JP3123817B2 - 水素含有フロン冷媒を使用する冷凍機用部品の処理方法 - Google Patents
水素含有フロン冷媒を使用する冷凍機用部品の処理方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1,1,1,2−テト
ラフルオロエタン(CH2 FCF3 、以下HFC−13
4aと略す)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン
(CHF2 CHF2 、HFC−134)、1,1,−ジ
フルオロエタン(CH3 CHF2 、HFC−152a)
などの水素含有フロン(以下HFC−134aなどと略
す)冷媒を使用する冷凍機用部品の処理方法に関するも
のであり、更に詳しくは金属粉末焼結品、鋳造品などの
金属基材を機械加工して清浄な部品を作り、それを用い
て冷凍機を組み立てて使用すると、冷凍サイクル中の潤
滑油や水素含有フロン冷媒の劣化やスラッジの発生など
を抑えることができ、長期に亘り安定的に冷凍機を運転
することができるような冷凍機用部品の処理方法に関す
るものである。
ラフルオロエタン(CH2 FCF3 、以下HFC−13
4aと略す)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン
(CHF2 CHF2 、HFC−134)、1,1,−ジ
フルオロエタン(CH3 CHF2 、HFC−152a)
などの水素含有フロン(以下HFC−134aなどと略
す)冷媒を使用する冷凍機用部品の処理方法に関するも
のであり、更に詳しくは金属粉末焼結品、鋳造品などの
金属基材を機械加工して清浄な部品を作り、それを用い
て冷凍機を組み立てて使用すると、冷凍サイクル中の潤
滑油や水素含有フロン冷媒の劣化やスラッジの発生など
を抑えることができ、長期に亘り安定的に冷凍機を運転
することができるような冷凍機用部品の処理方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】冷凍機、空調機、冷蔵庫などの冷媒とし
て、トリクロロフルオロメタン(CCl3 F、以下CF
C−11と略す)、ジクロロジフルオロメタン(CFC
−12と略す)、モノクロロジフルオロメタン(HCF
C−22と略す)などのフロン(以下CFC−12など
と略す)が従来広く用いられている。
て、トリクロロフルオロメタン(CCl3 F、以下CF
C−11と略す)、ジクロロジフルオロメタン(CFC
−12と略す)、モノクロロジフルオロメタン(HCF
C−22と略す)などのフロン(以下CFC−12など
と略す)が従来広く用いられている。
【0003】1974年、ローランド(カリフォルニア
大学)により、特定フロン[CFC−11、ジクロロジ
フルオロメタン(CFC−12)、トリクロロトリフル
オロエタン(CFC−113)、ジクロロテトラフルオ
ロエタン(CFC−114)およびクロロペンタフルオ
ロエタン(CFC−115)の5種類]による成層圏オ
ゾン層の破壊理論が発見された。オゾン層の破壊は穀物
の生産量の減少、皮膚ガンの増加など生体系への影響も
大きく、しかも特定フロンは環境中に約100年間分解
されずに存在すると言われており、また赤外吸収を示す
ため温室効果への寄与率が高く、特定フロンに対する規
制の動きが国際的にも活発化している。我が国でも19
89年7月から特定フロンの生産、使用の規制が開始さ
れ、特定フロンの生産と使用を全廃する方向が明示され
た。従って、現代社会を維持するためには特定フロンに
代わる代替物の生産や使用が重要になってきている。
大学)により、特定フロン[CFC−11、ジクロロジ
フルオロメタン(CFC−12)、トリクロロトリフル
オロエタン(CFC−113)、ジクロロテトラフルオ
ロエタン(CFC−114)およびクロロペンタフルオ
ロエタン(CFC−115)の5種類]による成層圏オ
