JP3123602B2 - 深さ方向組成分布分析方法 - Google Patents

深さ方向組成分布分析方法

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JP3123602B2 JP10049695A JP4969598A JP3123602B2 JP 3123602 B2 JP3123602 B2 JP 3123602B2 JP 10049695 A JP10049695 A JP 10049695A JP 4969598 A JP4969598 A JP 4969598A JP 3123602 B2 JP3123602 B2 JP 3123602B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2次イオン質量分
析法(SIMS法)を用いた深さ方向の不純物分布分析
方法に関し、特にデコンボリューションを用いて深さ方
向に精度の良い不純物分布分析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のVLSIデバイスの高集積化によ
り、微細化に伴って不純物分布の極浅化、極薄化が進展
し、不純物濃度プロファイルの急峻性を深さ精度良く、
しかも高感度に分析する手法が必須となっている。
【0003】二次イオン質量分析法(SECONDAR
Y ION MASS SPECTROMETRY;S
IMS)は、一次イオンにより試料をスパッタしながら
放出される二次イオンを質量分析器により検出する分析
方法で、不純物濃度を高感度に分析するためには必要不
可欠なツールである。
【0004】しかし、SIMS分析中のイオンスパッタ
リングによって不純物プロファイルが影響され、必ずし
も正確な分析ができない問題がある。図1(a)は、一
次イオン1を試料に入射したときに、イオンスパッタリ
ングにより不純物が押し込まれるノックオン効果の様子
を示したものである。また、図1(b)に模式的に示す
ように、分析試料3の表面荒れが生じたり、その他、混
合層の形成(ミキシング)、不純物の分析試料への再付
着などの影響によって、図1(c)に示すように不純物
濃度プロファイルがだれてSIMS分析の深さ精度が劣
化するという問題があった。
【0005】そこで、このような不純物プロファイルの
だれを抑制して深さ精度を向上する方法が試みられてき
た。その一つとして、図2に示すように一次イオン1を
低エネルギー化し、分析試料7に入射する入射角度θ
(6)を最適化することにより、SIMS分析の深さ精
度を向上させる方法が知られている。加速エネルギーを
下げることによって入射エネルギーの垂直成分を軽減す
る。入射角度については、深さ精度のみ考慮すると試料
表面に対して小さい方(θが大きい方)が良いが、小さ
くしすぎるとイオン化効率が減少してしまうため、深さ
精度、感度ともに良好となる条件に最適化する必要があ
る。
【0006】例えば、「川島ら, 第58回応用物理学
会学術講演会予稿集661ページ,3a−ZL−6「デ
コンボリューションを用いたSi濃度プロファイルの急
峻性評価」,1997年10月」にあるように、2ke
V、θ=60°入射では5nm/decadeの不純物
濃度プロファイルの急峻性を評価できる。しかし、さら
に低エネルギー化した場合には感度が著しく低下するの
で不純物分析は困難となるという制約がある。ここで、
nm/decadeは不純物濃度が1桁下がるまでの深
さ遷移幅で、不純物濃度プロファイルの急峻性を示す単
位である。
【0007】特殊な方法としては、選択エッチングによ
り試料を除去した後裏面よりSIMS分析する手法もあ
るが、エッチングを制御して平坦面を得るのが困難であ
ったり、ストッパー層が必要であるなどの制約がある
(川島ら、第57回応用物理学会学術講演会9a−V−
10「Backside SIMSによるInGaAs
PへのZn拡散の評価」)。また、分析可能な急峻性
は、10nm/decadeである。
【0008】以上のように分析上の制約のために、5n
m/decadeよりも急峻な組成プロファイルを評価
するためには分解能関数を考慮して測定プロファイルか
ら真のプロファイルを推定することにより深さ精度の向
上を図るデコンボリューションを用いる必要が出てき
た。
【0009】分解能関数は、分析による歪みの目安で、
主として材質、イオンスパッタリング、分析する二次イ
オン種などにより影響を受ける。分解能関数は一般にデ
ルタドープ層やステップ関数構造など急峻な構造の測定
により求められ、これらの構造のSIMS分析による歪
みがそのままイオンスパッタリングの影響を示すことに
なる。
【0010】分解能関数のモデルとして一般に良く用い
られているのは、表面側がガウス分布、基板側が指数関
数で表されるモデル関数である。これは、「T.Kit
adaら, アプライド・サーフェス・サイエンス,
第110/101巻89ページ,1996年(APPL
IED SURFACE SCIENCE, VOL.
100/101, P.89, 1996)」で報告さ
れているようにオージェ電子分光法(AES)による深
さ方向不純物分布分析で用いられているモデル関数であ
るが、「川島ら, 第58回応用物理学会学術講演会予
稿集661ページ, 3a−ZL−6「デコンボリュー
ションを用いたSi濃度プロファイルの急峻性評価」,
1997年10月」ではSIMSでも同様のモデル関数
で分解能関数を表せることが報告されている。
【0011】SIMS測定プロファイルI(z)は分解
能関数をg(x)、真のプロファイルをX(z)とすれ
ば次のようなコンボリューション(畳み込み)で表され
る。
【0012】
【数1】 デコンボリューションは、この分解能関数g(x)を考
慮して真のプロファイルX(z)を推定する手法であ
る。数学的な解法によりデコンボリューションを行うの
は困難であるため、実際には推定プロファイルを設定し
て、これと分解能関数をコンボリューション計算した結
果を実際に測定したプロファイルと比較しながら、最適
な真のプロファイルを推定する方法を用いる。
【0013】分解能関数の導出方法は前述のように2通
りあるが、「G.A.Cookeら,ジャーナル・オブ
・バキュウム・サイエンス・アンド・テクノロジー,
第B−14巻 第1号132ページ,1996年(JO
URNAL OF VACUUM SCIENCE A
ND TECHNOLOGY, VOL.B−14,N
O.1,P.132,1996);G.A.Cooke
ら,ジャーナル・オブ・バキュウム・サイエンス・アン
ド・テクノロジー,第B−14巻 第1号283ペー
ジ,1996年(JOURNAL OF VACUUM
SCIENCE AND TECHNOLOGY,V
OL.B−14,NO.1,P.283,1996)」
の報告では、デルタドープ層をSIMS分析して分解能
関数を導出し、Si中のB、GaAs中のSiの濃度プ
ロファイルをデコンボリューションしている。
【0014】図3に、デルタドープ層の模式図を示す。
デルタドープ層8は、理想的には幅wが0、濃度Cが無
限大(∞)の不純物添加層である。実際にはこのような
理想的なデルタドープ層を作製するのは不可能であるの
で、幅wは1原子層分、濃度CはSIMSの二次イオン
強度と実際に添加された不純物量が線形性を保つ範囲で
最大の濃度としてデルタドープ層を作製する。<式1>
で、真のプロファイルがデルタドープ層の場合には、
