JP3122530B2 - ガスオーブン - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ガスバーナで発生した
熱を調理室に導き加熱調理するガスオーブンに関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来、ガスオーブンは、バーナで発生し
た熱を調理室に直接導き加熱調理するものが提案されて
いた。また、ガスオーブンの調理室内に加湿蒸気を供給
するために蒸気発生装置を備えたものも存在した。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
のガスオーブンにおいて、単に加熱するだけでは調理の
できる種類が限定されてしまうと言う欠点が存在した。
また、蒸気で加湿することのできるものにあっては、別
体の蒸気発生装置が必要となりガスオーブンとしての装
置が大型化すると言う欠点が存在した。

【０００４】本発明の目的は、上述した従来の欠点に鑑
みなされたもので、ガスオーブンにおいて別体の蒸気発
生装置を使用することなく蒸気の発生をファンを介して
直接行う事の出来るガスオーブンを提供することにあ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明に係るガスオーブ
ンは、調理室の下に配置された燃焼室内に備えられたガ
スバーナと、該ガスバーナで発生した熱を調理室を貫通
して煙突へ導く複数の煙管と、該煙管の一部で周囲を囲
まれ調理室内に備えられたファンと、該ファンの中央部
まで導水管を介して延設された散水ノズルと、散水ノズ
ルから供給する水を排熱で加熱する熱交換器とを備え、
調理室内に熱と蒸気の双方を選択的に供給できるガスオ
ーブンにおいて、前記煙管は、中央部が調理室内の左右
方向に湾曲して形成されると共に、前記散水ノズルは、
Ｖ字状の溝を有し奥行き方向に傾斜した樋と手前方向に
傾斜した樋とを対向配置にしてなるフィンを備えてなる
ガスオーブンに存する。

【０００６】

【作用】本発明に係るガスオーブンは、前記煙管の中央
部が調理室内の左右方向に湾曲して形成されたことによ
って、蒸気の発生が効率よく行えると共に、前記散水ノ
ズルが、Ｖ字状の溝を有し奥行き方向に傾斜した樋と手
前方向に傾斜した樋とを対向配置にしてなるフィンを備
えてなることによって、前記導水管から出る水は、フィ
ンの幅に沿って帯状に落下し得ることとなる。

【０００７】

【実施例】以下、添付図面に従って本発明の一実施例を
説明する。図において、１０はガスオーブンにおける調
理室であり、該調理室１０の下部に燃焼室１１が設けら
れ、該燃焼室１１内にガスバーナ１２が配設されてい
る。

【０００８】前記燃焼室１１の背面側から前記調理室１
０の背面側を貫通して複数の煙管群１３が配設され、該
煙管群１３は調理室１０内において中央部が左右に湾曲
して形成され、上端部が煙突１３ａに接続されている。

【０００９】前記煙管群１３の湾曲部に取り囲まれるよ
うにしてファン１４が調理室１０の背面壁に取り付けら
れ、該ファン１４の回転中心には円筒状の水受け部１５
が設けられ、該水受け部１５の直上に散水ノズル１６が
配設されている。尚、ファン１４の駆動により調理室１
０内の空気が中央部から吸い込まれ、上下左右から吹き
出して対流する。

【００１０】このように構成された煙管群１３及びファ
ン１４の前面側に、図２に示したように、所定の間隔を
もってカバー１７が配設され、該カバー１７は図３に示
したように、その中央部にファン１４を保護するための
全網１７ａが配設されると共に、ファン１４の駆動によ
る異物の吸い込みを防止するためのメッシュ板１８が着
脱自在に取り付けられている。

【００１１】調理室１０の両側には、複数のガイドレー
ル２６を有した枠２７が取り外し自在に配設され、この
ガイドレール２６には、例えば、調理用の棚がスライド
自在に載置される。更に、調理室１０の底部にはドレー
ン抜き孔１９が形成されており、該ドレーン抜き孔１９
には熱交換器２０が接続されている。

【００１２】この熱交換器２０は、図４に示すように、
ドレーン抜き孔１９から延設された導管２１の周囲に螺
旋状に水パイプ２２が配設された構成を有している。そ
して、導管２１の下流側から導かれた常温水は、上流側
の向かうに従って調理室１０からの排熱で加熱され、そ
の加熱された温水は、ノズル１６に導かれ水受け部１５
で気化される。

