JP3126570B2 - インクジェットヘッド、インクジェットヘッドカートリッジおよびインクジェット装置 - Google Patents

インクジェットヘッド、インクジェットヘッドカートリッジおよびインクジェット装置

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JP3126570B2 JP30518793A JP30518793A JP3126570B2 JP 3126570 B2 JP3126570 B2 JP 3126570B2 JP 30518793 A JP30518793 A JP 30518793A JP 30518793 A JP30518793 A JP 30518793A JP 3126570 B2 JP3126570 B2 JP 3126570B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録用の液体(インク
など)を飛翔液滴として吐出口から吐出させ、被記録媒
体に付着させることによって記録を行なうインクジェッ
ト装置に用いられる、インクジェットヘッド、インクジ
ェットヘッドカートリッジおよびインクジェット装置に
関し、特に、カラー印字用のインクジェットヘッド、イ
ンクジェットヘッドカートリッジおよびインクジェット
装置に関する。なお、本発明において記録とは、布やプ
ラスチック等へのプリントをも含む言葉として用いる。
【0002】
【従来の技術】従来のインクジェット記録ヘッドは、図
6(吐出口の反対側から見た斜視図)および図7(基板
との接合面側から見た天板の斜視図)に示すように、イ
ンクを吐出する複数の吐出口1105と、各吐出口11
05に供給されるインクを保持する共通液室となる凹部
1118と、共通液室と各吐出口1105とを連通する
インク流路1106とが形成された天板(溝付部材)1
120に、インク流路1106内のインクに吐出エネル
ギーを与えるための電気熱変換体(不図示)が各インク
流路1106に対応して形成されたシリコン基板111
9を接合して構成されている。また、シリコン基板11
19には、電気熱変換体を駆動するための駆動回路が作
り込まれており、この駆動回路はシリコン基板1119
の端部に形成されたワイヤーボンディングパッド112
2に電気的に接続されている。そしてシリコン基板11
19は、シリコン基板1119からの放熱を行なうため
のアルミプレート1121に熱伝導性のよい接着剤によ
り接着されている。アルミプレート1121には、前記
駆動回路とインクジェット記録装置との信号の中継を行
なうための配線基板1125が固定されており、配線基
板1125の端子とシリコン基板1119のワイヤーボ
ンディングパッド1122とはボンディングワイヤー
(外部配線)1123を介して電気的に接続されてい
る。
【0003】一方、カラー印字を行なう場合には、図8
に示すようにそれぞれ異なる色のインクを吐出する複数
個のインクジェット記録ヘッド1151を並べたインク
ジェットユニット1150を用いている。しかしこの場
合、高速印字が可能になるという利点はあるものの、複
数個のインクジェット記録ヘッド1151が用いられて
いるために装置の小型化が困難となり、またインクジェ
ット記録ヘッド1151の個数倍だけコストアップとな
る。
【0004】そこで、同一の天板に複数の凹部を設けて
複数の共通液室を形成し、各共通液室毎に異なる色のイ
ンクを供給することにより、1つのインクジェット記録
ヘッドでカラー印字を行なえるようにしたものが考えら
れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように複数の
共通液室を形成し1つのインクジェット記録ヘッドでカ
ラー印字を可能にする場合、隣り合う共通液室およびそ
の共通液室と連通するインク流路内のインクが互いに混
じりあわないように密封しなければならない。この密封
の方法としては、天板のシリコン基板との接合面の各凹
部の間に、吐出口側端から他端へ延びる溝を形成し、こ
の溝に封止剤を注入する方法が考えられる。この場合、
インクジェット記録ヘッドは非常に小さいものなので、
検討の結果、溝に注入される封止剤の量は0.15mg
程度であった。しかし、このような極微量を安定的に制
御するのはディスペンサを用いても非常に困難であり、
封止剤が少なすぎて完全に密封できなかったり、その逆
に封止剤が多すぎてインク流路まで流れ込んでしまうお
それがあった。封止剤がインク流路まで流れ込んでしま
うと正常なインク吐出が行なわれなくなり、最悪の場合
