JP3115774U - エアロゾル発生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
エアロゾルを安定化させて目的成分を効率よく測定や分析できるようにする。
【解決手段】
キャリアガスはキャリアガス供給部1から供給し、イオン発生器7において帯電させる。試料水溶液は試料供給部9からネブライザー3に供給し、超音波振動子11によって微小液滴化する。このとき微小液滴は帯電するが、その電荷はそれよりも電荷密度の大きいキャリアガスの電荷によって中和されて安定化する。
【選択図】図1
エアロゾルを安定化させて目的成分を効率よく測定や分析できるようにする。
【解決手段】
キャリアガスはキャリアガス供給部1から供給し、イオン発生器7において帯電させる。試料水溶液は試料供給部9からネブライザー3に供給し、超音波振動子11によって微小液滴化する。このとき微小液滴は帯電するが、その電荷はそれよりも電荷密度の大きいキャリアガスの電荷によって中和されて安定化する。
【選択図】図1
Description
本考案は、各種液体試料をエアロゾルにして測定や分析を行なう分析装置で使用されるエアロゾル発生装置に関するものである。
エアロゾル発生装置としては一般にネブライザーが使用され、例えばICP(誘導結合プラズマ測定装置)用のネブライザーとしては、霧化のためのガスを試料を囲むように流して霧化する構造(気送型)が用いられる(特許文献1参照。)。気送型ネブライザーでは、試料導入用キャピラリを介して、キャリアガス(通常、アルゴンガス)によって霧吹きの原理で試料溶液を自動的に吸引し、霧化室内に噴霧して霧化する。霧化された試料はプラズマトーチヘ送られ、そこで励起されて発光する。霧化室に導入された試料のうち、霧化されなかった液体はドレンへ排出される。
気送型のネブライザー以外に、超音波を利用して試料を霧化させる超音波式ネブライザーも使用されている(特許文献2参照。)。
超音波式ネブライザーでは、超音波振動子に高周波電圧を印加することにより超音波振動を発生させ、その振動によって試料液を微小液滴化し、キャリアガス供給部から供給されるイオンを含まないガス中に分散させてエアロゾルとして分析装置へ導く。超音波振動子に試料液体を直接接触させると振動子の電極が腐蝕してしまうため、一般には、振動子の表面側にガラス板を固着し、そのガラス板の表面で霧化するようになっている。
超音波式ネブライザーでは、超音波振動子に高周波電圧を印加することにより超音波振動を発生させ、その振動によって試料液を微小液滴化し、キャリアガス供給部から供給されるイオンを含まないガス中に分散させてエアロゾルとして分析装置へ導く。超音波振動子に試料液体を直接接触させると振動子の電極が腐蝕してしまうため、一般には、振動子の表面側にガラス板を固着し、そのガラス板の表面で霧化するようになっている。
ネブライザーにより水溶液を微小液滴化すると、多くの場合、正負のいずれかに帯電した微小液滴が発生する。これは、液体が急激に微小液滴化する際に液体の表面エネルギーが変化することによって液滴が正に帯電し、周りの空気が負に帯電するという、レナード効果として知られている。
しかしながら、ネブライザーでエアロゾルを生成させてもその微小液滴が正負いずれかに帯電していると、分析装置に到達するまでにクーロン力により流路の器壁に吸着されやすくなるために、目的成分を効率よく測定したり分析することが困難になる。
本考案は、エアロゾルを安定化させて目的成分を効率よく測定や分析できるようにすることを目的とする。
しかしながら、ネブライザーでエアロゾルを生成させてもその微小液滴が正負いずれかに帯電していると、分析装置に到達するまでにクーロン力により流路の器壁に吸着されやすくなるために、目的成分を効率よく測定したり分析することが困難になる。
本考案は、エアロゾルを安定化させて目的成分を効率よく測定や分析できるようにすることを目的とする。
本考案のエアロゾル発生装置は、試料液を微小液滴化するネブライザーと、ネブライザーに試料液を供給する試料液供給部と、ネブライザーで発生した微小液滴を分析装置へ送るキャリアガスをネブライザーへ供給するキャリアガス供給部を備えており、キャリアガス供給部とネブライザーの間のキャリアガス流路にキャリアガスによる正負のキャリアガスイオンを発生するためのガスイオン発生器をさらに備え、ネブライザーにおいて発生する微小液滴の帯電をキャリアガスイオンによって中和するものである。
ガスイオン発生器の一例は、交流高電圧によりキャリアガスイオンを発生させるコロナ放電式のものである。コロナ放電とは先端放電とも言い、局所的に放射状の強い電界が存在する場合に現れる気中放電を言う。
ネブライザーの一例は試料液を超音波振動子により超音波振動を与えて霧化する超音波式ネブライザーである。
ネブライザーの一例は試料液を超音波振動子により超音波振動を与えて霧化する超音波式ネブライザーである。
ネブライザーの他の例は、エレクトロスプレー式イオン化法によるネブライザーである。エレクトロスプレー式イオン化法とは、質量分析法におけるイオン化法の一種であり、サンプル溶液が流出するキャピラリに数千ボルトの電圧をかけ、これにキャリアガスの気流を作用させることで溶液は霧状となり、それにより溶媒が気化しサンプルをイオン化するものである。イオン化法としては最もサンプル分子が分解されにくい方法で、多価イオンが生成することも特徴である。
