JP3123719B2 - 蛋白質およびその製造法 - Google Patents

蛋白質およびその製造法

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JP3123719B2 JP02177258A JP17725890A JP3123719B2 JP 3123719 B2 JP3123719 B2 JP 3123719B2 JP 02177258 A JP02177258 A JP 02177258A JP 17725890 A JP17725890 A JP 17725890A JP 3123719 B2 JP3123719 B2 JP 3123719B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ワクチン用の抗原とリンホカインとの融合
蛋白遺伝子を組換えDNA技術を用いて真核生物あるいは
原核生物で発現させることによって、治療および予防ワ
クチンの免疫原として有用な融合蛋白を製造する技術に
関する。さらに、ワクチン用の抗原とリンホカインとを
化学適に結合させることによって、治療および予防ワク
チンの免疫原として有用な雑種蛋白を製造する技術に関
する。
従来の技術 免疫系を刺激して抗原に対する免疫反応を高める物質
はアジュバントと呼ばれ、ワクチンに補助剤として添加
されることが多い。最も一般的に用いられているものと
して、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、フロ
インドのアジュバントなどが知られている。現在ヒトに
使用されているアジュバントは前二者で、フロインドの
アジュバントは副作用が激しいためにヒトには使用でき
ない。水酸化アルミニウムやリン酸アルミニウムに代わ
る物質として、ムラミルジペプチド(MDP)の誘導体、
種々のリンフォカイン、リピッドAの誘導体、コレラ毒
素などが検討されている。
発明が解決しようとする課題 遺伝子工学技術によって生産された抗原は一般に免疫
原性が低いものが多く、従ってこれらの抗原の免疫原性
を上げるために、水酸化アルミニウムやリン酸アルミニ
ウムに代わる副作用の少ない強力なアジュバントの開発
や免疫原性の向上した改良抗原の作製が望まれている。
課題を解決するための手段 本発明者らは、より免疫原性の強い抗原を作製するこ
とを目的に研究を進めた結果、抗原蛋白にリンホカイン
を遺伝子工学的に結合させた融合蛋白、および化学的に
結合させた雑種蛋白が、この目的を達成しえることを見
出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は(1)ワクチン用の抗原とリンホ
カインとを遺伝子工学的に結合させた融合蛋白であり、
シュードモナス(Pseudomonus)毒素とインターロイキ
ン2との組合せを除く融合蛋白、(2)上記(1)記載
の融合蛋白をコードする塩基配列を含有する組換えDN
A、(3)上記(2)記載の組換えDNAを保持する形質転
換体、(4)上記(3)記載の形質転換体を培養し、培
養物中に上記(1)記載の融合蛋白を生成蓄積せしめ、
これを採取することを特徴とする該融合蛋白の製造法、
および(5)ワクチン用の抗原とリンホカインとを化学
的に結合させた雑種蛋白に関するものである。
リンホカインとしてはたとえば、インターロイキン
(以下ILと略称)−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−
5、IL−6、IL−7、顆粒球コロニー刺激因子(G−CS
F)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CS
F)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、イ
ンターフェロン−γなどが挙げられる。
ワクチン用の抗原(蛋白またはポリペプチド)として
はたとえば、単純ヘルペスウイルス(HSV)、水泡帯状
ほう疹ウイルス(VZV)、サイトメガロウイルス(CMV)
をはじめとするヘルペスウイルスの抗原、ヒト免疫不全
ウイルス(HIV)、成人T細胞白血病ウイルス(HTLV−
1)をはじめとするレトロウイルスの抗原、B型肝炎ウ
イルス(HBV)をはじめとするヘパドナウイルスの抗
原、非A非B型肝炎ウイルス(HCV,HEV)、日本脳炎ウ
イルスをはじめとするトガウイルスの抗原、A型肝炎ウ
イルス(HAV)をはじめとするピコルナウイルスの抗
原、インフルエンザウイルスをはじめとするオルソミキ
ソウイルスの抗原、パルボウイルスの抗原、パポバウイ
ルスの抗原、アデノウイルスの抗原、ポックスウイルス
の抗原、レオウイルスの抗原、パラミキソウイルスの抗
原、ラブドウイルスの抗原、アレナウイルスの抗原、コ
ロナウイルスの抗原などの動物を宿主とするウイルスの
抗原、マラリア抗原などの病原性原虫の抗原、百日咳菌
抗原などの病原性細胞の抗原などが挙げられる。
具体的には、単純ヘルペスウイルス(HSV)1型また
は2型の表面抗原gDあるいはgB、水痘帯状疱疹ウイルス
(VZV)の表面抗原gp Iあるいはgp III、ヒト免疫不全
ウイルス(HIV)のgag抗原あるいはenv抗原、成人T細
胞白血病ウイルス(HTLV−1)のgag抗原あるいはenv抗
原、C型肝炎ウイルス(HCV)のC抗原、M抗原あるい
はE抗原、B型肝炎ウイルス(HBV)のC抗原(HBc抗
原)、L蛋白、M蛋白あるいはS蛋白(HBs抗原)など
が挙げられる。
ワクチン用の抗原とリンホカインとはリンカーを介し
て融合していてもよい。リンカーはG,A,V,L,I,S,T,C,M,
E,D,K,R,H,F,Y,W,P,N,Qから選ばれる1個のアミノ酸残
基または2〜30個程度のアミノ酸残基からなるペプチド
残基(好ましくは、1個のアミノ酸残基または2〜10個
程度のアミノ酸残基からなるペプチド残基)で構成され
る。
なお本発明の融合蛋白においては、シュードモナス
(Pseudomonus)毒素とインターロイキン2との組合せ
は除くものとする。
具体的な例として、以下にHSV抗原であるHSV表面蛋白
とIL−2との融合蛋白を説明する。
HSV表面蛋白としては、トランスメンブレンドメイン
の除去された糖蛋白gDおよびgBが有利に用いられる。
本発明では特に、(1)トランスメンブレンドメイン
の除去されたgDとIL−2との融合蛋白(I)、またはト
ランスメンブレンドメインの除去されたgBとIL−2との
融合蛋白(II);(2)融合蛋白(I)あるいは(II)
をコードする塩基配列を含有する組換えDNA(それぞれI
IIおよびIV);(3)組換えDNA(III)または(IV)を
保持する形質転換体;および(4)組換えDNA(III)ま
たは(IV)を保持する形質転換体を培養し、培養物中に
融合蛋白(I)または(II)を生成蓄積せしめ、これを
採取することを特徴とする該融合蛋白(I)または(I
I)の製造法を提供するものである。
HSVの表面蛋白遺伝子としては、例えばHSV−1型深山
株等、HSV−1型の各種の株のgD遺伝子やgB遺伝子を用
いることができる。gD遺伝子としては第1図のようなア
ミノ酸配列のもの(HSV−1型深山株の表面蛋白gD、特
願昭63−180114号)が例として挙げられるが、この中の
必須の部分はNo.26のLysからNo.302のAlaである。このg
D遺伝子をコードする塩基配列を含有するDNAとしては第
2図に示すものが一例として挙げられる。そのNo.186か
らNo.1016までがその必須部分に相当する。またgB遺伝
子としては第3図(HSV−1型深山株の表面蛋白gB、平
成1年6月22日出願の特願平1−158238号および平成1
年11月30日出願の特願平1−308941号)のアミノ酸配列
のポリペプチドがその一例として挙げられるが、この中
必須の部分はNo.1のAlaからNo.293のAspまでである。こ
のgB遺伝子をコードする塩基配列を含有するDNAとして
は第4図に示すものが一例として挙げられる。そのNo.3
41からNo.1219までがその必須成分に相当する。更にgB
遺伝子の例として、第5図〔HSV−1型KOS株の表面蛋白
gB、D.J.Bzikら、ヴィロロジー(Virol.133,301(198
4)〕、第6図〔HSV−1型F株の表面蛋白gB、P.E.Pell
etら、ジャーナル・オブ・ヴィロロジー(J.Virol.53,2
43(1985)〕のような塩基配列、それから推定されるア
ミノ酸配列のものが例として挙げられる。これらの遺伝
子、より好ましくはトランスメンブレンドメインのコー
ド領域を除去したトランケイテッドgDやgB遺伝子あるい
はそれらの融合蛋白(gB−gD)遺伝子に、IL−2遺伝子
を結合させることによって融合蛋白遺伝子を構築するこ
とができる。
IL−2遺伝子としては、IL−2活性物質をコードする
ものであればいずれのものも用いることができる。IL−
2活性物質としては、IL−2活性、すなわちT細胞を継
代維持し得る作用を有する物質であればいずれでもよ
い。例えば動物体内や動物細胞で産生される天然のIL−
2や遺伝子組換え技術で生産させる組換え型IL−2やこ
れらの関連物質が挙げられるが、なかでもヒトIL−2が
好ましく、とりわけヒト組換え型IL−2が好ましい。上
記IL−2やこれらの関連物質は、蛋白質である場合、糖
鎖を有しててもよく、また有さなくてもよい。
具体的には、例えば遺伝子工学技術により製造される
第7図で示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド
(A)(特開昭61−78799号公報参照)、その生物学的
もしくは免疫学的活性に必要な一部分のアミノ酸配列か
らなるフラグメントでもよい。上記フラグメントとして
は、例えばポリペプチド(A)のアミノ末端から1個の
アミノ酸(EPC公開91539号公報参照)または4個のアミ
ノ酸を欠くフラグメント(特開昭60−126088号公報参
照)やカルボキシル末端部の数個のアミノ酸を欠くフラ
グメントなどが挙げられる。さらに上記ポリペプチド
(A)の構成アミノ酸の一部が欠損しているか他のアミ
ノ酸に置換されたもの、例えば125位のシステイン残基
がセリン残基に置換されたもの(特開昭59−93093号公
報参照)でもよい。
上記遺伝子工学技術で製造される組換え型IL−2は、
ポリペプチド(A)のアミノ末端にさらにMetを有して
いてもよく(特開昭61−78799号公報参照)、またポリ
ペプチド(A)とそのアミノ末端にさらにMetを有する
ポリペプチド(A)との混合物でもよい(特開昭60−11
5528号公報参照)。
本発明における融合蛋白(I)または(II)をコード
する塩基配列を含有する組換えDNA(発現用プラスミ
ド)は例えば(イ)HSV−1型深山株のgDまたはgB遺伝
子がクローン化されたプラスミドから、目的とするトラ
ンケイテッド遺伝子を切り出し、(ロ)必要により適当
なリンカーを付加させた後、該DNAの3′末端側にIL−
