JP3129230B2 - グロメットへの電線挿入装置 - Google Patents

グロメットへの電線挿入装置

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JP3129230B2
JP3129230B2 JP10036597A JP10036597A JP3129230B2 JP 3129230 B2 JP3129230 B2 JP 3129230B2 JP 10036597 A JP10036597 A JP 10036597A JP 10036597 A JP10036597 A JP 10036597A JP 3129230 B2 JP3129230 B2 JP 3129230B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はグロメットへの電線
挿入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にグロメットは、複数の被覆電線と
その外装部品との間に設けられる部品であり、各被覆電
線毎に挿通孔を備え、組立時に挿通孔に被覆電線を挿通
させる形式のものが多い。グロメットに被覆電線を挿入
する際には、作業性の観点から、複数の被覆電線を同時
にグロメットの挿通孔に挿通することが要請される。
【0003】そこで本件出願人は、先に実願平5−26
344号(実開平6−88127号)において、グロメ
ットに形成された複数の挿通孔に対し、対応する電線を
同時に挿入可能な挿入装置を提案している。その構成で
は、グロメットを保持するグロメット保持部と、保持さ
れたグロメットの挿通孔に挿入される被覆電線をクラン
プする電線クランプ部とを互いに相対的に変位可能に設
けている。そして先行技術においては、先端を予め突出
させた状態で被覆電線をクランプし、グロメット保持部
に保持されているグロメットを近接させることにより、
被覆電線を同時に仮挿入し、さらには、本挿入するよう
にしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した先行技術で
は、複数の被覆電線を同時に仮挿入し、本挿入すること
ができるので、手作業の場合と比べ、格段に作業性が向
上する。しかしながら、単に被覆電線の先端部を突出さ
せてグロメットの挿通孔に突き当てていたのでは、被覆
電線が座屈しやすくなり、好ましくない。特に、O2
ンサ用の信号線においては、被覆電線の材質がポリフッ
化エチレン系樹脂であるため、座屈した場合には塑性変
形が生じ、不良品となってしまう。しかも、O2センサ
用のグロメットに形成されている挿通孔は摺動抵抗が極
めて高いので、被覆電線の座屈が一層起こりやすくな
る。このため、先行技術では、特定の被覆電線をグロメ
ットに挿入する場合、予め別の仮挿入装置で被覆電線の
端部をグロメット内に仮挿入し、その後、挿入装置に被
覆電線とグロメットとを取り付けて、本挿入作業を行な
う必要があった。
【0005】本発明は上記不具合に鑑みてなされたのも
のであり、グロメットの挿通孔の摺動抵抗が大きい場合
においても、仮挿入と本挿入とを連続的に行なうことの
できるグロメットへの電線挿入装置を提供することを課
題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、複数の電線挿通孔が形成されたグロメッ
トを、当該電線挿通孔を開放した状態で保持するグロメ
ット保持部と、グロメット保持部と相対的に変位可能な
電線クランプとを備え、グロメット保持部と電線クラン
プとを、両者が近接する近接位置と離反する離反位置と
の間で相対的に変位させることにより、各挿通孔にそれ
と対応する特定の被覆電線を同時に挿通するグロメット
への電線挿入装置において、グロメット保持部と電線ク
ランプとの間に配置され、保持されたグロメットと相対
的に被覆電線が変位するのを許容した状態で対応する挿
通孔に被覆電線を位置決めする電線位置決め部を設けて
いることを特徴とするグロメットへの電線挿入装置であ
る。
【0007】この特定事項を含む発明では、グロメット
保持部と電線クランプとを相対的に変位させ、保持され
たグロメットをクランプされた被覆電線に近づけること
により、クランプされた被覆電線が電線位置決め部に位
置決めされた状態でグロメットの挿通孔に仮挿入され、
さらには本挿入されることになる。この際、被覆電線の
端部は、電線位置決め部によって位置決めされるので、
各挿通孔間のピッチに対応して被覆電線をそれぞれ対応
