JP3127148B2 - フォトリソグラフィのための交互位相シフト・マスク上の位相が互いに異なる透明なフィーチャを通る透過光を平衡化する方法 - Google Patents

フォトリソグラフィのための交互位相シフト・マスク上の位相が互いに異なる透明なフィーチャを通る透過光を平衡化する方法

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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一般に、光学フォト
リソグラフィに関して、特に、交互位相シフト・マスク
(alternating phase-shifting mask)上の異なる位相
のフィーチャを通じて、光の透過を平衡化する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】集積回路製造のためのフォトリソグラフ
ィ工程において、マスクまたはレチクルと呼ばれる明暗
形状の設計セットを含むテンプレートが、光学結像を介
してシリコン・ウエハの表面上に繰り返し印刷される。
2つの個々のオブジェクトがウエハ上で分解され得る、
最小の中心−中心間距離に当たる最小分解能R(最小分
解可能ピッチとも呼ばれる)が、次式により提供され
る。
【0003】
【数1】R=2 * k1 *(λ/NA) (1)
【0004】ここでNAは、光学的投射システム(以下
ではステッパと呼ばれる)の開口数であり、λはステッ
パにより使用される光の波長である。部分的にコヒーレ
ントな結像のために、前記式により定義される分解能の
理論的な限界は、次のk1係数にて発生する。
【0005】
【数2】k1=1/[2 *(1+σ)] (2)
【0006】ここでσはステッパの部分的なコヒーレン
ス係数である。
【0007】図1乃至図3の概略マスク断面図に示され
る業界標準の実施例では、所望の不透明パターン及び透
明パターンを含むマスクが、初期マスク・ブランク(図
1)から開始して形成され、これは結像光を透過し、片
側が不透明膜20により被覆された基板10を含む。通
常、透明な基板は溶融シリカ(石英としても知られる)
から成り、以下では石英基板として参照され、透明基板
材料は石英として参照される。更に、不透明膜は通常ク
ロム・ベースの材料から成り、クロム膜として参照さ
れ、膜自体の材料はクロムとして参照される。設計形状
は、最初に電子露光または光学露光に感応する保護材料
(以下ではレジスト30として参照される)内に、設計
形状を選択的にパターニングする(または書込む)こと
により、このマスク・ブランク上に複写される(図
2)。選択的パターニング35によりレジスト内に形成
される開口が、続くエッチング工程の間に、下側にある
クロム膜に転写され、続いてレジスト材料が除去され
(図3)、設計された透明形状40及び不透明形状21
が、最終パターニング済みマスクに複写される。このよ
うにして形成されたマスクは、以下では標準マスクまた
はクロム・オン・ガラス(COG)・マスクとして参照
される。
【0008】位相シフト・マスク(PSM)などの異な
るクラスのマスクは、結像光の位相及び強度の両方を利
用することにより、従来の結像限界を超えて、分解能を
拡張する能力を立証した。反対の位相(180゜の位相
差)の光を透過する2つの透明な形状が、互いに接近し
て移動される場合、この位相差は2つの形状間でゼロの
弱め合う干渉を生じる。こうしたマスクは文献の中で、
幾つかの異なる名称、例えばLevenson、Levenson-Shibu
ya、位相エッジ(phase edge)、交互開口(alternatin
g aperture)、または交互マスク(alternating mask)
などを与えられている。ここでは、マスクは交互マスク
または交互PSMとして参照される。この交互PSMア
プローチにより、理論的な分解能限界が次のように、す
なわち従来の結像分解能の2分の1に低減される。
【0009】
【数3】k1=1/[4 *(1+σ)] (3)
【0010】図1乃至図3の標準のマスク・プロセス以
降の、追加のマスク形成工程が、図4乃至図5に、石英
のエッチングまたはサブトラクティブ交互PSMプロセ
スとして示される。所望の位相オフセットに等価な光路
差が、2つの隣接する開口間で得られるように、交互P
SMの2つの透明形状間の位相差が、業界標準に従い、
石英基板10を選択的にエッチングすることにより達成
される。図1乃至図3に示される標準のマスク・パター
ニングに続き、図4に示されるように、第2の書込み工
程により、保護レジスト被覆50内に位相シフト開口4