【0015】
【数2】 のように分解能関数が得られる。この方法では、デコン
ボリューションしたい不純物のデルタドープ層を作製す
ることによって、直接不純物の分解能関数を導出できる
ところに利点がある。
【0016】G.A.Cookeらは、このような方法
で求めた分解能関数を用いて推定プロファイルを設定す
ることなくデコンボリューションできる最大エントロピ
ー法(MAXIMUM ENTROPY METHO
D;MEM法)を用いてデコンボリューションを行って
いる。一般的にMEM法は、ノイズを含んだ観測された
複雑なスペクトルからノイズ成分を取り除いた真のスペ
クトルを推定するのに用いられている。G.A.Coo
keらのSIMSプロファイルのデコンボリューション
では、MEM法の情報エントロピーを最大にしながら真
のスペクトルを推定するという考え方を利用して、ラグ
ランジェの未定定数法により次の関数Vの最大化を行う
ことにより真のプロファイルを推定している。
【0017】
【数3】 ここでS(C)は推定プロファイルC(z)の情報エン
トロピー、χはコンボリューション(分解能関数と推定
プロファイル)計算結果と実測プロファイルのずれであ
る。推定プロファイルとしては、できるだけ人為的な効
果を抑制するために深さ方向に組成あるいは濃度が一定
になるようなプロファイルを用いている。この条件を考
慮しながら、真のプロファイルを推定した結果、3nm
/decadeの急峻性が評価できている。
【0018】また、「川島ら, 第58回応用物理学会
学術講演会予稿集661ページ,3a−ZL−6「デコ
ンボリューションを用いたSi濃度プロファイルの急峻
性評価」,1997年10月」の報告では、MBEによ
りエピ成長したAlGaAs/GaAs界面のステップ
関数構造をレファレンスとしてSi濃度プロファイルの
デコンボリューションをしている。<式1>で真のプロ
ファイルがステップ関数状の場合には、測定プロファイ
ルを微分すれば、
【0019】
【数4】 のように分解能関数が得られる。川島らはステップ関数
状のマトリックスのAl組成プロファイルを微分するこ
とでAlの分解能関数を求め、これを用いて同一試料中
のSi濃度プロファイルをデコンボリューションしてい
る。ここで、AlとSiは質量差が少なく、イオンスパ
ッタリングによる影響はほぼ同等と考えられる上、A
l、Siとも同じ試料中にあるため、これらの分解能関
数は同等と考えられる。この方法にはデコンボリューシ
ョンしたい深さでの分解能関数を導出できるところに利
点がある。分解能関数は深さの関数のため、深さが異な
る位置では形状が異なる恐れがある。この方法により、
2.3nm/decadeの急峻性を評価できている。
この方法では、TEMによりAlGaAs/GaAs界
面が数原子層レベルで急峻であることを明らかにしてい
る。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の不純物
のデルタドープ層をリファレンスとして分解能関数を導
出する方法では、直接デコンボリューションしたい不純
物の分解能関数を求めることが可能であるが、被デコン
ボリューション試料中の不純物とデルタドープ層の深さ
位置を一致させる必要があり、試料作製が困難である。
これは、分解能関数が<式1>にあるように深さの関数
であり、深さ位置が変わるとその形状も変わる可能性が
あることによる。また、デルタドープ層は非常に薄く、
その急峻性評価や作製自体が困難であるという問題があ
る。これらのため、デルタドープ層により精度良く不純
物の分解能関数を導出するのは困難であった。
【0021】前述の「M.G.Dowsettら, ジ
ャーナル・オブ・バキュウム・サイエンス・アンド・テ
クノロジー, 第B−12巻 第1号186ページ,
1994年(JOURNAL OF VACUUM S
CIENCE AND TECHNOLOGY, VO
L.B−12, NO.1, P.186, 199
4)」での報告では、実際にデルタドープ層をTEMで
観察した結果があり〜1.5nmの厚さであることが明
らかになった。これは原子層7層分に相当し、前述の図
3の理想的なデルタドープ層8(原子1層分)からは程
遠い。また、理想的なデルタドープ層を作製できたとし
ても非常に薄いためTEMで観察するのは困難である。
【0022】また、MBEなどの従来法により作製され
たステップ関数構造をリファレンスとして分解能関数を
求める方法では、理想的なステップ関数構造を持つ試料
は前述の例のように、エピ成長した化合物半導体など一
部に限られてしまうため、様々な材料系について実際に
界面の急峻性を確認した上で分解能関数を求めるのは困
難であった。これは、従来の多層膜成長方法には成長中
に高温に保つ必要があり、熱膨張係数の違いによる応力
や拡散により実際には急峻な界面を形成するのは困難な
ことによる。ステップ関数構造はTEMを用いて界面の
急峻性を評価できるという利点があるが、半導体デバイ
スにおいてドーパントとして用いられている不純物や金
属同士の界面については、比較的低い温度で作製できる
MBEなどを用いても急峻な界面形成は困難であった。
このため、不純物や金属の組成あるいは濃度プロファイ
ルをデコンボリューションするためには、前述の方法の
ように理想的な界面を作製可能な化合物半導体などのマ
トリックスの多層構造を利用して分解能関数を求め、不
純物あるいは金属の分解能関数も同等であると仮定して
デコンボリューションするよりなかった。このため、従
来はデコンボリューションの精度に改善の余地があっ
た。
【0023】さらに、不純物プロファイルの急峻性を示
す場合には従来は前述のnm/decadeの他、SI
MS分析の結果不純物プロファイルが誤差関数(ガウス
分布)に従うと仮定して分散2σを用いていたが、前者
については濃度によって急峻性が大きく変化し、後者に
ついては実際にはエラー関数からずれてしまうため定義
と合わなくなるなどの問題があった。図5は後者のエラ
ー関数と深さ分解能2σの定義を示す。点線の真のプロ
ファイル18がイオンスパッタリングにより歪められて
測定プロファイル19が得られ、これがエラー関数20
に従う。このとき、測定プロファイル19のピーク強度
の84.13%から15.87%へ変位するまでの深さ
遷移幅を前述の2σと定義している。これらの定義は、
様々な試料・分析条件についての深さ分解能を比較する
ために用いられてきたが、精度良く定量的に深さ分解能
を比較することは困難であった。
【0024】さらに、分解能関数を導出するために作製
した試料(デルタドープ層、ステップ関数構造)と実際
にデコンボリューションする試料において不純物分布の
深さ位置が完全に一致していないため、デコンボリュー
ションの精度が劣化する問題があった。これは、分解能
関数が<式1>で表したように深さの関数であることに
よる。SIMS分析中にイオンスパッタリングにより試
料に形成されるクレータ(一次イオンによるエッチング
跡)の壁面がだれると、不純物プロファイルの急峻性は
クレータが深くなるほど劣化し、深さ精度も劣化する。
この場合には深さ位置によって分解能関数が変化する。
「G.A.Cookeら,ジャーナル・オブ・バキュウ
ム・サイエンス・アンド・テクノロジー,第B−14巻
第1号283ページ,1996年(JOURNAL
OF VACUUM SCIENCE AND TEC
HNOLOGY,VOL.B−14,NO.1,P.2
