JP3127741B2 - 無線通信回線制御方式 - Google Patents

無線通信回線制御方式

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JP3127741B2
JP3127741B2 JP29035894A JP29035894A JP3127741B2 JP 3127741 B2 JP3127741 B2 JP 3127741B2 JP 29035894 A JP29035894 A JP 29035894A JP 29035894 A JP29035894 A JP 29035894A JP 3127741 B2 JP3127741 B2 JP 3127741B2
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博康 石川
英雄 小林
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ケイディディ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディジタル固定無線通
信システム、ディジタル移動無線通信システム、ディジ
タル固定衛星通信システム並びにディジタル移動体衛星
通信システム等の全ての無線通信システムに適用可能
で、リクエスト信号の制御に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、商用化されている小型地球局を用
いた固定衛星通信システムの一つとして、VSAT(V
ery Small Aperture Termin
al)システムが挙げられる。VSATシステムの運用
に対しては、リクエスト制御手順としてスロッテッドア
ロハ(S−ALOHA)方式とデマンドアサイン型多重
リクエスト(DAMA)方式が主として利用されてい
る。S−ALOHA方式は全ユーザーが決められたスロ
ットタイミングに基づき、ランダムに通信パケットを中
央地球局に対して送信することにより通信のやり取りを
行なう方式であり、カードの照合、POSデータ送信等
のデータ長の短い通信に対して有効である。
【0003】一方、DAMA方式では、まず最初に地上
のVSAT局から通信チャネル要求信号(リクエスト信
号)が中央地球局に対し送信され、中央地球局ではリク
エスト信号で通知された通信情報量に基づき、VSAT
局に対して情報伝送に必要なTDMAスロット数を割当
てる。VSAT局では中央地球局から送信されたACK
信号に含まれる通信チャネル割当て情報を基に、指定さ
れた通信スロットタイミングで情報信号の伝送を行な
う。
【0004】このように、DAMA方式では一旦通信チ
ャネルが割当てられると他のVSAT局から送信される
パケット信号との間の衝突が無くなるため、高品質で安
定した通信を行なうことができる。
【0005】しかしながら、DAMA方式ではS−AL
OHA方式とは異なり必ずリクエスト信号を送信して通
信チャネル割当て情報を中央地球局から取得する必要が
あるため、情報伝送を開始するまでに2ホップの伝送遅
延を生じてしまう。そのため、送信すべき情報量が1ス
ロット程度の短い情報伝送には向かず、ファイル転送、
バッチ処理等の比較的データ量の多い通信に対して、よ
り高いスループットを実現することが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】リクエスト制御手順と
して前記に示すS−ALOHA方式を適用した場合、ト
ラフィック量、すなわち通信の要求頻度が増加すると通
信チャネルの割当て要求を意味するリクエスト用パケッ
ト信号の衝突が頻繁に起こり、伝送遅延が極めて大きく
なり、スループットが低下するという問題がある。
【0007】一方、デマンドアサイン方式においても依
然として最初のチャネル割当て要求信号送信時に他のV
SAT局のリクエスト用パケット信号と衝突するという
問題が存在し、トラフィック量が増加すると頻繁にリク
エスト信号の送信時にパケット信号の衝突が発生し、伝
送遅延量が極めて大きくなるという問題が生じる。特
に、非常に多くのVSAT局を対象としたシステムで
は、これら従来技術では効率的な通信サービスをユーザ
ーに対して提供することが極めて困難であり、何らかの
新しいリクエスト制御手順を開発しなければならない。
【0008】以上の問題を解決するために、特願平5−
325768の「無線通信回線制御方式」において、各
小型地球局ごとに異なる周波数及び送信タイミングを持