2遺伝子を結合した融合遺伝子を構築し、(ハ)該融合
蛋白遺伝子を発現ベクター中のプロモーターの下流に連
結することにより、融合蛋白をコードするDNAを作製す
ることができる。
本発明に用いるベクター(例、プラスミド)として
は、宿主である真核細胞に対応して複製可能なものであ
れば何でもよい。宿主が酵母の場合には、例えばpSH19
〔Harasima,S.ら、モレキュラー・アンド・セルラー・
バイオロジー(Mol.Cell.Biol.),,771(1984)〕、
pSH19−1(ヨーロッパ特許出願公開EP−A−0235430)
などが挙げられ、これらにプロモーターを挿入すること
によって外来遺伝子発現用ビークルが得られる。宿主が
動物細胞の場合には、例えばpBR322にSV40由来のプロモ
ーター、レトロウィルスのプロモーターなどを挿入する
ことによって外来遺伝子発現用ビークルが得られる。
本発明で用いられるプロモーターとしては、遺伝子の
発現に用いる宿主に対応して適切なプロモーターであれ
ばいかなるものでもよい。宿主が酵母である場合は、GL
D(GAPDH)プロモーター、PHO5プロモーター、PGKプロ
モーター、ADHプロモーター、PHO81プロモーターなどが
好ましく用いられる。宿主が動物細胞である場合には、
SV40由来のプロモーター、レトロウィルスのプロモータ
ーなどが挙げられる。
プロモーターは対応する遺伝子より酵素的に調製する
ことができる。また、化学合成することもできる。
このようにして構築された組換えDNAを含有するベク
ターを用いて、真核細胞を形質転換する。
宿主としては、酵母、動物細胞などが挙げられる。酵
母としては、たとえばサッカロマイセスセレビシエ(Sa
ccharomyces cerevisiae)AH22R-,NA87−11A,DKD−5Dや
シゾサッカロマイセス・ポンベ(Schizosaccharomyces
pombe)ATCC38399(h-leu1−32),TH168(h90ade6−M21
0 ural leua1)〔M.Kishida and C.Schimada,カレント
・ジェネティックス(Current Genetics),10,443(19
86)などが挙げられる。
動物細胞としては、たとえば付着細胞であるサル細胞
COS−7やVero,チャイニーズハムスター卵巣細胞(CH
O),マウスL細胞,ヒトFL細胞や、浮遊細胞であるマ
ウスミエローマ細胞(SP2/0など),マウスYAC−1細
胞,マウスMethA細胞,マウスP388細胞,マウスEL−4
細胞などが挙げられる。
酵母を形質転換するには、たとえばプロシージングス
・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエン
ス(Proc.Natl.Acad.Sci.USA),75,1929(1978)〕に
記載の方法に従って行われる。動物細胞を形質転換する
には、たとえばヴィロロジー(Virology)52,456(197
3)に記載の方法に従って行われる。
このようにして得られた形質転換体(組換え体)をそ
れ自体公知の方法で培養する。
宿主が酵母である形質転換体を培養する際、培地とし
ては、たとえばバークホールダー(Burkholder)最小培
地〔Bostain,K.L.ら「プロシージングス・オブ・ザ・ナ
ショナル・アカデミー・オブ・サイエンス(Proc.Natl.
Acad.Sci.USA),77,4505(1980)」が挙げられる。培
地のpHは約5〜8に調整するのが好ましい。培養は通常
約20℃〜35℃で約24〜72時間行い、必要に応じて通気や
撹拌を加える。
宿主が動物細胞である形質転換体を培養する際、培地
としては、たとえば約5〜20%の胎児牛血清を含むMEM
培地〔サイエンス(Science)122,501(1952)〕,DMEM
培地〔ヴィロロジー(Virology),,396(1959)〕,R
PMI1640培地〔ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・メ
ディカル・アソシエーション(The Journal of the Ame
rican Medical Association)199,519(1967)〕,199培
地〔プロシージング・オブ・ザ・ソサイティ・フォー・
ザ・バイオロジカル・メディスン(Proceedind of the
Society for the Biological Medicine)73,1(195
0)〕などが挙げられる。pHは約6〜8であるのが好ま
しい。培養は通常約30℃〜40℃で約15〜60時間行い、必
要に応じて通気や撹拌を加える。
本発明によれば、HSV表面抗原性とIL−2の両活性を
もつ融合蛋白は、自体公知の分離・精製法を適切に組み
合わせて行うことができる。これらの公知の分離・精製
法としては、塩析や溶媒沈殿法などの溶解度を利用する
方法、透析法、限外ろ過法、ゲルろ過法およびSDS−ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動法などの主として分子量
の差を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィーな
どの荷電の差を利用する方法、アフィニティクロマトグ
ラフィーなどの特異的親和性を利用する方法、逆相クロ
マトグラフィーなどの疎水性の差を利用する方法、等電
点電気泳動法などの等電点の差を利用する方法などが挙
げられる。
HSV表面蛋白以外の抗原とIL−2との融合蛋白は、そ
の抗原をコードする遺伝子(DNA)をHSV表面蛋白遺伝子
の代わりに用い、上記した方法にしたがって製造するこ
とができる。ワクチン用の抗原とIL−2以外のリンホカ
インとの融合蛋白は、抗原をコードする遺伝子とリンホ
カインをコードする遺伝子を用いて、上記した方法にし
たがって製造することができる。ウイルスが部分的にま
たは完全に一本鎖である場合にはDNAポリメラーゼによ
り変換された二本鎖DNAを用いることができる。ウイル
スがRNAウイルスの場合には、逆転写酵素を用いて一本
鎖DNAを合成した後、DNAポリメラーゼにより二本鎖に変
換されたDNAを用いることができる。
組換えDNAの発現に用いる宿主は大腸菌、バチルス属
菌などの原核細胞であってもよいが、得られる抗原−リ
ンホカイン融合蛋白の免疫原性の向上のためには上記の
とおり真核細胞が有利に用いられる。
ワクチン用の抗原とリンホカインとを同時に含む蛋白
の作製法としては、上記のような遺伝子工学的な手法の
他に、以下に記すような化学的な方法によっても2種の
蛋白を結合させることができる。すなわち、ワクチン用
の抗原とリンホカインとを化学的に結合させるために、
これらの蛋白分子中に存在している置換基、例えばアミ
ノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基またはスルフヒ
ドリル基などを利用することができる。例えば、(1)
一方の蛋白の反応性アミノ基と他方の反応性カルボキシ
ル基とを水溶性カルボジイミド試薬〔例、1−エチル−
3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミ
ド、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチ
ル)−カルボジイミド−p−トルンエンスルホネートな
ど〕を用いて水溶溶媒中で脱水縮合させる、(2)一方
の蛋白の反応性アミノ基をN−ヒドロキシスクシミドの
活性エステル〔例、p−マレイミドメチルシクロヘキサ
ン−1−カルボキシル−N−ヒドロキシスクシミドエス
テル、N−(ε−マレイミドカプロイロキシ)スクシミ
ドエステルなど〕と反応させてマレイミド化したのち、
i)他方の蛋白をジチオスレイトール(DTT)で還元し
た蛋白、あるはii)他方の蛋白にN−スクシミジル−3
−(2−ピリジルジチオ)プロビオネート(SPDP)でス
ルフヒドリル基を導入した蛋白のスルフヒドリル基とチ
オエーテル結合させる、(3)2種の蛋白双方の反応性
アミノ基をスクシンジアルデヒドやグルタルアルデヒド
などのジアルデヒド試薬を用いて結合させる、(4)2
種の蛋白をDTTで還元あるいはSPDPでスルフヒドリル基
を導入し、再酸化によりヘテロダイマーを作製する、な
どの方法がある。またこれらの方法を種々組合せて、2
種の蛋白活性をできるだけ損なわずに効率良く目的のヘ
テロダイメリックな蛋白を作製することもできる。
以上のような結合反応終了後、得られた雑種蛋白はセ
ファデックスG100もしくはG200、セファロース6Bもしく
は4B、ウルトラゲルAcA44もしくは34、セファクリルS20
0などのゲルろ過クロマトグラフィーにより精製・分取
できる。あるいは抗体結合カラムを用いるアフィニティ
ークロマトグラフィーを組合せることにより選択的な分
取も可能である。
作用及び効果 本発明で得られる抗原−リンホカイン融合蛋白あるい
は抗原−リンホカイン雑種蛋白は、リンホカインとの非
融合型あるいは非結合型の抗原と比べ、はるかに免疫原
性が強い。これは、抗原とリンホカインとが同一分子中
に存在するために、抗原とリンホカインが同時にリンパ
球を刺激し、リンパ球の分化・増殖も効率良く促進され
る。その結果、抗原に対する抗体の産生能が著しく促進
される。加えて、抗原−リンホカインは細胞性免疫をも
誘導することができる。従って、免疫機能の低下した患
者(例、癌患者、エイズ患者等)でみられるウィルス感
染症の治療、また持続感染を引き起こすウィルス(例、
ヘルペスウィルス、レトロウィルス、肝炎ウィルスな
ど)による再発症防止のための治療ワクチンとして特に
有用である。当然のことながら、該抗原−リンホカイン
はウィルス、病原性原虫、病原性細菌の感染予防のため
の予防ワクチンとしても有利に用いることができる。
本発明で得られた抗原−リンホカインは、ウィルス、
病原性原虫、病原性細菌の感染予防のために用いられる
各種ワクチンの投与方法に準じて投与(筋肉内、皮下、
皮内)することができる以外に、さらに静脈内にも投与
することもできる。該抗原−リンホカインはそれ自体あ
るいは薬理学的に許容され得る担体などとの混合物やリ
ポソーム化製剤としても用いることができる。
なお、本願明細書や図面において、塩基やアミノ酸な
どの略号で表示する場合、IUPAC−IUB Commision on Bi
ochemical Nomenclatureによる略号あるいは当該分野に
おける慣用略号に基づくものであり、その例を次に挙げ
る。またアミノ酸に関して光学異性体があり得る場合
は、特に明示しなければL−体を示すものとする。