1が選択的に開けられ、非位相シフト開口42は、被覆
により覆われたまま維持される。実際には、クロム自身
をエッチング障壁として使用し、形成プロセスにおける
第1レベル及び第2レベルの書込み工程間のオーバレイ
(またはパターン配置)誤差を考慮するために、レジス
ト・パターンのエッジ55を不透明なクロム形状21上
の位相シフト開口41から特定の距離離して配置するこ
とが望ましい。次に、石英がおよそ次式で示される深さ
にエッチングされる(通常、異方性の反応性イオン・エ
ッチング(RIE)・プロセスによる)。
【0011】
【数4】 エッチングの深さ=位相 * λ/2π(n−1) (4)
【0012】ここでnは石英基板の屈折率であり、開口
41の位相はラジアンで与えられる。レジスト50の除
去の後、結果の交互PSMは図5に示されるように、エ
ッチングされた石英のトレンチ15を有し、これが隣接
する開口41及び42間の所望の位相差を提供する。
【0013】透明基板への多層膜の追加により、(式
(4)により決定される)位相をより正確に制御するた
めの、より複雑な形成アプローチが提案された。例え
ば、T. Chieuらは、論文"Fabrication of Phase Shifti
ng Masks Employing Multi-LayerFilms"、Proc. SPIE、
Vol. 2197、pp. 181-193、(1994)の中で、透明な石英
基板と不透明なクロムとの間に、2つの層が追加される
マスク・ブランクについて述べている。それらの追加の
層は、Al23またはHfO2から成るエッチング停止
層と、式(4)により与えられる厚さに制御される二酸
化ケイ素の透明層である。この時、所望の位相は、エッ
チング停止層に達するまでSiO2をエッチングするこ
とにより達成される。
【0014】ここで述べられる本発明は、図6乃至図7
で画定される暗視野パターン及び明視野パターンの両方
に適用可能である。従来の暗視野設計(マスク上の大部
分の領域が不透明に設計される)では、設計内の閉じた
形状(すなわち、任意の数の頂点及び辺の多角形である
が、ここでは単純化のために長方形が使用される)が通
常、クロムのマスク内の透明な開口(図5の断面図及び
図6の設計データにおいて、41及び42で示される)
を表す。交互PSMでは、位相41を確立するために要
求される石英のエッチングを受ける開口が、通常、形成
プロセスにおける第2の書込み工程に対応する周囲形状
を含むことにより示され、これが図4の断面図において
エッジ55により、また図6において形状55により示
される。図7に1例が示される明視野設計(マスク上の
大部分の領域が透明に設計される)では、設計内の閉じ
た形状が通常、不透明なクロムの残りの領域を表し、こ
れは図5の断面図のクロム・フィーチャ21、及び図7
の設計データの長方形21により示される。図5の断面
図における41及び42などの、クロム内の透明な開口
は、図7の設計データ内の設計形状41及び42間のス
ペースにより提供される。明視野交互PSMでは、図5
及び図7の両方において、位相エッチング領域を画定す
る第2レベルの書込み工程を示す形状が、図7に示され
るように設計クロム形状とオーバラップし、設計の透明
領域56内にむき出しのエッジを含む。これらのむき出
しの位相エッジは狭いダーク・ラインとして印刷され、
第2の(トリム)マスクの使用などの当業者には既知の
技術により、続いて除去される。本発明の基本原理は、
明視野交互PSMリソグラフィにおいて、残留位相エッ
ジを除去するために選択される特定の技術により影響を
受けることはない。
【0015】図4乃至図5に示される形成プロセスは、
ウエハ基板上の光感応レジスト(フォトレジストとして
も知られる)内に、こうしたマスク・パターンをフォト
リソグラフィ式に結像するために使用される場合、非理
想的な結果を生むことが判明している。図5のマスクを
印刷することから獲得される理想的な結果が、図8に図
式的に示される。ウエハ基板60上のフォトレジスト6
3が、マスク上の透明な開口41及び42に対応する、
2つの等しいサイズの開口61及び62を含む。(説明
の都合上、光に露光される領域において、光感応材料が
除去されるポジティブ・フォトレジストが想定される
が、本発明はネガティブ・フォトレジストにも適用可能
である。)しかしながら、実際には、交互PSMのエッ
チングされた石英のトレンチ15のエッジが入射光を散
乱させる。その結果、フォトリソグラフィ露光の間に、
非位相シフト・マスク開口42(図5)を通じて透過さ
れる光の強度に対して、低減された強度の光が位相シフ
