JP3124046U - 化学機械研磨パッド - Google Patents
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Abstract
【解決手段】化学機械研磨パッドは、少なくとも研磨層、両面テープ層および剥離層が順次積層されてなり、剥離層が耳部を有する。耳部は、好ましくは幅が2mm以上であり、耳部の長さが5mm以上である。化学機械研磨パッドは、研磨層と両面テープ層の間に、更に支持層が積層されていてもよい。
【選択図】図1
Description
化学機械研磨パッドは、研磨工程における被研磨物との接触、摺動によりその表面が磨耗するほか、少なくともその使用前および一定枚数のウェハの研磨をするごとに行われる「ドレッシング」と呼ばれる目立て処理によっても磨耗する。
研磨パッドは研磨装置の定盤上に両面テープで固定されており、その交換作業は、古い研磨パッドを定盤から剥がし、新しい研磨パッドを装着することによる。この作業は、作業員が手動で行う。新品の研磨パッドは一般に、非研磨面側(裏面側)に両面テープを有し、その粘着面を保護する剥離層とともに供給される。新品の研磨パッドを研磨装置の定盤上に装着するためには、まず研磨パッド裏面の剥離層を剥がし、両面テープの粘着層を露出する必要がある。ところが半導体装置の製造は無塵下で行われることを要するため、通常、化学機械研磨装置はクリーンルーム内に設置されており、クリーンルームにおいて作業員は無塵手袋を装着している。このような状況下で、作業員が新品の研磨パッドの裏面の剥離層をはがす作業は困難を伴い、研磨パッドの交換における作業効率の悪いことが問題となっている。
研磨パッドの大きさとしては、例えば円柱状の研磨パッドである場合、その研磨面(円柱の一方の底面)の直径が例えば150〜1,200mmであることができ、特に500〜820mmであることができる。研磨パッドの厚さとしては、例えば0.5〜5.0mmであることができ、特に1.0〜3.0mm、就中1.5〜3.0mmであることができる。
研磨層は、その非研磨面(裏面)に任意の形状の溝またはその他の凹部を有することができる。このような溝またはその他の凹部を有することにより、被研磨物におけるスクラッチの発生を効果的に抑制することが可能になる。
透光性領域の形成方法は問わないが、例えば透光性を有することとすべき研磨層の領域を透光性部材で構成する方法によることができ、または研磨層がもともとある程度の透光性を有する材料からなる場合には、研磨層の非研磨面のうち、透光性を有することとすべき領域に相当する部分に凹部を形成し、当該部分を薄くすることにより、研磨終点検出に要する透光性を確保する方法によってもよい。後者の方法による場合には、該透光性領域は、前記したスクラッチ発生を抑制するための凹部の役割をも兼ねることができる。
前者の素材において、非水溶性部分を構成する材料としては、有機材料が好ましく用いられる。有機材料としては、例えば熱可塑性樹脂、エラストマー、ゴム、硬化樹脂(熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等を熱、光等によって硬化した樹脂)等を単独でまたは組み合わせて用いることができる。このような有機材料は、架橋重合体のみからなるか、または架橋重合体と非架橋重合体との混合物からなることが好ましい。架橋重合体としては、上記有機材料のうち、架橋ゴム、硬化樹脂、架橋された熱可塑性樹脂および架橋されたエラストマー等を用いることができる。これらの中でも、架橋熱可塑性樹脂または架橋エラストマーが好ましく、架橋1,2−ポリブタジエンがより好ましい。
これらのうち、糖類が好ましく、特にシクロデキストリンが好ましい。
非水溶性部分中に含有される水溶性粒子または分散する空孔の大きさは、平均値で、好ましくは0.1〜500μm、より好ましくは0.5〜100μmである。
なお、耳部の幅とは、化学機械研磨パッドを上面から見た場合における耳部の二つの基点(剥離層の耳部の輪郭線が他の層の輪郭線と接している点をいう。以下同じ。)間の距離をいう。また、耳部の長さとは、剥離層の延出部のうちその他の層の端部から最も離れている点と、その他の層の端部との最短距離をいう。ここで、研磨パッドを上面から見るとは、研磨パッドの研磨面側をその研磨面に垂直な方向から観察することをいい、この場合観察者の認識する研磨パッドの各部分の形状は該研磨パッドの平面図における各部分の形状と一致する。
耳部の輪郭線は、耳部の基点から少なくとも5mmの範囲において曲率半径5mm以上の弧であることが好ましい。弧は、耳の内側に向かって凹んだ凹曲線であることが好ましい。上記曲率半径は、より好ましくは5〜200mmであり、更に好ましくは5〜100mmであり、特に5〜30mmであることが好ましい。上記曲率半径の弧である部分は、より好ましくは耳部の基点から5〜100mmの点までであり、更に好ましくは耳部の基点から7〜50mmの点までであり、特に好ましくは耳部の基点から7〜30mmの点までである。この範囲を超えた部分の耳部の形状は問わない。
