JP3129836U - 電力計測制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数項目の設定情報と測定した電力とに基づいてスイッチ手段を介して節電可能にし、汎用性に優れる電力計測制御装置にし、節電量や節電効果を直接的に把握できる装置にし、外部の装置との間でデータの送受信可能な電力計測制御装置にすること。
【解決手段】この電力計測制御装置10は、給電ラインの電力を測定する電力測定手段12,13と、ファン用給電ライン6を開閉するリレースイッチ14と、入力部11aと情報記憶部とを有し且つ測定電力と設定情報に基づいてリレースイッチ14を制御する制御ユニット11とを有し、複数通りの給電電力を電力測定手段の測定結果から検知し、その検知結果を用いて、リレースイッチ14を制御することでファン2への給電を節電した節電量を直接的叉は間接的に表す節電値を演算し、ディスプレイ11bに表示出力する。
【選択図】 図1

Description

本考案は、電力を消費する1叉は複数の機器を有する電力負荷設備に供給する電力を計測し且つ制御する電力計測制御装置に関するものである。
電気を消費する1叉は複数の機器(コンプレッサー、ファン、ヒーター等々)を有する電力負荷設備では、通常、サーモスタットや温度センサ等で検出された検出情報に基づいて機器のオン・オフを制御するのが普通である。この種の自己制御機能のある制御ユニットを備えた電力負荷設備では、サーモスタットで直接給電ラインをオフしたり、センサ類からの検出信号に基づいて制御ユニットで機器をオン・オフ制御することで、かなりの省エネを図り得るように構成されている。他方、電力負荷設備の中には、電源の投入により稼働される形式の1叉は複数の機器を備えたものも多く、このような電力負荷設備では省エネの余地が残されている。
特許文献1に記載の節電率測定装置においては、ヒータの給電ラインにサーモスタットを設け、そのヒータを制御する制御ユニットに、給電をオン・オフ可能な節電制御装置と節電率測定部を設け、サーモスタットがオン(給電)状態のときに節電制御装置により給電をオフして節電した実効節電時間を算出するように構成してある。
特許文献2に記載の工作機械の稼働情報収集システムにおいては、工作機械の消費電力の電力波形を検出して稼働信号とし、この稼働信号を系統的に分析し、データベース化して判定基準を設定しておき、工作機械の消費電力の電力波形の稼働信号から、各工作機械の稼働状態(稼働カテゴリー、加工動作の種別など)を判別する。
特許文献3の使用電力量制御システムにおいては、複数の空調機を種々の電力削減率の運転制御パターンで運転する複数のパターンを予め設定して記憶し、入力される指令と、現在の使用電力量と、使用上限電力量とに基づいて電力削減率を決定し、その電力削減率に対応する運転制御パターンを読み出して複数の空調機を制御する。
特開2004−159435号公報 特開2004−70424号公報 特開平11−332099号公報
特許文献1の節電率測定装置は、運転の要/不要を検知してそれに従って自動的に動作/停止を行う自己制御機能のある電気機器に適用するものであり、自己制御機能の無い電気機器には適用できない。しかも、給電系から供給される電力をパラメータとせずに、節電時間の累計等をパラメータとする関係上、省エネ率などの指標は得られるものの、具体的な節電量などを知る為には、1叉は複数の電気機器の定格ワット数などの情報を用いて別途演算する必要があり、節電量や節電効果を直接的に把握できない。
特許文献2の工作機械の稼働情報収集システムは、工作機械の稼働に関する情報を収集する技術であり、工作機械において消費する電力の節電を図る為の技術ではない。
特許文献3の使用電力量制御システムは、複数の空調機などを対象として節電を図るには好適の技術であるが、電気機器の数が少ない電力負荷設備では、この特許文献3における運転制御パターンを予め設定しにくいため、この技術を適用することが難しい。
しかも、このシステムは、使用電力量を「使用上限電力量」以下に抑制することを主なる目的としているため、「使用上限電力量」の規制のない設備に対しては適用することが難しく、汎用性に欠ける。このシステムにおいても、電力削減率等把握できるものの、節電量や節電効果を直接的に把握しにくいという問題がある。
