JP3131007B2 - 軽水型原子炉の炉心冷却装置 - Google Patents

軽水型原子炉の炉心冷却装置

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JP3131007B2
JP3131007B2 JP04051895A JP5189592A JP3131007B2 JP 3131007 B2 JP3131007 B2 JP 3131007B2 JP 04051895 A JP04051895 A JP 04051895A JP 5189592 A JP5189592 A JP 5189592A JP 3131007 B2 JP3131007 B2 JP 3131007B2
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淳 迫
將 東ケ崎
順朗 小田
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日本原子力研究所
石川島播磨重工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軽水型原子炉の炉心冷
却装置に係り、特に炉水液面の低下に応じて冷却水を供
給する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、軽水型原子炉においては、万一
の大規模な冷却材喪失事故を想定した安全設備として、
原子炉圧力容器内部の炉水の液面が下降したときに、そ
の液位を液位計等により検出し、その検出信号によって
ポンプを駆動することにより、炉心に給水する冷却装置
(非常用炉心冷却装置)を採用している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような冷却装置においては、非常時に該冷却装置を作動
させて炉心を冷却するために、外部の電源によって作動
するポンプ、検出器等の能動的な機器を利用するので、
停電時を想定した電源として、無停電電源を配設してお
く必要がある。また、信号伝送路等の設備においても、
万一の事態を考慮して、そのバックアップ装置を付加す
る必要があり、安全性を追及するにしたがって、その炉
心冷却装置全体は益々複雑なものとならざるを得なかっ
た。しかも、このように複雑になった炉心冷却装置は、
非常時にのみ作動させるものであって、平常使用時にそ
の動作確認を直接行うことは困難であるので、個々の設
備についての健全性を逐一確認しなければならず、多く
の検査工数を必要としていた。また、安全性の見地から
も、装置の複雑化は避けられるべきであり、さらには、
装置を作動させるために外部の駆動源等を必要としない
受動的な炉心冷却装置の開発が望まれている。
【0004】本発明は、上述した事情に鑑みてなされた
ものであって、受動的な機器を使用して構成を簡素化す
るとともに、安全性を向上した軽水型原子炉の炉心冷却
装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は次の2つの手段を提案している。第1の手
段は、原子炉圧力容器の外部に配設され炉水位より上方
に液位を有する冷却水貯蔵タンクと、該冷却水貯蔵タン
クと原子炉圧力容器とを連通状態に接続する吸気管およ
び給水管と、該吸気管および給水管にそれぞれ取り付け
られ原子炉圧力容器内部に配される水圧作動弁と、該水
圧作動弁に接続され原子炉運転時に吐出圧力により水圧
作動弁を閉鎖状態に保持するポンプとを具備しており、
該ポンプの吸入口が警戒水位の配置されている軽水型原
子炉の炉心冷却装置を提案している。第2の手段は、同
一高さに吸入口を配する2台以上のポンプが並列状態に
接続されている軽水型原子炉の炉心冷却装置を提案して
いる。
【0006】
【作用】第1の手段に係る軽水型原子炉の炉心冷却装置
によれば、原子炉運転時にあっては、炉水に吸入口を着
水状態としたポンプを作動させることにより、その吐出
圧力によって水圧作動弁が閉鎖され、原子炉圧力容器と
冷却水貯蔵タンクとを連通する吸気管および給水管が閉
塞状態とされる。炉水位が警戒水位以下に低下したとき
には、ポンプの吸入口が炉水から露出して吐出圧力が低
下するので、水圧作動弁が開かれる。これにより、原子
炉圧力容器と冷却水貯蔵タンクとは吸気管および給水管
を通じて連通状態となり、かつ、冷却水貯蔵タンクの液
位は、炉水位より上方に位置しているので、その水頭差
によって冷却水貯蔵タンクの冷却水が原子炉圧力容器内
に供給されることになる。第2の手段に係る軽水型原子
