JP3124925U - 高粘度塗料の厚膜塗装に適した塗装装置のための背負い式塗料タンク - Google Patents

高粘度塗料の厚膜塗装に適した塗装装置のための背負い式塗料タンク Download PDF

Info

Publication number
JP3124925U
JP3124925U JP2006004907U JP2006004907U JP3124925U JP 3124925 U JP3124925 U JP 3124925U JP 2006004907 U JP2006004907 U JP 2006004907U JP 2006004907 U JP2006004907 U JP 2006004907U JP 3124925 U JP3124925 U JP 3124925U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paint
container body
backpack
piston body
paint tank
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2006004907U
Other languages
English (en)
Inventor
繁行 安部
平隆 増田
正則 亀井
安達 良光
達也 岩村
裕文 福山
西森 修次
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Paint Co Ltd filed Critical Kansai Paint Co Ltd
Priority to JP2006004907U priority Critical patent/JP3124925U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3124925U publication Critical patent/JP3124925U/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Coating Apparatus (AREA)

Abstract

【課題】高粘度塗料であっても、効率良く、且つ、仕上がり良く厚膜塗装できる背負い式塗料タンクを提供する。
【解決手段】背中に背負うことのできる筒状容器本体11と、容器本体11の天部に気密的に装着される蓋体13と、筒状容器本体11内に摺動自在に収容されるピストン体15と、を備え、筒状容器本体11の底面に吐出ポート10が設けられ、蓋体13に圧縮ガス注入ポート12が設けられ、ピストン体15は、容器本体11の天部開口部から取り出し自在に収容され、且つ、容器本体11内から取り出すための取手部21を備えていることとした。
【選択図】図1