83,1996)」にあるように、分析条件の変動を抑
制し、クレータの壁面が急峻で深さ精度の劣化を抑制で
きていれば、分解能関数の深さ方向の変化は抑制できる
が、実際にはこれらの条件が整わず分解能関数が変化す
ることも考えられる。
【0025】ところで、異種材料を貼り合わせる技術と
して、「須賀 唯知ら,ニュークリアー・インスツルメ
ンツ・アンド・メソッド・イン・フィジクス・リサー
チ,第B−121巻203ページ,1997年(NUC
LEAR INSTRUMENTS AND METH
ODS IN PHYSICS RESEARCH,V
OL.B−121,P.203,1997)」に報告さ
れている常温接合(SURFACE ACTIVATE
D BONDING;SAB)が知られている。
【0026】図4はSABの工程概観図を示す。まず、
図4(a)に示すように、不活性なArなどのイオン1
0により試料基板11および12(図示していない)の
表面をスパッタリングして表面の清浄化、活性化を行っ
た後、真空中に導入し、図4(b)に示すように2つの
試料基板11および12の正常な面を向かい合わせて重
ね合わる。図4(c)に模式的に示す圧着機13にて1
00Mpa以下の圧力を20〜30秒印加することによ
り、図4(d)に示す貼り合わせ試料14を作製する。
図4(d)に模式的に示すように2つの試料基板の接合
界面17で、試料基板11の格子像15と、試料基板1
2の格子像16が、原子層レベルで急峻に変化してい
る。
【0027】この報告ではGaAs/Si、InP/S
iをSABにより接合し、界面を透過型電子顕微鏡(T
EM)により観察している。この結果では、原子層レベ
ルで急峻で、しかも各試料中では格子間隔が保たれてい
ることが報告されている。同じ研究者の「須賀 唯知
ら,日本金属学会会報,第29巻,第11号,944ペ
ージ,1990年」の報告では、10-5〜10-6Pa程
度の真空度でもSABは可能であるとしている。極端な
例としては、10-4Paの真空度でSABを達成した例
がある。SABは接合中に試料を高温にする必要がない
ため、熱膨張係数の違いによる応力、拡散などを抑制で
き、急峻な界面を形成することができる。また、熱膨張
係数や格子定数などによる相性を考慮する必要がないた
め、前述の材料系以外にも様々な材料系についてSAB
が行われている。例えば、Al、In、Sn、Pb、C
u、Au、Ag、Ni、Ti、Feなどの金属、ダイヤ
モンド、Siなどの半導体、Al23、ZrO2、Si
C、Si34、AlNなどのセラミックスなどが実際に
接合されている。このようにほとんどの材料系でSAB
が実際に行われており、界面は急峻であり、引っ張り強
度も十分に保たれている。これら以外の材料系にも十分
適用出来ることが推定される。
【0028】従来、このSAB技術はもっぱら材料とし
て用途は検討されているが、分析分野への応用は全く知
られていなかった。
【0029】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたものであり、急峻な組成変化を持つステップ
関数構造を得ることにより、SIMSを用いた場合に半
導体基板中の不純物等の真の組成プロファイルを精度良
く推定する方法を提供することを目的とする。
【0030】さらに本発明は、従来不可能であった金属
等の界面における分解能関数を導出することにより、試
料中の金属等の真の組成プロファイルを精度良く推定す
る方法を提供することを目的とする。
【0031】さらに本発明は、種々の条件における分解
能を定量的に得る方法を提供することを目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】本出願の第1の発明は、
組成の異なる第1の試料と第2の試料とを接合して接合
試料を形成する工程と、接合試料をその一方側より薄膜
化する工程と、接合試料の薄膜化された側から一次イオ
ンを照射し二次イオン質量分析法を用いて、前記試料の
どちらか一方に含まれる目的物質の接合界面における組
成プロファイルを得る工程と、得られた組成プロファイ
ルを微分することによって目的物質の分解能関数を導出
する工程と、前記目的物質を含む分析試料に、一次イオ
ンを照射し二次イオン質量分析法により目的物質の測定
組成プロファイルを得る工程と、前記の導出された分解
能関数を用いて、前記分析試料中の目的物質の測定組成
プロファイルをデコンボリューションして真の組成プロ
ファイルを推定する工程とを有することを特徴とする深
さ方向組成分布分析方法に関する。
【0033】第2の発明は、第1の発明において、前記
目的物質が、試料中に含まれる不純物である深さ方向組
成分布分析方法に関する。
【0034】第3の発明は、第1の発明において、前記
第1の試料は半導体基板であり、前記第2の試料は、第
1の試料を構成する半導体に不純物が添加された半導体
基板であり、前記目的物質がこの不純物であり、前記分
析試料が半導体基板であることを特徴とする。
【0035】第4の発明は、第1の発明において、前記
第2の試料は薄膜状の試料であって、前記第1の試料
と、さらに第1の試料と同種または異種の材料からなる
第3の試料との間に第2の試料を挟んで接合して接合試
料を形成することを特徴とする。
【0036】第5の発明は、組成の異なる第1の試料と
第2の試料とを接合して接合試料を形成する工程と、接
合試料をその一方側より薄膜化する工程と、接合試料の
薄膜化された側から一次イオンを照射し二次イオン質量
分析法を用いて、前記試料のどちらか一方に含まれる目
的物質とどちらか一方に含まれる特定物質の接合界面に
おける組成プロファイルを得る工程と、得られた組成プ
ロファイルを微分することによって目的物質と特定物質
の分解能関数を導出する工程と、前記目的物質と、組成
分布のわかっている特定物質を含む分析試料に、一次イ
オンを照射し二次イオン質量分析法により目的物質と特
定物質の測定組成プロファイルを得る工程と、分析試料
から得た特定物質の分解能関数と、前記接合試料から得
た特定物質の分解能関数とを比較して、形状が異なる場
合にはさらに形状が概ね等しくなるように二次イオン質
量分析条件の調整を繰り返す工程と、目的物質の前記の
導出された分解能関数を用いて、最適な条件で得られた
分析試料中の目的物質の測定組成プロファイルをデコン
ボリューションして目的物質の真の組成プロファイルを
推定する工程とを有することを特徴とする深さ方向組成
分布分析方法である。
【0037】第6の発明は、第5の発明において、前記
目的物質は、試料中に含まれる不純物であって、前記特
定物質は、試料を構成するマトリックス成分である深さ
方向組成分布分析方法である。
【0038】第7の発明は、第5の発明において、前記
第1の試料は半導体基板であり、前記第2の試料は、第
1の試料を構成する半導体に不純物が添加された半導体
基板であり、前記目的物質がこの不純物であり、前記分
析試料は半導体基板であり、前記特定物質は分析試料を
構成する半導体基板のマトリックス成分であるを特徴と
する。
【0039】第8の発明は、第5の発明において、前記
第2の試料は薄膜状の試料であって、前記第1の試料
と、さらに第1の試料と同種または異種の材料からなる
第3の試料との間に第2の試料を挟んで接合して接合試
料を形成することを特徴とする。
【0040】第9の発明は、第1〜8の発明のいずれか
において、前記接合試料の薄膜化を、化学的機械的研磨