この考案の目的は、複数項目の設定情報と測定した電力とに基づいてスイッチ手段を介して節電可能な電力計測制御装置を提供すること、汎用性に優れる電力計測制御装置を提供すること、節電量や節電効果を直接的に把握できる電力計測制御装置を提供すること、外部の装置との間でデータの送受信可能な電力計測制御装置を提供することなどである。
請求項1の電力計測制御装置は、電力を消費する1叉は複数の機器を有する電力負荷設備に供給する電力を計測し且つ制御する電力計測制御装置において、全部の機器へ給電する為の第1給電ラインを流れる電力を測定する電力測定手段と、前記特定の機器へ給電する第2給電ラインに介装されたスイッチ手段と、複数項目の設定情報を入力可能な入力部と、この入力部から入力された設定情報を記憶する情報記憶部とを有し、前記電力測定手段で測定された電力と前記情報記憶部に記憶された設定情報に基づいて前記スイッチ手段を制御する制御手段と、前記スイッチ手段を複数通りに切換えた給電状態における複数通りの給電電力を前記電力測定手段の測定結果から検知する検知手段と、前記検知手段の検知結果を用いて、前記制御手段により前記スイッチ手段を制御することにより前記特定の機器への給電を節電した節電量を直接的叉は間接的に表す節電値を演算する節電値演算手段と、前記節電値演算手段が演算した節電値を外部へ出力可能な出力手段とを備えたことを特徴とするものである。
電力測定手段により全部の機器へ給電する為の第1給電ラインの電力が測定され、スイッチ手段は特定の機器に給電する第2給電ラインに介装されているため、制御手段によりスイッチ手段をオフすることで特定の機器への給電を停止して節電を図ることができる。制御手段は入力部と情報記憶部を有し、入力部から複数項目の設定情報が情報記憶部に入力されて記憶されている。制御手段は記憶している設定情報と、電力測定手段により測定された電力とに基づいてスイッチ手段を適宜オフに制御して節電を図る。
検知手段はスイッチ手段を複数通りに切換えた給電状態における複数通りの給電電力を電力測定手段の測定結果から検知する。節電値演算手段は、前記検知手段の検知結果を用いて、制御手段によりスイッチ手段を制御することにより特定の機器への給電を節電した節電量を直接的叉は間接的に表す節電値を演算する。出力手段は節電値演算手段により演算された節電値を外部へ出力可能である。
請求項2の電力計測制御装置は、請求項1の考案において、前記節電値を外部の装置へデータ送信可能な送信手段を設けたことを特徴としている。
請求項3の電力計測制御装置は、請求項2の考案において、前記制御手段は、外部の装置からデータ受信可能な受信手段を備えたことを特徴としている。
請求項4の電力計測制御装置は、請求項1〜3の何れかの考案において、前記1叉は複数の機器は運転中に発熱を伴う発熱型機器と排熱ファンであり、前記特定の機器が排熱ファンであることを特徴としている。
請求項5の電力計測制御装置は、請求項1〜4の何れかの考案において、前記1叉は複数の機器は2つのコンプレッサーであり、前記特定の機器が一方のコンプレッサーであることを特徴としている。
請求項1の考案によれば、電力測定手段と、特定の機器への給電を停止することのできるスイッチ手段と、入力部と情報記憶部とを有しスイッチ手段を制御する制御手段とを設けたので、電力測定手段で測定した電力と入力部から情報記憶部に設定され設定情報とに基づいて制御手段でスイッチ手段を制御することにより節電を行うことができる。
複数項目の設定情報を入力部から入力して情報記憶部に格納できるから、電力負荷設備や機器に適した設定情報を設定でき、汎用性の高い電力計測制御装置となる。
また、検知手段と、節電値演算手段と、出力手段とを設けたため、スイッチ手段を複数通りに切換えた給電状態における複数通りの給電電力を前記電力測定手段の測定結果から検知し、その検知結果を用いて、制御手段によりスイッチ手段を制御することにより特定の機器への給電を節電した節電量を直接的叉は間接的に表す節電値を演算することができる。出力手段により、その演算された節電値を外部へ出力(例えば、表示出力、プリント出力)可能である。その結果、出力された節電値から節電量を容易に知ることができる。