Description

本考案は、高粘度塗料の厚膜塗装に適した塗装装置のための背負い式の塗料タンクに関するものである。
従来、高構造物等の塗装に使用する塗装機として、作業者が携帯ガスボンベを携帯するとともに背負い式塗料タンクを背負、ガスボンベのガス圧で塗料タンク内の塗料を刷毛等の塗布具に圧送する形式の塗装機が多数開発されている(例えば、特開平10−34063号公報、特開2002−263556号公報)。
この種の塗装機では、背負い式塗料タンクに収容することができる塗料の容量に限界があり、塗料の補充を頻繁に行う必要が生じる。従って、塗料タンクには塗料の投入口が天部に設けられている。
また、圧縮ガスの注入ポートが必要となるが、塗料タンクの底方から塗料を押し上げるのは容易でないから、塗料タンクの上部にガス注入ポートを設け、塗料タンクの上部から管を通じて圧送する構成を採用している。
このように塗料タンク内の管を通じて塗料を持ち上げる圧送方式を採用しているのは、単に塗料タンクの底にホースを接続してそのホースの先に塗布具を装着し、塗料タンクの上部から圧縮ガスを注入しようとした場合は、塗料タンク底のホース接続口の部位にある塗料のみが先行して吐出されることによって空隙が生じ、この空隙によって圧縮ガスがホース内を通ってリークすることがあり、塗料を十分に供給できなくなるからである。このような現象(チャネリング現象と呼ばれる。)は、吐出すべき塗料の粘度が高くなるにつれて顕著となる。
防食性を向上させるためには、膜厚が125μm程度以上の厚膜塗装を行うことが望まれるが、従来の塗装方法では、重力とタンク本体内の管との圧力損失の影響により、5Pa・s程度以上の高粘度塗料では十分な量の塗料を供給することができず、一回塗りで所望の厚膜を得るのが容易でなかった。
そこで、本考案は、高粘度塗料であっても、効率良く、且つ、仕上がり良く厚膜塗装できる塗装装置用背負い式塗料タンクを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本考案は、高粘度塗料の厚膜塗装に適した塗装装置のための背負い式塗料タンクであって、背中に背負うことのできる筒状容器本体と、該容器本体の天部に気密的に装着される蓋体と、該筒状容器本体内に摺動自在に収容され該容器本体内を底側塗料室と天部側圧縮ガス室とに仕切るピストン体と、を備え、前記筒状容器本体の底面に吐出ポートが設けられ、前記蓋体に圧縮ガス注入ポートが設けられていることを特徴とする。
前記ピストン体は、前記容器本体の天部開口部から取り出し自在に収容されていることが好ましく、さらに、前記容器本体内から取り出すための取手部を備えていることが好ましい。
前記ピストン体は、弾性材料によって形成され、可撓性を有していることが好ましい。
前記ピストン体は、吸盤状となっていることが好ましい。
前記天部側圧縮ガス室内に圧縮スプリングが収容され、該圧縮スプリングの端部が前記ピストン体の上部を押さえていることが好ましい。
前記圧縮スプリングは、0.5〜30Nの力で前記ピストン体を押さえるように構成されていることが好ましい。
前記ピストン体の取手部が、該ピストン体の周縁近傍に形成されていることが好ましい。
本考案によれば、塗料タンクに収容されているピストン体は、吐出ポートに接続される塗料供給用可撓性管を通じて圧縮ガスがリークするのを防止する一方、取手部が設けられているので、塗料タンクの天部開口部から容易に取り出すことができ、塗料を補充することができる。そして、容器本体内の塗料は、圧縮ガスによる押圧力に加えて、塗料の自重とピストンの荷重が加算されるので、高粘度塗料であっても、効率よく吐出される。
本考案の好ましい実施形態について以下に図1〜9を参照して説明する。なお、全図を通し、同様の構成部分には同符号を付した。
図1は、本考案に係る塗料タンクを備える塗装装置の概略構成を示している。塗装装置1は、塗料タンク2と、塗料タンク2に圧縮ガスを供給するガスボンベ3と、圧縮ガス供給管3aに取り付けられて圧縮ガスの供給圧力を調節するレギュレータ等で構成される圧力調節具4と、塗料タンク2と塗料供給用可撓性管5によって連結された塗布具6と、を有している。さらに、圧縮ガス供給管3aには、開閉弁(2方弁)7と、手動操作可能なリリーフ弁8と、が備えられている。
ガス供給ホース3aは、材質は特に制限されず、ウレタン、ナイロンなどの各材質が使用できるが、破壊圧力が2.4MPa以上であって使用圧力が0.6MPa以上のものが好ましい。なお、本実施形態では、内径が4mm、外形が6mm、破壊圧力が2.4MPa、常用圧力が0.6MPaのウレタンチューブを使用している。
また、塗料供給用可撓性管5は、耐溶剤性があり、破壊圧力2.1MPa以上であって使用圧力が0.5MPa以上の耐圧性を有するものであれば、材質は限定されない。ここで、耐溶剤性とは、トルエン或いはキシレンと接触して膨潤及び変質がないことを意味する。そのような材料として、ウレタン、ナイロンを例示できる。
また、塗料供給用可撓性管5は、内径が細いと圧力損失が大きいため、極力大きな内径の物を使用する。塗料供給用可撓性管5の内径の範囲としては、5〜15mmが好ましい。内径が5mmより細いと圧力損失が大きく十分な吐出量を得る為には、ガス圧を高くする必要がある一方、内径が15mmより太いと塗料供給用可撓性管5の操作性(取り回し)が悪く塗装作業に支障をきたすからである。なお、本実施形態において使用している塗料供給用可撓性管5は、、内側がナイロンで外側がウレタンの2層構造であり、破壊圧力2.1MPa、使用圧力0.5MPa、内径9.5mm、外形13mmのものを使用している。