で行うことを特徴とする。
【0041】第10の発明は、第1〜8の発明のいずれ
かにおいて、前記第1の試料は、試料中にエッチングス
トッパ層を有し、前記接合試料の薄膜化を、エッチング
で行うことを特徴とする。
【0042】第11の発明は、第10の発明において、
前記第1の試料が、基板中に酸化シリコン層を有するシ
リコン基板であって、接合試料を薄膜化する際にシリコ
ン層、酸化シリコン層を順に選択的にエッチングで除去
し、分析したい接合界面に近くかつ平坦な表面を得るこ
とを特徴とする。
【0043】第12の発明は、第1、2、3、5、6ま
たは7の発明のいずれかにおいて、前記第1の試料およ
び第2の試料の両方が(100)面の微傾斜面を有する
シリコン基板であって、この面を互いに合わせて接合す
ることを特徴とする。
【0044】第13の発明は、組成の異なる第1の試料
と第2の試料とを接合して接合試料を形成する工程と、
接合試料をその一方側より薄膜化する工程と、接合試料
の薄膜化された側から一次イオンを照射し二次イオン質
量分析法を用いる際に、分析条件を変えてそれぞれの条
件に対応する前記試料のどちらか一方に含まれる特定物
質の接合界面における組成プロファイルを得る工程と、
得られた組成プロファイルを微分することによって、前
記各条件下における特定物質の分解能関数を導出するこ
とにより、各条件における二次イオン質量分析の分解能
を取得する工程とを有する深さ方向組成分布分析方法に
関する。
【0045】第14の発明は、第13の発明において、
組成プロファイルが既知の前記特定物質を含む分析試料
に、一次イオンを照射し二次イオン質量分析法により特
定物質の測定組成プロファイルを得る工程と、分析試料
から得た特定物質の測定プロファイルから分解能関数を
求める工程と、分析試料から得た特定物質の分解能関数
と、前記接合試料から得た特定物質の分解能関数とを比
較し、分析試料における二次イオン質量分析の分解能が
適切であるかを判定する工程とをさらに含むことを特徴
とする。
【0046】第15の発明は、第1〜第14の発明のい
ずれかにおいて、前記接合試料の形成工程の後に、接合
後に透過型電子顕微鏡を用いて接合状態を確認し、接合
界面が急峻でない場合に再度接合試料の形成をやり直す
工程をさらに有する。
【0047】
【発明の実施の形態】本発明において、接合する第1の
試料と第2の試料は、互いに組成が異なる。この場合、
試料全体が異なっている必要は必ずしもなく、SIMS
分析を行う接合界面付近が異なっていればよい。また、
第1の試料と第2の試料の母材が同一で一方に不純物が
添加されているような場合も含む。
【0048】また、本発明において、目的物質とは分析
の対象となる物質であり、分析試料中に含まれて組成プ
ロファイルの不明な物質である。また、特定物質とは、
分析試料中の組成プロファイルがわかっている物質であ
り、目的物質の分析の際に参照される物質である。
【0049】本発明は、SIMSの分解能関数導出のた
めに、従来全く用いられていなかったSABを初めて使
用したものである。
【0050】即ち本発明では、分解能関数導出のための
急峻な界面を有する試料の作製方法としてイオン衝撃に
より表面を清浄化、活性化した後に常温接合(SAB)
を用いている。このため、従来の方法(例えば、MB
E)に比べて格段に熱の影響を排除できるため、理想的
なステップ関数構造が得られ、分解能関数を精度良く得
ることができる。接合の温度は、ステップ関数構造が崩
れない程度の温度を採用することができるが、通常は常
温で行う。
【0051】また、この界面は、デルタドープ層を用い
る方法とは異なり、実際にTEMなどで界面の急峻性を
評価するのが容易である。
【0052】本発明では、SABにより1つの試料中で
マトリックス、不純物ともに急峻な分布を界面で形成で
きる。従来のデルタドープ層では不純物の分解能関数し
か導出できなかったし、MBEなどの従来法により形成
したステップ関数構造ではマトリックス構造の分解能関
数しか導出できなかった、というようにどちらの方法で
も不純物かマトリックスかどちらか一方の分解能関数し
か導出できなかった。これに対し本発明では、1度にマ
トリックス、不純物両方の分解能関数を導出できる。
【0053】これに伴い、分析試料のマトリックス等の
特定物質の分解能関数を、接合試料の分解能関数と比較
してモニターしながら、最良の分析試料のSIMS条件
を設定できるので、深さ精度をさらに向上することがで
きる。
【0054】また本発明では、熱膨張係数、格子定数な
どのパラメータを考慮することなく、様々な材料の急峻
な界面を作製できる。
【0055】例えばノンドープのSi基板とBまたはP
など半導体プロセスで一般に用いられている不純物を表
面にドーピングしたSi基板を常温接合することによっ
て、従来は困難であった不純物/Si基板界面より分解
能関数を導出することが可能になる。
【0056】また、従来分解能関数を求めるのが困難で
あった金属材料をはじめ、種々の材料の分解能関数を求
めることができるので、それらの材料を含む分析試料中
の真のプロファイルを精度良く推定することができる。
【0057】さらに、(100)面の微傾斜面をもつシ
リコン基板を接合することにより、SABの際に試料表
面のかみ合わせが極めて良好になり、界面の急峻性が向
上するので、さらに分解能関数の精度を上げることがで
きる。
【0058】さらに、前述のnm/decade、2σ
などの定義は、従来は試料、分析条件などによっては用
いることのできなかったが、本発明では、各条件におけ
る分解能関数をもって分解能を比較する。従って分析条
件、試料などにより深さ分解能がどのように変化してい
るかを定量的に評価できるようになる。
【0059】以下、本発明を詳細に説明する。
【0060】図6は、本発明による分解能関数導出の手
順を示すフローチャートである。まず、デコンボリュー
ションにより解析したい分析試料のマトリックス成分よ
りなる試料と、分析試料中の不純物を含む試料の2つを
用意する。これらを真空中に導入し、イオンビームある
いはプラズマによりそれぞれの試料表面をスパッタす
る。この操作により、各試料の表面は大気中で付着した
残留物等が取り除かれ清浄な表面となる。また、イオン
あるいはプラズマ衝撃により表面の結合が切れるため、
各試料表面は他の物質と反応しやすい状態(活性化状
態)となる。
【0061】次にこれらの試料の活性化表面を合わせ
て、圧着機により圧着する。この時に熱を加えることな
く、2つの試料を室温のまま接合する(室温接合;SA
B)。この接合界面を利用して分解能関数を導出するた
めには、界面が理想的なステップ関数状である必要があ
るので、界面の急峻性をTEMにて評価する。TEMの
格子像を観察し、接合界面が数原子層レベルで急峻なこ
とが確認できなければ、図6のように室温接合の試料作
製工程を繰り返す。
【0062】接合界面が数原子層レベルで急峻なことが
確認できれば、図6のように片方の基板側より薄膜化す
る。これは、試料の残りが厚いとSIMS分析の際に界
面での深さ精度が劣化してしまうので、薄い方が好まし
い。薄膜化は、化学的機械的研磨方法を用いることがで
きるが、試料中にエッチングストッパ層を設けておき、
エッチングによって薄膜化するとさらに界面近くまで薄
膜化できさらに精度の高い測定が行える。
【0063】薄膜化した後、薄膜化した試料の裏面側よ