にはインク流路が塞がれてインクが吐出されなくなって
しまう。
【0006】また、封止剤の注入するのに最も簡単な方
法は、天板の吐出口が配された側と反対側端(以下、
「後端」と称する)から注入する方法であるが、この部
位の近傍には図6に示したようにボンディングワイヤー
が配線されている。そのため、封止剤を注入する際にデ
ィスペンサのニードル等の注入手段がボンディングワイ
ヤーに引っ掛かりボンディングワイヤーが切断されるお
それもある。
【0007】そこで本発明は、複数の共通液室を形成し
て各共通液室間を封止剤で密封しようとした場合、各共
通液室間の密封を容易にしかも確実に行なうことができ
るインクジェットヘッド、インクジェットヘッドカート
リッジおよびインクジェット装置を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明のインクジェットヘッドは、インクを吐出するた
めのエネルギーを発生する複数のエネルギー発生素子
並列配置された基板と、前記基板に接合され、インクが
吐出される複数の吐出口と、それぞれ前記各吐出口へ供
給されるインクを一時的に保持する複数の共通液室の壁
を構成する複数の凹部と、前記各エネルギー発生素子の
位置に対応して位置し、前記各吐出口をそれぞれ前記各
凹部のうちいずれか1つと連通する複数の溝とを有する
とともに、前記各凹部の間において前記吐出口が配され
た側から前記各吐出口が配された側と反対側へ延び、内
部に封止剤が充填されることで前記共通液室のそれぞれ
を分離する分離溝が配され、前記分離溝の前記吐出口が
配された側と反対側の端部が、前記分離溝の断面よりも
大きな開口を有する封止剤注入口となっている溝付部材
とを有することを特徴とする。
【0009】また、前記基板の面積は、前記溝付部材の
前記基板との接合面の面積よりも大きく、前記エネルギ
ー発生素子を駆動させる駆動信号が外部配線を介して入
力される端子が、前記基板の前記溝付部材との接合面
の、前記溝付部材が接していない部位に設けられている
ものであってもよく、この場合に前記端子は、前記封止
剤注入口の開口部から前記基板の前記吐出口が配された
側と反対側の端部までの領域を除く部位に設けられてい
てもよい。
【0010】さらに、前記分離溝の吐出口側端は外部と
連通しているものや、前記封止剤はシリコーン樹脂など
の吸湿硬化性樹脂であるものや、前記各共通液室には、
それぞれ異なる色のインクが供給されるものや、前記エ
ネルギー発生素子は電気熱変換体であるものであっても
よい。
【0011】本発明のインクジェットヘッドカートリッ
ジは、前記本発明のインクジェットヘッドのいずれか1
つと、該インクジェットヘッドに供給するインクを保持
する液体貯蔵容器とを有するものである。
【0012】本発明のインクジェット装置は、前記本発
明のインクジェットヘッドのいずれか1つを備え、記録
信号に基づいてインクを前記インクジェットヘッドの吐
出口から吐出して記録を行なうものである。
【0013】
【作用】上記のとおり構成された本発明のインクジェッ
トヘッドでは、それぞれ共通液室となる複数の凹部、お
よび吐出口と凹部とを連通する溝が形成された溝付部材
の、基板との接合面の各凹部の間に、吐出口が配された
側からそれと反対側へ延びる分離溝が配され、溝付部材
と基板との接合後に分離溝の内部に封止剤が充填される
ことで共通液室が分離される。分離溝は、吐出口が配さ
れた側と反対側の端部が、分離溝の断面よりも大きな開
口を有する封止剤注入口となっているので、分離溝に注
入される封止剤の量は、封止剤注入口の容積分だけ増え
る。そのため、供給する封止剤の量を安定して制御でき
る量とすることができるので、各共通液室間の封止剤に
よる密封が容易にしかも確実に行なわれる。
【0014】また、基板の面積溝付部材の基板との
接合面の面積よりも大きく、エネルギー発生素子を駆動
させるための駆動信号が外部配線を介して入力される端
子が、基板の溝付部材との接合面の、溝付部材が接して
いないい部位に設けられている場合に、端子を、封止剤
注入口の開口部から基板の吐出口が配された側と反対側
の端部までの領域を除く部位に設けることで、封止剤を
ディスペンサ等の注入手段により封止剤注入口の開口部
から注入する際に、端子に接続されている外部配線が注
入手段の邪魔になることがない。
【0015】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0016】図1は、本発明のインクジェットヘッドの
第1実施例の要部斜視図である。本実施例のインクジェ