ゾン層の破壊理論が発見された。オゾン層の破壊は穀物
の生産量の減少、皮膚ガンの増加など生体系への影響も
大きく、しかも特定フロンは環境中に約100年間分解
されずに存在すると言われており、また赤外吸収を示す
ため温室効果への寄与率が高く、特定フロンに対する規
制の動きが国際的にも活発化している。我が国でも19
89年7月から特定フロンの生産、使用の規制が開始さ
れ、特定フロンの生産と使用を全廃する方向が明示され
た。従って、現代社会を維持するためには特定フロンに
代わる代替物の生産や使用が重要になってきている。
【0004】このように特定フロンを含む上記のフロン
に代わる代替物の使用が強く求められており、HFC−
134aなどが提案されている。また一方では、CFC
−12などの冷媒用潤滑油としては鉱油系潤滑油が約6
0年間問題なく使用されてきているが、この鉱油系潤滑
油をHFC−134aなどの冷媒の潤滑油として使用す
ると、冷媒との相溶性が悪いので冷凍サイクル中の低温
部に鉱油系潤滑油が析出してしまい、鉱油系潤滑油が冷
凍サイクル中を効率良く循環しない(低温下での油戻り
が悪い)ので、潤滑油として有効に働く量が減少して潤
滑性が低下し、圧縮機の摩耗が大きくなる、蒸発器内に
鉱油が溜り、冷却能力の低下の原因となるなどの問題が
ある。
に代わる代替物の使用が強く求められており、HFC−
134aなどが提案されている。また一方では、CFC
−12などの冷媒用潤滑油としては鉱油系潤滑油が約6
0年間問題なく使用されてきているが、この鉱油系潤滑
油をHFC−134aなどの冷媒の潤滑油として使用す
ると、冷媒との相溶性が悪いので冷凍サイクル中の低温
部に鉱油系潤滑油が析出してしまい、鉱油系潤滑油が冷
凍サイクル中を効率良く循環しない(低温下での油戻り
が悪い)ので、潤滑油として有効に働く量が減少して潤
滑性が低下し、圧縮機の摩耗が大きくなる、蒸発器内に
鉱油が溜り、冷却能力の低下の原因となるなどの問題が
ある。
【0005】鉱油系潤滑油に代わる合成油として特定の
アルコールと、特定の脂肪酸からなるエステルを主成分
とする水素含有フロン冷媒用潤滑油(特開平3−128
991号公報、特開平3−128992号公報)などの
エステル油が提案されている。然し、これらのエステル
油は上記鉱油系潤滑油に比較して水分吸収性が大きく、
水分を吸収すると冷凍サイクル中で劣化して有機酸を発
生し腐食の原因となる問題があると共に、これらのHF
C−134aなどやエステル油は、水分量が少なくて
も、金属異物、各種陰イオンや陽イオン、切削加工油、
アルカリ性洗浄液などが残存すると冷凍サイクル中で劣
化が促進されて有機酸などを発生して腐食やスラッジ発
生の原因となり冷凍機の長期安定運転が不可能となると
いう問題がある。エステル油などの劣化を防止するため
に酸化防止剤を添加する提案もあるが、その添加量には
自ずと限界があり、冷凍サイクル中でのHFC−134
aなどやエステル油の劣化を防止することは難しい。
アルコールと、特定の脂肪酸からなるエステルを主成分
とする水素含有フロン冷媒用潤滑油(特開平3−128
991号公報、特開平3−128992号公報)などの
エステル油が提案されている。然し、これらのエステル
油は上記鉱油系潤滑油に比較して水分吸収性が大きく、
水分を吸収すると冷凍サイクル中で劣化して有機酸を発
生し腐食の原因となる問題があると共に、これらのHF
C−134aなどやエステル油は、水分量が少なくて
も、金属異物、各種陰イオンや陽イオン、切削加工油、
アルカリ性洗浄液などが残存すると冷凍サイクル中で劣
化が促進されて有機酸などを発生して腐食やスラッジ発
生の原因となり冷凍機の長期安定運転が不可能となると
いう問題がある。エステル油などの劣化を防止するため
に酸化防止剤を添加する提案もあるが、その添加量には
自ずと限界があり、冷凍サイクル中でのHFC−134
aなどやエステル油の劣化を防止することは難しい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】金属粉末焼結品、鋳造