りSIMS分析する。このとき、マトリックス成分、不
純物両方の深さ方向の組成および濃度分布を分析する。
これにより、マトリックス、不純物両方の分解能関数を
同時に導出できる。SIMS分析により得られた接合界
面における不純物濃度(組成)プロファイルとマトリッ
クスの組成プロファイルをそれぞれ微分すれば分解能関
数が得られる。
【0064】これらの工程と並行して、デコンボリュー
ションにより解析する分析試料のSIMS分析を行い、
不純物濃度(組成)プロファイルとマトリックスの組成
プロファイルを得る。この分析試料中の不純物濃度(組
成)プロファイルを上に求めた不純物の分解能関数を用
いてデコンボリューションし、真の不純物プロファイル
を推定する。これにより、分析中のイオンスパッタリン
グにより不純物が押し込まれるノックオン効果、混合層
の形成(ミキシング)、不純物の分析試料への再付着、
表面荒れなどの影響を取り除いた真の不純物プロファイ
ルを、深さ精度良く得ることができる。
【0065】
【実施例】以下に実施例を示して本発明を具体的に説明
する。
【0066】[実施例1]実施例1として、Si/Si
2界面のP濃度プロファイルをデコンボリューション
により解析するためにSi中のPの分解能関数を導出す
る方法を説明する。図7は実施例1における分解能関数
導出までの一連の工程の概観図である。
【0067】まず、図7(a)に示すように、Si基板
21とInP基板22を用意する。常温接合するため
に、これらの試料を真空中に導入し、Arイオンにより
それぞれの試料表面をスパッタする。ここでArイオン
を用いたのは、不活性ガスのため試料への化学的な影響
を抑制でき、より急峻な表面を作製できるからである。
不活性ガスにはArの他にも、He、Ne、Kr、X
e、Rnなどがあり、これらを利用しても同様の効果が
得られる。この操作により、各試料の表面は大気中で付
着した残留物等が取り除かれ清浄な表面となる。また、
イオン衝撃により表面の結合が切れるため、各試料の表
面は他の物質と反応しやすい状態(活性化状態)とな
る。
【0068】次に、図7(b)のようにこれらの試料の
活性表面同士を合わせて、圧着機により圧着を行う。圧
着後に真空中より取り出し、接合界面の急峻性を評価す
るために、貼り合わせた試料24から切り出した試料2
3をTEM観察する。このTEM観察により、接合界面
の急峻性を確認する。本実施例では、数原子層レベルで
急峻であることを確認できている。
【0069】界面が数原子層レベルで急峻であることを
確認できたので、接合した貼り合わせ試料24をSIM
S分析する。貼り合わせ試料をそのままSIMS分析す
ると、界面まで数百μmもの深さがあるため深さ精度が
著しく劣化することになる。このため、SIMS分析す
る前に片方の基板を薄膜化する。薄膜化には、図7
(c)に模式的に示したように、機械研磨と化学エッチ
ングを合わせて平坦な研磨面を得られる化学的機械的研
磨機26(Chemical Mechanical
Etching;CMP)を用いる。SIMS分析中の
イオンスパッタリングの影響をできるだけ抑制するため
には、Pが含まれていないSi基板側よりSIMS分析
する必要がある。このため、Si基板を薄膜化する。次
に、図7(d)に示すように、薄膜化したSi基板21
側から一次イオン25としてCs+を照射してSIMS
分析を行う。
【0070】図8は、Si基板21の裏側から接合界面
27の近傍までSIMS分析した結果を示す図である。
分析した二次イオンはSiについては30Si-、Pにつ
いてはP-である。ここで、前述したように界面におけ
るPの組成は理想的なステップ関数状に変化しているこ
とをTEMで確認してあるため、Pの組成プロファイル
を微分することによってSi中のPの分解能関数を導出
できる。
【0071】図9中の丸印29は、図8のPの組成プロ
ファイルをSi/InP界面において微分した結果であ
る。微分により分析時のノイズが増幅されるので、ノイ
ズを抑制するために、この微分結果に対して、分解能関
数として表面側がガウス分布、基板側が指数関数で表さ
れるモデル関数をフィッティングさせると、図9に実線
で示すモデル関数28が得られる。デコンボリューショ
ンにはこのモデル関数28を用いる。
【0072】次に、デコンボリューションにより解析す
る分析試料として、図10のように、Si基板32上に
SiO2層30、Pを添加したSiエピタキシャル層3
1を順に成長した試料を用意した。成長中のPのSiO
2層への熱拡散の分析が目的である。
【0073】図11はこの分析試料をSIMS分析した
結果を示す。この分析結果を常温接合試料より導出した
分解能関数によってデコンボリューションする。Pの推
定プロファイルとしては、ドライブイン拡散のモデルと
して一般に用いられているガウス分布を用い、分散σを
パラメーターとした。デコンボリューションは、分解能
関数とPの推定プロファイルをコンボリューション計算
した結果が図11の測定プロファイルにフィッティング
するようにパラメーターσを変化させながら最小二乗フ
ィッティングする手法を用いた。
【0074】図12に、実際にデコンボリューションし
た結果を示す。点線で示すのは推定プロファイル33で
ある。丸印35は、この推定プロファイルと分解能関数
のコンボリューション計算結果で、実線で示す測定プロ
ファイル34と良く一致しているのが分かる。従って、
本実施例で得た分解能関数を用いてデコンボリューショ
ンすることにより、SIMS分析時のイオンスパッタリ
ングの影響を正確に除去できるので、分析試料のP濃度
プロファイルを、深さ精度良く分析することができる。
【0075】ところで、分解能関数は、前述の<式1>
のように深さzの関数であるため、深さ位置が異なると
形状が異なる場合がある。一方で、前述したように分析
条件の調整によりこのずれを回避できるという報告もあ
る。しかし、分析試料中の不純物の分解能関数を求める
ことはできないため、不純物濃度から分解能関数のずれ
を評価することはできない。
【0076】そこで、マトリックスであるSiから分解
能関数の深さ方向のずれを評価することを試みた。本実
施例では図8の分解能関数導出用の試料から求めたSi
の分解能関数と、図10の分析試料のSi/SiO2
面より求めたSiの分解能関数を比較する。
【0077】図13に、図8の分解能関数導出用の試料
のSiの組成プロファイルを微分して求めた分解能関数
36(図13(a))と、図10の分析試料のSiの組
成プロファイルを微分して求めた分解能関数37(図1
3(b))を示す。図13では2つの分解能関数のピー
ク強度が一致するようにスケーリングしている。この図
からわかるように、2つの分解能関数はほぼ一致してい
ることから、分解能関数導出用の試料と分析試料の界面
の深さ位置が異なることによって生じる分解能関数のず
れは、分析条件の調整によって十分抑制できている。
【0078】もし、分解能関数の形が異なっている場合
は、一次イオンエッチングによって形成されるクレータ
ーの壁面が垂直になるようにビーム条件等を調整する。
【0079】このように、マトリックス成分の分解能関
数のずれをモニターすれば、試料間での深さ位置の違い
による分解能関数のずれ、深さ分解能の劣化などが最小
になるように調整することができるので、不純物濃度の
真のプロファイルをより精度良く求めることができる。
【0080】[実施例2]この実施例では、一次イオン