ト・マスク開口41(図5)を透過する。この透過誤差
から生じる所望のパターンの非対称的な印刷が、図9に
図式的に示される。ここでは、位相シフト・マスク開口
41に対応する結果のフォトレジスト開口71が、隣接
する非位相シフト・マスク開口42に対応するフォトレ
ジスト開口72に比較してサイズ的に小さくなる。寸法
誤差と共に、2つの開口間のフォトレジスト・パターン
73の中心が右にシフトされ、パターン配置誤差を生じ
る。透過誤差に対する側壁散乱の影響は、マックスウェ
ルの方程式の厳密な解による電磁散乱のシミュレーショ
ンと、R.Kostelakらによる論文(Journal of Vacuum Sc
ience and Technology B、Vol. 10(6)、pp. 3055-306
1、(1992)で公開)で述べられる実験的検証の両方を
通じて実証されている。
【0016】この透過誤差を補正するための幾つかの方
法が述べられている。これらのアプローチの概要及び詳
細な分析が、R. A. Fergusonらによる論文"Pattern-Dep
endent Correction of Mask Topography Effects for A
lternating Phase-ShiftingMasks"(Proceedings of SP
IE、Vol. 2440、pp. 349-360、(1995)で公開)で見い
出される。ここでは本発明に関連する従来技術として、
2つのアプローチについて述べることにする。第1の技
術は、図10に図式的に示されるように、石英エッチバ
ック・プロセスを用いて透過誤差を軽減する。図1乃至
図3及び図4乃至図5に示される標準のプロセス・シー
ケンスに続き、レチクルが等方性エッチング(希薄なH
F溶液内の液浸(immersion))に晒され、エッチング
される石英のトレンチ15の側壁がクロム膜21の下方
に位置するようにエッチバックされる。非位相シフト開
口も、式(4)により定義される相対位相差が一定に維
持されるように、同様にして同時にエッチングされる。
このプロセスは、透過誤差を低減する上では有効である
が、R. Fergusonらによる前述の論文で述べられるよう
に、厳密なシミュレーションでは透過誤差の完全な除去
は得られないことが示される。更に、図10に22によ
り示されるクロムの張り出し部分が相当に大きくなり
(例えば1000Å以上)、張り出したクロムの物理的
な安定性を、標準的な製造条件の下で疑わしいものにす
る。これは特に、マスクが活発な洗浄処理を受ける場合
に当てはまる。洗浄処理は、欠陥の無い製造品質のマス
クを製作し、維持するための標準的且つ本質的な要素で
ある。
【0017】A. Wong及びA. Neureutherによる論文"Mas
k Topography Effects in Projection Printing of Pha
se-Shifting Masks"(IEEE Transactions on Electron
Devices、Vol. 40、No. 6、pp. 895-902、(1994))で
述べられる第2のアプローチでは、図1乃至図3及び図
4乃至図5の標準の形成プロセスに関連して、図11に
図式的に示されるマスクが獲得されるように、初期設計
データ(図6乃至図7)がマスク形成以前に処理され
る。前述の設計変更では、位相シフト開口41が非位相
シフト開口42に対して設定偏差だけ拡大されて、位相
シフト開口41を通過する透過光を増加させ、エッチン
グされた石英のトレンチ15のエッジからの側壁散乱に
よる透過損失を補正する。理論的には、このアプローチ
は設計偏差が連続的に調整可能な場合、散乱現象を完全
に補正することができる。しかしながら、実際には、許
容偏差の範囲は、粗いグリッド(以下では設計グリッド
として参照される)上の離散値に制限される。この有限
な設計グリッドのステップ・サイズの低減は、より理想
的な特性を提供するが、R. Fergusonらによる前述の論
文で述べられるように、マスクをパターニングするため
に使用される書込みツールにより、設計グリッドのステ
ップ・サイズに課せられる下限が、この手法を容認でき
ないほど大きな残留透過誤差に制限する。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、露光に際して光が位相シフト・フィーチャを通過す
るときに、強度低下により生じる交互PSMの透過誤差
を除去することである。
【0019】本発明の別の目的は、透過誤差を有する交
互PSMのフォトリソグラフィ式パターニングの間に発
生する、ウエハ上の寸法誤差及びパターン配置誤差を除