DNA :デオキシリボ核酸 cDNA:相補的デオキシリボ核酸 RNA :リボ核酸 mRNA:メッセンジャーRNA A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン dATP:デオキシアデノシン三リン酸 dTTP:デオキシチミジン三リン酸 dGTP:デオキシグアノシン三リン酸 dCTP:デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA:エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム DTT :ジチオスレイトール Gly :グリシン(G) Ala :アラニン(A) Val :バリン(V) Leu :ロイシン(L) Ile :イソロイシン(I) Ser :セリン(S) Thr :スレオニン(T) Cys :システイン(C) 1/2Cys :ハーフシスチン Met :メチオニン(M) Glu :グルタミン酸(E) Asp :アスパラギン酸(D) Lys :リジン(K) Arg :アルギニン(R) His :ヒスチジン(H) Phe :フェニールアラニン(F) Tyr :チロシン(Y) Trp :トリプトファン(W) Pro :プロリン(P) Asn :アスパラギン(N) Gln :グルタミン(Q) Apr :アンピシリン耐性遺伝子 Tcr :テトラサイクリン耐性遺伝子 ARS 1:オートノマス・レプリケーション・シークエンス
1(autonomous replication sequence 1) なお、本発明の蛋白においては、そのアミノ酸配列の
一部が修飾(付加、除去、その他のアミノ酸への置換な
ど)されていてもよい。
実施例 以下の参考例および実施例により本発明をより具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
後述の実施例3で得られ、プラスミドpHDLdhfr1を保
持する形質転換体CHO−HDL−1−5は、平成1年7月7
日から通商産業省工業技術院微生物工業技術研究(FR
I)に受託番号FERM BP−2506として寄託され、また該微
生物は平成1年6月26日から財団法人発酵研究所(IF
O)に受託番号IFO 50192として寄託されている。
後述の参考例に記載のプラスミドpHSD BJ−1を保持
する形質転換体Escherichia coli DH1/pHSD BJ−1は、
昭和63年3月9日からFRIに受託番号FERM BP−1784とし
て寄託され、また該微生物は昭和63年2月23日からIFO
に受託番号IFO 14730として寄託されている。
後述の実施例1に記載のプラスミドpGFE213を保持す
る形質転換体Saccharomyces cervisiae NA74−3A
(ρ)/pGFE213は、昭和63年10月11日からFRIに受託
番号FERM BP−2095として寄託され、また該微生物は昭
和63年9月19日からIFOに受託番号IFO 10460として寄託
されている。
後述の実施例6に記載の動物細胞SP−neo−HSD−39
は、平成2年3月16日からFRIに受託番号FERM BP−2809
として寄託され、また該微生物は平成2年3月1日から
IFOに受託番号IFO 50231として寄託されている。
後述の実施例8に記載の動物細胞SP−neo−HDL−245
は、平成2年3月16日からFRIに受託番号FERM BP−2810
として寄託され、平成2年3月1日からIFOに受託番号I
FO 50232として寄託されている。
後述の実施例5に記載のプラスミドpTB652を保持する
形質転換体Escherichia coli K12 DH1/pTB652は、昭和6
1年9月5日からFRIに受託番号FERM BP−1373として寄
託され、また該微生物は昭和61年8月29日からIFOに受
託番号IFO 14539として寄託されている。
後述の実施例15に記載のプラスミドpVGL4を保持する
形質転換体Escherichia coli JM109/pVGL4は、平成2年
6月20日からFRIに受託番号FERM BP−2977として寄託さ
れ、また該微生物は平成2年6月13日からIFOに受託番
号IFO 15049として寄託されている。
参考例1 プラスミドpHSG396SgDの作製 gDのN末端20アミノ酸残基をコードするDNA、すなわ
ち第8図に示す73bp DNA断片を化学的に合成し、これを
BamH IとHind IIIで消化したベクターpUC8に挿入した。
得られたpUC8 BamH I−Hind III73をBamH IとNco Iで
消化して得られた73bp断片と、HSVのgDコード領域を含
む約1.4kbのHind III−Nru I断片〔プラスミドpHSD BJ
−1(IFO 14730,FERM BP−1784由来〕のクローン化さ
れたプラスミドpUC18gDから得られた約1.28kbのNco I−
Sac I DNA断片をプラスミドベクターpHSG396(宝酒造
製)のBamH I−Sac I消化物と反応させ、サブクローニ
ングプラスミドpHSG396SgDを作製した。
参考例2 (1)水痘帯状疱疹ウイルスKuzuhara株のウイルスDNA
の調製 Flow2000細胞(ヒト胎児肺由来)のmonolayer(1575c
m2)に、水痘帯状疱疹ウイルスKuzuhara株(VZV,KY株)
の感染したFlow2000細胞を10:1で接種し、GIT培地(二
本製薬社製)中37℃で培養した。50%以上の細胞変性が
起きた時点で、トリプシン−EDTA処理を行って感染細胞
を回収し、低速での遠心分離(1500rpm,10分)によって
上清を除去した。得られた感染細胞のペレットに0.3ml
のPBS(0.8% NaCl,0.02% KCl,0.115% Na2HPO4,0.02
% KH2PO4,pH7.2)を加えて、懸濁液(0.66ml)を得
た。
該懸濁液に0.66mlの低融点アガロース〔1%低融点ア
ガロース(FMC社製),10mM Tris−HCl(pH8.0),1mM ED
TA〕を加え、鋳型(57mm×2mm×9mm)に流し込んで、感
染細胞を含むアガロースブロックを得た。該アガロース
ブロックをLysis Buffer〔1% SDS,100mM EDTA,20mM N
aCl,10mM Tris−HCl(pH8.0),1mg/mlプロテイナーゼ
K〕15ml中、37℃で一夜インキュベーションした。上記
Lysis BufferからSDSとプロテイナーゼKを除いた緩衝
液にアガロースブロックを移し、再度一夜インキュベー
ションした後、TE緩衝液(50mM Trsi−HCl,500mM EDTA,
pH8.0)中で、電気泳動するまで4℃で静置した。
ウイルスDNAを含む上記アガロースブロックを1%の
アガロースゲル〔1%GTGアガロース(FMC社製),89mM
Tris−Borate,89mMホウ酸,2mM EDTA(pH8.0)〕に埋め
込みパルスフィールド電気泳動装置(LKB社製)を用い
て、240V,60secパルスで18時間泳動した。
泳動後、ゲルを0.5μg/mlのエチジウムブロマイド液
中で染色し、120Kb付近に出現したウイルスDNAをアガロ
ースゲルごと切り出した。該アガロースゲルを30mlのTE
緩衝液(10mM Tris−HCl,1mM EDTA,pH8.0)に浸し、4
℃で2時間静置した。TE緩衝液を交換して2時間静置し
た後、もう一度新しい緩衝液に換えて一夜静置した。該
アガロースゲルを一度TE緩衝液で洗浄した後、30mlの制
限酵素反応液〔10mM Tris−HCl(pH7.5),7mM MgCl2,10
0mM NaCl,7mM 2−ME(メルカプトエタノール),0.01%
BSA(牛血清アルブミン)〕に浸して2時間4℃で静置
した。この反応液を新しい反応液(10ml)に交換した
後、1200ユニットの制限酵素Hind III(宝酒造社製)を
加えて、37℃で5時間静置した。
反応の終わったアガロースゲルからHind IIIで切断さ
れたウイルスDNAを透析チューブ内で電気的に溶出さ
せ、該溶出液約2mlをセントリコン(Amicon社製)で200
μまで濃縮し、エタノールを加えてDNAを沈殿させ
た。沈殿を20μの制限酵素緩衝液(組成は前述と同
一)に溶解させ、Xba IとHind III(宝酒造社製)を各
々10ユニット加えて37℃で2時間反応させた。この反応
液をそのまま0.7%GTGアガロースゲル(FMC社製)中で
電気泳動にかけたところ、Davisonら〔ジャーナル・オ
ブ・ジェネラル・ヴィロロジー(J.gen.Virol.)67,175
9(1986)〕の報告した大きさと類似したフラグメント
が検出された。
(2)VZV、KY株のDNA断片を含有するプラスミドの作製 参考例2(1)で得られたVZV、KY株のDNAのXba I−H
ind III消化断片のうち約8〜10kbの画分をアガロース
ゲルから切り出し、電気的に溶出した後、フェノール処
理およびエタノール沈殿を行った。該DNA断片約50ng
と、Xba IとHind IIIで開裂されたpUC18約30ngとを混合
し、25μの反応液〔66mM Tris−HCl,pH7.6,6.6mM MgC
l2,10mMジチオスレイトール,1mM ATP,20ユニットのT4DN
Aリガーゼ(宝酒造社製)〕中で16℃、一夜反応させた
後、この液を用いて大腸菌JM109を形質転換した。100μ
g/mlアンピシリン,0.2% X−gal,及び10mM IPTGを含む
アガープレート上に出現した白色コロニーに含まれるプ
ラスミドをアルカリ抽出法(Maniatisら、モレキュラー
・クローニング(Molecular Cloning)CSH Lab.1982)
で単離し、クローニングされたVZV DNAのXba I−Hind I
II消化断片の大きさを0.7%アガロースゲルを用いる電
気泳動によって検討した。約8.5kbの断片が挿入された
クローン(pVH×7)を選択し、該断片の制限酵素地図
を作製したところ、Davisonらの報告と類似し、該断片
に糖蛋白gp I遺伝子の含まれることが予想された(第16
図−1)。
該断片のXba I,Sma I消化物からの5.2kb断片をpUC18
のXba I/Sma I部位にサブクローニングし、pUC18gp Iを
作製した(第16図−1)。
pUC18gp Iのインサートについて、Sma I部位からの約
2.1kbの領域の塩基配列をジデオキシヌクレオチド合成
鎖停止法により決定したところ、該領域にVZVgp Iタン
パクがコードされていることが分かった(第17図)。
上記塩基配列から推定されるアミノ酸配列を第17図に
示す。該領域の塩基配列は、Daivisonらの報告と非常に
よく似ているものの4塩基の変異〔No.196のT(本発
明)→C(Davison),No.275のC→T,No.1969のT→C,N
o.2040のT→欠失〕(1アミノ酸の変異:40位がDavison
らではThr,本発明ではIle)が見られた。
(3) VZVgp I遺伝子の発現プラスミドの構築−I:ト
ランケイテッド(truncated)型gp Iトランジェント発
現プラスミドの構築 (i)pUC18gp I(第16図−1)をAva IとNco Iで消化
し、gp Iの翻訳開始コドン(ATG)の−53から+293の0.