塗料タンク2は、底面に塗料吐出ポート10が設けられた筒状容器本体11と、容器本体11の天部に気密的に装着され且つ圧縮ガス注入ポート12が設けられた蓋体13と、筒状容器本体11内に摺動自在に収容されて容器本体11内を底側塗料室11aと天部側圧縮ガス室11bとに仕切るピストン体15と、を備えている。
なお、圧縮ガス注入ポート12は、容器本体11の上部周面に取り付けてもよい。また、加圧ガスボンベ3は、腰ベルト等に吊り下げるほか、容器本体11又は蓋体13に取り付けることもできる。さらに、加圧ガスボンベに代えて、圧縮ガス供給源として、図示しないコンプレッサーを設置して、コンプレッサーの吐出口と圧縮ガス注入ポート12とをホース(不図示)によって接続し、圧縮ガスを供給するようにしても良い。
ピストン体15は、周縁部に取手部21を備えることができ、容器本体11の蓋体13を外せば、取手部12を持ってピストン体15を容器本体11から容易に引き出して取り出せるようになっている。取手部21は、手で摘んだり、道具で引っ掛けたりすることで、容器本体11から引き出すことができれば良く、特に形態は限定されない。
塗料タンク2は、図示しないが、肩バンド、腰バンド等を備えることにより、背負い式、腰ベルト吊り下げ式等の携帯型である。
塗布具6は、ハンドル61と、毛材の根本が矩形状に束ねられて結束固定された毛束部62と、を備えている。毛束部62は、可撓性管5が接続され、塗料の供給を受ける。
毛束部62は、厚み方向(図3の左右方向)両側部の毛材が、内側から外側に向かうに従い毛丈が短尺となるように、斜めに刈り込まれている。
毛束部62は、短尺とされていない毛材が集合する厚み方向中央部の先端部厚み寸法(D)を10〜20mmとし、該中央部の毛材先端位置から毛束部62の厚み方向最外側にある最短毛丈の毛材先端位置迄の距離(H)を20〜40mmとし、刈り込み角度θを2〜70°の範囲、好ましくは10〜30°とする。
毛束部62の毛材をこのように刈り込むことにより、横塗り(図3の左右方向移動による塗布)を行った場合に、刈り込みの傾斜部に沿って塗料が流れることで、塗料の飛散が低減され、塗料が毛材上に溜まるのも低減され、その結果、良好な塗面仕上がりが得られる。
また、塗料を配る際(塗り広げる際)には、刈り込まれていない部分(毛束部の根本部分)を主として使用し、仕上げ塗りの際に、刈り込まれている部分を使用することもできる。刈り込まれていない部分は、刈り込まれている部分に対し、比較的、腰が強く(反発力が大きい)、腰の強い部分は配り塗りに適し、腰の弱い部分は仕上げ塗りに適しているからである。
毛束部62を構成している毛材は、豚毛(直径0.1〜0.2mm)を20〜40%、カネゴート(60〜30デニール)を80〜60%の割合で混毛したもの好ましい。高粘度塗料を塗布する場合には、毛材が柔らかすぎると塗料を被塗装物に対して均一に塗り広げにくく固すぎると塗布した塗料を掻き取り目標膜厚を確保できないと言う問題があるため適度の腰の強さが必要とされ、前記のような混毛とすることで、塗布しやすく、仕上がりも良好なものとなる。
可撓性管5内の塗料供給流量を制御する制御部63が、塗布具6に取り付けられている。制御部63は、ニードル弁64を内蔵する制御弁である。制御弁63は、インレットポート65を備え、インレットポート65に可撓性配管5が接続される。弁64は、コイルバネ66a、66b、66cによって閉側に付勢されている。コイルバネ66a〜66cのバネ力に抗して、揺動自在に軸着されたレバー67を押操作すれば、弁64が弁座から離れて流路70が開通し、毛束部62内に差し込まれているノズル68、69から塗料が吐出される。
図2,3に示す例では、レバー67が毛束部62近傍のハンドル61左側部であって、ハンドル61を右手で持ったときに親指で操作しやすい位置に配置されている。
レバー67の位置は、適宜の位置に配置することができ、図4,5はレバー67aが毛束部62の上部に配置されている例、図6はレバー67bが毛束部62の近傍であってハンドル61の腹側部に配置されている例を、それぞれ示している。何れの例も、図2,3の例と同様、レバー67a、67bによって、弁64が開閉する構成となっている。
なお、制御部63は、ニードル式制御弁に限らず、電磁弁、可撓性チューブ等に取り付けられるローラクランプ、その他の公知の制御手段を採用することができる。
上記塗装装置を用いて塗装する方法について、以下に説明する。
先ず、蓋体13を開き、ピストン体15を取り出して、筒状容器本体11の底側塗料室11a内に、5〜50Pa・s、好ましくは15〜20Pa・sの粘度(リオン式回転粘度計により測定した粘度)を有する塗料を充填する。
使用する塗料として、1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂(D)、リン片状顔料(E)、及びアミン系硬化剤(F)を含有する塗料が好適である。
