図】 図1

Description

この考案は着物を掛けるためのハンガーに関する。
着物の収納にあたっては、洋服のようにハンガーに掛けて収納するという発想は古来存せず、折り畳んで箪笥や引き出し内に置くという収納法が一般的であった。
しかしながら、日常的に着物を着用している者ならともかくも、洋服の生活に慣れている現代人にとってこの折り畳み作業は面倒且つ難しく、着物が敬遠される原因になりかねなかった。
これに関して、洋服のように着物を掛けて収容する作用を有する着物用のハンガーに関する考案が提案されている。特許文献1には、水平方向に延びた棒状の腕部に、両袖を広げた状態の着物を掛けて収容する形式のハンガーが開示されている。
特許文献2には、平行に四本延びた腕部のそれぞれに、見頃の中心から後方に二つ折りした後、両袖部を前方に折り返すことによりW字状に折った着物を、それぞれの袖口及び襟口から挿通することにより掛ける形式のハンガーが開示されている。
特許文献3には、平行に二本延びた腕部のそれぞれに、見頃の中心から後方に二つ折りした着物を、それぞれの襟口から挿通した後、それぞれの腕部を二つに折り畳む形式のハンガーが開示されている。
特開2006−110141号公報 実願昭63−14027号(実開平1−117268)のマイクロフィルム 特開平07−39455号公報
しかしながら、引用文献1に開示されているハンガーの場合は、肩部のみ腕部に掛けて袖部は垂れ下がる洋服用の場合と異なり、左右の裄に相当する長さの腕部がそのまま水平方向に延びるので、ハンガーの横幅が極めて長くなり収納スペースを要するという問題があった。
一方、着物が裄方向に折り畳まれて掛けられる特許文献2に記載のハンガーの場合は横幅は短く納まるものの、裄方向にW字状に折った着物を、それぞれの袖口及び襟口を四本の腕部に同時に挿通する作業が難しいという問題があった。
また、特許文献3に記載のハンガーの場合は平行に二本延びた腕部の長さは、当初は裄分の長さがあるので、この比較的長い二本の腕部に着物をそれぞれの襟口から同時に挿通する作業の際の取り回しが悪いという問題があった。また、腕部に着物を掛けた状態で腕部を着物ごと折り畳むので、着物の生地が厚い場合は折り畳みにくく、着物を傷めかねなかった。
この考案は以上の従来技術の問題点を解消した着物用ハンガーを提供することを目的として創作されたものであり、フック部分とフック部分から垂下されて水平方向に延設される一端が開放された一対の着物掛け腕部からなり、上記腕部はU字状に屈曲された内周側腕部と同じくU字状に屈曲された外周側腕部が屈曲部において同心となるように内周、外周に振り分けて平行に配されると共に、それぞれの全長が着物の見頃の中心から左右の袖端に至る裄の長さの2 分の1 より長くなるように設定されたことを特徴とする。
また、ここでは第2考案として以上のハンガーにおいて、外周側腕部端からフック部を経由して内周側腕部に至るハンガーの全体を、一本の棒体を折り曲げることにより構成したハンガーも開示する。
以上の構成よりなるこの考案の着物用ハンガーによれば、U字状に屈曲された内周側腕部と同じくU字状に屈曲された外周側腕部が、屈曲部において同心となるように内周、外周に振り分けて水平方向に配されているので、見頃の中心から後方に二つ折りした着物(図2参照)の襟口の左右を上記の外周側腕部端及び内周側腕部端に振り分けて挿通し(図参3照)、徐々に奥に向かってたぐり寄せることにより、襟から左袖口箇所が外周側腕部に、襟から右袖口箇所が内周側腕部にかけてそれぞれ外挿されると共に、それぞれの腕部のU字状箇所においてUターンして袖が見頃に折り返されてハンガーに掛けられることになる(図7参照)。
よって、着物を掛けるための腕部の長さは裄の長さ分必要なく、その半分の長さで済むので、ハンガーの横幅は既存の洋服用のハンガーと大差ないものとなり、収容場所の選択肢が広がった使い勝手のよいハンガーが実現される。
また、着物は最終的には袖が見頃に折り返されてハンガーに掛けられるが、腕部のU字状箇所においてUターンして折り返されるので、腕部を折り畳むことにより強制的に折り返す場合と異なり屈曲角度が緩やかであり、着物に負担を与えることがない。よって、着物の生地が厚い場合でもなんなく折り返すことができ、ハンガーに掛ける作業が容易であり、生地を傷めるおそれもない。