請求項2の考案によれば、前記節電値を外部の装置へデータ送信可能な送信手段を設けたため、節電値を外部の装置へ容易に送信できる。
請求項3の考案によれば、前記制御手段は、外部の装置からデータ受信可能な受信手段を備えているため、外部の装置から例えば複数項目の設定情報などを受信することができる。
請求項4の考案によれば、前記1叉は複数の機器は運転中に発熱を伴う発熱型機器と排熱ファンであり、前記特定の機器が排熱ファンであるため、制御手段によりスイッチ手段を介して排熱ファンを適宜オフすることにより節電することができる。
請求項5の考案によれば、前記1叉は複数の機器は2つのコンプレッサーであり、前記特定の機器が一方のコンプレッサーであるので、制御手段によりスイッチ手段を介して一方のコンプレッサーを適宜オフすることにより節電することができる。
以下、本考案に係る電力計測制御装置を実施する3通りの実施例について、図面に基づいて説明する。
図1、図2に示すように、本実施例の電力計測制御装置10は、電力を消費する2つの機器である冷凍設備1と排熱ファン2とを有する電力負荷設備3に供給する電力を計測し且つ制御する装置である。冷凍設備1の定格出力は例えば15kW、排熱ファン2の定格出力は例えば30kWである。冷凍設備1と排熱ファン2に給電するための給電ライン4はブレーカー5に接続され、ブレーカー5からファン用給電ライン6と冷凍設備用給電ライン7とに分岐している。冷凍設備1はコントローラ1aを備えており、このコントローラ1aは例えば外気温センサと冷凍室温センサからの検出信号に基づいて冷凍設備1をオン・オフ制御するようになっている。
この電力計測制御装置10は、制御ユニット11と、電流検出器12と、電圧検出器13と、リレースイッチ14などを備えている。電流検出器12は、冷凍設備1と排熱ファン2へ給電する給電ライン4の電流を検出し、その検出信号を制御ユニット11へ供給する。電圧検出器13は、ブレーカー5の1次側で給電ライン4の電圧を検出し、その検出信号を制御ユニット11へ供給する。電流検出器12と電圧検出器13とが給電ライン4を流れる電力を測定する「電力測定手段」に相当するものである。尚、本実施例では、排熱ファン2が節電対象の「特定の機器」に相当するものである。
制御ユニット11により駆動制御されるリレースイッチ14は、ファン用給電ライン6をオン・オフ可能な常閉型のリレー接点14aと、このリレー接点14aを開閉するリレー14bとで構成され、リレー14bがオンのときリレー接点14aが開成する。このリレースイッチ14が「スイッチ手段」に相当する。
制御ユニット11は、CPUとROMとRAMを含むマイクロコンピュータ(図示略)と、数字キーとアルファベットキーを有する入力部11aと、液晶ディスプレイ11b(これが出力手段に相当する)と、入出力インタフェースと、外部の機器(例えば、ホストコンピュータ)との間でデータの送受信可能な通信用モデム11cとを有するものである。前記マイクロコンピュータのRAMには、種々のワークメモリが設けられ、前記の入力部11aから入力された後述する設定情報を記憶する情報記憶部として機能する。
この電力計測制御装置10は、更に、電力測定手段で測定された電力と情報記憶部に記憶された設定情報に基づいてスイッチ手段を制御する「制御手段」と、スイッチ手段を2通りに切換えた給電状態における2通りの給電電力を電力測定手段の測定結果から検知する「検知手段」と、この検知手段の検知結果を用いて、制御手段によりスイッチ手段を制御することにより排熱ファン2(特定の機器)への給電を節電した節電量を直接的叉は間接的に表す節電値を演算する「節電値演算手段」とを備えている。
制御ユニット11は、「制御手段」と「検知手段」と「節電値演算手段」に相当するものであり、制御ユニット11のROMには、これらの手段の機能を実現する制御プログラム(図3、図4参照)が予め入力格納されている。
図2は、この電力計測制御装置10が電力計測節電制御を実行した場合のタイムチャートを示すものであり、時刻T1以前において電力測定手段で検出された消費電力Wが25〜40kWの範囲にあるという条件を満たした場合に、この電力計測制御装置10による電力計測節電制御が開始され、時刻T1においてコントローラ1aにより冷凍設備1がオフされた後、例えば10分間排熱ファン2による排熱の実行後には排熱ファン2を停止させて節電する。