35kbの断片を単離した。ベクターpUC19のsma I部位にNc
o Iリンカー(Pharmacia社製)を挿入したpUC19NcoをNc
o IとBamH Iで開裂した。このベクターと、上記0.35kb
のNco I−Ava I断片とをT4DNAリガーゼでいったん結合
させた後、BamH I,Ava I,T4DNAポリメラーゼで順次反応
させ、最後にT4DNAリガーゼで閉環してプラスミドpUC19
gp I Ncoを作製した(第16図−2)。
pUC19gp I NcoをXba I,クレノー(klenow)DNAポリメ
ラーゼ,Kpn Iで順次反応して開環し、0.35kbの断片を得
た。一方、pUC18にNheリンカーを挿入したpUC18Nheを作
製し、これをEcoR I,クレノーDNAポリメラーゼ,Kpn Iで
順次反応させることにより開環したベクターを得た。こ
のベクターと上記0.35kb断片とをT4DNAリガーゼで結合
させてpUC18Nhegp I Ncoを作製した(第16図−2)。
(ii)pUC18gp IをSma IとNco Iで消化して得た1.8kbの
断片と、pUC18Nhegp I NcoをNhe I,クレノーDNAポリメ
ラーゼ,Nco Iで順次反応させて得た3.1kbのベクターと
をT4DNAリガーゼで結合させてプラスミドpUC18gp I Sma
を得た(第16図−3)。
pUC18gp I SmaをEcoT22 Iで開裂し、T4DNAポリメラー
ゼで平滑化した後、Nhe Iリンカーを挿入したプラスミ
ドpUC18Nhegp I EcTを得た(第16図−3)。
(iii)pUC18Nhegp I EcTをXba Iで消化し、得られた2.
1kb断片をクレノーDNAポリメラーゼ処理した。この断片
とpTB701〔(pTB701:pTB652からcキナーゼ遺伝子を除
去したベクター),Onoら、サイエンス(Science),23
6,1116−1120(1987)〕をEcoR Iで開裂しクレノーDNA
ポリメラーゼ処理したベクターとをT4DNAリガーゼで結
合させ、発現プラスミドpTBgp I EcTを作製した(第16
図−4)。
(iv)pUC18gp IをSma I,Sac Iで開裂し、エキソヌクレ
アーゼIIIでgp I遺伝子の3′側を約0.45kb消化した
後、マングビーンヌクレアーゼ,クレノーDNAポリメラ
ーゼ処理を行って平滑化した後、T4DNAリガーゼで閉環
してpUC18SS60を作製した(第16図−5)。
pUC18SS60をKpn Iで開裂し、EcoR Iで部分消化して得
た2.3kb断片をT4DNAポリメラーゼで平滑化し、Nhe Iリ
ンカー(New England Biolabs社製)を結合させた後、N
co IとNhe Iでトリミングした1.3kbの断片を調製した。
この断片とpUC18Nhegp I EcTをNco IとNhe Iで開裂した
ベクターとを結合させてpUC18gp I SS60を作製した(第
16図−5)。
(v)pUC18gp I SS60をEcoR Iで部分消化し、1ヶ所だ
けで切断されたDNAを回収し、クレノーDNAポリメラーゼ
処理し、T4DNAリガーゼで閉環した。この中からpUC18SS
60におけるpUC18由来のEcoR I部位が消失したクローンp
UC18gp I SS60−E7を選択した(第16図−6)。
pUC18gp I SS60−E7をXba I処理して得た2.7kbの断片
をクレノーDNAポリメラーゼで平滑化した。この断片とp
TB701をEcoR Iで開製した後にクレノーDNAポリメラーゼ
で平滑化したベクターとを結合させ、発現プラスミドpT
Bgp I E7−17を作製した(第16図−6)。
(4) VZVgp I遺伝子の発現プラスミドの構築−II:ト
ランケイテッド型gp Iステーブル発現プラスミドの構築 ハムスターのジヒドロ葉酸還元酵素(hDHFR)の発現
プラスミドpTB564{pTB348,pTB399およびpTB401〔Sasad
a,R.ら,セル・ストラクチャー・アンド・ファンクショ
ン(Cell struecture and Function)12,205(1987)〕
からそれぞれ、Pst IとBamH I消化によって得た0.9kbの
断片、Sal IとBamH I消化によって得た2.4kbの断片およ
びSal IとPst I消化によって得た0.8kbの断片をT4 DNA
リガーゼで結合させたもの}をCla Iで消化し、得られ
た1.9kbの断片をクレノーDNAポリメラーゼで平滑化し
た。これと、pTtBgp I E7−17をSal Iで開列した後にク
レノーDNAポリメラーゼで平滑化したベクターとを結合
させ、発現プラスミドpTBE7dhfr4を作製した(第16図−
7)。
実施例1 HSV−1型のtruncated gD遺伝子の構築 HSV−1型深山株gD遺伝子を有するプラスミドベクタ
ーpHSG396SgD(参考例1)を制限酵素Xho IとXba Iで消
化して約1.35kbのDNA断片を得、さらに制限酵素Hinf I
で消化して約0.91kbのXho I−Hinf I断片を得た。第9
図に示すストップコドンを有する12bp DNA断片を化学的
に合成し、これと上記Xho I−Hinf I断片をプラスミド
ベクターpHSG397(宝酒造製)のXho I−Sac I消化物と
反応させ、サブクローニングプラスミドpHSG397SgDΔHi
nfを作製した。このプラスミドを制限酵素Xho IとSac I
で消化して得られた約0.92kbのXho I−Sac I DNA断片と
特願昭63−180114号および特願昭63−317546号明細書の
参考例1に記載のプラスミドpGFE213(IFO 10460,FERM
BP−2095由来)のXho I−Sac I消化物を反応させること
により発現プラスミドpHSD104ΔHinfを得た(第9
図)。
実施例2 HSV−1型のtruncated gDとIL−2とから成
る融合蛋白遺伝子発現プラスミドの構築 実施例1において構築したサブクローニングプラスミ
ドpHSG397SgDΔHinfをXho Iで消化し、クレノーフラグ
メントを作用させた後、EcoR Iリンカー(pGGAATTCC)
〔NEB社製〕を挿入することにより、pHSG397SgDΔHinfE
を得た。このプラスミドをHinf Iで消化して得られる約
0.95kbのDNA断片にクレノーフラグメントを作用させた
後、Nhe Iリンカー(pCGCTAGCG)〔Pharmacia社製〕をT
4DNAリガーゼ〔宝酒造製〕を用いて付加した。得られた
断片をさらにEcoR IとNhe Iで消化し、C末端94アミノ
酸残基の欠失したtruncated gDをコードする約0.9kbのE
coR I−Nhe I断片を得た。
次にヒトインターロイキン2の動物細胞発現用プラス
ミドpTB399〔特開昭61−63282号公報、Sasada,R.ら、セ
ル・ストラクチャー・アンド・ファンクション(Cell S
tructure and Function,12,205(1987)〕をEcoR IとHi
nd IIIで消化して得られる断片をさらにHgiA Iで消化し
て得られる約0.45kbの断片にT4DNAポリメラーゼを作用
させた後、上記のNhe Iリンカーを付加した。この断片
をさらにBamH IとNhe Iで消化し、成熟型のヒトインタ
ーロイキン2のコード領域を含む約0.43kbのNhe I−Bam
H I断片を得た。
上記の2つの断片と、pTB399をEcoR I−Bal II消化し
て得られる約3.9kbの断片を反応させることにより、発
現プラスミドpHDL201を得た。
さらに、この融合蛋白質をCHO細胞で発現させ、遺伝
子増幅を可能にするため、pHDL201をCla Iで消化して得
た約2.9kbのtruncated gDとIL−2の融合遺伝子を含むD
NA断片を、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)遺伝子発現プ
ラスミドpTB348(特開昭61−63282号公報参照)のCla I
部位に挿入することによりプラスミドpHDLdhfr1を得た
(第10図)。
また、得られた融合遺伝子の塩基配列を第11図に、推
定されるアミノ酸配列を第12図に示す。
実施例3 HSV−1型のtruncated gDとIL−2とから成
る融合蛋白遺伝子の動物細胞における発現 実施例2において構築したプラスミドpHDLdhfr1をリ
ン酸カルシウム法〔Gorman C.M.ら、サイエンス(Scien
ce)221,551−553(1983)〕によりCHO細胞DHFR-株(Ur
laub G and Chasim,L.A.プロシージングス・オブ・ザ・
ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス(Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA),77,4216−4220(1980))を形質転
換し、DHFR+となった形質転換体を得た。
得られた形質転換体CHO−HDL−1−5(IFO 50192,FE