する挿通孔にガイドし、精緻な仮挿入を行なった後、本
挿入に移行することが可能になる。
【0008】好ましい態様において、上記電線位置決め
部は、グロメット保持部に固定され、被覆電線と直交す
る平面上に配置されるとともに被覆電線を列状に整列さ
せる整列溝が形成された固定側の仕切り板と、固定側の
仕切り板と平行に配置され、固定側の仕切り板に対して
被覆電線と直交する方向に相対変位可能にグロメット保
持部に取り付けられるとともに、上記相対変位により整
列溝に整列された被覆電線を個別に間仕切る間仕切り姿
勢と整列溝を開放する開放姿勢との間で変位する間仕切
り部を備えた可動側の仕切り板とを有している。
【0009】この特定事項を含む発明では、予め可動側
の仕切り板を開放姿勢に変位させてた状態で、固定側の
仕切り板の整列溝に被覆電線を整列させ、可動側の仕切
り板を間仕切り姿勢に変位することにより、複数の被覆
電線を容易且つ迅速に対応する挿通孔に位置決めするこ
とが可能になる。しかも、被覆電線と直交する平面上に
配置される仕切り板により被覆電線を位置決めしている
ので、グロメットと電線クランプとの対向間隔における
電線位置決め部の寸法を可及的に短く設定することが可
能になる。
【0010】また、別の態様において、上記電線クラン
プは、弾性を有し、且つ内周面の摩擦係数が低く、外周
面の摩擦係数が高い外装チューブで被覆された複数の被
覆電線をグロメットの挿通孔に挿入する場合に、当該外
装チューブを受ける受け面と、受け面に外装チューブを
加圧することにより、外装チューブを介し、受け面と協
働して被覆電線をクランプする加圧部とを含んでいる。
【0011】この特定事項を含む発明では、外装チュー
ブを介して被覆電線がクランプされるので、被覆電線は
外装チューブによって保護された状態で止定されること
になる結果、傷が生じにくくなる。しかも内周面の摩擦
係数が低いので、電線クランプで外装チューブを挟んだ
状態でグロメット保持部を近接位置から離反位置に引き
戻した際、グロメットと被覆電線との間に生じる摩擦抵
抗によって被覆電線をグロメットに追従させつつ、外装
チューブとの間では滑りを生じさせて、相対的に変位さ
せることが可能になる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら、
本発明の好ましい実施の形態について詳述する。先ず、
図6および図7を参照して、この実施の形態において対
象となる被覆電線とグロメットとについて説明する。
【0013】図6は被覆電線の一例としてのO2 センサ
用信号線を示す正面部分略図であり、図7は図6の被覆
電線を挿通させるグロメットの斜視図である。先ず図6
を参照して、同図に例示されている被覆電線は、O2
ンサ用の信号線Wを構成するものである。この信号線W
の被覆電線1は、耐熱性の観点からポリフッ化エチレン
系樹脂で形成され、それぞれガラスワニスチューブ2の
終端部から突出しており、各被覆電線1の終端部には、
被覆部3が先端近傍で切断されて完全には除去されてい
ない状態で残された、いわゆるハーフストリップ状態に
形成されている。他方、被覆電線1の基端部はコネクタ
Cに接続されているとともに、被覆電線1を覆うガラス
ワニスチューブ2の基端部は、このコネクタCによって
変位を規制されている。また、図示の実施の形態では、
ガラスワニスチューブ2の外周に金属製の保護外筒Rが
装着されている。
【0014】図7に示すように、上記信号線Wの被覆電
線1が挿通されるグロメット5は、各被覆電線1毎に特
定される挿通孔6を区画している。この挿通孔6は、略
円柱形に形成されたグロメット5の軸方向に沿って複数
個形成されており、個々の挿通孔6には、それに挿入さ
れるべき被覆電線1が割り当てられている。このグロメ
ット5は、直径Dが20mm程度の小さいものであり、
本体部5Aと本体部5Aに着脱可能に嵌合された樹脂リ
ング部5Bと、樹脂リング部5Bに対し着脱可能に設け
られたセパレート部5Cとの分割型になっており、上記
セパレート部5Cに形成されている挿通孔6は、本体部
5Aおよび樹脂リング部5Bに形成されている部位より
もかなり小径になっている。
【0015】図1は本発明の実施の一形態における電線
挿入装置10の斜視図である。同図を参照して、上述の
ような被覆電線1をグロメット5に挿入するために、電
線挿入装置10は、平面視略長方形のベース板11の一
端側上面に立設された電線クランプ20と、電線クラン
プ20に対向して配置され、グロメット5を保持するた
めのグロメット保持部30と、グロメット保持部30
