JP3127566U - 焼却炉 - Google Patents

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剛 角谷
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Abstract

【課題】ボイラー室を備えてコンパクトに構成するとともに修理時でも容易にボイラー室を取り外すことのできる焼却炉を提供すること。
【解決手段】焼却炉1は、燃焼炉本体2とボイラー室20とを備える。燃焼炉本体2には邪魔板7を配置して、邪魔板7の下方に一次燃焼室8、上方に二次燃焼室9を形成する。燃焼炉本体2の上方に複数本に分割する煙道21を立設して煙道21の周りに外壁22を配置することによってボイラー室20を構成する。ボイラー室20は燃焼炉本体2に対して着脱可能に取り付けるとともに、ボイラー室20には、煙道21と外壁22との間に熱交換室23を設け、一方にタンク24からの水を流入する給水コック25、他方に貯留タンク26に温水を流出する給湯コック27を装着して循環させる。
【選択図】図1

Description

本考案は、ボイラーを備えた焼却炉に関する。
従来、焼却炉の廃熱を利用して温水を得るボイラー付焼却炉は、実際に実用化されて商品化されており、また、特許文献1にも開示されている。特許文献1は、焼却炉から発生する廃熱を高効率で熱回収できるように構成されたものであり、この焼却炉の熱回収装置によれば、焼却炉から発生した燃焼排ガスは濾過槽に投入される。外壁と内壁間に水を循環することによって熱交換可能に構成されている。濾過槽に投入された燃焼排ガスは濾過部で飛灰及び炭化水素を除去されるとともに、排ガスの熱がボイラー熱に熱交換される。そして熱交換された燃焼排ガスは、ブロアを通って煙突から吐き出される。このように、飛灰及び炭化水素を除去した燃焼排ガスとボイラーの水と熱交換することによって、高効率で燃焼炉の廃熱を回収することができる。
また、別の焼却炉では、焼却炉の炉体を二重構造の水ジャケットとして構成されたものがある。つまり、炉自体を水ジャケットで保護するため築炉を不要としている。そのため、耐火煉瓦等の交換がなく維持費を安くすることができる。
特開2001−336723公報
しかし、従来のボイラーを備えた焼却炉では、前者の場合、焼却炉から発生する燃焼排ガスは濾過槽を通り、ブロアを介して煙突から吐き出されるため、設備を大型化して設置面積も大きくなり、また、設備費用も高くなるため、スペースの狭い工場等では容易に使用することができなかった。
また、後者の場合、腐蝕等で水ジャケットから水漏れすると炉自体を修理することとなり、修理が大掛かりとなることによって修理にかかる時間も長期間を有することとなっていた。また、炉自体の修理によって焼却炉そのものが使用できなくなるため、焼却するゴミ等の管理にも課題を生じていた。
本考案は、上述の課題を解決するものであり、コンパクトに構成して使いやすく構成するとともに、ボイラーの修理を行う場合でも容易にボイラーを交換することができる焼却炉を提供することを目的とするものである。そのために、本考案に係る焼却炉は、以下のように構成するものである。すなわち、
請求項1記載の考案では、ボイラーを備えた焼却炉であって、被燃焼物を燃焼する燃焼炉本体の上部には煙道入口が形成され、前記煙道入口から上方に向かって煙道が延設されるとともに、前記煙道の周りに外壁が配設されて前記外壁と前記煙道の間に、一方に配置された流入口と他方に配置された流出口とを備える熱交換室が配設され、前記熱交換室に水を循環することによってボイラー室が形成されていることを特徴とするものである。
請求項2記載の考案では、前記煙道は複数本に分割して並設されていることを特徴としている。
請求項3記載の考案では、前記焼却炉本体には、隔壁板を間にして下方に一次燃焼室、上方に二次燃焼室が形成されていることを特徴としている。
請求項4記載の考案では、前記二次燃焼室には、バーナーが設置され、前記バーナーが前記二次燃焼室の加熱を行うとともに前記一次燃焼室内の被燃焼物の着火を行うように配置されていることを特徴としている。
本考案に係る焼却炉では、焼却炉本体内において高温で焼却される被燃焼物から発生する煙やガスは、無煙無臭となって煙道から大気に向かって排出される。この際、煙道の周りには熱交換室が形成されていてボイラー室を形成している。ボイラー室から熱交換された温水は流出口から回収されて、有効利用することができる。しかも、煙道と一体的になったボイラー室は、焼却炉本体から容易に取り外すことができるために、例えば、修理を行う際に簡便に行うことができる。さらに、焼却炉の直上に配置される煙道の回りにボイラー室を設置していることから、このボイラー室を備えた焼却炉は、焼却炉本体の底面積のスペースで設置場所に設置できることから床面積を小さくしてコンパクトに構成できる。そのため、狭い場所でも有効に使用することができる。