ットヘッドはカラー印字用のインクジェットヘッドであ
り、放熱部材であるアルミプレート210には、インク
吐出用のエネルギーを発生させるための複数個の電気熱
変換体(不図示)が形成されるとともに後述する溝付部
材としての天板200が接合されたシリコン基板190
が、熱伝導性のよい接着剤により接着されている。シリ
コン基板190には電気熱変換体を駆動するための駆動
回路が作り込まれており、この駆動回路はシリコン基板
190の後端部(オリフィスプレート16側と反対側の
端部)に形成された端子であるワイヤーボンディングパ
ッド220に電気的に接続されている。また、アルミプ
レート210には、前記駆動回路とインクジェット装置
との駆動信号の中継を行なうための配線基板250が固
定されており、配線基板250の端子とシリコン基板1
90のワイヤーボンディングパッド220とは外部配線
であるボンディングワイヤー230を介して電気的に接
続されている。
【0017】ここで、天板200について図2および図
3を参照して説明する。図2は図1に示したインクジェ
ットヘッドの天板200をシリコン基板19との接合面
側から見た斜視図であり、図3は図2に示した天板20
0の共通液室分離壁近傍の拡大斜視図である。
【0018】図2に示すように、天板200はオリフィ
スプレート160および4つのインク供給口260が一
体成形されたものであり、4つの凹部180がそれぞれ
共通液室分離壁150を隔てて形成されている。これら
各凹部180は、天板200がシリコン基板190(図
1参照)と接合されることによりそれぞれインクを保持
する共通液室となるもので、各共通液室にはそれぞれイ
ンク供給口260を介して異なる色のインクが供給され
る。また、オリフィスプレート160には図3に示すよ
うに複数の吐出口105が形成され、各吐出口105は
それぞれ溝であるインク流路100を介して、各凹部1
80のうちいずれか1つと連通している。前述した電気
熱変換体は各インク流路100毎に設けられており、駆
動信号に基づいて電気熱変換体を駆動することによって
電気熱変換体上のインクが急激に加熱されてインク流路
100内に気泡が発生し、この気泡の膨張により吐出口
105からインクが吐出される構成となっている。
【0019】さらに、同じ凹部180と連通する各イン
ク流路100を1つのインク流路群としたときに、互い
に隣接するインク流路群の間には、それぞれ各インク流
路100と同様に形成された7つのダミーノズル11
0、111が形成され、そのうちの中央のダミーノズル
110は他のダミーノズル111よりも幅が広くなって
いる。各ダミーノズル110、111は、それぞれオリ
フィスプレート160に形成された穴120より外部と
連通し、各穴120のうち中央の穴120はオリフィス
プレート160に形成された溝125につながってい
る。
【0020】一方、各共通液室分離壁150のシリコン
基板190との接合面には、それぞれオリフィスプレー
ト16側端(先端)から他端(後端)へ延びる共通液室
分離溝130が形成されており、その先端は中央のダミ
ーノズル110と連通している。また、各共通液室分離
溝130の後端は、天板200とシリコン基板190と
を接合した後に各共通液室間を密封するための封止剤を
注入する封止剤注入口170となっており、その幅は共
通液室分離溝130の幅よりも広くなっている。すなわ
ち、封止剤注入口170の開口は、共通液室分離溝13
0の断面よりも大きくなっている。
【0021】上述した構成に基づき封止剤を注入する場
合には、ディスペンサ等の注入手段により、図1に示し
た封止剤塗布部240(図中、斜線で示した部分)すな
わち封止剤注入口170の後方のシリコン基板190上
に封止剤を塗布する。封止剤塗布部240に塗布された
封止剤は、毛管現象によって共通液室分離溝130に侵
入し、さらに中央のダミーノズル110に到達する。中
央のダミーノズル110が封止剤で満たされたら中央の
ダミーノズル110から封止剤があふれ、その外側隣り
のダミーノズル111の後方から侵入する。これが順次
繰り返されて各ダミーノズル110、111に封止剤が
満たされることによって各共通液室間は完全に密封され
る。ここで、封止剤塗布部240に塗布する封止剤の量
を、外側から2番目のダミーノズル111で留まる量と
することで、もし仮にこのダミーノズル111から封止
剤があふれたとしても封止剤は最も外側のダミーノズル
111に侵入するだけでインク流路100へ侵入するこ
とはない。また、各ダミーノズル110、111はそれ