を、ベース板11の長手方向に沿って往復移動させるこ
とにより、グロメット保持部30を電線クランプ20に
近接する近接位置と離反する離反位置とに変位するリン
クレバー機構40とを備えている。
【0016】上記電線クランプ20は、ベース板11上
に図示しないボルトで固定されている固定ブロック21
と、固定ブロック21の上面を開閉するカバー部材22
と、カバー部材22を固定ブロック21に取り付けるば
ね付蝶番23とを備えている。上記固定ブロック21の
上面には、ベース板11の長手方向に沿う矩形横断面に
形成された受け面としての溝24が形成されており、こ
の溝24に信号線Wの外装チューブとしてのガラスワニ
スチューブ2の終端部位を載置できるようになってい
る。
【0017】他方、カバー部材22は、上記蝶番23に
より、ベース板11の長手方向に沿う軸線回りに回動可
能に固定ブロック21に取り付けられ、その軸線の径方
向長さLは、固定ブロック21よりも長くなってレバー
を兼ねている。そして、カバー部材22が固定ブロック
21の上面を閉じた際に上記溝24と対向する部位に
は、溝24内に載置されたガラスワニスチューブ2を挟
圧する、加圧部としての挟圧板25が貼着されている。
この挟圧板25は比較的摩擦係数の高い材質で構成され
ており、カバー部材22を閉じることによりガラスワニ
スチューブ2を挟圧した場合に、挟圧力が比較的弱くて
もガラスワニスチューブ2が位置ずれしないようになっ
ている。
【0018】ばね付蝶番23は、その付勢力により、図
において、反時計回り方向にカバー部材22を付勢して
いる。この結果、カバー部材22は図示の通り、通常は
固定ブロック21を開いた姿勢になっている。図2は図
1の実施の形態の要部を示す斜視図である。同図に示す
ように、上記グロメット保持部30は、概ね矩形のブロ
ック本体31と、ブロック本体31の上面を開閉するカ
バー部材32と、カバー部材32をブロック本体31に
取り付けるばね付蝶番33とを備えている。
【0019】ブロック本体31は、後述するリンクレバ
ー機構40により、ベース板11上でその長手方向に沿
って往復移動可能に構成されており、その上面には、グ
ロメット5をベース板11の長手方向に中心線を沿わせ
た状態で載置可能な半円形の段付溝34が区画されてい
る。段付溝34は両端部が小径に窪む形状に形成されて
おり、その肩部により、グロメット5は、その中心線方
向の移動が規制された状態で載置される。また、段付溝
34は、その両端がベース板11の長手方向に沿って開
放されており、段付溝34に載置されたグロメット5の
挿通孔6をベース板11の長手方向に沿って開放できる
ように設定されている。
【0020】上記カバー部材32は上記蝶番33によ
り、ベース板11の長手方向に沿う軸線回りに回動可能
にブロック本体31に取り付けられている。そして、カ
バー部材32がブロック本体31の上面を閉じた際に上
記段付溝34と対向する部位には、該段付溝34に対応
する反円形の段付溝35が形成されている。さらに、図
示の実施の形態においては、カバー部材32のブロック
本体31上面と対向する面に突起36を形成し、ブロッ
ク本体31には、突起36を受ける凹部37を形成して
いる。そして、ブロック本体31に凹部37内に露出す
る周知のボールプランジャ38を設けることにより、カ
バー部材32がブロック本体31を閉じた際に、ボール
プランジャ38が突起36に係止することにより、カバ
ー部材32の変位を規制できるようになっている。
【0021】ばね付蝶番33は、その付勢力により、図
において、時計回り方向にカバー部材32を付勢してい
る。この結果、カバー部材32は図示の通り、通常はブ
ロック本体31を閉じた姿勢になっている。他方、上記
ボールプランジャ38はカバー部材32が閉じた姿勢を
維持できるようにその止定力が設定されている。また、
ブロック本体31とカバー部材32とにそれぞれ形成さ
れた段付溝34、35は、カバー部材32の閉塞時にグ
ロメット5の周方向の変位を規制するように締めつけ可
能な寸法に設定されている。
【0022】図1に戻って、上記本体ブロック31の電
線クランプ20と反対側には、樋状の電線受け39が突
設されており、ベース板11の長手方向に沿って水平に
延びている。電線受け39は本体ブロック31と一体的
に往復移動することにより、本体ブロック31に保持さ
れたグロメット5に挿通された被覆電線1の端部を受け
るようになっている。また、電線受け39には、図示し
ない目盛りが記されており、この目盛りによってグロメ