炉の炉心冷却装置にあっては、2台以上のポンプが並列
状態に接続されているので、1つのポンプが停止した場
合であっても、吐出圧力が失われることがない。また、
該ポンプの吸入口が同一の高さに配されているので、炉
水位が警戒水位以下に低下したときには、全てのポンプ
の吐出圧力が低下して水圧作動弁が開かれることにな
る。
【0007】
【実施例】以下、本発明に係る軽水型原子炉の炉心冷却
装置の一実施例について、図1ないし図3を参照して説
明する。これら各図において、符号1は原子炉格納容
器、2は原子炉圧力容器、3はサプレッションプール、
10は冷却水貯蔵タンク、11はタンク加圧ライン(吸
気管)、12は冷却水注入ライン(給水管)、13はポ
ンプ、14・15は水圧作動弁、23は止め弁、24は
隔離弁、25は圧力逃がし弁、26は圧力逃がしライン
である。
【0008】前記原子炉格納容器1は、原子炉圧力容器
2を内部に配設しており、下部に原子炉格納容器1内の
圧力を抑制するためのサプレッションプール3を有して
いる。この原子炉格納容器1の壁面を貫通する配管に
は、隔離弁24が設けられており、後述するポンプの故
障時あるいは原子炉格納容器1の内部で原子炉圧力容器
2の外側における該配管の破損等の場合に該隔離弁24
を閉鎖して、冷却水貯蔵タンク10からの冷却水の不必
要な流出を止めるようになっている。
【0009】前記冷却水貯蔵タンク10は、原子炉格納
容器1の外部に配される密閉状態の容器であって、原子
炉圧力容器2内の炉水位Aより常に高い液位Bを有する
位置に設置されている。該冷却水貯蔵タンク10には、
図1に示すように、冷却水貯蔵タンク10と原子炉圧力
容器2とを連通状態に接続するタンク加圧ライン11お
よび冷却水注入ライン12が配設されている。また、冷
却水貯蔵タンク10の気相部分10aには、圧力逃がし
弁25を介して圧力逃がしライン26が接続され、該圧
力逃がしライン26の先端は、前記サプレッションプー
ル3の液面Cに着水されている。
【0010】タンク加圧ライン11は、冷却水貯蔵タン
ク10の上部に取り付けられ、該冷却水貯蔵タンク10
内に形成されている気相部分10aに接続するようにな
っている。また、冷却水注入ライン12は、冷却水貯蔵
タンク10の下部に取り付けられ、該冷却水貯蔵タンク
10内の液相部分10bに接続するようになっている。
これらのライン11・12は、ともに原子炉格納容器1
を貫通して内部の原子炉圧力容器2に接続されており、
その先端に後述する水圧作動弁を配設している。
【0011】前記ポンプ13は、原子炉圧力容器2の内
部に2台配置され、例えば原子炉圧力容器2の内壁面に
固定される。該2台のポンプ13は、吐出口13bを合
流することにより互いに並列状態とされるとともに、吸
入口13aが同一の高さとなるように設定されており、
該吸入口13aは通常運転状態における炉水位Aの下方
に位置する警戒水位A’に配置される。
【0012】前記水圧作動弁14・15は、図1に示す
ように、原子炉圧力容器2の内部に固定され、前記ポン
プ13に接続される。水圧作動弁14・15は、図2・
図3に示すように、前記ポンプ13の吐出口13bに接
続されるケーシング16・17と、該ケーシング16・
17内部に配されるダイヤフラム部18・19と、該ダ
イヤフラム部18・19に取り付けられる弁体20・2
1と、該弁体20・21によって開閉される流路を形成
するタンク側ケーシング22・23とをそれぞれ具備し
ている。
【0013】まず、水圧作動弁14について説明する
と、ケーシング16は、例えば両端を閉塞した円筒状に
形成されており、その壁面に、ポンプ13の吐出口13
bに接続するポンプ接続口16aと、原子炉圧力容器2
の内部空間に開放される開放口16bと、該開放口16
bの対面に設けられ弁体20をケーシング16内外に貫
通状態とする弁体挿通穴16cとを具備している。
【0014】前記ダイヤフラム部18は、前記ケーシン
グ16の内部に配置され開放口16bの設けられた壁面
に該開放口16bを取り囲むようにして一端を固定され
る第1のベローズ18aと、該第1のベローズ18aの
他端を閉塞しケーシング16内部の空間を開放口16b
を含む開放側空間16dとポンプ接続口16aを含むポ
ンプ側空間16eとに気密状態に区画するプレート18
bと、該プレート18bに第1のベローズ18aと直列
状態となるように固定され前記弁体挿通穴16cを気密
状態に隔離する第2のベローズ18cと、前記第1のベ
ローズ18aの内側に配されて前記プレート18bを第