つ単一周波数信号をリクエスト信号として事前に付与
し、中央地球局に対して通信チャネルの割当て要求を意
味するリクエスト信号を複数の小型地球局から同時に送
出可能とする回線制御方式が提案されている。ここで、
中央地球局では複数の単一周波数信号からなる合成信号
を受信、並びにその受信信号を各単一周波数信号の周波
数ごとに分離し、単一周波数信号の周波数とスロットタ
イミングから、何れの小型地球局からリクエスト信号が
送信されたかを常時認識することができる。
【0009】この方式により、リクエスト信号送出時の
パケット衝突の問題を解決することが可能である。
【0010】しかしながら、複数の単一周波数信号が同
時に各小型地球局から送信され、それらが合成信号とし
て非線形特性を有する衛星の中継増幅器に入力・増幅さ
れるため、衛星の出力信号には増幅器による非線形歪み
が生じ、中央地球局の受信機において複数の単一周波数
信号を精度良く分離、かつ、認識することが極めて困難
となる。
【0011】更に、小型地球局の送信機から放射される
電波には本来の通信に用いる搬送波以外に、送受信機回
路あるいは他システムから輝線スペクトルを持つ不要波
が重乗される可能性がある。このような不要波の発射を
スプリアスと呼ぶが、その輝線スペクトルは、リクエス
ト用の単一周波数信号との区別をつけることが非常に困
難となる。すなわち、スプリアス信号を単一周波数信号
として誤検出する可能性、あるいはスプリアス信号の干
渉によるリクエスト用単一周波数信号の不検出の可能性
が大きくなるため、リクエスト信号の有無の認識確率が
劣化するという問題が生じる。
【0012】本発明は、このような単一周波数信号をリ
クエスト信号として用いる従来技術の欠点を解消し、衛
星の非線形増幅器の影響、並びに送受信機あるいは他シ
ステムからのスプリアスの影響を受けにくく、かつ、リ
クエスト信号の効率的な伝送を可能とする無線通信回線
制御方式を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明による無線通信回線制御方式は、個々の小型
地球局に対して周波数及び送信タイミングが異なる単一
周波数信号をリクエスト信号として事前に付与し、小型
地球局に割り当てられた単一周波数信号の送信周波数を
リクエスト信号送信区間において時間軸上で連続的に変
化させ、周波数軸上である一定の帯域幅に拡散すること
により、複数の小型地球局から同時に中央地球局に対し
て通信チャネルの割当てを要求するためのリクエスト信
号を送出し、中央地球局では周波数軸上で連続的に変化
する複数の単一周波数信号からなる合成信号を受信し、
中央地球局の有する受信装置では受信した合成信号に対
して、リクエスト信号送信時とは可逆な関係となる周波
数変換を時間軸上で連続的に施し、逆拡散操作を実行す
ることにより、受信合成信号を各小型地球局ごとの単一
周波数信号の周波数ごとに分離し、単一周波数信号の周
波数と送信タイミングから、何れの小型地球局からリク
エスト信号が送信されたかを常時認識し、その情報を用
いて中央地球局からは通信チャネルの割当てを要求する
小型地球局群に対して通信チャネルの割当て情報を下り
回線を用いて伝送することにより、衛星中継器の非線形
性および小型地球局の有する送信機から発生するスプリ
アス信号の影響を除去することを特徴とする構成を有し
ている。
【0014】更に、リクエスト用の単一周波数信号の送
信周波数をリクエスト信号送信区間にて時間軸上で連続
的に変化させ、周波数軸上である一定の帯域幅に周波数
拡散を施す手法において、同一の単一周波数信号を異な
る複数の子局に同時に割り当て、それらを周波数軸上の
正負の方向に時間軸上で異なる変化率で各々連続的に変
化させることにより、複数のリクエスト信号を単一周波
数信号の搬送波周波数を中心として正負の方向に異なる
拡散率で拡散し、一方、親局の有する受信装置では、そ
の拡散された同一周波数の複数の単一周波数信号の拡散
合成信号に対して、リクエスト信号送信時と時間軸上で
可逆の関係となる周波数変換を全種類の拡散率について
並列的に行ない、逆拡散操作を実行することにより、複
数の子局からのリクエストの有無が一度に認識可能とな
り、同一周波数の単一周波数信号による異なる複数の小
型地球局からのリクエスト信号の識別を可能とすること
を特徴とする構成を有している。
【0015】
【作用】このように異なる周波数を有する単一周波数信
号を通信チャネル割当て要求用のリクエスト信号として