品などの金属基材を常法により機械加工して部品を作り
冷凍機を組み立てても、金属異物、各種陰イオンや陽イ
オン、切削加工油、アルカリ性洗浄液などが、部品や冷
凍サイクル中に残存することが抑制されるので、HFC
−134aなどの水素含有フロン冷媒やエステル油など
の冷凍サイクル中での劣化やスラッジの発生を抑えるこ
とができ、長期に亘り安定的に冷凍機を運転することが
できるような冷凍機用部品の処理方法を開発する。
品などの金属基材を常法により機械加工して部品を作り
冷凍機を組み立てても、金属異物、各種陰イオンや陽イ
オン、切削加工油、アルカリ性洗浄液などが、部品や冷
凍サイクル中に残存することが抑制されるので、HFC
−134aなどの水素含有フロン冷媒やエステル油など
の冷凍サイクル中での劣化やスラッジの発生を抑えるこ
とができ、長期に亘り安定的に冷凍機を運転することが
できるような冷凍機用部品の処理方法を開発する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は従来の問題
点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、金属粉末焼結
品、鋳造品などの金属基材を予め低粘度エステル油を用
いて被覆処理した後、常法により機械加工して部品を作
ることにより、上記の課題を解決することができること
を見いだして本発明を成すに至った。
点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、金属粉末焼結
品、鋳造品などの金属基材を予め低粘度エステル油を用
いて被覆処理した後、常法により機械加工して部品を作
ることにより、上記の課題を解決することができること
を見いだして本発明を成すに至った。
【0008】本発明の請求項1の発明は、次の工程から
成る水素含有フロン冷媒を使用する冷凍機用部品の処理
方法である。 (1)常温で液体の低粘度エステル油を用いて金属基材
を予め被覆処理する工程、 (2)該金属基材を加工して部品とする工程、 (3)該部品を洗浄する工程。
成る水素含有フロン冷媒を使用する冷凍機用部品の処理
方法である。 (1)常温で液体の低粘度エステル油を用いて金属基材
を予め被覆処理する工程、 (2)該金属基材を加工して部品とする工程、 (3)該部品を洗浄する工程。
【0009】本発明の請求項2の発明は、1〜5cS
t.(40℃)の粘度のエステル油を用いることを特徴
とする請求項1に記載の冷凍機用部品の処理方法であ
る。
t.(40℃)の粘度のエステル油を用いることを特徴
とする請求項1に記載の冷凍機用部品の処理方法であ
る。
【0010】本発明の請求項3の発明は、該金属基材が
金属粉末焼結品、鋳造品、鍛造品等の表面吸着能力の大
きい金属基材であることを特徴とする請求項1に記載の
冷凍機用部品の処理方法である。
金属粉末焼結品、鋳造品、鍛造品等の表面吸着能力の大
きい金属基材であることを特徴とする請求項1に記載の
冷凍機用部品の処理方法である。
【0011】本発明で使用するエステル油は常温で液体
であればよく、更に1〜5cSt.(40℃)の粘度の
エステル油が好ましい。これらのエステル油の例として
は上記特開平3−128991号公報、特開平3−12
8992号公報などに開示された合成エステル油、特願
平3−208825号公報の明細書に記載の合成エステ
ル油などを挙げることができるが、天然エステル油でも
よく、これらに限定されるものではない。本発明で使用
するエステル油中に残存する酸価、水酸基価、二重結合
は安定性に関係があるので、いずれも低い値であること
が好ましい。然し、全酸価が0.03〜0.05(KO
Hmg/g)以上であると、冷凍機内部に使用されてい
る金属との反応により金属石けんなどを生成し、沈殿す
るなどの好ましくない現象が起こるので、全酸価は0.