上記エポキシ樹脂(D)は、1分子中にエポキシ基を2個以上、好ましくは2〜5個有するエポキシ樹脂である。また、エポキシ樹脂(D)は、数平均分子量が約350〜3,000であるのが好ましく、約400〜1,500であるのがより好ましい。更に、エポキシ当量が約80〜1,000であるのが好ましく、約150〜700であるのがより好ましい。
上記エポキシ樹脂(D)の例としては、多価アルコール、多価フェノールなどと過剰のエピクロルヒドリン又はアルキレンオキシドとを反応させて得られるエポキシ樹脂を挙げることができる。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセロール、ソルビトール等が挙げられる。また、多価フェノールとしては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノールA]、ハロゲン化ビスフェノールA、4,4−ジヒドロキシフェニルメタン[ビスフェノールF]、トリス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、レゾルシン、テトラヒドロキシフェニルエタン、ノボラック型多価フェノール、クレゾール型多価フェノールなどが挙げられる。
これら以外のエポキシ樹脂としては、例えば、1,2,3−トリス(2,3−エポキシプロポキシ)プロパン、フタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸グリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸グリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステル、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチルカルボキシレート、トリグリシジルイソシアヌレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルカルボキシレート、ポリプロピレングリコールグリシジルエーテルなどが挙げられる。
上記リン片状顔料(E)は、平均厚さ0.1〜15μm程度、平均長径0.01〜2mm程度のフレーク状の顔料であって、粒度分布のピークが0.01〜2mmの間にあるものが防食性能を向上させる上で好ましい。該リン片状顔料(E)としては、例えばマイカ(雲母)、アルミニウムフレーク、ステンレスフレーク、ガラスフレークなどが挙げられ、これらは単独でまたは2種以上混合して使用できる。これらのうち、特に絶縁抵抗性の点からガラスフレークが好適に使用できる。
上記リン片状顔料(E)の含有量は、前記樹脂(D)の固形分100重量部に対して5〜100重量部程度、好ましくは10〜70重量部程度の範囲内である。該含有量が5重量部程度未満では、水分などの腐食性因子の透過阻止効果が低下し、100重量部程度を超えると塗料粘性が高くなる上に硬化塗膜が脆くなるので好ましくない。
上記アミン系硬化剤(F)は、上記エポキシ樹脂(D)の硬化剤であり、従来公知のものが特に制限なく使用できる。該アミン系硬化剤としては、前述のアミン系硬化剤(F)の説明で列記した中から適宜選択して使用することができる。
上記アミン系硬化剤(F)の配合割合は、前記エポキシ樹脂(D)中のエポキシ基1当量に対して、アミン系硬化剤(F)中の活性水素が0.5〜3.0当量程度、好ましくは0.8〜1.5当量程度になるような割合で用いることが塗膜の硬化性、防食性の観点から望ましい。
斯かる塗料には、さらに必要に応じて、上記リン片状顔料(E)以外の各種顔料;石油樹脂、クマロン樹脂、キシレン樹脂、トルエン樹脂、ケトン樹脂、フェノール樹脂等の上記エポキシ樹脂(D)以外の各種樹脂;増粘剤、可塑剤、充填剤、顔料分散剤、紫外線吸収剤、沈降防止剤、タレ止め剤、反応性希釈剤等の各種添加剤を配合することができる。
斯かる塗料は、通常、有機溶剤型塗料であり、その固形分含量は50〜97重量%程度好ましくは70〜95重量%である。有機溶剤としては、樹脂成分製造時のものでもよく、又固形分調整等の目的で適宜追加してもよい。有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ミネラルスピリット等の芳香族炭化水素系溶剤;n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−デカン、n−ドデカン、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル等のエステル系溶剤;エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系溶剤;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール系溶剤;これらグリコール系溶剤のメチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル、ブチルエーテル等のグリコールエーテルアセテートやプロピオネートなどのグリコールエーテル系溶剤等の従来公知の溶剤が使用できる。