用い、リクエスト信号送信区間に亘って時間軸上で連続
的に変化させ、周波数軸上で拡散させることにより、複
数の小型地球局がリクエスト信号を中央地球局に対して
同時に伝送することが可能となる。すなわち、従来のS
−ALOHA方式やDAMA方式のリクエスト用パケッ
ト信号の送出の際に生じるパケットの衝突の問題を解決
することができ、高い伝送効率を達成することが可能と
なる。
【0016】更に、複数の単一周波数信号から成る合成
信号を衛星の非線形増幅器に入力した場合、増幅器の非
線形特性によって異なる周波数の単一周波数信号間の相
互変調波が生じ、単一周波数信号の送信周波数とは異な
る周波数にスペクトルが発生することによって中央地球
局の受信機における複数の単一周波数信号の分離、認識
を精度良く実現することが極めて困難であったが、リク
エスト信号を瞬時スペクトルが小さく、非線形増幅器の
影響を受けにくい拡散信号とすることにより、衛星中継
器出力時の相互変調波の発生を抑え、中央地球局の受信
機におけるリクエスト信号の分離、認識を容易に行なう
ことができる。更に、小型地球局が有する送受信機ある
いは他システムから発生するスプリアス信号に対して、
中央地球局の有する受信機で逆拡散操作を施すことによ
り、スプリアス信号のスペクトルが拡散され、リクエス
ト用の単一周波数信号への影響を除去することができ
る。このように、本発明方式を無線通信システムの回線
制御手順に適用することにより、従来の単一周波数信号
をリクエスト信号として用いる回線制御方式で問題であ
ったリクエスト信号の誤検出・不検出の増加の問題を解
消することが可能となる。
【0017】
【実施例】図1に、本発明方式のシステム構成図の実施
例につき示す。図において総数L局(L=2m+1:m
は自然数)の各小型地球局3には事前に周波数f1 〜f
L、スロット番号Mのリクエスト用単一周波数信号が割
当てられており、小型地球局から通信の要求が生じた場
合には、そのリクエスト用単一周波数信号を用いて通信
衛星1を介して中央地球局2に対する通信チャネルの割
当て要求が行なわれる。このとき、各小型地球局が有す
る変調器は、以下の計算式に基づいて自局が送信する単
一周波数信号をリクエスト信号送信区間において時間軸
上で連続的に変化させる。 fk =P×cos[(ωC +2π{k−(L+1)/
2}Δf)t+at2 +θk ] ここで、fk はk番目の小型地球局のリクエスト用周波
数拡散信号、Pはリクエスト信号の送信電圧レベル、f
C =ωC /2πは搬送波の中心周波数、Δfは単一周波
数信号の周波数間隔、aは単一周波数信号を時間軸上で
連続的に変化させる際の位相シフト係数、θk はk番目
の小型地球局のリクエスト用単一周波数信号の初期位相
を各々表す。
【0018】このとき、全てのリクエスト用単一周波数
信号4−1〜4−Lの搬送波周波数f1 〜fL は、図2
(a)のように時間軸上で連続的に周波数を変化させら
れるため、図2(b)のように周波数軸上において帯域
幅2aTa に拡散された周波数拡散信号5−1〜5−L
として送信される。ただし、Ta はリクエスト信号区間
長11を表す。ここで、このリクエスト用周波数拡散信
号5−1〜5−Lは、複数の小型地球局から同時に送信
されるため、衛星中継器では周波数拡散合成信号6とし
て入力、かつ、増幅され、その結果、中央地球局の有す
る受信機では複数のリクエスト用周波数拡散信号による
周波数拡散合成信号6の多重増幅信号として受信され
る。次に、中央地球局の有する受信機では、受信した周
波数拡散合成信号に対して、送信時とは可逆の関係とな
る周波数変換を以下の変換式に基づいて行なう。まず、
高周波信号として受信した周波数拡散合成信号をベース
バンド信号に変換すると、周波数拡散合成ベースバンド
信号fb
【0019】
【数1】
【0020】として表される。ただし、実際には衛星中
継器の有する増幅器や伝搬による減衰等により、受信電
圧レベルが送信時と異なるため、受信電圧レベルを新た
にAとして表現している。次に、周波数拡散合成ベース
バンド信号に対して、送信時とは可逆の関係となる周波
数変換を以下の変換式に基づいて行なう。
【0021】
【数2】
【0022】以上の逆拡散操作により、周波数拡散され
たリクエスト用周波数拡散合成信号6は、図2(c)に
示す時刻tにおける受信機出力信号7−1〜7−Lの経
過を経て、図2(d)に示す各小型地球局に割り当てら
れた単一周波数受信信号8−1〜8−Lの合成受信信号
9に再変換することができる。ここで、各小型地球局3