その後、時刻T3においてコントローラ1aにより冷凍設備1がオンされても、直ちに排熱の必要はないので排熱ファン2の停止を継続し、時刻T3から例えば10分経過して排熱が必要になった時刻T4において、排熱ファン2の停止を解除して排熱を行う。こうして、時刻T2から時刻T4までの間、排熱ファン2を停止させることにより節電する。
上記の電力計測節電制御を可能とするために、制御ユニット11のRAMの情報記憶部には、次の4つの設定情報が予め入力記憶されている。
(a) 制御開始条件:消費電力Wが例えば25〜40kWの範囲内であること。
(b) 制御待機条件:冷凍設備1がオンからオフに切換えられ(これは消費電力Wの変化から判る)、その切換え時刻T1から所定の排熱実行時間(例えば10分)経過すること。
(c) 制御継続条件:冷凍設備1がオフからオンに切換えられ(これは消費電力Wの変化から判る)、その切換え時刻T3から排熱が必要になる所定時間(例えば10分)経過すること。
(d) 制御終了条件:制御ユニット11による電力計測節電制御を実行中であり且つ消費電力Wが例えば12kW以上であること。
電力測定手段は、常時電力計測を実行し、その電力データが時刻データと対応付けてRAMに蓄積されるため、制御ユニット11においては、図2の消費電力Wのライン(階段状の太線ライン)は検知されている。その消費電力Wのデータから、排熱ファン2を時刻T2からT4まで停止させて節電した節電量Rが演算され、その節電量R(節電値)がディスプレイ11bに表示出力され、その節電量R(節電値)が外部のホストコンピュータへデータ送信される。
次に、図3、図4に示す電力計測節電制御のフローチャートについて簡単に説明する。尚、図中符号Si(i=1,2,・・)は各ステップを示す。
S1では電流検出器12と電圧検出器13からの検出信号が読み込まれてメモリに記憶される。S2では前記の制御開始条件が成立したか否か判定され、その判定がNoのときはS1へ戻り、その判定がYesになるとS3において電力計測節電制御実行中を示すフラグFがセットされる。
S4ではS1と同様に検出信号が読み込まれてメモリに記憶され、次にS5において検出電流と検出電圧とを乗算して得られる消費電力Wの急減ありか否か(冷凍設備1がoffか?)が判定され、その判定がNoのときはS4へ戻り、その判定がYesになるとS6へ移行する。S6では現在時刻である時刻T1がメモリに記憶される。
次にS7ではマイクロコンピュータに内蔵の時計手段から現在時刻Tが読み込まれ、S8では現在時刻Tが時刻(T1+10分)を経過したか否か判定され、その判定がNoのときはS7を繰り返し、その判定がYesになると、S9へ移行する。S9では、リレー14bがon(リレー接点14aがoff)に切換えられる。S10では検出信号が読み込まれてメモリに記憶され、S11では消費電力Wの急増ありか否か(冷凍設備1がonになったか)判定され、その判定がNoのときはS10を繰り返し、その判定がYesになるとS12へ移行する。
S12ではその時刻T3がメモリに記憶され、S13では現在時刻Tが読み込まれ、S14では現在時刻Tが時刻(T3+10分)を経過したか否か判定され、その判定がNoのときはS13を繰り返し、その判定がYesになるとS15へ移行する。S15では、リレー14bがoff(リレー接点14aがon)に切換えられる。次に、S16では検出信号が読み込まれてメモリに記憶される。
S17では、節電量Rが後述のように演算されてメモリに記憶され、ディスプレイ11bに出力され、必要に応じて外部のホストコンピュータにデータ送信される。S18では、前記の制御終了条件が成立しているか否か判定され、その判定がNoのときはS18を繰り返し、その判定がYesになるとS19においてフラグFが0にリセットされ、その後S1へ戻る。
上記の節電量Rは、次のようにして演算することができる(図2参照)。
時刻T1〜T2間の電力測定手段により測定された消費電力W1、時刻T2〜T3間の電力測定手段により測定された消費電力W2、時刻T3〜T4間の電力測定手段により測定された消費電力W3、時刻T4経過後の消費電力W4とする。
節電量R1=(W1−W2)×(T3−T2)