一方、この考案のハンガーは可動部分を持たない構造で。しかも第2考案によれば外周側腕部端からフック部を経由して内周側腕部に至るハンガーの全体を、一本の棒体を折り曲げることにより構成することができるので、低コストで製作することが可能となる。よって、店頭においてこのハンガーを利用して着物を陳列し、購買者はハンガーごと着物を持ち帰って、自宅で着物の収容の用に供するような使い方も可能となる。のにそんしょく
以下、この考案の具体的実施例を添付図面に基づいて説明する。図1はこの考案の着物用ハンガーHの一例を示す図である。ここでは一本の金属性の棒体を折り曲げることによりハンガーを構成している。すなわち、外周側腕部1、4からフック部7、9を経由して内周側腕部12、14に至るハンガーの全体を、一本の棒体を折り曲げることにより構成する。具体的には次の工程により折り曲げる。
(1) 水平に延びる前方外周側腕部2を残して、外周側U字状部3において棒体を後方に折り返して後方外周側腕部4とする。
(2) さらに、屈曲部5において斜め上方に折り曲げることにより首部の後ろ側半面6を構成する。
(3) さらに、フック状に折り曲げることによりフック部の後ろ側半面7を構成する。
(4) 次に折り返し点8において、折り曲げ方向を逆に辿る。すなわち、先に構成したフック部の後ろ側半面7、首部の後ろ側半面6に沿って折り曲げることによりフック部の前側半面9、首部の前側半面10を構成する。
(5) さらに屈曲部11において、先に構成した後方外周側腕部4の内側にそれと間隔を開けて平行に折り曲げることにより後方内周側腕部12とする。
(6) 次いで、内周側U字状部13において棒体を前方に折り返すと同時に、先に構成した前方外周側腕部2の内側にそれと間隔を開けて平行に折り曲げることにより前方内周側腕部14とする。
なお、以上の構成において各腕部の長さは着物の見頃の中心から左右の袖端に至る裄の長さの2分の1より長くなるように設定される。
なお、ハンガーを構成する以上の棒体はソフトな感触を有する外皮を構成するように塗装しても、あるいはビニールチューブなどを巻いてもよい。
図2〜図7は以上の構成よりなるハンガーへの着物の掛け方を示す図である。具体的には次の工程により着物を掛けることになる。
(1) 見頃M1、M2の中心から後方に二つ折りした着物Kの襟S1、S2の襟口E1、E2の左右をハンガーHの前方外周側腕部2の開放端1及び後方外周側腕部14の開放端15に振り分けて挿通する。
(2) 徐々に奥に向かってたぐり寄せることにより、見頃M1、M2を先頭として襟から左袖S1箇所が前方外周側腕部2に、襟から右袖口S2箇所が前方内周側腕部12にかけてそれぞれ外挿される。
(3) それぞれの腕部のU字状箇所3、13において見頃M1、M2箇所がUターンして袖が見頃に折り返されてハンガーに掛けられる。
この考案の着物用ハンガーの斜視図。 着物の折り曲げ方向を示す正面図。 着物をハンガーに掛ける作業の中途を示す正面図。 着物をハンガーに掛ける作業の中途を示す正面図。 着物をハンガーに掛ける作業の中途を示す平面図。 着物をハンガーに掛ける作業の中途を示す平面図。 着物を掛け終わった状態の正面図。
符号の説明
H ハンガー
K 着物
2 前方外周側腕部
3 外周側U字状部
4 後方外周側腕部
7(9)フック部
12 後方内周側腕部
13 内周側U字状部
14 前方内周側腕部

Claims (2)

  1. フック部分とフック部分から垂下されて水平方向に延設される一端が開放された一対の着物掛け腕部からなり、上記腕部はU字状に屈曲された内周側腕部と同じくU字状に屈曲された外周側腕部が屈曲部において同心となるように内周、外周に振り分けて平行に配されると共に、それぞれの全長が着物の見頃の中心から左右の袖端に至る裄の長さの2分の1より長くなるように設定されたことを特徴とする着物用ハンガー。
  2. 外周側腕部端からフック部を経由して内周側腕部に至るハンガーの全体を、一本の棒体を折り曲げることにより構成した請求項1記載の着物用ハンガー。
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