01(KOHmg/g)以下であることが好ましい。ま
た、水酸基価が50を越える場合にはエステル油が低温
において白濁するなどの現象が起こるので、水酸基価は
50未満であることが好ましい。本発明においては、エ
ステル油に、従来、冷凍機油に使用されている酸化防止
剤、摩耗防止剤、エポキシ化合物等の添加剤を適宜添加
してもよい。
であればよく、更に1〜5cSt.(40℃)の粘度の
エステル油が好ましい。これらのエステル油の例として
は上記特開平3−128991号公報、特開平3−12
8992号公報などに開示された合成エステル油、特願
平3−208825号公報の明細書に記載の合成エステ
ル油などを挙げることができるが、天然エステル油でも
よく、これらに限定されるものではない。本発明で使用
するエステル油中に残存する酸価、水酸基価、二重結合
は安定性に関係があるので、いずれも低い値であること
が好ましい。然し、全酸価が0.03〜0.05(KO
Hmg/g)以上であると、冷凍機内部に使用されてい
る金属との反応により金属石けんなどを生成し、沈殿す
るなどの好ましくない現象が起こるので、全酸価は0.
01(KOHmg/g)以下であることが好ましい。ま
た、水酸基価が50を越える場合にはエステル油が低温
において白濁するなどの現象が起こるので、水酸基価は
50未満であることが好ましい。本発明においては、エ
ステル油に、従来、冷凍機油に使用されている酸化防止
剤、摩耗防止剤、エポキシ化合物等の添加剤を適宜添加
してもよい。
【0012】本発明においてはこれらのエステル油を用
いて、常温で、あるいは加熱して、常圧下で、あるいは
真空下で、浸漬法、吹き付け法、含浸法などにより金属
基材を被覆処理することが肝要である。このようにエス
テル油で金属基材の表面や内部を被覆処理するが、エス
テル油の処理量、被覆厚さなどは金属基材の材質、形
状、製法などにより変化するので適宜決定することが好
ましい。
いて、常温で、あるいは加熱して、常圧下で、あるいは
真空下で、浸漬法、吹き付け法、含浸法などにより金属
基材を被覆処理することが肝要である。このようにエス
テル油で金属基材の表面や内部を被覆処理するが、エス
テル油の処理量、被覆厚さなどは金属基材の材質、形
状、製法などにより変化するので適宜決定することが好
ましい。
【0013】金属基材の材質としては銅、鉄、アルミニ
ウム、あるいはこれらの合金などであり、特に表面に凹
凸のある金属基材、あるいはポーラスな材料である金属
粉末焼結品、鋳造品、鍛造品などの表面吸着能力の大き
い金属基材に本発明を好適に用いることができる。
ウム、あるいはこれらの合金などであり、特に表面に凹
凸のある金属基材、あるいはポーラスな材料である金属
粉末焼結品、鋳造品、鍛造品などの表面吸着能力の大き
い金属基材に本発明を好適に用いることができる。
【0014】エステル油を用いて金属基材を被覆処理し
た後、常法により、切削などの2次加工を行い、コンプ
レッサーのベーン関係部品、四方弁、二方弁、バルブな
どのボディー、モーターケース、シリンダーピストン、
クランクシャフトなどの冷凍機用構造部品を作る。
た後、常法により、切削などの2次加工を行い、コンプ
レッサーのベーン関係部品、四方弁、二方弁、バルブな
どのボディー、モーターケース、シリンダーピストン、
クランクシャフトなどの冷凍機用構造部品を作る。
【0015】これらの部品はその後、苛性ソーダ水溶液
などを用いるアルカリ洗浄法などの常法により洗浄を行
う。
などを用いるアルカリ洗浄法などの常法により洗浄を行
う。
【0016】その後これらの部品を用いて冷凍機本体を
組み立てて、加熱、乾燥などを行ってから、冷凍サイク
ルを開始させる。
組み立てて、加熱、乾燥などを行ってから、冷凍サイク
ルを開始させる。
【0017】
【作用】金属粉末焼結品、鋳造品などの金属基材を、常
温で液体の、好ましくは1〜5cSt.(40℃)の低
粘度のエステル油を用いて被覆処理した後、常法により
機械加工して部品を作り、それを用いて冷凍機を組み立
てることにより、金属基材の表面への各種吸着成分を減
少させることができると共に、各種の取り扱い工程、機