の加速エネルギー、電流、入射角度、スキャン領域、一
次イオン種、二次イオンの取り込み領域などの分析条件
を変えて求めた分解能関数を比較することによって、分
析条件による深さ分解能の違いを定量的に比較する方法
を説明する。
【0081】この実施例では、分解能関数の導出用にS
i基板とGaAs基板を貼り合わせた試料を用いた。
【0082】図14に、SIMS分析時の様々な設定条
件をまとめて示す。図14のようにSIMSでは一次イ
オン42(入射角度θ(38))をスキャンして試料4
1のある一定のスキャン領域39をイオンスパッタしな
がら分析する。このとき、図14のように二次イオンの
取り込み領域40をスキャン領域39よりも小さめに設
定し、スキャン領域端からの残留物等の混入を抑制す
る。
【0083】図15に、一次イオンの加速エネルギーを
変化させて求めた分解能関数を示す。図15では一次イ
オン(Cs+)の加速エネルギーを2keV(図中の曲
線45)、5keV(図中の曲線44)、10keV
(図中の曲線43)と変化させた結果を示しているが、
このように加速エネルギーによって大きな違いが見られ
る。
【0084】従来の手法では、異種界面における組成プ
ロファイルの急峻性によって深さ分解能を比較してい
た。従来用いられていたのは前述したようにnm/de
cade、2σである。しかし、今回の試料では、nm
/decadeは二次イオン強度によって変化し、ま
た、組成プロファイルがエラー関数であるか明らかでは
ないので2σでも正確には深さ分解能を表せない。
【0085】これに対して、図15に示すような分解能
関数をもって比較すれば、条件の違いによる分解能の違
いを定量的に容易に比較することができる。
【0086】また、例えば加速エネルギー以外の条件を
最適に調整し、加速エネルギーだけを変えることによ
り、図15に示すように各加速エネルギーに対応する分
解能関数を予め得ておくことにより、ある分析試料のマ
トリックスの組成プロファイルが得られたときに、それ
から求められる分解能関数と比較することにより、加速
エネルギー以外の分析条件が最適に調整されているかど
うか判定することが可能になる。
【0087】従って、実施例1で説明したように、分解
能関数導出用試料と分析試料との間で、マトリックスの
成分の分解能関数のずれをモニターし、最適になるよう
にSIMS条件を調整すれば、不純物濃度の真のプロフ
ァイルをより精度良く求めることが容易にできるように
なる。
【0088】[実施例3]この実施例では、Si基板と
表面にBを添加したSiエピタキシャル層を成長させた
Si基板を常温接合することによって分解能関数を導出
し、別のSi基板中のB濃度プロファイルをデコンボリ
ューションして真のプロファイルを求める。また、本実
施例ではSi基板としてSi(100)面の4°オフ基
板を用いて、接合のかみ合わせを良くすることでより急
峻な界面を作製する。さらに、薄膜化の工程を簡便化す
るために一方のSi基板については、酸素をイオン注入
した後加熱することによって表面より1μm程度の深さ
にSiO2層を形成してあり、選択エッチングを用いて
容易に薄膜化できるようにしてある。
【0089】図16は本実施例の一連の工程の概観図を
示す。図16(a)のように、2つのSi基板46、4
7を用意する。Si基板47の表面には、図17に示す
ようにBを添加したSiのエピタキシャル層54が成長
させており、Si基板46には酸素をイオン注入した後
加熱することによって表面より1μm程度の深さにSi
2層53を形成してある。また、Si基板46、47
は両方ともSi(100)面の4°オフ基板であり、図
18((a)斜視図、(b)断面図)に模式的に示すよ
うに、表面に1原子層ずつのステップが存在する。この
ため、Si(100)面の4°オフ基板を常温接合によ
り貼り合わせた場合には、通常の基板を用いた場合に比
べて凹凸の影響を抑制でき界面の急峻性は著しく向上す
る。
【0090】次に、図16(b)のように、2つのSi
基板46、47を常温接合して接合試料48を形成した
後、界面の急峻性をTEMにて確認するため一部切り出
し試料49を切り出す。
【0091】さらに図16(c)に示すように、この接
合試料48を選択エッチングにより薄膜化する。エッチ
ング液50にはピペラジン(C4102;ヘキサヒドロ
ピラジン)を用いた。このエッチング液50はSiO2
に対するSiのエッチング速度比が大きく、図17のS
iO2層53をエッチングのストッパーとして用いるこ
とができる。
【0092】図16(d)に示すように、このように選
択エッチングにより薄膜化した試料48に一次イオン5
1を照射しSIMS分析する。得られたBの濃度プロフ
ァイルを微分することによって分解能関数を導出する。
【0093】図19に、本実施例により導出した分解能
関数を示す。図19のSi中のBについての分解能関数
57を用いれば、他のSi基板中のBプロファイルをデ
コンボリューションすることができる。そこで、本実施
例では、デコンボリューションの手法として前述のME
M法を用いて、Si中にイオン注入したB濃度の測定プ
ロファイルをデコンボリューションしてみる。
【0094】図20はSi中にイオン注入したB濃度の
SIMS測定プロファイルを示す。注入条件は、注入エ
ネルギー50keV、注入ドース量1×1015atom
s/cm2である。図21中の丸印59は、B濃度の測
定プロファイルをMEM法によりデコンボリューション
した結果である。実線のSIMS測定プロファイル58
よりもB濃度プロファイルが急峻になっており、深さ精
度が改善されている。
【0095】図22はSi(100)の平坦(1°以内
の平坦性を持つ)な基板を用いて本実施例と同様に求め
たSi基板中のBの分解能関数60(図22(b))
と、本実施例により求めた分解能関数57(図22
(a))を比較した図である。4°オフ基板より求めた
分解能関数57の方が平坦基板より求めた分解能関数6
0よりも急峻であり、深さ精度が改善されていることを
示している。
【0096】[実施例4]実施例4として、2つのIn
P基板の間にAu薄膜を挟んだ後片方の基板を裏面側よ
り選択エッチングにより薄膜化し、これをSIMS分析
することによって得たInP中のAuの組成プロファイ
ルを接合界面にて微分してInP中のAuの分解能関数
を導出する方法を説明する。
【0097】図23は本実施例の一連の工程の概観図を
示す。まず、図23(a)に示すように、2つのInP
基板61、62の間にAu薄膜63(数10μm)を挟
み常温接合し、接合試料64を形成する。InP基板6
1には、図24に示すように、選択エッチングのストッ
パーとして200nmのInGaAsP層68を、貼り
合わせ界面から500nmの部分に設ける。
【0098】図23(b)に示すように、接合試料64
の一部を切り出して、TEMによる界面の急峻性評価の
ための切り出し試料65とする。
【0099】その後、図23(c)に示すように、In
GaAsP層68を含むInP基板61側より選択エッ
チングにより薄膜化する。エッチング液66には、塩酸
(HCl)と燐酸(H3PO4)の混合液を用いる。エッ
チングはInGaAsPストッパーにて終了し、平坦な
InGaAsP面が得られる。図23(d)に示すよう
に、この表面より一次イオン67を照射しSIMS分析
すると、常温接合界面におけるAuの組成プロファイル
が得られる。
【0100】図25は接合界面にて微分したInP中の