去することである。
【0020】更に本発明の別の目的は、標準的な製造条
件の下で経験される広範囲の露光及びフォーカス変化に
渡り、透過の適切な平衡を維持することである。
【0021】更に本発明の別の目的は、交互PSMを形
成するための標準化された製造プロセスを提供すること
である。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、交互PSMに
おける透過誤差を除去するための2工程アプローチから
なる。第1の工程は、位相シフト・フィーチャと非位相
シフト・フィーチャとの間に存在する、固有の透過誤差
の粗い低減を提供するために、選択的にデータの設計形
状を偏らせることにより、設計データ自身に対して実行
される。偏差を有するデータを用いるマスク形成プロセ
スの間に、続いて残留透過誤差の除去が行なわれ、そこ
では、位相シフト・フィーチャを画定する石英のトレン
チのエッジがクロム膜の下方の位置までエッチバックに
より移動され、それにより、位相シフト・フィーチャ及
び非位相シフト・フィーチャにおける透過が平衡化され
る。形成プロセスの間のフィードバックの適用が、エッ
チングされた石英のトレンチの追加の正確な制御を提供
する。こうしたフィードバックの適用には、フォトリソ
グラフィ式ステッパをエミュレートする光学パラメータ
を有する、直接空中画像測定などの技術が含まれる。
【0023】本発明の追加の特徴及び利点は、後述の詳
細な説明から明らかとなろう。
【0024】
【発明の実施の形態】ここで述べられる本発明は、交互
PSMの透過誤差を低減する2つのアプローチの要素を
新たな手法で結合するものである。これは従来の技術の
欄で既に述べた従来技術の欠点を組み込むこと無く、透
過誤差を完全に除去する概念的な粗調整及び微調整を提
供する。最終マスクの代表的な構成図が、図12に示さ
れる。
【0025】説明の都合上、マスク上のフィーチャ(す
なわち開口)は名目上、従来の技術の欄で述べたよう
に、位相シフト(phase-shifted)及び非位相シフト(n
on-phase-shifted)として参照される。当業者であれ
ば、この用語が実際の位相値(またはその欠如)を、こ
こで述べられるフィーチャのいずれかに関連付けること
を意図するものでないことが理解できよう。代わりに、
この単純化された用語は、透過が平衡化されるべき2つ
のフィーチャ間に位相差が存在すること、及びこの位相
差が実際には、式(4)により示される位相関係を維持
するように、これらのフィーチャの一方または両方に対
して石英基板をエッチングすることにより達成され得る
ことを示すために使用される。更に、本発明の適用性を
説明する例では、位相シフト・フィーチャ及び非位相シ
フト・フィーチャが等しいサイズであるように示され、
両方の開口を通じて等しい強度が透過されるとき、透過
誤差が除去されるものと見なされ、従って図8に示され
るように、ウエハ上に対称的な印刷パターンが達成され
る。当業者であれば、等しいサイズの開口に対する本発
明の適用性が、特殊な場合に過ぎないことが容易に理解
できよう。実際、本発明の目的のために、位相シフト形
状及び非位相シフト形状は、任意のサイズ、形状、及び
所望の強度レベルであってよい。更に、ウエハ上に所望
のフィーチャを印刷するために、適切な強度が各形状を
通じて透過されるとき、透過誤差は除去されるものと見
なされる。
【0026】本発明の主要な面は、図12に寸法"b"で
示されるように、設計データにおいて、位相シフト形状
41と非位相シフト形状42との間に、部分的な補正の
ための偏差を適用することにより、粗調整が提供される
ことである。この偏差は、非位相シフト開口42に対し
て、位相シフト開口41を通じて透過される光量を増加
するために使用されるが、図11の従来技術に関連して
述べたように、離散設計グリッドに関連付けられる制限
の結果として、この偏差は固有の透過誤差を部分的に低
減するためだけに使用される。
【0027】本発明の微調整は、マスク形成の間に発生
する。図10の従来の等方性エッチングに類似のエッチ
バック・プロセスが、偏差操作の結果として補正されな
かった残留透過誤差を除去するために使用される。この
プロセスにおける等方性エッチングは、透過誤差を微調
整するために使用されるので、図12で寸法"d"により
示されるエッチバックの広がりは、図10の従来のエッ
チバック・プロセスにより要求される広がりよりも実質
的に小さい。
【0028】図13を参照すると、図示のデータは本発
明において使用される方法を示す。反対の位相の2つの