【００１３】散水ノズル１６は、図５，６に示すよう
に、導水管２４の出口に水を帯状に落下させる為のフィ
ン２５が固着されている。このフィン２５は、Ｖ字状の
溝２５ａを有し奥行き方向に傾斜した樋２５ｂと手前方
向に傾斜した樋２５ｃとが対向配置されて構成されてい
る。したがって、導水管２４から出た水は、フィン２５
の幅に沿って帯状に落下する。

【００１４】ガスオーブンの正面左側には、操作パネル
２３が配設されており、図外の制御機構によりガスバー
ナ１２の燃焼時間、ガス供給量、散水ノズル１６への供
給水の制御等を行うことにより、適宜調理項目の選択が
できる。

【００１５】次に、以上のように構成されたガスオーブ
ンの使用方法について説明する。先ずガスオーブンを蒸
気なしで使用する場合、散水ノズル１６への水の供給を
停止しガスバーナ１２のみを点火し、ファン１４を駆動
し煙管１３の熱を奪って循環させ調理室１０内を加熱す
る。

【００１６】蒸気を併用して調理する場合は、散水ノズ
ル１６へ水を供給し、加熱された水受け部１５で蒸気を
発生させ、煙管群１３から奪った熱と共にファン１４に
より調理室１０内に導入される。このようにした場合、
スチーマー及びオーブンとして使用することができる。
スチーマーとして使用する場合、供給する水が熱交換器
２０で加熱されるので、蒸気の発生を効率的に行う事が
出来る。また、排気ガスは逆に冷却されるので調理する
者にとって安全である。

【００１７】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
るガスオーブンは、調理室の下に配置された燃焼室内に
備えられたガスバーナと、該ガスバーナで発生した熱を
調理室を貫通して煙突へ導く複数の煙管と、該煙管の一
部で周囲を囲まれ調理室内に備えられたファンと、該フ
ァンの中央部まで導水管を介して延設された散水ノズル
と、散水ノズルから供給する水を排熱で加熱する熱交換
器とを備え、調理室内に熱と蒸気の双方を選択的に供給
できるガスオーブンにおいて、前記煙管は、中央部が調
理室内の左右方向に湾曲して形成されると共に、前記散
水ノズルが、Ｖ字状の溝を有し奥行き方向に傾斜した樋
と手前方向に傾斜した樋とを対向配置にしてなるフィン
を備えてなることによって、前記導水管から出る水は、
フィンの幅に沿って帯状に落下でき、また、導管の下流
側から導かれた常温水が、調理室からの排熱で加熱され
る熱交換器で温水に加熱されて前記散水ノズルに導かれ
ることも相俟って、蒸気の発生を効率的に行うことがで
き、気化効率を向上させることができるといった効果を
奏するものである。

【００１８】

【００１９】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例であるガスオーブンの扉部と
カバーとを取り外し且つ、一部を切欠いて示した正面図
である。

【図２】同ガスオーブンの調理室において一方の側の枠
を取り外して示した正面図である。

【図３】同ガスオーブンに使用するファンのカバーを示
す一部切欠き正面図である。

【図４】同ガスオーブンの一部を切欠いて示した一部拡
大説明図である。

【図５】同ガスオーブンの蒸気発生部を略示的に示す説
明図である。

【図６】同ガスオーブンの蒸気発生部を略示的に示した
要部の側面図である。

【符号の説明】

１０ 調理室 １１ 燃焼室 １２ ガスバーナ １３ 煙管群 １４ ファン １５ 水受け部 １６ 散水ノズル １７ カバー １７ａ 金網 １８ メッシュ板 １９ ドレーン抜き孔 ２０ 熱交換器 ２１ 導管 ２２ 水パイプ ２３ 操作パネル ２４ 導水管 ２５ フィン ２６ ガイドレール ２７ 枠

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】調理室の下に配置された燃焼室内に備えら
   れたガスバーナと、該ガスバーナで発生した熱を調理室
   を貫通して煙突へ導く複数の煙管と、該煙管の一部で周
   囲を囲まれ調理室内に備えられたファンと、該ファンの
   中央部まで導水管を介して延設された散水ノズルと、散
   水ノズルから供給する水を排熱で加熱する熱交換器とを
   備え、調理室内に熱と蒸気の双方を選択的に供給できる
   ガスオーブンにおいて、前記煙管は、中央部が調理室内
   の左右方向に湾曲して形成されると共に、前記散水ノズ
   ルは、Ｖ字状の溝を有し奥行き方向に傾斜した樋と手前
   方向に傾斜した樋とを対向配置にしてなるフィンを備え
   てなることを特徴とするガスオーブン。