ット5に挿通された被覆電線1の挿通代を測定できるよ
うになっている。
【0023】次に、上記リンクレバー機構40は、ベー
ス板11の他端部に固定される装着部材41と、装着部
材41に一端部が支点P1により軸支されている第1の
リンクアーム42と、第1のリンクアーム42の他端側
に基端部が固定されているハンドル43と、上記リンク
アーム42の途中部に一端が支点P2により軸支されて
いる第2のリンクアーム44と、第2のリンクアーム4
4の他端部に支点P3により基端部が軸支されるロッド
45とを備えている。上記ロッド45は装着部材41に
溶着された筒状の軸受46によってベース板11の長手
方向に沿い往復移動可能に支持されているとともに、そ
の先端部は上記グロメット保持部30のブロック本体3
1を担持している。そして、上記ハンドル43を支点P
1回りに反時計回り方向に回動させることにより、第
1、第2のリンクアーム42、43が各支点P2、P3
を節として変位し、ロッド45をベース板11の長手方
向に沿って駆動する。この結果、ロッド45に一体的に
担持されているグロメット保持部30は、図1に示す離
反位置と後述する図5に示す近接位置との間で往復移動
できるようになっている。
【0024】以上のような構成において、図示の実施の
形態では、上記グロメット保持部30に電線位置決め部
50が設けられている。図2に示すように、電線位置決
め部50は、グロメット保持部30の、電線クランプ2
0と対向する端面に固定された固定側の仕切り板51
と、上記端面にピン52により回動可能に取り付けられ
た一対の可動側の仕切り板53とを備えている。
【0025】この側の仕切り板51には、グロメット保
持部30に保持されるグロメット5の挿通孔6に対応し
て、整列溝としての二条の電線ガイドスリット54が形
成されている。電線ガイドスリット54は、互いに上下
に平行に延びて上側に開いている。そして、これら二条
の電線ガイドスリット54により、複数の被覆電線1を
それぞれの挿通孔に対応させて、左右に仕分けできるよ
うになっている。
【0026】他方、可動側の仕切り板53は、上記端面
に左右対称に配置され、上述したピン52により、ベー
ス板11の長手方向に沿う軸回りに基端側が回動可能に
支持され、自由端側が上記電線ガイドスリット54を開
閉可能に設けられている。そして、各仕切り板53、5
3の自由端側に、それぞれの対向側に開く二条の電線ガ
イドスリット56を形成することにより、固定側の仕切
り板51によって電線ガイドスリット54内に仕分けら
れた被覆電線1を上下に仕分け、各被覆電線1をグロメ
ット保持部30に保持されたグロメット5の挿通孔6に
位置決めできるようになっている。
【0027】図示の実施の形態において、一方の仕切り
板53と他方の仕切り板53の間には、圧縮コイルばね
57が縮設されており、通常は各仕切り板53の自由端
が固定側の仕切り板51の電線ガイドスリット54を開
くように付勢されている。次に、図1ないし図5を参照
して上述した実施の形態の作用について説明する。
【0028】図3は図1の実施の形態における仮挿入工
程の要部を示す斜視図であり、図4は図1の実施の形態
における仮挿入工程の要部を示す側面部分略図であり、
図5は図1の実施の形態における本挿入工程を示す斜視
図である。先ず、図1ないし図3を参照して、図示の実
施の形態における被覆電線1のグロメット5への挿入
は、仮挿入工程を経て本挿入工程を連続的に行なうもの
である。
【0029】図1に示すように、仮挿入工程では、リン
クレバー機構40のハンドル43を操作して、グロメッ
ト保持部30を離反位置に変位させておく。その状態
で、グロメット5の各挿通孔6を、固定側の仕切り板5
1の対応する電線ガイドスリット54に対向させ(図2
参照)、カバー部材32を閉じることにより保持する
(図3参照)。これによりグロメット5は、周方向にも
軸方向にも変位が規制された状態でグロメット保持部3
0に保持される。
【0030】他方、仮挿入を行なうために、信号線W
は、そのガラスワニスチューブ2の終端が電線クランプ
20の溝24内に載置される(図1参照)。この状態
で、各被覆電線1は、電線位置決め部50の固定側の仕
切り板51に形成された電線ガイドスリット54内に左
右に仕分けられ、図3に示すように一方の手で可動側の
仕切り板53を閉じることにより、さらに上下に仕分け
られる。これにより、各被覆電線1は、グロメット5に
形成された各挿通孔6のピッチに対応して、位置決めさ