械加工工程、洗浄工程などから金属異物、Cl- 、F
- 、NO2 -、NO3 -、PO4 -2 、SO4 -2 などの各種陰
イオンやNa+ 、K+ 、B系イオンなどの陽イオン、切
削加工油、アルカリ性洗浄液などの混入、きょう雑を防
止することができるので、HFC−134aなどの水素
含有フロン冷媒やエステル油などの冷凍サイクル中での
劣化やスラッジの発生を抑えることができ、長期に亘り
安定的に冷凍機を運転することができるようになる。
温で液体の、好ましくは1〜5cSt.(40℃)の低
粘度のエステル油を用いて被覆処理した後、常法により
機械加工して部品を作り、それを用いて冷凍機を組み立
てることにより、金属基材の表面への各種吸着成分を減
少させることができると共に、各種の取り扱い工程、機
械加工工程、洗浄工程などから金属異物、Cl- 、F
- 、NO2 -、NO3 -、PO4 -2 、SO4 -2 などの各種陰
イオンやNa+ 、K+ 、B系イオンなどの陽イオン、切
削加工油、アルカリ性洗浄液などの混入、きょう雑を防
止することができるので、HFC−134aなどの水素
含有フロン冷媒やエステル油などの冷凍サイクル中での
劣化やスラッジの発生を抑えることができ、長期に亘り
安定的に冷凍機を運転することができるようになる。
【0018】
【実施例】次に本発明を実施例によって具体的に説明す
るが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。 (実施例1、比較例1)金属粉末焼結品および鋳造品か
ら成る鉄系およびアルミニムム合金系金属基材を、エス
テル油[フレオールα−8、商品名、共同石油(株)
製]で常温で含浸処理を行って被覆した後、切削などの
2次加工を行い、コンプレッサーのベーン関係部品、四
方弁、二方弁、バルブのボディー、モーターケース、シ
リンダーピストン、クランクシャフトなどの冷凍機用構
造部品を作った。その後、アルカリ洗浄を行い、これら
の部品を用いて業務用冷凍機本体を組み立てて、加熱、
乾燥を行った。+45℃設定で3ケ月連続運転したが安
定的に運転することができ、スラッジの発生は全く見ら
れなかった。これに対してエステル油で被覆処理を行わ
なかった以外は実施例と同様に行った比較例の場合は、
スラッジの発生があり、冷凍サイクル中のフィルターの
目詰りがあり、安定的運転ができなかった。3ケ月運転
後、冷媒(HFC−134a)の分析[イオンクロマト
グラフィー、IC−7000、横河電機(株)製]を行
った結果を表1に示す。
るが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。 (実施例1、比較例1)金属粉末焼結品および鋳造品か
ら成る鉄系およびアルミニムム合金系金属基材を、エス
テル油[フレオールα−8、商品名、共同石油(株)
製]で常温で含浸処理を行って被覆した後、切削などの
2次加工を行い、コンプレッサーのベーン関係部品、四
方弁、二方弁、バルブのボディー、モーターケース、シ
リンダーピストン、クランクシャフトなどの冷凍機用構
造部品を作った。その後、アルカリ洗浄を行い、これら
の部品を用いて業務用冷凍機本体を組み立てて、加熱、
乾燥を行った。+45℃設定で3ケ月連続運転したが安
定的に運転することができ、スラッジの発生は全く見ら
れなかった。これに対してエステル油で被覆処理を行わ
なかった以外は実施例と同様に行った比較例の場合は、
スラッジの発生があり、冷凍サイクル中のフィルターの
目詰りがあり、安定的運転ができなかった。3ケ月運転
後、冷媒(HFC−134a)の分析[イオンクロマト
グラフィー、IC−7000、横河電機(株)製]を行
った結果を表1に示す。
【0019】
【表1】 Cl- 、F- 、NO2 -、NO3 -、PO4 -2 、SO4 -2 実施例1 1.9 0.5 − − − 1.2 比較例1 5.3 10.9 2.8 1.1 6.0 1.5
【0020】
【発明の効果】本発明は、HFC−134a、HFC−
134、HFC−152a、HFC−32、HFC−1
25、HFC−143aなどの水素含有フロン冷媒を使
用する冷凍機用部品の処理方法に関するものであり、金