節電量R2=(W4−W3)×(T4−T3)≒(W1−W2)×(T4−T3)
合計節電量R=R1+R2
尚、S17において、節電量Rをディスプレイ11bに表示する際に、節電していない時の消費電力や、最大消費電力などを、メモリに記憶していた検出信号に基づいて演算し、それらも表示するようにしてもよい。
尚、図2は、前記設定情報に基づいて実行される1サイクルの電力計測節電制御を示すものであるが、1日の間に、前記の電力計測節電制御が多数サイクル実行されることもあるため、1日当たりの合計節電量Rも演算され、ディスプレイ11bに表示され、外部のホストコンピュータへデータ送信される。尚、前記のように節電量Rを直接的に表す節電値(例えば、・・kWh)と共に叉はその代わりに、節電量Rを間接的に表す節電値(例えば、節電率、節電電力料金など)を演算し、その節電値を出力する構成にしてもよい。
電力測定手段12,13と、リレースイッチ14と、入力部11aと情報記憶部とを有しリレースイッチ14を制御する制御ユニット11とを設けたので、電力測定手段で測定した電力と入力部11aから情報記憶部に設定された設定情報とに基づいてリレースイッチ14を制御することにより節電を行うことができる。複数項目の設定情報を入力部11aから入力して情報記憶部に格納できるから、電力負荷設備やそれを構成する1叉は複数の機器に適した設定情報を設定でき、汎用性の高い電力計測制御装置となる。
しかも、この電力計測制御装置10は、電力負荷設備3の制御系とは独立に設けることができるし、既存の電力負荷設備3に追加して後付けすることができるため、汎用性に優れる。
また、検知手段と節電値演算手段とディスプレイ11bとを設けたため、リレースイッチ14を2通りに切換えた給電状態における複数通りの給電電力を電力測定手段の測定結果から検知し、その検知結果を用いて、制御ユニット11によりリレースイッチ14を制御することにより排熱ファン2(特定の機器)への給電を節電した節電量Rを直接的叉は間接的に表す節電値を演算することができる。ディスプレイ11bにより、その節電値を外部へ表示出力可能である。その結果、出力された節電値から節電量Rを容易に知ることができる。
図5、図6に示すように、本実施例の電力計測制御装置20は、電力を消費する2つの機器であるコンプレッサー8A,9Aを有する電力負荷設備3Aに供給する電力を計測し且つ制御する装置である。コンプレッサー8A,9Aの定格出力は例えば7.5kWである。コンプレッサー8A,9Aに給電するための給電ライン4Aはブレーカー5Aに接続され、ブレーカー5Aから2つの給電ライン6A,7Aに分岐している。尚、コンプレッサー8A,9Aはそれらのオン・オフを自動制御するコントローラを備えていない。但し、コントローラを備えていてもよい。
この電力計測制御装置20は、制御ユニット21と、電流検出器32と、電圧検出器33と、リレースイッチ34などを備えている。電流検出器32は、給電ライン4Aの電流を検出し、その検出信号を制御ユニット21へ供給する。電圧検出器33は、ブレーカー5Aの1次側で給電ライン4Aの電圧を検出し、その検出信号を制御ユニット21へ供給する。電流検出器32と電圧検出器33とが給電ライン4Aを流れる電力を測定する「電力測定手段」に相当するものである。尚、本実施例では、コンプレッサー8Aが節電対象の「特定の機器」に相当するものである。
制御ユニット21により駆動制御されるリレースイッチ34は、コンプレッサー8Aへの給電ライン6Aをオン・オフ可能な常閉型のリレー接点34aと、このリレー接点34aを開閉するリレー34bとで構成され、リレー34bがオンのときリレー接点34aが開成する。このリレースイッチ34が「スイッチ手段」に相当する。
制御ユニット21は、CPUとROMとRAMを含むマイクロコンピュータ(図示略)と、数字キーとアルファベットキーを有する入力部21aと、液晶ディスプレイ21b(これが出力手段に相当する)と、入出インタフェースと、外部の機器(例えば、ホストコンピュータ)との間でデータの送受信可能な通信用モデム21cとを有する。前記マイクロコンピュータのRAMには、種々のワークメモリが設けられ、前記の入力部21aから入力された後述する設定情報を記憶する情報記憶部として機能する。