から送信される単一周波数信号は異なる周波数f1 〜f
L が割当てられているため、複数の小型地球局3が同時
にリクエスト信号を中央地球局2に対して送信したとし
ても、中央地球局2の有する受信機により単一周波数信
号の合成信号を各周波数ごとに分離することができる。
この受信機出力に基づき、通信チャネルの割当てを要求
している特定の小型地球局に対する通信チャネルの割当
てが中央地球局2の有する回線制御装置により行なわ
れ、通信の対象となる小型地球局3の識別番号(ID番
号)と割当てスロット番号からなる通信チャネル情報は
下り回線により放送される。ここで小型地球局3では、
中央地球局2からの下り回線信号を常時受信しており、
自局のID信号が含まれている情報信号のみを検出し、
自局に割当てられた通信スロット番号から送信タイミン
グを認識し、小型地球局からの情報信号の送信を開始す
る。
【0023】図3に、本発明方式を具体的にTDMA方
式に適用する場合の信号フレームフォーマット及びリク
エスト信号スペクトルの実施例につき示す。図におい
て、Tf は1TDMAフレーム12のフレーム長(フレ
ーム周期)、Ts はTDMAスロット13のスロット
長、Δfは拡散前の単一周波数信号の周波数間隔16、
並びにf1 、f2 、…、fL は各小型地球局に事前に付
与される拡散前の単一周波数信号14を各々表す。ま
た、TDMAフレームの最初のスロットにはリクエスト
信号送信区間11が設定されており、この区間において
各小型地球局からのリクエスト信号の送出が行なわれ、
一方、各単一周波数信号14は中央地球局2の有する受
信機により分離することが可能である。
【0024】ここで、各小型地球局3には各々事前に個
別のリクエスト用のスロット番号と単一周波数信号周波
数が割当てられており、小型地球局3は通信の要求があ
る場合に自局に割り当てられた単一周波数信号をリクエ
スト区間中、時間軸上で連続的に周波数を変化させなが
ら送信する(図2(a))。その結果、リクエスト信号
区間に伝送された単一周波数信号のスペクトルは、図2
(b)に示すように帯域幅2aTa を有する拡散信号5
−1〜5−Lとなる。逆に、中央地球局の有する受信機
では、受信した周波数拡散合成ベースバンド信号に対し
て逆拡散の操作が施されるため、図2(d)に示すよう
に各小型地球局に割り当てられた複数の単一周波数信号
を分離生成することができる。
【0025】次に、図4および図5に、本発明方式であ
る単一周波数拡散/逆拡散リクエスト方式の実施例につ
き示す。前項までの実施例では、各小型地球局ごとに独
立の単一周波数信号をリクエスト信号として割り当てて
いたが、以下の手法を用いることにより、ある特定の周
波数の単一周波数信号を複数の小型地球局に同時に割り
当てることが可能となる。すなわち、複数の同一周波数
の単一周波数信号を、その搬送波周波数を中心として図
4に示すように周波数軸上の正負の方向に異なる複数の
位相シフト係数a1 〜aJ (20−1〜20−J)で時
間軸上で変化させると、各単一周波数信号は図5に示す
ように周波数軸上で異なる帯域幅2a1a 〜2aJa
(21−1〜21−J)に拡散される。このリクエス
ト用周波数拡散信号を計算式で表すと、 fk,i =P×cos[(ωC +2π{k−(L+1)/
2}Δf)t+ai2+θk ] で示される。ここで、fk,i はk番目の単一周波数信号
を用いるグループ化されたJ局の小型地球局の中でi番
目の小型地球局のリクエスト用周波数拡散信号、ai
グループ化されたJ局の小型地球局のうちi番目の小型
地球局のリクエスト用単一周波数信号を時間軸上で連続
的に変化させる際に用いる位相シフト係数を各々表す。
尚、このリクエスト用周波数拡散信号fk,i は、多数の
小型地球局から同時に送信されるため、衛星中継器では
周波数拡散合成信号として入力、かつ、増幅され、その
結果、中央地球局の有する受信機では多数のリクエスト
用周波数拡散信号による周波数拡散合成信号の多重増幅
信号として受信される。
【0026】次に、中央地球局の有する受信機では、受
信した周波数拡散合成信号に対して、送信時とは可逆の
関係となる周波数変換を以下の変換式に基づいて行な
う。まず、高周波信号として受信した周波数拡散合成信
号をベースバンド信号に変換すると、周波数拡散合成ベ
ースバンド信号fb
【0027】
【数3】
【0028】として表される。ただし、実際には衛星中
継器の有する増幅器や伝搬による減衰等により、受信電
圧レベルが送信時と異なるため、受信電圧レベルを新た