また、ネブライザーと分析装置との間のエアロゾル流路に、微小液滴の水分を蒸発させる加熱部と、その蒸発により発生した水分を系外へ除去する冷却器をさらに備えるようにしてもよい。
本考案のエアロゾル発生装置では、ネブライザーで発生した微小液滴の電荷が、ガスイオン発生器からのキャリアガスイオンにより中和されることによって、器壁への付着が抑えられるようになって安定した微小液滴となり、比較的長い時間、高濃度のままエアロゾルを維持することができるようになる。
ガスイオン発生器にコロナ放電式のものを用いるようにすると、アメリシウム等の放射線源を使用する場合に比べて取り扱いの煩雑さが少なくなる。
ネブライザーに超音波式ネブライザーを用いるようにすると、均一な粒子径の液滴を発生させやすくなる。
また、エレクトロスプレー式イオン化法によるネブライザーを用いるようにすると、より小さな液滴を発生させやすくなる。
エアロゾルの微小液滴の水分を除去するようにすれば、試料液中に分散又は溶解していた成分のみの測定又は分析を行うことができるようになる。
ネブライザーに超音波式ネブライザーを用いるようにすると、均一な粒子径の液滴を発生させやすくなる。
また、エレクトロスプレー式イオン化法によるネブライザーを用いるようにすると、より小さな液滴を発生させやすくなる。
エアロゾルの微小液滴の水分を除去するようにすれば、試料液中に分散又は溶解していた成分のみの測定又は分析を行うことができるようになる。
以下、本考案の実施例を説明する。
図1はエアロゾル発生装置の概略構成図である。1はキャリアガス供給部であり、ネブライザー3にイオンを含まないガスを供給するためのものである。キャリアガス供給部1とネブライザー3の間のキャリアガス流路にはAC電源5によって作動するコロナ放電式のガスイオン発生器7が備えられている。ガスイオン発生器7で帯電させられたガスイオンを含むキャリアガスはネブライザー3に供給される。キャリアガス中のガスイオン密度はネブライザー3で発生する微小液滴の電荷密度よりも大きくなるように、ガスイオン発生器7の放電条件を設定しておく。
図1はエアロゾル発生装置の概略構成図である。1はキャリアガス供給部であり、ネブライザー3にイオンを含まないガスを供給するためのものである。キャリアガス供給部1とネブライザー3の間のキャリアガス流路にはAC電源5によって作動するコロナ放電式のガスイオン発生器7が備えられている。ガスイオン発生器7で帯電させられたガスイオンを含むキャリアガスはネブライザー3に供給される。キャリアガス中のガスイオン密度はネブライザー3で発生する微小液滴の電荷密度よりも大きくなるように、ガスイオン発生器7の放電条件を設定しておく。
ネブライザー3としては超音波式ネブライザーを用いた。ネブライザー3には微粒子を含む試料水溶液を供給するための試料供給部9が接続されている。試料供給部9からの試料水溶液は、キャピラリなどの流路を経てネブライザー3に供給され、ネブライザー3の一端(図の左側)に備えられている超音波振動子11によって超音波振動され、霧化される。ネブライザー3によって生成した微小液滴は、正又は負の電荷を帯びているものとなるが、ガスイオンを含んだキャリアガス中に分散することによって中和され、ヒータ13によって80〜150℃に加熱されているエアロゾル流路に導かれる。
ヒータ13を経たエアロゾル流路は微粒子を冷却するための冷却器15に接続されている。冷却器15には冷却水を供給・排出できるように、供給口と排出口が設けられている。
ヒータ13を経たエアロゾル流路は微粒子を冷却するための冷却器15に接続されている。冷却器15には冷却水を供給・排出できるように、供給口と排出口が設けられている。
次に本考案の動作を説明する。
キャリアガスとして、例えばアルゴンガスをキャリアガス供給部1から供給し、ガスイオン発生器7において帯電させる。アルゴンガスの個々の原子は正又は負に帯電されるが、全体としては中和された状態となる。
ネブライザー3には試料供給部9から試料水溶液が供給され、超音波振動子11によって超音波振動される。これにより試料水溶液は霧化して微小液滴になり、レナード効果によって正又は負に帯電する。
キャリアガスとして、例えばアルゴンガスをキャリアガス供給部1から供給し、ガスイオン発生器7において帯電させる。アルゴンガスの個々の原子は正又は負に帯電されるが、全体としては中和された状態となる。
ネブライザー3には試料供給部9から試料水溶液が供給され、超音波振動子11によって超音波振動される。これにより試料水溶液は霧化して微小液滴になり、レナード効果によって正又は負に帯電する。
このとき、帯電した微小液滴はアルゴンガス中に浮遊した状態になるとともに、微小液滴の電荷は、それよりも電荷密度の大きいアルゴンガスイオンによって中和される。
その後、微小液滴はヒータ13が備えられている流路内を経ることによって約100℃に加熱されて水分が蒸発し、冷却器15中のエアロゾル流路を通過し、約5℃程度に冷却される。ここで微小液滴の水分が蒸発することにより、微小液滴に含まれていた微粒子がキャリアガス中に分散し、また微小液滴中に溶解していた成分が析出して微粒子になってキャリアガス中に分散する。微小液滴から蒸発した水分は凝縮してドレン排出口から排出され、微粒子が分散したエアロゾルは分析装置に導かれる。