属粉末焼結品、鋳造品などの金属基材を予め常温で液体
のエステル油で被覆処理してから、常法により機械加工
して清浄な部品を作り、それを用いて冷凍機を組み立て
ると、冷凍サイクル中の潤滑油や水素含有フロン冷媒の
劣化やスラッジの発生などを抑えることができ、長期に
亘り安定的に冷凍機を運転することが可能となった。本
発明の方法により従来の課題を解決できた意義は大き
く、その産業上の利用価値は甚だ大きい。
134、HFC−152a、HFC−32、HFC−1
25、HFC−143aなどの水素含有フロン冷媒を使
用する冷凍機用部品の処理方法に関するものであり、金
属粉末焼結品、鋳造品などの金属基材を予め常温で液体
のエステル油で被覆処理してから、常法により機械加工
して清浄な部品を作り、それを用いて冷凍機を組み立て
ると、冷凍サイクル中の潤滑油や水素含有フロン冷媒の
劣化やスラッジの発生などを抑えることができ、長期に
亘り安定的に冷凍機を運転することが可能となった。本
発明の方法により従来の課題を解決できた意義は大き
く、その産業上の利用価値は甚だ大きい。
Claims (3)
- 【請求項1】次の工程から成る水素含有フロン冷媒を使
用する冷凍機用部品の処理方法。 (1)常温で液体の低粘度エステル油を用いて金属基材
を予め被覆処理する工程、 (2)該金属基材を加工して部品とする工程、 (3)該部品を洗浄する工程。 - 【請求項2】 1〜5cSt.(40℃)の粘度のエス
テル油を用いることを特徴とする請求項1に記載の冷凍
機用部品の処理方法。 - 【請求項3】 該金属基材が金属粉末焼結品、鋳造品、
鍛造品等の表面吸着能力の大きい金属基材であることを
特徴とする請求項1に記載の冷凍機用部品の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04184721A JP3123817B2 (ja) | 1992-06-19 | 1992-06-19 | 水素含有フロン冷媒を使用する冷凍機用部品の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04184721A JP3123817B2 (ja) | 1992-06-19 | 1992-06-19 | 水素含有フロン冷媒を使用する冷凍機用部品の処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH062180A JPH062180A (ja) | 1994-01-11 |
JP3123817B2 true JP3123817B2 (ja) | 2001-01-15 |
Family
ID=16158207
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04184721A Expired - Fee Related JP3123817B2 (ja) | 1992-06-19 | 1992-06-19 | 水素含有フロン冷媒を使用する冷凍機用部品の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3123817B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006202651A (ja) | 2005-01-21 | 2006-08-03 | Alps Electric Co Ltd | スイッチ装置 |
JP2008175751A (ja) * | 2007-01-22 | 2008-07-31 | Fuji Electric Holdings Co Ltd | 冷媒の劣化診断方法および冷媒の劣化診断システム |
-
1992
- 1992-06-19 JP JP04184721A patent/JP3123817B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH062180A (ja) | 1994-01-11 |
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