RM BP−2506)を、10%牛胎児血清〔Whittaker M.A. B
ioproducts社製〕を含むダルベッコーMEM培地〔GIBCO社
製〕でコンフルエントになるまで培養した後、メチオニ
ン不含の培地に交換し、25μCi/mlの35S−メチオニンを
加えて一晩培養した。
この培養上清を回収後、上清1mlにつき、5μのウ
サギ抗HSV−1(Maclntyre)血清〔DAKOPATT社製〕ある
いは10μのウサギ抗ヒトIL−2血清を加え、4℃で2
時間インキュベートした。次にプロテインA−セファロ
ース(Pharmacia社製)を加えて、さらに4℃で2時間
インキュベートした後、遠心して沈殿を回収した。この
沈殿を0.05%NP−40を含むバッファーで洗浄後、Laemml
i bufferを加えて100℃、5分間加熱した。冷却後、遠
心して上清を回収し、SDS−ポリアクリルアミドゲル電
気泳動を行った。泳動後、ゲルを乾燥し、オートラジオ
グラフィーを行った結果、抗HSV−1および抗IL−2抗
体と反応する約45〜60kダルトンの産物の生成している
ことが分った。
実施例4 HSV−1型のtruncated gDとIL−2とから成
る融合蛋白遺伝子の発現産物中におけるIL−2活性の検
出 実施例3においてtruncated gDとヒトIL−2の融合蛋
白質を発現していることが分った形質転換体の培養液に
ついて、IL−2依存性細胞株NKC3を用いて改変MTT法〔T
ada,H.ら、ジャーナル・オブ・イムノロジカル・メソッ
ズ(J.Immunol.methods),93,157(1986)〕によりIL
−2の活性を測定した。
その結果、融合遺伝子を導入した細胞の培養上清にの
みIL−2活性が検出された。
実施例5 HSV−1型のtruncated gD遺伝子のミエロー
マ細胞における発現用プラスミドの構築 実施例2において構築したプラスミドpHSG397SgDΔHi
nfEを制限酵素EcoR Iで消化してtruncated gDをコード
する約0.9kbの断片を得た。この断片をpTB701〔Onoら、
サイエンス(Science),236,1116−1120(1987)に記
載のプラスミドpTB652からCキナーゼ遺伝子を除去した
ベクター〕のEcoR I部位に挿入することによりMuLVのLo
ng Terminal ReportとSV40の初期遺伝子のプロモーター
とを持ったTruncated gD発現プラスミドを得た。
次にネオマイシン耐性遺伝子を持ったプラスミドpMAM
neo〔CLONTEC社製〕をBamH Iで消化し、SV40の初期遺伝
子のプロモーター、ネオマイシン耐性遺伝子およびpoly
A付加部位を含む約2.8kbの断片を得た。この断片をpHSG
396〔宝酒造社製〕のBamH I部位にサブクローニング
し、さらに制限酵素Cla IとSal Iで消化することによっ
てネオマイシン耐性遺伝子を含む約2.8kbのCla I−Sal
I断片を得た。この断片を上記のプラスミドpHSD207のCl
a I−Sal I消化物(約5.1kb)と反応させることにより
約7.9kbの発現プラスミドpHSD・neo1を得た(第13
図)。
実施例6 HSV−1型のtruncated gD遺伝子のミエロー
マ細胞における発現 実施例5において構築したプラスミドpHSD・neo1をジ
ーンパルサー〔BIO−RAD社〕を用いたエレクトロポレー
ションにより、マウスミエローマ細胞Sp2/0−Ag−14
〔大日本製薬社〕を形質転換後、400μg/mlのG418〔GIB
CO社〕および10%牛胎児血清を含むRPMI1640培地〔GIBC
O社〕で培養することによりG418耐性となった形質転換
体を得た。これら形質転換体の培養上清を、ウサギ抗HS
V−1血清〔DAKOPATT社〕をコートしたマイクロプレー
ト〔ヌンク社製〕とビオチン化ウサギ抗HSV−1および
−2抗体〔ケミコン社製〕を用いたサンドイッチ法によ
るエンザイムイムノアッセイでスクリーニングし、trun
cated gDを発現しているクローンを得た。
得られた高発現クローンSP−neo−HSD−39を10%牛胎
児血清〔Whittaker M.A.Bioproducts社製〕を含むRPMI1
640培地〔GIBCO社〕で培養した後、メチオニン不含の培
地に交換し、25μCi/mlの35S−メチオニンを加えて一晩
培養した。
この培養上清を回収後、上清1mlにつき5μのウサ
ギ抗HSV−1血清〔DAKOPATT社製〕を加え、4℃で2時
間インキュベーションした後、遠心して沈殿を回収し
た。この沈殿を0.05%NP−40を含むバッファーで洗浄
後、Leammli bufferを加えて100℃、5分間加熱した。
冷却後、遠心して上清を回収しSDS−ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動を行った。泳動後、ゲルを乾燥し、オー
トラジオグラフィーを行った結果、抗HSV−1抗体と反
応する40〜50Kダルトンの分子種の生成していることが
分かった。
実施例7 HSV−1型のtruncated gDとIL−2とから成
る融合蛋白遺伝子のエミローマ細胞での発現プラスミド
の構築 実施例2において構築したプラスミドpHDL201を制限
酵素Sal IとEcoR Iで消化することによりtruncated gD
とIL−2の融合遺伝子を含む約3.9kbの断片を得た。ま
た、実施例5で作製したネオマイシン耐性遺伝子を持っ
たtruncated gD発現用プラスミドpHSD・neo1をSal IとE
coR Iで消化し、ネオマイシン耐性遺伝子を含む約4.4kb
の断片を得た。これら2つの断片を反応させることによ
り、ネオマイシン耐性遺伝子を持つ、truncated gD−IL
−2融合遺伝子の発現プラスミドpHDL・neo1を得た(第
14図)。
実施例8 HSV−1型truncated gDとIL−2とから成る
融合蛋白遺伝子のミエローマ細胞での発現 実施例7において構築したプラスミドpHDL・neo1をジ
ーンパルサー〔BIO−RAD社製〕を用いてエレクトロポレ
ーションを行い、マウスミエローマ細胞Sp2/0−Ag−14
〔大日本製薬社〕を形質転換後、200μg/mlのG418〔GIB
CO社製〕および10%牛胎児血清を含むRPMI1640培地〔GI
BCO社製〕で培養することにより4G18耐性となった形質
転換体を得た。これら形質転換体の培養上清を、ウサギ
抗HSV−1血清〔DAKOPATT社製〕をコートしたマイクロ
プレート〔ヌンク社製〕とビオチン化ウサギ抗HSV−1
および−2抗体〔ケミコン社製〕を用いたサンドイッチ
法によるエンザイムイムノアッセイでスクリーニング
し、truncated gDを発現しているクローンを得た。
得られたクローンのうち発現量の比較的多いSp−neo
−HDL−245を無血清培地ASF104〔味の素社製〕で培養
し、その上清1mlをモルカット〔ミリポア社製〕で濃縮
し、Laemmli Bufferを加えて50μとし、100℃、5分
間加熱した。冷却後、SDSポリアクリルアミドゲル電気
泳動を行い、さらにウサギ抗HSV−1血清〔DAKOPATT社
製〕およびウサギ抗ヒトIL−2血清〔Genzyme社製〕を
用いてウェスタンブロッティングを行ったところ、いづ
れの抗体によっても認識されるバンドが特異的に検出さ
れた。
実施例9 HSV−1型のtruncated gDの動物細胞におけ
る発現 平成1年9月8日出願の平成1年特許願第233728号の
参考例1、参考例2、実施例1に記載したように、HSV
−1型のtruncated gDの動物細胞用の発現プラスミドpH
SDdhfr1を作製し、同特許願の実施例2に記載のよう
に、形質転換体CHO−HSD−1−7を得た。以下に、これ
らの詳細について記す。
実施例1に示したプラスミドpHSG397SgDΔHinfをXho
IとSac Iで消化した後、T4DNAポリメラーゼを作用さ
せ、約0.9kbのtruncated gD遺伝子を含む両端の平滑な
断片を得た。
次にプラスミドpTB399〔特開昭61−63282号公報;Sasa
da,Rら、セル・ストラクチャー・アンド・ファンクショ
ン(Cell Structure and Function),12,205(198
7)〕を制限酵素Eco R IとBgl IIで消化後、T4DNAポリ
メラーゼを作用させ、約3.9kbの両端が平滑な断片を得
た。この断片と上記のtruncated gDを含む断片とをT4DN
Aリガーゼで反応させることにより、発現プラスミドpHS
D209を得た。
次に、この遺伝子をCHO細胞で安定的に発現させて遺
伝子増幅も可能にするために、pHSD209を制限酵素Cla I
で消化して得られる約2.4kbをプラスミドpTB348〔特開
昭61−63282号公報参照〕のCla I部位に挿入することに
より、プラスミドpHSDdhfr1およびpHSDdhfr2を得た。
プラスミドpHSDdhfr1をリン酸カルシウム法〔Gorman,
C.M.ら、サイエンス(Scinece)221,551−553(198
3)〕によりCHO細胞DHFR-株(Urlaub,G.and Chasim,L.