また、この焼却炉では、煙道を分割して設置していることから熱交換室に流入する水は、複数の煙道に接触することができて熱交換率を向上し温水を効率よく回収することができる。
さらに、この焼却炉では、コンパクトに構成するために、焼却炉本体内には、上下を区分けする邪魔板を配置して、邪魔板の下方で一次燃焼室を形成し邪魔板の上方で二次燃焼室を形成している。そして二次燃焼室をバーナーで加熱することによって、コンパクトな焼却炉ではバーナーの火焔が一次燃焼室に伝達して一次燃焼室内の被燃焼物の着火を行うことができる。
次に上記のように構成された焼却炉の一形態を図面に基づいて説明する。
図1〜2に示すように、焼却炉1は、燃焼炉本体2と、燃焼炉本体2の上部に配置されたボイラー室20とを備えている。実施形態で使用する燃焼炉本体2は、周壁3と、底壁4と、天井壁5と有して内部を中空にした円筒状に形成されている。底壁4の下方にはエアタンク6が形成されている。燃焼炉本体2の内部は、焼却炉として必要な図示しないロストル等が収納されていて被燃焼物を収納可能に形成されている。
燃焼炉本体2内の上部には隔壁板としての邪魔板7が配置され、邪魔板7の下方に一次燃焼室8、邪魔板7の上方に二次燃焼室9を形成している。なお邪魔板7は天井壁5から垂下された複数本のステー71により支持されている。
燃焼炉本体2の下部外側付近に送風機14が配置されている。送風機14は、エアタンク6に空気を送るように接続されている。図3に示すように、周壁3の外面には縦方向に沿って複数本の突条部10が形成され、突条部10内にエアタンク6に接続する通気路11が形成されている。周壁3における一次燃焼室8側に一次側空気流入口31が形成されて通気路11と接続され、二次燃焼室9側に二次側空気流入口32が形成されて通気路11と接続されている。一次燃焼室8側に形成された一次側空気流入口31には一次側ノズル12が配管され、二次燃焼室9側に形成された二次側空気流入口32には二次側ノズル13が配管されている。なお、二次側ノズル13は二次燃焼室9内における周壁3の円周方向に沿って向けられていて、二次燃焼室9内に旋回流を発生させている。それによって、排ガスを暫時停留させて消煙効果を高めている。
また、燃焼炉本体2の上部には二次燃焼室9を加熱するためのバーナー15が配置され、二次燃焼室9内の周壁3にバーナー15の吹き込み口33が形成されている。さらに天井壁5には後述の煙道21に通じる煙道入口16が形成されている。
一方、燃焼炉本体2の上方にはボイラー室20が燃焼炉本体2に対して着脱可能に配置されている。ボイラー室20は、図1及び図4に示すように、天井壁5から上方に向かって延設される煙道21と、煙道21の周りを囲う外壁22とを備えている。外壁22と煙道21との間は水が循環する熱交換室23として形成されている。外壁22の一方には、タンク24から流れてきた水をボイラー室20内に流入する給水コック25が装着され、他方には、ボイラー室20内で加熱された温水を貯留タンク26に流出する給湯コック27が装着されている。ボイラー室20内は水が循環するために、水漏れを防止するための図示しないシール部が必要範囲内で装着されている。
煙道21は所定の断面積を有していれば、その本数に限定されることはない。実施形態の煙道21は、7本に分割している。中央部に1本とその回りに6等分されて配置されている。これによってボイラー室20内を循環する水は、複数の煙道21の間に形成されている熱交換室23内を流れて複数の煙道21の外周面と接触することから、熱交換を効率よく行うことができる。
次に、上記のように構成された焼却炉1の作用について説明する。
まず、焼却準備として燃焼炉本体2内の焼却灰を清掃するとともに、ボイラー室20内に給水を行う。この状態で一次燃焼室8に被燃焼物を投入する。ボイラー室20では給水コック25を開けて熱交換室23内に水を給水する。水が熱交換室23に充満されると一旦給水コック25を閉じる。
次に、バーナー15を作動して二次燃焼室9を加熱する。実施形態の焼却炉1では一次燃焼室8と二次燃焼室9とは邪魔板7を間にして形成されているから、バーナー15の火焔は、二次燃焼室9を加熱するとともに周壁3に沿って一次燃焼室8に伝達されて一次燃焼室8を加熱することとなる。被燃焼物が投入されている一次燃焼室8では、この加熱によって被燃焼物が着火されて燃焼される。
そして着火が確認されると、一次燃焼室8と二次燃焼室9内に送風機14から空気を導入する。一次燃焼室8に空気が導入されることによって、被燃焼物は一次燃焼して灰と排気ガスを発生させる。灰の一部は上昇して邪魔板7に当たって底壁4上に落下し、その他の灰はそのまま底壁4に残る。排気ガスは上昇し邪魔板7に当たると旋回して邪魔板7と周壁3との間を通って二次燃焼室9に流入する。二次燃焼室9では、バーナー15で加熱されているとともに、二次側ノズル13から吐出される空気によって、二次燃焼室9内の温度は高温(800°以上)に達している。