れ、それぞれが挿入されるべき挿通孔6に挿入可能に位
置決めされる。この可動側の仕切り板53による被覆電
線1の仕分けを行なった後、図4に示すように、上述し
た電線クランプ20のカバー部材22を掌で押さえ、そ
の指先で仕切り板53を閉じて被覆電線1をクランプす
る。
【0031】そして、図3および図4に示す状態でリン
クレバー機構40のハンドル43を操作することによ
り、グロメット保持部30を少しずつさぐりをつけなが
ら電線クランプ20の方に近づけることにより、被覆電
線1の仮挿入を行なうことができる。被覆電線1がグロ
メット5に仮挿入されると、そのまま作業は本挿入工程
に移行する。この本挿入工程において、作業者は、仕切
り板53を離し、専ら電線クランプ20のカバー部材2
2のみを一方の手で操作し、他方の手でリンクレバー機
構40のハンドル43を操作する。
【0032】この際、作業者は電線クランプ20のカバ
ー部材22の押圧を緩め、リンクレバー機構40のハン
ドル43を戻すこと(以下「復動操作」という)により
グロメット保持部30を電線クランプ20から引離し、
挿入ストロークを確保するとともに、電線クランプ20
のカバー部材22を強く押さえ込み、グロメット操作部
30が近接位置に変位するようにハンドル43を回動す
る操作(以下「往動操作」という)により、被覆電線1
をクランプした状態でこれとは相対的にグロメット5を
変位させ、グロメット5の挿通孔6内に被覆電線1を挿
通させる。
【0033】ここで、図示の実施の形態では、被覆電線
1がガラスワニスチューブ2を介して電線クランプ20
にクランプされているとともに、上記復動操作では、カ
バー部材22の押圧が緩められた状態でハンドル43が
戻されるので、往動操作から復動操作に移行すると、被
覆電線1は、グロメット5の挿通孔6との間で生じる摩
擦抵抗により、グロメット保持部30の離反動作に追従
してグロメット5と一体的に移動する一方、ガラスワニ
スチューブ2は、その外周側と内周側との摩擦係数の相
違により、電線クランプ20にクランプされ、止定され
たままの状態で被覆電線1の変位を許容する。この結
果、被覆電線1がガラスワニスチューブ2から引き出さ
れることになる。また、これによって、被覆電線1の基
端部が接続されているコネクタCがガラスワニスチュー
ブ2を電線クランプ20との間で圧縮することになり、
ガラスワニスチューブ2は、図5に示すように軸方向に
圧縮されながら被覆電線1が引き出されるのを許容する
ことになる。そして、上述した電線受け39に記された
目盛りで挿入された被覆電線1の長さを目測しながら上
記往動操作と復動操作とを繰り返すことにより、グロメ
ット5内に被覆電線1が正規の挿入代まで挿入されるこ
とになる。
【0034】以上説明したように、上述した実施の形態
では、被覆電線1をグロメット5の電線挿通孔6に挿入
するに当たり、精緻な仮挿入を行なった後、本挿入に移
行することが可能になるので、グロメット5の挿通孔6
の摺動抵抗が大きい場合においても、仮挿入と本挿入と
を連続的に行なうことができるという顕著な効果を奏す
る。
【0035】特に、仕切り板51、53を採用すること
により、複数の被覆電線1の位置決めが容易迅速になる
他、グロメット5と電線クランプ20との対向間隔にお
ける電線位置決め部50の寸法を可及的に短く設定する
ことが可能になるので、グロメット保持部30を離反位
置から近接位置に変位させる際のストロークを長く確保
することができるという利点がある。
【0036】また、ガワスワニスチューブ2を介して被
覆電線1をクランプしているので、被覆電線1に傷が生
じにくくなる他、グロメット保持部30を近接位置から
離反位置に引き戻した際、被覆電線1とガワスワニスチ
ューブ2との間に滑りを生じさせて、相対的に変位させ
ることが可能になるため、グロメット保持部30を近接
位置と離反位置との間で複数回往復させて、所期の挿入
代を得る際に、被覆電線1をガワスワニスチューブ2か
ら引き出しながら挿入作業を繰り返すことができる結
果、この点からも作業性が向上するという利点がある。
【0037】上述した実施の各形態は本発明の好ましい
具体例を例示したものに過ぎず、本発明は上述した実施
の形態に限定されない。本発明の特許請求の範囲内で種
々の設計変更が可能であることは云うまでもない。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のグロメッ
トへの電線挿入装置においては、被覆電線をグロメット
の電線挿通孔に挿入するに当たり、精緻な仮挿入を行な