その後、微小液滴はヒータ13が備えられている流路内を経ることによって約100℃に加熱されて水分が蒸発し、冷却器15中のエアロゾル流路を通過し、約5℃程度に冷却される。ここで微小液滴の水分が蒸発することにより、微小液滴に含まれていた微粒子がキャリアガス中に分散し、また微小液滴中に溶解していた成分が析出して微粒子になってキャリアガス中に分散する。微小液滴から蒸発した水分は凝縮してドレン排出口から排出され、微粒子が分散したエアロゾルは分析装置に導かれる。
本考案は上記の実施例のみに限定されるものではなく、上記ネブライザー3はエレクトロスプレー式ネブライザーであってもよい。
本考案は、各種液体試料をエアロゾルにして測定や分析を行なう分析装置に利用することができる。
1 キャリアガス供給部
3 ネブライザー
5 AC放電
7 ガスイオン発生器
9 試料供給部
11 超音波振動子
13 ヒータ
15 冷却器
3 ネブライザー
5 AC放電
7 ガスイオン発生器
9 試料供給部
11 超音波振動子
13 ヒータ
15 冷却器
Claims (5)
- 試料液を微小液滴化するネブライザーと、前記ネブライザーに試料液を供給する試料液供給部と、前記ネブライザーで発生した微小液滴を分析装置へ送るキャリアガスを前記ネブライザーへ供給するキャリアガス供給部を備えたエアロゾル発生装置において、
前記キャリアガス供給部と前記ネブライザーの間のキャリアガス流路にキャリアガスによる正負のキャリアガスイオンを発生するためのガスイオン発生器をさらに備え、
前記ネブライザーにおいて発生する微小液滴の帯電を前記キャリアガスイオンによって中和することを特徴とするエアロゾル発生装置。 - 前記ネブライザーと分析装置との間のエアロゾル流路に、微小液滴の水分を蒸発させる加熱部と、
その蒸発により発生した水分を系外へ除去する冷却器をさらに備えた請求項1に記載のエアロゾル発生装置。 - 前記ガスイオン発生器は交流高電圧によりキャリアガスイオンを発生させるコロナ放電式のものである請求項1又は2に記載のエアロゾル発生装置。
- 前記ネブライザーは超音波振動子により試料液に超音波振動を与えて霧化する超音波式ネブライザーである請求項1から3のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
- 前記ネブライザーはエレクトロスプレー式イオン化法によるネブライザーである請求項1から3のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005006567U JP3115774U (ja) | 2005-08-12 | 2005-08-12 | エアロゾル発生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005006567U JP3115774U (ja) | 2005-08-12 | 2005-08-12 | エアロゾル発生装置 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2008205053A Continuation JP2009008689A (ja) | 2008-08-08 | 2008-08-08 | エアロゾル発生装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3115774U true JP3115774U (ja) | 2005-11-17 |
Family
ID=43278015
Family Applications (1)
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JP2005006567U Ceased JP3115774U (ja) | 2005-08-12 | 2005-08-12 | エアロゾル発生装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3115774U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111505103A (zh) * | 2020-04-29 | 2020-08-07 | 哈尔滨工业大学(威海) | 气溶胶气-液界面短存活中间体检测装置及方法与应用 |
-
2005
- 2005-08-12 JP JP2005006567U patent/JP3115774U/ja not_active Ceased
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CN111505103A (zh) * | 2020-04-29 | 2020-08-07 | 哈尔滨工业大学(威海) | 气溶胶气-液界面短存活中间体检测装置及方法与应用 |
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