斯かる塗料は、通常、アミン系硬化剤(F)以外の成分を含有する塗料ベースと、アミン系硬化剤(F)を含有する硬化剤との二液型塗料であり、塗装時に、塗料ベースと硬化剤とを混合して、使用される。混合後の可使時間は、20℃において、通常、0.5〜6時間程度である。また、斯かる塗料は、常温硬化型の塗料である。
圧縮ガスとして炭酸ガスを使用する場合、塗料を充填した後、天部側圧縮ガス室11bに、水溶性アルコールもしくは水溶性アルコールと水との混合液を追加投入することが好ましい。水溶性アルコールとしては、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等を例示することができる。炭酸ガスを使用する場合、塗料硬化剤中に含まれるポリアミド樹脂と炭酸ガスとが接触すると、瞬時にガルバミン酸化合物による塗料塊が形成される。この塗料塊(ガルバミン酸化合物)が塗料中に分散し、塗膜不良を生じるおそれがある。また、前記塗料塊は、塗布部6のノズル68、69を詰まらせる原因となって、塗布具6からの塗料の吐出不良を生じさせたり、塗布具6のニードル弁64とニードル弁64の弁座との間に挟まって、ニードル弁64を閉鎖不能にして、塗料の吐出を停止させることができなくなるという不具合を生じるおそれがある。そこで、上記したように、容器本体11内に塗料を充填し、ピストン体15を容器本体11内に挿入して塗料表面に載置した後、ピストン体15の上に、アルコールもしくはアルコールと水との混合液を張れば、結晶化したガルバミン酸化合物を溶解させることができる。本実施形態では、イソプロピルアルコール:水=80:20にブレンドしたもの適量を、容器本体11内に添加している。
蓋体13を閉じた後、背負い式塗料タンク2から塗布具6への塗料の吐出流量が500〜2000g/分、好ましくは、900〜1500g/分となるように、圧力調節具4の設定圧力を調節する。図示例では、圧力調節具の設定圧力を、0.1〜0.5MPaの範囲内で調節し、加圧ガスボンベ3内の天部側圧縮ガス室11b内に圧縮ガスを供給している。
制御部63のレバー67を操作し、ニードル弁64を開いて、ノズル68、69から塗料を吐出させつつ、被塗装面を塗装する。上記の高粘度塗料を上記の流量で吐出すれば、作業者が通常刷毛を運ぶ速度で塗布作業を行えば、塗装直後の塗膜厚として、450μm以上の膜厚を確保できる。
容器本体11内の塗料が無くなれば、開閉弁7を操作して閉じて、容器本体11への圧縮ガス供給を停止させ、リリーフ弁8を開操作して容器本体11内の圧縮ガスを抜いた後、蓋体13を開いて、ピストン体15の取手部21を把持して容器本体11から引き出し、塗料を補充する。そして、ピストン体15を再び収容し、蓋体13を閉じて、開閉弁2を操作して開けば、圧力調節具4及びリリーフ弁8の働きによって容器本体11に送られるガス圧が所定圧力に達し、再び、塗装作業を行うことができる。
塗料タンク2に収容されているピストン体15は、塗料供給用可撓性管5を通じて圧縮ガスがリークするのを防止する一方、取手部21が設けられているので、容器本体11の天部開口部から容易に取り出すことができ、塗料を補充することができる。そして、容器本体11内の塗料は、圧縮ガスによる押圧力に加えて、塗料の自重とピストンの荷重が加算されるので、高粘度塗料であっても、効率よく圧送される。その結果、上記のような高粘度の塗料であっても、一度塗りで450μm以上の膜厚(ウェット状態)を確保でき、乾燥後の塗膜厚も340μm以上を確保することができた。
塗布具6は側面が斜めに刈り込まれているため、塗料を被塗装面に広げる際、刷毛中央部より吐出した塗料を比較的腰の強い根元に近い部分で均一に塗り広げ、その後刈り込まれた部分を使用して仕上げていく。その時刷毛を被塗装物に対して垂直に立てた状態で仕上げると、刷毛で塗料をかきとり、膜厚は薄くなり、刈り込みにあわせて刷毛を寝かせた状態で仕上ると塗料はその傾斜面に沿って流れ、目標膜厚を確保でき、又毛束部に塗料が溜まらずに仕上げることができ、滑らかな塗膜面が形成される。
図7は、塗布具の他の形態を示している。毛束部62の毛巾方向(図7の左右方向)端部の毛材が、毛束部62の内側から外側に向かうに従い毛丈が短尺となるように刈り込まれている。
毛束部62は、刈り込み角度θを30〜85°、好ましくは60〜80°とし、毛巾方向中央部の毛材先端位置から毛巾方向最外側にある最短毛丈の毛材先端位置迄の距離(H)を20〜40mmとすることが好ましい。
上記のように毛巾方向端部に刈り込みを形成することで、縦塗り(図7の左右方向移動による塗布)を行った場合に、刈り込まれた傾斜部に沿って、塗料が流れ、良好な仕上がりを得ることができる。また、細い部材に対して効果的に塗装できる。
次に、本考案の第2実施形態について、図8、9を参照して説明する。図8は、塗装装置の概念図を示している。図9は、塗料タンクの内部状態を示し、図9(a)は、充填した塗料の上にピストン体を載せた状態、図9(b)は、ピストン体の上に圧縮スプリングを載せて蓋体で閉じた直後の状態、図9(c)は塗料の吐出後における塗料タンクの内部状態を示している。図9中、符号Pは塗料を示す。
第2実施形態に係る塗装装置では、天部側圧縮ガス室11b内に、圧縮スプリング9が収容され、圧縮スプリング9の端部がピストン体15の上部を押さえている。
圧縮スプリング9は、ピストン体15を介して塗料表面に押しつける。その結果、容器本体11が傾いた際にピストン体15が傾くのを防止することができる。