にAとして表現している。次に、周波数拡散合成ベース
バンド信号に対して、送信時とは可逆の関係となる周波
数変換を以下の変換式に基づいて行なう。
【0029】
【数4】
【0030】以上の逆拡散操作により、(L×J)局の
小型地球局のうち、時間軸上において位相シフト係数a
i で周波数拡散されたi番目の全ての小型地球局(L
局)に割り当てられたリクエスト用周波数拡散合成信号
は、i番目の小型地球局に割り当てられたL個の単一周
波数信号の合成信号に再変換することができる。ここ
で、各小型地球局3から送信される単一周波数信号は異
なる周波数が割当てられているため、L局の小型地球局
3が同時にリクエスト信号を中央地球局2に対して送信
したとしても、中央地球局2の有する受信機により単一
周波数信号の合成信号を各周波数ごとに分離することが
できる。以上の操作をi=1〜Jの全てのai に対して
施すことにより、最終的にL×J局の小型地球局からの
リクエストの有無を一度に認識することができる。
【0031】次に、小型地球局の有する送信機、並びに
中央地球局の有する受信機の具体的な回路構成につい
て、図6および図7にその実施例につき各々示す。ただ
し、位相シフト係数を複数個用いる回線制御方式を対象
とする実施例を示すものとする。
【0032】図6において、回線制御回路39では、小
型地球局の有する受信機において別途検出されたフレー
ムタイミング38から、単一周波数信号と情報データ信
号42の送信タイミングを常時認識しており、単一周波
数信号発生器31とデータ信号制御回路43の切替制御
を正確に行なうことができる。ここで、単一周波数信号
発生器32から生成されたリクエスト用の単一周波数信
号32は、位相シフト器33により、時間軸上で連続的
に+ai2 (0<t<TS )の位相シフトが加えられ
る。この位相シフト器により、単一周波数信号のスペク
トルは周波数軸上で連続的に変化し、リクエスト区間に
おいては等価的に帯域幅が拡散された周波数拡散信号と
なる。この周波数拡散信号34は、高周波発振器48か
らの高周波信号49と乗算器35により掛け合わされ、
高周波拡散信号36として送信アンテナ37から中央地
球局に対してリクエスト信号が送出される。
【0033】一方、データ送信用のスロット区間では、
データ信号制御回路43によりタイミング制御された情
報データ信号44は変調回路45に入力され、その出力
信号46は、高周波発振器48からの高周波信号50と
乗算器47により掛け合わされ、高周波変調信号51と
して送信アンテナ37から中央地球局に対して情報デー
タ信号の伝送が行なわれる。
【0034】一方、中央地球局では、アンテナ61によ
り受信された小型地球局からの高周波信号は、周波数変
換器63により周波数変換された後、低域通過フィルタ
65によりベースバンド信号に変換される。ここで、中
央地球局では常時フレームタイミング、並びにスロット
タイミング67を認識しているため、リクエスト信号区
間、情報データ信号区間の切替をスイッチ66により正
確に行なうことができる。すなわち、リクエスト信号受
信区間では、スイッチ66はリクエスト用単一周波数信
号受信回路60に接続され、一方、情報データ信号受信
区間では復調回路83に接続される。リクエスト用単一
周波数信号受信回路60は、複数の位相シフト器(71
−1〜J)、離散フーリエ変換器(72−1〜J)、単
一周波数信号検出器(73−1〜J)から構成され、各
位相シフト器は小型地球局側で用いられた全ての位相シ
フト係数a1 、a2 、…、aJ と可逆の関係となる位相
シフト係数−a1 、−a2 、…、−aJ を有している。
ここで、小型地球局群から送信されるリクエスト用の周
波数拡散合成信号を各位相シフト器に分岐入力すること
により、図5に示した周波数拡散合成信号を各位相シフ
ト係数に対応する小型地球局群の各グループごとに複数
の単一周波数信号からなる受信信号を分離することがで
きる。次に、位相シフト器(71−1〜J)の各出力
は、離散フーリエ変換器(72−1〜J)により、各単
一周波数信号ごとに周波数分離され、単一周波数検出器
(73−1〜J)により、何れの小型地球局がリクエス
ト信号を送出したのかを瞬時に認識することができる。
この単一周波数信号検出器出力(74−1〜J)は回線
制御装置70に入力され、通信の要求を行なった各小型
地球局に対して通信チャネルの割り当てを行ない、その
情報は中央地球局から小型地球局群への下り回線を用い
て送信される。