隣接するフィーチャ間の透過誤差が、図13に示される
プロットにおいて、設計データの偏差操作による粗調整
(曲線−曲線間の変化)と、エッチバック・プロセスに
よる微調整(1つの曲線に沿う透過誤差の変化)の関数
として定量化される。0%の透過誤差が、2つのフィー
チャが完全に平衡化される理想値である。図13では、
データ・ポイント100が、粗調整または微調整が適用
されないときの透過誤差(約28%)を表す。データ・
ポイント100からのy軸に沿う変位(エッチバック深
さ=0nm)は、粗い偏差調整による透過誤差の変化を
表す。この例で使用される25nmの設計グリッド・サ
イズでは、1グリッド単位の粗調整の効果が、透過誤差
を10%(すなわちデータ・ポイント110)に低減す
る。50nmの2グリッド・ステップ偏差では、透過誤
差はデータ・ポイント120に過剰に補正される。従っ
て、本発明の目的のために、設計データをポイント11
0に1グリッド・ステップすなわち25nm偏らせるこ
とにより、透過誤差の適切な粗調整が提供される。図1
3の3つのデータ・ポイント111、112及び113
は、粗調整の完了後、残留透過誤差を除去するために、
エッチバック深さを変化させたときの効果を示してい
る。エッチバック深さのこのいわゆる微調整は、実際、
エッチング時間の制御を通じて、連続的に調整可能であ
る。従って、任意の小さな透過誤差が、エッチバックの
間の良好なプロセス制御を通じて、或いは透過誤差の複
数のサンプリングを通じて達成され、微調整プロセス
(図13におけるポイント110から113への進行)
の間に、フィードバック補正が提供される。例えば、エ
ッチバック深さが275Åのポイント113は、1%未
満の透過誤差を有する。
【0029】本発明の好適な実施例では、透過誤差を低
減するために使用される粗調整が、コンピュータ支援設
計(CAD)システムを通じて実現され、そこでは非位
相シフト・フィーチャに比較して、透過を低減する位相
シフト・フィーチャを画定するクロム・パターンの一部
のまたは全部のエッジが、位相シフト・フィーチャを通
じる透過を増加する方向に移動される。暗視野パターン
の設計処理の代表的なプロシージャが図14に示され、
明視野パターンのプロシージャが、図15に示される。
【0030】図14を参照すると、透明形状140及び
150が好適には等しいサイズで、しかしながら、周囲
の第2レベルの書込み位相形状155により示されるよ
うに、異なる位相で示される。このパターンの設計処理
では、透明形状150が透明形状250になるように拡
大されている。対応する第2レベルの書込み形状155
は、透明形状250の位相を定義し、同様に位相形状2
55になるように拡大される。図15に示される明視野
パターンでは、クロム形状310及び320が非位相シ
フト・スペース340と境界を成し、クロム形状320
及び330がスペース350と境を成す。スペース35
0は位相シフト・スペースであり、周囲の第2レベルの
書込み位相形状360により識別される。クロム形状3
20の隣接するエッジを移動して、クロム形状420を
生成し、クロム形状330の隣接するエッジを移動し
て、クロム形状430を生成することにより、スペース
350のサイズが増大され、粗い偏差調整が行われる。
位相形状360のサイズがそれに対応して、形状460
に増大される。
【0031】エッジ偏差の量は一般に、ステッパ・パラ
メータ(λ、NA、σなど)、設計グリッド・サイズ、
印刷されるパターン(サイズ、形状、隣接する形状の距
離など)に依存し、AIMS(空中画像測定システム)
を用いて、テスト・マスクの直接空中画像測定を行う技
術などにより決定される(その結果が図13に示され
る)。AIMSツールによる直接測定は、こうした技術
のスピード及び正確さにより、偏差を確立する上で好適
な方法ではあるが、ウエハ露光及びテスト・マスクの続
く測定、電磁散乱効果を説明するシミュレーション(例
えばWong及びNeureutherによる前述の論文で述べられる
TEMPEST)、または類似のパターンでの以前の経
験などを含む他の方法も、同様に成功裡に適用され得
る。複数のオプションが使用可能なより微細な設計グリ
ッドでは、透過平衡の微調整のために要求される湿式エ
ッチングの広がりに関連する、マスク製造問題(プロセ
ス制御、クロム張り出しの安定性、欠陥のためのマスク
検査など)の配慮が、偏差値の選択に大きな影響を及ぼ
し得る。
【0032】粗い偏差調整を実行する好適な方法は、光
学近接補正(OPC)アルゴリズムに類似する高機能な
パターン依存型補正機構を含み得る、自動CADシステ
ムの適用によるが、別の実施例では、手動による設計者