2のベローズ18cの方向に付勢する圧縮コイルバネ1
8dとを具備している。
【0015】前記弁体20は、前記ケーシング16の弁
体挿通穴16cを貫通し前記第2のベローズ18cを挿
通状態に配される摺動棒20aと、該摺動棒20aのケ
ーシング16外部に位置する端部に形成される円盤状の
蓋部20bとを具備しており、ケーシング16内部の端
部を前記プレート18bに固定されている。蓋部20b
は、比較的小さな外径寸法を有しており、圧力により摺
動棒20aの長手方向に作用する力が小さくなるように
設定されている。
【0016】前記タンク側ケーシング22は、箱状の部
材であって、ケーシング16外部の前記弁体20を突出
する壁面に間隔を空けて配置され、間座部材22aを介
してケーシング16に取り付けられる。該間座部材22
aは、前記弁体20を取り巻くようにして周方向に間隔
を空けて複数設けられており、原子炉圧力容器2の内部
空間と、タンク加圧ライン11とを連結する流路を形成
している。また、タンク側ケーシング22は、前記弁体
20の蓋部20bに対応する位置に配設され蓋部20b
より小さい口径の流通穴22bと、前記タンク加圧ライ
ン11の一端を接続するタンク接続口22cとを具備し
ており、前記弁体20の摺動棒20aを流通穴22bに
貫通させた状態で蓋部20bを内側の空間に配してい
る。
【0017】次に、水圧作動弁15について説明する
と、ケーシング17は、前記水圧作動弁14と比較して
ポンプ接続口17aの位置と開放口17bの位置とを入
れ替えた構成となっている。
【0018】前記ダイヤフラム部19は、ケーシング1
7の内側に配されポンプ接続口17aの設けられた壁面
に該ポンプ接続口17aを取り囲むようにして一端を固
定するベローズ19aと、該ベローズ19aの他端を気
密状態に閉塞するプレート19bと、該プレート19b
と弁体挿通穴17cが穿孔された壁面との間に配されて
プレート19bをポンプ接続口17aの方向に付勢する
圧縮コイルバネ19cとを具備している。
【0019】前記弁体21は、水圧作動弁14の弁体2
0と同様に、前記ケーシング17の弁体挿通穴17cを
貫通した状態に配される摺動棒21aと、該摺動棒21
aのケーシング17外部に位置する端部に形成された蓋
部21bとを具備しており、ケーシング17内部の端部
を前記プレート19bに固定される。弁体21の蓋部2
1bは、水圧作動弁14の蓋部20bと比較して、大き
な外径寸法の円盤状に形成され、圧力による摺動棒21
aの長手方向への力を発生させるようになっている。
【0020】タンク側ケーシング23は、中央部にタン
ク接続口23bを有する円盤状の板材であって、間座部
材23aによってケーシング17との間に間隔を空けて
取り付けられるとともに、冷却水注入ライン12の一端
を閉塞するように配置される。前記水圧作動弁14のタ
ンク側ケーシング22と異なり、このタンク側ケーシン
グ23のタンク接続口23bには弁体21が挿通され
ず、蓋部21bは、タンク側ケーシング23の外部から
接続口23bを閉塞するように配されている。
【0021】このように構成された水圧作動弁14で
は、ポンプ13の吐出圧力の加わらない自由状態にあっ
ては、該ダイヤフラム部18によって区画された2つの
空間16d・16e内部の圧力は、ともに原子炉圧力容
器2内の圧力となり、弁体20は、圧縮コイルバネ18
dとベローズ18a・18cのバネ力とのバランスによ
ってケーシング16から突出する方向に付勢されるよう
に設定されていて弁体20の蓋部20bとタンク側ケー
シング22の流通穴22bとが離間された状態(図2に
おいて鎖線で示す状態)となる。これにより、間座部材
22aによって形成されたケーシング16とタンク側ケ
ーシング22との間隙および流通穴22bを通じて原子
炉圧力容器2と冷却水貯蔵タンク10とを連結するタン
ク加圧ライン11が開通状態となる。
【0022】また、水圧作動弁15にあっては、前記水
圧作動弁14の場合と同様にして自由状態において圧縮
コイルバネ19cによって弁体21の蓋部21bがタン
ク側ケーシング23の流通穴23bから離れる方向に付
勢されるので、原子炉圧力容器2内部と冷却水貯蔵タン
ク10とを連結する冷却水注入ライン12が開通状態
(図3において鎖線で示す状態)に保持されることにな
る。
【0023】以上のように構成された炉心冷却装置の作
動状態について以下に説明する。原子炉の通常運転状態
においては、原子炉圧力容器2内部の炉水位Aは、一定
の状態に設定されている。この状態において、前記ポン
プ13は、その吸入口13aを該炉水に着水状態に配し
