JP3122317U - 放電型サージ吸収素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】同軸ケーブルを用いる高周波信号向けの回路において素子のインピーダンスの整合がとれ、挿入損失が少ない好適な放電型サージ吸収素子を提供することを目的とする。
【解決手段】円筒状電極2の両端開口部を絶縁板3にて被蓋して中空筒体4を形成する。この中空筒体4内に不活性ガスを封入するとともに、上記絶縁板3の中心部に線状電極5を挿通し、上記中空筒体4内における線状電極5と円筒状電極2間に放電ギャップ6を形成する。
【選択図】図2

Description

本考案は、通信ケーブル等に発生する高電圧のサージを吸収する放電型サージ吸収素子に係り、特に同軸ケーブルを用いる高周波信号向けの回路において素子のインピーダンスの整合がとれ、挿入損失が少ない好適な放電型サージ吸収素子に関するものである。
従来、信号ラインや電源ラインに侵入する高電圧の誘導雷や静電気等から機器を守るために、放電間隙を気密容器に収容した放電型サージ吸収素子が用いられている。この放電型サージ吸収素子としては、相対向する2枚の電極をガラス管内に封入し内部に放電ガスを封入している。
特開昭55−148381号公報
しかしながら、上述した従来の放電型サージ吸収素子にあっては、その構造からして、これを挿入する個所でインピーダンスの整合をとることが困難であった。特に、同軸ケーブルを用いる高周波信号向けの回路にあっては、同軸ケーブルにおける芯線とシールドとの間にこの従来の平行な電極構造の放電型サージ吸収素子を挿入すると同軸構造がくずれてしまい、その結果インピーダンスが整合せずに高周波信号の伝送特性に大きな影響を与えてしまうという問題があった。
そこで、本考案にあっては、同軸ケーブルを用いる高周波信号向けの回路において素子のインピーダンスの整合がとれ、挿入損失が少ない好適な放電型サージ吸収素子を提供することを目的とするものである。
本考案の放電型サージ吸収素子は、円筒状電極の両端開口部を絶縁板にて被蓋して形成した中空筒体内には不活性ガスを封入するとともに、上記絶縁板の中心部には線状電極を挿通し、上記中空筒体内における上記線状電極と上記円筒状電極間に放電ギャップを形成することを特徴とするものである。
また、線状電極と円筒状電極間の放電ギャップを全周に亘り同間隔としたことを特徴とするものである。
また、線状電極の外径に対する円筒状電極の内径の比を1:2〜1:5としたことを特徴とするものである。
本考案の放電型サージ吸収素子は、円筒状電極の両端開口部を絶縁板にて被蓋して形成した中空筒体内には不活性ガスを封入するとともに、上記絶縁板の中心部には線状電極を挿通し、上記中空筒体内における上記線状電極と上記円筒状電極間に放電ギャップを形成することで、放電型サージ吸収素子は同軸ケーブルと同様の同軸構造となってインピーダンスを設定することが容易となり、かつ同軸ケーブルとの接続において芯線をシールドが囲繞する同軸構造を維持することにより容易にインピーダンスを整合させることができる。
また、線状電極と円筒状電極間の放電ギャップを全周に亘り同間隔としたことで、放電が一個所に集中することなく全周を放電に供することができるので放電型サージ吸収素子の特性の安定化及び長寿命化を図ることができる。
また、線状電極の外径に対する円筒状電極の内径の比を1:2〜1:5とすることで、放電型サージ吸収素子のインピーダンスを適切な値に設定しつつ、適切な放電開始電圧とすることが可能となる。
図1及び図2は、本考案の放電型サージ吸収素子1を表しており、この放電型サージ吸収素子1は、これが挿入接続される同軸ケーブルと同様の構造、すなわち円筒状電極2の両端開口部を絶縁板3にて被蓋して形成した中空筒体4内に不活性ガスを封入するとともに、絶縁板3の中心部に線状電極5を挿通し、中空筒体4内における線状電極5と円筒状電極2間に放電ギャップ6を形成するものである。そして、線状電極5が絶縁板3の中心部を挿通することで、線状電極5と円筒状電極2間の間隔がその内周全長に亘り全周で同間隔となり、線状電極5と円筒状電極2の全周を放電ギャップ6とすることができる。これにより、放電が一個所に集中することなく中空筒体4内の線状電極5と円筒状電極2の全周で放電可能とすることができ、放電型サージ吸収素子1の特性の安定化及び長寿命化が可能となる。
放電型サージ吸収素子1自身のインピーダンスは、線状電極5の外径と、円筒状電極2の内径との比を適宜に設定することにより、これを接続する同軸ケーブル(図示せず)の伝送路のインピーダンスと整合させることができる。すなわち、線状電極5の外径に対する円筒状電極2の内径の比を小さくするとインピーダンスは低下し、また大きくするとインピーダンスは上昇する。
その一方、線状電極5と円筒状電極2間の放電ギャップ6を小さくすると放電開始電圧は低下し、また放電ギャップ6を大きくすると放電開始電圧は上昇するので、インピーダンスと放電開始電圧の両方をうまく設定する必要がある。
そこで線状電極6の外径に対する円筒状電極2の内径の比を、1:2〜1:5の間に設定することとする。これは、放電型サージ吸収素子1のインピーダンスが、50Ω、75Ω、93Ωに設定されることが多いことを考慮した上で設定されるものであり、50Ωの場合には線状電極6の外径に対する円筒状電極2の内径の比は1:2.3、75Ωの場合は1:3.5、93Ωの場合は1:4.7となるものである。
また放電型サージ吸収素子1の内部には、アルゴン、ネオン、ヘリウム、キセノン等の希ガス、あるいは窒素ガス等の不活性ガスの単体又は混合ガスよりなる放電ガスを封入する。
そして放電型サージ吸収素子1を同軸ケーブルに接続するに際しては、線状電極5を同軸ケーブルの芯線に接続するとともに、円筒状電極2を同軸ケーブルのシールドに接続するものである。本考案の放電型サージ吸収素子1を同軸ケーブルの伝送路に接続することで、一般的には静電容量が増加し、インピーダンスが減少することとなるが、本考案にあっては放電型サージ吸収素子1における線状電極5の外径及び円筒状電極2の内径を適宜に設定することにより、伝送路のインピーダンスを保持することができる。
本考案の放電型サージ吸収素子を示す斜視図である。 本考案の放電型サージ吸収素子を示す断面図である。
符号の説明
1 放電型サージ吸収素子
2 円筒状電極
3 絶縁板
4 中空筒体
5 線状電極
6 放電ギャップ

Claims (3)

  1. 円筒状電極の両端開口部を絶縁板にて被蓋して形成した中空筒体内には不活性ガスを封入するとともに、上記絶縁板の中心部には線状電極を挿通し、上記中空筒体内における上記線状電極と上記円筒状電極間に放電ギャップを形成することを特徴とする放電型サージ吸収素子。
  2. 線状電極と円筒状電極間の放電ギャップを全周に亘り同間隔としたことを特徴とする請求項1記載の放電型サージ吸収素子。
  3. 線状電極の外径に対する円筒状電極の内径の比を1:2〜1:5としたことを特徴とする請求項1又は2記載の放電型サージ吸収素子。
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