った後、本挿入に移行することが可能になるので、グロ
メットの挿通孔の摺動抵抗が大きい場合においても、仮
挿入と本挿入とを連続的に行なうことができるという顕
著な効果を奏する。
【0039】特に、被覆電線と直交する平面上に配置さ
れた固定側および可動側の仕切り板により被覆電線を仕
切っている場合には、複数の被覆電線の位置決めが容易
迅速になる他、グロメットと電線クランプとの対向間隔
における電線位置決め部の寸法を可及的に短く設定する
ことが可能になるので、グロメット保持部を離反位置か
ら近接位置に変位させる際のストロークを長く確保する
ことができるという利点がある。
【0040】また、外装チューブを介して被覆電線をク
ランプする場合には、被覆電線に傷が生じにくくなる
他、グロメット保持部を近接位置から離反位置に引き戻
した際、被覆電線と外装チューブとの間に滑りを生じさ
せて、相対的に変位させることが可能になるので、グロ
メット保持部を近接位置と離反位置との間で複数回往復
させて、所期の挿入代を得る際に、被覆電線を外装チュ
ーブから引き出しながら挿入作業を繰り返すことができ
る結果、この点からも作業性が向上するという利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態における電線挿入装置の
斜視図である。
【図2】図1の実施の形態の要部を示す斜視図である。
【図3】図1の実施の形態における仮挿入工程の要部を
示す斜視図である。
【図4】図1の実施の形態における仮挿入工程の要部を
示す側面部分略図である。
【図5】図1の実施の形態における本挿入工程を示す斜
視図である。
【図6】被覆電線の一例としてのO2 センサ用信号線を
示す正面部分略図である。
【図7】図6の被覆電線を挿通させるグロメットの斜視
図である。
【符号の説明】
10 挿入装置 20 電線クランプ 24 溝(受け面) 25 押圧板(加圧部) 30 グロメット保持部 40 リンクレバー機構 50 電線位置決め部 51 仕切り板 53 仕切り板

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の電線挿通孔が形成されたグロメット
    を、当該電線挿通孔を開放した状態で保持するグロメッ
    ト保持部と、グロメット保持部と相対的に変位可能な電
    線クランプとを備え、グロメット保持部と電線クランプ
    とを、両者が近接する近接位置と離反する離反位置との
    間で相対的に変位させることにより、各挿通孔にそれと
    対応する特定の被覆電線を同時に挿通するグロメットへ
    の電線挿入装置において、 グロメット保持部と電線クランプとの間に配置され、保
    持されたグロメットと相対的に被覆電線が変位するのを
    許容した状態で対応する挿通孔に被覆電線を位置決めす
    る電線位置決め部を設けていることを特徴とするグロメ
    ットへの電線挿入装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載のグロメットへの電線挿入装
    置において、 上記電線位置決め部は、グロメット保持部に固定され、
    被覆電線と直交する平面上に配置されるとともに被覆電
    線を列状に整列させる整列溝が形成された固定側の仕切
    り板と、 固定側の仕切り板と平行に配置され、固定側の仕切り板
    に対して被覆電線と直交する方向に相対変位可能にグロ
    メット保持部に取り付けられるとともに、上記相対変位
    により整列溝に整列された被覆電線を個別に間仕切る間
    仕切り姿勢と整列溝を開放する開放姿勢との間で変位す
    る間仕切り部を備えた可動側の仕切り板とを有している
    グロメットへの電線挿入装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載のグロメットへの電
    線挿入装置において、 上記電線クランプは、弾性を有し、且つ内周面の摩擦係
    数が低く、外周面の摩擦係数が高い外装チューブで被覆
    された複数の被覆電線をグロメットの挿通孔に挿入する
    場合に、当該外装チューブを受ける受け面と、受け面に
    外装チューブを加圧することにより、外装チューブを介
    し、受け面と協働して被覆電線をクランプする加圧部と
    を含んでいるグロメットへの電線挿入装置。
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