【0035】一方、情報データ信号受信スロット区間に
おいては、スイッチ66は線路69に接続され、回線制
御装置70からのチャネル割り当て情報76をもとに復
調回路78では、各小型地球局ごとの情報データ信号7
7を復調・検出することができる。
【0036】以上、固定衛星通信システムを例に取り実
施例を説明してきたが、本発明方式は移動体衛星通信シ
ステムに対しても適用可能であり、その構成は小型地球
局が地上で移動するだけであり、その実現法は上記に示
した実施例より容易に類推することができる。また、上
記の実施例において、小型地球局を陸上移動通信システ
ムの移動端末に、中央地球局を陸上移動通信システムの
基地局や回線制御局に各々置き換えることにより、本特
許は陸上移動通信システムの回線制御手順としても利用
することが可能であり、固定の無線端末を用いる陸上系
の通信システム等あらゆる無線通信システムに対して適
用することが可能である。更に、本実施例ではアクセス
制御方式としてTDMA方式を仮定としたが、FDM
A、CDMA方式や通常のSCPC方式など、あらゆる
形式の無線通信システムの回線アクセス制御手順として
適用可能である。尚、本特許は衛星通信システムにおけ
る回線制御手順に重点をおいたものであり、小型地球
局、並びに中央地球局の有する送受信機としては多種多
様のものが想定できる。更に本実施例では、単一周波数
信号を時間軸上で連続的に変化させる場合、周波数軸上
で時間の経過とともに一次関数的に変化する係数を仮定
したが、周波数の変化率についてもウェーブレット関
数、三角関数等、あらゆる種類の変化率も利用できる。
【0037】
【発明の効果】
(1)異なる周波数の単一周波数信号をリクエスト信号
として利用することにより、複数の小型地球局が同時に
リクエスト信号を中央地球局に伝送することが可能とな
り、従来のS−ALOHA方式やDAMA方式のリクエ
スト信号送信時のパケット衝突の問題を解決し、トラフ
ィック量が増大すると共に大きく劣化する伝送遅延特性
を大幅に改善することが可能である。
【0038】(2)リクエストパケット信号の衝突によ
るリトライの繰り返しが無くなるため、トラフィック量
が増加しても小型地球局の数が事前に割り当てうるリク
エスト信号数以下であれば伝送遅延特性の劣化なく、通
信チャネルの割当てを行なうことができる。
【0039】(3)衛星中継増幅器の非線形特性によっ
て生じる相互変調波の影響を抑え、中央地球局の受信機
におけるリクエスト信号の分離、認識を容易に行なうこ
とができる。
【0040】(4)小型地球局が有する送信機で発生す
る周波数軸上でインパルス状のスプリアス信号に対し
て、中央地球局の有する受信機で逆拡散操作を施すこと
により、スプリアス信号のスペクトルが拡散され、リク
エスト用の単一周波数信号への影響を除去することがで
きる。
【0041】(5)従来の単一周波数信号をリクエスト
信号として用いる回線制御方式で問題であったリクエス
ト信号の誤検出・不検出の増加の問題を解消することが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による衛星通信方式のシステム構成概念
を示す図である。
【図2】本発明による単一周波数信号の周波数拡散信号
を用いたリクエスト方式の実施例を示す図である。
【図3】本発明による衛星通信方式に適用するTDMA
フレームフォーマットの実施例を示す図である。
【図4】本発明による単一周波数拡散/逆拡散リクエス
ト方式の実施例を示す図である。
【図5】本発明による単一周波数拡散/逆拡散リクエス
ト方式のスペクトル特性を示す図である。
【図6】本発明による子局の有する送信機の回路構成の
実施例を示す図である。
【図7】本発明による親局の有する受信機の回路構成の
実施例を示す図である。
【符号の説明】
1 通信衛星 2 中央地球局 3−1〜L 小型地球局 4−1〜L リクエスト用単一周波数信号 5−1〜L リクエスト用周波数拡散信号 6 周波数拡散合成信号 7−1〜L 受信機出力信号 8−1〜L 単一周波数受信信号 9 単一周波数合成受信信号 10 データ信号送信区間 11 リクエスト信号送信区間 12 TDMAフレーム 13 TDMAスロット 14 リクエスト用単一周波数信号 16 単一周波数信号の周波数間隔 20−1〜J 位相シフト変化率 21−1〜J 周波数拡散帯域幅 31 単一周波数信号発生器 32 単一周波数信号 33 位相シフト器 34 周波数拡散信号 35 乗算器 36 高周波拡散信号 37 