介入により発生する設計操作を含み、例えばDRAMセ
ル・パターンの場合、1つのパターン例がマスク全体に
渡り、階層的に何度も繰り返される。
【0033】微調整プロシージャに関して、エッチバッ
ク・プロセスの好適な実施例は、等方性液浸エッチング
を使用する。そこでは石英基板が全ての方向に一様にエ
ッチングされ、クロム膜が侵食されず、エッチング時間
の変化を通じて、合理的なプロセス制御が達成される。
希薄HFなどの溶液の適用は、これらの要求を満足する
ことができる。本発明の好適な実施例では、繰り返しプ
ロシージャが、最大の透過平衡を達成するために湿式エ
ッチング工程として使用され、AIMSツールが、図1
3の3ステップ微調整プロセスにおいて述べられたよう
に、繰り返しの間の透過誤差のフィードバックを提供す
るために使用される。所望のエッチバック深さが既知
の、十分なプロセス制御及び以前の経験により、フィー
ドバックを有さない単一エッチバック工程が適用可能で
ある。繰り返しプロシージャの他の実施例では、AIM
Sツールに加え、例えば露光されたウエハの直接測定か
らのフィードバックなど、代替フィードバック測定が可
能である。
【0034】本発明の好適な実施例は、不透明層により
被覆された透明基板から成る初期マスク・ブランクに関
連して述べられてきたが、本発明の別の実施例では、Ch
ieuらによる前述の論文で述べられるアプローチにより
示されるように、1つ以上の層が、透明基板と不透明層
の間のマスク・ブランクの一部として含まれる。
【0035】図12の構成図で仮定されるエッチバック
・プロセスでは、石英の初期異方性エッチングにより確
立された位相関係(図5のエッチングされた石英のトレ
ンチ15の深さ)が維持されるように、位相シフト開口
41及び非位相シフト開口42の両方が、等方性エッチ
ングに平等に晒される。この方法は、直接フィードバッ
ク測定の最も早い実現の他に、最も厳密な位相制御を提
供することが期待される(位相シフト・フィーチャ及び
非位相シフト・フィーチャが、エッチバックの間に異な
って処理される必要がある場合、図4のレジスト50が
各フィードバック測定の間に、選択的にパターニングさ
れる必要がある)。
【0036】本発明の別の実施例が図16に示される。
類似の結果が、エッチバック・プロセスを位相シフト・
パターン41だけに選択的に適用することにより、或い
は位相シフト開口41のエッチングされた石英のトレン
チ15の深さだけでなく、エッチバック深さ"d"を確立
する、単一の部分的に異方性のエッチングを使用するこ
とにより獲得される。
【図面の簡単な説明】
【図1】標準のクロム・オン・ガラス・マスクの従来の
マスク形成工程のシーケンスを示す図である。
【図2】標準のクロム・オン・ガラス・マスクの従来の
マスク形成工程のシーケンスを示す図である。
【図3】標準のクロム・オン・ガラス・マスクの従来の
マスク形成工程のシーケンスを示す図である。
【図4】エッチングされた石英の交互PSMの従来のマ
スク形成工程の別のシーケンスを示す図である。
【図5】エッチングされた石英の交互PSMの従来のマ
スク形成工程の別のシーケンスを示す図である。
【図6】従来の暗視野の設計の代表的な交互PSM設計
データを示す図である。
【図7】従来の明視野の設計の代表的な交互PSM設計
データを示す図である。
【図8】交互PSMのフォトリソグラフィ式結像によ
り、ウエハ基板上にパターニングされた、従来の理想的
なフォトレジスト画像の断面図である。
【図9】透過誤差を有する交互PSMのフォトリソグラ
フィ式結像により、ウエハ基板上にパターニングされ
た、従来のフォトレジスト画像の断面図である。
【図10】交互PSMにおける透過誤差補正のための従
来のエッチバック法の断面図である。
【図11】交互PSMにおける透過誤差補正のための従
来の設計偏差法の断面図である。
【図12】本発明に従い形成される交互PSMの断面図
である。
【図13】ステッパ露光条件に合うように光学パラメー
タがセットされた空中画像測定システム(AIMS)に
より決定される、本発明に従う設計データ粗調整及びエ
ッチバック微調整の両方の適用により得られる、結果の
透過誤差を示すプロットである。
【図14】暗視野設計のための代表的な粗い設計データ
調整を示す図である。
【図15】明視野設計のための代表的な粗い設計データ
調整を示す図である。
【図16】位相シフト・パターンだけにエッチバック・
プロセスが適用される、本発明に従い形成される交互P
SMの断面図である。
【符号の説明】