この電力計測制御装置20は、更に、電力測定手段で測定された電力と情報記憶部に記憶された設定情報に基づいてスイッチ手段を制御する「制御手段」と、スイッチ手段を2通りに切換えた給電状態における複数通りの給電電力を電力測定手段の測定結果から検知する「検知手段」と、この検知手段の検知結果を用いて、制御手段によりスイッチ手段を制御することによりコンプレッサー8A(特定の機器)への給電を節電した節電量を直接的叉は間接的に表す節電値を演算する「節電値演算手段」とを備えている。
制御ユニット21は、「制御手段」と「検知手段」と「節電値演算手段」に相当するものであり、制御ユニット21のROMには、これらの手段の機能を実現する制御プログラム(図7参照)が予め入力格納されている。
図6はコンプレッサー8A,9Aが両方とも連続運転するように指令されている場合において、コンプレッサー8Aへの給電を適宜オフすることで節電する電力計測節電制御のタイムチャートを示すものである。時刻T1から時刻T2までの所定時間の間、コンプレッサー8A,9Aが両方とも連続運転している場合には、時刻T2においてリレースイッチ34を介してコンプレッサー8Aへの給電をオフし、そのオフ状態を設定時間ΔT(時刻T2から時刻T3まで)の間継続し、その設定時間ΔT経過後にコンプレッサー8Aへの給電を再開する。
この実施例の電力計測節電制御を可能とするために、入力部21aからRAMの情報記憶部に入力設定する設定情報は例えば次の通りである。
(a) 制御開始タイミング:コンプレッサー8Aへの給電をオフする時刻T2
(b) 制御前確認時間:コンプレッサー8A,9Aの両方連続運転継続時間( 時刻T1〜T2の間、消費電力W≧15kW)
(c) 制御継続時間:コンプレッサー8Aの給電オフ継続時間(時刻T2〜T3間の時間)
次に、本実施例の電力計測節電制御について説明する。
図7のフローチャートに示すように、スタート後S30では電流検出器32と電圧検出器33からの検出信号が読み込まれてメモリに記憶され、S31では現在時刻Tが時刻T1経過したか否か判定され、その判定がNoのときはS31を繰り返し、その判定がYesになるとS32において検出信号が読み込まれてメモリに記憶される。
S33では検出された消費電力W≧15kWか否か判定され、その判定がNoのときはS31を移行し、その判定がYesになるとS34へ移行する。S34では現在時刻Tが時刻T2になったか否か判定され、その判定がNoのときはS33、S34を繰り返し、S34の判定がYesになると、S35においてリレー34bがon(リレー接点34aがoff)に切換えられ、コンプレッサー8Aへの給電が停止される。
次にS36では検出信号が読み込まれてメモリに記憶され、S37では現在時刻Tが時刻(T2+ΔT)=時刻T3か否か判定され、その判定がNoのときはS36へ戻り、その判定がYesになるとS38へ移行し、S38においてリレー34bがoff(リレー接点34aがon)に切換えられ、コンプレッサー8Aへの給電が再開される。次にS39では、節電量Rが演算されてメモリに記憶され、ディスプレイ21bに表示出力され、その後リターンする。
前記節電量Rの演算について説明する。
図2において、時刻T2以前の平均消費電力をW1、時刻T2〜T3の間の平均消費電力をW2とすると、節電量R=(W1−W2)×ΔT。尚、ΔT=(T3−T2)
尚、前記実施例1と同様に、上記の節電量Rを間接的に表す節電値(節電率、節電電力料金など)で出力するようにしてもよい。
また、前記タイムチャートは、1回の電力計測節電制御を示すものであるが、各日の24時間を対象として時刻T2を複数通り設定することにより、この電力計測節電制御が1日に複数回作動するように構成することもできる。また、コンプレッサー8A,9Aが冷凍機用のコンプレッサーである場合など、1叉は複数の温度センサからの検出信号に基づいてコンプレッサー8A,9Aを制御するコントローラが設けられている場合にも、本考案を同様に適用することができる。本実施例の電力計測制御装置20は、前記電力計測制御装置10と基本的に同様の作用効果を奏するため重複説明は省略する。