このような圧縮スプリング9は、圧縮スプリング9が容器本体11内で最も圧縮した状態である図9(b)の状態において、0.005〜0.3MPa、好ましくは、0.01〜0.2MPaの力でピストン体15を押し、圧縮スプリング9が容器本体11内で最も延びた状態である図9(c)の状態において、0.005MPa以上、好ましくは0.025MPa以上の力でピストン体15を押すものが好ましい。図9(b)の状態において圧縮スプリング9の押圧力が0.3MPaを超えると、塗料タンク内にスプリング9の挿入が難しくなるからである。また、図9(b)の状態から図9(c)の状態になるまでの圧縮スプリング9の押圧力が0.005MPa以上好ましくは、0.025MPa以上を保つ必要がある。図9(b)から(c)にいたるまでの間に0.005MPa以下になると、塗料タンクが傾いた際、容器内のピストン体も傾き圧縮ガスがリークするからである。
ピストン体15は、弾性材料によって形成され、可撓性を有している。ピストン体15は、このような可撓性を有する結果、図8,9に示すように、容器本体11の上部が、円錐形、円錐台形、或いは半球形等の先窄まり状となっていて天部開口部11cが胴体部分より縮径していても、ピストン体15を撓めることによって、容器本体11内に挿入することができる。ピストン体15を形成するための弾性材料は、柔軟なゴム材質であれば特に制限されず、例えば、バインドゴムやシリコーン樹脂等を採用できる。
また、ピストン体15は、図8,9に示すように、吸盤状とすることができる。吸盤状のピストン体15は、容器本体11内において、圧縮空気からの圧力、及び、圧縮スプリング9からの押圧力を受けることにより、扁平状に弾性変形させられ、その結果、外径が広がる。従って、ピストン体15の吸盤状時における外径D15(図9(a))を、容器本体11の円筒部内径D11(図9(a))より若干小さくなるよう寸法設定しておくことで、容器本体11の内壁面とのシール性を高めることが可能となる。さらに、ピストン体15は、吸盤状としておくことで、容器本体11内の塗料を使い切った後、容器本体11の底面に吸着し、塗料吐出ポート10を塞ぎ、容器本体11内の塗料の残らず使い切ることができる。
また、吸盤状のピストン体15の外径D15を容器本体11の円筒部内径D11より若干小さくしておけば、次のような効果も奏する。ピストン体15の本来の外径が、扁平状であれ吸盤状であれ、容器本体11の内径に密接する大きさに設定されていると、ピストン体15を容器本体11内に挿入する際に、ピストン体15の周縁が容器本体11の内壁面に弱い摩擦接触によって引っかかり、容器本体11の塗料表面に対して水平に挿入しにくい場合があるが、ピストン体15の外径を容器本体11の円筒部内径より若干小さい外径の吸盤状にしておけば、ピストン体15を容器本体11の内壁から摩擦抵抗を受けることなく容器本体11内へ容易に挿入できる。
容器本体11の底面に吸着した吸盤状のピストン体15を剥離させることが困難な場合には、ピストン体15の取手部21を、図8(図1も)に示すように、ピストン体15の周縁近傍に設けておくことで、容器本体11の底部に張り付いた吸盤状のピストン体15を容器本体11から剥離させやすくなる。
また、ピストン体15に弾性材料によって形成することで、可撓性を持たせ、或いは、吸盤状とすることにより、容器本体11の底部が図8,9に示すように先窄まり状になっている場合にも、容器本体11の底面形状に沿わせることができ、塗料を残らず使いきることができる。
容器本体11の上部が先窄まり状であって天部開口部11cが容器本体11の胴体部分より径が小さい場合、圧縮スプリングは、両端部の巻径が他の部分より小径となっており、当該小径両端部の外径は天部開口部11cの内径より小さく設計される。このように圧縮スプリング9の形状を設計することで、圧縮スプリング9を容器本体11から容易に出し入れでき、従って、塗料交換のために、ピストン体15も容器本体11から出し入れできる。
なお、天部開口部11cの内径は、大人の腕が入るのに十分な大きさを有していることが望ましい。また、圧縮スプリング9の下端部は、ピストン体15の取手部21に連結しておいても良い。
図10は、上記第2実施形態の変更態様を示す第3実施形態であり、容器本体11及び圧縮スプリング9の形状が異なり、第3実施形態の容器本体11は、上下が平坦な円筒形をしているため、圧縮スプリング9も全長に亘って同一の巻径を有する円筒状輪郭を有しているが、その他の構成は第2実施形態と同様であるので、詳細な説明を省略する。
本考案に係る塗料タンクを備える塗装装置の第1実施形態を示す概念図である。 図1の塗装装置の塗布具を拡大して示す側面図である。 図2の塗布具の正面図である。 塗布具の他の形態を示す側面図である。 図4の塗布具の正面図である。 塗布具の更に他の形態を示す側面図である。 塗布具の他の形態を示す側面図である。 本考案に係る塗料タンクの第2実施形態を備える塗装装置を示す概念図である。 第2実施形態の要部を拡大して示す断面図である。 本考案に係る塗料タンクの第3実施形態を備える塗装装置を示す概念図である。
符号の説明
1 塗装装置
2 塗料タンク
3 ガスボンベ
4 圧力調節具
5 可撓性管
6 塗布具
62 毛束部
11 筒状容器本体