Auの組成プロファイルであり、InP中のAuの分解
能関数69を示す。以上のように、2つのInP基板の
間にAu薄膜を挟むことによって、InP中のAuの分
解能関数を導出することが可能である。
【0101】
【発明の効果】本発明によれば、分解能関数導出のため
の急峻な界面を有する試料の作製方法としてイオン衝撃
により表面を清浄化、活性化した後に常温接合(SA
B)を用いている。このため、従来の方法(例えば、M
BE)に比べて格段に熱の影響を排除できるため、理想
的なステップ関数構造が得られ、分解能関数を精度良く
得ることができる。
【0102】また、この界面は、デルタドープ層を用い
る方法とは異なり、実際にTEMなどで界面の急峻性を
評価するのが容易である。
【0103】本発明では、SABにより1つの試料中で
マトリックス、不純物ともに急峻な分布を界面で形成で
きる。従来のデルタドープ層では不純物の分解能関数し
か導出できなかったし、MBEなどの従来法により形成
したステップ関数構造ではマトリックス構造の分解能関
数しか導出できなかった、というようにどちらの方法で
も不純物かマトリックスかどちらか一方の分解能関数し
か導出できなかった。本発明では、1度にマトリック
ス、不純物両方の分解能関数を導出できるようになっ
た。
【0104】これに伴い、分析試料のマトリックス等の
特定物質の分解能関数を、接合試料の分解能関数と比較
してモニターしながら、最良の分析試料のSIMS条件
を設定できるので、深さ精度をさらに向上することがで
きる。
【0105】また、熱膨張係数、格子定数などのパラメ
ータを考慮することなく、様々な材料の急峻な界面を作
製できる。
【0106】例えばノンドープのSi基板とB,Pなど
半導体プロセスで一般に用いられている不純物を表面に
ドーピングしたSi基板を常温接合することによって、
従来は困難であった不純物/Si基板界面より分解能関
数を導出することが可能になる。
【0107】また、従来分解能関数を求めるのが困難で
あった金属材料をはじめ、種々の材料の分解能関数を求
めることができるので、それらの材料を含む分析試料中
の真のプロファイルを精度良く推定することができる。
【0108】さらに、(100)面の微傾斜面をもつシ
リコン基板を接合することにより、SABの際に試料表
面のかみ合わせが極めて良好になり、界面の急峻性が向
上するので、さらに分解能関数の精度を上げることがで
きる。
【0109】さらに、前述のnm/decade、2σ
などの定義は、従来は試料、分析条件などによっては用
いることのできなかったが、本発明では、各条件におけ
る分解能関数をもって分解能を比較する。従って分析条
件、試料などにより深さ分解能がどのように変化してい
るかを定量的に評価できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】SIMS分析中のイオンスパッタリングによっ
て不純物プロファイルが影響される様子を示す図であ
る。 (a)ノックオン効果を示す図 (b)分析試料の表面あれを模式的に示した図 (c)SIMS分析中のイオンスパッタリングによって
不純物プロファイルがだれる様子を示す図
【図2】一般的に用いられているSIMS分析の深さ精
度向上法の例を示す図である。
【図3】デルタドープ層の模式図である。
【図4】常温接合の工程概観図である。
【図5】エラー関数と深さ分解能2σの定義を示す図で
ある。
【図6】分解能関数導出の手順を示すフローチャートを
示す図である。
【図7】実施例1の分解能関数導出までの一連の工程概
観図である。
【図8】薄膜化した試料をSi基板側よりSIMS分析
した結果を示す図である。
【図9】Asの組成プロファイルをSi/GaAs界面
において微分した結果(図中の丸印)と、それにフィッ
トさせたモデル関数(図中の実線)を示す図である。
【図10】分析試料の層構造を示す図である。
【図11】図10の分析試料をSIMS分析した結果の
P濃度測定プロファイルを示す図である。
【図12】デコンボリューションした結果を示す図であ
る。
【図13】(a)分解能導出用試料のSiの組成プロフ
ァイルを微分して求めた分解能関数を示す図である。 (b)分析試料のSiの組成プロファイルを微分して求
めた分解能関数を示す図である。
【図14】SIMS分析時の様々な設定条件をまとめて
示した図である。
【図15】一次イオンの加速エネルギーを変化させたと
きの分解能関数を示す図である。
【図16】実施例3の一連の工程の概観図である。
【図17】実施例3で用いた2つのSi基板を示す図で
ある。
【図18】Si(100)面の4°オフ基板を模式的に
示す図である。
【図19】実施例3で導出したSi中のBの分解能関数
を示す図である。
【図20】Si中にイオン注入したB濃度プロファイル
を示す図である。
【図21】B濃度プロファイルをMEM法によりデコン
ボリューションした結果を示す図である。
【図22】Si(100)平坦基板とSi(100)4
°オフ基板の分解能関数の比較を示す図である。 (a) Si(100)4°オフ基板 (b) Si(100)平坦基板
【図23】実施例4の一連の工程の概観図である。
【図24】選択エッチングのストッパーInGaAsP
層を含むInP基板を示す図である。
【図25】InP中のAuの分解能関数を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 試料に入射する一次イオン 3 分析試料 6 一次イオンの入射角度 7 分析試料 8 デルタドープ層 10 試料に入射する不活性イオン 11 試料基板 12 試料基板 13 圧着機 14 貼り合わせ試料 15 試料基板11の格子像 16 試料基板12の格子像 17 接合界面 18 真のプロファイル 19 SIMS測定プロファイル 20 エラー関数 21 Si基板 22 InP基板 23 TEM分析用切り出し試料 24 常温接合により貼り合わせた試料 25 試料に入射する一次イオン 26 CMP研磨機 27 接合界面 28 モデル関数 29 界面におけるSIMSプロファイルを微分した結
果 30 SiO2層 31 Pを添加したSiエピタキシャル層 32 Si基板 33 Pの推定プロファイル 34 PのSIMS測定プロファイル 35 コンボリューション計算結果 36 図8の分解能関数導出用の試料より求めたSiの
分解能関数 37 分析試料のSi/SiO2界面より求めたSiの
分解能関数 38 一次イオンの入射角度 39 一次イオンのスキャン領域 40 二次イオンの取り込み領域 41 試料 42 試料に入射する一次イオン 43 一次イオンのエネルギー10keVの場合の分解
能関数 44 一次イオンのエネルギー5keVの場合の分解能
関数 45 一次イオンのエネルギー2keVの場合の分解能
関数 46 Si基板 47 表面にB添加エピタキシャル層を有するSi基板 48 接合試料 49 TEM分析用切り出し試料 50 エッチング液 51 試料に入射する一次イオン 53 SiO2層 54 B添加エピタキシャルSi層 57 Si(100)4°オフ基板を用いて求めたSi
基板中のBの分解能関数 58 BのSIMS測定プロファイル 59 デコンボリューション結果を示す丸印 60 Si(100)平坦基板より求めた分解能関数 61 InP基板 62 InP基板 63 Au薄膜 64 接合試料 65 TEM観察用切り出し試料 66 エッチング液 67 試料に入射する一次イオン 68 InGaAsP層 69 InP中のAuの分解能関数