図8、図9に示すように、本実施例の電力計測制御装置30は、電力を消費する1つの機器であるコンプレッサー8Bを有する電力負荷設備3Bに供給する電力を計測し且つ制御する装置である。コンプレッサー8Bの定格出力は例えば7.5kWである。コンプレッサー8Bに給電するための給電ライン4Bはブレーカー5Bに接続され、ブレーカー5Bから1つの給電ライン6Bを介してコンプレッサー8Bに給電している。尚、コンプレッサー8Bはそのオン・オフを自動制御するコントローラを備えていない。
この電力計測制御装置30は、制御ユニット31と、電流検出器42と、電圧検出器43と、リレースイッチ44などを備えている。電流検出器42は、給電ライン4Bの電流を検出し、その検出信号を制御ユニット31へ供給する。電圧検出器43は、ブレーカー5Bの1次側で給電ライン4Bの電圧を検出し、その検出信号を制御ユニット31へ供給する。電流検出器42と電圧検出器43とが給電ライン4Bを流れる電力を測定する「電力測定手段」に相当するものである。尚、本実施例では、コンプレッサー8Bが節電対象の「特定の機器」に相当するものである。
制御ユニット31により駆動制御されるリレースイッチ44は、コンプレッサー8Bへの給電ライン6Bをオン・オフ可能な常閉型のリレー接点44aと、このリレー接点44aを開閉するリレー44bとで構成され、リレー44bがオンのときリレー接点44aが開成する。このリレースイッチ44が「スイッチ手段」に相当する。
制御ユニット31は、CPUとROMとRAMを含むマイクロコンピュータ(図示略)と、数字キーとアルファベットキーを有する入力部31aと、液晶ディスプレイ31b(これが出力手段に相当する)と、入出力インタフェースと、外部の機器(例えば、ホストコンピュータ)との間でデータの送受信可能な通信用モデム31cとを有するものである。前記マイクロコンピュータのRAMには、種々のワークメモリが設けられ、前記の入力部31aから入力された後述する設定情報を記憶する情報記憶部として機能する。
図9はコンプレッサー8Bが連続運転するように指令されている場合において、コンプレッサー8Bへの給電をオフすることで節電する電力計測節電制御のタイムチャートを示すものである。時刻T1から時刻T2までの所定時間の間、コンプレッサー8Bが連続運転している場合には、時刻T2においてリレースイッチ44を介してコンプレッサー8Bへの給電をオフし、そのオフ状態を設定時間ΔT(時刻T2から時刻T3まで)の間継続し、その設定時間ΔT経過後にコンプレッサー8Bへの給電を再開する。
この実施例の電力計測節電制御を可能とするために、入力部31aからRAMの情報記憶部に入力設定する設定情報は例えば次の通りである。
(a) 制御開始タイミング: コンプレッサー8Bへの給電をオフする時刻T2
(b) 制御前確認時間:コンプレッサー8Bの連続運転継続時間( 時刻T1〜T2の間、消費電力W≧7.5kW)
(c) 制御継続時間:コンプレッサー8Bの給電オフ継続時間(時刻T2〜T3間の時間)
この電力計測節電制御のフローチャートは、前記図7のフローチャートとほぼ同様のものになるので、ここではフローチャートによる説明を省略する。
前記節電量Rの演算について説明する。
図9において、時刻T2以前の平均消費電力をW1、時刻T2〜T3の間の平均消費電力をW2とすると、節電量R=(W1−W2)×ΔT。尚、ΔT=(T3−T2)
尚、前記実施例1と同様に、上記の節電量Rを間接的に表す節電値(節電率、節電電力料金など)で出力するようにしてもよい。また、前記タイムチャートは、1回の電力計測節電制御を示すものであるが、各日の24時間を対象として時刻T2を複数通り設定することにより、この電力計測節電制御が1日に複数回作動するように構成することもできる。また、コンプレッサー8Bが冷凍機用のコンプレッサーである場合など、1叉は複数の温度センサからの検出信号に基づいてコンプレッサー8Bを制御するコントローラが設けられている場合にも、本考案を同様に適用することができる。本実施例の電力計測制御装置20は、前記電力計測制御装置10と基本的に同様の作用効果を奏するため重複説明は省略する。
前記実施例1〜3を部分的に変更する例について説明する。
(1)電力負荷設備を構成する機器は、前記実施例1〜3のものに限定される訳ではなく、ヒーター、複数の照明灯、湿度調整機などを含む種々の機器でもよい。