A.プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミ
ー・オブ・サイエンス(Proc.Natl.Acad.Sci.USA),7
7,4216−4220(1980))を形質転換し、DHFR+となった
形質転換体を得た。
実施例10 HSV−1型のtruncated gD(t−gD)の精製 実施例9で得られた形質転換体CHO−HSD−1−7を無
血清培地ASF104(味の素社製)のコンフルエントになる
まで培養した。培養上清(5)を20mM Tris−HCl(pH
8.0)緩衝液に対して透析した後、20%飽和になるよう
に硫安を添加した。この溶液を20%飽和硫安/20mM Tris
−HCl(pH8.0)緩衝液で平衡化したButyl−Toyopearlカ
ラム(ベッド容量100ml,φ2.6×19cm)にかけた後、同
緩衝液でカラムを洗浄した。続いて、硫安濃度20%から
0%のグラジエント(計800ml)によってt−gDを溶出
した。約3〜5%飽和硫安濃度で溶出されたt−gD画分
(70ml)を限外ろ過(アミコン)で4mlに濃縮し、これ
をPBSで平衡化したSephacryl S−300カラム(ベッド容
量198ml,φ1.6×98.5cm)にかけ、t−gD画分を集めて
精製標品(3.5mg/16ml)とした。
実施例11 HSV−1型のtruncated gDとIL−2とから成
る融合蛋白(t−gD−IL−2)の精製 実施例3で得られた形質転換体CHO−HDL−1−5を無
血清培地ASF104(味の素社製)でコンフルエントになる
まで培養した。培養上清(5)を20mM Tris−HCl(pH
8.0)緩衝液に対して透析した後、20%飽和になるよう
に硫安を添加した。この溶液を20%飽和硫安/20mM Tris
−HCl(pH8.0)緩衝液で平衡化したButyl−Toyopearl 6
50カラム(ベッド容量100ml,φ2.6×19cm)にかけた
後、同緩衝液でカラムを洗浄した。続いて、硫安濃度20
%から0%のグラジエント(計800ml)によってt−gD
−IL−2を溶出した。飽和硫安濃度0%付近で溶出され
たt−gD−IL−2画分(70ml)を限外ろ過(アミコン)
で4mlに濃縮し、これをPBSを平衡化したSephacryl−S 3
00カラム(ベッド容量198ml,φ1.6×98.5cm)にかけ、
t−gD−IL−2画分を集めて精製標品(2.8mg/14ml)と
した。
実施例12 HSV−1型のtruncated gDとIL−2とから成
る融合蛋白(t−gD−IL−2)の免疫原性 (1)抗HSV抗体の測定 BALB/cマウス(メス,6週齢,チャールズ・リバー社
産)の腹部皮下に、実施例10と11でそれぞれ取得したtr
uncated gD(t−gD)とt−gD−IL−2をそのまま、あ
るいはアラム・アジュバント(終濃度0.5mg/ml,pH7.0)
に吸着させてから投与した(0.2ml/マウス)。5週後に
採血し、サンプル血清を調製し、以下の方法で抗HSV抗
体を測定した。
ヒト抗HSV抗体測定キット(ヘルペススタット,Whitta
ker Bioproducts社製,ロット番号002706)の不活化HSV
コートマイクロプレートを20%FCS含有PBSでブロッキン
グ(室温,2時間)した後、0.05%Tween20含有PBS(PBS
−Tween)で3回洗浄した。このプレートに20%FCS/40m
M Tris−HCl(pH7.5)/5%NaCl/0.05% Tween20で希釈
したサンプル血清をウエルあたり100μ加え、室温で
1時間インキュベーションした。プレートをPBS−Tween
で6回洗浄した後、ペルオキシダーゼ標識抗マウスIgG
抗体(HRP−conjugated Rabbit×Mouse IgG〔H+L〕,
Zymed Laboratories社製,ロット番号80801651)の1000
倍希釈液をウエルあたり100μ加え、室温で30分間イ
ンキュベーションした。プレートをPBS−Tweenで6回洗
浄した後、基質液〔2mg/ml o−フェニレンジアミン/0.0
2% H2O2/0.1Mクエン酸緩衝液(pH4.5)〕をウェルあた
り100μ加え、10分間反応させた。2Nの硫酸をウェル
あたり200μ加えて発色を停止させた後、492nmの吸光
度を測定した。
(2)t−gDとt−gD−IL−2の抗体産生能の比較 サンプル血清中の抗HSV抗体価はマウス抗gDモノクロ
ーナル抗体M42〔井上幸次,大阪大学医学雑誌,36巻第4
号,69(1987)〕を標準抗体として用いて以下のように
算出した。M42抗体(1.9mg/ml)の抗体価を1900mU/mlと
設定し、M42の4倍希釈液の与える最大吸光度(≧2.0)
の50%値(約1.0)を与えるM42とサンプル血清の希釈倍
数の比率から抗体価を求めた。1群マウス10匹の平均値
を第1表にまとめた。
第1表から明らかなように、抗原をそのまま投与した
場合(Alum−)、t−gDはほとんど抗体を誘導できなか
ったが、t−gD−IL−2は顕著な抗体産生能を示した。
この結果から、t−gDに結合しているIL−2は強力なア
ジュバント活性を発揮することがわかった。さらにアラ
ムアジュバントを使用した場合(Alum+)、t−gDによ
る抗体産生が認められたが(1.7μg投与で228mU/ml),
t−gD−IL−2では高い抗体価(1.0μg投与で513mU/m
l)が得られ、IL−2付加の効果が認められた。
実施例13 HSV−1型のtruncated gDとIL−2とから成
る融合蛋白(t−gD−IL−2)の免疫原性 (1)抗HSV抗体の測定 BALB/cマウス(メス,8週齢,チャールズ・リバー社
産)の腹部皮下に、実施例10と11でそれぞれ取得したtr
uncated gD(t−gD)とt−gD−IL−2をそのまま、あ
るいはt−gDに等モルのヒト組換え型IL−2(武田薬品
工業,lot H−609−035,1.21mg/ml)を混合したものと、
アラム・アジュバント(終濃度0.5mg/ml,pH7.0)に吸着
させたものをそれぞれ投与した(0.2ml/マウス)。5週
間後に採血し、サンプル血清を調製し、以下の方法で光
HSV抗体を測定した(2回免疫の場合は、4週後に再投
与し、それから2週後に採血した。)。
ヒト抗HSV抗体測キット(ヘルペススタット,Whittake
r Bioproducts社製,ロット番号002706)の不活性化HSV
コートマイクロプレートを20%FCS含有PBSでブロッキン
グ(室温,2時間)した後、0.05%Twwetn 20含有PBS(PB
S−Tween)で3回洗浄した。このプレートに20%FCS/40
mM Tris−HCl(pH7.5)/5%NaCl/0.05%Tween 20で希釈
したサンプル血清をウェルあたり100μ加え、室温で
1時間インキュベーションした。プレートをPBS−Tween
で6回洗浄した後、ペルオキシダーゼ標識抗マウスIgG
抗体(HRP−conjugated Rabbit×MouseIgG〔H+L〕,Z
ymed Laboratories社製,ロット番号80801651)の1000
倍希釈液をウエル当り100μ加え、室温で30分間イン
キュベーションした。プレートをPBS−Tweenで6回洗浄
した後、基質液〔2mg/ml o−フェニレンジアミン/0.02
%H2O2/0.1%Mクエン酸緩衝液(pH4.5)〕をウエル当
り100μ加え、10分間反応させた。2Nの硫酸をウェル
当り200μ加えて発色を停止させた後、492nmの吸光度
を測定した。
(2)t−gDとt−gD−IL−2の抗体産生能の比較 サンプル血清中の抗HSV抗体価はマウス抗gDモノクロ
ーナル抗体M42〔井上幸次、大阪大学医学雑誌、36巻第
4号、69(1987)〕を標準抗体として用いて以下のよう
に算出した。M42抗体(1.9mg/ml)の抗体価を1900mU/ml
と設定し、M42の8倍希釈液の与える最大吸光度(≧2.