ぞれ穴120により外部と連通しているので、封止剤が
ダミーノズル110、111に注入された時、ダミーノ
ズル110、111の内部の空気を逃がして封止剤を穴
120まで到達させることができる。このとき封止剤
は、その表面張力で穴120の表面において保持され
る。さらに、各穴120のうち中央の穴120につなが
る溝125がオリフィスプレート160に形成されてい
るので、シリコン基板190とオリフィスプレート16
0との当接面にも封止剤が注入され、その部分の密封も
行なわれる。
【0022】封止剤としては、例えば吸湿硬化性樹脂で
あるシリコーン樹脂(東芝シリコーン社製、TSE39
9)が用いられる。また、実際に各共通液室間を密封す
るのに必要な封止剤の量は1つの共通液室分離溝130
当り0.15mg程度であるが、上述したように共通液
室分離溝130よりも幅の広い封止剤注入口170を設
けることにより、封止剤注入口170が封止剤溜りとし
て作用し、封止剤塗布部240に塗布する封止剤の量を
封止剤注入口170の容積分だけ増やすことができる。
封止剤の塗布量が例えば1mg程度まで増えると、封止
剤の塗布量はディスペンサで安定的に制御できるように
なる。その結果、封止剤の量が少なすぎて各共通液室間
の密封が不十分になることや、封止剤の量が多すぎて封
止剤がインク流路100まで流れ込むということがなく
なり、各共通液室間の密封を確実に行なえるようにな
り、インクジェットヘッドの製造における歩留りが向上
する。封止剤注入口170の容積は、ディスペンサのニ
ードルの太さやディスペンサの位置決め精度のばらつき
等に応じて設定される。
【0023】図4は、本発明のインクジェットヘッドの
第2実施例の要部斜視図である。本実施例のインクジェ
ットヘッドも、第1実施例のものと同様に封止剤を注入
する封止剤注入口370の幅が、共通液室分離溝(不図
示)の幅よりも広くなっているものであるが、各封止剤
注入口370の開口部からシリコン基板390の後端
(オリフィスプレート360とは反対側端)までの領域
にはワイヤーボンディングパッド420が形成されてお
らず、この領域が封止剤塗布部440となっている点
が、第1実施例のものと異なっている。その他の構成に
ついては第1実施例のものと同様でよいので、その説明
は省略する。
【0024】封止剤をディスペンサにより封止剤塗布部
440に塗布する場合、塗布量を安定して制御するため
には、ディスペンサのニードルとシリコン基板390と
の隙間を0.1〜0.2mmに保つ必要がある。一方、
第1実施例のように各封止剤注入口370からシリコン
基板390の後端までの領域にもワイヤーボンディング
パッド420が形成されている場合、例えばニードルと
して最も細い28ゲージのものを使用すると、ニードル
の太さは0.32mmでありニードルの位置決め精度の
ばらつきを±0.05mm見込み、さらにワイヤーボン
ディングパッド420の長さ0.2mmと、シリコン基
板390の後端からワイヤーボンディングパッド420
までの距離0.1mmとを考慮すると、天板400の後
端からシリコン基板390の後端までの距離を最短で
0.72mm取る必要がある。
【0025】そこで本実施例のようにワイヤーボンディ
ングパッド420を配置することにより、天板400の
後端からシリコン基板390の後端までの距離を、ワイ
ヤーボンディングパッド420の長さ0.2mmと、シ
リコン基板390の後端からワイヤーボンディングパッ
ド420までの距離0.1mm分だけ短くでき、少なく
とも0.42mmあればよいことになる。その結果、シ
リコン基板390の大きさ(面積)を小さくでき1枚の
ウエハからのシリコン基板390の取り個数を多くでき
るので、ウエハを有効に使用することができる。また、
封止剤の塗布の際にボンディングワイヤー430が邪魔
にならないのでディスペンサのニードル等のボンディン
グワイヤー430への引っ掛かりも発生しなくなり、封
止剤の塗布が容易に行なえるようになる。その結果、ボ
ンディングワイヤー430の切れが防止され、インクジ
ェットヘッドの製造における歩留りがより向上する。
【0026】実際には、ディスペンサのニードルとして
最も細い28ゲージのものを使用すると、ニードルから
出る封止剤の量が少なく注入するのに時間がかかるた
め、25ゲージ以上のものを使用するのが好ましい。こ
の場合でも、天板400の後端からシリコン基板390
の後端までの距離は少なくとも0.61mmあればよい
ことになる。ただし、シリコン基板390表面のワイヤ
ーボンディングパッド4202を形成しない領域は、封