Claims (8)

  1. 高粘度塗料の厚膜塗装に適した塗装装置のための背負い式塗料タンクであって、背中に背負うことのできる筒状容器本体と、該容器本体の天部に気密的に装着される蓋体と、該筒状容器本体内に摺動自在に収容され該容器本体内を底側塗料室と天部側圧縮ガス室とに仕切るピストン体と、を備え、前記筒状容器本体の底面に吐出ポートが設けられ、前記蓋体に圧縮ガス注入ポートが設けられていることを特徴とする背負い式塗料タンク。
  2. 前記ピストン体は、前記容器本体の天部開口部から取り出し自在に収容されていることを特徴とする請求項1記載の背負い式塗料タンク。
  3. 前記ピストン体は、前記容器本体内から取り出すための取手部を備えていることを特徴とする請求項2記載の前記背負い式塗料タンク。
  4. 前記ピストン体は、弾性材料によって形成され、可撓性を有していることを特徴とする請求項1記載の背負い式塗料タンク。
  5. 前記ピストン体が、吸盤状となっていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の背負い式塗料タンク。
  6. 前記天部側圧縮ガス室内に、圧縮スプリングが収容され、該圧縮スプリングの端部が前記ピストン体の上部を押さえていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の背負い式塗料タンク。
  7. 前記圧縮スプリングは、0.5〜30Nの力で前記ピストン体を押さえるように構成されていることを特徴とする請求項6記載の背負い式塗料タンク。
  8. 前記ピストン体の取手部が、該ピストン体の周縁近傍に形成されていることを特徴とする請求項3〜5の何れかに記載の背負い式塗料タンク。
JP2006004907U 2006-06-22 2006-06-22 高粘度塗料の厚膜塗装に適した塗装装置のための背負い式塗料タンク Expired - Lifetime JP3124925U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006004907U JP3124925U (ja) 2006-06-22 2006-06-22 高粘度塗料の厚膜塗装に適した塗装装置のための背負い式塗料タンク