ているので、稼働させられることによって、一定の吐出
圧力を発生する。該吐出圧力は、水圧作動弁14・15
に伝達され、該水圧作動弁14・15の内部に配される
ダイヤフラム部18・19の内外に圧力差を発生させ
る。すなわち、ダイヤフラム部18・19のプレート1
8c・19cにより区画された空間16d・16e・1
7d・17eにあっては、ポンプ側空間16e・17e
の圧力が吐出圧力により上昇し、圧縮コイルバネ18d
・19cを圧縮する方向に力が作用する。そして、ベロ
ーズ18a・18c・19a、圧縮コイルバネ18d・
19cおよび圧力差による力のバランスによって、弁体
20・21がタンク側ケーシング22・23の流通穴2
2b・23bを閉塞する方向に移動させられることによ
り、水圧作動弁14・15に接続されたタンク加圧ライ
ン11および冷却水注入ライン12がそれぞれ閉鎖状態
に保持されることになる。この状態にあっては、冷却水
貯蔵タンク10に貯蔵された冷却水は、水圧作動弁15
によって、原子炉圧力容器2内に注入されないようにせ
き止められることになる。
【0024】このとき、冷却水貯蔵タンク10の内部圧
力は、ほぼ大気圧であり、また、原子炉圧力容器2内部
は、通常の運転圧力(例えば70kg/cm2g)とな
っているので、その圧力差が水圧作動弁15の蓋部21
bに作用することにより、弁体21には流通穴23bを
閉塞する方向に力が作用し、平常運転状態において、冷
却水が注入されないように安定して保持されることにな
る。
【0025】次に、なんらかの原因によって炉水位Aが
低下し、警戒水位A’を下回った場合の炉心冷却装置の
作動状態について説明する。炉水位Aが警戒水位A’以
下に低下すると、ポンプ13の吸入口13aが炉水の上
方に露出した状態となってポンプ13の吐出圧力が喪失
されるので、該ポンプ13に接続された水圧作動弁14
のポンプ側空間16eおよび開放側空間16dの圧力
が、ともに原子炉圧力容器2の内部圧力となり、水圧作
動弁14は自由状態となって流通口22bが開かれる。
【0026】このとき、水圧作動弁15にあっては、水
圧作動弁14と同様にしてケーシング17内部の圧力が
原子炉圧力容器2の内部圧力となるが、弁体21の蓋部
21bに加わる圧力差によって、即座に自由状態となる
ことはなく、流通口23bは暫くの間、閉塞状態に保持
されることになる。
【0027】そして、原子炉圧力容器2の内部圧力がタ
ンク加圧ライン11を通じて冷却水貯蔵タンク10に伝
達され、該冷却水貯蔵タンク10の内部圧力が上昇させ
られる。このとき、急激な圧力上昇が生じた場合には、
圧力逃がし弁25が開放されることにより、冷却水貯蔵
タンク10の内部圧力は、設定圧力以上に上昇しないよ
うに保持されることになる。そして、冷却水注入ライン
12の冷却水が加圧されることによって、前記水圧作動
弁15の蓋部21bに作用していた圧力差が小さくなっ
て流通口23bが開放される。
【0028】ここで、冷却水貯蔵タンク10の内部に貯
蔵されている冷却水の液位Bは、原子炉圧力容器2の炉
水位Aより高い位置になるように設定されているので、
その水頭差によって、冷却水が落下し、炉内に注入され
る。そして、このようにして注入された冷却水は喪失し
た炉水を補うとともに炉心Pを冷却することになる。
【0029】一方、ポンプ13が故障した場合にあって
は、水圧作動弁14・15に作用する吐出圧力が失わ
れ、炉水位Aが警戒水位A’以下に低下した場合と同様
にして炉心冷却装置が作動することになるが、このよう
な場合に炉心冷却装置を作動させることは、不必要であ
るので、2台のポンプ13を並列状態に配設している。
これにより、1台のポンプ13が故障した場合であって
も水圧作動弁14・15に作用する吐出圧力が失われる
ことがなく、したがって、水圧作動弁14・15が閉鎖
状態に保持されることになる。この場合にあっても、2
台のポンプ13の吸入口13aは同一の高さとなるよう
に設定されており、炉水位Aの低下によって同時に吐出
圧力が低下するので、炉心冷却装置は、ポンプ13が1
台である場合と同様に作動することになる。
【0030】〈他の実施態様〉なお、本発明に係る軽水
型原子炉の炉心冷却装置にあっては、次の技術を採用す
ることができる。 水圧作動弁14・15に並列状態に接続するポンプ
13の数を2台以上の任意の数にすること。 ポンプ13を原子炉圧力容器の外部に配置し、吸入
口13aおよび吐出口13bを原子炉圧力容器内に配置
すること。 水圧作動弁14・15のケーシング17・18を任