止剤を塗布するのにボンディングワイヤー430が邪魔
にならないだけの所定の大きさがあればよく、この範囲
よりも封止剤注入口370の大きさが大きくても封止剤
塗布量を多くすればよいので差し支えない。
【0027】次に、本発明のインクジェット装置につい
て説明する。
【0028】図5は、本発明のインクジェット装置の一
実施例の概略斜視図である。図5において、螺旋溝50
05の刻まれたリードスクリュー5004は、駆動モー
タ5013の正逆回転に連動し、駆動力伝達ギア501
1、5009を介して回転駆動される。キャリッジP
は、ピン(不図示)によって螺旋溝5005に対して係
合し、さらに案内レール5003に摺動自在に案内され
ていることにより、図示矢印a,b方向に往復移動でき
るようになっている。前述した各実施例に示したもの同
様の構成のインクジェットヘッドと、インクジェットヘ
ッドに供給するインクを保持する液体貯蔵容器とが一体
となったインクジェットヘッドカートリッジ4030
が、このキャリッジHCに着脱自在に搭載されている。
これにより1つのインクジェットヘッドでカラー印字が
可能となり、小型のカラー印字用インクジェット装置が
実現される。
【0029】紙押え板5002は、キャリッジHCの移
動方向にわたって、被記録媒体Pをプラテンローラ50
00に対して押圧する。フォトカプラ5007、500
8は、キャリッジHCのレバー5006のこの域での存
在を確認して駆動モータ5013の回転方向の逆転等を
行なうためのホームポジション検知手段を構成する。イ
ンクジェットヘッドカートリッジ5030の前面をキャ
ップするキャップ部材5022は、支持部材5016に
よって支持され、さらに吸引手段5015を備え、キャ
ップ内開口5023を介してインクジェットヘッドカー
トリッジ5030の吸引回復を行なう。本体支持板50
18には支持板5019が取付けられており、この支持
板5019に摺動自在に支持されたクリーニングブレー
ド5017は、図示しない駆動手段によって前後方向に
移動される。クリーニングブレード5017の形態は図
示するものに限られず、公知のものが本例に適用できる
ことは言うまでもない。レバー5021は、吸引回復操
作を開始するためのもので、キャリッジHCと当接する
カム5020の移動にともなって移動し、駆動モータ5
013からの駆動力がギア5010やクラッチ切換等の
公知の伝達手段によって移動制御される。
【0030】これらのキャッピング、クリーニング、吸
引回復の各処理は、キャリッジHCがホームポジション
側領域にきたときリードスクリュー5004の作用によ
って、それぞれの対応位置で行なわれるようになってい
る。周知のタイミングで所望の作動を行なうようにすれ
ば、本例にはいずれも適用できる。
【0031】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも熱エネルギーを利用して飛翔的液滴を形成し、記
録を行うインクジェット方式のインクジェットヘッド、
インクジェット装置において、優れた効果をもたらすも
のである。
【0032】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさ
せて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体
(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この
気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(イン
ク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。こ
の駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成
長収縮が行なわれるので、特に応答性に優れた液体(イ
ンク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0033】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、更に優れた記録を行なうことができる。
【0034】インクジェットヘッドの構成としては、上
述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電
気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路または直角