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006004907U JP3124925U (ja) 2006-06-22 2006-06-22 高粘度塗料の厚膜塗装に適した塗装装置のための背負い式塗料タンク

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3124925U true JP3124925U (ja) 2006-08-31

Family

ID=43474827

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006004907U Expired - Lifetime JP3124925U (ja) 2006-06-22 2006-06-22 高粘度塗料の厚膜塗装に適した塗装装置のための背負い式塗料タンク

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3124925U (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5017502B2 (ja) 高粘度塗料の厚膜塗装に適した塗装装置及び塗装方法
US11904350B2 (en) Texturizing a wall or ceiling with non-acoustical joint compound
AU2013257190B2 (en) Vent system for a gravity feed spray device
US20070292197A1 (en) Internal feed manual paint brush
US20070260011A1 (en) Roof patch composition
ATE431197T1 (de) Bajonett-adapteranordnung für den zufuhrbecher einer spritzpistole
US20130216294A1 (en) Drywall joint finishing tool
JP3124927U (ja) 高粘度塗料の厚膜塗装に適した刷毛
JP6665036B2 (ja) ポリウレア噴射装置
JP3124925U (ja) 高粘度塗料の厚膜塗装に適した塗装装置のための背負い式塗料タンク
US20090308946A1 (en) Aerosol Can Adaptor for Spraying Equipment
US9017769B2 (en) Method and apparatus for applying a coating to a surface
CN102686319B (zh) 独立喷涂型甲硅烷基封端的粘合剂系统
US8439452B2 (en) Paint brush with reinforced ferrule construction
US20140304931A1 (en) Paint Brush with Protective Seal
CN109296181A (zh) 一种化工涂料墙面喷涂装置
CN207170102U (zh) 一种喷漆设备喷头防滴漏机构
JP2019507678A (ja) 噴霧器アダプタ用システムおよび方法
CN101717609B (zh) 一种管道防腐胶带及制备工艺
KR102080073B1 (ko) 페인트 자동 공급 롤러
CN106061624A (zh) 喷嘴梢储存
KR101992025B1 (ko) 도료 분출장치
US2595528A (en) Portable insulation spraying device
AU2023203812B1 (en) Purgeable injection apparatus for spillfree replenishment of embedded foundation preservation wraps
KR20210011800A (ko) 농약 분무장치

Legal Events

Date Code Title Description
R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090809

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120809

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130809

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term