小型地球局アンテナ 38 フレームタイミング 39 回線制御回路 40、41 回線制御信号 42 情報データ信号 43 データ信号制御回路 44 情報データ信号 45 変調回路 46 変調信号 47 乗算器 48 高周波発振器 49、50 高周波信号 51 高周波変調信号 60 リクエスト用単一周波数信号受信回路 61 中央地球局アンテナ 62 乗算器 63 周波数変換器 64 低周波信号 65 低域通過フィルタ 66 切替スイッチ 67 フレームタイミング/スロットタイミング 68、69 線路 70 回線制御回路 71−1〜J 位相シフト器 72−1〜J 離散フーリエ変換器 73−1〜J 単一周波数検出器 74−1〜J 単一周波数信号検出器出力 75 回線制御信号 76 チャネル割り当て情報 77 情報データ信号 78 復調回路 79 送信回路入力線路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−154363(JP,A) 特開 昭58−5066(JP,A) 特開 昭57−142046(JP,A) 特開 平8−18596(JP,A) 特開 平7−303090(JP,A) 特開 昭63−35025(JP,A) 特開 昭61−228733(JP,A) 特開 昭63−246936(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04J 1/00 - 13/00 H04B 7/14 - 7/22

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の子局と、該子局との間で無線通信
    を行ない、かつ、全子局の回線制御を行なう親局とから
    構成される無線通信システムにおいて、 該子局に対して周波数及び送信タイミングが子局ごとに
    異なる単一周波数信号をリクエスト信号として各子局ご
    とに事前に付与し、 該単一周波数信号の周波数をくり返しもうけられるリク
    エスト信号送信区間において時間軸上で変化させて周波
    数軸上である一定の帯域幅に拡散することにより、複数
    の子局から同時に親局に対して通信チャネルの割当てを
    要求するためのリクエスト信号を送出し、 親局では周波数軸上で連続的に変化する複数の単一周波
    数信号からなる合成信号を受信し、 親局の有する受信装置では受信した該合成信号に対し
    て、リクエスト信号送信時とは可逆な関係となる周波数
    変換を時間軸上で連続的に施し、逆拡散操作を実行する
    ことにより、該受信合成信号を各子局ごとの単一周波数
    信号の周波数ごとに分離し、 該単一周波数信号の周波数と送信タイミングから、何れ
    の子局からリクエスト信号が送信されたかを認識し、 その情報を用いて該親局からは通信チャネルの割当てを
    要求する該子局群に対して通信チャネルの割当て情報を
    該親局から該子局群への下り回線を用いて伝送すること
    を特徴とする無線通信回線制御方式。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の無線通信回線制御方式に
    おける、リクエスト用の単一周波数信号の送信周波数を
    リクエスト信号送信区間にて時間軸上で変化させ、周波
    数軸上である一定の帯域幅に周波数拡散を施す方法にお
    いて、 同一の単一周波数信号を異なる複数の子局に同時に割り
    当て、該同一周波数の複数の単一周波数信号を周波数軸
    上の正負の方向に時間軸上で異なる変化率で各々連続的
    に変化させることにより、該複数のリクエスト信号を該
    単一周波数信号の搬送波周波数を中心として正負の方向
    に異なる拡散率で拡散し、 該親局の有する受信装置では、該拡散された該同一周波
    数の複数の単一周波数信号の拡散合成信号に対して、リ
    クエスト信号送信時に該複数の単一周波数信号に施した
    周波数変換と時間軸上で可逆の関係となる周波数変換を
    全種類の該拡散率について並列的に行ない、逆拡散操作
    を実行することにより、複数の子局からのリクエストの
    有無が一度に認識可能となり、同一周波数の単一周波数
    信号による異なる複数の子局のリクエストを同時に可能
    とする単一周波数拡散/逆拡散回線制御方式。
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