(2)実施例1〜3における、複数項目の設定情報は、複数例を示すものに過ぎず、電力計測節電制御に関連する種々の情報(制御の開始、待機、継続、中断、終了などに関連する種々の情報)を必要な数だけ設定することができる。
(3)実施例1〜3における制御ユニットのうちの、マイクロコンピュータと入出力インタフェースで構成する部分を、プログラマブルコントローラで構成することもある。
(4)その他、当業者であれば、前記実施例に種々の変更を付加した形で本考案の電力計測制御装置を実施可能であり、本考案はそれらも包含するものである。
本発明の実施例1の電力計測制御装置の構成図である。 図1の電力計測制御装置に係るタイムチャートである。 図1の電力計測制御装置による電力計測節電制御のフローチャートの一部である。 図3のフローチャートに後続するフローチャートの残部である。 実施例2の電力計測制御装置の構成図である。 図5の電力計測制御装置に係るタイムチャートである。 図5の電力計測制御装置による電力計測節電制御のフローチャートである。 実施例3の電力計測制御装置の構成図である。 図8の電力計測制御装置に係るタイムチャートである。
符号の説明
1 冷凍設備
2 排熱ファン
3,3A,3B 電力負荷設備
4,4A,4B 給電ライン
6 排熱ファン用給電ライン
6A,6B コンプレッサー用給電ライン
8A,8B コンプレッサー
9A コンプレッサー
10,20,30 電力測定制御装置
11,21,31 制御ユニット
11a,21a,31a 入力部
11b,21b,31b 液晶ディスプレイ(出力部)
11c,21c,31c 通信用モデム
12,32,42 電流検出器
13,33,43 電圧検出器
14,34,44 リレースイッチ

Claims (5)

  1. 電力を消費する1叉は複数の機器を有する電力負荷設備に供給する電力を計測し且つ制御する電力計測制御装置において、
    全部の機器へ給電する為の第1給電ラインを流れる電力を測定する電力測定手段と、
    前記特定の機器へ給電する第2給電ラインに介装されたスイッチ手段と、
    複数項目の設定情報を入力可能な入力部と、この入力部から入力された設定情報を記憶する情報記憶部とを有し、前記電力測定手段で測定された電力と前記情報記憶部に記憶された設定情報に基づいて前記スイッチ手段を制御する制御手段と、
    前記スイッチ手段を複数通りに切換えた給電状態における複数通りの給電電力を前記電力測定手段の測定結果から検知する検知手段と、
    前記検知手段の検知結果を用いて、前記制御手段により前記スイッチ手段を制御することにより前記特定の機器への給電を節電した節電量を直接的叉は間接的に表す節電値を演算する節電値演算手段と、
    前記節電値演算手段が演算した節電値を外部へ出力可能な出力手段と、
    を備えたことを特徴とする電力計測制御装置。
  2. 前記節電値を外部の装置へデータ送信可能な送信手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の電力計測制御装置。
  3. 前記制御手段は、外部の装置からデータ受信可能な受信手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の電力計測制御装置。
  4. 前記1叉は複数の機器は運転中に発熱を伴う発熱型機器と排熱ファンであり、前記特定の機器が排熱ファンであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の電力計測制御装置。
  5. 前記1叉は複数の機器は2つのコンプレッサーであり、前記特定の機器が一方のコンプレッサーであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の電力計測制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014509177A (ja) * 2011-02-02 2014-04-10 コンサート インコーポレイテッド 能動負荷管理の使用を通じて配分可能な運転用予備力エネルギーキャパシティを推定及び供給するシステム及び方法

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