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成の異なる第1の試料と第2の試料と
    を接合して接合試料を形成する工程と、 接合試料をその一方側より薄膜化する工程と、 接合試料の薄膜化された側から一次イオンを照射し二次
    イオン質量分析法を用いて、前記試料のどちらか一方に
    含まれる目的物質の接合界面における組成プロファイル
    を得る工程と、 得られた組成プロファイルを微分することによって目的
    物質の分解能関数を導出する工程と、 前記目的物質を含む分析試料に、一次イオンを照射し二
    次イオン質量分析法により目的物質の測定組成プロファ
    イルを得る工程と、 前記の導出された分解能関数を用いて、前記分析試料中
    の目的物質の測定組成プロファイルをデコンボリューシ
    ョンして真の組成プロファイルを推定する工程とを有す
    ることを特徴とする深さ方向組成分布分析方法。
  2. 【請求項2】 前記目的物質が、試料中に含まれる不純
    物である請求項1記載の深さ方向組成分布分析方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の試料は半導体基板であり、前
    記第2の試料は、第1の試料を構成する半導体に不純物
    が添加された半導体基板であり、前記目的物質がこの不
    純物であり、前記分析試料が半導体基板であることを特
    徴とする請求項1記載の深さ方向組成分布分析方法。
  4. 【請求項4】 前記第2の試料は薄膜状の試料であっ
    て、前記第1の試料と、さらに第1の試料と同種または
    異種の材料からなる第3の試料との間に第2の試料を挟
    んで接合して接合試料を形成することを特徴とする請求
    項1記載の深さ方向組成分布分析方法。
  5. 【請求項5】 組成の異なる第1の試料と第2の試料と
    を接合して接合試料を形成する工程と、 接合試料をその一方側より薄膜化する工程と、 接合試料の薄膜化された側から一次イオンを照射し二次
    イオン質量分析法を用いて、前記試料のどちらか一方に
    含まれる目的物質とどちらか一方に含まれる特定物質の
    接合界面における組成プロファイルを得る工程と、 得られた組成プロファイルを微分することによって目的
    物質と特定物質の分解能関数を導出する工程と、 前記目的物質と、組成分布のわかっている特定物質を含
    む分析試料に、一次イオンを照射し二次イオン質量分析
    法により目的物質と特定物質の測定組成プロファイルを
    得る工程と、 分析試料から得た特定物質の分解能関数と、前記接合試
    料から得た特定物質の分解能関数とを比較して、形状が
    異なる場合にはさらに形状が概ね等しくなるように二次
    イオン質量分析条件の調整を繰り返す工程と、目的物質の前記の導出された分解能関数を用いて、 最適
    な条件で得られた分析試料中の目的物質の測定組成プロ
    ファイルをデコンボリューションして目的物質の真の組
    成プロファイルを推定する工程とを有することを特徴と
    する深さ方向組成分布分析方法。
  6. 【請求項6】 前記目的物質は、試料中に含まれる不純
    物であって、前記特定物質は、試料を構成するマトリッ
    クス成分である請求項5記載の深さ方向組成分布分析方
    法。
  7. 【請求項7】 前記第1の試料は半導体基板であり、前
    記第2の試料は、第1の試料を構成する半導体に不純物
    が添加された半導体基板であり、前記目的物質がこの不
    純物であり、前記分析試料は半導体基板であり、前記特
    定物質は分析試料を構成する半導体基板のマトリックス
    成分であるを特徴とする請求項5記載の深さ方向組成分
    布分析方法。
  8. 【請求項8】 前記第2の試料は薄膜状の試料であっ
    て、前記第1の試料と、さらに第1の試料と同種または
    異種の材料からなる第3の試料との間に第2の試料を挟
    んで接合して接合試料を形成することを特徴とする請求
    項5記載の深さ方向組成分布分析方法。
  9. 【請求項9】 前記接合試料の薄膜化を、化学的機械的
    研磨で行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに
    記載の深さ方向組成分布分析方法。
  10. 【請求項10】 前記第1の試料は、試料中にエッチン
    グストッパ層を有し、前記接合試料の薄膜化を、エッチ
    ングで行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに
    記載の深さ方向組成分布分析方法。
  11. 【請求項11】 前記第1の試料が、基板中に酸化シリ
    コン層を有するシリコン基板であって、接合試料を薄膜
    化する際にシリコン層、酸化シリコン層を順に選択的に
    エッチングで除去し、分析したい接合界面に近くかつ平
    坦な表面を得ることを特徴とする請求項10記載の深さ
    方向組成分布分析方法。
  12. 【請求項12】 前記第1の試料および第2の試料の両
    方が(100)面の微傾斜面を有するシリコン基板であ
    って、この面を互いに合わせて接合することを特徴とす
    る請求項1、2、3、5、6または7のいずれかに記載
    の深さ方向組成分布分析方法。
  13. 【請求項13】 組成の異なる第1の試料と第2の試料
    とを接合して接合試料を形成する工程と、 接合試料をその一方側より薄膜化する工程と、 接合試料の薄膜化された側から一次イオンを照射し二次
    イオン質量分析法を用いる際に、分析条件を変えてそれ
    ぞれの条件に対応する前記試料のどちらか一方に含まれ
    る特定物質の接合界面における組成プロファイルを得る
    工程と、 得られた組成プロファイルを微分することによって、前
    記各条件下における特定物質の分解能関数を導出するこ
    とにより、各条件における二次イオン質量分析の分解能
    を取得する工程とを有する深さ方向組成分布分析方法。
  14. 【請求項14】 組成プロファイルが既知の前記特定物
    質を含む分析試料に、一次イオンを照射し二次イオン質
    量分析法により特定物質の測定組成プロファイルを得る
    工程と、 分析試料から得た特定物質の測定プロファイルから分解
    能関数を求める工程と、 分析試料から得た特定物質の分解能関数と、前記接合試
    料から得た特定物質の分解能関数とを比較し、分析試料
    における二次イオン質量分析の分解能が適切であるかを
    判定する工程とをさらに含むことを特徴とする請求項1
    3記載の深さ方向組成分布分析方法。
  15. 【請求項15】 前記接合試料の形成工程の後に、接合
    後に透過型電子顕微鏡を用いて接合状態を確認し、接合
    界面が急峻でない場合に再度接合試料の形成をやり直す
    工程をさらに有する請求項1〜14のいずれかに記載の
    深さ方向組成分布分析方法。
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