液流路)の他に、熱作用部が屈曲する領域に配置されて
いる構成を開示する米国特許第4558333号明細
書、米国特許第4459600号明細書を用いた構成も
本発明に含まれるものである。
【0035】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成
としても本発明は有効である。
【0036】また、本発明のインクジェット装置の構成
として設けられる、インクジェットヘッドに対しての回
復手段、予備的な補助手段等を付加することは本発明の
効果を一層安定できるので好ましいものである。これら
を具体的に挙げれば、インクジェットヘッドに対しての
キャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸
引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あ
るいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段、記録と
は別の吐出を行う予備吐出モードを行うことも安定した
記録を行うために有効である。
【0037】さらに加えて、本発明に係るインクジェッ
ト装置の形態としては、ワードプロセッサやコンピュー
タ等の情報処理機器の画像出力端末として一体または別
体に設けられるものの他、リーダと組み合せた複写装
置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形
態を採るものであってもよい。また、布や糸に記録を行
なうプリント装置に適用してもよい。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明のインクジェ
ット記録ヘッドおよびインクジェットヘッドカートリッ
ジは、基板に接合される溝付部材に配された、内部に封
止剤が充填されることで共通液室を分離する分離溝の、
吐出口が配された側と反対側の端部を分離溝の断面より
も大きな開口を有する封止剤注入口とすることで、封止
剤注入口より供給する封止剤の量を安定して制御できる
量とすることができる。その結果、分離溝へ注入される
封止剤の量を一定にし易くなり、各共通液室間の封止剤
による密封を容易にしかも確実に行なうことができる。
【0039】また、基板の面積溝付部材の基板との
接合面の面積よりも大きく、エネルギー発生素子を駆動
させるための駆動信号が外部配線を介して入力される端
子が、基板の溝付部材との接合面の、溝付部材が接して
いない部位に設けられている場合に、端子を、封止剤注
入口の開口部から基板の吐出口が配された側と反対側の
端部までの領域を除く部位に設けることで、外部配線が
注入手段の邪魔にならずに容易に封止剤を封止剤注入口
の開口部から注入することができる。またこの場合に
は、基板の大きさを小さくできるので、より安価なイン
クジェットヘッドまたはインクジェットヘッドカートリ
ッジを提供することができる。
【0040】さらに、分離溝の吐出口側端を外部と連通
させることで、封止剤の注入時に分離溝内の空気は吐出
口側端から外部へ逃げるので、封止剤を吐出口側端まで
確実に注入することができる。
【0041】そして本発明のインクジェット装置は、上
述した本発明のインクジェットヘッドを備えることによ
り、インクジェットヘッドの各共通液室間は封止剤によ
り確実に封止されており、良好なインク吐出を行なうこ
とができる。また、複数種のインクによる記録を1つの
インクジェットヘッドで行なうことができ、小型のイン
クジェット装置を達成できる。これは、特にカラー印字
において効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録ヘッドの第1実施
例の要部の、吐出口と反対側から見た斜視図である。
【図2】図1に示したインクジェット記録ヘッドの天板
をシリコン基板との接合面側から見た斜視図である。
【図3】図1に示した天板の共通液室分離壁近傍の拡大
斜視図である。
【図4】本発明のインクジェット記録ヘッドの第2実施
例の要部の、吐出口と反対側から見た斜視図である。
【図5】本発明のインクジェット記録装置の一実施例の
概略斜視図である。
【図6】従来の単色印字用のインクジェット記録ヘッド
の要部の、吐出口と反対側から見た斜視図である。
【図7】図6に示したインクジェット記録ヘッドの天板
をシリコン基板との接合面側から見た斜視図である。
【図8】図6に示したインクジェット記録ヘッドを複数
個用いたカラー印字用のインクジェットユニットの斜視
図である。