なお、剥離層が有する耳部の形状は、図1に示された形状に限定されるものではない。
剥離層の厚さとしては、好ましくは20〜300μmであり、より好ましくは25〜200μmである。剥離層を構成する材料としては、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム、紙等を挙げることができる。
上記支持層は、化学機械研磨パッドを研磨面の裏面側で支える層である。この支持層の特性は特に限定されないが、パッド本体に比べてより軟質であることが好ましい。より軟質な支持層を備えることにより、パッド本体の厚さが薄い場合であっても、研磨時にパッド本体が浮き上がることや、研磨層の表面が湾曲すること等を防止でき、安定して研磨を行うことができる。
支持層は、多孔質体(発泡体)であっても、非多孔質体であってもよい。さらに、その平面形状は、例えば円形、多角形等とすることができるが、研磨パッドの平面形状と同じ平面形状であり、かつ同じ大きさであることが好ましい。その厚さも特に限定されないが、0.1〜5mmであることが好ましく、さらに0.5〜2mmとすることが好ましい。
支持層を構成する材料も特に限定されないが、所定の形状および性状への成形が容易であり、適度な弾性等を付与できることなどから有機材料を用いることが好ましい。有機材料としては、化学機械研磨パッドの非水溶性部分を構成する材料として上記した有機材料を使用することができる。
本考案の化学機械研磨パッドは、市販の化学研磨装置に装着して、公知の方法により化学機械研磨に使用することができる。
架橋されて非水溶性部分となる1,2−ポリブタジエン(JSR(株)製、商品名 「JSR RB830」)72.2質量部(80体積部)と水溶性粒子であるβ−シクロデキストリン((株)横浜国際バイオ研究所製、商品名「デキシパールβ−100」、平均粒径20μm)20体積部とを、160℃に調温されたルーダーにより混練りした。その後、パークミルD40(商品名、日本油脂(株)製、ジクミルパーオキサイドを40重量%含有する。)0.6重量部を配合して、120℃にて更に混練りし、化学機械研磨パッド用組成物のペレットを得た。次いで、このペレットを金型内において170℃にて18分加熱して架橋することにより、直径508mm、厚さ3.2mmの成形体を得た。その後ワイドベルトサンダーを用いて厚み調整を行い厚さ2.5mmとした。
この成形体の片面に、市販の切削加工機を用いて幅0.5mm、ピッチ2.0mm、深さ1.0mmの同心円状の溝を形成した。
次いで、上記成形体の溝を形成していない方の面に、基材フィルムがポリエチレンテレフタレート製であり、基材フィルムの厚さが50μmであり、縦×横が700mm×700mmの両面テープ(片面に剥離層を有している。)を、成形体の裏面の全面が覆われるように貼付して、片面に両面テープを有する成形体を準備した。
作業台の上に上記成形体を、両面テープを貼付した面を下にして置き、その上面から上記カッターを用いて耳部近傍の両面テープを打ち抜いた。更に市販の鋏を用いて両面テープの残余の部分を成形体の輪郭に沿って切り抜き、次いで剥離層の耳部の上部に残存した両面テープを除去することにより、剥離層に耳部を有する本発明の化学機械研磨パッドを製造した。
クリーンルーム用の防塵手袋を装着したうえで、剥離層の耳部を利用して剥離層を剥離したところ、作業性は良好であった。
実施例1において、成形体の直径を762mmとし、その片面に貼付する両面テープの大きさを縦×横が900mm×900mmとしたほかは実施例1と同様にして片面に両面テープを有する成形体を準備した。
一方、円弧の輪郭部が直径762mmの円の一部であるほかは実施例1と同様のカッターを準備した。
これらの成形体およびカッターを用いて実施例1と同様にして化学機械研磨パッドを製造した。
クリーンルーム用の防塵手袋を装着したうえで、剥離層の耳部を利用して剥離層を剥離したところ、作業性は良好であった。
Claims (5)
- 少なくとも研磨層、両面テープ層および剥離層が順次積層されてなり、剥離層が耳部を有することを特徴とする、化学機械研磨パッド。
- 剥離層の耳部の幅が2mm以上であり、耳部の長さが5mm以上である、請求項1に記載の化学機械研磨パッド。
- 研磨パッドを上面から見た場合に、剥離層の耳部の輪郭線が他の層の輪郭線と接している点における耳部の輪郭線の接線と他の層の輪郭線の接線とのなす角が80°以下である、請求項1に記載の化学機械研磨パッド。
- 研磨パッドを上面から見た場合に、剥離層の耳部の輪郭線が他の層の輪郭線と接している点から少なくとも5mmの範囲において、耳部の輪郭線が曲率半径5mm以上の弧である、請求項1に記載の化学機械研磨パッド。
- 研磨層と両面テープ層の間に、更に支持層が積層されてなる、請求項1に記載の化学機械研磨パッド。
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