10 石英基板 15 トレンチ 20 クロム不透明膜 21 不透明フィーチャ 22 クロム張り出し部 30 レジスト 35 選択的パターニング 40、140、150、250 透明フィーチャ 41 位相シフト開口 42 非位相シフト開口 50 保護レジスト被覆 55、155、255、360、460 位相エッチン
グ 56 透明領域 60 ウエハ基板 61、62、71、72 フォトレジスト開口 63 フォトレジスト 73 フォトレジスト・パターン 310、320、330、420、430 クロム形状 340 非位相シフト・スペース 350 位相シフト・スペース
フロントページの続き (72)発明者 ラーズ・ダブリュ・リーブマン アメリカ合衆国12570、ニューヨーク州 ポウクア、コーンウェル・ストリート 5 (72)発明者 スコット・エム・マンスフィールド アメリカ合衆国12533、ニューヨーク州 ホープウェル・ジャンクション、ストー ムビル・ロード 159 (72)発明者 デビッド・エス・オグラディ アメリカ合衆国05465、バーモント州ジ ェリコ、クリステ・レーン 52 (72)発明者 アルフレッド・ケイ・ウォン アメリカ合衆国12508、ニューヨーク州 ビーコン、バン・コートランド・サーク ル 5エイ (56)参考文献 Pattern−Dependent Correction of Mas k Topography Effec ts for Alternatiog Phase−Shifting Ma ks(R.A.Ferguson,Pr oceeding of SPIE,V ol.2440,pp.349−360,1995) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 1/00 - 1/16

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】位相シフト・フォトマスク上の位相が互い
    に異なる透明なフィーチャを通る透過光の量を平衡化し
    て、パターン・サイズ及び配置の不正確さを除去する方
    法であって、 前記位相が互いに異なる透明なフィーチャのパターン・
    サイズ、形状、配置及び位相を表す前記フォトマスクの
    設計データを生成するステップと、 前記透明なフィーチャのうちの位相シフト・フィーチャ
    の少なくとも1つのサイズまたは形状を変更することに
    より、前記設計データを変更して前記位相が互いに異な
    る透明フィーチャ間の透過誤差を粗く低減する粗調整ス
    テップと、 前記変更された設計データを用い、前記フォトマスクの
    不透明膜で規定される不透明なフィーチャ及び前記位相
    が互いに異なる透明なフィーチャを形成し、前記フォト
    マスクの透明材料を、前記透明な位相シフト・フィーチ
    ャの位相を確立する深さに選択的にエッチングするステ
    ップと、 前記フォトマスクをエッチバック・プロセスに晒すこと
    により、前記エッチングされた透明な位相シフト・フィ
    ーチャ内の前記透明材料のエッジ位置を、前記フォトマ
    スクの前記不透明膜のエッジ位置に対して、前記フォト
    マスク上の前記位相が互いに異なる前記透明なフィーチ
    ャ間の残留透過誤差が補正される位置に調整することに
    より、前記粗調整ステップ及び前記エッチング・ステッ
    プで補正されなかった前記残留透過誤差を除去する微調
    整ステップと、 を含む、方法。
  2. 【請求項2】前記粗調整ステップは、前記位相シフト・
    フィーチャを透過する光量を増加するために前記位相シ
    フト・フィーチャを規定する開口のサイズを大きくす
    る、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】前記微調整ステップは、複数の微調整プロ
    セスを含み、各微調整プロセス毎に透過誤差のフィード
    バックが行われる、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】少なくとも2つの位相が前記設計データ内
    に存在する、請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】前記設計データが暗視野パターンを含む、
    請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】前記設計データが明視野パターンを含む、
    請求項1記載の方法。
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