0)の50%値(約1.0)を与えるM42とサンプル血清の希
釈倍数の比率から抗体価を求めた。1群マウス10匹の平
均値を第2表にまとめた。なお、±で表示した範囲は標
準偏差を表わす。
第2表から明らかなように、抗原をそのまま単回投与
した場合(Alum−)、t−gDはほとんど抗体を誘導でき
なかったが、t−gD−IL−2は単回投与の場合でも顕著
な抗体産生能を示した。また、t−gDに等モルのIL−2
を混合した場合は、僅かな抗体産生が見られたにすぎな
かった。これらの結果から、t−gDに結合しているIL−
2は強力なアジェバント活性を発揮することが分かっ
た。さらにアラムアジュバントを使用した場合(gD−Al
um)に、t−gDによる抗体生産が認められたが(1μg
投与で341mU/ml,5μg投与で481mU/ml),t−gD−IL−2
による抗体価(1μg投与で400mU/ml,5μg投与で695m
U/ml)と比較すると、IL−2付加によるアジュバント効
果は、Alum(125μg/マウス)同等以上であることが示
された。
(3)キラー活性の測定 キラー活性は51Cr放出法により測定したが、測定のた
めのエフェクター細胞の調製やターゲットの51Cr標識
は、既報〔Hinuma,S.ら イムノロジイ(Immunology)1
59,251(1986)〕の方法に従って行った。BALB/cマウス
(1群4匹)の各々のマウスの腹部皮下に、200μのP
BSに溶解したt−gD(5μg),t−gD(5μg)と組換
え型ヒトIL−2(rIL−2)(1.25μg)の混合物、お
よびt−gD−IL−2(5μg)を投与し、5週間後に脾
臓を摘出した。コントロールを含む各群の脾臓をプール
し、単一細胞浮遊液を調製した。HSV−1によるin vitr
oでの刺激をするためにこれらの脾臓細胞1.25×108個に
約1×107プラーク形成単位(PFU)のHSV−1深山株を
加えて37℃、1時間インキュベーションした後、50mlの
10%FCSを含む完全RPMI1640培地で、プラスチック製フ
ラスコ(ヌンク社製)を用いて5%CO2の存在下で、37
℃,5日間培養した。HSV−1によるin vitroでの刺激を
しない場合には、HSV−1深山株を加えずに、同様の培
養を行った。培養終了後、細胞を遠心分離操作によって
洗浄し、生細胞数を測定した後、エフェクター細胞とし
て使用した。
ターゲット細胞としてはBALB/cマウスのマクロファー
ジ系腫瘍細胞株であるP388を使用した。P388細胞3×10
6個を約3×106PFUのHSV−1深山株と37℃、1時間イン
キュベーションし、HSV−1感染P388細胞を調製した。
次にHSV−1感染あるいは非感染p388細胞に0.1mCiのク
ロム酸ナトリウム溶液を加え、51Crの標識を行った。
キラー活性は、1×104個の51Crの標識P388細胞にエ
フェクター細胞とターゲット細胞の比(E/T比)が25か
ら100になるように脾臓細胞を加え、U型96穴マイクロ
プレート(ヌンク社製)中で37℃、4時間培養し、上清
中(200μ)に遊離してきた51Cr量より算出した。測
定は2回行い、結果は%Cr放出量〔100×(キラー細胞
による遊離−自然遊離)/(最大遊離−自然遊離)〕の
平均値で示した。また、%HSV−1特異的51Cr放出量は
以下の式から算出した。
%HSV−1特異的51Cr放出量=〔HSV−1感染P388細胞
からの%51Cr放出量〕−〔HSV−1非感染P388細胞から
の%51Cr放出量〕 第3表に結果を示したが、HSV−1特異的及び非特異
的なキラー活性は、t−gD−IL−2を投与したマウス脾
臓細胞をin vitroでHSV−1で刺激した場合にのみ認め
られた。このことはt−gD−IL−2を投与することによ
り、HSV−1に対する細胞性免疫が誘導されることを示
している。
(4)HSV−1感染防御能の検討 1μgのt−gD,1μgのt−gD−IL−2あるいは1μ
gのt−gDに0.25μgのIL−2を混合したものでマウス
を免疫し、それらのマウスにおけるHSV−1感染防御能
を検討した。すなわち、8週齢、メスのBALB/cマウス
(1群6〜7匹)に、上記の各抗原を(1)で記述した
ように投与し、5週後に2×105PFUのHSV−1(深山+G
C株)を腹腔内に接種した(0.1ml/マウス)。接種後、1
7日間にわたって観察し、マウスの生存率を求めた。得
られた結果を第15図に示した。カッコの中の数字は、使
用したマウスの数と、HSV感染による症状が認められた
マウス(症状、死亡)の数を表わす。
対照(PBS)とt−gD投与群では全てのマウスにHSV感
染による症状が認められ、t−gDとIL−2との混合群
(Mixed)でも半数近くのマウスが死亡した。これに対
し、t−gD−IL−2投与群(fused)では、接種後11日
目になって1匹が死亡したのみであった。
これらの結果から、抗体産生の面だけでなく、感染防
御能においてもt−gDへのIL−2の付加の効果が示され
た。
実施例14 HSV−1型のtruncated gDとIL−2とからな
る蛋白の作製 (1)HSV−1型のtruncated gDのマレイミド化 実施例10で取得したHSV−1型のtruncated gDの1mgを
5mM酢酸緩衝液(pH5.0)2mlに溶解後、2倍モルのN−
(ε−マレイミドカプロイロキシ)スクシミドエステル
のジメチルホルムアミド溶液50μを添加し、30℃で20
分間反応させた。反応混液を0.1Mリン酸緩衝液(PB;pH
6.5)で平衡化したセファデックスG−25カラムに供し
て結合試薬を除去した。
(2)IL−2のスルフヒドリル化 特開昭61−63282号公報で作製したIL−2の1mgを0.05
M PBS(pH7.3)の溶解後、2倍モルのSPDPメタノール溶
液50μを添加した。30℃で30分間反応後、0.1M DTT水
溶液50μを添加して還元後、(1)に記載のセファデ
ックスG−25カラムに供して過剰の試薬を除去した。
(3)抗原−IL−2雑種蛋白の作製 (1)で得たマレイミド化されたtruncated gD抗原の
0.8mgに(2)で作製したスルフヒドリル化IL−2の0.8
mgを氷冷下で撹拌しながらゆっくりと添加し、一夜反応
させた。反応混液をセファクリルS−200カラムに供
し、未反応の蛋白を化学結合雑種蛋白から分離除去した
結果、約1.2mgのtruncated gDとIL−2とが結合した雑
種蛋白を得た。
実施例15 VZV(kuzuhara株)のtruncated gp IとIL−
2とから成る融合蛋白遺伝子発現プラスミドの構築 実施例7において構築したプラスミドpHDLneo1を制限
酵素Nhe Iで部分消化して、2箇所あるNhe I部位のうち
1箇所のみで切断された約7.9kbのDNA断片を単離し、T4
DNAポリメラーゼにより末端を平滑化した。その後、再
びNhe Iで消化して、プロモーターの一部とgD領域を除
いた残りの5.8kb断片を単離した(断片)。
VZVgp I遺伝子を含むプラスミドpUC18gp I Sma(参考
例2−(3)−ii)を、制限酵素Xba Iで消化して得た
2.1kb断片をクレノーDNAポリメラーゼにより平滑化し
た。この断片を、pTB701(参考例2−(3)−iii)を
制限酵素EcoR Iで消化した後に、クレノーDNAポリメラ
ーゼにより平滑化したベクターに挿入することによって
gp I発現プラスミドpTBgp I Sma18を構築した(第18
図)。このプラスミドを制限酵素Eco52 Iで消化し、gp
Iの513番目のアミノ酸までをコードする断片を単離し、
その末端をT4DNAポリメラーゼにより平滑化した。この
断片を、制限酵素Bgl IIで消化し、1.04kbの断片を単離
した(断片)。
また、同じくpTBgp I Sma18をNhe IとBal IIで消化
し、プロモーターの一部とgp Iの一部を含む約2.1kbの
断片を単離した(断片)。
上記3つの断片(、、)をT4DNAリガーゼによ
り結合させ、VZV truncated gp IとIL−2の融合蛋白遺
伝子発現プラスミドpVGL4を得た(第18図)。
更に、ハムスターのジヒドロ葉酸還元酵素(hDHFR)
を選択マーカーとしてもつtruncated発現プラスミドpTB
E7dhfr4(参考例2−(4))をNhe IとHind IIIで消化
して得た断片(ASVLTRプロモーターを含む)と、同じく
pTBE7dhfr4をHind IIIとSal Iで消化して得た断片(hDH
FR遺伝子を含む)、およびpVGL4をNhe IとSal Iで消化
して得た断片をT4DNAリガーゼによって結合させて、プ
ラスミドpVGLdhfr11を構築した(第19図)。
実施例16 VZV truncated gp IとIL−2とから成る融合
蛋白遺伝子のCOS−7細胞での発現 実施例15において構築したプラスミドpVGL4およびpVG
Ldhfr11をCOS−7細胞に導入して、一過性の発現を検討
した。
COS−7細胞(5×105cells/10cmφdish)を10%FCS
を含むダルベッコMEM培地(GIBCO社製)に接種し、18時
間後に上記プラスミド(20μg/dish)をWiglerら〔セル
(cell)16、777−785(1979)〕の方法に従ってトラン
スフェクションした。24時間後、この細胞を25mM HEPES
(同仁化学研究所製)を含むダルベッコMEM培地(GIBCO
社製)で2日間培養し、培養上清(5ml)をセントリカ
ット(Centricut20、クラボウ社製)で約200μまで濃
縮した。この上清から10μを3倍濃度のLaemmli緩衝
液5μと混合し〔終濃度62.5mM Tris−HCl(pH8.