二次燃焼室9内に流入した排気ガスは、高温内で二次燃焼されて無煙無臭となって二次燃焼室9内を上昇する。邪魔板7は天井壁5から複数本のステー71で支持されていることから、二次燃焼室9内の排気ガスは煙道入口16に達し、煙道入口16から煙道21に流入する。
煙道21は、複数本に分割されていることから無煙無臭となった排気ガスはそれぞれの煙道21内に流入して大気に排出される。燃焼された排気ガスが煙道21内を通ることによって煙道21の周壁が加熱される。なお、ボイラー室20内の水温は、図示しない制御ボックス内に収納されているボイラー水温計によって測定され、所定の温度に達したら給水コック25及び給湯コック27を開けて水を循環させる。熱交換室23ではすでにタンク24から流入した水が充満されて加熱されていることから、熱交換された温水は貯溜タンク26に向かって流れ、タンク24からの新たな水がボイラー室20内に流れてくる。そして、熱交換されて貯留タンク26に向かって流れる。
なお、燃焼炉本体2内において、煙が発生している間はバーナー15を作動させて消煙させ、煙が消えるとバーナー15の作動を停止させる。
上述のように、実施形態の焼却炉1では、燃焼炉本体2の上方に配置された煙道21の周りでボイラー室20を構成することから、ボイラー室20を備えた焼却炉1を燃焼炉本体2の底面積の範囲で設置できるから、狭い場所でも使用することができる。また、煙道21を利用してボイラー室20を構成できることから複雑な構成をすることなくコンパクトに構成できる。
この際、煙道21を分割して配置することによって、循環される水は複数の煙道21の周壁に接することができるので、熱交換率を高くすることができる。さらに、この焼却炉1では、燃焼炉本体2内において、邪魔板7を挟んで上下に一次燃焼室(下側)8と二次燃焼室(上側)9とに分割している。そして、一次燃焼室8で一次燃焼された被燃焼物は排気ガスや煙を発生させ、その排気ガスや煙は二次燃焼室で二次燃焼される。これによって、排気ガスや煙は無煙無臭となって煙道21から大気に排出されることとなる。
さらに、この二次燃焼室9を加熱できるようにバーナー15を設置すれば、バーナー15の火焔で一次燃焼室に投入されている被燃焼物を着火することができる。つまり、一次燃焼室8と二次燃焼室9は燃焼炉本体2内で邪魔板7を間にして形成されているため、二次燃焼室9を加熱するバーナー15の火焔が周壁3に沿って一次燃焼室8を加熱することができる。
また、一次燃焼室8一次側ノズル12から吐出する空気によって、被燃焼物を充分に燃焼させるとともに、二次燃焼室9では一次燃焼室8で発生した煙や排気ガスを二次燃焼することができる。
なお、本考案の焼却炉は上記形態に限定するものではない。例えば、図5〜6に示すように、燃焼炉本体2に着脱可能に配置されるボイラー室20A内に配置させる煙道21Aを1本で形成することができる。この場合、煙道21Aの周りに外壁22Aを配置し、煙道21Aと外壁22Aとの間に熱交換室23Aを形成する。循環される水は、給水コック25Aからボイラー室20Aの熱交換室23Aに流入して煙道21Aで熱交換された後、給湯コック27Aから流出されることとなる。
なお、煙道21Aの断面積は、図4における7本の煙道21の合計された断面積と略同一に形成される。
本考案の一形態による焼却炉を示す断面図である。 図1における平面図である。 図1の焼却炉における燃焼炉本体の通気路を示す一部断面図である。 図1の焼却炉におけるボイラー室を示す平面図である。 別の形態のボイラー室を示す断面図である。 同平面図である。
符号の説明
1、焼却炉
2、燃焼炉本体
3、周壁
7、邪魔板
8、一次燃焼室
9、二次燃焼室
12、一次側ノズル
13、二次側ノズル
15、バーナー
20、ボイラー室
21、煙道
22、外壁
23、熱交換室
25、給水コック
27、給湯コック

Claims (4)

  1. ボイラーを備えた焼却炉であって、
    被燃焼物を燃焼する燃焼炉本体の上部には煙道入口が形成され、前記煙道入口から上方に向かって煙道が延設されるとともに、前記煙道の周りに外壁が配設されて前記外壁と前記煙道の間に、一方に配置された流入口と他方に配置された流出口とを備える熱交換室が配設され、
    前記熱交換室に水を循環することによってボイラー室が形成されていることを特徴とする焼却炉。
  2. 前記煙道は複数本に分割して並設されていることを特徴とする請求項1記載の焼却炉。
  3. 前記焼却炉本体には、隔壁板を間にして下方に一次燃焼室、上方に二次燃焼室が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の焼却炉。
  4. 前記二次燃焼室には、バーナーが設置され、前記バーナーが前記二次燃焼室の加熱を行うとともに前記一次燃焼室内の被燃焼物の着火を行うように配置されていることを特徴とする請求項3記載の焼却炉。
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