【符号の説明】
105 吐出口 100 インク流路 110、111 ダミーノズル 120 穴 125 溝 130 共通液室分離溝 150 共通液室分離壁 160、360 オリフィスプレート 170、370 封止剤注入口 180 凹部 190、390 シリコン基板 200、400 天板 210 アルミプレート 220、420 ワイヤーボンディングパッド 230、430 ボンディングワイヤー 240、440 封止剤塗布部 250 配線基板 260 インク供給口 5000 プラテンローラ 5002 紙押え板 5003 案内レール 5004 リードスクリュー 5005 螺旋溝 5006、5021 レバー 5007、5008 フォトカプラ 5009、5011 駆動力伝達ギア 5010 ギア 5013 駆動モータ 5015 吸引手段 5016 支持部材 5017 クリーニングブレード 5018 本体支持板 5019 支持板 5020 カム 5022 キャップ部材 5023 キャップ内開口 5030 インクジェットヘッドカートリッジ HC キャリッジ P 被記録媒体

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出するためのエネルギーを発
    生する複数のエネルギー発生素子並列配置された基板
    と、前記基板に接合され、 インクが吐出される複数の吐出口
    と、それぞれ前記各吐出口へ供給されるインクを一時的
    に保持する複数の共通液室の壁を構成する複数の凹部
    と、前記各エネルギー発生素子の位置に対応して位置
    し、前記各吐出口をそれぞれ前記各凹部のうちいずれか
    1つと連通する複数の溝とを有するとともに、前記各凹
    部の間において前記吐出口が配された側から前記各吐出
    口が配された側と反対側へ延び、内部に封止剤が充填さ
    れることで前記共通液室のそれぞれを分離する分離溝が
    配され、前記分離溝の前記吐出口が配された側と反対側
    の端部が、前記分離溝の断面よりも大きな開口を有する
    封止剤注入口となっている溝付部材とを有することを特
    徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 前記基板の面積は、前記溝付部材の前記
    基板との接合面の面積よりも大きく、前記エネルギー発
    生素子を駆動させる駆動信号が外部配線を介して入力さ
    れる端子が、前記基板の前記溝付部材との接合面の、前
    記溝付部材が接していない部位に設けられている請求項
    1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 前記端子は、前記封止剤注入口の開口部
    から前記基板の前記吐出口が配された側と反対側の端部
    までの領域を除く部位に設けられている請求項2に記載
    のインクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 前記分離溝の吐出口側端は外部と連通し
    ている請求項1、2または3に記載のインクジェットヘ
    ッド。
  5. 【請求項5】 前記封止剤は吸湿硬化性樹脂である請求
    項1、2、3または4に記載のインクジェットヘッド。
  6. 【請求項6】 前記吸湿硬化性樹脂はシリコーン樹脂で
    ある請求項5に記載のインクジェットヘッド。
  7. 【請求項7】 前記各共通液室には、それぞれ異なる色
    のインクが供給される請求項1ないし6のいずれか1項
    に記載のインクジェットヘッド。
  8. 【請求項8】 前記エネルギー発生素子は電気熱変換体
    である請求項1ないし7のいずれか1項に記載のインク
    ジェットヘッド。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれか1項に記載
    のインクジェットヘッドと、該インクジェットヘッドに
    供給するインクを保持する液体貯蔵容器とを有するイン
    クジェットヘッドカートリッジ。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし8のいずれか1項に記
    載のインクジェットヘッドを備え、記録信号に基づいて
    インクを前記インクジェットヘッドの吐出口から吐出し
    て記録を行なうインクジェット記録装置。
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