0)、2%SDS、10%グリセロール、5%2−ME、0.001
%BPB〕、95℃ 5分間加熱した。この標品を、10%−2
0%DSDポリアクリルアミドゲル(第一化学社製)を用い
て電気泳動にかけた。泳動後、マウス抗gp Iモノクロー
ナル抗体(VZV感染細胞の超音波破砕上清を免疫源とし
て、BALB/cマウスに投与し、免疫マウスの脾臓細胞とマ
ウスミエローマ細胞SP2をポリエチレングリコールによ
って融合させて得られたハイブリドーマより得られた抗
体)およびウサギ抗IL−2抗体(Genzyme社製)を用い
てウェスタンブロッティングを行った。その結果、対照
としてpTBE7dhfr4およびpTBgp I EcT(参考例2−
(3)−iii)を導入した細胞上清には、抗gp I抗体で
のみバンドが検出されたのに対し、pVGL4およびpVGLdhf
r11を導入した細胞上清には、抗gp I、抗IL−2いづれ
の抗体によってもバンドが検出された(第20図)。
更に、各々の培養上清中のIL−2生物活性を多田ら
〔ジャーナル・オブ・イムノロジカル・メソッド(J.Im
munol.Methods)93,157−165(1986)〕の方法に従って
検討した。その結果、pVGL4およびpVGLdhfr11を導入し
た場合のみ、上清中のIL−2活性が認められ、gp Iに融
合しているIL−2は、生物活性を保持していることが明
らかになった(第4表)。
実施例17 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)gagタンパクと
IL−2とから成る融合蛋白遺伝子発現プラスミドの構築 (1)HIVのrecombiant proviral clone pNL4−3
〔Adachiら,ジャーナル・オブ・ヴィロロジー(J.Viro
l.)59,284−291(1986);Genbank R62.0 December 198
9,locus HIVNL43〕のgag−pol領域を含む5.1kbのAcc II
−Sal I断片をSal Iリンカーを付加した後、pBR322のSa
l I部位に挿入し、pTB770を作成する。(2)pTB770を
制限酵素Xmn Iで消化し、0.43kbの断片を単離する。こ
の断片を、BamH Iで開裂した後T4DNAポリメラーゼによ
り末端を平滑化したpUC8に挿入する(サブクローンpUC8
Xm3)。
pUC8Xm3をEcoR IとEcoT22 Iで消化し、0.42kbの断片
を単離する(断片)。pTB770をBal IIで消化した後、
T4DNAポリメラーゼにより末端を平滑化し、EcoT22 Iで
消化して、0.85kbの断片を単離する(断片)。
IL−2のシグナル配列によるEGFの分泌発現用プラス
ミドpTB505〔佐々田ら、セル・ストラクチャー・アンド
・ファンクション(Cell Structure and Function)13,
129−141(1988)〕をEcoR IとSal Iで消化し、1.9kbの
断片を単離する(断片)。
pHDL・neo1(実施例7を参照)をNhe Iで消化した
後、T4 DNAポリメラーゼにより末端を平滑化し、Sal I
で消化して3.0kbの断片を単離する(断片)。
上記4つの断片(,,,)をT4 DNAポリメラ
ーゼにより結合させることにより、A−MuLV LTR−SV40
プロモーターの下流に、IL−2シグナル配列(Gln11
でを含む)とHIVgagタンパクのIle19からIle437まで、
およびIL−2のAla1からThn133までをコードする遺伝子
が結合した発現プラスミドpGAL2を得る(第21図)。
(3)更に、(2)で得られたプラスミドをステーブル
発現系用に改変するために、pHDLneo1のneo遺伝子をpGA
L2に挿入する。
pHDL・neo1をCla IとSal Iで消化して2.8kbの断片を
単離する。この断片と、pGAL2をCla IとBgl IIで消化し
て得られる3.6kbの断片とpGAL2をBgl IIとSal Iで消化
して得られる2.5kbの断片とを、T4 DNAリガーゼにより
結合させて、発現プラスミドpGALneoを得る(第22
図)。
上記の方法によって得られるプラスミドについては、
実施例16と同様の方法により、発現産物の生物活性を測
定することができる。また、抗gag抗体(ケミコン社
製)を用いたウェスタンブロッティングにより発現産物
の抗原性を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はHSV−1型深山株の表面蛋白gD遺伝子のアミノ
酸配列の一例を示す図であり、第2図は第1図のアミノ
酸配列に対応する塩基配列の一例である。 第3図はHSV−1型深山株の表面蛋白gB遺伝子のアミノ
酸配列の一例を示す図であり、第4図は第3図のアミノ
酸配列に対応する塩基配列の一例である。 第5図はHSV−1型KOS株の表面蛋白gBの塩基配列の一
例、それから推定されるアミノ酸配列を示す図であり、
第6図はHSV−1型F株の表面蛋白gBの塩基配列の一
例、それから推定されるアミノ酸配列を示す図である。 第7図はインターロイキン−2活性物質の一例のアミノ
酸配列図を示す図である。 第8図はプラスミドpHSG396SgDの構築図であり、第9図
はHSV−1型のtruncated gD遺伝子の構築図である。 第10図は本発明の融合蛋白遺伝子発現プラスミドの構築
図であり、第11図は本発明で得られた融合蛋白遺伝子の
塩基配列を示す図であり、第12図は第11図の塩基配列か
ら推定されるアミノ酸配列を示す図である。 第13図はHSV−1型のtruncated gD遺伝子の動物細胞用
発現プラスミドの構築図であり、第14図は本発明の動物
細胞用融合蛋白遺伝子発現プラスミドの構築図である。 第15図は本発明におけるHSV感染防御機能を示したグラ
フである。 第16図−1、第16図−2、第16図−3、第16図−4、第
16図−5、第16図−6および第16図−7は参考例2で用
いられているプラスミド類の構築図である。 第17図は参考例2でプラスミドpUC18に挿入されたgp I
遺伝子の塩基配列およびそれから推定されるアミノ酸配
列を示す図である。 第18図および第19図は本発明の融合蛋白質の動物細胞用
の発現プラスミドの構築図である。 第20図は本発明の融合蛋白質のウェスタンブロッティン
グによる分析に関する図である。 第21図および第22図は本発明の融合蛋白質の動物細胞用
の発現プラスミドの構築図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61K 39/245 A61K 39/39 39/25 37/02 ABD 39/39 ADY C12N 15/09 ZNA C12N 15/00 ZNAA (31)優先権主張番号 特願平2−138180 (32)優先日 平成2年5月30日(1990.5.30) (33)優先権主張国 日本(JP) 前置審査 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07K 19/00 A61K 38/00 C12N 15/09 BIOSIS(DIALOG) MEDLINE(STN)

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ワクチン用のウイルス抗原とリンホカイン
    との融合蛋白。
  2. 【請求項2】ワクチン用のウイルス抗原とリンホカイン
    とをリンカーを介して融合させた請求項1記載の融合蛋
    白。
  3. 【請求項3】リンホカインがインターロイキン2である
    請求項1記載の融合蛋白。
  4. 【請求項4】インターロイキン2がヒト由来のインター
    ロイキン2である請求項3記載の融合蛋白。
  5. 【請求項5】ワクチン用のウイルス抗原がヘルペスウイ
    ルス抗原である請求項1記載の融合蛋白。
  6. 【請求項6】ヘルペスウイルス抗原が単純ヘルペスウイ
    ルス抗原または水痘帯状疱疹ウイルス抗原である請求項
    5記載の融合蛋白。
  7. 【請求項7】ワクチン用のウイルス抗原がヒトレトロウ
    イルス抗原である請求項1記載の融合蛋白。
  8. 【請求項8】ヒトレトロウイルス抗原がヒト免疫不全ウ
    イルス抗原である請求項7記載の融合蛋白。
  9. 【請求項9】ワクチン用のウイルス抗原が単純ヘルペス
    ウイルス表面抗原である請求項1記載の融合蛋白。
  10. 【請求項10】単純ヘルペスウイルス表面抗原が単純ヘ
    ルペスウイルス1型または2型のgDあるいはgBである請
    求項9記載の融合蛋白。
  11. 【請求項11】gDあるいはgBがトランスメンブレン領域
    の除外されたgDあるいはgBである請求項10記載の融合蛋
    白。
  12. 【請求項12】単純ヘルペスウイルス抗原をアミノ末端
    側に、インターロイキン2をカルボキシル末端側に配置
    した請求項1記載の融合蛋白。
  13. 【請求項13】ワクチン用のウイルス抗原とリンホカイ
    ンとの融合蛋白をコードする塩基配列を含有する組換え
    DNA。
  14. 【請求項14】リンホカインがインターロイキン2であ
    る請求項13記載のDNA。
  15. 【請求項15】ワクチン用のウイルス抗原がヘルペスウ
    イルスまたはヒトレトロウイルス抗原である請求項13記
    載の組換えDNA。
  16. 【請求項16】ワクチン用の抗原が単純ヘルペスウイル
    ス表面抗原である請求項13記載の組換えDNA。
  17. 【請求項17】ワクチン用のウイルス抗原とリンホカイ
    ンとの融合蛋白をコードする塩基配列を含有する組換え
    DNAを保持する形質転換体。
  18. 【請求項18】リンホカインがインターロイキン2であ
    る請求項17記載の形質転換体。
  19. 【請求項19】ワクチン用のウイルス抗原がヘルペスウ
    イルス抗原またはヒトレトロウイルス抗原である請求項
    17記載の形質転換体。
  20. 【請求項20】ワクチン用のウイルス抗原が単純ヘルペ
    スウイルス表面抗原である請求項17記載の形質転換体。
  21. 【請求項21】ワクチン用のウイルス抗原とリンホカイ
    ンとを化学的に結合させた雑種蛋白。
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