意の形状とすること。 水圧作動弁14・15のベローズよりなるダイヤフ
ラム部18・19に代えて、シリンダ等の他のアクチュ
エータを使用すること。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、第1の発明、つま
り、請求項1の発明に係る軽水型原子炉の炉心冷却装置
は、炉水位より液位の高い冷却水貯蔵タンクと、該冷却
水貯蔵タンクと原子炉圧力容器とを連通する吸気管およ
び給水管と、該吸気管および給水管にそれぞれ取り付け
られ原子炉圧力容器内部に配される水圧作動弁と、該水
圧作動弁を吐出圧力により閉鎖するポンプとを具備して
おり、該ポンプの吸入口が警戒水位に配置されているの
で以下の効果を奏する。 (1)炉水位が警戒水位以下に低下することによって水
圧作動弁が開放され、冷却水が水頭差によって炉内に注
入される構成であり、装置を作動させるために外部に駆
動源を必要とする能動的な機器を含まないので、炉心冷
却装置を簡素化して、信頼性を向上することができる。 (2)検出器等の能動的な機器を含まないので、停電時
等を想定したバックアップ装置の設置を最小限に抑える
ことができ、かつ、安全性を向上することができる。 第2の発明、つまり、請求項2の発明に係る軽水型原子
炉の炉心冷却装置にあっては、同一高さに吸入口を配す
る2台以上のポンプが並列状態に接続されているので、
請求項1の発明の効果に加えて、ポンプの故障のみによ
る炉心冷却装置の不必要な作動を防止することができる
という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る軽水型原子炉の炉心冷却装置の一
実施例を示す装置構成図である。
【図2】図1の炉心冷却装置のタンク加圧ラインに接続
する水圧作動弁を示す縦断面図である。
【図3】図1の炉心冷却装置の冷却水注入ラインに接続
する水圧作動弁を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 原子炉格納容器 2 原子炉圧力容器 3 サプレッションプール 10 冷却水貯蔵タンク 10a 気相部分 10b 液相部分 11 タンク加圧ライン(吸気管) 12 冷却水注入ライン(給水管) 13 ポンプ 13a 吸入口 13b 吐出口 14・15 水圧作動弁 16・17 ケーシング 16a・17a ポンプ接続口 16b・17b 開放口 16c・17c 挿通口 16d・17d 開放側空間 16e・17e ポンプ側空間 18・19 ダイヤフラム部 18a 第1のベローズ 18b・19b プレート 18c 第2のベローズ 18d・19c 圧縮コイルバネ 19a ベローズ 20・21 弁体 20a・21a 摺動棒 20b・21b 蓋部 22・23 タンク側ケーシング 22a・23a 間座部材 22b・23b 流通穴 22c タンク接続口 23 止め弁 24 隔離弁 25 圧力逃がし弁 26 圧力逃がしライン A 炉水位 A’ 警戒水位 B 冷却水貯蔵タンクの液位 C サプレッションプールの液面 P 炉心
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小田 順朗 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石川島播磨重工業株式会社 横浜第一工 場内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21C 15/18 G21C 17/035 G21C 15/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子炉圧力容器の外部に配設され炉水位
    より上方に液位を有する冷却水貯蔵タンクと、該冷却水
    貯蔵タンクと原子炉圧力容器とを連通状態に接続する吸
    気管および給水管と、該吸気管および給水管にそれぞれ
    取り付けられ原子炉圧力容器内部に配される水圧作動弁
    と、該水圧作動弁に接続され原子炉運転時に吐出圧力に
    より水圧作動弁を閉鎖状態に保持するポンプとを具備し
    ており、該ポンプの吸入口が警戒水位の高さに配置され
    ていることを特徴とする軽水型原子炉の炉心冷却装置。
  2. 【請求項2】 同一高さに吸入口を配する2台以上のポ
    ンプが、並列状態に接続されていることを特徴とする請
    求項1記載の軽水型原子炉の炉心冷却装置。
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